2026年度 明治大学付属世田谷中学校 第1回入試【算数】問題分析|難易度・解く順番・おすすめ対策

中学受験算数

2026年度明治大学付属世田谷中学校(明大世田谷)第1回入試・算数は、試験時間50分・100点満点・大問6題で実施されました。

全体の難易度は標準〜やや難です。前半では計算・売買損益・仕事算・食塩水・列車など、中学受験算数の典型問題が並びますが、後半になると経路数・規則性・複合図形・立方体切断と、思考力を必要とする問題が増えていきます。

難問だけを解く力というより、前半の標準問題を確実に取り、後半でどこまで得点を積み上げられるかが重要な入試です。

2026年度 明大世田谷・算数の総評|前半の安定感と後半の思考力がポイント

2026年度第1回の算数は、大問ごとの役割が比較的はっきりしています。

  • 大問1は、計算力と計算の工夫
  • 大問2は、典型文章題を中心とした小問集合
  • 大問3は、格子状の道路を使った場合の数
  • 大問4は、分数数列の規則性
  • 大問5は、角度・扇形・図形の移動
  • 大問6は、立方体の体積比と切断

大問1・2では、中学受験で学ぶ基本〜標準的な単元を幅広く確認しています。一方、大問3以降では、単元名を見ただけでは解法が決まらない問題が増えます。

つまり、「典型題を解く力」と「初めて見る状況を整理する力」の両方が求められる構成です。

出題形式・試験時間・大問構成

  • 試験時間:50分
  • 満点:100点
  • 大問数:6題
大問主な分野内容難易度
1計算整数・小数・分数の複合計算、計算の工夫標準
2小問集合分数、売買損益、仕事算、食塩水、列車、平面図形標準〜やや難
3場合の数格子状の道路、最短経路、条件付き経路標準〜やや難
4規則性分数数列、約分、大小関係やや難
5平面図形角度、五芒星、扇形、図形の移動やや難
6立体図形立方体、三角錐、切断、体積比やや難〜難

大問別の分析|どこまでを確実に取りたいか

大問1|計算は3問とも確保したい

大問1は3題の計算問題です。単純な四則計算だけではなく、計算をまとめて簡単にする工夫も求められています。

(2)では、7.3と0.37をそれぞれまとめることで計算量を大きく減らせます。(3)も分数・小数・帯分数が混在していますが、それぞれを分数に直して整理すれば難しい計算ではありません。

後半に時間を残すためにも、大問1は短時間で3問とも正解したいところです。

大問2|典型題が中心だが、最後の図形まで幅広い

大問2は6問からなる小問集合です。

  • 分数の最小値
  • 売買損益
  • 仕事算
  • 食塩水
  • 列車の追い越し
  • 正方形と長方形を組み合わせた面積

と、かなり幅広い単元から出題されています。

(2)〜(5)は、中学受験算数では頻出のテーマです。売買損益なら原価を1として割合で整理し、仕事算なら全体の仕事量を整数で置く、列車なら相対速度を利用するなど、基本的な解法をすぐに選べる状態にしておきたいところです。

一方、(6)の正方形の問題は少し発想が必要です。4つの長方形の対角線を組み替えて1辺7cmの正方形を作ることで、中央の正方形の面積を求められます。

大問2は全体として得点源ですが、(6)だけは一度後回しにする選択肢もあります。

大問3|最短経路から一段進んだ場合の数

大問3は、東西・南北に走る道路を使った経路数の問題です。

(1)は、東に5回、北に3回進む最短経路なので、典型的な組合せの問題です。

(2)では、特定のC地点を通らない経路数を求めます。全体からCを通る経路を引く余事象で考えると整理できます。

(3)になると条件が変わり、東・西・北へ移動できる一方、同じ道は2回通れません。

ここでは、北へ進む3回について、それぞれ6本ある縦の道のどこを使うかを決めればよいと考えると、6×6×6=216通りと求められます。

(1)(2)は確保したい一方、(3)は問題の構造を見抜けるかで差がつきます。

大問4|規則を発見して一般化できるか

大問4は、

1、1、7/9、5/8、13/25、4/9、19/49、……

という分数の数列を扱います。

約分前の形を見ると、

1/1、4/4、7/9、10/16、13/25、16/36、19/49、……

となり、分子は3ずつ増え、分母は1²、2²、3²……と並んでいることが分かります。

(1)はこの規則に気づけば比較的素直ですが、(2)では約分した後の分母と分子の差を考える必要があるため、単純に一般式を代入するだけでは終わりません。

(3)ではn番目の数を、

(3n−2)/n²

と表し、1/7との大小を考えます。

大問4は、具体例から規則を見つけ、それを一般化する力が問われる大問です。

大問5(1)|等しい辺をつないで二等辺三角形を作る

大問5(1)は、AD=EBという条件と、52°・76°・28°という角度を利用して角「あ」を求めます。

三角形BEC、BDCで角度を求めることで、

BC=CE、BC=BD

が分かります。

さらにAD=EBと組み合わせることでAE=CEとなり、最後は二等辺三角形AECから角度を求めます。

図がやや複雑に見えますが、使っているのは二等辺三角形の基本です。条件から等しい辺を次々につなげられるかがポイントになります。

大問5(2)|五芒星・扇形・図形の移動を組み合わせる

同じ形の扇形の弧5つを組み合わせた図形Aを扱います。

①では、5つの扇形の半径を描き加えると五芒星が現れます。五芒星の5つの先端角の和が180°であることから、5つの弧に対応する中心角の和も180°と分かります。

従って、図形Aの周りの長さは半径4cmの半円と同じ長さになります。

②では、その図形Aを円の周りに滑らないように動かします。図形Aの周長と円周が等しいことから円の半径を求め、さらに図形Aを構成する弧の半径4cmを加えることで、通過部分を半径6cmと2cmの同心円にはさまれた部分として捉えます。

通常の扇形問題から一段進んだ、図形の性質と移動を組み合わせた問題です。

大問6|立方体切断が最大の難所

大問6は、立方体の辺の中点を利用した体積・切断問題です。

(1)では、三角錐ACDJの底面積が立方体の1面の1/2、高さが立方体の1辺の1/2であることから、三角錐の体積が立方体全体の1/12になることを利用します。

ここまでは体積比の基本問題です。

しかし(2)では、I・J・Kを通る平面で立方体を切ります。切断面は、6本の辺の中点を結んだ六角形になります。

さらに切断面の中心Oを取り、六角形を6つの三角形に分け、頂点Aと結ぶことで同じ体積の三角錐6個として考えます。

切断面を正確に作図し、その後に体積比まで考える必要があるため、この回で最も難しい問題の一つです。

合格点を狙う段階では、(1)まで確保して(2)は残り時間で挑戦する戦略でも問題ありません。

おすすめの解く順番|大問4〜6を問題番号通りに解く必要はない

この回では、大問1・2を先に確実に処理した後、後半は小問単位で得点しやすいものを拾う方法がおすすめです。

一例として、

1 → 2(1)〜(5) → 3(1)(2) → 4(1) → 5(1) → 6(1) → 2(6) → 3(3) → 4(2)(3) → 5(2) → 6(2)

という順番が考えられます。

ポイントは、大問単位で完答してから次へ進む必要はないということです。

  • 大問3なら(1)(2)
  • 大問4なら(1)
  • 大問5なら(1)
  • 大問6なら(1)

は比較的取り組みやすいため、先に回収しておく価値があります。

時間配分の目安|50分で後半まで触れるために

標準的な受験生

  • 大問1:5分前後
  • 大問2:12〜15分
  • 大問3:7〜8分
  • 大問4:7〜8分
  • 大問5:7〜8分
  • 大問6:残り時間

ただし、大問4〜6は完答を前提にする必要はありません。

30分経過時点で大問3付近までの得点源を一通り回収できている状態が一つの目安です。

上位層の受験生

上位層なら、大問1・2を15分前後で終え、大問3〜6に30分程度残したいところです。

特に大問6(2)まで狙う場合は、前半の典型問題で迷わないことが前提になります。

受験生の出来を分けたポイント

大問2(6)の図形の組み替え

辺の長さを直接求めようとすると計算が複雑になります。対角線を組み替えて別の正方形を作ることで、面積だけを比較できることに気づけるかがポイントです。

大問3(3)の経路数

一つ一つ経路を書き出すのではなく、北へ進む場所を3回選ぶと捉えられるかで計算量が大きく変わります。

大問4の一般化

具体的な分数を並べるだけでなく、n番目を(3n−2)/n²と表せるかが後半を解く鍵になります。

大問5(2)の五芒星

弧だけを見て中心角を求めようとするのではなく、半径を描き加えて五芒星を作ることで180°という情報を得ます。補助線によって問題を既知の図形へ変える力が必要です。

大問6(2)の立方体切断

I・J・Kだけを見るのではなく、同じ平面が他のどの辺の中点を通るかを見抜く必要があります。立体切断に慣れていない受験生にとってはかなり難しい問題です。

2026年度 明大世田谷・算数のおすすめ対策

1. 小問集合を速く正確に処理する

売買損益、仕事算、食塩水、列車などは、特殊な問題ではありません。

これらは解法を考える問題ではなく、問題を見たらすぐ方針が決まる状態まで仕上げておくことが、後半へ時間を残すために重要です。

2. 場合の数は「全体−除く」「何を選ぶか」で整理する

大問3では、余事象や経路の選択が有効でした。

場合の数では、すぐに樹形図を書くだけではなく、何を選べば経路が一意に決まるのかを考える習慣をつけましょう。

3. 規則性は一般項まで考える

大問4のような問題では、数列を数項延ばすだけでは後半に対応できません。

n番目を式で表すところまで考える練習をしておくと、個数や大小比較にも対応しやすくなります。

4. 平面図形では補助線を積極的に使う

大問2(6)や大問5では、元の図だけを眺め続けるより、線を書き加えることで構造が見えます。

正方形・二等辺三角形・五芒星など、知っている図形を作る補助線を意識して練習すると効果的です。

5. 立方体切断は中点を通る平面を重点的に練習する

大問6(2)まで狙うなら、立方体の切断対策は欠かせません。

特に、辺の中点を複数通る切断では、向かい合う面で切り口が平行になることなどを利用して、切断面を正確に完成させる練習をしておきたいところです。

明大世田谷の算数が向いている受験生

  • 典型的な文章題を安定して処理できる子
  • 場合の数や規則性を整理して考えられる子
  • 図形に補助線を書き込むことを苦にしない子
  • 立体を複数の方向から見ることができる子
  • 難しい問題を一度飛ばし、取れる問題へ移れる子

前半だけを見ると典型問題中心ですが、後半にはかなり考えさせる問題があります。そのため、基礎力が安定したうえで、規則性・図形・立体を楽しんで考えられる受験生とは相性のよいセットです。

まとめ|2026年度 明大世田谷第1回・算数で得点するために

2026年度第1回の明治大学付属世田谷中学校・算数は、前半の典型問題から後半の思考問題へ段階的に難度が上がる構成でした。

  • 大問1・2では、計算・割合・仕事算・食塩水・速さを確実に処理する
  • 大問3では、経路数を組合せや余事象で整理する
  • 大問4では、数列の規則を一般化する
  • 大問5では、補助線から図形の性質を引き出す
  • 大問6では、立方体の切断と体積比を整理する

という力が問われています。

対策では、難問ばかりに取り組むのではなく、まず大問1・2レベルの典型問題を速く正確に処理する力を固め、そのうえで場合の数・規則性・複合図形・立体切断へ進むのが効率的です。

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