【2026年版】鎌倉学園中学校の評判は?建長寺に隣接する男子進学校、「礼義廉恥」と文武両道の6年間を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|建長寺とともに歩んできた「カマガク」の100年
    1. 鎌倉学園中学校の基本情報
    2. 前身は1885年創設の「宗学林」
    3. 建長寺は「隣にある観光名所」ではない
    4. 校訓「礼義廉恥」が示すもの
    5. 「文武両道」は、勉強と運動という意味だけではない
    6. 男子だけで過ごす6年間と、その先の進路
  2. アクセスと立地環境|北鎌倉駅から建長寺へ、鎌倉の日常の中で通う6年間
    1. 北鎌倉駅から徒歩約13分
    2. 横須賀線一本で横浜方面とつながる
    3. 徒歩だけでなく「建長寺」バス停も利用できる
    4. 校門のすぐ隣が建長寺という立地
    5. 緑と歴史のある環境と、にぎわう鎌倉の両方がある
    6. 6年間の通学として考えておきたいこと
  3. 教育方針とカリキュラム|自主自律を支える授業と中高6年間の学び
    1. 中1・中2・中3で役割を分けた3年間
    2. 英語・数学を先取りし、国語を含む主要3教科を厚く学ぶ
    3. 授業についていけないまま先へ進ませない補習体制
    4. 中学3年間で「自分」から「社会」、そして将来へ
    5. 実験や体験を、教科書の外側に置かない
    6. 高2で文系・理系、高3では発展・標準へ
  4. 学校生活と年間行事|坐禅から星月祭、林間学校まで、教室の外にも広がる学び
    1. 春から冬まで、学習と行事を織り交ぜた一年
    2. 建長寺で行う坐禅教室
    3. 6月の「星月祭」は中高生がつくる学園祭
    4. 年2回の体育デーと、部活動とは違うクラスでの時間
    5. 中1・中2の林間学校、中3の研修旅行
    6. 理科・社会科教室、スキー、総合学習発表まで続く体験型の学び
  5. 部活動と文武両道|「勉強以外の何か」に本気で打ち込む放課後
    1. 運動部は週4〜6日、文化部は週3日程度が中心
    2. 野球・剣道・テニスなど、競技に本格的に取り組む運動部
    3. 文化部の選択肢がかなり幅広い
    4. 鉄道、科学、音楽――「好き」をかなり深く追える
    5. 中高6年間だから生まれる縦のつながり
    6. 結果だけを求めるのではない「文武両道」
  6. 進路指導と大学合格実績|文理選択から志望校決定まで、自分で進路を組み立てる
    1. 高1は大学名より先に「自分は何を学びたいのか」を考える
    2. 高2から文系・理系へ、学部・学科まで具体化する
    3. 高3は模試・大学説明会・推薦・一般選抜を並行して進める
    4. 2026年度は国公立大学67名、うち現役50名が合格
    5. 早慶上理158名、GMARCH271名――私立大学にも幅広く合格
    6. 合格者数は「進学した人数」とは異なる
  7. 学費と諸経費|初年度は約131万円、行事費やICT端末まで含めて考える
    1. 入学時に必要なのは入学金25万円と施設費25万円
    2. 授業料は月額3万8,000円、維持費は月額1万1,000円
    3. 林間学校・スキー教室・教材費などは月額1万6,000円を積み立てる
    4. PTA・生徒会・体育文化活動の会費も必要
    5. 初年度の基本費用は130万8,800円
    6. Chromebookは学校を通して購入する
  8. 入試情報と合格の目安|算数選抜と3回の4科入試、2027年度の受験方式を整理
    1. 2027年度は4回の一般入試を実施
    2. 一次・二次・三次は320点満点の4科入試
    3. 2月1日午後の算数選抜は150点・60分の1科入試
    4. 2026年度は一次2.1倍、算数選抜2.5倍、二次3.9倍、三次5.5倍
    5. 四谷大塚の80%偏差値は一次52、算数選抜58
    6. 第一志望なら複数回受験をどう使うかが重要になる
    7. 帰国生には12月入試と一般入試での判定がある
  9. 併願校パターン|鎌倉学園を軸に2月1日からの受験日程を考える
    1. まずは2027年度の主要校の日程を並べてみる
    2. チャレンジ校候補|浅野・サレジオ学院・逗子開成
    3. 標準校候補|山手学院・神奈川大学附属との組み合わせ
    4. 安全校候補|関東学院・藤嶺学園藤沢
    5. 鎌倉学園を第一志望にするなら、2月1日・2日・4日を軸にする
    6. 「どこを受けるか」より先に「どこへ進学したいか」を決める
  10. 在校生・保護者の声|「自由でおおらか」な男子校、その内側にある自主性
    1. 「明るく、おおらか」という言葉が似合う校風
    2. 男子だけだからこその気楽さと、友人との距離の近さ
    3. 部活動や行事に熱中できることへの満足感
    4. 勉強は放任ではないが、「自分でやる」ことを求められる
    5. 先生との距離は近い一方、受け止め方には個人差がある
    6. 保護者が知っておきたいのは「自由」と「自主自律」の関係
  11. この学校に向いている子の特徴|自主自律の中で、自分なりの「文武両道」を見つけられる子
    1. 勉強だけで6年間を終わらせたくない子
    2. 細かく管理されるより、自分で動けるようになりたい子
    3. 男子校のにぎやかさを楽しめる子
    4. 机の上だけではなく、実際に体験しながら学びたい子
    5. 中学入学時点で将来を決め切りたくない子
    6. 鎌倉という場所そのものを学校生活の一部として楽しめる子
  12. まとめ|建長寺の隣で、自分なりの「文武両道」をつくる6年間
    1. 建長寺との関係が、学校紹介の飾りで終わらない
    2. 「自主自律」は自由であると同時に、自分で動くことを求める
    3. 大学進学だけでは測れない「文武両道」
    4. 入試は4回、算数を武器にできる入口もある
    5. 鎌倉学園を選ぶなら、実際の生徒を見ておきたい
  13. 学習環境と施設設備|自習から部活動、昼食まで6年間の日常を支える校内環境
    1. 普通教室33室と、教科ごとに用意された特別教室
    2. 自習室とマルチスペースを使って、校内で勉強を続けられる
    3. 図書室と星月ホール、授業以外にも使われる学習空間
    4. 体育館・人工芝グラウンド・武道場までそろう運動施設
    5. 昼食は弁当・購買・カフェテリアから選べる
    6. 相談室と保健室には、身体だけでなく心を支える体制もある

学校の概要|建長寺とともに歩んできた「カマガク」の100年

鎌倉学園中学校は、神奈川県鎌倉市山ノ内にある私立の男子中学校です。JR北鎌倉駅から建長寺へ向かって歩き、そのすぐ隣に校舎があります。鎌倉という土地を名前に冠する学校はいくつかありますが、寺院との結びつきがこれほど日常の学校生活にまで入り込んでいる学校は多くありません。

校訓は「礼義廉恥」。そのもとで「自主自律」の精神を重んじ、勉強と、それ以外に情熱を注げるものの両方に取り組む「文武両道」を目指しています。大学附属校ではなく、中高6年間を通してそれぞれの進路を考えていく男子進学校です。

鎌倉学園中学校の基本情報

学校名鎌倉学園中学校
設置者学校法人鎌倉学園
所在地神奈川県鎌倉市山ノ内110
学校区分私立・男子校
中高一貫教育中学校から高校までの6年間を軸とした教育を実施。高校からの生徒募集もあり
校訓礼義廉恥
教育の柱自主自律・文武両道・知徳体のバランスを重視した人間形成
創立1921年

中学校から入学した生徒は、そのまま併設高校へ進みながら6年間を過ごすことが基本となります。一方、高校でも外部募集を行っているため、中学入学組だけで高校3年間が固定される完全中高一貫校とは少し性格が異なります。

前身は1885年創設の「宗学林」

鎌倉学園の歴史をさかのぼると、1885年に創設された「宗学林」に行き着きます。その後、1921年に鎌倉中学校の設立が認可され、現在の学校につながる歩みが始まりました。

戦後の学制改革に伴って1947年に新制中学校、1948年に新制高等学校が認可され、1975年には現在の「鎌倉学園中学校・高等学校」という校名になっています。1986年から中高一貫教育を開始し、2021年には鎌倉中学校創立から100周年を迎えました。

100年という数字だけを見ると「伝統校」という一言で済ませたくなりますが、鎌倉学園の場合、その歴史は現在の学校生活にもかなり残っています。建長寺との関係や坐禅教室、校訓に表れる考え方など、創立の背景がいまも教育の一部として機能しているからです。

建長寺は「隣にある観光名所」ではない

学校のすぐ隣にあるのが、1253年に北条時頼によって創建された臨済宗建長寺派の大本山・建長寺です。

鎌倉学園と建長寺の関係は、校舎から有名な寺が見えるという程度のものではありません。中学1年から高校1年まで坐禅教室が行われ、中学1年では建長寺の行事に参加する機会もあります。さらに、鎌倉学園では建長寺を建立した北条時頼の命日にちなみ、11月22日を創立記念日としています。

学校の成り立ちと禅寺が歴史的につながっており、その関係が現在の教育活動にも残っている。この点は、鎌倉学園を理解するうえで外せない部分です。

校訓「礼義廉恥」が示すもの

鎌倉学園の校訓は「礼義廉恥(れいぎれんち)」です。

  • 礼:節度を守ること
  • 義:自分を実際以上に見せびらかさないこと
  • 廉:自分の過ちを隠さないこと
  • 恥:他人の悪事に引きずられないこと

四文字だけを見ると少し堅い校訓ですが、求めているものはそれほど複雑ではありません。自分を必要以上に飾らず、自分の行動に責任を持ち、社会の中で守るべき線を自分で考えること。その考え方が、「自主自律」という鎌倉学園のもう一つの柱につながっています。

細かな規則によって生徒を動かすというより、自分で考え、自分を律して行動することを求める。その背景に禅の精神があるという構造です。

「文武両道」は、勉強と運動という意味だけではない

鎌倉学園が掲げるもう一つの言葉が「文武両道」です。

ここでいう「武」は、必ずしも運動部に入ってスポーツで結果を残すことだけを意味していません。学校が示しているのは、勉強に取り組むことを前提としながら、勉強以外にも自分が情熱を傾けて打ち込める何かを持つという考え方です。

それが野球やサッカー、剣道である生徒もいれば、科学、考古学、音楽、鉄道研究などである生徒もいます。学園祭などの行事に力を注ぐことも、その一つでしょう。

大学受験だけを見れば、放課後まで勉強時間に充てる方法もあります。鎌倉学園はそこに一本化せず、クラブや行事、校外での体験を含めて中高時代を過ごすことを教育の中に置いています。「知・徳・体」を一体として考える学校の姿勢は、このあたりによく表れています。

男子だけで過ごす6年間と、その先の進路

鎌倉学園は男子校です。中学校から高校まで、成長の大きな6年間を男子だけの環境で過ごします。

一方で、大学の系列校として内部進学を前提とする学校ではありません。高校卒業後は国公立大学や私立大学など、それぞれが自分の進路を選択していきます。そのため中学校段階では、すぐに大学受験だけに照準を合わせるのではなく、授業、クラブ、行事、体験学習を重ねながら、高校での進路選択につながる力をつくっていきます。

建長寺で坐禅をし、人工芝のグラウンドでは部活動に取り組み、教室では大学進学に向けて学ぶ。同じ一日の中に、禅寺の歴史と現代的な進学校の日常が同居しているところに、鎌倉学園らしさがあります。

アクセスと立地環境|北鎌倉駅から建長寺へ、鎌倉の日常の中で通う6年間

鎌倉学園中学校の最寄り駅は、JR横須賀線の北鎌倉駅です。駅から学校までは約850m、徒歩約13分。駅を出て鎌倉方面へ進み、建長寺のすぐ隣にある校舎へ向かいます。

東京や横浜の住宅街にある学校とは、登下校の風景がかなり違います。円覚寺、建長寺をはじめとする寺院が点在し、周囲には鎌倉らしい緑も残ります。中高6年間通う場所として考えると、この立地は単なる「観光地の近く」ではありません。北鎌倉の風景そのものが、毎日の学校生活の背景になります。

北鎌倉駅から徒歩約13分

所在地神奈川県鎌倉市山ノ内110
最寄り駅JR横須賀線「北鎌倉駅」
北鎌倉駅から約850m・徒歩約13分
路線バス江ノ電バス「建長寺(鎌倉学園前)」下車
利用できる主な鉄道JR横須賀線

北鎌倉駅から徒歩13分という距離は、駅前型の学校ほど短くはありませんが、中学生でも日常的に歩ける範囲です。毎日の往復で考えると、通学時間を調べる際には「自宅最寄り駅から北鎌倉駅まで」だけでなく、駅から学校までの徒歩時間も含めて見ておきたいところです。

特に雨の日や夏の暑い時期には、この約850mの感覚も変わります。受験前の学校見学では、できれば実際に北鎌倉駅から歩いてみると、6年間の通学をかなり具体的に想像できます。

横須賀線一本で横浜方面とつながる

北鎌倉駅にはJR横須賀線が停車します。横浜方面から乗り換えなしで向かえるため、鎌倉市内だけを通学圏とする学校ではありません。

横須賀線は横浜、武蔵小杉、品川、東京方面へつながっており、反対方向では鎌倉、逗子、横須賀方面へ続きます。また、大船駅で東海道線、京浜東北・根岸線、湘南モノレールなどに乗り換えられるため、藤沢・湘南方面や横浜市内の各地域から通う場合にも経路を組みやすくなっています。

鎌倉にある学校というと「鎌倉市や湘南地域の生徒が中心」という印象を持つかもしれませんが、鉄道網で見ると横浜市方面からも十分に通学圏に入ります。男子校を探す家庭にとっては、この南北に長い通学圏も学校選びの一つの材料になります。

徒歩だけでなく「建長寺」バス停も利用できる

学校の近くには、江ノ電バスの「建長寺(鎌倉学園前)」バス停があります。北鎌倉駅からはバスを利用することもでき、学校案内では所要約5分とされています。

また、鎌倉駅側から建長寺方面へ向かう路線バスも利用できます。普段は北鎌倉駅から歩き、天候や荷物の量によってバスを使うという選択もできます。

ただし、学校周辺は鎌倉を代表する観光エリアでもあります。休日や観光シーズンには道路が混み合うこともあるため、学校説明会や学園祭へ自家用車で向かうより、鉄道と徒歩・路線バスを基準に考えた方が立地を把握しやすいでしょう。

校門のすぐ隣が建長寺という立地

鎌倉学園を訪れると、立地について「建長寺に隣接」という表現が比喩ではないことが分かります。学校は臨済宗建長寺派大本山・建長寺のすぐ隣に位置しています。

北鎌倉駅周辺には円覚寺、東慶寺、浄智寺、明月院などがあり、学校から鎌倉駅方面へ進めば鶴岡八幡宮へと続きます。日本史の教科書に登場する鎌倉を、遠足で訪れるのではなく日常生活の中で歩くことになります。

もちろん、毎朝寺院を眺めながら歴史について考える生徒ばかりではないでしょう。6年間通えば、景色はやがて「いつもの通学路」になります。それでも、坐禅教室を建長寺で行う鎌倉学園では、周辺の歴史環境が学校教育と切り離されていません。立地と教育内容が自然につながっている点は、この学校の特徴です。

緑と歴史のある環境と、にぎわう鎌倉の両方がある

北鎌倉は、鎌倉駅周辺の小町通りのような商業地とは雰囲気が異なります。山に囲まれ、寺院と住宅が点在する落ち着いた地域です。校舎周辺にも緑が多く、季節によって景色が変わります。

一方、学校から鎌倉駅まではそれほど離れていません。北鎌倉の静かな環境に通いながら、少し足を延ばせば鎌倉の中心部に出られるという位置関係です。

学校が「鎌倉にある」という事実は、住所だけの話ではありません。理科・社会科教室をはじめとする校外学習、建長寺での活動など、周辺環境を使った教育も行われています。街そのものを学習の場として使いやすい場所に学校があります。

6年間の通学として考えておきたいこと

中学受験では、模試偏差値や入試日程に目が向きがちですが、合格後は年間200日前後の登校が6年間続きます。鎌倉学園の場合、北鎌倉駅から徒歩約13分という部分まで含めて、毎日の通学経路を考えておく必要があります。

その一方で、駅から学校までの道のりそのものに鎌倉学園らしさがあります。電車を降り、北鎌倉の寺院や山の景色の中を歩き、建長寺の横から校内へ入る。部活動を終えれば、同じ道を友人と駅まで戻ります。

建長寺は学校紹介用の背景ではなく、生徒にとって6年間ずっと隣にある場所です。鎌倉学園の立地を考えるときは、交通の便利さだけでなく、この街を毎日の通学路にすることまで含めて見ておくと、学校生活の姿が見えやすくなります。

教育方針とカリキュラム|自主自律を支える授業と中高6年間の学び

鎌倉学園の教育を考えるとき、「礼義廉恥」や「自主自律」といった言葉だけを見ていると、伝統を重んじる学校という印象が先に立つかもしれません。しかし、実際のカリキュラムを見ると、中学では学習習慣と基礎学力を固め、高校では進路に応じて学びを分化させていく、かなり明確な6年間の流れが組まれています。

その一方で、授業だけで生徒を囲い込む学校ではありません。探究学習、実験、校外活動、国内外での研修など、「自分で見て、考えて、試す」機会を教育の中に置いています。大学進学に必要な学力を計画的に積み上げながら、自分で動く経験を減らさない。鎌倉学園の「自主自律」は、こうしたカリキュラムの組み方にも表れています。

中1・中2・中3で役割を分けた3年間

中学校3年間は、最初から大学受験の演習へ急ぐのではなく、段階を踏んで学習の型を作ります。

学年学習上の位置づけ主な内容
中学1年学習習慣の確立中学校での授業、家庭学習、課題への取り組み方など、6年間の土台を作る
中学2年基礎学力の定着主要教科を中心に基礎を固め、より発展的な学習へ進む準備をする
中学3年先取り学習の定着・習熟度に応じた学習数学では習熟度別授業を行い、高校段階につながる学力を整える

中学受験を終えた直後の中1は、勉強量を一気に増やす時期というより、中学校での学び方そのものを身につける時期です。中2で基礎を固め、中3になると一貫教育の利点を生かした先取り学習が本格化していきます。

「先取り」というと、教科書を速く終えることに目が向きがちです。しかし、鎌倉学園では中学校3年間を高校で伸びるための基礎を作る期間として位置づけています。速度そのものより、6年間のどこで何を身につけるかという設計を見る方が、学校の考え方をつかみやすいでしょう。

英語・数学を先取りし、国語を含む主要3教科を厚く学ぶ

中学校では、大学進学の基礎となる英語・数学・国語を重視しています。そのうち英語と数学では、中高一貫教育を生かした先取り授業を行います。

特に数学は、中学3年から習熟度別授業を導入します。同じ学年でも理解度には差が生まれやすい教科だけに、全員を一つの速度で進ませるのではなく、それぞれの到達度を意識した授業へ移っていきます。この仕組みは高校1年の一貫生にも続きます。

英語も中学校段階から高校へつながる学習を進めます。語彙や文法を覚えることだけで終わらせず、その後の大学入試や国際教育へ接続できる力を6年間で積み上げていく位置づけです。

中高一貫校では、中3と高1の間に入試がないことが学習上の利点になります。鎌倉学園でも、この境目をいったん立ち止まる場所にはせず、中学校で身につけた基礎から高校内容へ連続して進める構成になっています。

授業についていけないまま先へ進ませない補習体制

先取り学習では、「進度が速い分、分からなくなったときはどうするのか」も確認しておきたいところです。鎌倉学園では通常授業に加えて、朝、昼休み、放課後などを使った補習・講習を行っています。

授業内容をさらに深める演習だけでなく、理解が十分でない内容を補う機会も設けられています。夏休みの終盤にも夏期講習期間があります。

これは、学校側が学習をすべて管理してくれるという意味ではありません。むしろ「自主自律」を掲げる学校だからこそ、本人が授業や課題に向き合うことが前提になります。そのうえで、必要なときには教員や補習を利用できる。自分で学習を進めながら、つまずいた部分を学校の仕組みで立て直す形です。

中学受験では塾の授業と宿題に沿って勉強してきた子も多いため、中1で掲げる「学習習慣の確立」には、こうした自分の学習を自分で管理する側へ移っていくという意味もあります。

中学3年間で「自分」から「社会」、そして将来へ

鎌倉学園では、教科学習とは別に総合的な学習の時間を設けています。中学校では、学年ごとに探究の視野を広げていく構成です。

学年テーマ学びの方向
中学1年自分を知る自分の興味・関心や身近な地域を起点に、テーマを設定して調査・研究する
中学2年世界を知る国際理解や環境問題など、より広い社会に目を向けて探究する
中学3年未来を示す職業や社会との関わりを考え、高校生活や将来の進路へ視野を広げる

中1では自分の興味から問いを立て、中2では社会や世界へ視点を広げ、中3では自分の将来と社会との関係を考える。調べて終わりではなく、研究成果を発表する機会もあります。

大学受験に直接出題される知識ではありません。しかし、「何を調べるのかを自分で決める」「情報を集める」「考えをまとめる」「人に伝える」という一連の作業は、高校での探究やその先の学びにもつながります。教員から問題を与えられて解く通常授業とは、少し違う頭の使い方をする時間です。

実験や体験を、教科書の外側に置かない

鎌倉学園では、体験を重んじることも教育方針の一つです。これは林間学校や研修旅行といった行事だけではなく、理科教育にも表れています。

高校では、物理・化学・生物で実験を重視し、専用の講義室も使用します。さらに理科教育の取り組みとして「K-Labo」があり、実験と問題演習を往復しながら理解を深めます。大学で扱う基礎実験を取り入れることもあり、生物では大学の研究施設などを利用した希望制の実習も行われています。

中学校段階でも、理科・社会科教室や校外での体験学習が組まれています。教科書で「知っている」状態と、自分の目で見たり手を動かしたりして「分かった」状態は、似ているようで別物です。鎌倉学園がスクール・ミッションで掲げる体験重視の教育は、この違いを意識したものと考えると分かりやすくなります。

高2で文系・理系、高3では発展・標準へ

中学校で基礎を作った後、高校では進路に応じて学習内容が次第に分かれていきます。中学校から入学した一貫生は、高1でも数学の習熟度別授業を続け、高2から文系・理系のクラスに分かれます。

高3では、さらに進路や学習段階に応じてクラスを編成します。

高校段階一貫生の主なクラス編成
高校1年数学で習熟度別授業
高校2年文系クラス・理系クラス
高校3年文Ⅰ(発展)・文Ⅱ(標準)・理Ⅰ(発展)・理Ⅱ(標準)

高3の標準クラスにも国公立大学を受験できるよう選択科目が用意されており、単純に「発展クラスなら国公立、標準クラスなら私立」と固定されているわけではありません。高校2・3年では、生徒本人の希望を尊重しながら進路に合わせてクラスを選んでいきます。

中1で学習習慣を作るところから始まり、中3で習熟度を意識した学習へ進み、高2で文理を選び、高3で志望進路に応じた演習へ入る。鎌倉学園の6年間は、早い段階で進路を決めつけるのではなく、基礎を固めながら少しずつ選択肢を具体化していく構成になっています。

学校生活と年間行事|坐禅から星月祭、林間学校まで、教室の外にも広がる学び

鎌倉学園の学校生活は、授業と部活動だけで一日が完結するものではありません。年間を通して、体育デー、学園祭、林間学校、研修旅行、理科・社会科教室、総合学習発表などが組まれています。さらに、建長寺に隣接する学校らしく、中学1年から高校1年まで坐禅教室が行われます。

行事の種類が多いだけではなく、中学1年では新しい仲間と生活をともにする経験、中学2年ではより主体的な活動、中学3年では研修旅行や海外研修へと、学年が上がるにつれて行動範囲が広がっていきます。6年間の学校生活の中で、教室とは違う場所に何度も生徒同士が関わる機会が置かれているのが鎌倉学園の年間行事の特徴です。

春から冬まで、学習と行事を織り交ぜた一年

鎌倉学園は3学期制で、各学期の授業の間に学校行事や校外活動が配置されています。2026年度の主な年間行事を中学生中心に整理すると、次のようになります。

時期主な行事
4月入学式、生徒会クラブ紹介、遠足、体育デー
5月第1回学習検査、身体測定
6月授業参観、学園祭「星月祭」、中1美術教室
7月第2回学習検査、1学期終業式、中3・高1国内英語研修
8月夏期講習、総合探究
9月中1・中2林間学校、中3研修旅行、生徒会役員選挙
10月体育デー、第3回学習検査
11月芸術鑑賞教室、中1・中2理科教室、中3社会教室、創立記念式典
12月第4回学習検査、2学期終業式
1月中1・中2スキー教室、中3スキー・スノーボード教室
2月中1〜中3総合学習発表
3月中学卒業式、スプリングフェスティバル、中3希望者海外研修旅行、中1・中2「クリーン鎌倉」

年間予定を見ると、学習検査を軸に学期の学習リズムを作りながら、その間に体験型の行事が入っていることが分かります。試験が終われば次の試験、という一年ではありません。

建長寺で行う坐禅教室

鎌倉学園らしい学校生活を象徴するものの一つが、隣接する建長寺での坐禅教室です。中学1年から高校1年まで実施され、中学1年では建長寺の行事に参加する機会もあります。

坐禅は、禅の知識を座学として学ぶだけの時間ではありません。姿勢を整えて座り、静かな時間を実際に経験します。日頃は授業、課題、部活動、友人との会話で動き続けている中高生が、あえて何もせず静かに座る。現代の学校生活では、むしろ珍しい時間かもしれません。

鎌倉学園と建長寺の関係は、校名の由来や学校史の中だけに残っているものではありません。日常の学校生活の中で、生徒自身が建長寺へ足を運ぶ機会があるためです。

6月の「星月祭」は中高生がつくる学園祭

鎌倉学園の大きな行事の一つが、6月に行われる学園祭「星月祭」です。2026年度は6月13日・14日の2日間、第64回星月祭が開催されました。

星月祭には中学1年から高校3年まで参加し、企画や準備、当日の運営にも生徒が関わります。生徒会も学園祭の企画・運営を年間活動の中心の一つとしており、来校者を迎えるところまで生徒自身が担います。

男子校の学園祭というと、部活動の発表や模擬店のにぎやかさに目が向きますが、準備期間を含めて考えると、生徒が学年を越えて動く機会でもあります。普段の授業では見えにくい、企画が得意な生徒、裏方を引き受ける生徒、人前で話す生徒など、それぞれの役割が出てきます。

受験生にとっても、星月祭は鎌倉学園の日常を知りやすい機会です。説明会では分かりにくい、生徒同士の距離感や学校全体の空気を見ることができます。

年2回の体育デーと、部活動とは違うクラスでの時間

体育デーは春と秋の年2回行われます。2026年度は4月にも中高の体育デーが実施され、年間予定には10月にも体育デーが組まれています。

鎌倉学園には運動部で本格的に競技へ取り組む生徒も多くいますが、体育デーは部活動とは別に、クラスや学年の仲間と一緒に身体を動かす行事です。普段の所属クラブとは異なる人間関係の中で協力する時間になります。

年間行事の中に春と秋の2回が置かれているため、入学して間もない時期と、クラスで半年近く過ごした後では、生徒同士の関係も違います。同じ体育行事でも、4月と10月ではクラスの見え方が少し変わってくるでしょう。

中1・中2の林間学校、中3の研修旅行

9月には、中学校3学年がそれぞれ校外へ出ます。ただし、3年間同じ形式の旅行を繰り返すわけではありません。

中学1年・2年は林間学校です。中1は山梨県の緑の休暇村を訪れ、飯ごう炊飯や洞窟探検などを行います。中2は長野県の大平宿で、囲炉裏や薪風呂などを使った昔の暮らしを体験します。

中1は入学からまだ半年ほどです。教室では同じクラスでも、火を起こしたり食事を準備したりする場面になると、普段とは違う役割分担が生まれます。中2の大平宿では、日常生活からさらに離れた環境で共同生活を経験します。

そして中学3年では関西方面への研修旅行へ進みます。中1・中2で自然の中での共同生活を経験し、中3では歴史や文化を含めた研修へと内容が変化します。学年が上がるにつれて、行事も「仲間と生活する」段階から「自分たちで見聞を広げる」段階へ進んでいきます。

理科・社会科教室、スキー、総合学習発表まで続く体験型の学び

秋以降も、中学生向けの体験型行事が続きます。11月には中学1・2年の理科教室、中学3年の社会教室が行われます。通常の教室を離れ、実際の場所や対象に触れながら教科の内容を確かめる機会です。

1月には、中学1・2年のスキー教室、中学3年のスキー・スノーボード教室があります。3学年とも雪上での活動を経験しますが、中3ではスノーボードという選択肢も加わります。

2月には中学3学年による総合学習発表があります。総合的な学習では、中1の「自分を知る」、中2の「世界を知る」、中3の「未来を示す」という段階を踏んで探究を進めており、その成果を自分の中だけにとどめず、発表という形にします。

さらに3月には、中学3年の希望者を対象とした海外研修旅行、中学1・2年の「クリーン鎌倉」も行われます。一年間を振り返ると、鎌倉学園では教室の外へ出る機会がかなり多いことが分かります。

建長寺で静かに坐る日もあれば、星月祭で学校中が動く日もあり、林間学校では火を起こし、冬には雪山へ行く。大学受験へ向けた学習はもちろん続きますが、中高時代を机の前だけで終わらせないことも、鎌倉学園が「文武両道」を考えるうえで重要な部分になっています。

部活動と文武両道|「勉強以外の何か」に本気で打ち込む放課後

鎌倉学園が掲げる「文武両道」の「武」は、運動部で大会を目指すことだけを指しているわけではありません。学校が大切にしているのは、勉強に取り組む一方で、勉強以外にも情熱を傾けて打ち込めるものを持つことです。

その受け皿となるのが、放課後のクラブ活動です。中学には運動部13、文化部・同好会24があり、競技スポーツから音楽、科学、考古学、鉄道、ディベートまで選択肢はかなり広くなっています。

大学進学を目指す進学校でありながら、クラブ活動を学校生活の脇役にはしていません。授業が終わるとグラウンドや体育館、文化部の活動場所へ生徒が散っていく。この放課後まで含めて、鎌倉学園の一日ができています。

運動部は週4〜6日、文化部は週3日程度が中心

クラブの活動頻度は、運動系では週4〜6日、文化系では週3日程度のところが多くなっています。一方、朝練を行うクラブはほとんどありません。

クラブの種類活動の目安
運動系週4〜6日程度が中心
文化系週3日程度が中心
朝練ほとんどのクラブで実施していない

運動部に入れば、放課後のかなりの時間をクラブに使うことになります。中学受験を終えたあとも学習量がなくなるわけではありませんから、帰宅後の勉強まで含めれば決して暇な6年間ではありません。

ただ、朝から晩まで学校側が時間を埋めるというより、授業、クラブ、家庭学習を自分で組み立てていく形です。「自主自律」という教育方針は、こうした日常の時間の使い方にも関係してきます。

野球・剣道・テニスなど、競技に本格的に取り組む運動部

中学の運動部には、軟式野球部、硬式テニス部、剣道部、柔道部、卓球部などがあります。校内には人工芝の第1グラウンド、体育館、剣道場、柔道場などがあり、日常的な練習の場として使われています。

なかでも軟式野球部は、2025年度の神奈川県中学校軟式野球大会で準優勝し、関東大会へ進出。2026年度春季湘南ブロック大会でも優勝しています。

剣道部も継続して大会に出場しており、2026年度の鎌倉市中学校春季剣道大会では男子個人・男子団体で優勝。その後の神奈川県中学校選抜剣道大会湘南ブロック予選でも、個人戦で優勝・準優勝者を出しています。

高校へ進むと、硬式野球、アメリカンフットボール、ラグビー、ヨット、ボクシング、山岳など、活動の選択肢はさらに広がります。中高6年間の中で一つの競技を続ける生徒もいれば、高校段階で新しい分野へ踏み出す生徒もいます。

文化部の選択肢がかなり幅広い

「文武両道」という言葉から運動部中心の学校を想像すると、鎌倉学園のクラブ構成は少し違って見えるかもしれません。文化部・同好会にも多くの選択肢があります。

分野主なクラブ・同好会
自然科学科学部、生物部など
人文・社会考古学部、弁論部など
音楽・舞台軽音楽部、吹奏楽部、演劇部など
芸術美術部など
語学ESS
趣味・研究鉄道研究同好会など

活動内容も、校内だけで完結するものばかりではありません。ESSでは鎌倉を訪れる外国人への英語インタビューや街頭での活動を行っています。考古学部では、博物館の学芸員を招いて戦国大名北条氏の古文書を読む講座が行われたこともあります。

学校が北鎌倉にあることも、文化部にとっては教材になります。鎌倉の街へ出て英語を使ったり、地域の歴史を掘り下げたりできるため、立地とクラブ活動が思わぬところでつながっています。

鉄道、科学、音楽――「好き」をかなり深く追える

文化系の活動には、中学生の「好きなものをとことん追いたい」という気質と相性のよいものが揃っています。

鉄道研究同好会では、鉄道模型の制作だけでなく、長期休暇を利用した研修旅行も実施しています。2026年には茨城県のひたちなか海浜鉄道を訪れ、乗車体験に加えて車両整備工場を見学しました。全国高等学校鉄道模型コンテストへの出展実績もあります。

科学部では3Dプリンターを使った製作なども行われ、生物部では生物の飼育や植物の育成に取り組みます。軽音楽部では校内ライブ、吹奏楽部では楽器演奏、演劇部では舞台表現と、同じ文化部でも活動の性格はかなり異なります。

弁論部では「弁論」と「ディベート」の両方に取り組みます。原稿作成や発声練習だけでなく、立論、質疑、反駁まで練習し、大会にも参加します。運動能力とは別のところで、論理的に考え、人前で言葉にする力を競うクラブです。

鎌倉学園における「武」を広く捉えるなら、こうした活動も同じところに行き着きます。何を選ぶにしても、自分が本気になれる対象を見つけ、それを続けることが重視されています。

中高6年間だから生まれる縦のつながり

鎌倉学園では、中学生と高校生が同じ敷地で学校生活を送ります。クラブによって活動形態は異なりますが、中高を通して活動できるクラブも多く、入学直後の中学1年生から見れば、高校生は数年後の自分を具体的に見ることのできる存在です。

中学校だけで完結する3年間とは違い、一つの競技や研究、表現活動を6年間続けることができます。最初は先輩についていくだけだった生徒が、数年後には後輩を教える側に回る。技術だけでなく、集団の中での立場も変化していきます。

4月には新入生に向けたクラブ紹介が行われます。そこで興味のある活動を探し、実際に入部してみるところから鎌倉学園の放課後が始まります。中学受験まで続けてきたスポーツや趣味をそのまま続けてもよいですし、入学後に初めて出会ったものを6年間続けても構いません。

結果だけを求めるのではない「文武両道」

大会で上位に進む部もあり、全国や関東レベルで活動する生徒もいます。しかし、鎌倉学園の「文武両道」を理解するうえで、大会成績だけを見るのは少し違います。

勉強だけに集中するのではなく、自分が情熱を注げる何かを見つけるというところに、この学校の考え方があります。それは野球でも剣道でも、科学でも軽音楽でも、鉄道でも構いません。

もちろん、クラブに熱中すれば勉強との時間配分は難しくなります。活動日の多い運動部なら、試験前や大会前には自分で学習時間を調整しなければなりません。そこを学校側が完全に管理してしまうのではなく、自分で折り合いをつけていくことも「自主自律」の一部なのでしょう。

授業では大学進学へ向けて学び、放課後にはそれぞれが選んだ場所へ向かう。鎌倉学園の文武両道は、全員を同じタイプの生徒に育てるというより、勉強とは別に「自分はこれをやった」と言えるものを持つ6年間を目指す考え方に近いものです。

進路指導と大学合格実績|文理選択から志望校決定まで、自分で進路を組み立てる

鎌倉学園は大学附属校ではないため、高校卒業後の進路は一つに決まっていません。国公立大学を目指す生徒、私立大学を中心に受験する生徒、理工系や医学系を志望する生徒など、それぞれが高校生活の中で進路を具体化していきます。

そのため、進路指導も高校3年になってから志望校を決める形ではありません。高校1年では自分の適性や興味を知るところから始め、高校2年では学部・学科研究と受験準備へ進み、高校3年で志望校を絞り込みます。「どの大学に入るか」だけでなく、その前に「自分は何を学びたいのか」を考える時間を置いているのが鎌倉学園の進路指導です。

高1は大学名より先に「自分は何を学びたいのか」を考える

高校1年の大きなテーマは、2年次から始まる文系・理系のクラス分けです。ただし、入学してすぐに文理を決めるのではありません。

4月には英語・国語・数学の学力と学習習慣を確認するスタディサポートに加え、進路適性検査を実施します。5月には大学の学問分野を知る「夢ナビ」のプログラムがあり、夏にはオープンキャンパスへの参加も促されます。

9月には再び学力・学習状況を確認するとともに文理適性検査を行い、秋から文系・理系の選択を具体化します。生徒向けの説明会だけでなく、保護者懇談会でもコース分けについて説明され、最終的には1月に高2での文理選択が決まります。

高校1年の主な時期進路指導の内容
4月学力・学習習慣の確認、進路適性検査
5月大学の学部・学科を知るプログラム
8月オープンキャンパスへの参加
9月スタディサポート、文理適性検査
10〜12月文理選択の説明・調査・仮決定
1月文系・理系コースを決定

偏差値や大学名だけを見て文理を決めるのではなく、自分の適性、興味のある学問、その先の仕事まで少しずつ材料を集めていく一年です。

高2から文系・理系へ、学部・学科まで具体化する

高校2年では文系・理系に分かれ、進路指導も「自分を知る」段階から、大学で何を学ぶのかを調べる段階へ進みます。

5月には河合塾の全統記述模試を実施し、以後も年間を通して模試を受験します。6月には医学部進学希望者向けの説明会も設けられ、夏にはオープンキャンパス、秋には学部・学科適性検査、冬には大学や学部について考える講演会が行われます。

高校3年で履修する選択科目も、高2の段階で決めます。大学入試では、志望学部によって必要な科目が大きく異なります。国公立大学なのか私立大学なのか、理系でも物理・化学をどう組み合わせるのかといった選択があるため、「何となく理系」という状態では科目を決められません。

3月には、受験を終えた高校3年生が高校2年生へ経験を伝える進路フォーラムも行われます。教師や予備校から入試制度を聞くだけでなく、つい数か月前まで同じ校舎で学んでいた先輩から、実際の受験勉強について聞ける機会です。

高3は模試・大学説明会・推薦・一般選抜を並行して進める

高校3年になると、進路指導は志望校合格へ向けた実務的な段階に入ります。

河合塾の全統記述模試や共通テスト模試を年間を通して受験し、自分の位置を確認します。8月には校内大学説明会、9月には大学入学共通テストや推薦入試についての説明会があり、秋には総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜など、それぞれの受験方式に応じた準備を進めます。

医学部志望者には説明会に加えて面接指導も行われます。指定校推薦、公募推薦を利用する生徒がいる一方で、一般選抜で国公立大学や私立大学を目指す生徒も多く、12月には最終的な志望校を決定します。

鎌倉学園の進路指導では、特定の入試方式へ全員を寄せるのではなく、一般選抜、推薦、総合型選抜を含めて、それぞれの進路に合わせて準備する形になっています。

2026年度は国公立大学67名、うち現役50名が合格

2026年度の大学合格実績では、国公立大学に延べ67名が合格し、そのうち50名が現役でした。

東京大学1名、京都大学4名をはじめ、一橋大学1名、東京科学大学2名、大阪大学1名などへの合格者を出しています。地元神奈川では横浜国立大学が15名と多く、13名が現役合格でした。

大学2026年度合格者数うち現役
東京大学1名1名
京都大学4名1名
一橋大学1名0名
東京科学大学2名2名
北海道大学3名1名
大阪大学1名1名
神戸大学1名1名
横浜国立大学15名13名
東京農工大学4名4名
静岡大学5名5名
国公立大学合計67名50名

旧帝大や首都圏の難関国立大学だけに合格先が集中しているわけではなく、地方国公立大学まで進路は広がっています。国公立大学を考える生徒にとって、共通テストを含む多科目型の受験に対応する進路が用意されていることが分かります。

早慶上理158名、GMARCH271名――私立大学にも幅広く合格

私立大学では、2026年度に延べ930名が合格し、うち605名が現役でした。

早稲田大学44名、慶應義塾大学30名、上智大学29名、東京理科大学55名で、いわゆる早慶上理は合計158名。明治大学95名、青山学院大学27名、立教大学41名、中央大学48名、法政大学53名、学習院大学7名を合わせると、GMARCHは271名となります。

大学2026年度合格者数うち現役
早稲田大学44名35名
慶應義塾大学30名19名
上智大学29名22名
東京理科大学55名36名
明治大学95名71名
青山学院大学27名21名
立教大学41名23名
中央大学48名40名
法政大学53名41名
学習院大学7名4名

そのほか、東京都市大学52名、日本大学48名、東洋大学24名、専修大学23名、神奈川大学22名、芝浦工業大学20名など、合格先は幅広く分布しています。理工系大学への合格者も一定数おり、文系・理系の双方から大学を選べる進学校としての進路構成が見えてきます。

合格者数は「進学した人数」とは異なる

2026年度の大学合格者数を合計すると、国公立大学67名、私立大学930名で延べ997名となります。この数字を見る際には、一人の生徒が複数の大学・学部に合格していることに注意が必要です。

たとえば、同じ生徒が早稲田大学、明治大学、中央大学に合格すれば、それぞれ1件として集計されます。そのため「私立大学930名合格」は930人が別々に合格したという意味ではありません。また、合格した大学と実際に進学した大学も同じとは限りません。

それでも、国公立大学から早慶上理、GMARCH、理工系大学まで多様な合格先があることから、鎌倉学園の進路が特定の大学群に固定されていないことは分かります。

中学入学時点で将来の大学を決めている生徒は多くないでしょう。鎌倉学園では、中学で学習とさまざまな体験を重ね、高校で文理を選び、大学・学部について調べ、最後に志望校を絞っていきます。大学附属校ではないからこそ、6年間の途中で興味や得意分野が変わっても、その時点から進路を組み直せる。その選択の幅を支えるのが、段階的な進路指導と大学受験に対応したカリキュラムです。

学費と諸経費|初年度は約131万円、行事費やICT端末まで含めて考える

私立中学校を選ぶときは、授業料だけでなく、入学金、施設費、教材費、行事費、ICT端末なども含めて考える必要があります。鎌倉学園中学校では、2027年度入学生の場合、入学時に入学金25万円と施設費25万円を納め、その後は授業料や維持費、各種会費、積立金を負担します。

入学金から年間の校納金までを合計すると、初年度の基本的な費用は130万8,800円です。これとは別にChromebookの購入費などが必要になるため、実際の初年度負担はもう少し大きくなります。

入学時に必要なのは入学金25万円と施設費25万円

合格後、入学する場合には入学金250,000円と施設費250,000円が必要です。

項目金額
入学金250,000円
施設費250,000円
入学時納入額合計500,000円

入学金と施設費だけで50万円になるため、受験料とは別に、合格後すぐにまとまった資金が必要になります。

なお、施設費については、納入後に入学を辞退した場合には所定の手続きを行うことで返金されます。一方、入学金は納入後の返還がありません。複数校を併願する場合には、各校の合格発表日と手続期限をあらかじめ確認しておくことが重要です。

授業料は月額3万8,000円、維持費は月額1万1,000円

入学後の基本となる校納金は、授業料と維持費です。

項目月額年額換算
授業料38,000円456,000円
維持費11,000円132,000円
合計49,000円588,000円

授業料だけを見ると年間45万6,000円ですが、維持費を含めると年間58万8,000円です。私立中学校の学費を比較するときは、「授業料」だけで学校間を比べると実際の負担が見えにくいため、こうした定期的な校納金まで含めて見る必要があります。

林間学校・スキー教室・教材費などは月額1万6,000円を積み立てる

鎌倉学園では、授業料・維持費とは別に月額16,000円の積立金があります。年額にすると192,000円です。

この積立金は、林間学校、スキー教室、修学旅行、副教材などの費用に充てられます。

鎌倉学園では、中1・中2の林間学校、中3の研修旅行、冬のスキー・スノーボード教室など、教室外での活動が年間を通して行われます。その費用を行事のたびに一括で集めるのではなく、毎月積み立てていく仕組みです。

積立金は学校へ納める費用ではありますが、授業料とは性格が異なり、実際に教材や校外活動などへ使うための預り金として扱われています。

PTA・生徒会・体育文化活動の会費も必要

このほか、年間で3種類の会費があります。

項目年額
体育・文化活動振興費9,600円
生徒会費9,600円
PTA会費9,600円
合計28,800円

一つひとつの金額は大きくありませんが、年間の教育費を把握するときには授業料・維持費・積立金と合わせて計算しておきたい費用です。

初年度の基本費用は130万8,800円

入学金、施設費、1年間の授業料・維持費・各種会費・積立金を合計すると、2027年度入学生の初年度に必要となる基本的な費用は次のようになります。

項目初年度の金額
入学金250,000円
施設費250,000円
授業料456,000円
維持費132,000円
体育・文化活動振興費9,600円
生徒会費9,600円
PTA会費9,600円
積立金192,000円
合計1,308,800円

ここで注意したいのは、130万8,800円ですべての費用が完結するわけではないことです。制服・体操着などの学校生活用品やICT端末など、別途必要になる費用があります。

一方、積立金には林間学校やスキー教室、修学旅行、副教材などが含まれています。行事ごとに表示された費用をさらに単純加算するのではなく、何が積立金に含まれているかを見ながら家計を考える必要があります。

Chromebookは学校を通して購入する

鎌倉学園ではICT教育のため、生徒一人ひとりがChromebookを使用します。端末は学校を通して購入し、2026年度実績では端末代などとして約70,000円が必要でした。入学前の3月に支払います。

さらに、端末の延長保証サービスへの加入と、Googleアカウントの利用料金が別途必要です。アカウント利用料金は毎年発生します。

2026年度実績の端末代約7万円だけを初年度の基本費用に加えると、負担は約137万9,000円になります。ここに制服などの購入費やICT関連の追加費用が加わると考えておくとよいでしょう。

中高一貫校の場合、教育費は中学校入学時だけの話ではありません。鎌倉学園では多くの生徒が併設高校へ進み、その後も授業料や学校生活に伴う費用が続きます。6年間を見据えるなら、初年度の金額だけで判断するのではなく、毎年発生する授業料・維持費・積立金を中心に家計を考えることが大切です。

入試情報と合格の目安|算数選抜と3回の4科入試、2027年度の受験方式を整理

鎌倉学園中学校の2027年度一般入試は、2月1日午前の一次入試、2月1日午後の算数選抜、2月2日の二次入試、2月4日の三次入試という4回構成です。

一次・二次・三次は国語・算数・社会・理科の4科入試、算数選抜は算数1科のみ。同じ学校を複数回受験できるため、第一志望として複数回挑戦することも、2月1日午後だけ算数選抜を組み込むこともできます。

ただし、募集人数は一次100名に対して算数選抜10名、二次・三次各30名です。入試回によって受験者層や競争率も異なるため、「どの回でも同じ難しさ」と考えず、それぞれを別の入試として準備しておく必要があります。

2027年度は4回の一般入試を実施

入試区分試験日募集人数試験科目受験料
一次入試2月1日(月)午前100名国語・算数・社会・理科25,000円
算数選抜2月1日(月)午後10名算数1科10,000円
二次入試2月2日(火)午前30名国語・算数・社会・理科25,000円
三次入試2月4日(木)午前30名国語・算数・社会・理科25,000円

出願はインターネットで行います。2027年度は1月8日8時から受付を開始し、一次と算数選抜は1月29日22時、二次は2月1日22時、三次は2月3日22時が締切です。

二次・三次は、それ以前の入試結果を確認してから出願することもできます。複数回受験を考えている場合は同一のID・パスワードを利用して出願します。

一次・二次・三次は320点満点の4科入試

一次・二次・三次の試験科目と配点は共通しています。

科目試験時間配点
国語50分100点
算数50分100点
社会30分60点
理科30分60点
合計―320点

国語・算数が各100点、理科・社会が各60点なので、国算だけで全体の62.5%を占めます。ただし、理社も合わせて120点ありますから、国算だけで押し切れる配点ではありません。

算数については、一次・二次・三次で基本的な出題構成が共通しています。計算、逆算や割合などの小問、平面図形、数の性質、規則性、場合の数、速さ、立体など、中学受験算数の主要分野を広く扱う形です。奇抜な一問に対応するというより、標準的な問題を正確に処理し、そのうえで総合問題をどこまで取れるかが重要になります。

2月1日午後の算数選抜は150点・60分の1科入試

鎌倉学園の入試で特徴的なのが、2月1日午後の算数選抜です。

2027年度は募集10名。試験は算数150点満点・60分で行われます。4科の総合力ではなく、一つの教科で合否を争う入試です。

募集人数10名
試験日2月1日午後
科目算数
試験時間60分
配点150点
集合時間集合A 15:30/集合B 17:00
受験料10,000円

集合時間がA・Bの2種類に分かれているのも、午後入試ならではです。他校の受験状況に応じて集合Aから集合Bへの当日変更も可能で、2月1日午前に別の学校を受験した後で鎌倉学園へ向かう日程も組めます。

一方で、募集10名に対して受験者が集まるため、算数が得意だから簡単に合格できる入試ではありません。算数1科に絞れることと、合格しやすいことは別です。第一志望であれば、算数選抜だけに頼らず、4科入試との組み合わせも考えておきたいところです。

2026年度は一次2.1倍、算数選抜2.5倍、二次3.9倍、三次5.5倍

直近の2026年度入試では、一次から三次まで回によって実質倍率にかなり差がありました。

入試区分受験者数合格者数実質倍率合格最低点
一次入試298名141名2.1倍163点/320点
算数選抜109名43名2.5倍93点/150点
二次入試272名69名3.9倍177点/320点
三次入試246名45名5.5倍179点/320点

一次は受験者298名に対して141名が合格し、実質倍率は2.1倍でした。二次は3.9倍、三次は5.5倍まで上がっています。

合格最低点も、一次の163点に対して二次177点、三次179点でした。ただし、入試問題は回ごとに異なるため、最低点だけを見て「三次は一次より16点難しい」と単純には比較できません。それでも、後半日程になるほど募集人数が少なくなり、合格枠をめぐる競争が厳しくなりやすいことは意識しておきたいところです。

なお、算数選抜では受験者平均83.3点に対して、合格者平均は107.7点、合格最低点は93点でした。算数1科入試では、苦手分野を別教科で補うことができません。大崩れしない計算力と、総合問題で得点を積み上げる力の両方が必要になります。

四谷大塚の80%偏差値は一次52、算数選抜58

2027年中学入試に対応した四谷大塚の合不合判定テストでは、合格可能性80%のAライン偏差値が次のように示されています。

入試区分80%偏差値50%偏差値
一次入試5249
算数選抜5854
二次入試5552
三次入試5552

同じ鎌倉学園でも、入試回によって偏差値は同じではありません。一次に比べて算数選抜、二次、三次の数値が高くなっています。

特に算数選抜は、算数を得意とする受験生が集まりやすいうえ、募集人数が10名です。4科型とは受験者層そのものが少し異なるため、「一次の偏差値に算数だけで挑む試験」と考えない方がよいでしょう。

また、偏差値は模試会社によって受験者層や尺度が違います。四谷大塚の52と、別の模試の52をそのまま同じ数字として比較することはできません。志望校判定を見る場合は、同じ模試会社の数値を継続して使う方が現在地を把握しやすくなります。

第一志望なら複数回受験をどう使うかが重要になる

鎌倉学園は2月1日から4日までに4回の受験機会があるため、第一志望の家庭では複数回受験を組みやすい学校です。

たとえば2月1日午前に一次を受け、そのまま午後の算数選抜に挑戦することもできます。一次で結果が出なければ2日に二次、さらに4日に三次へ進むことも可能です。

ただし、受験機会が多いことと、何度受けても条件が同じであることは別です。2026年度の結果では、一次より二次・三次の実質倍率が高くなりました。第一志望の場合ほど、「後でもう一度受けられるから」と一次を軽く考えず、募集人数100名の一次で合格を取りにいく準備が基本になります。

反対に、算数に明確な強みがある受験生にとっては、2月1日午後の算数選抜が受験機会を一つ増やしてくれます。午前にどこを受験するか、一次と算数選抜を連続して受けるか、2日・4日まで鎌倉学園を受け続けるか。鎌倉学園の入試では、学力だけでなく4回の入試を2月全体の受験日程の中でどう配置するかまで含めて考えておく必要があります。

帰国生には12月入試と一般入試での判定がある

海外在住経験のある受験生には、12月12日に帰国生入試が実施されます。対象は、海外在留1年以上で2024年4月以降に帰国した男子など、所定の条件を満たす受験生です。

帰国生入試では、英検3級以上またはCEFR A1相当以上の英語力を証明できることが出願条件となり、英語資格と日本語による作文を合わせて総合判定します。

また、帰国生は2月の一次・二次・三次を受験することもでき、一般入試と同じ問題を使用します。帰国生については国語・算数の2科でも判定され、4科受験の場合にも合否判定で配慮されます。

一般4科入試、算数1科入試、帰国生入試と入口は複数ありますが、入学後に別コースへ分かれる学校ではありません。どの入試方式を使うかは、入学後の教育内容ではなく、受験生自身の得意分野と2月の日程に合わせて選ぶことになります。

併願校パターン|鎌倉学園を軸に2月1日からの受験日程を考える

鎌倉学園の2027年度入試は、2月1日午前の一次、同日午後の算数選抜、2月2日の二次、2月4日の三次と、4回の受験機会があります。この日程をどう使うかによって、併願の組み方はかなり変わります。

神奈川県の男子受験では、浅野、逗子開成、サレジオ学院などを上位校として組み合わせるケースがある一方、山手学院や神奈川大学附属などの共学校、さらに関東学院、藤嶺学園藤沢などを組み込むことも考えられます。

ただし、「チャレンジ校」「標準校」「安全校」という区分は固定されたものではありません。以下は鎌倉学園を一つの基準として見た場合の目安であり、本人の模試成績、得意科目、過去問との相性によって位置づけは変わります。

まずは2027年度の主要校の日程を並べてみる

鎌倉学園との併願を考えやすい学校について、2027年度の主な入試日を整理すると次のようになります。

学校名主な入試日学校区分
鎌倉学園中学校2月1日午前・2月1日午後・2月2日・2月4日男子
浅野中学校2月3日男子
逗子開成中学校2月1日・2月3日・2月5日男子
サレジオ学院中学校2月1日・2月4日男子
神奈川大学附属中学校2月1日午後・2月2日・2月4日共学
山手学院中学校2月1日午前・2月1日午後・2月3日共学
関東学院中学校2月1日・2月3日・2月5日共学
藤嶺学園藤沢中学校2月1日・2月2日・2月3日・2月5日など男子

こうして並べると、鎌倉学園を第一志望とする場合に重要なのは2月3日です。鎌倉学園は2日に二次、4日に三次がありますが、3日には入試がありません。そのため、この日に浅野、逗子開成、山手学院などを組み込めます。

逆に2月1日午後、2日午前、4日午前には鎌倉学園自身の入試があるため、神奈川大学附属やサレジオ学院などとは日程が重なります。どこを優先するかを受験前に決めておく必要があります。

チャレンジ校候補|浅野・サレジオ学院・逗子開成

鎌倉学園を基準にして、より高い模試偏差値帯へ挑戦する場合には、浅野中学校、サレジオ学院中学校、逗子開成中学校などが候補になります。

学校2027年度の主な日程併願するときの考え方
浅野中学校2月3日鎌倉学園二次と三次の間に受験できる
逗子開成中学校2月1日・3日・5日2月3日の2次や、5日の3次を組み込みやすい
サレジオ学院中学校2月1日・4日鎌倉学園一次・三次と重なるため、優先順位を明確にする必要がある

浅野は2月3日の1回入試です。鎌倉学園を2月1日・2日に受験した後でも挑戦できるため、日程上は組み合わせやすくなっています。ただし入試難度には差があるので、浅野を併願する場合は「空いている3日に受ける」というだけではなく、秋以降に浅野の過去問対策まで進められる学力があるかを見て判断したいところです。

逗子開成は鎌倉学園と同じ神奈川県南部の男子進学校で、通学圏も重なりやすい学校です。2月1日の1次は鎌倉学園一次と重なりますが、3日の2次、5日の3次で受験することができます。2027年入試対応の四谷大塚80%偏差値では、逗子開成は1次58、2次59、3次60となっており、鎌倉学園の4科入試より高い数値です。

サレジオ学院はA試験が2月1日、B試験が2月4日で、いずれも鎌倉学園と重なります。そのため「両校をすべて受ける」という組み方はできません。サレジオ学院を上位志望に置くなら、2月1日または4日のどちらをサレジオ学院に使うかを決め、その前後で鎌倉学園を受験することになります。

標準校候補|山手学院・神奈川大学附属との組み合わせ

共学校まで選択肢を広げると、山手学院中学校と神奈川大学附属中学校も比較されやすい学校です。

山手学院の2027年度入試は、2月1日午前のA日程、1日午後の特待選抜、3日のB日程です。2027年度からは、従来2月2日午後に行われていた特待選抜Ⅱがなくなり、2月1日午後の特待選抜に一本化されています。

鎌倉学園を第一志望とする場合、2月1日は一次と算数選抜があるため、山手学院A・特待選抜とは重なります。一方、2月3日の山手学院Bであれば、鎌倉学園二次と三次の間に入れることができます。

神奈川大学附属は、2027年度から第1回入試が2月1日午後、第2回が2月2日、第3回が2月4日です。第1回は国語・算数の2科入試で、英語外部試験の結果を利用できるJ_DESも導入されています。

ただし、3回とも鎌倉学園の算数選抜・二次・三次と日程が重なります。鎌倉学園を複数回受験する家庭にとっては併用しにくく、たとえば「2月1日午前は鎌倉学園一次、午後は神奈川大学附属第1回」のように、どちらか一方の入試機会を選択する形になります。

共学校を希望する可能性が残っているのか、それとも男子校を中心に考えているのかでも、この2校の位置づけは変わります。偏差値だけでなく、男女別学か共学かという学校生活そのものの違いも大きいため、実際に学校を訪れて比較しておきたいところです。

安全校候補|関東学院・藤嶺学園藤沢

合格可能性を高めるための学校としては、関東学院中学校や藤嶺学園藤沢中学校などを組み込む方法があります。

2027年入試対応の四谷大塚80%偏差値では、鎌倉学園一次が52であるのに対し、関東学院1期Aは48、藤嶺学園藤沢の2科・4科入試は36となっています。模試上では鎌倉学園より低い位置にありますが、これはあくまで学校選びを考えるための一つの尺度です。

関東学院は2月1日、3日、5日に入試機会があり、鎌倉学園の結果を見ながら後半の日程を使いやすい学校です。男子校にこだわらず、横浜方面から通学する家庭では候補に入りやすくなります。

藤嶺学園藤沢は鎌倉学園と同じ男子校で、2月1日から5日にかけて複数の入試方式があります。2科・4科だけでなく、2科型や得意2科目選択型などが設定されているため、4科すべての得点がそろいにくい受験生にも別の受験方法があります。

ただし、「安全校」は合格を保証する学校という意味ではありません。直前期の模試で十分な余裕があるか、過去問で合格最低点を安定して超えられているかまで確認して、初めて安全度を判断できます。偏差値表で数ポイント下だから大丈夫、という決め方は避けたいところです。

鎌倉学園を第一志望にするなら、2月1日・2日・4日を軸にする

鎌倉学園への進学希望が強い場合には、一次だけでなく、二次・三次まで受験できる日程を残しておく方法が考えられます。

日程受験例考え方
2月1日午前鎌倉学園 一次募集100名。まずここで合格を取りにいく
2月1日午後鎌倉学園 算数選抜算数が明確な得意科目なら受験機会を追加
2月2日鎌倉学園 二次一次の結果にかかわらず複数回受験を検討
2月3日浅野/逗子開成2次/山手学院Bなど鎌倉学園の入試がない日を利用する
2月4日鎌倉学園 三次最後の鎌倉学園受験機会
2月5日逗子開成3次/関東学院/藤嶺学園藤沢など4日までの結果を踏まえて最終日程を調整する

この形なら、鎌倉学園を最大4回受験しながら、3日と5日に別の学校を組み込めます。ただし、2月1日午前から午後まで連続で受験し、翌2日にも試験を受けるとなれば、体力的な負担は小さくありません。

特に算数選抜は、一次を受けたその日の午後です。一次終了後の移動はありませんが、朝から夕方まで入試が続きます。算数選抜を受けるかどうかは、算数の得意度だけでなく、本人の体力や翌日の二次まで含めて判断する必要があります。

「どこを受けるか」より先に「どこへ進学したいか」を決める

複数回入試の多い神奈川では、日程表だけを見るとかなり多くの学校を組み合わせられます。しかし、空いている時間に受けられる学校を埋めていくだけでは、受験日程はうまく機能しません。

たとえば2月3日には、浅野、逗子開成、山手学院など複数の選択肢があります。同じ一日でも、浅野へ挑戦するのか、逗子開成を受験するのか、山手学院で合格を確保しにいくのかでは、受験全体の意味がまったく違います。

また、2月1日午後には鎌倉学園算数選抜のほか、神奈川大学附属第1回、山手学院特待選抜などがあります。算数が得意だから鎌倉学園算数選抜を受けるのか、共学校にも進学意思があるため神奈川大学附属を選ぶのか。ここには家庭ごとの学校選びが表れます。

併願校を決めるときは、合格した場合に本当に進学する学校なのかまで考えておくことが大切です。偏差値、入試日、通学時間だけでなく、男子校か共学校か、教育方針、大学進学の方向、部活動、校風まで比べておくと、合格発表が続く2月に迷いにくくなります。

鎌倉学園は4回の受験機会があるため、受験戦略にはかなり幅があります。その反面、「一次がだめでも次がある」と考えているうちに後半戦へ入ることもあります。第一志望であれば、まず2月1日一次で合格を取ることを目標にしながら、結果に応じて2日、3日、4日をどう動くかまで事前に決めておくのが現実的です。

在校生・保護者の声|「自由でおおらか」な男子校、その内側にある自主性

鎌倉学園について在校生や保護者の声を見ていくと、繰り返し出てくるのが「明るい」「おおらか」「自由」「学校生活が楽しい」という感想です。部活動や行事に熱中する生徒が多く、男子校らしいにぎやかさを好意的に受け止める家庭も少なくありません。

一方で、「自由」は「学校が何でも先回りして管理してくれる」という意味ではありません。学習面では補習や追試などの仕組みがありながら、日々の勉強や時間の使い方については本人の自主性に委ねられる部分もあります。このあたりは、鎌倉学園との相性を考えるうえで重要です。

在校生・保護者の感想は、それぞれが経験した学年、クラス、教員、部活動によっても異なります。以下では、一人の意見を学校全体の評価とせず、複数の声から見えやすい傾向を整理します。

「明るく、おおらか」という言葉が似合う校風

学校生活については、明るく活気があり、生徒がのびのび過ごしているという声が目立ちます。学校側も「自主自律」を掲げており、生徒の個性や自主性を尊重する姿勢は日常生活にも表れています。

細かなルールで生徒を動かすというより、守るべきところは守り、その範囲で自分たちが動く。男子中高生が集まるため、教室は静かで整然としている時間ばかりではありませんが、そのにぎやかさも含めて学校生活を楽しんでいる生徒が多いようです。

中学受験では、つい「面倒見がよい学校」を細かく管理してくれる学校という意味で捉えがちです。鎌倉学園は、それとは少し違います。必要な支援は用意しつつ、生徒本人に考えさせ、やらせてみる。校訓の「礼義廉恥」から想像するより、実際の学校生活はずっと伸びやかな印象を受けるでしょう。

男子だけだからこその気楽さと、友人との距離の近さ

在校生や卒業生からは、男子校であることによる「気を使いすぎなくてよい雰囲気」や、友人と自然体で付き合える感覚について語られることがあります。

通学範囲も鎌倉市内だけではありません。横浜市や藤沢市、横須賀市、川崎市をはじめ広い地域から生徒が集まるため、中学入学によって、それまでとは違う地域や環境で育った同級生と出会います。

中学1年では林間学校や体育デー、星月祭など、入学後早い段階からクラスメートと一緒に動く機会があります。さらに部活動へ入れば、学年を越えた関係もできます。6年間同じ学校で過ごす中高一貫校では、こうした人間関係が学校生活のかなり大きな部分を占めます。

もちろん、男子だけの集団には独特のにぎやかさもあります。言葉遣いやふざけ合いについては、生徒によって「楽しい」と感じる程度が違うでしょう。男子校の雰囲気そのものが本人に合うかどうかは、学園祭などで実際の生徒を見ておくと判断しやすくなります。

部活動や行事に熱中できることへの満足感

鎌倉学園に対する満足度を語る際、部活動について触れる声も多くあります。運動部では大会を目指して本格的に取り組むクラブがあり、文化系にも科学、鉄道、考古学、音楽、弁論など幅広い選択肢があります。

「勉強以外にも何か一つ、本気で取り組む」という文武両道の考え方があるため、クラブ活動に時間を使うこと自体が学校生活から外れたものではありません。

星月祭や体育デー、林間学校、研修旅行なども、生徒同士の関係を作る場になります。授業だけ受けて帰宅する学校生活とはかなり違い、放課後や行事まで学校で過ごす時間が長くなる生徒もいます。

「学校へ行くことそのものが楽しい」という感想が出てくる背景には、こうした授業外の時間があるのでしょう。大学進学実績だけを見ていると見落としやすい部分ですが、中高6年間では決して小さくありません。

勉強は放任ではないが、「自分でやる」ことを求められる

自由な校風だからといって、学習面まで完全に本人任せというわけではありません。数学や国語などでは課題や小テストがあり、理解が不十分な場合には追試や補習が行われます。教員によっては、基準に達するまで再度確認を行うこともあります。

一方、家庭から見た印象としては、進学実績を上げるために大量の課題を一律に課し、学校が生徒の学習時間を細かく管理するタイプではないという声もあります。

ここは鎌倉学園の教育方針とよくつながっています。学校には補習、講習、自習環境などがある。しかし、それを使う本人まで学校が毎日動かしてくれるわけではない。必要な環境は用意するが、最終的に勉強するのは自分という考え方です。

自分で計画を立てたり、分からないところを先生に質問したりできる子には動きやすい環境です。反対に、宿題の量や学習時間まで学校から細かく指定されないと勉強が止まってしまうタイプの場合、中学入学後しばらくは家庭でも学習状況を見ておいた方がよいでしょう。

先生との距離は近い一方、受け止め方には個人差がある

教員については、話しやすさや生徒との距離の近さを評価する声があります。補習や追試、進路相談などを通して、長く生徒に付き合う先生もいます。

一方で、教員ごとの指導方法や授業の進め方に違いを感じるという意見もあります。これは私立・公立を問わず学校生活では起こり得ることですが、鎌倉学園の自主性を重んじる校風の中では、先生による個性の違いも比較的見えやすいのかもしれません。

学校にはカウンセラー室も設けられており、必要な場合にはスクールカウンセラーなどへ相談できる体制があります。友人関係や学校生活で困ったときに、担任だけが唯一の相談先というわけではありません。

6年間を考えると、「評判のよい先生がいるか」以上に、さまざまなタイプの大人と関わりながら、自分から相談できるかどうかも大切になってきます。

保護者が知っておきたいのは「自由」と「自主自律」の関係

鎌倉学園を検討する家庭にとって、最も確認しておきたいのは、学校の自由さをどう受け止めるかでしょう。

学校側が一日の行動を細かく管理するより、生徒自身に任せる部分があります。そのため、自分の興味を見つけて部活動や行事に飛び込める子にとっては、学校生活の選択肢が広がります。一方、自由な時間がそのまま何もしない時間になる子もいます。

中学生の携帯電話は校内での使用が認められていないなど、必要なルールは存在します。自由とは校則がないという意味ではなく、基本的な枠組みの中で自分の行動を考えるということです。

鎌倉学園では、建長寺で坐禅をする一方で、学園祭では生徒がにぎやかに動き、放課後には部活動に打ち込み、その後は自分で勉強する。かなり異なる時間が一つの学校の中にあります。

「手を離しても大丈夫な完成された子」でなければならないわけではありません。むしろ中学1年から失敗もしながら、自分で時間を使い、自分で考える範囲を少しずつ広げていく。そうした6年間を面白いと思える家庭には、鎌倉学園の校風は理解しやすいでしょう。

この学校に向いている子の特徴|自主自律の中で、自分なりの「文武両道」を見つけられる子

鎌倉学園に向いているのは、単に「男子校が好きな子」や「大学進学を頑張りたい子」だけではありません。学校が掲げる「自主自律」と「文武両道」を見ると、勉強も学校生活も、ある程度自分から動いていくことを楽しめる子との相性がよい学校です。

一方で、中学入学時点から何でも自分でできる必要はありません。中1では学習習慣の確立から始まり、補習や追試などの仕組みもあります。大切なのは、6年間をかけて少しずつ自分の判断で動けるようになっていくことです。

勉強だけで6年間を終わらせたくない子

鎌倉学園が掲げる「文武両道」は、勉強とスポーツの両方で結果を出すことだけを意味していません。学校が求めているのは、勉強に取り組みながら、それ以外にも情熱を傾けられる何かを持つことです。

その「何か」は、野球や剣道でも、科学や鉄道でも、軽音楽や弁論でも構いません。体育デーや星月祭などの行事に力を入れる生徒もいます。

放課後まで受験勉強一本に絞るより、中高時代だからこそできることにも時間を使いたい。そう考える子には、鎌倉学園の学校生活は馴染みやすいでしょう。

反対に、学校生活のほぼすべてを大学受験対策に振り向けたい家庭の場合は、部活動や行事、体験学習を重視する学校の考え方が希望と合っているかを確認しておきたいところです。

細かく管理されるより、自分で動けるようになりたい子

鎌倉学園の教育を貫く言葉の一つが「自主自律」です。学校生活にはルールがありますし、学習面でも小テスト、追試、補習などが行われます。しかし、学校が生徒の一日の行動を細部まで管理するタイプではありません。

宿題を出されたから勉強するだけではなく、自分の弱点を考えて勉強する。分からないことがあれば先生に質問する。部活動が忙しければ、その中で家庭学習の時間を作る。学年が上がるにつれて、こうした判断を自分で行う場面が増えていきます。

もちろん、中学1年生の段階ではまだうまくできないこともあるでしょう。むしろ、失敗しながら自分で時間を使う練習をしていく学校と考えた方が自然です。

「先生に言われなくても最初から全部できる子」より、少しずつ自分で考えて行動できるようになりたい子に向いている学校です。

男子校のにぎやかさを楽しめる子

鎌倉学園は中高6年間を男子だけで過ごす学校です。授業、部活動、林間学校、体育デー、星月祭など、学校生活のほぼすべてを男子同士で経験します。

男子校には、共学校とは違った距離感があります。必要以上に周囲の目を気にせず、趣味の話に熱中したり、少々くだらないことで盛り上がったりできる環境を居心地よく感じる子もいます。

文化部の種類を見ると、その雰囲気もよく分かります。科学、考古学、鉄道研究、弁論、軽音楽など、自分の興味をかなり深く掘り下げられる場所があります。「みんなと同じものが好き」である必要はありません。

ただし、男子校独特のにぎやかさや勢いをどう感じるかには個人差があります。本人が楽しめそうかどうかは、説明会だけでなく、星月祭など生徒が多く活動している日に訪れてみると判断しやすくなります。

机の上だけではなく、実際に体験しながら学びたい子

鎌倉学園では、中1・中2の林間学校、中3の研修旅行、理科教室、社会教室、スキー教室、総合学習、海外研修など、教室を離れる機会が多くあります。

学校の隣にある建長寺では、中学1年から高校1年まで坐禅教室を経験します。総合学習では、自分自身から社会、将来へとテーマを広げながら調査や発表にも取り組みます。

高校では理科実験や探究活動もさらに本格化します。知識を覚えて問題を解くだけではなく、実際に見たり、触れたり、人に話を聞いたり、自分の考えを発表したりする活動が教育の中に入っています。

「なぜこうなるのだろう」と考えたり、知らない場所へ出かけたりすることが好きな子には、授業外の活動も含めて楽しめるでしょう。

中学入学時点で将来を決め切りたくない子

鎌倉学園には系列大学への内部進学を前提とした進路はありません。高校卒業後は、国公立大学、私立大学、文系、理系など、それぞれが自分の進路を選びます。

中学1年で学習習慣を整え、中2で基礎学力を固め、中3から高校内容へつなげる。高校では自分の適性や興味を考え、高2で文理を選択し、高3で具体的な志望校へ向かいます。

12歳の時点で大学や学部まで決める必要はありません。中学・高校でいろいろな経験をしながら、数学が好きだと気付くかもしれませんし、社会科学に興味を持つかもしれません。部活動や探究活動をきっかけに将来の方向が変わることもあります。

大学附属校の安心感より、自分の興味や学力に合わせて進路を選びたい家庭には、この6年間の設計が合いやすくなります。

鎌倉という場所そのものを学校生活の一部として楽しめる子

鎌倉学園では、立地も学校との相性を考える材料になります。北鎌倉駅から歩き、建長寺の隣にある校舎へ通う6年間です。

鎌倉の自然や歴史は、パンフレットの背景として存在しているだけではありません。建長寺での坐禅、鎌倉周辺での校外活動、クリーン鎌倉など、地域そのものが学校生活に入り込んでいます。

都会の駅前型の学校とは日々の景色がかなり違います。北鎌倉の山や寺院の間を歩いて登校し、放課後には部活動をして同じ道を戻る。その環境を心地よいと思えるかどうかも、6年間を考えると案外重要です。

鎌倉学園に向いているのは、完成された「自主的な子」だけではありません。勉強することも、何かに夢中になることも、自分で選択することも、中高6年間で少しずつ身につけていきたい子です。建長寺の隣という独特の環境の中で、自分なりの文武両道を探してみたいと思えるなら、学校を実際に訪れてみる価値があります。

まとめ|建長寺の隣で、自分なりの「文武両道」をつくる6年間

鎌倉学園中学校は、北鎌倉の建長寺に隣接する男子校です。100年以上にわたって受け継がれてきた「礼義廉恥」と「自主自律」を教育の軸に置きながら、大学進学に向けた学習、部活動、学校行事、体験学習を中高6年間の中に組み込んでいます。

禅寺の隣にある伝統校というだけなら、少し古風な学校を想像するかもしれません。しかし実際には、先取り学習や習熟度別授業、ICT、探究活動、海外研修、理科教育なども取り入れています。昔から残るものと、現在の中高生に必要な学びとを無理に対立させず、同じ学校生活の中に置いている学校です。

建長寺との関係が、学校紹介の飾りで終わらない

鎌倉学園を他校と区別するうえで、建長寺との関係はやはり外せません。学校は建長寺のすぐ隣にあり、中学1年から高校1年まで坐禅教室が行われます。

北鎌倉駅から寺院の並ぶ道を歩いて登校し、日によっては建長寺で坐禅をする。歴史や文化を「学校の周辺環境」として眺めるだけではなく、生徒自身がその中で6年間を過ごします。

一方で、校内では人工芝のグラウンドで部活動をし、Chromebookを使い、大学入試に向けた授業を受けます。鎌倉学園らしさは、この新旧の取り合わせにもあります。

「自主自律」は自由であると同時に、自分で動くことを求める

学校生活を考えるうえで重要なのが「自主自律」です。

学習面には補習や追試などの仕組みがあり、進路指導も高1から段階的に行われます。それでも、学校が生徒の行動を一から十まで管理するわけではありません。部活動と勉強の時間をどう配分するか、必要なときに誰へ相談するか、何に打ち込むかは、学年が上がるにつれて本人の判断に委ねられていきます。

自由に過ごせることを楽しいと感じるだけでなく、その自由を少しずつ自分で扱えるようになることまで含めて、鎌倉学園の6年間と考えると学校像が見えやすくなります。

大学進学だけでは測れない「文武両道」

鎌倉学園は国公立大学、早慶上理、GMARCHをはじめ幅広い大学への合格者を出す進学校です。中学段階から主要教科の基礎を固め、高校では文理選択、進路別の学習へ進んでいきます。

しかし、学校生活が大学受験だけに集約されているわけではありません。運動部・文化部、星月祭、体育デー、林間学校、研修旅行、理科・社会科教室、総合学習など、教科以外に時間を使う場面が数多くあります。

鎌倉学園がいう「文武両道」の「武」は、必ずしもスポーツではありません。科学でも音楽でも鉄道でも弁論でもよく、勉強とは別に、自分が本気で打ち込めるものを持つことを大切にしています。

入試は4回、算数を武器にできる入口もある

2027年度中学入試では、2月1日午前の一次、同日午後の算数選抜、2月2日の二次、2月4日の三次が実施されます。

一次・二次・三次は4科入試ですが、算数選抜は算数1科です。算数に強みのある受験生には別の入口が用意されている一方、第一志望であれば一次から複数回受験を組み合わせることもできます。

ただし、後半日程ほど募集人数が少なく、直近の入試でも二次・三次は競争が厳しくなっています。「何度も受けられる学校」と考えるより、第一志望ならまず一次で合格を取りにいき、そのうえで算数選抜や後半日程をどう使うか考える方が現実的です。

鎌倉学園を選ぶなら、実際の生徒を見ておきたい

鎌倉学園は、校訓、立地、大学合格実績だけでは少し分かりにくい学校です。

建長寺で坐禅をする伝統校でありながら、学校生活は男子校らしくにぎやかです。進学校でありながら、部活動や行事にもかなりの時間を使います。自主性を重んじますが、何もかも生徒任せというわけでもありません。

こうした学校のバランスは、数字だけでは判断しにくいものです。学校説明会だけでなく、可能であれば星月祭など、生徒が実際に活動している日に訪れてみるとよいでしょう。教員の説明より、生徒同士の話し方や先輩・後輩の関わり方、校内の空気から分かることもあります。

北鎌倉駅から歩き、建長寺の横にある校門を入り、そこで過ごしている生徒を見る。その風景を本人が「ここで6年間過ごしてみたい」と感じるなら、鎌倉学園はじっくり検討する価値のある学校です。

学習環境と施設設備|自習から部活動、昼食まで6年間の日常を支える校内環境

鎌倉学園の校舎は、建長寺に隣接する歴史的な立地にありながら、内部には自習室、マルチスペース、理科系の実験室、体育館、カフェテリアなど、中高6年間の生活を支える設備がそろっています。

施設を見るときに重要なのは、「何があるか」だけではありません。授業が終わった後にどこで勉強するのか、昼食はどうするのか、部活動ではどの施設を使うのか、困ったときに相談できる場所があるのか。鎌倉学園では、こうした一日の流れを校内でかなり完結できるようになっています。

普通教室33室と、教科ごとに用意された特別教室

校内には普通教室33室のほか、物理・化学・生物の実験室や講義室、中学理科教室、社会科教室、音楽室、美術室、書道教室、マルチスペース、自習室など、18室の特別教室があります。

施設区分主な施設
普通教室33室
理科系物理・化学・生物の実験室・講義室、中学理科教室
社会・芸術系社会科教室、音楽室、美術室、書道教室
学習スペースマルチスペース、自習室、図書室など
その他星月ホール、相談室、保健室など

普通教室には空調設備があり、プロジェクターを利用した授業にも対応しています。一人1台のChromebookも学校生活に取り入れられており、黒板と教科書だけで授業を進める環境ではありません。

一方、理科では物理・化学・生物それぞれに実験設備があります。鎌倉学園が体験型の理科教育を重視できる背景には、こうした専用施設があります。

自習室とマルチスペースを使って、校内で勉強を続けられる

大学進学を目指す中高一貫校では、授業後に勉強できる環境も確認しておきたいところです。鎌倉学園には専用の自習室があり、大学入試の過去問題集なども置かれています。コピー機も利用でき、朝の時間や放課後の学習に使われています。

もう一つ使いやすいのがマルチスペースです。プロジェクターやホワイトボードを備え、話し合いやグループ学習にも利用できます。定期試験前などには、一人で勉強するためのスペースとして使うこともできます。

「自習するなら図書室しかない」という校内ではなく、一人で集中する、友人と話し合う、資料を調べるといった目的によって場所を選べます。

部活動のある生徒にとっては、帰宅してから勉強を始める以外に、学校にいる時間を使うという選択肢があることも重要です。鎌倉学園が自主自律を重視する以上、こうした施設も「使うよう指示される場所」ではなく、自分で必要に応じて利用する場所になります。

図書室と星月ホール、授業以外にも使われる学習空間

図書室は読書のためだけではなく、静かに勉強できる場所としても利用されています。新刊を含む蔵書を利用でき、授業の調査や探究活動にもつながります。

鎌倉学園には星月ホールもあります。モニターなどを備えたホールで、講演会や集会、講義などに利用されます。

中高6年間では、通常の教室以外で学ぶ機会も多くあります。進路に関する講演を聞いたり、探究活動について発表したりする場面では、こうした空間が使われます。

校舎そのものも2010年代にリニューアルが進められ、2017年に校舎リニューアル工事が完了しています。創立100年を超える学校ですが、施設まで創立当時のままというわけではありません。

体育館・人工芝グラウンド・武道場までそろう運動施設

「文武両道」を掲げる鎌倉学園では、運動施設も学校生活の重要な部分を占めます。

体育館には大アリーナと小アリーナがあり、そのほか卓球場、剣道場、柔道場、屋上テニスコート、クライミングボードなどが設けられています。

施設主な用途
大アリーナ体育授業、部活動、各種行事
小アリーナ体育授業、部活動、イベント
剣道場・柔道場武道の授業、部活動
卓球場卓球部などの活動
屋上テニスコートテニスなど
第一・第二グラウンド体育授業、運動部活動、体育行事など

第一グラウンドには人工芝が敷かれています。校内にはクラブハウスや温水シャワー室もあり、放課後に継続して部活動へ取り組むことを前提とした設備構成です。

中学から高校まで一つの学校で活動を続ける生徒にとって、こうした施設は6年間繰り返し使う場所になります。パンフレットで一度見るだけの設備ではなく、日常生活のかなりの時間を過ごす空間です。

昼食は弁当・購買・カフェテリアから選べる

鎌倉学園では、昼食を家庭から毎日持参しなければならないわけではありません。持参した弁当、購買、注文弁当、カフェテリアなど、複数の方法があります。

購買では、おにぎり、サンドイッチ、菓子パンなどの食品に加え、文房具や体操着なども販売されています。

カフェテリアでは日替わり定食や麺類、カレーなど温かい食事を取ることができ、昼休みだけでなく放課後まで営業しています。部活動などで帰宅が遅くなる生徒にとって、放課後にも利用できる点は使い勝手があります。

男子中高生の6年間では、「昼食をどうするか」は小さな話のようで毎日のことです。弁当を用意できない日に校内で食事を確保できるだけでも、家庭側の負担は変わります。

相談室と保健室には、身体だけでなく心を支える体制もある

学校生活では、施設の新しさ以上に、困ったときに使える場所があるかも重要です。

鎌倉学園には相談室があり、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーが配置されています。友人関係、家庭、学習、学校生活など、生徒が抱えるさまざまな悩みについて相談できます。

保健室には看護師と養護教諭が配置され、けがや体調不良への対応だけでなく、心の面についても支援します。

中学1年から高校3年までの6年間は、身体も人間関係も大きく変化する時期です。順調なときにはあまり意識しない施設ですが、何かあったときに担任以外にも相談先があることには意味があります。

自習室で勉強し、グラウンドや体育館で身体を動かし、昼にはカフェテリアを使い、必要なときには相談室へ行く。鎌倉学園の施設を見ると、授業を受けるための校舎というより、朝から放課後まで中高生が一日を過ごす場所として整えられていることが分かります。

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