【2026年版】鎌倉国際文理中学校の評判は?共学化で始まる国際教養教育、文理を越えて学ぶ6年間を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|女子校から共学校へ、2026年に始まった「鎌倉国際文理」
    1. 鎌倉国際文理中学校の基本情報
    2. 1943年から続く教育を、2026年に組み替える
    3. 「科学的教養」と「優雅な性情」をともに育てる
    4. 「ぞうきんと辞書をもって学ぶ」という教育方法
    5. 「国際」は英語だけ、「文理」は進路選択だけではない
    6. 共学一期生がつくっていく学校文化
  2. アクセスと立地環境|大船・本郷台から通う、岩瀬キャンパスの6年間
    1. 大船駅からはバス約10分、「鎌倉女子大前」で下車
    2. 本郷台駅からなら徒歩約15分
    3. 戸塚・上大岡・金沢八景方面からもバスでつながる
    4. 「鎌倉」という名前から想像する景色とは少し違う
    5. 落ち着いた環境だからこそ、放課後まで学校で過ごしやすい
    6. 6年間なら、駅から学校までの時間も確認しておきたい
  3. 教育方針とカリキュラム|国際教養を軸に、文理を越えて学ぶ6年間
    1. 中学校は「国際教養コース」で6年間をスタート
    2. 20人程度の少人数授業と、年間を通した個別フォロー
    3. 英語は週6〜7時間、「使う英語」まで授業の中に入れる
    4. 数学は代数と幾何を並行して学び、高校数学へつなげる
    5. 一人1台のiPadを、授業と家庭学習の両方で使う
    6. 文理横断は、ESD・異文化理解・コミュニケーションまで広がる
  4. 学習環境と施設設備|図書館とラーニングコモンズがつなぐ「調べる・考える・伝える」学び
    1. 2021年完成の校舎で始まる新しい学校生活
    2. ラーニングコモンズは「静かに勉強する場所」とは少し違う
    3. 約6万5千冊の2階建て図書館
    4. 一人1台のiPadと電子黒板を日常の授業で使う
    5. 体育館、フットサルコート、弓道場までそろう運動環境
    6. 約60畳の礼法室に残る、学校のもう一つの顔
    7. 昼食や相談環境まで含めて、一日を過ごすキャンパス
  5. 学校生活と年間行事|体育祭・みどり祭から海外研修まで、体験を重ねる6年間
    1. 新入生研修から始まる中学校生活
    2. 体育祭はクラスや学年を越えて動く行事
    3. 秋の「みどり祭」は学校全体を使った文化祭
    4. 合唱コンクールで一つの作品をつくる
    5. 礼法や日本文化に触れる「立居振舞」の学び
    6. 中学3年から海外へ、国際教養を実際の体験につなげる
  6. クラブ活動|弓道・マーチングから科学・英語まで、放課後に広がる学び
    1. 運動部と文化部、どちらにも幅広い選択肢
    2. 弓道部は「至誠館」で全国・関東大会へ
    3. マーチングバンド部は全国大会で活動
    4. ハープとフルートで演奏する「フェアリーコンソート」
    5. ESS・科学・茶道など、授業とのつながりも見える文化部
    6. 共学化によって、クラブ活動もこれから変化していく
  7. 進路指導と大学合格実績|「なりたい自分」から逆算し、大学・学部を選ぶ
    1. 偏差値から大学を決めるのではなく、「なりたい自分」から考える
    2. 高1から模試・大学説明会・面談を重ねる3年間
    3. 2025年度は国公立でお茶の水女子大・国際教養大・横浜市立大へ
    4. 現在の合格実績と、新しい国際教養コースの目標は分けて見る
    5. 併設大学の推薦を持ちながら、他大学にも挑戦できる
    6. 大学の授業を高校生のうちから体験できる
  8. 学費と諸経費|初年度は115万9,000円、別途費用まで含めて考える
    1. 入学手続時には43万円を納入
    2. 授業料は年間46万8,000円
    3. 校友会費まで含めた初年度納入金は115万9,000円
    4. 制服・副教材・校外学習・宿泊行事は別途必要
    5. 成績上位者には3種類の特待生制度がある
    6. 中学校3年間ではなく、高校まで含めた6年間で考える
  9. 入試情報と合格の目安|7日程と英語資格型、2027年度入試を整理
    1. 2027年度は2月1日から5日まで7回の受験機会
    2. K2型は国語・算数、K4型は4科で判定
    3. 2月1日・2日午後には英語資格を使える入試もある
    4. 複数回受験しやすい検定料制度
    5. 模試の偏差値は入試回によって差がある
    6. 共学化2年目だからこそ、過去問と模試を併用して見る
  10. 併願校パターン|共学化後の鎌倉・湘南・横浜南部で受験日程を組む
    1. まず押さえたいのは、鎌倉国際文理自身の7日程
    2. チャレンジ校候補|湘南学園・関東学院・横浜創英
    3. 標準校候補|横須賀学院・横浜翠陵・アレセイア湘南
    4. 安全校候補は「偏差値が低い学校」ではなく、過去問で余裕を確認する
    5. 女子は鎌倉女学院・清泉女学院、男子は藤嶺学園藤沢も比較対象になる
    6. 鎌倉国際文理を第一志望にする場合の受験例
    7. 共学化2年目は「昨年の偏差値」だけで併願を決めない
  11. 在校生・保護者の声|共学化直後の学校を「現在進行形」で見る
    1. 男子が加わり、校内には新しい活気が生まれている
    2. 共学になっても、学校に残る「感謝と奉仕」の文化
    3. 中学校全体191名、少人数だから生徒の様子が見えやすい
    4. 学習面は「できなかった」で終わらせない
    5. 校舎や学習環境は、学校生活の満足度につながりやすい
    6. 保護者が見ておきたいのは「完成していない学校」であること
  12. この学校に向いている子の特徴|国際教養と新しい共学校づくりを楽しめる子
    1. 英語を「受験科目」より先まで使ってみたい子
    2. 文系か理系かを、中学生のうちから決め切りたくない子
    3. 調べる・話し合う・発表する学習が好きな子
    4. 先生との距離が見えやすい環境で学びたい子
    5. 勉強以外にも、部活動や行事へ時間を使いたい子
    6. 「完成された学校」より、新しい学校を一緒につくることを面白いと思える子
  13. まとめ|80年の歴史を引き継ぎながら、2026年に始まった新しい共学校
    1. 「国際文理」という校名が、そのまま教育の方向を表している
    2. 新しい校舎と学校の歴史が、同じキャンパスにある
    3. 入試の入口が多く、自分の得意分野を使いやすい
    4. 進学実績は「過去」と「これから」を分けて見る
    5. 完成された共学校ではなく、これから校風ができていく
    6. 学校説明会だけでなく、生徒が動いている日に見てみたい

学校の概要|女子校から共学校へ、2026年に始まった「鎌倉国際文理」

鎌倉国際文理中学校は、神奈川県鎌倉市岩瀬にある私立の共学校です。2026年度、旧・鎌倉女子大学中等部から「鎌倉国際文理中学校」へ校名を変更し、中学校・高等学校ともに男女共学となりました。

校名も生徒構成も大きく変わりましたが、学校の歴史そのものが2026年に始まったわけではありません。1943年の創立以来受け継がれてきた教育理念を基礎にしながら、国際教養、文理横断、ICT、探究といった現在の教育へ踏み出した学校です。

そのため、鎌倉国際文理を理解するときは「新設の共学校」と見るだけでも、「旧来の女子校が名前を変えただけ」と見るだけでも十分ではありません。80年以上続く学校が、2026年度を境に教育の対象と方向を大きく広げたと考えると、現在の姿がつかみやすくなります。

鎌倉国際文理中学校の基本情報

学校名鎌倉国際文理中学校
旧校名鎌倉女子大学中等部
所在地神奈川県鎌倉市岩瀬1420
学校区分私立・男女共学
中高一貫教育中学校・高等学校による一貫教育を実施。高等学校からの募集もあり
創立1943年
共学化・校名変更2026年度
教育の中心国際教養、文理横断・文理融合、徳育・知育・体育の調和

2026年度の共学化により、男子生徒も中学校から入学するようになりました。長く女子教育を行ってきた学校に、男女がともに学ぶ新しい学校文化が加わったことになります。

1943年から続く教育を、2026年に組み替える

学校の歴史は1943年に始まります。以来、女子教育を中心として発展し、長く鎌倉女子大学中等部・高等部として教育を行ってきました。

そして2026年度、中等部・高等部は鎌倉国際文理中学校・高等学校へ改称し、男女共学へ移行しました。

ここで興味深いのは、校名変更に合わせて学校の過去を切り離したわけではないことです。創立以来大切にしてきた人間教育を残しながら、これからの社会に必要な国際性や文理横断型の学びを加えています。

伝統を保存するだけでも、すべてを新しく作り直すだけでもない。その間で学校そのものを再設計しているのが、現在の鎌倉国際文理です。

「科学的教養」と「優雅な性情」をともに育てる

鎌倉国際文理につながる教育の根本には、「科学的教養の向上と優雅な性情の涵養」という考え方があります。

「科学的教養」は、知識を覚えることだけではなく、物事を筋道立てて考え、根拠をもって判断する力につながります。一方の「優雅な性情」は、外見上の振る舞いだけを指すものではなく、人と関わるときの態度や感性、人間性まで含んだ考え方です。

現在の校名にある「文理」も、この二つを切り離さない教育とつながっています。理系の知識だけを伸ばす学校でも、語学や人文学だけに重点を置く学校でもありません。科学、言語、文化、社会を横断しながら学ぶことを、新しい学校像の中心に置いています。

「ぞうきんと辞書をもって学ぶ」という教育方法

学校の教育を象徴する言葉として、「ぞうきんと辞書をもって学ぶ」があります。

少し変わった表現ですが、「ぞうきん」は自分の手を動かして働くこと、「辞書」は自分で調べ、学び続けることを表しています。

誰かに知識を与えてもらうだけではなく、自分で動き、分からないことを調べ、経験から学ぶ。学校が大切にしてきた「感謝と奉仕」の精神も、この姿勢と無関係ではありません。

現在はタブレット端末やラーニングコモンズを使う教育へと環境が変わっています。それでも、道具が紙の辞書からICTへ変わっただけで、自分の手と頭を使って学ぶという考え方は残っています。

「国際」は英語だけ、「文理」は進路選択だけではない

新しい校名には「国際文理」という言葉が入りました。

「国際」と聞くと英会話や海外研修、「文理」と聞くと高校での文系・理系選択を想像しがちですが、学校が目指している範囲はもう少し広く設定されています。

英語力や異文化理解を身につけるだけでなく、科学や社会について考え、自分の意見をまとめ、他者と協働する。文系・理系という枠を早い段階で固定せず、複数の分野を行き来しながら考える力を育てることが、新しい教育の柱になっています。

中学生の段階では、将来理系へ進むのか文系へ進むのか決まっていない子も多いでしょう。むしろ12歳からさまざまな分野に触れ、自分が何に興味を持つのかを探す時間を持てることに、中高一貫教育の意味があります。

共学一期生がつくっていく学校文化

2026年度は、鎌倉国際文理という校名になって初めての入学生、そして男子生徒を迎える最初の年度です。

何十年も共学を続けてきた学校とは違い、現在の生徒たちは既存の校風に入っていくだけではありません。制服、行事、部活動、日常のクラスづくりまで、男女がともに過ごす新しい学校文化を実際につくっていく世代でもあります。

これは、完成された伝統を重視する家庭から見れば、まだ変化の途中にあるとも考えられます。一方で、新しい学校の形ができていく時期に参加することを面白いと感じる生徒にとっては、他校ではなかなか経験できない環境です。

校舎や学校法人の歴史は長くても、「鎌倉国際文理中学校」という共学校の歴史は2026年から始まったばかりです。80年以上積み重ねてきた教育と、これから生徒たちがつくる新しい文化。その二つが同時に存在しているところから、この学校の6年間が始まります。

アクセスと立地環境|大船・本郷台から通う、岩瀬キャンパスの6年間

鎌倉国際文理中学校は、神奈川県鎌倉市岩瀬1420にある岩瀬キャンパスに位置しています。鎌倉駅や北鎌倉駅の周辺ではなく、横浜市栄区との境にも近いエリアで、最寄りとなるのは大船駅と本郷台駅です。

大船駅からはバス、本郷台駅からは徒歩という2つの主要な通学方法があり、さらに戸塚・上大岡・金沢八景方面からも路線バスを利用できます。鎌倉市内だけでなく、横浜市南部や湘南方面からも通学経路を組みやすい立地です。

大船駅からはバス約10分、「鎌倉女子大前」で下車

利用者が多いルートの一つが、大船駅笠間口から路線バスを利用する方法です。大船駅から「鎌倉女子大前」バス停までは約10分で、下車後は学校まで近い位置にあります。

所在地神奈川県鎌倉市岩瀬1420
大船駅から笠間口からバス約10分、「鎌倉女子大前」下車
大船駅から徒歩約23分
本郷台駅から徒歩約15分
その他のアクセス戸塚駅、上大岡駅、金沢八景駅方面から「鎌倉女子大前」まで路線バスを利用可能

大船駅はJR東海道線、横須賀線、京浜東北・根岸線、湘南新宿ラインに加え、湘南モノレールも利用できる交通の結節点です。学校自体は駅前ではありませんが、大船まで出やすい地域であれば通学経路を作りやすくなっています。

なお、大船駅から学校までは徒歩約23分です。毎日歩くにはやや距離がありますが、バスの混雑状況や天候によって徒歩という選択肢を持てる距離でもあります。

本郷台駅からなら徒歩約15分

もう一つの主要ルートが、JR京浜東北・根岸線の本郷台駅から徒歩約15分です。

バスを使わずに通学できるため、時刻表や道路状況に左右されにくいのがこのルートの特徴です。毎日のことを考えると、「駅から15分歩く」ことと「駅からバスに乗る」ことのどちらが本人に合うかは、実際に学校へ行って確かめておきたいところです。

特に中学1年生では、通学だけでも生活リズムが大きく変わります。学校見学の際には、本郷台駅から実際に歩いてみると、朝の登校や部活動後の帰宅をかなり具体的に想像できます。

戸塚・上大岡・金沢八景方面からもバスでつながる

岩瀬キャンパスへは、大船駅と本郷台駅だけでなく、戸塚駅、上大岡駅、金沢八景駅方面からも路線バスを利用できます。いずれも「鎌倉女子大前」バス停で下車します。

そのため、通学圏は鎌倉市や藤沢市だけに限られません。横浜市栄区・港南区・戸塚区・金沢区などからもルートを検討できます。

中学受験では学校までの直線距離より、「自宅から使いやすい路線があるか」の方が重要になることがあります。鎌倉国際文理の場合、大船という複数路線が集まる駅と、横浜市南部からのバス路線を利用できることが、通学圏を広げています。

「鎌倉」という名前から想像する景色とは少し違う

学校名に「鎌倉」とあるため、寺院や観光地に囲まれた校舎を想像するかもしれません。しかし、岩瀬キャンパスは鎌倉駅周辺や北鎌倉とは雰囲気が異なります。

周囲は住宅地と緑が広がる落ち着いた地域で、観光客が多く行き交う場所ではありません。学校生活という点では、観光地としての鎌倉よりも、住宅地の中にまとまった教育環境を持つキャンパスと考えた方が実際の姿に近いでしょう。

校地には中学校・高等学校の施設がまとまり、体育館やグラウンド、図書館、ラーニングコモンズなどを利用できます。駅前の限られた敷地に校舎を建てるタイプとは違い、一定の広さを持ったキャンパスで学校生活を送ります。

落ち着いた環境だからこそ、放課後まで学校で過ごしやすい

鎌倉国際文理では、通常授業に加えて部活動、講習、探究活動などで放課後まで校内に残る生徒もいます。繁華街に近い学校ではないため、学校の中で一日のかなりの時間を過ごすことになります。

その分、図書館やラーニングコモンズ、体育施設など、校内の設備をどのように使えるかが学校生活に直結します。通学して授業だけ受けて帰る場所というより、学習、部活動、友人との時間まで含めて一日を過ごすキャンパスです。

共学化によって新しい学校生活が始まった現在は、こうした施設を男女の生徒がともに使い、新しい校風をつくっていく段階でもあります。

6年間なら、駅から学校までの時間も確認しておきたい

大船駅からバス約10分、本郷台駅から徒歩約15分という数字だけを見ると、それほど大きな差はないように見えます。しかし、中高6年間、年間200日前後通うことを考えると、乗り換え回数やバス待ちの時間まで含めた実際の通学時間は軽視できません。

大船駅を利用する場合は、朝のバスの混雑や笠間口までの移動も含めて確認する。本郷台駅を利用する場合は、15分の徒歩を実際に経験してみる。部活動を終えて夕方に帰る時間帯も想像しておくとよいでしょう。

鎌倉国際文理は駅直結型の学校ではありません。その代わり、岩瀬の落ち着いた環境にまとまったキャンパスがあります。通学の便利さと、学校で過ごす環境の広さをどう評価するかは、家庭によって判断が分かれるところです。学校を訪れる際には、校内だけでなく駅から校門までの道のりも含めて見ておくと、6年間の姿がより具体的になります。

教育方針とカリキュラム|国際教養を軸に、文理を越えて学ぶ6年間

鎌倉国際文理中学校では、中学校から入学する生徒を「国際教養コース(ILAコース)」で募集し、中高6年間を一つの流れとして学びます。「国際教養」という名称ですが、英語だけに力を入れるコースではありません。国語・数学・理科・社会を含む5教科の学力を土台に、ICT、異文化理解、ESD、コミュニケーション教育などを組み合わせています。

もう一つの特徴が、学習進度です。中学校段階から高校内容を先取りし、高校2年までに高校の学習内容を終え、高校3年では大学受験に向けた演習を中心にする6年間を設定しています。2026年度の共学化とともに、国公立大学、早慶上理、海外大学まで視野に入れた中高一貫教育へと舵を切っています。

中学校は「国際教養コース」で6年間をスタート

中学校から入学する生徒は、国際教養コースで学びます。高校からは国際教養コースと総合文理コースがありますが、中学校段階で二つのコースに分かれる仕組みではありません。

国際教養コースでは、主体的・対話的で深い学びを授業に取り入れながら、高い学力を身につけることを目標としています。中学校3年間で高校内容の一部へ進み、高校2年までに高校課程を終える設計です。

中学1〜3年基礎学力を固めながら、高校内容を含む先取り学習へ進む
高校1〜2年5教科を幅広く学び、高校2年までに高校の学習内容を終了する
高校3年大学入試を意識した演習授業を中心に学ぶ

早い段階で文系・理系のどちらかに学習を絞るのではなく、中高を通して複数の教科を学びながら、その先の進路へつなげていきます。「国際文理」という校名にも、この文系・理系を早く分けすぎない考え方が表れています。

20人程度の少人数授業と、年間を通した個別フォロー

日々の授業では、20人程度の少人数クラスを基本とし、生徒の理解度を見ながら授業を進めます。共学化によって学校全体の姿は変わりましたが、大人数の一斉授業だけに頼らず、一人ひとりを見ながら学習を進める仕組みは残されています。

定期試験だけでなく、学力推移調査や模擬試験も利用し、その結果を教員間で共有します。単に成績表を返して終わりではなく、授業改善や個別の学習指導にも利用します。

さらに、年間を通して複数回の二者面談・三者面談があり、学校側は年間5回以上の個人面談を行う体制を設けています。中学段階から進路ガイダンスや学習ガイダンスも入り、自分の成績や学習方法について定期的に振り返ります。

先取り学習では、進度が速いこと以上に「分からないまま先へ進まないこと」が重要です。鎌倉国際文理では、放課後、土曜日、長期休業中の補習・講習も組み合わせながら、その部分を支えています。

英語は週6〜7時間、「使う英語」まで授業の中に入れる

国際教養コースの中でも、特に授業時間を厚くしているのが英語です。中学校では週6〜7時間の英語授業を設定し、中学校卒業時までに英検準2級、高校卒業時までに英検準1級の取得を一つの目標としています。

教材にはZ会の『NEW TREASURE ENGLISH SERIES』を使用します。一般的な検定教科書より語彙量や文章量が多く、中高一貫校で先取り学習を進める際によく使われる教材です。

ただし、文法や長文読解だけを先へ進めるわけではありません。授業では「聞く・話す・読む・書く」の4技能を扱い、「英語会話」では海外のネイティブ講師とのオンライン英会話も行います。

さらに、世界規模の課題を英語で考えるCritical Thinkingの学習では、洋書教材を使用し、英語でプレゼンテーションやディスカッションに取り組みます。英語を「試験で解く科目」から、何かを考えて伝えるための道具へ広げていく授業です。

数学は代数と幾何を並行して学び、高校数学へつなげる

数学では、数研出版の『体系数学1・2』を使用します。中学校の数学を学年ごとに区切るのではなく、代数分野と幾何分野を並行して進めます。

たとえば計算や方程式を扱う代数と、図形を扱う幾何を別々の流れで学び、重要事項を繰り返しながら知識を積み上げます。『体系数学1・2』の内容を終えると、高校数学の教材へ進みます。

中高一貫校では高校入試のために中3の学習を一度止める必要がありません。その時間を利用して中学数学から高校数学へ連続して進み、高校3年を大学入試演習に使えるようにする考え方です。

理科でも、答えや公式を覚えるだけではなく、実験・観察を重視しています。「なぜそうなるのか」を実際の現象から考え、分析する姿勢を育てる点は、「科学的教養」を掲げる学校らしい部分です。

一人1台のiPadを、授業と家庭学習の両方で使う

生徒は入学時から一人1台のiPadを持ち、授業だけでなく家庭学習でも利用します。校内にはWi-Fiが整備され、全教室に電子黒板があります。

ICTは教材を画面に映すだけのものではありません。事前に教材へ取り組む反転授業、グループで考える協働学習、プレゼンテーションなどにも利用されます。

学習管理にはClassiも導入され、学習スケジュールの管理や家庭との情報共有に使用します。紙のノートや教科書とICTのどちらか一方に寄せるのではなく、目的に応じて道具を使い分ける形です。

ラーニングコモンズや約6万5千冊の蔵書を持つ図書館もあるため、「検索して答えを見つける」だけでなく、複数の情報を比較し、話し合い、自分の考えとしてまとめるところまで学習につなげやすい環境になっています。

文理横断は、ESD・異文化理解・コミュニケーションまで広がる

鎌倉国際文理が掲げる「文理横断」は、時間割の組み方だけを指しているわけではありません。教科をまたいで社会の課題を考える学習も取り入れています。

学校は2022年にユネスコスクールへ認定され、ESD(持続可能な開発のための教育)に取り組んでいます。中学校では、鎌倉を舞台に環境・文化財・まちをテーマとした体験活動を行い、SDGsに関わる課題を自分の生活と結びつけて考えます。

また、コミュニケーション講座では「聴く」「伝える」を実際に練習します。国語や英語で表現力を学ぶだけでなく、人間関係の中でどう言葉を使うかまで教育の対象にしています。

一方、学校には1943年の創立以来受け継いできた人間教育もあります。1日3回、鐘を合図に黙想して自分の言動を振り返り、年2回の立居振舞講座では礼法を学びます。

iPadを使った先取り授業、英語でのディスカッション、ESDと並んで、黙想や礼法の時間もある。新しい「国際文理」という学校は、従来の教育を捨てて先端的な学習だけに置き換えたのではありません。知識を身につけること、自分で考えること、他者と関わること、自分の振る舞いを見直すことを同じ6年間の中に置いています。

学習環境と施設設備|図書館とラーニングコモンズがつなぐ「調べる・考える・伝える」学び

鎌倉国際文理中学校の岩瀬キャンパスには、中高6年間の学習と学校生活を支える施設がまとまっています。中心となる校舎は2021年夏に完成。約6万5千冊を収蔵する2階建ての図書館、協働学習に使えるラーニングコモンズ、ICT環境に加え、体育館、フットサルコート、弓道場、礼法室なども備えています。

施設の特徴は、新しい設備があること自体よりも、それぞれが学校の教育内容と結びついていることです。資料を探し、話し合い、発表する。理科では実際に手を動かす。放課後はスポーツや文化活動に移る。「国際文理」が掲げる文理横断の学びを、教室の外側まで広げられる環境になっています。

2021年完成の校舎で始まる新しい学校生活

中学校・高等学校の中心となる校舎は、2021年夏に完成しました。2026年度の男女共学化より前に整備された施設ですが、新しい学校づくりを進める現在の鎌倉国際文理にとって、その教育基盤となっています。

普通教室だけを並べるのではなく、生徒が教室を出て学習できる空間を設けているのが特徴です。授業中にグループで課題へ取り組んだり、資料を調べたり、発表の準備をしたりと、学習内容に応じて場所を使い分けられます。

一人1台のiPadや電子黒板を使う授業も日常化しており、建物とICTを別々に考えるのではなく、校舎全体を学習の場として使う構成です。

ラーニングコモンズは「静かに勉強する場所」とは少し違う

校内には、協働学習や探究活動に利用できるラーニングコモンズがあります。

一般的な自習室が一人で静かに問題を解く場所だとすれば、ラーニングコモンズは、複数の生徒で考えたり、意見を交換したり、調査した内容をまとめたりする使い方に向いています。

鎌倉国際文理では、英語でのプレゼンテーションやディスカッション、ESD、探究的な学習など、「自分の答えを作って人に伝える」活動を取り入れています。そのため、教員の説明を聞くだけではなく、生徒自身が動くための場所が必要になります。

調べた内容を持ち寄り、ホワイトボードやICTを使って整理し、発表につなげる。こうした学習を日常的に行えることが、ラーニングコモンズを置く意味です。

約6万5千冊の2階建て図書館

施設の中でも目を引くのが、約6万5千冊の蔵書を持つ2階建ての図書館です。

中高生向けの読書資料だけでなく、各教科の学習や探究活動に利用できる資料を所蔵しています。インターネットで情報を探すことが当たり前になった現在でも、まとまった量の書籍から情報を探せる環境には別の役割があります。

検索結果の一番上に表示された情報だけを見るのではなく、複数の本を比較したり、関連分野まで読み広げたりすることができます。国際教養や文理横断を掲げる学校にとって、図書館は国語の読書時間だけに使う施設ではありません。

主な学習施設特徴
図書館2階建て・蔵書約6万5千冊
ラーニングコモンズ協働学習、調査、発表準備などに利用
普通教室電子黒板などを活用したICT授業に対応
理科系施設実験・観察を伴う授業に利用
礼法室約60畳。立居振舞などの教育に利用

図書館とラーニングコモンズが近い教育環境にあることで、「資料を読む」「調べる」「話し合う」「まとめる」という学習を一続きにしやすくなっています。

一人1台のiPadと電子黒板を日常の授業で使う

生徒は一人1台のiPadを使用します。校内にはWi-Fi環境が整備され、各教室では電子黒板も利用できます。

iPadはノートをデジタル化するためだけのものではありません。教材の配信、調査、課題提出、プレゼンテーション、動画や画像を使った学習など、教科によって使い方が変わります。Classiを利用した学習管理や家庭との情報共有にもつながっています。

一方、鎌倉国際文理には約6万5千冊の図書館もあります。すべてをデジタルに置き換えるという発想ではなく、紙の本、iPad、対話、実験など、それぞれの道具を学習目的に応じて使う形です。

「辞書をもって学ぶ」という創立以来の考え方も、現在では必ずしも紙の辞書だけを意味しません。自分で情報を探し、それが正しいかを考え、自分の言葉にする。そのための道具が増えたと見る方が、現在の教育環境を理解しやすいでしょう。

体育館、フットサルコート、弓道場までそろう運動環境

岩瀬キャンパスには、授業や部活動に使われる運動施設もあります。体育館は冷暖房を完備しており、季節を問わず体育授業や部活動で利用できます。

2024年春には新たにフットサルコートが完成しました。共学化後は男子生徒も加わり、運動系クラブを含めた学校生活も新しい形へ変化しています。

また、弓道部が活動する本格的な弓道場「至誠館」があります。弓道は設備を持つ学校でなければ日常的に取り組みにくい競技です。中高生の時期に初めて弓を持ち、6年間続けるという選択肢もあります。

運動・文化施設主な用途
体育館体育授業、部活動。冷暖房完備
フットサルコート2024年春完成。体育・運動活動に利用
グラウンド体育授業、部活動、学校行事など
弓道場「至誠館」弓道部の活動など

授業が終わったあと、そのまま校内で部活動へ移れる。中高一貫校では6年間繰り返す日常なので、運動施設は大会実績以上に、生徒が放課後をどう過ごすかに関わる設備です。

約60畳の礼法室に残る、学校のもう一つの顔

新校舎、iPad、ラーニングコモンズといった設備と並んで、鎌倉国際文理には約60畳の礼法室があります。

ここでは立居振舞など、日本文化や礼法に関わる学習が行われます。洋式の教室とはまったく異なる空間で、姿勢、所作、人との接し方について身体を使って学びます。

この礼法室は、鎌倉国際文理の施設を象徴する場所の一つです。2026年度から共学校となり、国際教養やICTを前面に出す一方で、創立以来続いてきた人間教育まで手放したわけではありません。

英語で世界について議論する授業と、畳の上で立居振舞を学ぶ時間が同じ学校にある。新しい学校名だけを見ると国際教育に特化した学校のようにも見えますが、実際の教育環境には以前から受け継がれてきた文化がかなり残っています。

昼食や相談環境まで含めて、一日を過ごすキャンパス

昼食は家庭から持参する弁当を基本としながら、購買も利用できます。パンやサンドイッチ、惣菜、飲料などを購入できるため、毎日必ず家庭で昼食を用意しなければならないわけではありません。校内には自動販売機や冷水機もあります。

また、学校生活や人間関係について相談できるカウンセリング環境も設けられています。中学入学から高校卒業までの6年間は、学力だけでなく心身も大きく変化する時期です。担任や教科担当とは別に相談できる場所があることも、学校生活を支える仕組みの一つです。

約6万5千冊の図書館で調べ、ラーニングコモンズで仲間と話し合い、教室ではiPadを使い、放課後には体育館や弓道場へ向かう。ときには礼法室で所作を学ぶ。鎌倉国際文理の施設は、見栄えのよい新校舎を用意するだけではなく、一日の中で異なる学び方を切り替えられるキャンパスとして構成されています。

学校生活と年間行事|体育祭・みどり祭から海外研修まで、体験を重ねる6年間

鎌倉国際文理中学校では、授業だけで学校生活が完結するわけではありません。体育祭や文化祭、合唱コンクールといった全校行事に加え、新入生研修、礼法に関わる講座、海外研修など、中高6年間の中にさまざまな体験が組み込まれています。

2026年度から男女共学となったことで、これまで受け継がれてきた行事も、新しい生徒構成の中で行われるようになりました。学校の歴史を引き継ぐ行事と、国際教養教育につながるプログラムが同じ年間行事の中に並んでいるところに、現在の鎌倉国際文理らしさがあります。

新入生研修から始まる中学校生活

中学1年では、入学後に新入生研修が行われます。小学校から中学校へ進む時期は、授業の進め方だけでなく、人間関係や生活リズムも大きく変化します。

特に鎌倉国際文理では、2026年度から男女共学となり、新しい学校文化をつくる段階にあります。新入生研修は、学校生活の基本を知るだけでなく、同級生と関係を築き、これから6年間を過ごす集団に慣れていく時間でもあります。

中高一貫校では、ここで出会った仲間と高校まで長く関わることになります。最初の段階で、授業とは違う環境で一緒に活動する経験が置かれていることには意味があります。

体育祭はクラスや学年を越えて動く行事

年間の大きな行事の一つが体育祭です。普段は教室で授業を受けている生徒が、競技や応援、係活動などを通してクラスや学年単位で動きます。

体育祭は、運動が得意な生徒だけの行事ではありません。競技に出るだけでなく、準備や運営、応援などにも役割があります。授業中とは違う場面で、それぞれの得意分野が見えてきます。

共学化後は、男女がともに参加する学校行事として新しい形がつくられています。長く続いてきた行事でありながら、現在の生徒にとっては「鎌倉国際文理としての体育祭」を作っていく時期でもあります。

秋の「みどり祭」は学校全体を使った文化祭

文化祭は「みどり祭」と呼ばれ、秋の学校生活を代表する行事です。

クラスや部活動などが企画・発表を行い、日頃の活動を来校者へ見せる機会になります。文化部にとっては活動成果を発表する場となり、クラス企画では準備から当日の運営まで生徒同士で協力します。

一つの企画を形にするには、内容を考える人、制作する人、説明する人、裏方を担当する人など、さまざまな役割が必要です。ラーニングコモンズで行う協働学習とは形が違いますが、誰かと一緒に考え、準備し、人へ伝えるという点ではつながっています。

受験生にとっても、みどり祭は学校の雰囲気を知りやすい機会です。説明会だけでは分かりにくい生徒同士の距離感や、部活動の様子、校内の使われ方を見ることができます。

合唱コンクールで一つの作品をつくる

合唱コンクールも、クラスで取り組む学校行事の一つです。

同じ曲を何度も練習し、声の大きさやテンポをそろえ、本番で一つの演奏を完成させます。個人の学力や運動能力だけでは結果が決まらず、クラス全体でどう仕上げるかが問われる行事です。

練習では意見が合わないこともあるでしょう。指揮や伴奏を担当する生徒、声をまとめる生徒、周囲を支える生徒など、それぞれが違う役割を担います。

日々の授業では個人ごとに評価される場面が多い中で、クラス全体で一つのものを作る経験は、学校生活に別の軸を加えます。

礼法や日本文化に触れる「立居振舞」の学び

鎌倉国際文理では、国際教養教育を進める一方で、礼法や日本文化に関わる学びも受け継いでいます。

その一つが、礼法室などを使って行われる立居振舞に関する講座です。姿勢、挨拶、所作などを実際に身体を動かしながら学びます。

学校が掲げる「優雅な性情」や「感謝と奉仕」は、知識として覚えるための言葉ではありません。人と接するときにどう振る舞うか、自分の行動をどう整えるかという日常の部分まで教育の対象にしています。

英語で海外の人とコミュニケーションを取ることと、日本の礼法を学ぶことは、一見すると逆方向に見えます。しかし、異なる文化の人と関わるためには、自分が育ってきた文化について知ることも必要です。国際教育の中に礼法教育が残っているのは、この学校の特徴の一つです。

中学3年から海外へ、国際教養を実際の体験につなげる

国際教養教育は、校内の英語授業だけで終わりません。中学3年以降には、海外で学ぶ機会も用意されています。

カナダ・バンクーバーでの語学研修や、アメリカ・ロサンゼルスでの研修旅行など、海外の文化や生活に直接触れるプログラムがあります。現地では英語を使うだけでなく、大学や施設を訪問し、日本とは異なる環境で学びます。

また、オーストラリアでの語学研修や長期留学など、より長い期間海外で生活する選択肢もあります。

主な国際プログラム内容
カナダ研修バンクーバーなどで英語や異文化について学ぶ
アメリカ研修ロサンゼルス方面で大学・文化施設などを訪問
オーストラリア研修現地での語学・交流活動を経験する
長期留学一定期間海外で生活しながら学ぶ機会を設ける

普段の授業ではオンライン英会話やプレゼンテーションを通じて英語を使いますが、海外では相手が自分に合わせて日本語へ戻してくれるとは限りません。自分の英語がどこまで伝わるのかを実際に試すことで、教室で学んできたものの意味も変わってきます。

新入生研修から始まり、体育祭、みどり祭、合唱コンクール、礼法教育、海外研修へと経験の範囲が広がっていく。鎌倉国際文理の学校生活では、教室で身につけた知識を、人や文化との関わりの中で使う機会が年間行事の中に置かれています。

クラブ活動|弓道・マーチングから科学・英語まで、放課後に広がる学び

鎌倉国際文理中学校では、授業が終わる16時30分頃から、講習やクラブ活動の時間が始まります。完全下校は18時。放課後の約1時間半を使って、運動部・文化部それぞれの活動に取り組みます。

クラブ構成を見ると、一般的な球技系の運動部に加え、弓道、マーチングバンド、フルートとハープによるアンサンブル、茶道、科学、ESSなど、この学校ならではの活動もあります。2026年度の共学化によって学校全体の生徒構成は変わりましたが、これまで積み重ねてきたクラブ文化を引き継ぎながら、新しい学校としての放課後が始まっています。

運動部と文化部、どちらにも幅広い選択肢

現在紹介されている主なクラブは、次のようになっています。なお、中学校・高等学校で活動学年が異なるクラブもあるため、入部時には各部の募集状況を確認する必要があります。

分野主なクラブ
運動系弓道部、なぎなた部、新体操部、バスケットボール部、バレーボール部、テニス部、水泳部、バドミントン部
音楽・舞台系マーチングバンド部、フェアリーコンソート部、コーラス部
文化・教養系茶道部、ESS(英語研究部)、児童文化部、美術部、科学部、家庭研究部、書道部

運動部だけでなく文化部にも選択肢が多く、学校の「Arts and Sciences」という考え方が放課後にも表れています。

英語を使いたい生徒ならESS、実験や観察が好きなら科学部、音楽ならマーチングバンドやフェアリーコンソート、伝統文化に興味があれば茶道や書道というように、授業で興味を持った分野をそのまま放課後に深めることもできます。

弓道部は「至誠館」で全国・関東大会へ

運動部の中でも、この学校を象徴する活動の一つが弓道部です。校内には専用の弓道場「至誠館」があり、中学生も日常的に練習できる環境があります。

2025年度には、中学校の弓道部が全国中学生弓道大会と関東中学生弓道大会に出場しています。高校でも全国大会・関東大会への出場実績があり、中高を通して競技に取り組めるクラブです。

弓道は、小学生時代から経験している生徒が多い競技ではありません。中学校に入って初めて弓を持ち、基本動作から身につけていく生徒もいます。

的に矢を当てるだけでなく、姿勢、呼吸、礼法を含めて一連の動作を整える競技なので、学校が重視してきた立居振舞や自分を律する姿勢とも相性があります。設備が必要な競技だけに、校内に専用の道場があることは6年間続けるうえで大きな意味を持ちます。

マーチングバンド部は全国大会で活動

文化系では、マーチングバンド部が長く活動を続けています。中学校・高等学校合同で活動し、演奏だけでなく、隊形移動や身体表現まで含めて一つの演目を作ります。

2023年度には第51回マーチングバンド全国大会で金賞、2024年度には第52回大会で銀賞を受賞。2025年度には全国高等学校総合文化祭でグッドパレード賞と講評者特別賞を受けています。

マーチングは、個人の演奏技術だけでは成立しません。演奏しながら周囲との距離や動きを合わせ、全体として一つの形を作る必要があります。楽器を演奏する力と、集団で動く力の両方が求められます。

文化祭や学校行事での発表だけを目標にするのではなく、全国規模の大会まで活動がつながっているため、本格的に音楽へ取り組みたい生徒にも選択肢になります。

ハープとフルートで演奏する「フェアリーコンソート」

鎌倉国際文理のクラブの中で、名前も編成もかなり特徴的なのがフェアリーコンソート部です。

フルートとハープを中心にアンサンブルを行うクラブで、中学校・高等学校を通して活動しています。過去には全国高等学校総合文化祭への出場や、日本管楽合奏コンテスト全国大会での受賞実績もあります。

吹奏楽部でよく見る楽器編成とは異なり、ハープを学校のクラブ活動で継続して演奏できる環境はそれほど多くありません。小学校まで音楽経験がある生徒はもちろん、入学後に新しい楽器へ挑戦するきっかけにもなります。

マーチングバンドが大人数で迫力のある表現を作る活動だとすれば、フェアリーコンソートは少人数の音を聴き合いながらアンサンブルを作る活動です。同じ音楽系でも、かなり異なる方向から選べます。

ESS・科学・茶道など、授業とのつながりも見える文化部

文化部には、国際教養教育や文理横断の学びとつながりやすい活動もあります。

ESS(英語研究部)では、授業以外の場でも英語に触れることができます。普段の英語授業ではオンライン英会話やプレゼンテーションに取り組むため、英語を試験科目としてだけではなく、実際に使うことに興味がある生徒には活動の幅が広がります。

科学部は、理科の授業からさらに実験や研究を深めたい生徒の受け皿になります。授業では限られた時間しか扱えないテーマでも、クラブなら自分たちで試し、結果を観察し、考察するところまで時間を使えます。

一方、茶道部や書道部では、日本文化や所作に触れます。礼法室での立居振舞と同じく、国際教育を進める学校の中に、日本の文化を実践的に学ぶ場所も残されています。

英語、科学、日本文化を別々の世界として切り分けず、自分が興味を持った分野へ放課後から入っていけるところは、「国際文理」という学校名にもよく合っています。

共学化によって、クラブ活動もこれから変化していく

鎌倉国際文理は2026年度に男女共学となったばかりです。そのため、現在のクラブ活動には、女子校時代から長く続いてきたものと、共学化後の学校生活の中でこれから形が変わっていくものが同時に存在しています。

特に運動部では、男子生徒の入学によって活動人数や競技の選択肢が今後変化する可能性があります。既存のクラブに新しい生徒が加わるだけでなく、学校全体の規模が変われば、新たな活動が生まれることも考えられます。

これは、何十年も同じクラブ構成が続いている学校とは少し違うところです。入学した生徒が「すでにある文化に参加する」だけでなく、共学化後の部活動そのものを作る側に回る時期でもあります。

16時30分頃に授業が終わり、18時の完全下校まで、弓道場へ向かう生徒もいれば、楽器を手にする生徒、英語や科学に取り組む生徒もいる。鎌倉国際文理のクラブ活動は、授業とは別の場所で、自分が長く続けたいものを探す時間として6年間の学校生活に組み込まれています。

進路指導と大学合格実績|「なりたい自分」から逆算し、大学・学部を選ぶ

鎌倉国際文理中学校は、2026年度の共学化とともに、中学校からの6年間を「国際教養コース」で学ぶ新しい中高一貫教育をスタートさせました。大学進学についても、国公立大学、早慶上理などの難関私立大学、海外大学まで視野に入れた進路設計を掲げています。

ただし、現在公表されている大学合格実績を見る際には一つ注意が必要です。2026年春の卒業生は、共学化以前の鎌倉女子大学高等部で学んだ生徒です。2026年度に始まった新しい中高一貫教育の成果が大学合格実績として現れるのは、これからになります。

そのため、現在の実績は学校がこれまで培ってきた進路指導の土台として見ながら、新しい国際教養コースがどのような進路を目指しているかを分けて考える必要があります。

偏差値から大学を決めるのではなく、「なりたい自分」から考える

進路指導で掲げているのは、偏差値だけを基準に大学を選ぶのではなく、「なりたい自分」を考え、そのために必要な進路を選ぶという考え方です。

二者面談や三者面談、キャリアカウンセリングを通して、生徒の興味、適性、学力を確認しながら進路を具体化していきます。高校に入ってから突然大学名を決めるのではなく、講演会や職業体験、大学見学などを通じて、学問や仕事について知る機会を設けています。

キャリア講演会・教養講座では、さまざまな職業や生き方に触れます。高校1・2年の希望者には、保育園、幼稚園、病院などでの職業体験もあります。

「医学部に行きたい」「教育に関わりたい」といった明確な目標がある生徒だけでなく、まだ将来像が決まっていない生徒にも、興味のある分野を探す材料を与えていく進路指導です。

高1から模試・大学説明会・面談を重ねる3年間

高校では、学年ごとに進路指導の内容を段階的に変えていきます。

学年主な進路指導
高校1年進路ガイダンス、二者・三者面談、模試、大学合同説明会、オープンキャンパス、大学見学など
高校2年模試、進路ガイダンス、大学説明会、インターンシップ、進路に応じた科目選択など
高校3年共通テスト模試・記述模試、大学入試共通テスト説明、推薦選抜、一般選抜に向けた指導

国際教養コースでは、河合塾の全統模試や駿台模試なども利用しながら、全国の受験生の中で自分がどの位置にいるかを確認します。

高校3年になると、大学入学共通テストや一般選抜への対応が本格化します。一方、学校推薦型選抜を利用する生徒には、その時期に合わせた指導を行います。

中高一貫生の場合は、中学校から高校内容へ先取りし、高校2年までに高校課程を進め、高校3年を大学受験演習へ充てるカリキュラムです。中学から積み上げた学習を、高校段階の模試や進路指導へつないでいきます。

2025年度は国公立でお茶の水女子大・国際教養大・横浜市立大へ

2025年度の大学合格実績では、国公立大学としてお茶の水女子大学1名、国際教養大学1名、横浜市立大学2名の合格者が出ています。

私立大学では早稲田大学、明治大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学などへの合格があります。

大学2025年度合格者数
お茶の水女子大学1名
国際教養大学1名
横浜市立大学2名
早稲田大学1名
立教大学6名
法政大学5名
中央大学3名
明治大学2名
学習院大学2名
神奈川大学13名
東海大学11名
関東学院大学8名
鎌倉女子大学33名

そのほか、國學院大學、駒澤大学、専修大学、東洋大学、日本大学、東京都市大学、明治学院大学などにも合格者を出しています。

ここに示されている数字は大学への進学者数ではなく合格者数です。一人の生徒が複数の大学・学部に合格した場合は、それぞれに計上されます。

現在の合格実績と、新しい国際教養コースの目標は分けて見る

鎌倉国際文理を検討するとき、大学合格実績の読み方は他校以上に重要です。

2026年度から男女共学となり、中学校は国際教養コース120名の新しい中高一貫教育へ移行しました。したがって、現在掲載されている大学合格者は、この新制度で6年間学んだ生徒ではありません。

現在の国際教養コースでは、5教科を幅広く学びながら、国公立大学、早慶上理などの私立大学、海外大学までを進路の対象としています。英語教育を厚くしながら、高校3年では大学入試演習に時間を使えるよう先取り学習も進めます。

共学一期生となる高校生が卒業するのは2029年春、中学校から国際教養コースで6年間学ぶ一期生が卒業するのは2032年春です。現在は、従来の進路指導を引き継ぎながら、新しい進学校としての実績をこれから積み上げていく段階にあります。

併設大学の推薦を持ちながら、他大学にも挑戦できる

系列大学とのつながりも、鎌倉国際文理の進路を考えるうえで特徴的です。

学校法人では、鎌倉女子大学を2029年4月から「鎌倉大学(仮称)」へ名称変更し、男女共学化する計画を進めています。

保育士、幼稚園教諭、小・中・高校の教員、管理栄養士などを目指す生徒は、併設大学への学校推薦型選抜を利用できます。さらに、併設大学への推薦を受けながら、他大学を受験することも可能です。

これは、系列大学への進学を選択肢として持ちながら、国公立大学や他の私立大学にも挑戦できる仕組みです。内部進学か外部受験かを早い段階で二者択一にしなくてよい点は、進路を考えるうえで使いやすい制度です。

大学の授業を高校生のうちから体験できる

併設大学との関係は、推薦制度だけではありません。高校生は、岩瀬キャンパスから徒歩圏にある大学の講義や実習に参加できる機会があります。

生化学、医療、データサイエンス、プログラミングなどの講義・実習を大学生とともに受講し、電子顕微鏡や3Dプリンターなど、大学レベルの設備に触れることもできます。

大学名や学部名をパンフレットで眺めるだけでは、「その分野を4年間学びたいか」はなかなか分かりません。高校生のうちに実際の研究や授業へ触れれば、自分がその分野に向いているかを考える材料になります。

また、2025年度の指定校推薦には、法政大学、立教大学、立命館大学、神奈川大学、北里大学、東京農業大学、日本大学、東洋大学などがあり、これらを含め80大学以上から推薦枠があります。

一般選抜で国公立・難関私大を目指す道、指定校推薦を利用する道、併設大学への推薦を使う道。鎌倉国際文理では一つの進路に全員をそろえるのではなく、中高6年間で興味や学力を伸ばしながら、最後に自分に合う出口を選ぶ進路設計になっています。

学費と諸経費|初年度は115万9,000円、別途費用まで含めて考える

鎌倉国際文理中学校の2026年度入学生は、入学手続時に入学金25万円と教育環境充実費18万円を納入します。その後、授業料や毎月の教育環境充実費、実験実習費、校友会費などが必要となり、学校へ納める初年度の基本費用は115万9,000円です。

ただし、この金額ですべてが完結するわけではありません。制服、副教材、校外学習、宿泊行事などは実費負担となります。中高6年間を考える場合には、「授業料はいくらか」だけを見るのではなく、毎年発生する費用と、入学時・行事時だけに発生する費用を分けて考えると分かりやすくなります。

入学手続時には43万円を納入

合格後に入学手続きを行う際には、入学金と教育環境充実費を納めます。

項目金額納入時期
入学金250,000円入学手続時
教育環境充実費180,000円入学手続時
入学手続金合計430,000円―

受験料とは別に43万円が必要になるため、併願校を含めて入学手続期限を確認しておくことが大切です。

また、入学時の教育環境充実費は、入学後に毎月納める同名の費用とは別です。費目名が同じなので、学費を比較するときには見落とさないようにしたいところです。

授業料は年間46万8,000円

入学後の授業料は月額39,000円、年間468,000円です。

これに加えて、教育環境充実費として月額20,000円、年間240,000円を納めます。教育環境充実費は、健康管理、教育環境の整備、冷暖房、そのほかの教育諸経費に充てられます。

項目月額・納入方法年額
授業料月額39,000円468,000円
教育環境充実費月額20,000円240,000円
実験実習費4月・10月に各5,000円10,000円
学費関係合計―718,000円

年間の学費関係だけを見ると71万8,000円です。実験・観察を取り入れた理科教育なども行われるため、授業料とは別に実験実習費が設定されています。

校友会費まで含めた初年度納入金は115万9,000円

学校へ納める基本的な費用をまとめると、2026年度の初年度は次のようになります。

項目初年度金額
入学金250,000円
入学時教育環境充実費180,000円
授業料468,000円
教育環境充実費240,000円
実験実習費10,000円
校友会入会金5,000円
校友会費6,000円
初年度納入金総計1,159,000円

校友会費は月額500円で、年間6,000円。校友会入会金5,000円は入学年度のみ必要です。

また、入学時に学債や寄付金が別途求められることはありません。学校へ納める必須費用については、上の表から年間の基本負担を把握できます。

制服・副教材・校外学習・宿泊行事は別途必要

115万9,000円には、学校生活で必要になるすべての支出が含まれているわけではありません。

別途実費となる主なものには、次のような費用があります。

  • 制服・学校指定用品
  • 副教材
  • 校外学習
  • 集団宿泊行事
  • その他、学年ごとに必要となる教材・活動費

鎌倉国際文理では、新入生研修や校外での学習、国際教育に関わるさまざまな活動があります。海外研修や留学など、参加するプログラムによって追加費用が発生する場合もあります。

したがって、家計を考える際には「初年度115万9,000円」を上限と見るのではなく、学校へ納める基本費用が約116万円で、そのほかに学校生活に伴う実費があると考えておく方が実際に近くなります。

成績上位者には3種類の特待生制度がある

中学校入試では、筆記試験などの成績上位者を対象とした特待生制度があります。一般入試に合格した後も、合格の権利を保持したまま再受験して特待生を目指すことができます。

種類免除内容
特待生A授業料、入学後の教育環境充実費、実験実習費を3年間免除
特待生B授業料、入学後の教育環境充実費、実験実習費を1年間免除
特待生C入学金を免除

特待生A・Bについては、入学手続時に納める教育環境充実費18万円は免除対象には含まれません。また、特待生Aは入学後の学習状況や出欠状況によって制度が停止される場合があります。

特待生を第一の目的にする必要はありませんが、複数回受験が可能な学校なので、すでに合格を確保したうえで上位区分を目指して再挑戦できる点は、この入試制度の使い方の一つです。

中学校3年間ではなく、高校まで含めた6年間で考える

鎌倉国際文理は中高一貫教育を行う学校です。中学校入学時には100万円を超える費用がかかりますが、その後も授業料や教育環境充実費などの年間負担が続きます。

さらに、高校へ進学すれば高等学校の学費体系に移ります。中学受験の学校選びでは初年度納入金を比較することが多いものの、実際には中学3年間、さらに高校3年間まで教育費が続きます。

一方で、約6万5千冊の図書館、ラーニングコモンズ、一人1台端末を利用するICT教育、体育・文化施設、補習や講習、探究・国際教育など、日常的に利用する教育環境も学費の中で支えられています。

金額だけを横に並べるのではなく、6年間でどのような授業や施設、体験に費用が使われるのかまで見ておくと、家庭にとっての負担と教育内容の関係を判断しやすくなります。

入試情報と合格の目安|7日程と英語資格型、2027年度入試を整理

鎌倉国際文理中学校の2027年度一般入試は、2月1日午前から2月5日まで計7日程で行われます。募集人数は国際教養コース合計120名で、男女別の定員枠はありません。

入試方式は、国語・算数のK2型、国語・算数・理科・社会のK4型、英語資格を利用する方式が中心です。2月1日・2日は午前と午後の両方に入試があり、3日以降も5日まで受験機会が続きます。

共学化初年度だった2026年度から入試制度も整理され、2027年度は2科・4科・英語資格を軸とした構成になっています。複数回受験もしやすいため、第一志望として受け続ける場合にも、他校との併願に組み込む場合にも日程を組みやすい学校です。

2027年度は2月1日から5日まで7回の受験機会

試験日時間帯募集人数主な試験方式
2月1日(月)午前50名K2型・K4型
2月1日(月)午後20名K2型・英語資格型
2月2日(火)午前20名K2型・K4型
2月2日(火)午後10名K2型・英語資格型
2月3日(水)午前10名K2型・K4型
2月4日(木)午前5名K2型・K4型
2月5日(金)午前5名K2型・K4型

募集人数を見ると、2月1日午前が50名と最も多く、1日午後20名、2日午前20名と続きます。3日以降は10名、5名、5名と募集枠が小さくなります。

第一志望であれば後半にも受験機会はありますが、「後でもう一度受けられる」ことを前提にするより、募集人数の多い前半日程から合格を取りにいく準備をしておく方が自然です。

K2型は国語・算数、K4型は4科で判定

K2型では国語・算数の2科、K4型では国語・算数・理科・社会の4科を受験します。

科目試験時間配点
国語50分100点
算数50分100点
理科社会と合わせて50分50点
社会理科と合わせて50分50点

K2型は200点満点、K4型は300点満点です。理科と社会はそれぞれ独立した50分ではなく、2科目を合わせて50分で解きます。

受験勉強を4科で進めている場合はK4型、国語・算数に強みがある場合にはK2型という選択ができます。複数の日程で方式を変えることもできるため、本人の得点バランスを見ながら受験方法を考えられます。

2月1日・2日午後には英語資格を使える入試もある

国際教養を掲げる学校らしく、英語資格型入試も設けられています。実施されるのは2月1日午後と2月2日午後です。

英語資格型では、国語または算数から1科目を選択して受験し、その100点と英語資格100点分を合わせて判定します。

英検級英語資格の得点
3級60点
準2級70点
準2級プラス80点
2級90点
準1級100点

たとえば英検2級を取得していれば英語資格部分で90点を持った状態で、国語または算数1科目の試験に臨む形になります。

小学生の段階から英語学習を続けてきた受験生にとっては、その積み重ねを中学入試で直接使える制度です。一方、英語資格を持っていなくてもK2型・K4型を選択できるため、英語入試が必須という学校ではありません。

複数回受験しやすい検定料制度

一般生入試の検定料は22,000円です。複数の試験を同時に出願する場合、K2型・K4型・英語資格型の区分をまたいでも、1回分の検定料で複数回に出願できます。

7日程すべてに出願しなければならないわけではありませんが、第一志望の場合には、最初から複数の日程を確保しておく使い方ができます。

また、2月1日・2日は午前と午後に試験があるため、午前に他校を受けたあと鎌倉国際文理の午後入試へ向かうこともできます。反対に、午前を鎌倉国際文理、午後を別の学校とする日程も可能です。

受験回数を増やしやすい仕組みですが、中学入試が数日続くと体力的な負担も大きくなります。「受けられるだけ受ける」のではなく、どの回を本命にするのかを決めておく方がよいでしょう。

模試の偏差値は入試回によって差がある

2027年度入試の合格可能性を考える際には、入試回ごとに偏差値が異なることにも注意が必要です。

日能研の2027年度入試向け予想では、おおむね偏差値37〜44程度の範囲にあり、2月1日午前よりも午後入試や後半日程で高い数値が出ている回があります。

入試日日能研の予想偏差値の目安
2月1日午前37
2月1日午後44
2月2日午前39
2月2日午後42
2月3日43
2月4日42
2月5日40

午後入試は他校の午前入試と組み合わせやすいため、午前とは異なる受験者層が集まります。また、後半日程は募集人数そのものが少なくなるので、学校全体の偏差値を一つの数字だけで見るのは適切ではありません。

模試会社によって偏差値の尺度も異なります。首都圏模試、日能研、四谷大塚などの数字を横並びにするのではなく、普段受けている同じ模試の中で推移を見る方が、現在の合格可能性を判断しやすくなります。

共学化2年目だからこそ、過去問と模試を併用して見る

鎌倉国際文理は2026年度に男女共学となったばかりです。女子校時代の入試データには長い蓄積がありますが、現在の校名・教育内容・男女共学という条件で行われた入試はまだ多くありません。

そのため、過去の倍率や偏差値だけから今後の難度を決めつけるのは難しい学校でもあります。共学化によって男子受験生が加わり、国際教養コースの教育内容も新しくなったことで、受験者層そのものが変化しています。

一方、入試問題については過去問から出題の形式や時間配分を確認できます。K2型なら国語・算数、K4型なら4科を実際の制限時間で解き、合格に必要な得点を安定して取れるかを見ることが重要です。

英語資格を持つ場合には、通常の2科・4科と英語資格型のどちらが本人の得点力を生かしやすいかも比較できます。

7日程、3つの主な受験方式、英語資格利用、複数回出願制度があるため、鎌倉国際文理の入試は一つの偏差値だけで判断するより、「自分はどの入口を使うのか」を先に考える方が分かりやすい入試です。

併願校パターン|共学化後の鎌倉・湘南・横浜南部で受験日程を組む

鎌倉国際文理中学校の2027年度入試は、2月1日午前から5日まで7日程があります。この受験機会の多さは、第一志望として複数回受験するときだけでなく、他校を第一志望にしながら鎌倉国際文理を組み込む場合にも使いやすい点です。

さらに、2026年度から男女共学となったことで、併願校の範囲も大きく変わりました。従来の女子校時代には女子校を中心に考える家庭が多かったのに対し、現在は湘南学園、横須賀学院、関東学院、横浜創英、横浜翠陵、アレセイア湘南など、神奈川県内の共学校と比較するケースが増えていきます。

以下の「チャレンジ校」「標準校」「安全校」は、鎌倉国際文理を一つの基準に置いた場合の目安です。模試の種類、受験回、本人の得意科目、過去問との相性によって位置づけは変わります。特に鎌倉国際文理は共学化から日が浅く、入試難度も今後動く可能性があるため、偏差値表だけで固定的に考えない方がよいでしょう。

まず押さえたいのは、鎌倉国際文理自身の7日程

併願を考える前に、鎌倉国際文理の入試日を並べておくと全体像が分かりやすくなります。

日程鎌倉国際文理の入試併願上の使い方
2月1日午前第1回募集人数が最も多く、第一志望なら中心に据えやすい
2月1日午後第2回午前に他校を受験した後にも利用できる
2月2日午前第3回1日の結果を踏まえて継続受験しやすい
2月2日午後第4回午後入試として他校との組み合わせが可能
2月3日午前第5回後半戦の受験機会として利用
2月4日午前第6回合格状況を見ながら追加出願を検討できる
2月5日午前第7回鎌倉国際文理を受験できる最後の日程

2月1日・2日は午前と午後に試験があるため、鎌倉国際文理を1日に2回受験することもできます。一方、午前または午後の一方だけを鎌倉国際文理にして、もう一方へ別の学校を入れることも可能です。

つまり、鎌倉国際文理の併願戦略では「空いている日を探す」というより、7回のうちどこを鎌倉国際文理に使い、どこを他校へ渡すかを考えることになります。

チャレンジ校候補|湘南学園・関東学院・横浜創英

鎌倉国際文理を基準に、より高い模試偏差値帯へ挑戦する場合には、湘南学園中学校、関東学院中学校、横浜創英中学校などが候補になります。

湘南学園は藤沢市鵠沼にある共学校で、2科・4科入試に加えてESD入試を実施しています。鎌倉・藤沢方面から通いやすく、大学附属ではない共学校という点でも比較されやすい学校です。探究やESDを重視する教育には鎌倉国際文理との共通点がありますが、学校の歴史や生徒自治のあり方にはかなり違いがあります。

関東学院は横浜市南区にある共学校で、2027年度は2月1日午前・午後、2月3日午前、2月5日午後に一般入試が設定されています。たとえば2月1日午前に鎌倉国際文理を受けた後、午後に関東学院へ移動する形や、前半で鎌倉国際文理を受験して3日・5日に関東学院へ挑戦する組み方ができます。

横浜創英は横浜市神奈川区にあり、近年は教育改革を進めている共学校です。鎌倉国際文理と比べると通学方向は大きく変わりますが、「従来の学校像から教育を大きく変えている学校」という点では比較対象になりやすいでしょう。

これらの学校をチャレンジ校として組み込む場合には、鎌倉国際文理を確実に押さえたいのか、それとも上位校の結果を最後まで待ちたいのかを先に決めておく必要があります。

標準校候補|横須賀学院・横浜翠陵・アレセイア湘南

模試成績によっては、横須賀学院中学校、横浜翠陵中学校、アレセイア湘南中学校などが、鎌倉国際文理と近い位置で比較する学校になります。

横須賀学院は横須賀市にある共学校で、2027年度は2月1日午前・午後、2月2日午後、2月3日午後に入試があります。鎌倉国際文理とは午前・午後を入れ替えることで組み合わせやすく、横須賀・逗子・鎌倉方面から通う家庭では現実的な併願候補です。

たとえば2月1日午前に鎌倉国際文理を受験し、午後に横須賀学院1次Bを受験することもできます。反対に、午前を横須賀学院、午後を鎌倉国際文理とする形も考えられます。

横浜翠陵は横浜市緑区にある共学校で、2科・4科に加え、適性検査型など複数の入口を持っています。鎌倉国際文理と同様、入試方式を複数用意している学校なので、受験生の得意分野に合わせて日程を作りやすい学校です。

アレセイア湘南は茅ヶ崎市にある共学校です。湘南方面から鎌倉国際文理を検討している家庭では、通学距離を大きく変えずに比較できます。キリスト教教育を軸とするため、教育理念や学校生活の雰囲気は鎌倉国際文理とは異なります。偏差値が近いからという理由だけでなく、学校文化まで見て選びたいところです。

安全校候補は「偏差値が低い学校」ではなく、過去問で余裕を確認する

安全校を設定する場合には、鎌倉国際文理より模試上の合格可能性が十分高く、過去問でも合格最低点を安定して上回れる学校を選びます。

候補としては、地域や本人の成績によって、横浜翠陵、アレセイア湘南、横須賀学院などの一部入試回を安全寄りに置く場合があります。ただし、同じ学校でも午前入試と午後入試、前半日程と後半日程では偏差値や倍率が異なります。

特に午後入試は、午前に上位校を受けた受験生が流れてくるため、学校全体の偏差値より難しくなるケースがあります。「学校名としては安全圏だから大丈夫」と考えるのではなく、受験する回そのものの模試データと過去問を見る必要があります。

目安としては、直前期の模試で合格可能性が安定して高く、過去問でも制限時間内に合格最低点を十分に超えられる状態が望ましいでしょう。

安全校は「行くつもりのない学校を念のため受ける」ものではありません。合格した場合、本当に6年間通う可能性がある学校を選んでおくことが大切です。

女子は鎌倉女学院・清泉女学院、男子は藤嶺学園藤沢も比較対象になる

鎌倉国際文理は共学校になったため、男女共通の併願校だけでなく、男子校・女子校との比較もできます。

女子の場合には、鎌倉女学院中学校、清泉女学院中学校などが候補になります。どちらも鎌倉エリアにある女子校ですが、鎌倉国際文理とは学校文化が大きく異なります。

鎌倉女学院は鎌倉駅に近い女子進学校で、女子校として長く続いてきた環境を重視する家庭には比較しやすい学校です。清泉女学院はカトリック教育を基礎とした女子校で、緑の多いキャンパスや語学教育などに特徴があります。

男子の場合には、藤沢市にある藤嶺学園藤沢中学校など男子校との比較も考えられます。共学校で新しい学校文化をつくる鎌倉国際文理と、男子だけの中高生活を送る学校では、同じ偏差値帯でも6年間の過ごし方はかなり変わります。

2026年度以前なら鎌倉国際文理と男子校を直接比較することはありませんでした。男子受験生が加わったことで、「共学か別学か」まで含めて選べるようになったことは、共学化によって生まれた大きな変化です。

鎌倉国際文理を第一志望にする場合の受験例

鎌倉国際文理への進学希望が強い場合には、募集人数の多い2月1日午前から受験し、結果を見ながら後半へ進む形が基本になります。

日程受験例考え方
2月1日午前鎌倉国際文理 第1回募集人数が多い前半で合格を目指す
2月1日午後鎌倉国際文理 第2回/横須賀学院1次Bなど第一志望度と体力を見て選択する
2月2日午前鎌倉国際文理 第3回1日の結果を受けて継続受験
2月2日午後鎌倉国際文理 第4回/横須賀学院2次など合格状況に応じて切り替える
2月3日午前鎌倉国際文理 第5回/関東学院など他校への挑戦を入れることもできる
2月4日鎌倉国際文理 第6回後半の受験機会
2月5日鎌倉国際文理 第7回/関東学院などそれまでの合格状況を踏まえて判断

鎌倉国際文理は複数回をまとめて出願しやすい制度になっているため、第一志望なら複数の日程を確保しておく方法があります。

ただし、2月1日午前・午後、2日午前・午後と4回続けて受験すれば、子どもの体力的な負担はかなり大きくなります。受験できる回数の多さと、実際に受けるべき回数は別に考えた方がよいでしょう。

共学化2年目は「昨年の偏差値」だけで併願を決めない

鎌倉国際文理の併願を考えるうえで忘れてはいけないのが、2027年度は共学化2年目にあたることです。

女子校だった時代と比べれば受験できる母集団そのものが広がり、男子受験生も学校選びの対象に加えています。国際教養コースを中心とした新しい教育内容が知られるにつれて、志願者数や受験者層が変化する可能性もあります。

そのため、「前年はこの偏差値だったから安全」「昔はこの程度の倍率だったから大丈夫」と決めつけるのは避けたいところです。模試の志望者動向や学校説明会で示される出願状況も見ながら、受験直前まで位置づけを調整する必要があります。

一方、7日程あることは受験戦略上かなり使いやすい条件です。第一志望なら何度か挑戦でき、併願校として使うなら午前・午後の空いているところへ組み込めます。

最終的には、日程表をきれいに埋めることより、合格したときに本人が本当に通いたい学校を何校用意できているかの方が重要です。共学化したばかりの鎌倉国際文理だからこそ、他校との偏差値比較だけでなく、「新しい学校文化をつくる側に入りたいか」まで含めて併願を考えると、学校選びの軸がはっきりします。

在校生・保護者の声|共学化直後の学校を「現在進行形」で見る

鎌倉国際文理中学校について評判や口コミを見るときは、ほかの伝統的な共学校とは少し違った注意が必要です。男女共学となったのは2026年度からで、現在はまだ新しい学校文化をつくっている途中だからです。

2026年5月時点で中学校全体の在籍生徒は191名。そのうち新入生は87名でした。共学一期生となる中学1年生には男子・女子が在籍する一方、中学2・3年生は女子校時代に入学した学年です。したがって、今の校内は「共学校として完成した姿」というより、80年以上続いてきた文化の中へ新しい共学の雰囲気が加わっている段階と考えた方が実態に近くなります。

男子が加わり、校内には新しい活気が生まれている

共学化後の変化として見えやすいのが、休み時間や行事での生徒の過ごし方です。昼休みには男子・女子が一緒にグラウンドで身体を動かす姿も見られるようになり、女子校時代とは異なるにぎわいが生まれています。

これは単に男子生徒が増えたという話だけではありません。体育祭、みどり祭、合唱コンクール、部活動など、これまで続いてきた学校生活を男女で改めて作り直していくことになります。

特に共学一期生は、「すでに出来上がっている共学校に入学する」のとは少し違います。日常のクラスの雰囲気から部活動まで、自分たち自身が数年後の鎌倉国際文理の当たり前をつくっていく世代です。

共学になっても、学校に残る「感謝と奉仕」の文化

一方で、校名と生徒構成が変わったからといって、これまでの学校文化がすべてなくなったわけではありません。

学校には、登校時に守衛へ挨拶や一礼をする習慣があります。共学化後に入学した男子生徒にも、こうした振る舞いは自然に受け継がれています。

1日3回の黙想や立居振舞の学習なども続いており、建学の精神である「感謝と奉仕」は、現在の国際教養教育と並んで学校生活の中に残っています。

新しい学校名だけを見ると、英語・ICT・文理融合を前面に出した新設校のようにも見えます。しかし実際に校内を見ると、挨拶や礼法といった従来からの生活文化と、新しい共学校としての活気が同居しています。

中学校全体191名、少人数だから生徒の様子が見えやすい

2026年5月時点の中学校在籍数は191名です。共学一期生の中学1年生は87名で、一学年が数百人規模になる大規模校とは雰囲気が異なります。

授業でも少人数を意識したクラス編成を行い、学力調査の結果や日々の学習状況を見ながら個別指導につなげています。二者面談・三者面談も複数回設定され、生徒本人と教員が話す機会を持つ仕組みがあります。

校舎では職員室前にも生徒が質問できるスペースが設けられており、分からない問題をそのままにせず教員へ聞きに行ける環境があります。

「先生との距離が近い」という表現だけでは曖昧ですが、学校規模、面談回数、質問スペースといった仕組みを見ると、生徒一人ひとりの状況を教員が把握しやすい学校であることは分かります。

学習面は「できなかった」で終わらせない

新しい国際教養コースでは、高校内容の先取りを含む学習を進めます。そのため、授業についていけるかを心配する家庭もあるでしょう。

鎌倉国際文理では、外部の学力調査や模擬試験などを使って学習状況を確認し、必要に応じて補習や個別指導につなげます。放課後、土曜日、長期休業中にも講習の機会があります。

学校が大切にしている考え方の一つに、失敗したこと自体を責めるのではなく、そこから次の行動を考えるというものがあります。テストで結果が出なかったときも、点数だけを見て終わるのではなく、どこにつまずいたのかを確認し、次の学習へつなげていきます。

中高6年間の先取り教育では、常に順調に進める生徒ばかりではありません。分からなくなったときに立て直せる環境があるかは、授業進度と同じくらい確認しておきたい部分です。

校舎や学習環境は、学校生活の満足度につながりやすい

学校生活を具体的に見ると、施設面の選択肢はかなり多くあります。2021年に完成した校舎にはラーニングコモンズがあり、約6万5千冊の図書館、電子黒板を備えた教室、理科実験室などを利用できます。

放課後には体育館、フットサルコート、弓道場「至誠館」などへ移って部活動に参加できます。勉強したい生徒は図書館や学習スペースを使い、友人と話し合いながら課題を進めることもできます。

岩瀬キャンパスは駅前型の学校ではありませんが、その分、緑のある敷地の中に学習・運動・文化活動の場所がまとまっています。中学生にとっては「施設が新しい」ということ以上に、放課後まで校内でさまざまな過ごし方を選べることの方が日常生活では重要になってきます。

保護者が見ておきたいのは「完成していない学校」であること

鎌倉国際文理を検討する家庭にとって、共学化したばかりであることは長所にも注意点にもなります。

英語教育、文理横断、先取り学習、ICTなど、新しい教育方針は明確です。一方で、共学一期生が中学校を卒業するのは2029年、高校まで6年間学んだ生徒が卒業するのは2032年です。現在の国際教養コースによる大学進学実績や、6年間を通した共学校としての校風は、まだ結果がそろっていません。

そのため、過去の口コミだけを読んで「こういう学校」と決めるより、現在の説明会やみどり祭などに足を運び、今の生徒がどのように過ごしているかを見ることが大切です。

共学化前から続く落ち着いた生活文化を好ましく感じるか。男子生徒が加わって生まれた新しい活気をどう感じるか。先生と生徒の距離、授業中の様子、休み時間の空気まで実際に見ると、この学校との相性はかなり判断しやすくなります。

鎌倉国際文理は、長い歴史を持ちながら、共学校としての評判はまだ作られている途中です。完成された校風を選ぶというより、これから形になっていく学校に自分も参加することを面白いと思えるかどうか。それが、現在の鎌倉国際文理を見るうえで一つの重要な視点になります。

この学校に向いている子の特徴|国際教養と新しい共学校づくりを楽しめる子

鎌倉国際文理中学校は、2026年度に校名変更と男女共学化を行い、新しい中高一貫教育をスタートさせた学校です。そのため、長年完成された校風の中へ入っていく学校とは少し性格が異なります。

英語を軸とした国際教養、文系・理系を早く分けすぎない学び、ICTや探究活動、海外研修などに関心があり、さらに「これから学校がどう変わっていくのか」にも面白さを感じられる子との相性がよいでしょう。

英語を「受験科目」より先まで使ってみたい子

英語教育に興味がある子は、鎌倉国際文理の教育内容と結びつきやすいタイプです。

中学校では英語の授業時間を厚く取り、文法や長文読解だけでなく、オンライン英会話、プレゼンテーション、ディスカッションなどを通して、実際に英語を使う機会を設けています。

さらに中学3年以降には、海外研修や留学など、教室の外で英語や異文化に触れる選択肢もあります。

「英語のテストで点を取りたい」というだけでなく、外国の人と話してみたい、英語で自分の考えを伝えてみたいという気持ちがある子なら、授業と海外体験をつなげながら学びやすいでしょう。

文系か理系かを、中学生のうちから決め切りたくない子

学校名にある「文理」は、文系コースと理系コースを早い段階で分けるという意味ではありません。

国語・英語・社会といった人文社会系の学びも、数学・理科といった自然科学系の学びも、中学校段階では幅広く経験します。さらにESDや探究活動では、一つの教科だけでは答えにくい社会課題について考えます。

12歳の時点では、「将来は理系」「大学ではこの学部」と決まっていない子の方が多いでしょう。理科実験が面白くなるかもしれませんし、英語や歴史に興味を持つかもしれません。

いろいろな教科に触れながら、自分の得意分野や興味を見つけたい子には、文理を横断する6年間の考え方が合いやすくなります。

調べる・話し合う・発表する学習が好きな子

鎌倉国際文理では、先生の説明を聞いて問題を解くだけでなく、自分で調べたり、友人と意見を交換したり、発表したりする活動も取り入れています。

校内には約6万5千冊の蔵書を持つ図書館やラーニングコモンズがあり、一人1台のiPadも学習に利用します。

たとえば、ある社会問題について資料を探し、自分なりの考えを整理し、グループで話し合って発表する。こうした授業では、「唯一の正解を早く出すこと」とは違う力が必要です。

本を読むことが好きな子はもちろん、「どうしてだろう」と疑問を持つ子、友人と意見を交換するのが好きな子、人前で話すことに少しずつ挑戦したい子にも向いています。

先生との距離が見えやすい環境で学びたい子

鎌倉国際文理は、一学年数百人が在籍するような大規模校とは異なり、生徒一人ひとりの様子を学校側が把握しやすい規模です。

授業では少人数で学ぶ機会があり、学力調査、二者面談、三者面談、補習や講習なども組み合わせながら学習を支えます。

先取り学習がある学校では、得意な子がどこまで進めるかだけでなく、途中でつまずいたときに立て直せるかも重要です。自分から質問することがまだ得意ではない中学生でも、教員と話す機会が定期的に設けられていることで、困っている部分を見つけてもらいやすくなります。

大人数の中で競うことより、先生に自分の状況を見てもらいながら学びたい子には検討しやすい環境です。

勉強以外にも、部活動や行事へ時間を使いたい子

学校生活には、体育祭、みどり祭、合唱コンクール、海外研修など、授業以外の活動も数多くあります。

クラブ活動では、弓道、マーチングバンド、フェアリーコンソート、科学、ESS、茶道など、学校固有の活動もあります。特に弓道場「至誠館」や音楽系のクラブなどは、中学入学後に初めて新しい分野へ挑戦するきっかけにもなります。

大学進学を目指す学校ではありますが、中高6年間を受験勉強だけに絞る設計ではありません。行事でクラスの仲間と何かを作り、部活動で一つのことを続け、海外へ出る経験もする。

勉強しながら、中高時代にしかできないことにも時間を使いたい子にとって、学校生活の選択肢は多くあります。

「完成された学校」より、新しい学校を一緒につくることを面白いと思える子

鎌倉国際文理との相性を考えるうえで、最も学校固有なのがこの点です。

2026年度に男女共学化したため、共学校としての歴史はまだ始まったばかりです。共学の中高一貫校として6年間を過ごした卒業生も、国際教養コースの大学進学実績も、これから積み上がっていきます。

そのため、「卒業生が何十年も作ってきた共学の校風」や「完成された進学実績」を重視する家庭にとっては、判断材料がまだ少ない部分があります。

一方で、共学一期生・二期生として、学校行事や部活動、クラスの雰囲気そのものをつくっていくことに面白さを感じる子もいるでしょう。既存の文化に合わせるだけではなく、自分たちが後輩に残す学校文化をつくる側に回れます。

鎌倉国際文理に向いているのは、「何でも最初からできる子」ではありません。英語や探究に挑戦し、いろいろな分野に触れ、人と関わりながら、自分の興味や進路を6年間で探していきたい子です。そして、新しく始まった共学校の変化そのものを楽しめるなら、より相性のよい学校になるでしょう。

まとめ|80年の歴史を引き継ぎながら、2026年に始まった新しい共学校

鎌倉国際文理中学校は、1943年から続く学校の歴史を持ちながら、2026年度に校名変更と男女共学化を行い、新しい中高一貫校として歩み始めました。

変わったのは校名と生徒構成だけではありません。国際教養を軸とした英語教育、文系・理系を早く分けすぎない学び、ICT、探究、海外研修などを組み合わせ、大学進学までを見通した6年間を組み直しています。一方で、「感謝と奉仕」や「ぞうきんと辞書をもって学ぶ」といった創立以来の考え方、黙想や立居振舞などの教育も残されています。

「国際文理」という校名が、そのまま教育の方向を表している

鎌倉国際文理の「国際」は、英語の授業時間を増やすことだけを意味していません。オンライン英会話、プレゼンテーション、異文化理解、海外研修などを通して、英語を実際に使うところまで教育を広げています。

同時に、「文理」は中学生のうちから文系・理系に分けるという意味ではありません。国語、数学、英語、理科、社会を幅広く学び、ESDや探究活動では教科を越えて社会の課題を考えます。

12歳の時点ではまだ分からない自分の興味を、6年間かけて見つけていく。そのために、最初から学ぶ範囲を狭くしない学校です。

新しい校舎と学校の歴史が、同じキャンパスにある

2021年に完成した校舎には、約6万5千冊の図書館、ラーニングコモンズ、電子黒板、一人1台のiPadを利用できるICT環境などが整っています。

一方で、約60畳の礼法室があり、立居振舞を学ぶ時間もあります。放課後には弓道場「至誠館」で弓を引く生徒がいれば、マーチングバンドやフェアリーコンソートで音楽に取り組む生徒もいます。

新しい設備だけをそろえた学校ではなく、これまで受け継いできた文化を残しながら、使う道具や学び方を更新しているところに現在の学校像があります。

入試の入口が多く、自分の得意分野を使いやすい

中学入試では、2月1日から5日まで複数の受験機会があり、国語・算数の2科型、4科型、英語資格を利用する方式などが用意されています。

4科をバランスよく学んできた受験生だけでなく、国語・算数に力がある子や、小学生のうちから英語資格を取得してきた子にも受験方法があります。

複数回受験しやすいため、第一志望として何度か挑戦することも、他校の午前・午後入試と組み合わせることもできます。共学化によって男子も受験するようになり、湘南・鎌倉・横浜南部での併願校の選び方も以前とはかなり変わりました。

進学実績は「過去」と「これから」を分けて見る

鎌倉国際文理を検討するとき、大学合格実績については少し慎重に見る必要があります。

現在公表されている実績は、共学化以前から学校で学んできた卒業生によるものです。国際教養コースで中学から6年間学ぶ一期生の進路結果が出るのは、まだ先になります。

その一方で、国公立大学や難関私立大学を目指す進路指導、指定校推薦、併設大学への推薦など、出口の選択肢は複数あります。併設大学への推薦を視野に入れながら、他大学に挑戦できる仕組みもあります。

過去の合格者数だけで学校の将来を決めつけるより、現在のカリキュラムがどのような学力を育てようとしているのかを見る方が、この学校については重要です。

完成された共学校ではなく、これから校風ができていく

鎌倉国際文理の学校選びで最も特徴的なのは、共学校としての歴史が2026年に始まったばかりという点です。

長く女子校として続いてきた生活文化の中へ男子生徒が加わり、クラス、部活動、体育祭、みどり祭などが新しい形へ変わり始めています。数十年続く共学校のように「この学校の校風はこうだ」と一言で説明できる段階ではありません。

これは不確定要素でもありますが、生徒にとっては、自分たちが学校文化をつくる側に回れる時期でもあります。すでに完成した伝統へ入ることを好むのか、新しいものを一緒につくることを楽しめるのかで、学校との相性は分かれます。

学校説明会だけでなく、生徒が動いている日に見てみたい

鎌倉国際文理は、共学化、国際教養、ICT、海外研修といった言葉だけでは全体像をつかみにくい学校です。

新しい校舎の中に礼法室があり、英語で世界について考える一方で黙想の時間がある。大学進学を目指す先取り学習を行いながら、弓道や音楽、学校行事にも時間を使う。新しさと、長く続いてきた教育が同じ場所にあります。

受験を考えるなら、学校説明会に加えて、みどり祭など実際に生徒が活動している機会にも足を運んでみるとよいでしょう。男子と女子がどのように過ごしているか、先生と生徒がどう話しているか、校舎や図書館がどのように使われているかを見ることで、共学化後の学校の姿が分かってきます。

国際教養を学びながら、自分の興味を文系・理系の枠に閉じ込めず、新しい共学校の6年間をつくってみたい。本人がそう感じるのであれば、鎌倉国際文理中学校は実際に訪れて確かめておきたい学校です。

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