【2026年版】鎌倉女学院中学校の評判は?「鎌倉学」と国際理解教育で学ぶ、伝統女子校の6年間を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|1904年創立、鎌倉で120年以上続く女子教育
    1. 鎌倉女学院中学校の基本情報
    2. 1904年、「女子にも新しい知識を」という思いから始まった
    3. 校訓は「真摯沈着」と「尚絅」
    4. 現在の教育目標は「知的で洗練された女性」の育成
    5. 「教科の学び」と「鎌倉学/国際・環境学」の二本柱
    6. 120年の伝統を守るだけではなく、変化も受け入れてきた学校
  2. アクセスと立地環境|鎌倉駅徒歩7分、古都そのものを学びの場にする
    1. JRと江ノ電が乗り入れる鎌倉駅から徒歩約7分
    2. 駅から7分は、6年間では小さくない
    3. 若宮大路と一の鳥居の近くにある学校
    4. 鎌倉の街が「鎌倉学」のフィールドになる
    5. 海・山・寺社・街が近いから、扱えるテーマも広い
    6. 観光都市・鎌倉だからこそ、学校見学では実際の通学路も歩きたい
  3. 教育方針とカリキュラム|教科学習と「鎌倉学」を往復する6年間
    1. 中学3年間は、国語・数学・英語を厚くして基礎を固める
    2. 英語は「5時間の教科学習+1時間の英会話」で使う力まで育てる
    3. 数学は中3から数学I・Aへ入り、「速さ」より理解を重視する
    4. 国語は古典・読書・創作・発表まで幅広く扱う
    5. 「鎌倉学」から始まり、中3以降は世界の課題へ視野を広げる
    6. 高校2年から文系・文理・理系へ分かれ、進路に合わせて深める
  4. 学習環境と施設設備|授業・自習・部活動まで、校内で一日を組み立てる
    1. 一人1台のChromebookを、授業から学校生活まで日常的に使う
    2. 図書室は、読書だけでなく調べ学習と自習にも使う
    3. 自習室には卒業生チューターが入り、質問できる
    4. 理科は実験・観察を重視し、校外での科学体験にもつなげる
    5. 体育館・グラウンド・武道場・屋外プールを授業とクラブで使う
    6. 昼食は持参弁当が基本、校内で弁当を購入することもできる
  5. 学校生活と年間行事|体育祭・文化祭から奈良京都フィールドワークまで
    1. 一年を通して、学習・行事・校外体験を繰り返す
    2. 5月の体育祭は、中高それぞれが学年の力を出す
    3. 9月の文化祭は、クラブ活動と日頃の学びを外へ伝える場
    4. 中1・中2・中3で、体験する場所とテーマが広がっていく
    5. 合唱・和楽器・雅楽・英語劇など、文化に触れる機会も多い
    6. セーラー服の「鎌女結び」と、2026年に加わった夏用ポロシャツ
  6. クラブ活動|中高合同でつながる放課後の6年間
    1. 24のクラブから、運動・音楽・文化・学術系まで選べる
    2. 運動部は球技から剣道・体操・バトンまで
    3. 音楽系はマンドリンギターとオーケストラが学校外でも演奏
    4. 競技かるた・クイズ・数楽・理科など、知的好奇心を深めるクラブも
    5. 美術・演劇・料理など、作品を形にして文化祭で発表する
    6. 中高合同だから、6年間で「教わる側」から「教える側」へ変わる
    7. クラブとは別に「特修」で茶道・華道・書道・楽器も学べる
  7. 進路指導と大学合格実績|大学名だけでなく、自分の進路をつくる6年間
    1. 2025年度卒業生145名、それぞれが異なる進路へ進む
    2. 2026年春は国公立から早慶・GMARCHまで幅広く合格
    3. 推薦・総合型選抜で進学する生徒が30%を超える
    4. 中1から始まるキャリア教育で、「何になりたいか」を考える
    5. 大学との連携で、高校の外へ学びを広げる
    6. 合格実績だけでなく、「何を学ぶために大学へ行くか」を重視する
  8. 学費と諸経費|初年度は約121万円、6年間では学費以外の支出も考える
    1. 入学手続き時には44万円を納入する
    2. 毎月の基本校納金は5万4,000円
    3. 積立金・家庭会費・生徒会費などが年間約12万6,000円
    4. 初年度は約121万4,000円+制服・端末などの入学準備費
    5. 海外研修・留学は希望するプログラムによって別途費用が必要
    6. 入学辞退時は、施設設備充実費10万円の返還制度がある
    7. 完全中高一貫校なので、3年間ではなく6年間の費用として考える
  9. 入試情報と合格の目安|2027年度は2月1日午後から3回入試、英語資格も生かせる
    1. 2027年度一般入試は、1次40名・2次90名・3次30名
    2. 国語・算数は各45分100点、4科では社会・理科も各100点
    3. 英検3級以上なら「英語資格」方式を利用できる
    4. 「英語資格」と「英語コミュニケーション入試」は別の入試
    5. 2026年度入試では、一般入試の実質倍率は1.4〜1.5倍前後
    6. 2027年度の偏差値は首都圏模試で53〜55前後が一つの目安
  10. 併願校パターン|2月1日午後入試をどう使うかで、受験プランが大きく変わる
    1. 2月1日午前に上位校、午後に鎌倉女学院という組み方が可能
    2. 女子校中心なら、横浜共立・湘南白百合・清泉女学院が比較対象
    3. 共学校まで広げるなら、青山学院横浜英和・山手学院・神奈川大学附属
    4. 鎌倉女学院を第一志望にするなら、2次の90名募集も重視したい
    5. 安全校は学校名ではなく「受験する回」まで見て決める
    6. 2027年度の代表的な受験プランを3パターンで考える
  11. 在校生・保護者の声|女子校の日常と「鎌女らしさ」はどこに表れる?
    1. 女子校だからこそ、生徒がさまざまな役割を担う
    2. 中高6学年の関係は、入学直後から始まる
    3. 英語は「難しい教科」というより、実際に使う機会が多い
    4. 「鎌倉学」は特別な一日ではなく、学校生活の延長にある
    5. 放課後は、クラブだけでなく自習や質問という過ごし方もある
    6. 伝統を守るだけでなく、生徒の声で変わる部分もある
    7. 評判を判断するなら、説明会だけでなく生徒が活動する日に見たい
  12. この学校に向いている子の特徴|鎌倉で学び、自分の興味を世界へ広げたい子
    1. 女子だけの環境で、自分らしく動いてみたい子
    2. 歴史や文化を「覚える」だけでなく、自分の足で確かめたい子
    3. 英語を受験科目だけでなく、実際に使ってみたい子
    4. 文系・理系を早く決めず、いろいろな分野に触れたい子
    5. 勉強だけでなく、部活動や行事にもきちんと関わりたい子
    6. 伝統のある学校で、自分から少しずつ挑戦したい子
  13. まとめ|鎌倉という街を教室に、伝統と国際教育をつなぐ6年間
    1. 最大の特徴は、「鎌倉にあること」を教育そのものにしていること
    2. 教科学習は大学受験へ、探究はその先の学びへつながる
    3. 英語は資格取得だけでなく、「使うところ」まで経験する
    4. 女子校としての伝統と、生徒自身が学校を動かす文化がある
    5. 大学進学は、一般選抜だけでなく多様なルートから考えられる
    6. 学校選びでは、偏差値だけでなく「この6年間を過ごしたいか」を確かめたい

学校の概要|1904年創立、鎌倉で120年以上続く女子教育

鎌倉女学院中学校は、神奈川県鎌倉市由比ガ浜にある私立の女子中学校です。1904年に創立され、湘南地域で最も古い女子教育機関として120年以上の歴史を重ねてきました。

高校からの生徒募集を行わず、中学校入学から高校卒業までの6年間を一つの教育課程として組み立てています。現在の教育では、大学進学に必要な教科学習に加え、鎌倉という土地を使った「鎌倉学」、国際・環境学、英語教育、キャリア教育などを展開。「豊かな未来を思い描き、それに向けて自ら行動する力」を「実現力」と表現し、学校教育全体の柱に置いています。

鎌倉女学院中学校の基本情報

学校名鎌倉女学院中学校
設置者学校法人鎌倉女学院
所在地神奈川県鎌倉市由比ガ浜2丁目10番4号
学校区分私立・女子校
中高一貫教育中学校から高等学校までの6年間を一貫して教育。高校募集なし
創立1904年(明治37年)
校訓真摯沈着・尚絅
現在の教育の柱教科の学び、鎌倉学/国際・環境学

一学年は大規模校ほど多くなく、中学から高校まで同じ学校で学ぶため、学年内だけでなく中高を越えた人間関係も生まれます。部活動も中高合同で行われるものが多く、中学1年で入学してから高校3年まで、同じ学校文化の中で成長していきます。

1904年、「女子にも新しい知識を」という思いから始まった

鎌倉女学院は1904年、漢学者・教育者であった田辺新之助によって創立されました。当時は、女子が中等教育を受ける機会そのものが現在ほど一般的ではなかった時代です。

創立者が掲げたのは、「堅実な女子を育成し、日進の新知識を授けたい」という考えでした。宗教教育を基礎とするのではなく、不偏中正の立場から女子に新しい知識を学ばせ、自分自身を持って社会の中で生きられる女性を育てようとしました。

その後、戦後の学制改革を経て1948年に現在につながる中学校・高等学校を設置。2001年には「鎌倉学」「国際・環境学」が始まり、2005年には現在の本館が完成するなど、時代に合わせて教育内容と学習環境を更新してきました。

創立から100年以上経っても、「女子に新しい知識を」という出発点は、英語教育、探究、海外研修、ICTなど、現在の教育にも形を変えて残っています。

校訓は「真摯沈着」と「尚絅」

鎌倉女学院では、創立以来「真摯沈着(しんしちんちゃく)」と「尚絅(しょうけい)」を校訓としてきました。

「真摯沈着」には、時代や周囲の空気に流されるのではなく、しっかりとした自分を持ち、落ち着いて堅実に生きるという意味が込められています。

「尚絅」は、中国の古典『中庸』に由来する言葉です。美しい錦の衣の上に薄い衣を重ね、その華やかさをあえて表に出さない姿から、自分の長所を誇示せず、謙虚に責任を果たす姿勢を表しています。

言葉だけを見ると明治期の女子教育らしい古風さがありますが、現在の「自分で課題を見つけ、自ら行動する」という教育にも通じます。周囲に合わせることを求める校訓ではなく、自分の軸を持ちながら社会と関わることを求めている点が重要です。

現在の教育目標は「知的で洗練された女性」の育成

現在の鎌倉女学院は、心身ともに健康で、国際性豊かな人間教育と、知的で洗練された女性の育成を教育目標に掲げています。

ここでいう「洗練」は、振る舞いや外見だけの話ではありません。基礎学力、論理的思考力、課題解決力、幅広い教養、感性、倫理性、コミュニケーション能力などを、6年間を通して育てていくことを意味しています。

学校が考える「エリート」も、肩書きや社会的地位の高さではなく、自分の利害を超えて、人や社会のために力を使える人です。

大学進学実績を上げることだけを学校教育の最終目的にせず、その先で何を学び、社会とどう関わるのかまで視野に入れているところに、鎌倉女学院の女子教育の考え方があります。

「教科の学び」と「鎌倉学/国際・環境学」の二本柱

現在の教育を特徴づけるのが、「教科の学び」と「鎌倉学/国際・環境学」という二つの軸です。

教科の授業では、中学校で国語・数学・英語の時間を標準より多く確保し、6年間の大学進学へつながる基礎学力を整えます。その一方、教室で覚えた知識を実際の社会や地域へ持ち出すのが「鎌倉学」や「国際・環境学」です。

たとえば鎌倉学では、学校の周囲に残る歴史遺産や文化財を実際に訪ねます。資料を読み、現地を歩き、課題を見つけ、調査し、考えたことを発表する。中学校の社会や国語で学んだ内容が、そのままフィールドワークの材料になります。

中学3年以降は、視点を鎌倉から世界へ広げ、環境問題や国際社会について考えていきます。地域について深く知ることから始め、その先で世界を見るという順序です。

120年の伝統を守るだけではなく、変化も受け入れてきた学校

鎌倉女学院には、セーラー服や中高合同の学校行事、先輩から後輩へ受け継がれる文化など、長く続いてきたものがあります。

一方で、学校生活のすべてを「昔からこうだったから」という理由で固定しているわけではありません。2001年には鎌倉学・国際環境学を開始し、英語教育や海外研修を拡充。ICTも日常の授業に取り入れています。

制服についても、生徒の意見を取り入れながら夏用ポロシャツを導入するなど、学校生活に必要な変化を重ねています。

1904年の学校と現在の学校では、当然ながら学ぶ内容も社会のあり方も大きく違います。それでも「新しい知識を学ぶこと」「自分自身を持つこと」「学んだ力を社会のために使うこと」という考えは続いています。

鎌倉女学院は、120年以上の歴史そのものを価値として掲げるだけの学校ではありません。残すものと変えるものを選びながら、女子の6年間に必要な教育を組み直してきた学校と見ると、現在の姿が分かりやすくなります。

アクセスと立地環境|鎌倉駅徒歩7分、古都そのものを学びの場にする

鎌倉女学院中学校は、神奈川県鎌倉市由比ガ浜2丁目にあります。最寄りのJR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉駅」から徒歩約7分。中高6年間、ほぼ毎日通うことを考えると、駅から学校までの距離はかなり短い部類に入ります。

しかも、学校があるのは鎌倉という街の歴史や文化から切り離された場所ではありません。若宮大路や一の鳥居が近く、少し歩けば寺社、文学ゆかりの場所、海や自然環境へもアクセスできます。こうした周囲の環境は、独自の探究プログラム「鎌倉学」で実際に使われています。

JRと江ノ電が乗り入れる鎌倉駅から徒歩約7分

所在地神奈川県鎌倉市由比ガ浜2丁目10番4号
最寄り駅JR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉駅」
駅からの距離徒歩約7分
スクールバスなし
来校時校内駐車場はなく、公共交通機関の利用が基本

鎌倉駅はJR横須賀線で大船・横浜方面、逗子・横須賀方面とつながっています。横浜、武蔵小杉、品川、東京方面からも同一路線で向かえるため、鎌倉市内や湘南地域だけに通学圏が限られる学校ではありません。

また、大船駅で東海道線、京浜東北・根岸線、湘南モノレールなどへ乗り換えられるため、藤沢方面や横浜市内のさまざまな地域から通学経路を組むことができます。

江ノ島電鉄を利用できる点も、藤沢・江ノ島方面の家庭にとっては選択肢になります。自宅から鎌倉駅までの経路を複数持てる地域もあり、鉄道が止まった際の迂回経路まで含めて確認しておくと安心です。

駅から7分は、6年間では小さくない

学校選びでは「駅から徒歩7分」という数字をさらりと読み流してしまいがちですが、中学1年から高校3年まで年間200日前後通うと考えると、この距離は生活に直結します。

朝は8時台に登校し、放課後にはクラブ活動や講習があります。荷物の多い日、夏の暑い日、雨の日にも同じ道を歩くことになるため、駅から長いバス移動や急な坂道を挟まずに通えることは、毎日の負担を考えるうえで意味があります。

特に中学1年生は、小学校時代より通学時間が長くなる家庭も多く、入学直後は授業や部活動以上に「朝起きて学校へ行く」という新しい生活リズムに慣れる必要があります。通学時間を検討するときは、自宅から鎌倉駅までだけでなく、駅から校門までの7分も実際に歩いて確認しておくとよいでしょう。

若宮大路と一の鳥居の近くにある学校

鎌倉駅から学校へ向かうと、鎌倉の主要な通りである若宮大路や一の鳥居の近くを通ります。若宮大路は鶴岡八幡宮から由比ガ浜方面へ延びる鎌倉を代表する通りで、現在の街の骨格であると同時に、鎌倉の歴史そのものを感じられる場所です。

学校名に「鎌倉」と付いていても、実際の校舎が歴史地区から離れている学校もあります。鎌倉女学院の場合は、毎日の通学路そのものが古都の中心部につながっています。

もちろん、生徒にとっては毎日歩けば「いつもの道」になります。それでも、授業で鎌倉時代について学んだあと、教科書に出てきた場所が校外学習先ではなく学校周辺にある。この距離感は、鎌倉女学院の教育を考えるときにかなり重要です。

鎌倉の街が「鎌倉学」のフィールドになる

この立地を教育へ直接つなげているのが、独自の「鎌倉学」です。

中学1年では地図を持って鎌倉を歩き、自然、地理、歴史、地域の仕事について学びます。学校周辺の農業・漁業・商業・観光・福祉・文化財保護・市政などに関わる施設で、職場体験や職場見学も行います。

中学2年では、鎌倉国宝館の見学や鎌倉文学散歩、班ごとに計画したルートでのフィールドワークへ進みます。文学散歩では記念碑、歌碑、寺社などを訪ねながら高徳院を目指します。

つまり「歴史のある場所に学校があります」で終わるのではなく、学校の外へ出ればそのまま授業の続きになる環境です。社会科でも鎌倉を「歴史都市」「観光都市」「業務地区」など複数の視点から捉え、現地調査から情報収集、整理、発表まで行います。

海・山・寺社・街が近いから、扱えるテーマも広い

鎌倉の特徴は、歴史文化だけではありません。周囲には海と山があり、住宅地、商業地、観光地も一つの街の中にあります。

そのため、「鎌倉学」で扱えるテーマも鎌倉幕府や寺社の歴史だけに限られません。自然環境、観光、防災、地域産業、文学、文化財など、理科・社会・国語をまたいだテーマを実際の街から見つけることができます。

中学1年の自然観察研修、中学2年の文学散歩、中学3年の奈良・京都フィールドワークへと学びが広がっていくのも、まず身近な鎌倉を自分の足で歩く経験が出発点にあるからです。

遠くの世界について調べる前に、自分が毎日通っている街をきちんと見る。そこから奈良・京都、さらに高校では沖縄や海外へ視野を広げていく。この順序が、鎌倉女学院の探究教育の組み立て方です。

観光都市・鎌倉だからこそ、学校見学では実際の通学路も歩きたい

鎌倉駅周辺は、休日や観光シーズンには多くの人が訪れます。平日の朝と、土日昼間の学校説明会では、駅周辺の雰囲気がかなり違うこともあります。

一方、生徒が日常的に利用するのは観光地としての鎌倉だけではありません。通学路、学校周辺の住宅地、地域の施設などを含めて6年間生活します。観光客として訪れたときとは違う鎌倉が、生徒にとっての日常になります。

受験を検討する際には、鎌倉駅から学校まで実際に歩き、朝の乗り換えを含めて自宅からどの程度時間がかかるのか確認しておくとよいでしょう。

駅から徒歩7分という通学のしやすさと、校門を出れば鎌倉の歴史・文化・自然がある環境。この二つが別々ではなく、「通う場所」と「学ぶ場所」がほぼ重なっているところに、鎌倉女学院の立地の特徴があります。

教育方針とカリキュラム|教科学習と「鎌倉学」を往復する6年間

鎌倉女学院の教育を理解するうえで中心になるのが、学校が掲げる「実現力」という考え方です。豊かな未来を思い描くだけでなく、その実現に向けて自分から行動できる力を育てることを目指しています。

そのための二つの軸が、大学進学にもつながる「教科の学び」と、鎌倉を出発点に社会や世界へ視野を広げる「鎌倉学/国際・環境学」です。探究だけを特別な活動として切り離すのではなく、国語・数学・英語・社会・理科などで身につけた知識をフィールドワークで使い、そこで生まれた疑問を再び教科学習へ戻していきます。

高校募集を行わない完全中高一貫校のため、中学3年間では基礎を固め、高校では本人の興味や進路に合わせて学習を専門化していくという6年間の流れを作りやすい学校です。

中学3年間は、国語・数学・英語を厚くして基礎を固める

中学校では、国語・数学・英語の授業時間を標準より多く確保し、まず高校以降の学習につながる基礎学力を整えます。

完全中高一貫校というと、早い段階から高校範囲をどんどん先取りする学校を想像するかもしれません。鎌倉女学院にも先取りはありますが、単純に進度を速めることだけを目的にはしていません。

日常の授業に小テストやまとめテストを取り入れ、理解が不十分な場合には追試や補習を行います。学習内容を積み残したまま次へ進むのではなく、基礎を確認しながら必要な範囲で高校内容へつなげる設計です。

また、授業では覚えた知識を再現するだけでなく、調べ学習、グループでの話し合い、発表、フィールドワークなども行われます。大学入試で必要な知識と、その知識を自分で使う力の両方を中学校段階から育てていきます。

英語は「5時間の教科学習+1時間の英会話」で使う力まで育てる

英語は鎌倉女学院が長く力を入れてきた教科の一つです。中学1年から高校1年までは、日本人教員による英語を週5時間学び、それとは別に外国人教員によるOral Communicationを週1時間必修で学びます。

日本人教員の授業では、読む・聞く・書く・話すという4技能をバランスよく扱います。新しい表現を耳から聞き、ルールを考え、口頭で繰り返し使い、最終的には自分自身について表現するところまでつなげていきます。

外国人教員による英会話では、決められた英文を暗記して発表するだけではありません。国や文化について調べたり、意見を尋ねたり、相手の発言に反応して質問したりしながら、英語だけでやり取りする経験を重ねます。

中学校で積み上げた内容は、高校ではディスカッションやディベートなどへ発展します。高校2・3年では希望者がGlobal Studiesを選択することもでき、社会・文化・環境などのテーマについて英語で調査し、分析し、意見を交換します。

英検などの資格取得にもつながりますが、授業そのものを資格試験対策だけにはしていません。受験英語の先にある「自分の考えを英語で伝える」ことまで視野に入れている点が特徴です。

数学は中3から数学I・Aへ入り、「速さ」より理解を重視する

数学では、中学校の内容を学びながら徐々に先取りを進め、中学3年から高校の「数学I」「数学A」の内容に入ります。

ただし、中高一貫校だからといって計算技術だけを急いで身につける授業ではありません。中学校では、図や具体物を使って抽象的な概念を理解したり、身近なデータを分析してポスターにまとめたり、自分で問題を作ったりする活動も行います。

たとえば正負の数をトランプで扱う、平方根の計算をゲーム形式で練習する、折り紙から図形の対称性を考える、複数のグラフを組み合わせて絵を描くなど、数学を具体的に捉える教材も取り入れられています。

重要なのは、答えを出せたかどうかだけではありません。どのように考えたのか、別の解き方はないか、得られた結果が妥当かを振り返ることも重視しています。

高校2年以降、理系コースでは数学の習熟度別少人数授業も行われます。中学校では全員の土台を作り、高校では志望進路に合わせて必要な水準まで深めていく流れです。

国語は古典・読書・創作・発表まで幅広く扱う

国語も、単なる入試問題の読解にとどまらない教科です。創立者の田辺新之助が漢詩人・教育者であったこともあり、鎌倉女学院では古くから古典教育や文芸創作を大切にしてきました。

中学1年の「特別国語」では、故事成語、百人一首、日本の伝統文化などに触れます。中学2年になるとオリジナル教材も使い、『竹取物語』の全文通読や『更級日記』『万葉集』などへ進み、古典文法も学んでいきます。

一方、現代文ではさまざまな文章を読み、自分の考えを話し合ったり、ICTを使って発表資料を作ったりします。俳句、短歌、詩などの創作にも取り組み、中学3年では卒業文集を作成します。

読書も継続的に行い、中学3年間で読んだ本を記録します。読んだ本についてブックトークやPOPなどで紹介し合うため、「本を読む」で終わらず、読んだ内容を考え、自分の言葉で他者へ伝えるところまで学習に含まれています。

さらに中学2年の「鎌倉学」では、鎌倉にゆかりのある文学作品や作家について事前に調べ、実際に文学散歩へ出ます。教室での国語と、学校周辺でのフィールドワークが直接つながる一例です。

「鎌倉学」から始まり、中3以降は世界の課題へ視野を広げる

鎌倉女学院の探究教育では、最初から遠い世界の社会課題について調べるのではなく、まず自分たちが毎日通う鎌倉を題材にします。

鎌倉学では、歴史遺産や文化、自然、文学、地域社会などについて調べ、実際に現地へ足を運びます。その過程で「課題を見つける」「調べる」「話し合う」「考える」「表現する」「発表する」という学び方を繰り返します。

中学3年になると、学習の視野は「国際・環境学」へ広がります。中3では週1時間の「環境」が設けられ、1年間を通して環境問題について自分なりの課題を設定し、できることを考えて実践し、レポートにまとめます。

学年主な探究の段階
中学1・2年鎌倉を中心とした歴史・文化・自然・地域の探究
中学3年環境問題を中心とした国際・環境学
高校1年国際学講座・国際セミナー
高校2年フィールドワーク沖縄研修など
高校2・3年Global Studiesなどを通した世界への視点

地元を知ることから始め、国内の別地域、さらに世界へと視野を広げていく構成です。学年が上がるたびに全く別の活動をするのではなく、同じ探究の方法を繰り返しながら扱うテーマを広げていきます。

高校2年から文系・文理・理系へ分かれ、進路に合わせて深める

中学校では幅広い教科を共通して学びますが、高校2年からは進路に応じて「文系」「文理」「理系」の3つに分かれます。

コース学習の特徴想定される進路
文系英語・国語・社会を重点的に学習。多様な選択科目を設置人文・社会系、国公立文系、芸術系など
文理文系・理系科目をバランスよく学習経済、情報、医療系など幅広い学部
理系英語・数学・理科を重点的に学習理工、医療、薬学、農学系など

文系でも国公立大学や芸術系大学に対応できる選択科目が用意され、少人数の選択授業では受講者が少なくても開講するなど、個々の進路に合わせた授業を組みやすくしています。

文理コースは、文系か理系かを単純に二分できない学部にも対応するコースです。経済・情報・医療など、数学や理科も必要になる分野を視野に入れながら、幅広く学びます。

理系では、高校2・3年の数学や化学で習熟度別の少人数授業を行い、それぞれの志望校に必要な水準まで学習を深めます。

鎌倉女学院の6年間は、中学生のうちから大学受験科目だけへ絞り込む設計ではありません。中学では広く学び、鎌倉や社会へ出て興味を見つけ、高校で自分の進路に必要な学びを選ぶ。教科学習と探究を往復しながら、自分が何を学びたいのかを少しずつ具体化していくカリキュラムになっています。

学習環境と施設設備|授業・自習・部活動まで、校内で一日を組み立てる

鎌倉女学院の校舎は、鎌倉駅から徒歩約7分という市街地にありながら、普通教室だけでなく、図書室、理科系の特別教室、体育館、武道場、グラウンド、屋外プールなど、中高6年間の授業や課外活動に必要な施設をまとめています。

施設を見るときに注目したいのは、設備の新しさや数だけではありません。授業では一人1台のChromebookを使い、放課後には図書室や自習室で勉強し、必要であれば卒業生チューターへ質問することもできます。「授業を受ける場所」だけでなく、その日の学習を校内で続けられる環境として整えられている点が特徴です。

一人1台のChromebookを、授業から学校生活まで日常的に使う

入学時には、学校指定のChromebookを一人1台購入します。端末は特別なICT授業だけで使うのではなく、各教科の調べ学習、資料作成、課題提出、グループワークなど、日常の授業で利用します。

Google Classroomも導入されており、学校からの連絡や教材の配付、課題の提出などに使われています。オンライン授業が必要になった場合にも活用できるほか、委員会活動やクラブ活動など、授業外で使用する場面もあります。

鎌倉女学院では「鎌倉学」をはじめ、フィールドワークで集めた情報を整理し、考察し、発表する活動が多くあります。そのためICT端末も、単に紙の教科書を画面へ置き換えるためではなく、調査したものをまとめ、他者へ伝えるための道具として使われます。

一方で、国語の読書や数学の途中式、理科の実験など、紙や手作業が適している学習もあります。すべてをデジタル化するのではなく、内容に応じて使い分ける学習環境です。

図書室は、読書だけでなく調べ学習と自習にも使う

校内には図書室があり、日常の読書はもちろん、授業での調査や「鎌倉学」をはじめとした探究活動にも利用されています。

鎌倉女学院では、国語科でも中学3年間を通して読書を継続し、ブックトークやPOP作成など、本について他者へ伝える活動を行います。図書室は、そうした授業と日常的な読書をつなぐ場所でもあります。

また、放課後には自習場所として利用することもできます。授業が終わったあと、すぐに帰宅するのではなく、図書室で宿題や予習・復習を済ませてから帰るという過ごし方も可能です。

大学受験期だけに使う施設ではなく、中学生の段階から「必要な情報を自分で探す」「静かな場所で一人で勉強する」という習慣をつくれる場所になっています。

自習室には卒業生チューターが入り、質問できる

放課後や土曜日には、空き教室や生徒会室などを自習室として利用できます。さらに、鎌倉女学院を卒業した大学生・大学院生などがチューターとして入り、生徒の質問や学習相談に対応しています。

自習環境は一つではなく、チューターからしっかり指導を受けられる部屋、自分で学習しながら必要なときだけ質問できる部屋、図書室など、学習スタイルによって使い分けることができます。

卒業生チューターである点にも意味があります。授業の進め方や学校行事、部活動と勉強の両立などを実際に経験した先輩なので、教科内容だけでなく、日々の勉強方法について相談することもできます。

高校生になると、進路情報を集めるキャリアルームも利用します。大学の募集要項、進路情報誌、赤本や入試問題集などが置かれ、個別ブースで自習することもできます。

学習スペース主な使い方
図書室読書、資料調査、探究活動、自習
自習室放課後・土曜日の予習復習、宿題、試験勉強
卒業生チューター教科の質問、学習方法や進路についての相談
キャリアルーム大学情報・募集要項・赤本の閲覧、個別自習

授業で分からなかったところを塾へ持ち帰る前に、学校内で質問して解決する選択肢が用意されていることは、中高6年間の学習環境を見るうえで確認しておきたいポイントです。

理科は実験・観察を重視し、校外での科学体験にもつなげる

理科では、教室で説明を聞くだけではなく、実験や観察を多く取り入れています。教科書に掲載されている基本的な実験に加え、さまざまな実習を行い、実験器具の扱い方や科学的な検証方法を身につけます。

重要なのは、実験をして「面白かった」で終わらないことです。結果を記録し、なぜその結果になったのかを考察し、小レポートなどにまとめます。観察した事実と自分の考えを区別し、科学的な根拠をもって説明するところまでが授業です。

さらに、中学1年の自然観察研修や中学3年のサイエンスデイ、防災学習など、校内の実験設備だけでは完結しない科学体験も用意されています。

鎌倉は海・山・市街地が近接する土地でもあります。校内で身につけた観察や分析の方法を、自然環境や地域を調べる活動へ持ち出せることが、鎌倉女学院らしい理科学習につながっています。

体育館・グラウンド・武道場・屋外プールを授業とクラブで使う

運動施設としては、体育館、グラウンド、武道場、屋外プールなどがあります。日常の体育授業に加え、放課後にはバスケットボール、バレーボール、バドミントン、剣道などのクラブ活動にも利用されます。

鎌倉女学院の体育教育では、一部の競技が得意な生徒だけを対象にするのではなく、自分の身体や運動能力に合わせて、さまざまなスポーツへ取り組むことを重視しています。

通常授業だけでなく、中学1年ではプロジェクトアドベンチャーや合気道、中学2年では体育研修を実施し、テニス、フットサル、空手、創作ダンス、水泳など複数の運動を経験します。

つまり校内の運動施設も、「体力を測るための場所」というより、仲間と協力したり、これまで経験していない運動に触れたりする学校生活の一部として使われています。

昼食は持参弁当が基本、校内で弁当を購入することもできる

中学校生活では、毎日の昼食環境も家庭にとって重要です。鎌倉女学院には給食制度はなく、家庭から弁当を持参することが基本です。

ただし、毎日必ず家庭で用意しなければならないわけではありません。校内では食券制の弁当販売があり、必要な日に利用できます。

朝に弁当を準備できなかった日や、家庭の予定が重なった日にも学校内で昼食を確保できるため、6年間毎日のこととして考えると便利な仕組みです。

昼休みは12時15分から13時05分まで。友人と昼食をとり、その後の授業や放課後の活動へ向かいます。授業、自習、クラブ活動、昼食まで含め、朝8時15分のホームルームから17時30分の下校までを校内で無理なく過ごせるかという視点で施設を見ると、鎌倉女学院の学習環境がより具体的に見えてきます。

学校生活と年間行事|体育祭・文化祭から奈良京都フィールドワークまで

鎌倉女学院の学校生活には、体育祭や文化祭、合唱コンクールといった全校行事だけでなく、鎌倉の街や自然を実際に歩くフィールドワーク、宿泊研修、芸術鑑賞、国際交流などが組み込まれています。

特徴的なのは、行事が授業とは別の「お楽しみ」として並んでいるのではなく、これまで学んできたことを実際に使う機会になっていることです。中学1年では身近な鎌倉や自然から始まり、中学2年では文学・歴史やスポーツへ、中学3年では奈良・京都や環境・国際分野へと活動範囲を広げていきます。

一方で、体育祭や文化祭では生徒自身が前面に立ちます。先輩から後輩へ受け継がれる制服の「鎌女結び」などもあり、授業・行事・生徒同士の関わりを通して6年間の学校文化に入っていくのが鎌倉女学院の学校生活です。

一年を通して、学習・行事・校外体験を繰り返す

鎌倉女学院は2学期制で、4月の入学式から学校生活が始まります。春にはクラブ紹介や白菊会総会があり、5月には体育祭を実施。前期中間テストを挟み、夏に向けて読書週間、国際交流、サイエンスデイなどが続きます。

9月には前期期末テストと文化祭があり、10月から11月にかけては各学年のフィールドワークや宿泊研修が集中します。12月には合唱コンクール、2月には中学生の英語スピーチコンテスト、3月には卒業式などが行われます。

時期中学生に関わる主な行事・活動
4月入学式、始業式、白菊会総会、クラブ紹介
5月体育祭、中1礼法、地図を持って鎌倉を歩く、中1和楽器講座
6〜7月前期中間テスト、鎌女読書週間、情報講座、中2歴史講座、中3サイエンスデイ
8月クラブ合宿、中1プロジェクトアドベンチャー
9月前期期末テスト、文化祭
10月中1自然観察研修、中2体育研修、中3奈良京都フィールドワーク
11月中1職場体験・職場見学、中2鎌倉散策・スポーツ活動
12月後期中間テスト、合唱コンクール、スクールカミングデー
2〜3月英語スピーチコンテスト、ひな祭り、学年末試験、卒業式

定期試験と大きな行事が交互に置かれており、一年間ずっとイベントが続く学校というわけではありません。勉強する時期と、クラスや学年で一つのことに取り組む時期が切り替わりながら進んでいきます。

5月の体育祭は、中高それぞれが学年の力を出す

5月には体育祭が行われます。中学校と高校ではそれぞれ体育祭が実施され、中学生は学年カラーのTシャツを着て競技や応援に参加します。

2026年度の中学体育祭では、中学1年が黄、中学2年が紫、中学3年が緑の学年カラーで参加しました。競技の結果だけでなく、学年全体で応援しながら優勝を目指すため、中学1年にとっては入学後のクラスや学年の関係を作る最初の大きな行事の一つになります。

競技には、走力だけを競うものだけでなく、障害物を越えながらモデル役の生徒へ衣装を着せ、その完成度やアイデアも含めて競う種目などがあります。衣装も生徒が準備するため、運動が得意な生徒だけが活躍する行事ではありません。

中学3年間で毎年同じ立場から参加するのではなく、学年が上がるにつれて後輩を引っ張る役割も増えていきます。女子だけの環境の中で、生徒自身が競技にも運営にも積極的に関わる姿が見えやすい行事です。

9月の文化祭は、クラブ活動と日頃の学びを外へ伝える場

秋の大きな行事が文化祭です。校内にはクラブや学年ごとの展示・発表が並び、音楽系クラブの演奏、文化部の作品展示、体験型企画などが行われます。

文化祭は、普段の学校生活を保護者や受験生など校外の人に見てもらう機会でもあります。クラブで一年間取り組んできた成果を披露したり、授業や校外活動で調べた内容を展示にまとめたりするため、生徒にとっては日頃の活動を「他者へ伝える」場になります。

たとえば高校では、鎌倉の街を班ごとに歩き、おすすめの場所や特産品などを調査して文化祭で紹介する活動も行われています。学校が鎌倉にあることを、文化祭の企画にもつなげています。

受験を考えている家庭にとっても、文化祭は学校説明会とは違う角度から校風を見る機会です。生徒同士の接し方、中学生と高校生の関係、クラブの雰囲気などを実際に見られるため、女子校での6年間をイメージしやすくなります。

中1・中2・中3で、体験する場所とテーマが広がっていく

中学校3年間には、それぞれの発達段階に合わせた校外活動や宿泊行事があります。

中学1年では、まず学校のある鎌倉を知るところから始まります。「地図を持って鎌倉を歩く」活動に加え、秋には1泊2日の自然観察研修を実施します。さらに職場体験・職場見学や収穫体験などを通して、地域の自然や仕事にも触れます。

中学2年では歴史講座や鎌倉散策などを行い、秋には2泊3日の体育研修があります。複数のスポーツに挑戦しながら、集団生活や仲間との協力も経験します。

そして中学3年では、鎌倉学で培ってきたフィールドワークの一つの集大成として、3泊4日の奈良・京都研修へ向かいます。

学年主な体験学びの広がり
中学1年鎌倉散策、自然観察研修、職場体験・職場見学身近な地域・自然・仕事を知る
中学2年歴史講座、文学・鎌倉散策、体育研修歴史・文化・集団活動へ広げる
中学3年奈良・京都フィールドワーク、サイエンスデイ鎌倉で学んだ方法を他地域や新しい課題へ応用する

修学旅行先へ行って名所を見て帰るだけではなく、事前に調べ、現地を歩き、帰校後に整理するという探究の流れが組み込まれています。日頃の「鎌倉学」と学校行事がつながっていることが分かります。

合唱・和楽器・雅楽・英語劇など、文化に触れる機会も多い

年間行事には、体育祭や宿泊研修だけでなく、音楽・芸術・伝統文化に触れる機会もあります。

中学1年では礼法や和楽器講座、雅楽鑑賞を行い、中学生全体では英語劇鑑賞などもあります。12月には合唱コンクールがあり、クラス単位で練習を重ねて本番を迎えます。

合唱コンクールは、音楽が得意な生徒だけで完成するものではありません。指揮、伴奏、パート練習、全体の調整など、クラスの中で役割を分けながら一つの曲を作っていきます。

また、中学校では2月に英語スピーチコンテストも行われます。日常の英語授業で身につけた発音や表現力を、実際に人前で使う機会です。

鎌倉という土地で日本文化に触れる一方、英語や国際交流にも取り組むため、「伝統文化」と「国際教育」が学校生活の中で別々に存在しているわけではありません。自国の文化を知ったうえで外の世界を見るという流れが、行事にも表れています。

セーラー服の「鎌女結び」と、2026年に加わった夏用ポロシャツ

鎌倉女学院を象徴するものの一つが、伝統的なセーラー服です。

夏服は白いセーラー服で、中学生は紺色、高校生は黒色のリボンを結びます。冬には紺色の長袖セーラー服を着用し、指定のセーターやコートも用意されています。

リボンの結び方には、先輩から後輩へ教えられてきた「鎌女結び」があります。結び方そのものは自由ですが、生徒会の高校生が中学1年生へ方法を教えることもあり、入学した生徒が学校文化を先輩から受け取る場面の一つになっています。

一方、制服が昔の形のまま固定されているわけではありません。2026年には、生徒からの要望を受けて夏用ポロシャツが新たに導入されました。

デザインや生地の選定にも生徒が関わり、色は投票によってサックスブルーに決まりました。ボタン部分にはセーラー服の白線を思わせる意匠も取り入れられています。

120年以上続く女子校として受け継がれてきたものを大切にしながら、現在の生徒が必要だと考えるものは変えていく。「鎌女結び」と新しいポロシャツが同時に存在していることは、鎌倉女学院の学校生活を象徴する組み合わせといえるでしょう。

クラブ活動|中高合同でつながる放課後の6年間

鎌倉女学院には、運動部9、文化部15の計24のクラブがあり、すべてのクラブで中学生と高校生が一緒に活動しています。

クラブ活動は生徒会にあたる「白菊会」によって運営され、中学1年生も高校生の先輩から教わりながら活動に入っていきます。完全中高一貫校のため、高校入学時に大きくメンバーが入れ替わることもありません。中学で始めた活動を高校まで続け、やがて自分が後輩を教える側に回るという6年間のつながりが生まれます。

24のクラブから、運動・音楽・文化・学術系まで選べる

現在のクラブは、次のように幅広くそろっています。

区分クラブ
運動部体操部、バトン部、剣道部、ダンス部、バドミントン部、卓球部、テニス部、バスケットボール部、バレーボール部
文化部文芸部、歴史研究部、演劇部、アニメ・まんが部、パソコン部、写真部、理科部、料理部、ESS、競技かるた部、クイズ研究部、美術部、マンドリンギター部、鎌女オーケストラ、数楽部

女子校だから文化部が中心というわけではなく、球技、武道、ダンスなどの運動部もあります。一方で、マンドリンギター、オーケストラ、競技かるた、クイズ、数楽といった、入学後に初めて触れる可能性の高い活動も多くあります。

小学校まで続けてきた競技をそのまま続けることも、中学入学を機に全く新しい分野へ挑戦することもできます。

運動部は球技から剣道・体操・バトンまで

運動部には、バスケットボール、バレーボール、テニス、卓球、バドミントンといった学校部活動ではなじみのある競技に加え、剣道、体操、バトン、ダンスがあります。

たとえば剣道部は、中学生と高校生が一緒に稽古し、市内や地区の個人戦・団体戦への出場を目指します。経験者だけで構成されているわけではなく、中学校から初めて剣道を始める生徒もいます。

防具を着けた稽古だけでなく、グラウンドやトレーニングルームで基礎体力を養い、高校卒業までに級や段の取得を目指すこともできます。技術だけでなく、礼法や先輩・後輩との関係も含めて学ぶ部活動です。

体育祭や日常の体育とは違い、一つの競技を継続して練習することで、自分自身の上達を6年間という長い時間軸で見ることができます。

音楽系はマンドリンギターとオーケストラが学校外でも演奏

鎌倉女学院の文化部で特徴的なのが、音楽活動の選択肢です。マンドリンギター部と鎌女オーケストラがあり、中学生から高校生まで一緒に演奏を作り上げます。

鎌女オーケストラは管楽・弦楽のパートで構成され、定期演奏会も行っています。マンドリンギター部も学校行事だけに活動を限らず、地域で演奏を披露する機会があります。

2026年には、マンドリンギター部、オーケストラ、合唱の生徒が地域の式典で演奏したほか、他校の男子校との合同演奏も行われました。女子校の中で活動しながら、音楽を通じて学校外の人と関わる機会もあります。

楽器経験がある生徒にとってはこれまでの経験を生かせる場となり、未経験の楽器に中学から挑戦する生徒にとっては、先輩から演奏技術を学びながら長い時間をかけて上達していく場になります。

競技かるた・クイズ・数楽・理科など、知的好奇心を深めるクラブも

鎌倉女学院の文化部を見ると、授業で興味を持ったことを放課後に深められるクラブが多いことも分かります。

理科部、歴史研究部、文芸部、ESS、パソコン部に加え、競技かるた部、クイズ研究部、数楽部などがあります。

たとえば数学が好きな生徒であれば、授業で問題を解くだけでなく数楽部で数学そのものを楽しむことができます。歴史に興味があれば、日常の「鎌倉学」と歴史研究部での活動をつなげることもできます。

また、競技かるたは古典、ESSは英語、理科部は実験や観察というように、教科学習とクラブ活動の境界が比較的近い活動もあります。

勉強とは別に趣味を持つというだけでなく、「授業で面白いと思ったことを、さらに自分で深める」という放課後の使い方ができる学校です。

美術・演劇・料理など、作品を形にして文化祭で発表する

表現やものづくりを楽しみたい生徒には、美術部、演劇部、アニメ・まんが部、写真部、料理部などがあります。

美術部では油絵などの個人制作に取り組むほか、文化祭に向けて部員全員で大きな作品を制作することもあります。自分の好きなテーマを一人で追究する時間と、仲間と一つの作品を作る時間の両方があります。

演劇や音楽、美術などの文化部にとって、文化祭は日頃の活動を発表する重要な機会です。作品や演奏、舞台を校内の仲間だけでなく、保護者や受験生にも見てもらいます。

制作するだけではなく、展示方法を考えたり、来場者へ説明したり、舞台の運営を行ったりするところまで生徒自身が関わります。文化祭が、クラブ活動の一年間の目標の一つにもなっています。

中高合同だから、6年間で「教わる側」から「教える側」へ変わる

鎌倉女学院のクラブ活動で最も学校らしさが出るのは、実績の数よりも中高6学年が同じ活動をすることです。

中学1年では、高校生の先輩から道具の扱い方や練習方法を教わります。学年が上がれば後輩が入り、自分が教える役割を持つようになります。高校生になると、部長や運営を担い、活動全体を動かす立場にもなります。

女子だけの6学年で活動するため、中学生にとって高校生は身近な将来像でもあります。勉強との両立、学校行事への関わり方、進路を考えながらクラブを続ける姿などを、日常的に近くで見ることになります。

クラブは競技や作品制作の場であると同時に、異なる学年との人間関係をつくる場でもあります。完全中高一貫校だからこそ、この縦の関係が毎年途切れず続いていきます。

クラブとは別に「特修」で茶道・華道・書道・楽器も学べる

さらに鎌倉女学院には、クラブ活動とは別に、放課後の「特修」があります。

特修は、生涯にわたって親しめる教養を身につけることを目的とした希望制の講座です。現在は、茶道、華道、書道、フルート、バイオリンが用意されています。

特修内容
茶道裏千家の茶道を学ぶ
華道草月流の華道を学ぶ
書道書の技術と表現を学ぶ
フルート楽器演奏を基礎から学ぶ
バイオリン個々の段階に応じて演奏を学ぶ

特修はクラブとの両立も可能です。たとえば運動部に所属しながら茶道を学ぶ、文化部に所属しながら別の楽器にも触れるといった組み合わせもできます。

24のクラブだけで放課後の選択肢が完結しているわけではありません。一つの活動を6年間続けることも、クラブとは異なる教養をもう一つ加えることもできるところに、鎌倉女学院の放課後の幅があります。

進路指導と大学合格実績|大学名だけでなく、自分の進路をつくる6年間

鎌倉女学院は大学附属校ではないため、高校卒業後はそれぞれが自分の志望に合わせて大学・学部を選びます。国公立大学、早慶上理、GMARCH、女子大学、理工・医療・薬学系など進路は幅広く、一般選抜だけでなく、学校推薦型選抜や総合型選抜を利用して進学する生徒も少なくありません。

進路指導も高校3年で突然始まるのではなく、中学校の職業調査からスタートします。高校ではインターンシップ、大学の模擬授業、卒業生による大学紹介、高大連携などを通して、自分が大学で何を学び、その先で何をしたいのかを具体化していきます。

大学合格実績を見る際には、一つの年度の大学名や人数だけで判断するのではなく、145名前後の学年からどのような進路へ広がっているのかを見ると、鎌倉女学院の進路指導が分かりやすくなります。

2025年度卒業生145名、それぞれが異なる進路へ進む

2026年3月に卒業した2025年度卒業生は145名でした。このうち112名が4年制大学へ進学し、専門学校等への進学が1名、32名が進学準備となっています。

2025年度卒業生の進路人数
卒業生145名
4年制大学進学112名
専門学校等1名
進学準備32名

4年制大学への現役進学率だけを計算すると約77%です。ただし、これは「大学に合格できなかった生徒の割合」をそのまま表す数字ではありません。第一志望を目指して翌年度の受験に備える生徒も進学準備に含まれます。

前年の2024年度卒業生では163名中145名が4年制大学へ進学しており、年度によって進学状況には変動があります。大学合格実績は一年度だけを切り取るのではなく、数年間の推移とあわせて見ることが大切です。

2026年春は国公立から早慶・GMARCHまで幅広く合格

2025年度卒業生の大学合格実績では、国公立大学にも複数の合格者が出ています。主な大学として、東京科学大学、筑波大学、東京外国語大学、東京学芸大学、電気通信大学、横浜国立大学、横浜市立大学などがあります。

私立大学では、早慶上理からGMARCH、女子大学、中堅私立大学まで幅広く合格しています。

大学2026年春の合格者数
慶應義塾大学10名
早稲田大学3名
上智大学5名
東京理科大学5名
明治大学19名
青山学院大学19名
立教大学18名
中央大学14名
法政大学12名
学習院大学4名
津田塾大学4名
東京女子大学4名
明治学院大学22名

これらは進学者数ではなく延べ合格者数です。一人の生徒が複数の大学・学部へ合格している場合、それぞれに計上されます。そのため、合格者数を卒業生数と単純に比較して進学率を判断することはできません。

また、年度による変動もあります。たとえば早稲田・慶應やGMARCHの合格者数は毎年同じではありません。大学名ごとの一年度の数字より、国公立、難関私立、理工・医療系など複数の進路に対応できていることを見る方が学校の実態を捉えやすいでしょう。

推薦・総合型選抜で進学する生徒が30%を超える

鎌倉女学院の大学進学で注目したいのが、一般選抜以外の進路です。2025年度卒業生では、30%以上が指定校推薦、学校推薦型選抜、総合型選抜などを利用して進学しました。

学校推薦型選抜では、東京科学大学生命理工学院、横浜市立大学医学部看護学科、昭和薬科大学薬学部、星薬科大学薬学部、北里大学薬学部、麻布大学獣医学部などへの合格者が出ています。

総合型選抜でも、電気通信大学情報理工学域、横浜国立大学教育学部、慶應義塾大学文学部、中央大学法学部などへの合格例があります。

推薦だから学力を問われないわけではありません。評定、志望理由書、面接、小論文、活動実績、大学によっては学力試験などが必要になります。中高6年間でどのようなことに取り組み、それを自分の志望分野とどう結びつけて説明できるかも重要です。

鎌倉女学院では、「鎌倉学」や国際・環境学、留学、部活動、校外活動など、自分の興味を継続して深める機会があります。こうした経験が、一般選抜とは異なる方式で大学へ進む際にも材料になります。

中1から始まるキャリア教育で、「何になりたいか」を考える

進路指導は、大学受験が近づいた高校生だけのものではありません。鎌倉女学院では中学1年から段階的にキャリア教育を行います。

学年主なキャリア教育
中学1年鎌倉市内の職場見学、職業リサーチ、報告
中学2年身近な人への職業リサーチ、働くことへの理解
中学3年インターンシップ事前学習、社会体験マナー、ボランティア学習
高校1年キャリアガイダンス、社会体験、大学模擬授業、卒業生による大学紹介
高校2年進路の具体化、大学模擬授業、卒業生による大学紹介
高校3年志望大学・入試方式に合わせた受験準備

中学1年では、「大学はどこへ行くか」より先に、「社会にはどのような仕事があり、それぞれどのような役割を持っているのか」を知るところから始めます。

高校1年では社会の第一線で働く女性から話を聞くキャリアガイダンスや、インターンシップ・ボランティアなどの社会体験を実施します。大学教員によるアカデミックレクチャーでは、大学で実際にどのような研究が行われているのかにも触れます。

高校2年になると、高校卒業後の進路をより具体的に考えます。高2では文系・文理・理系に分かれているため、日々の授業選択と大学・学部選択を結びつけながら進路を固めていきます。

大学との連携で、高校の外へ学びを広げる

鎌倉女学院では、高校と大学の間をつなぐ高大連携も進めています。

現在は、神奈川大学、北里大学、東京外国語大学、フェリス女学院大学、芝浦工業大学などと連携し、大学訪問や講義、探究活動などを実施しています。

たとえば東京外国語大学では、大学生によるキャンパスツアーや交流を通して、大学で外国語や国際分野を学ぶことを具体的に知る機会があります。北里大学では、データサイエンスなど大学レベルの内容に触れる講義も実施されています。

2026年には芝浦工業大学とも高大連携協定を結び、理工系分野への進学につながる交流を進めています。

女子校の進路指導というと文系学部や女子大学への進学を想像するかもしれませんが、鎌倉女学院では数学・理科の理系コースを設け、薬学、獣医学、生命科学、理工系などへ進む生徒もいます。大学との連携先にも理工・医療系大学が含まれており、女子の理系進学も一つの自然な選択肢として位置づけられています。

合格実績だけでなく、「何を学ぶために大学へ行くか」を重視する

大学合格実績を見ると、国公立大学や早慶、GMARCHへの合格者に目が向きます。ただ、鎌倉女学院の進路を考えるときは、大学の難易度だけでなく学部・分野の広がりにも注目したいところです。

人文・社会系だけでなく、理工、情報、薬学、看護、獣医学、教育、芸術などへ進む生徒がいます。高校2年から文系・文理・理系に分かれる一方、中学校の段階では特定の進路へ絞り込まず、さまざまな教科や体験を通して興味を探します。

鎌倉学で地域を調べること、英語で外国の人と話すこと、理科の実験をすること、部活動を続けること、インターンシップで仕事を知ること。中高時代のこうした経験から、「大学ではこれをもっと学びたい」という方向を見つけることが進路教育の出発点です。

そのうえで一般選抜を目指すのか、学校推薦型選抜や総合型選抜を利用するのかを選びます。大学名から逆算して6年間を過ごすだけでなく、自分の興味を深めた結果として大学・学部を選ぶことを目指しているのが、鎌倉女学院の進路指導です。

学費と諸経費|初年度は約121万円、6年間では学費以外の支出も考える

鎌倉女学院へ入学する場合、入学手続き時には入学金34万円と施設設備充実費10万円が必要です。さらに入学後は、授業料、教育充実費、施設整備費に加え、積立金、家庭会費、生徒会費などを納めます。

現在公表されている校納金を基準にすると、入学手続き時の44万円と、入学後1年間の校納金約77万4,000円を合わせ、初年度の学校への納入額は約121万4,000円が一つの目安です。

ただし、これには制服、体操服、Chromebookなどの指定品、校外活動に伴う費用などがすべて含まれているわけではありません。鎌倉女学院は高校募集を行わない完全中高一貫校なので、中学入学時の金額だけでなく、6年間の教育費として考えておくことが大切です。

入学手続き時には44万円を納入する

入学時にまとまって必要になるのは、次の2項目です。

項目金額
入学金340,000円
施設設備充実費100,000円
入学時納入金合計440,000円

施設設備充実費は、入学後に毎月納める「施設整備費」とは別の費用です。したがって、「入学時に施設関係の費用を払ったので、その後は施設費がかからない」という仕組みではありません。

中学受験では複数校に合格し、最終的な進学先を後から決める家庭もあります。そのため、合格後にいつまでに44万円を納める必要があるのか、併願校の合格発表日とあわせて確認しておく必要があります。

毎月の基本校納金は5万4,000円

入学後に毎月納める基本的な校納金は、授業料、教育充実費、施設整備費の3項目です。

項目月額年額換算
授業料41,000円492,000円
教育充実費6,500円78,000円
施設整備費6,500円78,000円
合計54,000円648,000円

授業料は2024年度に月額41,000円へ改定されています。教育充実費と施設整備費についても今後変更される可能性があるため、実際の入学年度の金額は募集要項で確認する必要があります。

これらの校納金は毎月指定金融機関から自動振替されるため、年間分を一度に納める方式ではありません。

積立金・家庭会費・生徒会費などが年間約12万6,000円

授業料などとは別に、積立金、家庭会費、その他の校納金、生徒会費などとして年間約126,000円が必要です。

これを授業料・教育充実費・施設整備費の年間64万8,000円に加えると、入学後の年間校納金は約77万4,000円となります。

年間の主な支出金額の目安
授業料492,000円
教育充実費78,000円
施設整備費78,000円
積立金・家庭会費・その他校納金・生徒会費など約126,000円
年間合計約774,000円

積立金には、通常の授業料だけではまかなわない学校行事などに関係する費用も含まれます。鎌倉女学院では自然観察研修、体育研修、奈良・京都フィールドワークなど学年ごとの校外活動があるため、授業料以外の費用についても確認しておきたいところです。

初年度は約121万4,000円+制服・端末などの入学準備費

現在公表されている金額から、初年度の基本的な学校納入額を整理すると次のようになります。

区分金額
入学金340,000円
施設設備充実費100,000円
授業料・教育充実費・施設整備費648,000円
積立金・家庭会費・その他校納金・生徒会費など約126,000円
初年度基本合計約1,214,000円

ただし、実際の入学初年度にはこのほかにも費用が発生します。

  • 制服・制靴などの学校指定品
  • 体操服・体育用品
  • 一人1台使用するChromebookなどのICT関連費用
  • 教材・副教材
  • クラブ活動によって必要になる用具や合宿費
  • 希望制の海外研修・留学に参加する場合の費用

特に入学前後は、入学金だけでなく制服や端末などの購入が重なります。年間の授業料だけを見て予算を組むのではなく、小学校6年生の冬から中学1年生の春にかけてまとまった支出があると考えておいた方がよいでしょう。

海外研修・留学は希望するプログラムによって別途費用が必要

鎌倉女学院では、通常の学校生活に加えて海外で学ぶ機会も用意されています。

中学3年のニュージーランド・ターム留学、高校での海外研修や1年留学など、選択するプログラムによっては通常の校納金とは別に大きな費用が発生します。

こうした国際教育は全員が同じプログラムへ参加するわけではなく、希望や英語力、家庭の方針などに応じて選択します。そのため、学校比較の段階では「年間学費はいくらか」だけでなく、本人が6年間でどのプログラムへ参加したいかも考えておくと、実際に必要になる教育費を見積もりやすくなります。

クラブ活動についても、用具購入、遠征、合宿、演奏会などがある場合には追加費用が発生します。入部するクラブによって支出が変わるため、学校説明会やクラブ見学時に確認しておくと安心です。

入学辞退時は、施設設備充実費10万円の返還制度がある

鎌倉女学院には、入学手続き後に他校へ進学することになった場合の返還制度があります。

2026年度入試では、指定された期限までに入学辞退を申し出た場合、入学時に納めた施設設備充実費100,000円が返還される仕組みでした。

一方、入学金340,000円については返還対象ではありません。そのため、併願校として鎌倉女学院を受験する場合には、「合格したらいつまでに手続きをする必要があるのか」「その時点で第一志望校の結果が出ているのか」を事前に確認しておくことが重要です。

返還期限や条件は年度によって変更される可能性があります。2027年度入試についても、詳細な募集要項が公表された段階で、納入期限と返還条件を確認してから受験日程を組む必要があります。

完全中高一貫校なので、3年間ではなく6年間の費用として考える

鎌倉女学院は高校からの募集を行わないため、中学校へ入学した家庭の多くは高校卒業までの6年間を同じ学校で過ごすことになります。

現在と同じ年間約77万4,000円の校納金が続くと仮定して単純計算するだけでも、6年間では数百万円規模になります。実際には学費改定の可能性があるほか、制服・教材、端末、宿泊行事、クラブ活動、海外研修などの費用が加わります。

一方、その費用の中で、通常の教科学習だけでなく、鎌倉学、フィールドワーク、ICT環境、進路指導、中高合同のクラブ活動などを6年間利用することになります。

学校選びでは「初年度はいくらか」だけを見るのではなく、6年間でどのような教育に費用をかける学校なのかまで確認することが大切です。特に留学や海外研修を希望する家庭は、通常の学費とは別枠で教育資金を準備しておくと、入学後の選択肢を狭めずに済みます。

入試情報と合格の目安|2027年度は2月1日午後から3回入試、英語資格も生かせる

鎌倉女学院中学校の2027年度入試では、一般入試を2月1日午後・2月2日午前・2月3日午前の3回実施します。募集人員は1次40名、2次90名、3次30名で、一般入試全体では160名です。

特に大きな変更点は、1次試験が2月1日午前から午後へ移ったことです。これにより、2月1日午前に別の学校を受験し、午後に鎌倉女学院を受験する組み方が可能になりました。神奈川女子の併願戦略にも影響する変更です。

試験方式も、従来型の2科・4科だけではありません。英検の取得級を点数化する「英語資格」方式を一般入試に組み込み、さらに2月2日には、帰国生または同等の英語コミュニケーション能力を持つ受験生を対象とした「英語コミュニケーション入試」も実施します。

2027年度一般入試は、1次40名・2次90名・3次30名

入試試験日時間帯募集人員選択できる方式
1次2027年2月1日(月)午後40名2科/英語資格
2次2027年2月2日(火)午前90名4科/英語資格
3次2027年2月3日(水)午前30名4科/2科/英語資格

募集人数が最も多いのは2月2日午前の2次試験で90名です。ただし、募集人数が多いから単純に合格しやすいとは限りません。2月1日に他校を受験した層が加わるほか、受験生の動きは年度によって変化します。

1次は午後入試となり、募集人数は40名です。2月1日午前に第一志望校や他の女子校・共学校を受験したうえで鎌倉女学院へ向かえるため、従来とは志願者層が変わる可能性があります。

3次は30名募集で、4科・2科・英語資格の3方式から選択できます。2月3日まで鎌倉女学院への挑戦を残せる一方、後半日程は受験者層や実質倍率が読みにくくなりやすいため、「3次があるから前半を受けなくてもよい」と考えるのは慎重にした方がよいでしょう。

国語・算数は各45分100点、4科では社会・理科も各100点

2027年度一般入試では、各教科を100点満点・45分として実施します。

方式試験科目配点
2科国語・算数各100点・計200点
4科国語・算数・社会・理科各100点・計400点
英語資格国語・算数+英語資格換算点国語100点・算数100点・英語資格100点換算

1次では2科または英語資格、2次では4科または英語資格、3次では4科・2科・英語資格から選択します。

特に注目したいのが、2027年度の4科入試では社会・理科もそれぞれ100点となっている点です。国語・算数だけに得点が大きく偏る配点ではなく、4教科を選択する受験生にとっては社会・理科の完成度も合否へ直接影響します。

一方、1次は2科中心の午後入試です。2月1日の午前入試を終えてから受験する可能性も考えると、長い一日の後半でも国語・算数で安定して得点できる力が必要になります。

英検3級以上なら「英語資格」方式を利用できる

一般入試の「英語資格」方式では、実用英語技能検定の取得級を100点満点へ換算し、国語・算数の得点に加えます。

英検取得級換算点
1級・準1級100点
2級90点
準2級プラス80点
準2級75点
3級60点

たとえば英検2級を取得していれば、英語資格部分では90点として扱われます。試験当日に英語の筆記試験を受けるのではなく、小学生までに取得した英検を入試得点として利用できる方式です。

英語資格方式は1次・2次・3次のすべてに設定されています。英語学習を継続してきた受験生にとっては、国語・算数だけの勝負とは異なる入口になります。

ただし、「英検を持っているから必ず英語資格方式が有利」とは限りません。取得級による換算点と、本人の社会・理科の得点力を比較して、4科方式と英語資格方式のどちらが合いやすいかを判断する必要があります。

「英語資格」と「英語コミュニケーション入試」は別の入試

名称が似ていますが、一般入試の「英語資格」方式と、2月2日に行われる「英語コミュニケーション入試」は別の制度です。

英語コミュニケーション入試は、帰国生または帰国生と同等の英語コミュニケーション能力を持つ受験生を対象としており、募集人員は若干名です。

項目英語コミュニケーション入試
試験日2027年2月2日(火)午前
募集人員若干名
国語45分
算数45分
英語60分
面接8分・本人および保護者

国語・算数は同日の一般入試と同じ問題を使用しますが、それに加えて60分の英語試験と本人・保護者面接があります。

つまり、一般入試の英語資格方式は「取得済みの英検を得点化する入試」、英語コミュニケーション入試は「実際の英語力やコミュニケーション能力を試験で確認する入試」と整理すると分かりやすいでしょう。

2026年度入試では、一般入試の実質倍率は1.4〜1.5倍前後

2027年度は日程・科目構成が変更されるため前年結果をそのまま当てはめることはできませんが、直近の2026年度入試は難度を考える参考になります。

2026年度志願者受験者合格者合格最低ライン
1次・一般138名129名88名220点/400点
2次・一般4科157名・2科43名4科106名・2科35名合計100名得点率49.5%
3次・一般215名91名65名96点/200点

2026年度1次では、受験者129名に対して88名が合格し、実質倍率は約1.5倍でした。合格最低点は400点満点中220点、得点率では55%です。

2次は2科・4科を合わせて判定し、合格最低得点率は49.5%。3次は200点満点中96点で、48%でした。

入試問題の難度によって最低点は大きく動くため、「5割取れば合格」と考えるのは危険です。合格最低点はその年度の最後の合格者の数字であり、安全圏を意味するものではありません。過去問では最低点ぎりぎりではなく、そこから余裕を持った得点を安定して取れる状態を目指したいところです。

2027年度の偏差値は首都圏模試で53〜55前後が一つの目安

2027年度入試向けの首都圏模試80%偏差値では、一般入試は53〜55前後が一つの目安になっています。

2027年度入試首都圏模試80%偏差値の目安
1次・2月1日午後55
2次・2月2日午前53
3次・2月3日午前54

偏差値は模試会社によって母集団が異なるため、別会社の数字をそのまま横並びに比較することはできません。また、2027年度は1次が午後へ移動し、各回の試験方式も変更されるため、前年までの偏差値推移だけでは読み切れない部分があります。

特に2月1日午後は、午前に別の学校を受験した層が新たに流入しやすい日程です。志願者数や実質倍率は、2026年度までとは違った動きをする可能性があります。

鎌倉女学院を第一志望とする場合には、模試で80%偏差値へ届くことだけを目標にするのではなく、国語・算数を中心に過去問で安定した得点を作り、社会・理科または英語資格という自分の強みを生かせる方式を選ぶことが重要です。

2027年度は3回すべてで試験方式が異なるため、「どの回が入りやすいか」だけを見るより、本人の得意科目と併願日程を合わせて受験回を決める方が、鎌倉女学院の新しい入試制度を生かしやすくなります。

併願校パターン|2月1日午後入試をどう使うかで、受験プランが大きく変わる

2027年度の鎌倉女学院中学校は、1次を2月1日午後、2次を2月2日午前、3次を2月3日午前に実施します。

特に重要なのが、1次試験が2月1日午後に置かれていることです。2月1日午前には、横浜共立学園、青山学院横浜英和、山手学院、清泉女学院、神奈川学園など神奈川県内の多くの学校が入試を実施します。そのため、「午前に別の学校、午後に鎌倉女学院」という組み方がしやすくなりました。

一方、鎌倉女学院を第一志望とする場合には、募集人数が最も多い2月2日の2次も重要です。1次・2次・3次をすべて受験するのか、1次の結果を見て他校へ切り替えるのかまで考えておくと、2月1日から3日の動きが整理しやすくなります。

2月1日午前に上位校、午後に鎌倉女学院という組み方が可能

2027年度の併願で最も特徴的なのが、2月1日の午前と午後を分けて使えることです。

2月1日の時間帯主な候補
午前横浜共立学園A方式、青山学院横浜英和A日程、山手学院A日程、清泉女学院1期、神奈川学園A日程午前など
午後鎌倉女学院1次

たとえば、横浜共立学園を第一志望とする受験生なら、2月1日午前に横浜共立学園A方式を受験し、その後に鎌倉へ移動して鎌倉女学院1次を受験できます。

青山学院横浜英和A日程も2月1日午前なので、同様に午後の鎌倉女学院と組み合わせることができます。女子校だけに絞らず共学校も検討している家庭にとっては使いやすい日程です。

一方、山手学院の特待選抜や神奈川大学附属の第1回は2月1日午後に設定されているため、鎌倉女学院1次とは同時に受験できません。同じ学校でも受験回によって組み合わせられるかどうかが変わります。

女子校中心なら、横浜共立・湘南白百合・清泉女学院が比較対象

鎌倉女学院を検討する家庭では、神奈川県内の女子校を中心に併願するケースが考えられます。

学校2027年度の主な入試日鎌倉女学院との組み合わせ
横浜共立学園2月1日午前、2月3日午前2月1日午前→鎌倉女学院1次が可能
湘南白百合学園2月1日午後、2月2日午前鎌倉女学院1次・2次とは時間帯が重なる
清泉女学院2月1日午前・午後、2月2日午後、2月4日午前2月1日午前→鎌倉女学院1次などが可能
神奈川学園2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午前2月1日午前→鎌倉女学院1次などが可能

横浜共立学園は、鎌倉女学院より上位の女子校へ挑戦する場合の代表的な候補です。A方式は2月1日午前に4科で行われるため、午後の鎌倉女学院1次と組み合わせられます。

湘南白百合学園は、2月1日午後に1教科入試、2月2日午前に4教科・英語資格入試を実施します。鎌倉女学院も1次が2月1日午後、2次が2月2日午前なので、主要な入試日程がほぼ重なります。両校を志望する場合には、どちらをどの日に優先するのかを早めに決めておく必要があります。

清泉女学院は同じ鎌倉市にある女子校で、学校文化は異なるものの、通学圏が重なりやすい学校です。2月1日午前の1期を受験した後、午後に鎌倉女学院へ移動する形も考えられます。

共学校まで広げるなら、青山学院横浜英和・山手学院・神奈川大学附属

女子校に限定しない場合には、横浜南部から湘南方面の共学校も候補になります。

青山学院横浜英和は2027年度もA日程が2月1日午前、B日程が2月3日午後です。このため、鎌倉女学院とは非常に組み合わせやすい日程になっています。

日程組み合わせ例
2月1日午前青山学院横浜英和 A日程
2月1日午後鎌倉女学院 1次
2月3日午前鎌倉女学院 3次
2月3日午後青山学院横浜英和 B日程

ただし、1日に午前・午後の2校を受験する場合は、移動だけでなく昼食や休憩時間も考える必要があります。受験可能だからといって、必ず2校入れた方がよいわけではありません。

山手学院は2月1日午前にA日程、同日午後に特待選抜、2月3日午前にB日程を実施します。2月1日午前のA日程であれば鎌倉女学院1次と組み合わせられますが、午後の特待選抜は鎌倉女学院1次と重なります。

神奈川大学附属は2月1日午後、2月2日午前、2月4日午前に入試があります。鎌倉女学院の1次・2次と最初の2回が重なるため、両校を受験する場合にはどちらを優先するかが重要になります。

鎌倉女学院を第一志望にするなら、2次の90名募集も重視したい

鎌倉女学院を第一志望にする場合には、2月1日午後の1次だけで受験計画を終わらせない方がよいでしょう。

2027年度の募集人数は、1次40名、2次90名、3次30名です。最も募集人数が多いのは2月2日午前の2次です。

日程鎌倉女学院第一志望の場合の考え方
2月1日午後1次・40名最初の受験機会として受験
2月2日午前2次・90名募集人数が最も多く、重要な受験機会
2月3日午前3次・30名1次・2次の結果によって継続受験

第一志望であれば、1次に加えて2次も受験できるように日程を空けておく方法があります。

一方、1次で合格できた場合には、2月2日午前を湘南白百合学園、神奈川大学附属、神奈川学園など別の学校へ使うこともできます。合否結果が出る時刻と各校の出願締切も確認し、「合格したら翌日の予定をどう変えるか」まで決めておくと当日の判断がしやすくなります。

安全校は学校名ではなく「受験する回」まで見て決める

併願校をチャレンジ校・標準校・安全校に分ける場合には、学校全体の偏差値だけで決めないことが重要です。

同じ学校でも、2月1日午前と午後、前半と後半では受験者層が変わります。午後入試や後半入試には、午前や前日までに上位校を受験していた受験生が流れてくるため、見かけの学校偏差値以上に競争が厳しくなることがあります。

鎌倉女学院を基準に考えると、横浜共立学園、青山学院横浜英和、神奈川大学附属などは、模試成績によってはチャレンジ校として組み込むことになります。

一方、清泉女学院や神奈川学園などは、受験生の成績や受験回によって同程度から安全寄りの候補になる場合があります。しかし、どの受験生にとっても「安全」と言える学校ではありません。

安全校と位置づけるなら、直近の模試で安定して高い合格可能性が出ていることに加え、その学校・その入試回の過去問で合格最低点を余裕を持って超えられていることを確認したいところです。

2027年度の代表的な受験プランを3パターンで考える

実際の日程に当てはめると、次のような組み方が考えられます。あくまで日程上の例であり、本人の偏差値、学校との相性、通学距離によって優先順位は変わります。

日程鎌倉女学院第一志望型上位女子校挑戦型共学校併願型
2月1日午前清泉女学院など横浜共立学園A方式青山学院横浜英和A日程
2月1日午後鎌倉女学院1次鎌倉女学院1次鎌倉女学院1次
2月2日午前鎌倉女学院2次湘南白百合学園または鎌倉女学院2次鎌倉女学院2次または神奈川大学附属第2回
2月2日午後必要に応じて他校清泉女学院2期など必要に応じて他校
2月3日午前鎌倉女学院3次横浜共立学園B方式または鎌倉女学院3次鎌倉女学院3次または山手学院B日程
2月3日午後合格状況に応じて判断合格状況に応じて判断青山学院横浜英和B日程など
2月4日必要に応じて清泉女学院・神奈川学園など合格状況に応じて後半校神奈川大学附属第3回など

特に2027年度は、鎌倉女学院が2月1日午後へ移ったことで、午前に別の第一志望校を受験する家庭にとって組み込みやすくなりました。その一方で、午後入試として受験する層が変われば、これまでの倍率や偏差値がそのまま当てはまらなくなる可能性もあります。

また、午前・午後と連続で試験を入れる日を何日も続けると、小学6年生にはかなりの負担になります。受験回数を増やすことだけを目的にせず、移動時間、食事、睡眠まで含めて計画することが大切です。

鎌倉女学院の2027年度入試は、「2月1日午前をどこに使うか」と「2月2日の90名募集をどう位置づけるか」が併願戦略の中心になります。第一志望なら複数回挑戦できる余地を残し、併願校として考えるなら2月1日午後という日程を生かす。本人が合格後に本当に通いたい学校だけを並べながら、受験プランを作ることが重要です。

在校生・保護者の声|女子校の日常と「鎌女らしさ」はどこに表れる?

鎌倉女学院について学校説明会や公開されている生徒の声を見ると、英語教育や「鎌倉学」といった特徴的なプログラムだけでなく、女子だけの環境で生徒が主体的に動くこと、中高6学年の縦のつながりがあることが学校生活の中で見えてきます。

一方、「落ち着いた学校」「面倒見がよい」といった印象は、人によって感じ方が異なります。鎌倉女学院の場合は、制服の「鎌女結び」、白菊会による行事運営、中高合同のクラブ活動、少人数の英会話授業など、具体的な学校生活を見ながら本人との相性を考える方が分かりやすいでしょう。

女子校だからこそ、生徒がさまざまな役割を担う

鎌倉女学院では、体育祭、文化祭、生徒会活動、クラブ活動などで、生徒自身が運営する場面が多くあります。

生徒会にあたる「白菊会」は、学校行事やクラブ活動の運営にも関わります。体育祭でも、生徒が競技に参加するだけでなく、用具、審判、進行などの役割を担います。

共学校であれば、無意識のうちに男女で役割が分かれる場面もあります。女子校では、司会をするのも、組織を動かすのも、体育祭で前に立つのも、舞台設備を扱うのもすべて女子生徒です。

そのため、「女子校だからおとなしい」というより、必要な役割を女子生徒自身が引き受ける環境と考えた方が、鎌倉女学院の日常には近いでしょう。

中高6学年の関係は、入学直後から始まる

鎌倉女学院は高校募集を行わない完全中高一貫校です。中学1年生から高校3年生までが同じ学校生活を送り、クラブ活動も中高合同で行われます。

入学したばかりの中学1年生にとって、高校生は遠い存在ではありません。クラブでは練習方法を教えてもらい、学校生活の中でも先輩の姿を日常的に目にします。

制服のリボンの結び方である「鎌女結び」も、先輩から後輩へ伝えられてきた学校文化の一つです。決められた作法を先生から教わるのではなく、先輩との関わりの中で学校の習慣を知っていきます。

中学1年では教わる側だった生徒が、数年後には後輩へ教える側になります。完全中高一貫校だからこそ、この関係が6年間途切れず続きます。

英語は「難しい教科」というより、実際に使う機会が多い

在校生の声でもよく挙げられるのが、鎌倉女学院の英語教育です。

通常の英語授業とは別に、中学1年から高校1年まで外国人教員による英会話の授業があり、クラスを約20人ずつに分けて学びます。大人数の授業で一部の生徒だけが発言するのではなく、一人ひとりが英語を話す時間を確保しやすい環境です。

在校生からも、外国人教員との会話を繰り返すうちに英語へ親しみやすくなったという声があり、高校1年のカナダ英語研修を目標に学習する生徒もいます。

さらに中学生では校内英語スピーチコンテスト、高校ではディスカッションや英語による鎌倉ガイドなど、授業で身につけた表現を実際に使う機会があります。

英語が得意な生徒だけの特別活動ではなく、日常の授業から少しずつ話す経験を重ねていくところが、鎌倉女学院の英語教育を学校生活として見たときの特徴です。

「鎌倉学」は特別な一日ではなく、学校生活の延長にある

生徒にとって鎌倉は、年に一度訪れる校外学習先ではありません。毎朝鎌倉駅で降り、若宮大路の近くを歩いて学校へ通います。

その日常の街を改めて調べるのが「鎌倉学」です。中学1年では地図を持って鎌倉を歩き、中学2年では文学や歴史に関連した場所を訪ねます。中学3年になると、鎌倉で身につけたフィールドワークの方法を奈良・京都で生かします。

学校で歴史や文学について学んだあと、その場所を実際に歩く。逆に、街を歩いて気になったことを教室へ持ち帰って調べる。この往復ができるのは、鎌倉の中心部に学校があるからです。

歴史好きな生徒だけでなく、自然、文学、観光、地域産業、環境問題など、それぞれ異なる興味から鎌倉を見ることができます。自分で歩いて発見する学習が好きかどうかは、学校との相性を見る一つのポイントになります。

放課後は、クラブだけでなく自習や質問という過ごし方もある

放課後の過ごし方も一つではありません。クラブ活動へ向かう生徒がいる一方で、図書室や自習室を利用して勉強することもできます。

自習室には鎌倉女学院の卒業生がチューターとして入ることがあり、分からない教科について質問できます。さらに英語について学べる放課後の環境もあり、中学生が利用する姿も見られます。

中高一貫校では学習進度が速くなる部分もあるため、「授業についていけなくなったらどうするか」は保護者が確認しておきたいところです。学校内に質問や自習の場所があることは、その際の一つの支えになります。

また、クラブとは別に茶道、華道、書道、フルート、バイオリンなどを学べる「特修」もあります。毎日同じ放課後を過ごすのではなく、本人の興味によって学校での時間の使い方を選べます。

伝統を守るだけでなく、生徒の声で変わる部分もある

鎌倉女学院は1904年創立の学校で、セーラー服や「鎌女結び」など、長く続いてきた文化があります。

その一方で、現在の生徒が学校生活の改善に関わる場面もあります。その象徴が、2026年から導入された夏用ポロシャツです。

暑い時期に着やすい制服を求める生徒の声を受けて導入され、デザインや生地の選定にも生徒が参加しました。色も生徒の投票によってサックスブルーに決められています。

120年以上続く制服文化を全面的に変更するのではなく、伝統的なセーラー服を残しながら新しい選択肢を加えました。

「伝統校だから昔からの決まりをそのまま守る」という学校ではなく、残したい文化と、現在の生活に合わせて変える部分を分けていることが分かります。

評判を判断するなら、説明会だけでなく生徒が活動する日に見たい

鎌倉女学院は、女子校というだけでも、進学校というだけでも学校の雰囲気を説明しきれません。

中高合同のクラブで先輩と後輩がどのように接しているか。文化祭で生徒がどのように来場者へ対応しているか。授業中にどの程度自分の意見を発言しているか。こうした日常に近い部分を見ることで、本人が6年間過ごす姿を想像しやすくなります。

特に女子校については、本人が「女子だけの環境を居心地よく感じるか」が重要です。保護者が教育内容や進学実績を気に入っていても、本人が校内の雰囲気に合わなければ6年間の印象は大きく変わります。

そのため、学校説明会だけでなく文化祭やオープンスクールなど、生徒が実際に活動している機会にも足を運びたいところです。

先輩・後輩の距離、女子校ならではの活気、鎌倉という街との近さ、伝統と新しさのバランス。こうしたものを本人が心地よいと感じるかどうかが、鎌倉女学院の「評判」を自分たちの学校選びへ置き換えるうえで最も大切です。

この学校に向いている子の特徴|鎌倉で学び、自分の興味を世界へ広げたい子

鎌倉女学院は、120年以上の歴史を持つ女子校でありながら、教育内容は「伝統を守ること」だけにとどまりません。教科学習に加えて、鎌倉学、国際・環境学、英語教育、フィールドワーク、キャリア教育などを組み合わせ、自分の興味を少しずつ広げていく6年間をつくっています。

そのため、最初から将来の進路が決まっている子だけでなく、いろいろな経験をしながら、自分が何に興味を持つのかを見つけたい子にも向いています。一方で、女子校という環境や、自分から調べたり発表したりする学習との相性は、入学前に確かめておきたいところです。

女子だけの環境で、自分らしく動いてみたい子

鎌倉女学院では、生徒会活動、体育祭、文化祭、クラブ活動などを女子生徒自身が担います。

誰かが前に立って指示を出す場面も、舞台や行事を裏側から支える場面も、基本的には女子生徒が担当します。そのため、「女子校だから静かな環境」というより、必要な役割を一人ひとりが自然に引き受ける学校です。

男女の目を気にせず、自分の意見を言ったり、好きなことに集中したりしたい子にとっては過ごしやすい環境になりやすいでしょう。

一方で、6年間を女子だけの学校で過ごすことになります。共学校の雰囲気を強く希望する子より、女子校の距離感や人間関係を心地よいと感じる子の方が学校生活にはなじみやすくなります。

歴史や文化を「覚える」だけでなく、自分の足で確かめたい子

鎌倉女学院らしさが最も表れる学びの一つが「鎌倉学」です。

教科書で鎌倉時代や文学作品について学ぶだけではなく、実際に街を歩き、寺社や史跡、文学にゆかりのある場所、地域の施設などを訪ねます。そこで見つけた疑問について調べ、考え、発表するところまでが学習です。

そのため、決められた範囲を覚えてテストで答える学習だけを好む子より、「どうしてこうなっているのだろう」と自分で疑問を持てる子の方が、鎌倉女学院の学びを楽しみやすいでしょう。

歴史が得意である必要はありません。自然、文学、観光、地域産業、環境など、さまざまな入口から鎌倉を調べることができます。歩いたり、人の話を聞いたり、自分で情報を集めたりすることが好きな子との相性がよい学校です。

英語を受験科目だけでなく、実際に使ってみたい子

英語教育に興味がある子も、鎌倉女学院の教育内容と結びつきやすいタイプです。

通常の英語授業に加え、外国人教員による少人数のOral Communicationがあり、中学生のうちから英語で会話する機会があります。さらに英語スピーチ、高校でのディスカッションやGlobal Studies、希望者向けの海外研修・留学へと発展していきます。

「英検で何級を取るか」だけでなく、外国の人と話してみたい、自分の考えを英語で伝えてみたいという気持ちがある子なら、授業で身につけた英語を実際に使う機会を生かしやすくなります。

海外研修や留学は希望制のものもあるため、必ず海外志向でなければならない学校ではありません。ただ、外国語や異文化に興味を持ったとき、次の一歩を踏み出せる選択肢が用意されています。

文系・理系を早く決めず、いろいろな分野に触れたい子

中学校では国語・数学・英語を中心に、理科・社会も含めて幅広く学びます。数学は中学3年から高校内容へ入り、英語も6年間を見通して学習しますが、中学生の段階で進路を文系・理系に分けることはありません。

高校2年になると、文系・文理・理系の3コースに分かれます。つまり、中学から高校1年まではさまざまな教科や活動に触れながら、自分の得意分野や興味を探す時間があります。

中学生の段階では進みたい学部がまだ決まっていない子も多いでしょう。鎌倉学をきっかけに歴史や地域社会に興味を持つかもしれませんし、理科の実験や高大連携を通して理系分野に関心が向くかもしれません。

最初から進路を絞るより、経験しながら自分の方向を決めたい子にとって、6年間で段階的に選択を増やしていくカリキュラムは使いやすいでしょう。

勉強だけでなく、部活動や行事にもきちんと関わりたい子

鎌倉女学院の6年間は、大学受験のための授業だけで構成されているわけではありません。

体育祭、文化祭、合唱コンクール、自然観察研修、体育研修、奈良・京都フィールドワークなどがあり、放課後には24のクラブや希望制の特修があります。

クラブ活動は中高合同なので、中学1年では高校生の先輩から教わり、やがて自分が後輩を指導する立場になります。行事でも、学年が上がるにつれて運営側の役割を担う機会が増えます。

「学校では勉強だけして、その他の活動はできるだけ少なくしたい」というタイプより、授業も行事も部活動も含めて中高生活を経験したい子の方が、鎌倉女学院の環境を生かしやすくなります。

伝統のある学校で、自分から少しずつ挑戦したい子

鎌倉女学院には、セーラー服や「鎌女結び」、校訓、中高6年間の縦のつながりなど、長く受け継がれてきた文化があります。

一方で、探究学習、ICT、海外研修、高大連携、夏用ポロシャツの導入など、現在の生徒や社会に合わせて変えている部分もあります。

そのため、「昔ながらの女子校らしさ」だけを求める学校でも、「新しい教育だけを前面に出す学校」でもありません。伝統のある環境の中で、必要なものは変えながら学ぶ学校です。

鎌倉女学院に向いているのは、最初から何でも積極的にできる子とは限りません。落ち着いた女子校の環境で、自分の興味を見つけ、調べ、発表し、少しずつ新しいことへ挑戦したい子です。

鎌倉という街を歩くことから始まり、奈良・京都、大学、さらに海外へと学びの場所を広げていく6年間に魅力を感じるなら、学校との相性を実際の校内で確かめてみる価値があります。

まとめ|鎌倉という街を教室に、伝統と国際教育をつなぐ6年間

鎌倉女学院中学校は、1904年の創立以来、鎌倉の地で女子教育を続けてきた完全中高一貫校です。

長い歴史を持つ学校ですが、現在の教育を「伝統女子校」という一言だけで捉えると、その特徴の一部しか見えてきません。鎌倉の街を使った「鎌倉学」、英語によるコミュニケーション教育、国際・環境学、ICT、フィールドワーク、キャリア教育などを組み合わせながら、6年間で自分の興味や進路を具体化していく学校です。

最大の特徴は、「鎌倉にあること」を教育そのものにしていること

鎌倉女学院の学校名には「鎌倉」が入っていますが、その意味は所在地だけではありません。

鎌倉駅から徒歩約7分の場所にあり、若宮大路、寺社、史跡、文学ゆかりの地、海や自然環境などが学校の周囲にあります。そして、その環境を実際の授業に取り入れているのが鎌倉学です。

中学生は街を歩き、地域の歴史・文化・自然・産業などを調べます。その経験を中学3年の奈良・京都フィールドワークや、その後の国際・環境学へつなげていきます。

自分の学校がある街を深く知り、そこから日本や世界へ視野を広げるという学びの流れは、鎌倉女学院を他校と比較するときの大きな特徴です。

教科学習は大学受験へ、探究はその先の学びへつながる

鎌倉女学院では、国語・数学・英語を中心に中学校から基礎学力を積み上げます。完全中高一貫校のため、高校入試に学習を分断されず、中学3年から高校内容へ進む教科もあります。

一方で、授業の目的を大学入試の得点だけには置いていません。鎌倉学、国際・環境学、プレゼンテーション、実験、読書、英会話などを通して、学んだ知識を実際に使います。

高校2年からは文系・文理・理系へ分かれ、それぞれの進路に必要な学習を深めます。

中学生のうちは幅広く学び、体験を通して興味を見つけ、高校で進路に合わせて学びを絞る。教科学習と探究を別々にせず、6年間で一つにつなげているところがカリキュラムの基本です。

英語は資格取得だけでなく、「使うところ」まで経験する

英語教育も、鎌倉女学院の6年間を考えるうえで重要です。

中学生から通常の英語授業に加えて外国人教員との英会話を行い、高校ではディスカッションやGlobal Studiesなど、より実践的な学習へ進みます。

英語スピーチコンテスト、海外研修、ターム留学、長期留学などへ挑戦する機会もあります。

もちろん、全員が海外大学や留学を目指す必要はありません。ただ、英語に興味を持った生徒が、教科書の英語から実際のコミュニケーションへ進める選択肢を持っていることが、この学校の国際教育の特徴です。

女子校としての伝統と、生徒自身が学校を動かす文化がある

制服のセーラー服や「鎌女結び」、校訓、中高合同のクラブ活動など、鎌倉女学院には長く受け継がれてきた学校文化があります。

一方、体育祭や文化祭、生徒会活動では、生徒自身が多くの役割を担います。女子校なので、行事を企画するのも、前に立って指示を出すのも、クラブを運営するのも女子生徒です。

また、2026年には生徒の声をもとに夏用ポロシャツが導入されました。長く続くセーラー服を残しながら、現在の学校生活に必要な選択肢を追加しています。

伝統をそのまま固定するのではなく、生徒自身も関わりながら少しずつ更新するところに、現在の鎌倉女学院らしさがあります。

大学進学は、一般選抜だけでなく多様なルートから考えられる

鎌倉女学院は大学附属校ではないため、高校卒業後はそれぞれが大学・学部を選びます。

国公立大学、早慶上理、GMARCH、女子大学に加え、理工、薬学、看護、獣医、芸術など進路分野も幅広くなっています。

一般選抜だけでなく、学校推薦型選抜や総合型選抜を利用する生徒もおり、中高時代の探究活動、部活動、海外経験などを進路につなげることができます。

中学1年の職業調査から、高校での大学模擬授業、高大連携、卒業生による大学紹介へと段階的に進むため、「どの大学へ行くか」より先に「何を学びたいか」を考える進路指導になっています。

学校選びでは、偏差値だけでなく「この6年間を過ごしたいか」を確かめたい

鎌倉女学院の入試難度や大学合格実績は、学校選びの重要な材料です。しかし、それだけでこの学校との相性を判断するのは難しいでしょう。

女子だけの環境をどう感じるか。鎌倉の街を歩きながら学ぶことを面白いと思えるか。英語を実際に使ってみたいか。体育祭や文化祭、クラブ活動にも関わりたいか。こうした部分は偏差値表には表れません。

鎌倉女学院は、完成された答えを与えられることだけを求める学校というより、身近な場所から自分で疑問を見つけ、調べ、考え、少しずつ行動できるようになることを大切にしています。

受験を考えるなら、学校説明会だけでなく文化祭やオープンスクールなどにも足を運び、鎌倉駅から学校まで実際に歩いてみるとよいでしょう。

120年以上続く女子校の文化、鎌倉を舞台にした探究、英語・国際教育、大学進学へ向けた教科学習。その組み合わせの中で、本人が「ここで6年間学んでみたい」と感じられるかどうかが、鎌倉女学院を選ぶ最後の基準になります。

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