【2026年版】カリタス女子中学校の評判は?英仏複言語教育と教科センター方式、探究が広がる6年間を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|「カリタス=愛」を教育の原点とするカトリック女子校
    1. カリタス女子中学校の基本情報
    2. 1961年、カナダから来日した3人の修道女によって創立
    3. 教育理念を日常へ落とし込む「4つの心」
    4. 併設小学校からの内部進学生と、中学受験生が一緒に学ぶ
    5. 6年間を「基礎養成期・自己確立期・自己実現期」の3段階で考える
    6. 英仏複言語教育と教科センター方式が、日常の学び方を変える
  2. アクセスと立地環境|中野島・登戸から通う、多摩川沿いのキャンパス
    1. 中野島駅から徒歩約10分、登戸駅からはバスも利用できる
    2. 中野島駅からの徒歩ルートは、毎日の通学を想像しやすい
    3. 小田急線を利用する家庭には、登戸駅が通学の入口になる
    4. 南武線と小田急線を使い分けられる、広い通学圏
    5. 多摩川が徒歩圏にあり、周辺の自然が理科の教材になる
    6. 学園としてまとまったキャンパスと、6年間の通学環境
  3. 教育方針とカリキュラム|英仏複言語教育と教科センター方式で学ぶ6年間
    1. 6年間を3段階に分け、学習習慣から進路実現へつなげる
    2. 教科センター方式では、生徒自身が授業を受けに行く
    3. 英語週6時間・フランス語週2時間、全員が二つの外国語を学ぶ
    4. 数学は少人数授業、理科は実験と「タマロジー」で理解を深める
    5. 「i-Time」では社会の課題を調べ、自分の進路を考える
    6. カトリック倫理と進路別学習で、学力と生き方を結びつける
  4. 学習環境と施設設備|教科ごとの専門空間とカフェテリアのある学校生活
    1. 教科センター方式|授業を受けに行くことで、自分から学ぶ習慣をつくる
    2. ホームベース|教室移動が多くても、クラスの生活拠点がある
    3. 図書館は約4万冊|調べ学習から放課後の自習まで使える
    4. ICT環境|一人1台のiPadと電子黒板を授業・探究に活用
    5. カフェテリアと交流スペース|昼食も休み時間も校内で過ごせる
    6. 運動施設・聖堂・相談室|身体と心の両方を支える環境
  5. 学校生活と年間行事|マルグリット祭・長崎研修・宗教行事を通した成長
    1. 年間行事|文化祭・体育祭・宗教行事・研修が一年を通して続く
    2. 中学1年の球技大会とキャンプ|新しい仲間との関係をつくる
    3. マルグリット祭と体育祭|生徒自身が企画・運営する二大行事
    4. 中3長崎研修旅行|平和・キリスト教の歴史・探究をつなぐ3泊4日
    5. マリア祭とクリスマス会|「愛と奉仕」を行事の中で考える
    6. 外国語発表会・合唱コンクール・海外研修|学んだことを外へ伝える
  6. クラブ活動|音楽・スポーツ・文化活動から奉仕活動まで、放課後に広がる経験
    1. 運動部8・文化系14団体|中学生から高校生まで一緒に活動
    2. 水泳・テニス・球技・ダンス|大会と日々の練習を積み重ねる運動部
    3. オーケストラ・コーラス・軽音楽|校内外で発表する音楽活動
    4. 演劇・美術・かるた・茶華道|作品制作や伝統文化にも取り組める
    5. ESS・理科部・生物部|授業で興味を持った分野をさらに深める
    6. 木曜日は奉仕活動|「アンジェラスの会」や地域支援活動にも参加できる
  7. 進路指導と大学合格実績|国公立・難関私大から医療・理系まで、将来の選択肢を広げる
    1. 2026年春の卒業生153名、4年制大学への現役進学率は約82%
    2. 国公立大学は13名|一橋・東京科学・東北・横浜国立などに合格
    3. 早慶上理ICU41名、GMARCH83名|私立大学への進路も幅広い
    4. 医学部・理工・医療系にも進学の道がある
    5. 「夢実現プロジェクト」で、中学生から自分の将来を考える
    6. 放課後・土曜・長期休業の学習支援で、志望進路に合わせて力を伸ばす
  8. 学費と諸経費|2027年度初年度は146万5,000円、6年間の教育費を考える
    1. 2027年度の初年度納付金は合計146万5,000円
    2. 入学手続き時には49万円、納入期限は2月5日15時
    3. 授業料と維持費は年間70万8,000円、入学後は年6回に分けて納入
    4. 積立金23万6,000円には教材・校外学習・タブレット端末代などが含まれる
    5. 制服・昼食・クラブ・海外研修は、家庭や本人の選択によって費用が変わる
    6. 施設拡充費25万円の返還制度と、6年間の予算計画
  9. 入試情報と合格の目安|2027年度は4回の一般入試と英語資格入試を実施
    1. 2027年度入試は4回実施|募集人数は合計約110名
    2. 4科は300点、2科は200点|第3回では算数・理科を選択できる
    3. 英語資格入試は英検3級以上が出願条件|当日の試験は国語1科
    4. 複数回受験では各教科の最高点を利用|受験料の優遇もある
    5. 2026年度の実質倍率は第1回約3.9倍、第4回約4.7倍
    6. 2027年度の偏差値と出願日程|受験回ごとの違いを確認する
  10. 併願校パターン|多摩・世田谷・川崎の女子校と共学校をどう組み合わせるか
    1. 2027年度入試では、2月1日午後と2月2日午前の使い方が重要
    2. チャレンジ校候補|鴎友学園女子・頌栄女子学院・香蘭女学校
    3. 比較しやすい女子校|恵泉女学園・日本女子大学附属・富士見・大妻多摩
    4. 共学校も検討するなら、東京都市大学等々力・東京電機大学が候補
    5. カリタス女子が第一志望なら、複数回受験の優遇を軸に組み立てる
    6. 合格発表・手続き期限・移動時間まで含めて最終調整する
  11. 在校生・保護者の声|教科センター方式とカトリック教育から見える学校の日常
    1. 内部進学生と外部入学生は、入学直後から新しい関係をつくる
    2. 教科センター方式は、自由な反面、自分で準備する習慣が求められる
    3. 英語とフランス語を学ぶことで、外国語への見方が広がる
    4. 文化祭や部活動では、女子生徒が自分たちで考えて動く
    5. カトリック教育は、祈りだけでなく奉仕活動にも表れている
    6. 保護者が確認したいのは、学習支援と人間関係への対応
  12. この学校に向いている子の特徴|二つの外国語を学び、自分から行動できる子
    1. 英語だけでなく、フランス語や異文化にも興味を持てる子
    2. 自分で予定を確認し、少しずつ学習を管理できるようになりたい子
    3. 身近な疑問を調べ、自分の考えを表現することが好きな子
    4. 人との違いを尊重し、仲間と協力することを大切にできる子
    5. 女子校で6年間、自分の得意分野や役割を見つけたい子
    6. 学校との相性を見極めるために、入学前に確認しておきたいこと
  13. まとめ|「愛」を土台に、ことばと探究で世界へつながる6年間
    1. カリタス女子中学校の特徴を振り返る
    2. 英仏複言語教育と教科センター方式が、6年間の学習を支える
    3. 探究・行事・奉仕活動を通して、学んだことを社会へつなげる
    4. 大学進学では、語学系に限らない幅広い選択肢がある
    5. 受験では入試方式の相性と、6年間の通学・学費を確認したい
    6. カリタス女子を選ぶ決め手は、教育方針と本人の相性

学校の概要|「カリタス=愛」を教育の原点とするカトリック女子校

カリタス女子中学校は、神奈川県川崎市多摩区中野島にある私立の女子中学校です。1961年にカナダの修道女たちによって創立され、「普遍的な愛をもって 人に尽くす」という理念のもと、カトリックの精神を土台とした教育を続けてきました。

高校からの生徒募集を行わない完全中高一貫校で、中学校から高校までの6年間を一つの教育課程として組み立てています。中学校では英語とフランス語の両方を全員が学び、教科ごとの専門教室へ移動して授業を受ける「教科センター方式」を採用。カトリック教育とともに、語学・探究・自主性を育てる仕組みが学校生活全体に組み込まれています。

学校名の「カリタス」はラテン語で「愛」を意味します。ただし、ここでいう愛は、身近な人を大切にすることだけではありません。国籍や文化、宗教などの違いを越えて相手を尊重し、自分の持つ力を他者や社会のために使うことまで含んでいます。

カリタス女子中学校の基本情報

学校名カリタス女子中学校
併設校カリタス女子高等学校
設置者学校法人カリタス学園
所在地神奈川県川崎市多摩区中野島4丁目6番1号
学校区分私立・女子校
中高一貫教育完全中高一貫制(高校募集なし)
創立1961年(昭和36年)
教育理念普遍的な愛をもって 人に尽くす
教育の柱祈る心・学ぶ心・交わる心・奉仕する心
教育上の特色英仏複言語教育、教科センター方式、探究学習、カトリック教育
併設施設・学校カリタス幼稚園、カリタス小学校、カリタス宗教センターなど

中学校は一学年おおむね200名前後の規模で、カリタス小学校から内部進学する生徒と、中学受験を経て入学する生徒が一緒に学びます。

中学校では45分授業を1日7時限、週5日実施しています。2期制を採用しており、一般的な週6日制の進学校とは一週間の時間の使い方が異なります。

所在地は多摩川に近い住宅地で、最寄りのJR南武線「中野島駅」から徒歩約10分。登戸駅からも徒歩または路線バスで通学できます。

1961年、カナダから来日した3人の修道女によって創立

カリタス女子中学高等学校の歴史は、1953年にカナダのケベック・カリタス修道女会から3人のシスターが来日したことに始まります。

第二次世界大戦後の日本では、学校教育の充実が社会的な課題となっていました。そこで、リタ・デシャエンヌ、ローズ・アンナ・バイヤルジョン、グロリア・ボリューの3人が日本へ渡り、教育活動の準備を進めました。

1960年に学校法人カリタス学園が設立され、翌1961年、現在の川崎市多摩区中野島にカリタス女子中学高等学校が開校しました。第1回の入学式には、中学生207名、高校生157名が参加しています。

その後、1962年にカリタス幼稚園、1963年にカリタス小学校が開設され、幼稚園から中学校・高等学校へとつながる学園が形成されました。

創立に関わったシスターたちの出身地であるカナダは、英語とフランス語を公用語とする国です。カリタス女子が現在も英語・フランス語の両方を重視していることには、こうした創立の歴史が関係しています。

教育理念を日常へ落とし込む「4つの心」

カリタス女子のカトリック教育では、教育理念を「祈る心」「学ぶ心」「交わる心」「奉仕する心」という4つの心で表しています。

4つの心大切にしていること
祈る心自分自身を見つめ、神への信頼と感謝の中で生きること
学ぶ心自分に与えられた可能性や才能を伸ばし、自律した人間になること
交わる心文化・国籍・宗教などの違いを越えて人を尊重すること
奉仕する心自分の力を、困っている人や社会のために役立てること

この4つは、宗教の授業だけで学ぶものではありません。朝の祈り、日々の授業、生徒同士の関わり、ボランティア活動、学校行事などを通じて少しずつ身につけていきます。

たとえば「学ぶ心」は、自分の学力を高めることだけを意味しません。自分にできることを増やし、その力を周囲の人や社会のために使うことまで含んでいます。

また「交わる心」は、外国語教育とも関係します。英語やフランス語を学ぶ目的を、資格取得や大学受験だけに置くのではなく、異なる文化や価値観を持つ人々と理解し合うことにも求めています。

自分の能力を伸ばすことと、他者を大切にすることを切り離さないという考え方が、カリタス女子の教育全体を貫いています。

併設小学校からの内部進学生と、中学受験生が一緒に学ぶ

カリタス女子中学校には、併設のカリタス小学校から進学してくる生徒と、中学受験を経て入学する生徒がいます。

2025年度の中学1年生219名のうち、カリタス小学校からの内部進学生は82名でした。割合にすると約37%で、残る約63%は外部からの入学生です。

したがって、小学校から続く人間関係だけで学年が構成されているわけではありません。中学入学を機に新しい友人関係ができるよう、学校側も交流の機会を設けています。

たとえば入学直後には、通学路線や誕生月などをもとに昼食のグループを組み、さまざまな生徒と話す機会をつくっています。4月の球技大会も、新しい学年の仲間と関係を深める機会です。

内部進学生にはすでにカトリタス学園の生活やカトリック教育に親しんできた経験があります。一方、外部入学生にとっては、学校の文化だけでなく、教科センター方式やフランス語の授業なども新しい経験になります。

入学時の経験が異なる生徒たちが、中学校からの6年間を通して一つの学年になっていく点も、カリタス女子の学校生活を考えるうえで押さえておきたいところです。

6年間を「基礎養成期・自己確立期・自己実現期」の3段階で考える

カリタス女子では、完全中高一貫教育を生かし、中学校から高校までの6年間を2年ずつ3つの段階に分けています。

時期学年主な目標
基礎養成期中学1・2年学習習慣を整え、計画的に課題へ取り組む力を身につける
自己確立期中学3年・高校1年自分の興味や進路を考え、主体的に行動する姿勢を育てる
自己実現期高校2・3年志望大学・学部を具体化し、その実現に向けて学習を深める

中学1・2年では、学校から与えられた課題を期限までに提出できるよう、予定を立てて取り組む習慣を重視します。最初からすべてを生徒の自主性に任せるのではなく、まずは自分で学習を管理できる土台をつくる段階です。

中学3年から高校1年にかけては、探究活動や社会問題についての学習、大学との連携プログラムなどを通して、自分が何に興味を持っているのかを考えます。

高校2・3年では、それまでに見つけた興味や将来像を大学・学部の選択へつなげます。外国語検定、小論文、大学入試対策など、本人の進路に必要な学習を進めていきます。

このように、「学習習慣をつくる」「自分の方向を見つける」「その方向へ進む」という順序で6年間を考えていることが、カリタス女子の中高一貫教育の特徴です。

英仏複言語教育と教科センター方式が、日常の学び方を変える

現在のカリタス女子を特徴づけるのが、英語・フランス語の複言語教育と教科センター方式です。

中学校では全員が英語を週6時間、フランス語を週2時間学びます。外国語の授業は少人数に分かれて行い、ネイティブ教員による会話の時間も設けています。

フランス語を中学1年から全員で学ぶことは、ほかの私立中学校と比較しても特徴的です。高校では英語に加え、フランス語を第1外国語として本格的に学ぶ進路も選択できます。

もう一つの特徴が教科センター方式です。一般的な中学校では、生徒が同じホームルーム教室にいて、教員が授業ごとに移動します。カリタス女子ではこれとは異なり、生徒自身が次の授業を受ける教科の教室へ移動します。

各教科のエリアには、その教科に関連した資料、書籍、教材、生徒作品などが配置されています。単に教室の場所が変わるだけではなく、移動先の空間そのものを学習に役立てる仕組みです。

授業開始と終了のチャイムを鳴らさない「ノーチャイム制」も取り入れており、生徒は時間割を確認しながら自分で移動や準備を行います。

さらに探究学習の「i-Time」では、身近な疑問から社会課題まで幅広いテーマを扱い、自分で調べ、考え、発表する経験を重ねます。

カリタス女子は、カトリックの価値観を大切にするだけの学校でも、外国語教育に特化した学校でもありません。他者を尊重する心を土台に、自分で学びを管理し、二つの外国語や探究を通じて社会と関わる力を育てる。その考え方が、毎日の教室移動から6年間の進路指導まで、一貫して組み込まれています。

アクセスと立地環境|中野島・登戸から通う、多摩川沿いのキャンパス

カリタス女子中学校は、神奈川県川崎市多摩区中野島にあります。最寄り駅はJR南武線の「中野島駅」で、学校までは徒歩約10分。小田急小田原線とJR南武線が乗り入れる「登戸駅」からも、徒歩約20分または路線バス約5分で通学できます。

学校があるのは、多摩川に近い住宅地です。周辺にはカリタス小学校やカリタス幼稚園もあり、中学校・高等学校とともに一つの学園を構成しています。都心や川崎市内から通学できる交通環境と、川や緑に近い落ち着いた学習環境が同居している立地です。

さらに、この多摩川沿いという場所は、日々の通学だけでなく学校独自の理科教育にも関係しています。カリタス女子では、多摩川や多摩丘陵の自然を調べる「Tamalogy(タマロジー)」を行っており、学校周辺の環境そのものが学習の題材になっています。

中野島駅から徒歩約10分、登戸駅からはバスも利用できる

カリタス女子への主な通学方法は、JR南武線「中野島駅」から歩く方法と、「登戸駅」から路線バスを利用する方法の2つです。

項目内容
所在地神奈川県川崎市多摩区中野島4丁目6番1号
最寄り駅①JR南武線「中野島駅」徒歩約10分
最寄り駅②小田急小田原線・JR南武線「登戸駅」徒歩約20分
路線バス登戸駅多摩川口から川崎市バス「カリタス学園」行きで約5分
主なバス系統登06・登21系統
最寄りバス停「カリタス学園」下車すぐ
周辺環境多摩川に近い住宅地、学園施設、緑のある河川敷

中野島駅からは徒歩で通学できるため、バスの運行時刻を気にする必要がありません。一方、登戸駅を利用する場合は、小田急線から乗り換えずに路線バスで学校へ向かえるという利点があります。

登戸駅からのバス所要時間は約5分ですが、これは乗車時間の目安です。実際の通学では、バスを待つ時間や駅構内から乗り場までの移動時間も加わります。

中野島駅からの徒歩ルートは、毎日の通学を想像しやすい

JR南武線「中野島駅」は、立川方面と川崎方面を結ぶ路線上にあります。カリタス女子までは徒歩約10分で、駅から住宅地を通って学校へ向かいます。

中野島駅を利用する場合の利点は、電車を降りてから学校までの移動手段が徒歩だけで済むことです。バスの待ち時間を計算する必要がなく、下校時も自分の歩く速さに合わせて駅へ向かえます。

ただし、徒歩10分という距離も、6年間では毎日の積み重ねになります。雨の日や荷物の多い日、夏の暑い時期には、実際の負担を感じることもあるでしょう。

また、通学路には一般の住宅や道路があり、学校だけの専用通路ではありません。初めて学校へ行く際には、公式に案内されている通学ルートを確認し、横断箇所や交通量の多い場所も実際に見ておくと安心です。

中野島駅から徒歩で通うか、登戸駅からバスを利用するかは、自宅からの鉄道経路と合わせて比較したいところです。

小田急線を利用する家庭には、登戸駅が通学の入口になる

登戸駅は、小田急小田原線とJR南武線の乗換駅です。小田急線を利用すれば、新宿・下北沢・成城学園前・向ヶ丘遊園・町田方面などから通学経路を組むことができます。

川崎市多摩区や麻生区だけでなく、東京都世田谷区、狛江市、町田市などからも検討しやすい位置にあります。

登戸駅から学校へは徒歩約20分ですが、川崎市バスを利用する場合は約5分です。バス乗り場は登戸駅の多摩川口側にあり、「カリタス学園」行きに乗車します。

徒歩20分という距離は、天候のよい日には歩ける範囲でもあります。ただし、中学生が毎日通学することを考えると、朝の時間帯や夏・冬の気候も含めて判断する必要があります。

路線バスを利用する家庭では、実際の登校時刻に合わせた便数や混雑状況も確認しておきたいところです。バスの乗車時間だけを見て通学時間を計算すると、朝の所要時間が想定より長くなることがあります。

南武線と小田急線を使い分けられる、広い通学圏

カリタス女子の通学圏は、川崎市多摩区周辺だけに限られません。JR南武線と小田急線という2つの路線を利用できるため、東京都内から神奈川県内まで、さまざまな地域から通学経路を組めます。

方面主な通学経路
立川・府中方面JR南武線を利用して中野島駅へ
川崎・武蔵小杉方面JR南武線を利用して中野島駅へ
新宿・世田谷方面小田急線で登戸駅へ向かい、路線バスまたは徒歩
町田・相模大野方面小田急線で登戸駅へ向かい、路線バスまたは徒歩
調布・京王線方面京王相模原線とJR南武線を乗り継ぐ経路など

たとえば南武線沿線であれば中野島駅から徒歩、小田急線沿線であれば登戸駅からバス、というように、住んでいる地域によって使いやすい入口が変わります。

一方、複数の路線を乗り継ぐ場合には、駅間の所要時間だけでなく、乗り換えやホーム移動も含めて確認する必要があります。

カリタス女子は中高一貫校のため、通学は基本的に6年間続きます。中学受験の学校選びでは、学校に到着する時刻から逆算して、何時に自宅を出る必要があるのか、部活動後には何時に帰宅できるのかまで計算しておくと、実際の生活を想像しやすくなります。

多摩川が徒歩圏にあり、周辺の自然が理科の教材になる

カリタス女子の立地で特徴的なのが、校舎から数分歩けば多摩川の河川敷へ出られることです。

多摩川は学校の近くを流れる身近な川ですが、カリタス女子では、この自然環境を理科教育へ直接取り入れています。

独自の「Tamalogy(タマロジー)」では、多摩川や多摩丘陵の自然を題材に、植物、水生生物、地層、地形、水質などを調べます。

中学1年では多摩川の河原に出かけ、植物や石、周囲の自然環境を観察します。中学2年では実際に浅瀬へ入り、水生生物を観察する活動もあります。

また、多摩丘陵では地層や地形を調査します。教室で地学や生物について学んだあと、現地で自分の目を使って確かめられるため、教科書の知識を具体的な現象へ結びつけることができます。

単に「自然豊かな場所に学校がある」というだけではありません。学校の周囲にある川や地形を、長年にわたって継続的に調べる教材として使っていることが、カリタス女子ならではの立地の生かし方です。

学園としてまとまったキャンパスと、6年間の通学環境

カリタス学園の中野島キャンパスには、幼稚園、小学校、中学校・高等学校などの施設があります。中高生はこの環境の中で、教科ごとの専門教室を使った授業や部活動、学校行事に取り組みます。

学校周辺は住宅地が中心で、駅前の商業施設が密集する環境とは異なります。その一方、日常の生活道路も通るため、通学路の安全性は実際に歩いて確かめる必要があります。

学校を見学する際には、次のような点を確認しておくとよいでしょう。

  • 中野島駅から徒歩で通う場合の道順と交通量
  • 登戸駅から利用する路線バスの乗り場・運行間隔
  • 朝の登校時刻に合わせた電車とバスの混雑状況
  • 部活動終了後に利用できる交通機関と帰宅時刻
  • 雨天時や交通機関が遅延した場合の代替経路

カリタス女子は、都心や川崎市内から通える交通環境を持ちながら、多摩川の自然と住宅地に囲まれた場所で6年間を過ごす学校です。

駅からの徒歩時間やバスの利便性はもちろん重要ですが、日々の通学が無理なく続けられることと、周囲の自然を生かした教育に本人が魅力を感じられることの両方を確認すると、カリタス女子の立地が学校選びにどう関わるのかが見えてきます。

教育方針とカリキュラム|英仏複言語教育と教科センター方式で学ぶ6年間

カリタス女子中学校の教育には、大きく3つの特徴があります。中学1年から全員が英語とフランス語を学ぶ「英仏複言語教育」、教科ごとの専門教室へ生徒自身が移動する「教科センター方式」、そして社会の課題と自分自身の生き方を結びつける探究学習「i-Time」です。

これらはそれぞれ独立した特別プログラムではありません。複数の言語を通じて異なる文化や価値観を知り、教科センター方式で自分から学ぶ習慣を身につけ、探究活動では学んだ知識を使って社会について考えます。

その土台となるのが、カトリックの教育理念「普遍的な愛をもって 人に尽くす」です。自分の能力を伸ばすことを、他者や社会への貢献と結びつけているところに、カリタス女子の教育の一貫性があります。

6年間を3段階に分け、学習習慣から進路実現へつなげる

カリタス女子は高校募集を行わない完全中高一貫校です。中学校から高校までの6年間を2年ずつに区切り、「基礎養成期」「自己確立期」「自己実現期」という3段階で教育を進めています。

段階学年主な学習目標
基礎養成期中学1・2年学習計画を立て、課題を期限までに仕上げる習慣を身につける
自己確立期中学3年・高校1年自分の興味や強みを知り、主体的に学ぶ姿勢を育てる
自己実現期高校2・3年志望大学・学部を具体化し、必要な学習を深める

中学1・2年では、まず授業と家庭学習を結びつけ、学習習慣を安定させることを重視します。毎週の課題や小テスト、定期試験などを通じて、計画を立てて勉強する力を身につけます。

中学3年から高校1年では、教科学習に加えて探究活動や高大連携プログラムなどを通じ、自分の関心がどこにあるのかを考えます。高校2・3年では、その関心を志望大学や学部の選択につなげ、大学入試に必要な学習を進めます。

授業は週5日制、45分授業を1日7時限という構成です。教科学習を進めながら、外国語、カトリック倫理、探究活動などにも時間を割いています。

中学入学時から大学受験だけを目標にするのではなく、まず学ぶ習慣を整え、次に自分の方向を見つけ、その後に進路を実現するという順序です。

教科センター方式では、生徒自身が授業を受けに行く

カリタス女子の学習環境で特に特徴的なのが、教科センター方式です。

一般的な中学校では、生徒は自分のクラスの教室にいて、授業ごとに教員が移動します。一方、カリタス女子では国語、数学、英語、理科、社会などの教科ごとに専門の教室やエリアが配置され、生徒自身が時間割に従って移動します。

各教科のエリアには、関連する書籍、模型、教材、参考資料、生徒作品などが置かれています。たとえば理科のエリアでは実験や観察に関する資料、社会科のエリアでは地理や歴史に関する展示に触れることができます。

授業を受ける場所そのものが、その教科に興味を持つきっかけになるよう工夫されています。

また、カリタス女子では授業の開始・終了を知らせるチャイムが鳴らない「ノーチャイム制」を採用しています。

生徒は次の授業がどこで行われるかを確認し、必要な教科書や教材を準備して、自分で時間を管理しながら移動します。中学1年生にとっては慣れるまで大変な部分もありますが、日常生活の中で時間管理や準備の習慣を身につけていきます。

クラスごとには「ホームベース」と呼ばれる専用スペースがあり、ロッカーなどが設置されています。教室移動が多いからといってクラスのつながりがなくなるわけではなく、ホームベースを生活の拠点として利用します。

授業を待つのではなく、自分から授業を受けに行く。この仕組みを毎日繰り返すことが、カリタス女子の自主性を育てる教育につながっています。

英語週6時間・フランス語週2時間、全員が二つの外国語を学ぶ

外国語教育では、中学校の全員が英語を週6時間、フランス語を週2時間学びます。

カリタス女子を創立した修道女会の本部は、英語とフランス語が使われるカナダのケベック州にあります。開校当初から二つの外国語を大切にしてきたことが、現在のカリキュラムにも受け継がれています。

項目英語フランス語
中学校の授業時間週6時間週2時間
授業形態約半数ずつの少人数授業20名前後の少人数授業
外国人教員による授業週1時間の会話中心の授業週1時間の会話中心の授業
主な学習内容読む・聞く・書く・話すの4技能発音・会話・文法・読解・異文化理解
発展的な学習英語アドバンストクラス、海外研修など仏検、外国語発表会、高校での専門的な学習

英語は4技能をバランスよく伸ばすことを基本とし、特に自分から話したり書いたりする活動を重視します。ペアワークやスピーキングテストのほか、iPadを使って発音を録音し、確認する学習も取り入れています。

また、入学前から英語学習を進めてきた生徒には、希望者を対象とした「英語アドバンストクラス」があります。選抜された生徒は、英語で調査した内容をレポートや発表にまとめるなど、通常より高度な課題へ取り組みます。

フランス語は、中学1年から初めて学ぶ生徒が多いため、入学当初は既習者と初習者を分けて授業を行います。外国人教員による会話の授業では、発音や簡単なやり取りから学び、段階的に表現を増やしていきます。

中学3年で仏検4級、高校卒業時には仏検2級を目指す学習も行われ、高校ではフランス語を第1外国語として選ぶこともできます。

英語とフランス語を同時に学ぶことで、同じ意味でも言語によって表現方法や文法構造が違うことに気づきます。外国語を英語だけに限定せず、言語の違いを通して文化や考え方の違いにも触れることが複言語教育の目的です。

数学は少人数授業、理科は実験と「タマロジー」で理解を深める

外国語教育に注目が集まりやすいカリタス女子ですが、数学や理科にも独自の指導があります。

数学では、中学1年から高校1年まで、2クラスを4つに分けた少人数授業を実施しています。中高一貫校向けの教材『体系数学』を使い、代数・幾何を系統的に学びながら高校内容へつなげていきます。

さらに、発展的な数学を学びたい希望者に向けて「マスタークラス」も設置されています。通常の授業内容に加えて、応用問題や入試問題をグループで考えるなど、数学の得意な生徒がより深く学べる仕組みです。

一方、数学に苦手意識がある生徒に対しても、毎週のミニテスト、単元テスト、追試、指名補習などを行います。週1回の「学習デー」には複数の教員が待機し、質問や課題の相談に対応しています。

理科では実験・観察を重視し、中学校では週1時間の実験授業を設けています。2〜3人のグループで実験を行うため、生徒全員が器具に触れたり、観察や記録に参加したりできるようになっています。

そして、カリタス女子ならではの理科学習が「Tamalogy(タマロジー)」です。

学校の近くにある多摩川や多摩丘陵をフィールドとして、植物、水生生物、地層、地形などを調べます。実際の河原へ出かけて生物を採集・観察したり、地質を調査したりする活動です。

教科書では物理・化学・生物・地学がそれぞれの単元に分かれていますが、実際の自然現象は互いにつながっています。タマロジーでは、そのつながりを現地で確かめます。

実験や観察の結果は、スケッチやレポートにまとめます。見たことと考えたことを区別し、根拠をもって説明するところまでが理科学習です。

「i-Time」では社会の課題を調べ、自分の進路を考える

カリタス女子の探究学習の中心となるのが、「i-Time」です。中学1年から高校2年まで毎週設けられており、教科の枠を越えて社会や自分自身について考えます。

学習では、次の5つの段階を繰り返します。

  1. 問う:身近な出来事や社会の課題から疑問を見つける
  2. 調べる:資料やデータを集め、必要な情報を整理する
  3. 考える:複数の立場や根拠を踏まえて自分の考えを作る
  4. 伝える:ポスター、レポート、プレゼンテーションなどで表現する
  5. 振り返る:活動を見直し、次の問いや行動へつなげる

たとえば中学1年では、福祉や人権を題材に、障害のある人が暮らしやすい社会について考えます。ブラインドウォークや盲導犬ユーザーによる講演、自分の街のバリアフリー調査などを通して、資料を読むだけでは分からない課題に触れます。

さらに、フィリピンの貧困問題について学び、子どもたちを支援するための物品を制作する活動なども行われています。

中学2年になると、自分の関心からテーマを設定する「マイテーマ探究」へ進みます。新聞記事や論文を調べ、先行研究を参考に新しい問いを立て、スライドにまとめて発表します。職業や大学の学部・学科について考える活動もあり、探究が進路選択につながっていきます。

高校ではさらに社会課題への視野を広げ、自分が将来どのような形で社会と関わりたいのかを考えます。

「i-Time」の名称には、探究を意味するinquiry、自分自身を意味するi、そしてカリタスの理念である愛が込められています。

単に調べ学習や発表が上手になることだけでなく、社会の中にある問題を知り、自分には何ができるのかを考えることが、この時間の目的です。

カトリック倫理と進路別学習で、学力と生き方を結びつける

カリタス女子では、全学年に週1時間の「カトリック倫理」の授業があります。

聖書やキリスト教の歴史、創立者の生き方などを学びながら、自分自身の価値観や生き方について考えます。扱うテーマは宗教的な内容だけでなく、命の尊厳、臓器移植、終末期医療など、現代社会で意見が分かれる問題にも及びます。

こうしたテーマでは、一つの正解を覚えることが目的ではありません。相手の意見を聞き、自分の考えを整理し、簡単には結論が出ない問題と向き合います。

高校に進むと、学習内容はそれぞれの志望進路に合わせて専門化していきます。国公立大学への進学を目指す学習や、理数系分野を深める学習、文系科目を中心とした学習など、志望大学・学部に応じた科目選択が用意されています。

英語を発展的に学びたい生徒には、高校1・2年の希望者を対象とした「EIPクラス」があります。ネイティブ教員による授業を通して、ディスカッションやエッセイライティングに取り組み、大学入学後にも使える英語力を目指します。

また、中学校で学んだフランス語をさらに深め、高校ではフランス語を第1外国語として大学受験に利用する道もあります。理数系を志望する生徒には、数学・理科の少人数授業や発展的な演習が設けられています。

このように進路選択の幅を持たせながらも、学校が大切にしているのは大学へ合格することだけではありません。カトリック倫理やi-Timeでは、自分の能力をどのように社会で役立てたいのかも考え続けます。

二つの外国語で世界を見る視点を増やし、教科センター方式で自分から学ぶ習慣をつくり、探究とカトリック倫理で社会との関わり方を考える。そして、高校では見つけた興味を具体的な進路につなげていく。カリタス女子の6年間は、学力を伸ばす仕組みと、自分の生き方を考える教育を同時に進めるカリキュラムになっています。

学習環境と施設設備|教科ごとの専門空間とカフェテリアのある学校生活

カリタス女子中学校の校舎は、一般的な中学校とは少し異なる構造になっています。生徒が同じ教室で一日を過ごすのではなく、国語・数学・理科・社会・英語・フランス語など、各教科の専門教室へ移動して授業を受ける「教科センター方式」を採用しているためです。

校舎の中心には約4万冊の蔵書を持つ図書館があり、その周囲に教科別の学習空間、クラスごとの生活拠点であるホームベース、カフェテリアなどが配置されています。施設全体が、生徒の学びと交流を支えるように設計されています。

また、自然光が入りやすい校舎には中庭や広場があり、カトリック学校ならではの聖堂も設けられています。授業、休み時間、昼食、部活動、自習、祈りの時間まで、それぞれの活動に適した場所を使い分けながら一日を過ごすことが、カリタス女子の学校生活の特徴です。

教科センター方式|授業を受けに行くことで、自分から学ぶ習慣をつくる

カリタス女子の校舎で最も特徴的なのが、教科ごとの専門エリアで構成された学習環境です。

一般的な中学校では、生徒がホームルーム教室にいて、教員が各クラスを移動して授業を行います。一方、カリタス女子では、生徒自身が時間割を確認して次の教科の教室へ向かいます。

各教科のエリアには、授業に関連する書籍、模型、標本、掲示物、生徒作品などが置かれています。教室に入る前から、その教科に関係する資料に触れられる仕組みです。

教科センター主な展示・設備の特徴
国語科センター文学作品や古典に関する書籍、生徒の創作作品、各種コンクール情報など
社会科センター新聞、歴史・地理に関する資料、生徒の調査作品など
数学科センター数学者についてのレポート、数学検定の問題、ルービックキューブなどのパズル
理科センター生物の標本、実験器具、生き物など、科学に触れられる展示
英語科センター英語の書籍・雑誌、生徒作品、英語学習や国際交流に関する掲示
フランス語科センターフランス語の書籍・漫画、フランス文化に関する資料、留学生との交流紹介など

たとえば数学の授業へ向かう途中、数学科センターに掲示されている数学検定の問題を見たり、パズルを手に取ったりすることができます。理科のエリアでは、教科書に出てくる標本や生き物を実際に見ることができます。

こうした資料は、特別な授業のときだけ使うものではありません。毎日の教室移動の中で自然に目に入ることに意味があります。

さらに、カリタス女子では授業開始や終了を知らせるチャイムが鳴らない「ノーチャイム制」を取り入れています。生徒は時計や時間割を確認し、自分で次の授業の準備を行います。

教科センター方式は、単に教室を移動する仕組みではありません。学ぶ内容に適した空間を利用し、自分で時間と持ち物を管理することを日常の習慣にするための教育環境です。

ホームベース|教室移動が多くても、クラスの生活拠点がある

授業ごとに教室を移動する学校と聞くと、「自分の教室がなく、落ち着かないのではないか」と感じるかもしれません。

カリタス女子では、そのために「ホームベース」と呼ばれるクラス専用の生活空間を設けています。

ホームベースはホームルーム教室に隣接しており、生徒一人ひとりに下駄箱とダイヤルロック付きのロッカーがあります。登校したらここで靴を履き替え、荷物を整理して一日の授業に向かいます。

すべての教科書や持ち物を一日中持ち歩く必要はなく、授業に必要なものをロッカーから取り出して移動できます。

また、ホームベースにはテーブルや椅子があり、休み時間に友人と会話したり、次の授業の準備をしたりすることもできます。

朝礼と終礼は、ホームベースに隣接するホームルーム教室で実施されます。教科の授業では専門教室を使いながらも、朝と帰りには自分のクラスへ戻るという生活のリズムがあります。

つまり、カリタス女子では「教室は学習する場所、ホームベースは生活する場所」という役割分担が明確になっています。

教科センター方式によって自主性を育てながら、クラスとしてのまとまりも保てるようにした空間構成です。

図書館は約4万冊|調べ学習から放課後の自習まで使える

校舎の中心に位置するのが、約4万冊の蔵書を持つ図書館です。

カリタス女子の図書館は、単に本を借りる場所ではありません。各教科の授業と連携した調べ学習、i-Timeの探究活動、グループワーク、読書、放課後の自習など、さまざまな目的で利用されています。

設備・資料内容
蔵書約40,000冊
雑誌35誌
新聞4紙
オンラインデータベース4種類
パソコン6台(蔵書検索用2台、データベース用4台)
その他電子図書館、自習コーナー、閲覧スペース

図書館では、生徒からの購入リクエストも受け付けています。自分が読みたい本を探すだけでなく、必要な資料がない場合には新たに希望を出すこともできます。

授業では、国語・社会・理科・家庭科などで図書館を活用します。書籍に加え、新聞記事や科学データなどを調べられるオンラインデータベースも利用できるため、インターネット検索だけに頼らず、複数の情報源を比較しながら調査を進められます。

電子図書館も導入されており、生徒は校外から電子書籍を読むことができます。図書館の蔵書検索も学校外から利用可能です。

また、図書館にはソファ席や個人机があり、休み時間には読書を楽しむ生徒、放課後には集中して勉強する生徒が集まります。

さらに、カリタス女子では登録制の自習室を19時まで開設しています。通常の最終下校時刻後も、登録した生徒は図書館やカフェテリア周辺の教室などで学習できます。

2021年度からは卒業生がチューターとして入り、教科の質問や進路に関する相談にも応じています。中学生にとっては、授業で分からなかったことを学校内で解決する選択肢にもなります。

ICT環境|一人1台のiPadと電子黒板を授業・探究に活用

カリタス女子では、一人1台のiPadを活用したICT教育を進めています。

校内にはWi-Fi環境が整備され、各教室には電子黒板が設置されています。生徒のiPadや教員のパソコン画面を電子黒板へ映し出し、資料を共有しながら授業を行うことができます。

授業では「ロイロノート」などを利用し、教員から配信された課題に取り組んで、その場で提出することもあります。

また、グループワークでは各自が調べた内容を共有し、考えを比較したり、話し合いの結果をまとめたりします。

英語やフランス語の授業では、音声を聞いたり、自分の発音を録音したりする学習にも端末を利用します。i-Timeでは資料収集、データ整理、プレゼンテーション作成などに活用されます。

一方、理科の実験や数学の演習、国語の読解などでは、手を動かして記録したり、紙に書いて考えたりする活動も引き続き重視しています。

ICTを使うこと自体を目的とせず、調べる・考える・表現するために使うという位置づけです。

カフェテリアと交流スペース|昼食も休み時間も校内で過ごせる

カリタス女子には、校内で昼食をとれるカフェテリアがあります。

昼食は家庭から持参したお弁当が基本ですが、カフェテリアではパンやお弁当を購入することもできます。また、自動販売機では飲み物に加え、プリンやゼリーなども販売されています。

毎日必ず家庭で弁当を用意しなければならないわけではないため、家庭の予定に合わせて昼食の準備方法を選べます。

昼休みは12時20分から13時までの40分間。生徒はホームベースやカフェテリア、中庭など、好きな場所で昼食をとることができます。

カフェテリアは食事だけの場所ではありません。放課後には友人と話したり、試験前に勉強したりする生徒も利用しています。

また、校舎には生徒同士が集まれる空間が複数あります。

場所特徴
プラース正門を入ったところにある広場。中央にはシンボルツリーのカツラの木がある
フォワイエ生徒玄関近くの広場。文化祭では音楽系クラブの発表にも利用
カフェテリア昼食、休憩、友人との交流、自習などに利用
中庭休み時間に生徒が自由に出て過ごせる屋外空間
ホームベースクラスごとの荷物整理や休憩、交流の場

フォワイエはフランス語で「人が集まる場所」を意味します。学校の文化祭であるマルグリット祭では、オーケストラ部、コーラス部、軽音楽部などの演奏にも使われます。

教科センター方式では授業のたびに移動するため、生徒が学校内のさまざまな場所を行き来します。その中に、立ち止まって友人と話したり、少し休んだりできる空間が用意されています。

運動施設・聖堂・相談室|身体と心の両方を支える環境

カリタス女子には、グラウンド、テニスコート、プール、体育館など、体育授業やクラブ活動で利用する施設があります。

グラウンドは人工芝で、トラック1周は200m。隣にはテニスコートがあり、放課後には運動部の活動が行われています。

プールは半屋内・半屋外型で、25m・7コースのプールと、最大水深0.85mのサブプールがあります。メインプールの最大水深は1.55mです。

校内には体育施設だけでなく、カトリック学校ならではの施設もあります。

正門から入って正面にある聖堂は、自然光の入る明るい空間です。ミサや祈りの集いなどで利用され、普段も生徒が自由に祈れる場所として開放されています。

また、全校生徒が集まれる講堂では、入学式・卒業式や水曜日の朝の会などが行われます。

畳敷きの作法室もあり、礼法の授業や百人一首大会などに利用されています。外国語やICTを重視する学校でありながら、日本の伝統文化に触れる場所も設けられています。

生徒の相談を支える設備としては、カウンセリングルームがあります。常駐のカウンセラーが生徒や保護者からの相談を受け付けており、予約が入っていない時間帯には、生徒が自由に過ごせる場所としても利用できます。

また、一般的な職員室にあたる「校務センター」の外側には、テーブルや椅子、ソファが置かれています。昼休みや放課後には、生徒が教員へ質問したり、相談したりする場所になっています。

カリタス女子の施設を全体として見ると、教科センターで学び、ホームベースで生活し、図書館や自習室で学習を深め、カフェテリアや中庭で友人と交流し、聖堂では静かに自分と向き合うという構成になっています。

教科ごとの専門性を高める空間と、生徒が安心して過ごせる居場所を両立させていることが、カリタス女子の施設設計で大切にされている考え方です。教室移動の多い学校だからこそ、実際に見学する際には、授業と授業の間に生徒がどのように移動し、休み時間をどこで過ごしているのかまで見ておくと、6年間の学校生活をより具体的に想像できるでしょう。

学校生活と年間行事|マルグリット祭・長崎研修・宗教行事を通した成長

カリタス女子中学校の学校生活には、文化祭や体育祭、合唱コンクールといった一般的な学校行事に加え、カトリック学校ならではの宗教行事、英語・フランス語の発表会、長崎での平和学習などが組み込まれています。

特徴的なのは、「仲間と協力すること」「異なる文化や価値観を理解すること」「自分にできることを考えて行動すること」が、年間行事を通して繰り返し扱われる点です。

4月には新しいクラスで球技大会に取り組み、中学1年ではキャンプを通して友人との関係を深めます。秋にはマルグリット祭や体育祭があり、中学3年では長崎で平和やキリスト教の歴史について学びます。さらに、マリア祭やクリスマス会などの宗教行事を通して、日常の授業とは異なる角度から自分自身や他者との関わりを考えます。

年間行事|文化祭・体育祭・宗教行事・研修が一年を通して続く

カリタス女子は2期制を採用しており、前期・後期の定期試験と学校行事を組み合わせながら一年間を過ごします。

大きな行事は秋に集中していますが、春には新しい人間関係をつくる活動、冬には宗教行事や外国語の発表会があり、一年を通してさまざまな経験を積む構成です。

時期主な行事・活動
4月入学式・始業式、新入生オリエンテーション、球技大会、防災訓練
5〜6月前期中間テスト、中1オリエンテーションキャンプ、マリア祭、フランス語フェスティバル
7月前期期末テスト、カナダ研修、尾瀬野外研修(希望者)、夏期講習
8月夏期講習、クラブ活動、海外研修など
9月実力テスト、マルグリット祭(文化祭)
10月創立記念日、後期第一中間テスト
11月体育祭、中3長崎研修旅行、中1地学実習、中2理科校外学習、TGG英語研修
12月後期第二中間テスト、クリスマス奉仕体験、クリスマス会
1月外国語発表会
2月中学入学試験、中学生の合唱コンクール
3月学年末テスト、卒業ミサ、高校卒業式

このほかにも、各学年の授業に関連した校外学習、カトリック倫理の活動、ボランティア、国際交流などがあります。

特に中学校では、学年が上がるにつれて活動の内容が変わります。中学1年では自然の中で友人と協力する経験、中学2年では英語や理科の体験学習、中学3年では長崎での歴史・平和学習へ進みます。

単に毎年異なる場所へ出かけるのではなく、集団生活に慣れる段階から、自分で課題を設定して行動する段階へと、活動の目的も変化していきます。

中学1年の球技大会とキャンプ|新しい仲間との関係をつくる

カリタス女子の中学1年生には、併設のカリタス小学校から進学した生徒と、中学受験を経て入学した生徒がいます。

入学時点では、それまでの学校生活や友人関係が異なるため、4月から新しい学年として一緒に過ごせるよう、交流の機会が設けられています。

その一つが、4月の球技大会です。

中学生はドッジボール、ミニサッカー、ポートボールなどの競技にクラス対抗で参加します。競技の勝敗だけでなく、チーム内で声をかけ合ったり、役割を分担したりすることを通して、新しいクラスの仲間と関わる機会になります。

さらに、中学1年にはオリエンテーションキャンプがあります。

2026年度は静岡県御殿場市のYMCA東山荘で1泊2日のキャンプを実施しました。富士山周辺の自然に触れる活動に加え、グループで話し合いながら課題を解決するプログラムにも取り組んでいます。

たとえば「砂漠からの脱出」という活動では、限られた道具の中から生き残るために必要なものを選び、グループで優先順位を決めます。

正解をすぐに教えてもらうのではなく、それぞれの意見を出し合い、理由を説明しながら一つの結論をつくります。

自然の中での活動では、仲間と一緒に山道を歩き、動植物を観察する時間もあります。校内の授業だけでは分かりにくい友人の一面を知る機会にもなるでしょう。

カリタス女子が大切にする「交わる心」は、相手と仲良くするという意味だけではありません。考え方の違う相手の話を聞き、一緒に行動することも含まれています。入学直後の行事から、そうした経験が取り入れられています。

マルグリット祭と体育祭|生徒自身が企画・運営する二大行事

カリタス女子の学校生活で大きな位置を占めるのが、秋の「マルグリット祭」と体育祭です。

マルグリット祭は、例年9月に2日間にわたって開催される文化祭です。クラブや有志団体による展示、演奏、舞台発表、体験企画などが行われ、校内のさまざまな場所が発表会場になります。

2026年度は9月19日・20日に第62回マルグリット祭が開催されました。コーラス部やオーケストラ部などの演奏に加え、生徒たちが準備した企画や展示が披露され、多くの来場者を迎えました。

文化祭の準備は直前の数日間だけで完結するものではありません。クラブでは日頃の練習や制作を積み重ね、有志団体は企画の内容や当日の運営方法を考えます。

教科センター方式の校舎には、フォワイエやプラースなど生徒が集まる空間があり、文化祭ではそうした場所も発表や交流の場になります。

一方、体育祭は例年11月に実施されます。

学年の枠を越えて赤・黄・青・白・緑の5チームに分かれて競い合う縦割り形式で、応援合戦や部活動対抗リレーなどが見どころです。

体育祭は生徒の執行部が中心となって準備・運営します。競技に参加するだけでなく、全体の進行、用具の準備、応援など、さまざまな役割があります。

高校3年生にとっては、後輩たちと一緒に参加する最後の大きな学校行事の一つです。中学生のうちは先輩に引っ張ってもらう場面が多くても、学年が上がるにつれて今度は自分が後輩をまとめる側になります。

マルグリット祭では活動の成果を他者へ伝え、体育祭では学年を越えて一つの目標へ向かう。二つの行事を通して、日常の授業とは異なる役割や人間関係を経験します。

中3長崎研修旅行|平和・キリスト教の歴史・探究をつなぐ3泊4日

中学校3年間の校外活動の中でも、カリタス女子らしさが表れるのが中学3年の長崎研修旅行です。

研修は3泊4日で、平和学習、キリスト教の歴史、地域の文化や自然、班別のフィールドワークなどを組み合わせています。

2025年度の研修では、長崎市内の平和公園や長崎原爆資料館を訪問し、原爆投下の歴史について学びました。現地では平和に関する講話も聞き、戦争の記憶を受け継ぐことについて考えています。

また、上五島では、かつてキリスト教徒が信仰を守り続けた歴史に触れ、教会などを見学しました。

カリタス女子はカトリック学校ですが、長崎研修ではキリスト教について学ぶだけではありません。信仰の自由、迫害、戦争、平和、人権など、歴史を通して現代社会にもつながる問題を考えます。

さらに、研修前には探究学習の「i-Time」で長崎について調べ、自分たちのテーマを設定します。

現地では、班ごとに計画したフィールドワークを行い、必要に応じてインタビューや調査に取り組みます。訪問先や行動の計画を生徒自身が考える場面もあります。

2025年度には、大浦天主堂で平和記念ミサに参加し、浦上天主堂や日本二十六聖人記念館も訪れました。

この研修は、観光名所を巡るだけの修学旅行ではありません。教室で調べたことを現地で確かめ、歴史の出来事を現在の自分たちの問題として考える機会になっています。

また、理科では中学1年の地学実習、中学2年の動物園実習など、教室の外で学ぶ活動も用意されています。中学2年には英語体験施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY」での研修もあり、実際の場面を想定して英語でコミュニケーションを取る経験を積みます。

学年ごとに自然科学、外国語、歴史・平和学習と異なる分野を体験しながら、自分で調べたり、仲間と協力したりする力を育てていきます。

マリア祭とクリスマス会|「愛と奉仕」を行事の中で考える

カリタス女子の学校生活を理解するうえで欠かせないのが、カトリック学校としての宗教行事です。

5月には「マリア祭」が行われます。

マリア祭は、聖母マリアの生き方に触れ、神への信頼や感謝について考える行事です。中学校と高校でそれぞれ式典があり、聖歌、共同祈願、マリア像への献花などが行われます。

中学校では、宗教活動に取り組む生徒たちによる歌や朗読、劇なども披露されます。高校では学年ごとに教会を訪れ、ミサに参加する機会があります。

そして12月には、カトリック学校として特に大切にされている「クリスマス会」があります。

一般的なクリスマスイベントと異なり、カリタス女子ではイエス・キリストの誕生を祝う本来の意味を大切にしています。

準備期間には聖歌を練習し、有志の生徒による劇や合唱、合奏などの発表も行われます。校内にはリースやステンドグラスが飾られ、キャンドルサービスなども実施されます。

また、クリスマス会の前には「クリスマス奉仕体験」があります。

募金活動や社会福祉に関わる活動などを通して、身近な人だけでなく、困難な状況にある人へ自分たちが何をできるかを考えます。

宗教行事は、カトリックの知識を覚えるためだけの時間ではありません。カリタス女子が教育理念に掲げる「普遍的な愛をもって 人に尽くす」を、祈りや奉仕という具体的な行動へつなげる機会です。

カトリックの信者であることを前提とせず、生徒たちはこうした活動を通して、人を思いやることや自分の力を社会のために使うことについて考えていきます。

外国語発表会・合唱コンクール・海外研修|学んだことを外へ伝える

カリタス女子では、中学1年から英語とフランス語を学びます。その成果を人前で発表する機会が、1月の「外国語発表会」です。

外国語発表会には中学生から高校生までが参加し、英語・フランス語による歌、劇、プレゼンテーション、スピーチなどを披露します。

学年によって発表内容の難度が異なるため、中学生は高校生の発表を見ながら、数年後には自分たちもその水準を目指すことになります。

高校3年生による英語とフランス語の弁論もあり、6年間でどこまで語学力を伸ばせるのかを身近に感じられる行事です。

また、2月には中学生の合唱コンクールが行われます。

クラスごとに練習を重ね、一年間一緒に過ごしてきた仲間と一つの曲を完成させます。練習期間には、昼休みや放課後にも歌声が聞こえるようになります。

外国語発表会が自分の考えを言葉で伝える場だとすれば、合唱コンクールは仲間と音を合わせて一つの表現をつくる場です。どちらも、教室で積み重ねた学びや人間関係を人前で表現する機会になっています。

さらに、希望者には海外で学ぶプログラムも用意されています。

プログラム主な対象学習内容
カナダ研修中学3年・高校1年カリタス学園のルーツを訪ね、ホームステイを通して語学と異文化を学ぶ
セブ島英語研修中学3年・高校1年マンツーマンの英会話授業を中心とした集中研修
マルタ研修中学3年〜高校2年寮生活を送りながら英語を学び、各国の生徒と交流する
ターム留学中学3年〜高校2年オーストラリア・ニュージーランドなどの現地校で約3か月間学ぶ
カナダ・モントリオール留学対象学年・条件による約4か月間、英語とフランス語の両方に触れる
台湾研修中学3年〜高校2年現地の高校生との交流、歴史・文化の学習
フランス短期留学(コリブリ)高校生相互ホームステイを通した約3週間の現地校体験

特にカナダ研修では、英語とフランス語が使われる地域を訪れ、創立に関わった修道女会の歴史にも触れます。カリタス女子で二つの外国語を学ぶ意味を、実際の生活や文化の中で確かめる機会です。

2026年には、マルタ研修に中学3年生・高校1年生の16名が参加し、現地の語学学校で英語を学びながら、異なる国の生徒たちと寮生活を送りました。

海外研修は希望制で、プログラムごとに対象学年、参加条件、費用、実施時期が異なります。全員が海外へ行くわけではありませんが、英語やフランス語に興味を持った生徒が、学校外でさらに学びを深める機会が用意されています。

カリタス女子の年間行事を通して見ると、仲間と協力する文化祭・体育祭、他者への思いやりを考える宗教行事、自分の言葉で伝える外国語発表会、現地で学びを深める長崎・海外研修が、それぞれ異なる役割を担っています。

教科センター方式で自分から学ぶ日常に加え、行事では教室の外へ出て人と関わり、考えたことを行動へ移していく。そうした経験を6年間積み重ねることが、カリタス女子の学校生活の特徴です。

クラブ活動|音楽・スポーツ・文化活動から奉仕活動まで、放課後に広がる経験

カリタス女子中学校には、運動部8団体、文化系14団体の計22団体があり、中学生と高校生が学年を越えて活動しています。水泳、テニス、バスケットボールなどの運動部に加え、オーケストラ、コーラス、演劇、理科、生物、ESSなど、活動分野は多岐にわたります。

クラブ活動の特徴は、大会や発表会で結果を残すことだけではありません。中高6学年が一緒に練習し、上級生から下級生へ技術や活動の進め方を伝えながら、生徒自身が目標を立てて取り組んでいます。

また、カリタス女子には通常のクラブとは別に、宗教・奉仕活動を行うグループもあります。自分の好きなことを深めるクラブ活動と、他者や社会のために行動する奉仕活動の両方が、放課後の選択肢になっています。

運動部8・文化系14団体|中学生から高校生まで一緒に活動

カリタス女子のクラブ活動は、次のような構成になっています。

区分クラブ・団体
運動部(8団体)水泳部、ソフトボール部、卓球部、ダンス部、テニス部、バスケットボール部、バレーボール部、フットサル部
文化系(14団体)ESS、演劇部、オーケストラ部、華道部、かるた部、クッキング部、軽音楽部、コーラス部、茶道部、写真部、生物部、美術部、漫画研究会、理科部

運動部では球技系のクラブが比較的多く、テニス、卓球、バスケットボール、バレーボール、フットサルなどから選べます。一方、文化系ではオーケストラやコーラスといった音楽活動から、科学、芸術、語学、伝統文化まで幅広くそろっています。

活動日数はクラブによって異なり、運動部の多くは週4日、文化部は週2〜3日程度です。ダンス部やオーケストラ部は月・火・金曜日、茶道部や美術部、理科部などは火・金曜日を中心に活動しています。

中高一貫校なので、中学1年で入部したあと、高校でも同じ活動を継続できます。高校入試に伴う部活動の中断がないため、長期間をかけて技術を磨いたり、後輩の指導を担ったりする経験ができます。

水泳・テニス・球技・ダンス|大会と日々の練習を積み重ねる運動部

運動部は、体育館、グラウンド、テニスコート、プールなどの校内施設を利用して活動しています。

水泳部は、6月から10月にかけて校内プールで泳ぎ、プールを使わない時期には陸上トレーニングや体力づくりに取り組みます。中学生は県内の私立中学校大会や川崎地区の大会を目標に練習しています。

大会実績もあり、2024年には高校3年生の部員が女子400m個人メドレーで関東大会に出場しました。中高で活動する水泳部ですが、大会はそれぞれの年齢区分に応じて参加します。

テニス部は、校内にある2面のハードコートを中心に練習しています。グラウンドでは体力づくりを行い、コートではストロークやサーブなどの基礎練習から試合形式の練習へ進みます。

バスケットボール部、バレーボール部、ソフトボール部、フットサル部などでは、競技技術に加えてチーム内の連携も重要になります。バスケットボール部では中高生が一緒に基礎練習や実戦練習に取り組み、ソフトボール部では放課後に加えて朝練習も行っています。

一方、ダンス部は大会だけでなく、新入生歓迎会やマルグリット祭での発表にも力を入れています。

特徴的なのは、振り付けを覚えて踊るだけではないことです。発表する作品の構成、振り付け、音響、照明、衣装制作などを生徒自身で考えます。踊ることが得意な生徒だけでなく、舞台を作り上げる過程にも関わる活動です。

運動部といっても、公式戦での勝利を目指すクラブと、舞台発表を中心に活動するクラブでは、日々の目標が異なります。入学前に見学できる機会があれば、練習内容だけでなく、部員がどのように役割を分担しているかも確認するとよいでしょう。

オーケストラ・コーラス・軽音楽|校内外で発表する音楽活動

カリタス女子の文化部で特徴的なのが、音楽系クラブの選択肢です。

オーケストラ部は、中学1年生から高校生までが一緒に活動するクラブです。2025年には約60名の部員が在籍し、マルグリット祭や定期演奏会などに向けて練習していました。

毎年11月頃には川崎市内のホールで定期演奏会を開催しています。校内行事に限らず、一般のホールで演奏を披露する機会があるため、部員にとっては長い時間をかけて一つの演奏会を作り上げることが大きな目標になります。

オーケストラでは、自分の楽器を正確に演奏できるだけでは十分ではありません。ほかの楽器の音を聞き、指揮に合わせ、曲全体の流れを考えて演奏します。中学1年で入部した生徒も、高校生の演奏を間近で聞きながら少しずつ技術を身につけていきます。

コーラス部は、マルグリット祭やクリスマス会での発表に加え、NHK全国学校音楽コンクールにも取り組んでいます。

2023年には中学生がNHK全国学校音楽コンクール神奈川県コンクールで金賞を受賞し、関東甲信越ブロックコンクールで銅賞を獲得しました。2024年にも、中学校の部で神奈川県銀賞、高等学校の部で神奈川県銅賞を受賞しています。

コンクールに向けて曲を仕上げる活動と、学校行事で聴衆に歌を届ける活動の両方があります。

さらに、軽音楽部では学年ごとにバンドを組み、マルグリット祭での演奏を目標に練習します。新入生歓迎会やクリスマス会などでも演奏する機会があり、上級生が下級生へ演奏技術を教える関係も生まれます。

同じ音楽でも、オーケストラ、合唱、バンドでは演奏方法も仲間との関わり方も異なります。小学生の頃から楽器を続けてきた子だけでなく、中学入学後に新しい音楽活動へ挑戦したい子にも選択肢があります。

演劇・美術・かるた・茶華道|作品制作や伝統文化にも取り組める

舞台や作品制作に興味がある生徒には、演劇部、美術部、写真部、漫画研究会などがあります。

演劇部では、中学生は新入生歓迎会や夏の大会、高校生はマルグリット祭や秋の大会などを目標に活動します。舞台では演技だけでなく、台本、舞台装置、音響、照明など、さまざまな役割が必要になります。

一人では完成させられない舞台を仲間と作るため、練習や準備では意見がぶつかることもあるでしょう。そうした過程も含めて、他者と協力して一つの作品を完成させる経験になります。

美術部では油絵や工芸などに取り組み、マルグリット祭では七宝焼の体験企画も行っています。写真部は校内外で撮影活動を行い、コンテストへの応募やフィルムカメラの現像などにも挑戦します。

漫画研究会では、文化祭に向けて部誌「Look」を制作しています。部員それぞれの作品を一冊にまとめ、印刷・製本して販売するまでを行います。

一方、日本の伝統文化に関わるクラブもあります。

茶道部では表千家の指導を受け、稽古を重ねます。1月には初釜があり、季節の行事とともに茶道の作法を学びます。

華道部では生花を生ける活動と造花制作に取り組み、マルグリット祭では作品展示や来場者向けの体験企画を行います。

かるた部は作法室で活動し、百人一首を使った競技かるたに取り組みます。初心者でも札を覚えるところから始められ、神奈川県内の大会などにも出場しています。

カリタス女子は英語・フランス語を学ぶ学校として知られていますが、放課後には日本の伝統文化や芸術にも触れられます。語学とは異なる分野で、自分の好きなことを深める時間も確保されています。

ESS・理科部・生物部|授業で興味を持った分野をさらに深める

授業と関係の深い活動を選びたい場合には、ESS、理科部、生物部などがあります。

ESSでは、日本人教員と外国人教員の指導のもと、英会話、映画鑑賞、音楽、ゲームなどを通して英語に親しみます。

通常の英語授業では、文法や読解、ライティングなどを学習計画に沿って進めます。一方、ESSでは会話や映画、音楽などを通して、英語を楽しみながら使う時間を持つことができます。

カリタス女子には英仏複言語教育があるため、外国語を授業の外でも使ってみたい生徒にとって、ESSは身近な活動の場になります。

また、学校では英語ディベートにも力を入れています。ディベートは独立したクラブとしてではなく、土曜講座などでも学ぶことができ、高校生は全国規模の大会へ出場した実績があります。

2024年には日本高校生パーラメンタリーディベート連盟杯の全国大会で入賞し、2025年にも全国大会関連の予選・交流大会へ参加しています。

理科部では、身近な材料を使った化学実験などに取り組みます。マルグリット祭ではスライム作りや科学マジックなど、来場者が実験を体験できる企画も行っています。

生物部では、野鳥観察、多摩川の水質調査、生物の解剖や標本制作などに取り組みます。学校近くの多摩川を調査対象にできることは、立地を生かした活動の一つです。

カリタス女子の理科授業には、多摩川や多摩丘陵を調べる「タマロジー」があります。授業で生物や自然環境に興味を持った生徒が、生物部でさらに観察や調査を深めるというつながりも考えられます。

教科の学習で生まれた興味を、放課後には自分のペースで追究できることが、これらのクラブの特徴です。

木曜日は奉仕活動|「アンジェラスの会」や地域支援活動にも参加できる

カリタス女子の放課後を考えるうえで、通常のクラブ活動と同じくらい特徴的なのが宗教・奉仕活動グループの存在です。

木曜日の放課後を中心に、希望する生徒が社会福祉、地域活動、被災地支援などに取り組んでいます。

代表的なのが、1968年に発足した「アンジェラスの会」です。

中学2年生から高校2年生の有志が参加し、「祈る」「学ぶ」「働く」を活動の柱としています。校内の宗教行事を支えるほか、福祉施設への訪問、海外支援、チャリティーバザー、被災地支援などを行います。

また、2013年には東日本大震災からの復興を支援する「Petit pas de Caritas(プティ・パ・ドゥ・カリタス)」が発足しました。

フランス語で「カリタスの小さな一歩」を意味し、福島の農家を支援する活動を中心に取り組んでいます。福島の野菜や特産品の販売を手伝ったり、地域のお店と協力して商品を開発したり、現地を訪れてボランティア活動を行ったりしています。

さらに、バスケットボール部の有志生徒による「バすけっと部」という奉仕活動グループもあります。

通常のバスケットボールの練習とは別に、校内美化活動、通学路の清掃、江ノ島でのビーチクリーン、カリタス幼稚園への訪問、フードドライブなどを行っています。

奉仕活動グループ主な活動
アンジェラスの会宗教行事、福祉施設訪問、海外支援、チャリティーバザー、被災地支援
Petit pas de Caritas福島の農家支援、特産品販売、商品開発、現地ボランティア
バすけっと部校内外の清掃、ビーチクリーン、幼稚園訪問、フードドライブ

奉仕活動では、社会問題について知識を得るだけでなく、自分たちにできることを考えて実際に行動します。学校の教育理念である「普遍的な愛をもって 人に尽くす」を、日常の学校生活の中で実践する機会です。

クラブ活動は原則として放課後に行われ、最終下校時刻は通常17時45分、冬期は17時30分です。活動日数や朝練習の有無はクラブによって異なるため、入部前に確認しておくとよいでしょう。

カリタス女子では、好きな競技や表現活動を6年間続けることも、語学や科学への興味を深めることも、他者のために行動する奉仕活動に参加することもできます。中高合同のクラブで先輩から学び、やがて後輩を支える立場になっていく経験も含めて、放課後が6年間の成長を支える時間になっています。

進路指導と大学合格実績|国公立・難関私大から医療・理系まで、将来の選択肢を広げる

カリタス女子中学高等学校は、大学附属校ではない完全中高一貫校です。高校卒業後は、生徒一人ひとりが自分の興味や将来像に合わせて大学・学部を選びます。

2026年春の大学合格実績では、国公立大学13名、早慶上理ICU41名、GMARCH83名という結果が出ています。一橋大学、東京科学大学、東北大学などの国公立大学に加え、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、青山学院大学、立教大学など、幅広い大学への合格者がいます。

一方、カリタス女子の進路指導は、難関大学への合格だけを目標にしたものではありません。中学段階から探究学習「i-Time」と連動した「夢実現プロジェクト」を実施し、自分の興味や得意なこと、社会との関わり方を考えながら進路を具体化していきます。

2026年春の卒業生153名、4年制大学への現役進学率は約82%

2026年3月の高校卒業生は153名でした。このうち126名が4年制大学へ進学し、専門学校などへの進学が3名、進学準備が24名となっています。

2026年春の進路状況人数
卒業生数153名
4年制大学進学126名
短期大学進学0名
専門学校・各種学校進学3名
進学準備24名

4年制大学への現役進学率は約82.4%です。

前年の2025年春は卒業生171名のうち150名が4年制大学へ進学しており、現役進学率は約87.7%でした。2024年春は164名中141名で約86.0%となっています。

卒業年卒業生数4年制大学進学者現役進学率
2024年春164名141名約86.0%
2025年春171名150名約87.7%
2026年春153名126名約82.4%

現役進学率は年度によって変動しており、2026年春は前の2年間より低くなりました。ただし、進学準備の人数だけをもって、大学に合格できなかった生徒の割合と考えることはできません。第一志望を目指して翌年度の受験を選ぶ生徒も含まれます。

カリタス女子の一学年は150〜170名前後で、数百人規模の大規模校とは異なります。そのため、年度ごとの進路希望や受験結果が進学率へ反映されやすい面もあります。

学校の進路指導を評価するときは、一年度の現役進学率だけではなく、数年間の推移や大学・学部の広がりまで確認することが大切です。

国公立大学は13名|一橋・東京科学・東北・横浜国立などに合格

2026年春の国公立大学合格者数は延べ13名でした。

一橋大学、東京科学大学、東北大学のほか、東京学芸大学、東京農工大学、横浜国立大学、横浜市立大学など、首都圏を中心とした国公立大学にも合格者が出ています。

大学名2026年春の合格者数
一橋大学1名
東京科学大学2名
東北大学1名
東京学芸大学1名
東京農工大学1名
横浜国立大学2名
横浜市立大学1名
神奈川県立保健福祉大学1名
国際教養大学1名
群馬大学1名
福井大学1名
合計13名

進学分野にも特徴があります。一橋大学のような社会科学系、東京科学大学や東京農工大学のような理工・科学系、東京学芸大学の教育系、国際教養大学の国際系、神奈川県立保健福祉大学の医療・福祉系など、志望分野は一つに偏っていません。

カリタス女子では中学段階から英語・フランス語を学ぶため、語学や国際関係の大学を目指す生徒もいます。一方、数学の発展的な授業や理科実験などを通して、理工系・医療系を目指す生徒にも対応しています。

国公立大学を目指す場合には、複数教科をバランスよく学ぶ必要があります。高校での科目選択も含め、中学から積み上げてきた教科学習が大学受験へつながっていきます。

早慶上理ICU41名、GMARCH83名|私立大学への進路も幅広い

私立大学では、2026年春に早慶上理ICUで延べ41名、GMARCHで延べ83名が合格しています。

主な大学別の結果は次のとおりです。

大学名2026年春の合格者数
早稲田大学8名
慶應義塾大学11名
上智大学14名
東京理科大学7名
国際基督教大学(ICU)1名
早慶上理ICU合計41名
明治大学17名
青山学院大学21名
立教大学15名
中央大学9名
法政大学13名
学習院大学8名
GMARCH合計83名

これらは2026年5月8日時点の既卒生を含む延べ合格者数です。同じ生徒が複数の大学・学部に合格した場合は、それぞれの合格として計上されています。

そのため、早慶上理ICU41名という数字は、卒業生41名がそれぞれ一つずつの大学へ合格したことを意味するものではありません。また、合格者数と実際にその大学へ進学した人数も異なります。

大学別に見ると、上智大学14名、青山学院大学21名、立教大学15名など、語学・人文・社会科学系の学部を持つ大学に多くの合格者がいます。

一方、東京理科大学7名、明治大学17名、中央大学9名など、理工・情報・法学などの進路にも広がっています。

カリタス女子では中学1年から英語・フランス語の両方を学びますが、大学進学先が外国語学部や文学部だけに限られるわけではありません。語学を学びながら、数学・理科や社会科学など、自分の志望分野を選べることが進路の幅につながっています。

医学部・理工・医療系にも進学の道がある

カリタス女子の大学合格実績を見るうえで、医療・理系分野への合格者にも注目したいところです。

2026年春には、医学部に次のような合格者が出ています。

大学・学部合格者数
群馬大学医学部1名
金沢医科大学医学部1名
聖マリアンナ医科大学医学部1名
帝京大学医学部1名
東海大学医学部1名

このほか、東京科学大学、東京農工大学、東京理科大学など、理工・科学系の大学にも合格者がいます。

カリタス女子では、中学1年から高校1年まで数学を少人数で学び、発展的な学習を希望する生徒には「マスタークラス」も設けています。理科では実験を重視し、多摩川や多摩丘陵を調べる「タマロジー」などを通して、実際の自然現象から科学的な考え方を身につけます。

大学受験が近づく高校段階では、志望する大学・学部に合わせて数学や理科の学習を深めていきます。

カリタス女子は英語・フランス語教育が有名な学校ですが、語学系に限定された学校ではなく、医学・医療・理工系へ進む道も用意されていることが、合格実績から分かります。

また、海外大学への進学を希望する生徒には、海外大学推薦制度「UPAS」を利用する選択肢もあります。アメリカを中心とする協定大学への出願を支援する仕組みで、国内大学との併願も可能です。

英仏複言語教育や海外研修で外国語への関心を深めた生徒が、日本国内の大学だけでなく海外で学ぶことまで検討できるようになっています。

「夢実現プロジェクト」で、中学生から自分の将来を考える

カリタス女子の進路指導を特徴づけるのが、探究学習「i-Time」と連動した「夢実現プロジェクト」です。

このプログラムでは、進路を大学名や偏差値から考え始めるのではなく、まず自分自身と社会について理解するところから始めます。

中心となるのは、次の4つの視点です。

視点主な目的
自分を見つめる自分の興味・関心、得意なこと、価値観を知る
社会とつながる社会の課題や人々の暮らしについて考える
働くことをイメージするさまざまな職業と、その仕事の役割を知る
学問の世界に触れる大学で学ぶ内容や研究分野を知る

中学生の段階では、身近な大人への職業インタビューなどを行います。

仕事のやりがいや必要な能力、どのような人がその仕事に向いているかなどを質問し、聞き取った内容をポスターにまとめて発表します。

また、興味のある職業を一つ選び、書籍やインターネットで調べたり、実際にその仕事をしている人へ話を聞いたりする「職業探究」も行います。

さらに、興味のあるテーマについて自分で問いを立てる「マイテーマ探究」では、一つのテーマを継続的に調べる経験を積みます。

進路を具体的に考える段階では、大学の学部・学科を調べる活動や、大学生・社会人として活躍する卒業生の話を聞く機会もあります。

中学3年生や高校1年生にはオープンキャンパスへの参加を勧め、大学との連携によるキャンパスツアーや研究室訪問なども実施しています。

大学の教員が来校して講義を行う機会もあり、高校の教科書とは異なる大学の学問に触れることができます。

このように、カリタス女子のキャリア教育は、「自分は何が好きか」から始めて、「どのような仕事や学問につながるか」へ進む構成です。

自分の将来像が具体的になることで、日々の勉強を何のために行うのかも考えやすくなります。

放課後・土曜・長期休業の学習支援で、志望進路に合わせて力を伸ばす

大学受験を見据えた学習支援も、カリタス女子の進路指導の一部です。

中学校では基礎学力の定着を重視し、必要に応じて補習を行います。特に英語と数学では、定期試験の結果を踏まえた「指名補習制度」があります。

一方、学習意欲が高く、さらに発展的な内容へ取り組みたい生徒のための講習も用意されています。

学習支援主な内容
指名補習英語・数学を中心に、理解が不十分な内容を復習する
夏期講習中学生は基礎の復習や発展学習、高校生は大学受験対策など
土曜講座国語・数学・英語・フランス語、資格試験、ディベートなどの希望制講座
放課後講習高校生を中心とした大学受験対策。オンライン受講できる講座もある
高3自主講座大学入試直前期の希望者向け講座
登録制自習室19時まで利用できる学習スペース
卒業生チューター教科の質問や進路についての相談

中学生向けの講習には、英検対策、数学の集中演習、フランス語の復習、理科実験、読解力養成などがあります。

高校では大学入試を意識した講習が増え、国語・数学・英語・フランス語などで志望進路に合わせた学習ができます。

放課後講習には学校内で受講するものだけでなく、帰宅後にオンラインで受講できるものもあります。部活動との両立を考えながら選択できる仕組みです。

また、登録制の自習室は19時まで利用できます。図書館やカフェテリア周辺の教室などで学習でき、卒業生チューターへ教科の質問や進路相談をすることも可能です。

中高6年間を通して、学習につまずいた生徒への補習と、得意分野を伸ばしたい生徒への発展的な講座の両方を用意している点は、学校生活と大学進学をつなぐうえで重要です。

カリタス女子の進路指導は、難関大学への合格実績を持ちながらも、大学名だけを先に決める教育ではありません。i-Timeや夢実現プロジェクトで自分の興味と社会との関わりを考え、英仏複言語教育や教科学習を通して力を蓄え、必要な学習支援を利用しながら志望進路を実現するという流れになっています。

国公立大学、難関私立大学、医学・医療系、理工系、国際系、海外大学など、進路の選択肢は一つではありません。その中から、自分が大学で何を学びたいのか、将来どのように社会へ関わりたいのかを考えながら進路を選べることが、カリタス女子の6年間を通した進路教育の特徴です。

学費と諸経費|2027年度初年度は146万5,000円、6年間の教育費を考える

カリタス女子中学校の2027年度入学生について、入学金、授業料、維持費、積立金、諸会費を合わせた初年度の学校納付金は1,465,000円です。

このうち、入学手続き時に必要なのが入学金24万円と施設拡充費25万円の合計49万円。残る授業料・維持費・積立金・諸会費は、入学後に分割して納める仕組みになっています。

カリタス女子では、教科センター方式による専門教室の利用、一人1台のタブレット端末、英仏複言語教育、探究学習「i-Time」など、独自の教育環境を整えています。学費を比較するときには、授業料の金額だけでなく、教材・ICT端末・校外学習に関する費用がどこまで含まれているかを見ることが大切です。

2027年度の初年度納付金は合計146万5,000円

2027年度入学生の初年度納付金は、次のようになっています。

項目金額納入時期・内容
入学金240,000円入学手続き時
施設拡充費250,000円入学手続き時
授業料480,000円年額(月額40,000円)
維持費228,000円年額(月額19,000円)
積立金236,000円教材費・校外学習費・ICT関連費用など
諸会費31,000円後援会入会金・後援会費
初年度合計1,465,000円制服などの購入費は別途

学校が示す「中学1年時学校納付金1,198,000円」は、入学金・施設拡充費・授業料・維持費の合計です。そこへ積立金236,000円と諸会費31,000円を加えると、初年度の納付総額は1,465,000円となります。

したがって、学校間で学費を比較する際には、119万8,000円だけを初年度の総費用として扱わないようにしたいところです。

なお、初年度納付金には制服などの学校指定品の購入費は含まれていません。家庭で準備する予算は、146万5,000円より多くなります。

入学手続き時には49万円、納入期限は2月5日15時

2027年度入試では、合格後の入学手続きに際して490,000円を納めます。

入学時納入金金額
入学金240,000円
施設拡充費250,000円
合計490,000円

一般入試の第1回から第4回、英語資格入試について、入学時納入金の締切は2027年2月5日(金)15時に設定されています。

手続きは入学金決済システムを利用し、コンビニエンスストア払い、クレジットカード払い、ペイジー払いから選択します。支払い方法に応じて決済手数料が発生します。

入学金と施設拡充費の両方を納めることで入学手続きが完了するため、いずれか一方だけでは手続き完了にはなりません。

入学許可書の交付は2月11日、制服採寸も同日に予定されています。入学手続きを終えた家庭は、その後に制服などの準備へ進むことになります。

中学受験では、第一志望校の結果を待ちながら別の学校の入学手続きを行うことがあります。カリタス女子を併願校として考える場合には、2月5日15時までに49万円を用意できるかを、受験計画の段階から確認しておくことが重要です。

授業料と維持費は年間70万8,000円、入学後は年6回に分けて納入

入学後に継続して必要になる基本的な校納金は、授業料と維持費です。

項目月額換算年額
授業料40,000円480,000円
維持費19,000円228,000円
合計59,000円708,000円

授業料と維持費だけを見ると、月額換算で59,000円、年間708,000円となります。

ただし、実際の納入方法は毎月払いではありません。入学時納入金を除く費用については、積立金や諸会費も含めて年6回に分けて納入する方式です。

初年度の入学後に納める金額を整理すると、次のようになります。

入学後の年間納付金金額
授業料480,000円
維持費228,000円
積立金236,000円
諸会費31,000円
合計975,000円

年間975,000円を6回に分けて納めるため、家庭では授業料の月額だけでなく、各納入時期にまとまった金額が必要になることを想定しておきたいところです。

また、授業料や維持費は経済情勢などによって改定される可能性があります。中学校から高校まで6年間通う場合には、現在の金額が卒業まで固定されるとは限りません。

積立金23万6,000円には教材・校外学習・タブレット端末代などが含まれる

初年度納付金の中で、内容を確認しておきたいのが積立金236,000円です。

この積立金には、次のような費用が含まれています。

  • 授業で使用する教材費
  • 校外学習に関する費用
  • 一人1台使用するタブレット端末の購入費(初年度のみ)
  • 授業支援用ソフトウェアの利用費
  • ICT端末の保守に関する費用

カリタス女子では、教科センター方式による授業のほか、i-Timeでの調査・発表、外国語の音声学習、理科の実験・観察、校外フィールドワークなどを行います。

こうした学習で使用する教材や端末、校外活動の費用が、授業料とは別に積立金として設定されています。

特にタブレット端末については、初年度の購入費が積立金に含まれている点が重要です。学校によっては入学時に端末を別途購入するケースもありますが、カリタス女子の場合は初年度の積立金の中に購入費が組み込まれています。

ただし、端末の購入費は機種などによって変動する可能性があります。また、中学2年以降の積立金は、初年度と同じ金額になるとは限りません。

校外学習についても、学年によって活動内容が変わります。中学1年の自然体験、中学2年の校外学習、中学3年の長崎研修旅行など、6年間で異なる活動が用意されています。

積立金は単なる諸雑費ではなく、教室の外へ学びを広げる活動やICT教育を支える費用でもあります。学校生活でどのような活動に使われるのかを確認しておくと、金額の意味を理解しやすくなります。

制服・昼食・クラブ・海外研修は、家庭や本人の選択によって費用が変わる

初年度納付金とは別に、入学準備や日常生活で必要になる費用もあります。

まず入学時には、制服、通学用品、体育用品などの学校指定品を購入します。これらの購入費は初年度納付金1,465,000円には含まれていません。

また、学校生活が始まると、昼食やクラブ活動に関する費用が発生します。

項目費用の考え方
制服・学校指定品入学時に購入。必要な品目や数量によって金額が変わる
昼食家庭からの弁当持参、校内での弁当・パンなどの購入費
クラブ活動活動内容によって用具・衣装・楽器・大会・合宿などの費用が発生
希望制の海外研修渡航先・滞在期間・プログラムによって費用が異なる
日常の通学鉄道・路線バスの定期券代など

カリタス女子にはカフェテリアがあり、弁当やパンなどを購入できます。毎日家庭から弁当を持参する場合と、校内で購入する日が多い場合では、月々の昼食費が変わります。

クラブ活動も同様です。水泳や球技などの運動部では用具や遠征費、オーケストラ部や軽音楽部などでは楽器や演奏活動に関係する費用が必要になる場合があります。

さらに、カリタス女子の特徴である国際教育では、希望者向けの海外研修や留学プログラムが複数用意されています。

中学3年以降に参加できる海外研修については、費用が渡航先によって異なり、おおむね15万円程度からとされています。

カナダ研修、マルタ研修、ターム留学、フランス短期留学などでは、渡航期間や滞在方法が異なります。長期の留学を希望する場合には、通常の学校納付金とは別に、まとまった費用を準備する必要があります。

全員が海外研修へ参加するわけではありませんが、中学入学後に本人が留学へ興味を持つ可能性もあります。英仏複言語教育をどこまで校外での経験につなげたいかによって、6年間の教育費には違いが生まれます。

施設拡充費25万円の返還制度と、6年間の予算計画

カリタス女子には、入学手続き後に他校への進学を決めた場合の返還制度があります。

2027年度入試では、入学手続きを完了したあとでも、2027年3月31日までに所定の入学辞退届を提出した場合、施設拡充費250,000円が返還されます。

一方、入学金240,000円は返還対象ではありません。

入学辞退時の取り扱い金額
入学金240,000円(返還なし)
施設拡充費250,000円(所定の期限・手続きにより返還)

入学手続き時には49万円が必要ですが、期限内に所定の辞退手続きを行えば、そのうち25万円が戻る仕組みです。

カリタス女子を併願校として考える家庭では、2月5日15時の入学手続き期限と、3月31日の施設拡充費返還期限を分けて把握しておくとよいでしょう。

また、入学決定後には、任意の寄付についても案内があります。金額は1口50,000円で2口以上、合計100,000円以上の協力を求める内容ですが、これは任意の寄付であり、初年度の必須納付金1,465,000円には含まれません。

最後に、6年間の教育費を考えるうえでは、初年度だけの費用と毎年発生する費用を区別しておくことが大切です。

費用の種類6年間での考え方
入学金・施設拡充費中学入学時に必要な費用
授業料・維持費毎年継続して必要。高校進学後や学費改定によって金額が変わる可能性がある
教材・ICT・校外活動費学年や行事によって変動する
制服・指定品入学時の購入に加え、成長に伴う買い替えなどが発生する場合がある
海外研修・留学希望するプログラムに応じて別途準備
クラブ・昼食・交通費本人の活動内容や通学方法によって異なる

仮に授業料と維持費が現在の年間708,000円のまま6年間続いた場合、この2項目だけで合計4,248,000円となります。ただし、これは今後の学費改定や高校進学後の制度変更を考慮しない単純計算です。実際には積立金、諸会費、校外活動費なども加わるため、6年間の総額をこの数字だけで見積もることはできません。

カリタス女子では、完全中高一貫教育の中で、英語・フランス語、教科センター方式、探究活動、宗教教育、海外研修などを組み合わせています。

学費を比較するときには、初年度の146万5,000円という金額だけでなく、本人が6年間でどのような学習や体験に取り組みたいのか、そのためにどこまで費用を準備できるのかを考えることが重要です。

入試情報と合格の目安|2027年度は4回の一般入試と英語資格入試を実施

カリタス女子中学校の2027年度入試では、2月1日午前・午後、2月2日午後、2月3日午前の計4回の一般入試が実施されます。さらに、2月2日午後には英検3級以上などの資格を持つ受験生を対象とした「英語資格入試」も設けられています。

一般入試では、4科型のほか、国語・算数の2科型、国語と算数または理科を選択する方式を用意しています。特に2月2日午後は、算数ではなく理科を選んで受験することもできるため、得意科目を生かした受験が可能です。

また、カリタス女子には複数回受験した際に、各教科の最も高い得点を後の入試回の判定に利用する優遇制度があります。第一志望として複数回挑戦する場合には、この制度を理解しておくことが重要です。

2027年度入試は4回実施|募集人数は合計約110名

2027年度の一般入試は、次の4日程で実施されます。

入試回試験日募集人数試験科目満点
第1回2月1日(月)午前約30名国語・算数・社会・理科300点
第2回2月1日(月)午後約35名国語・算数200点
第3回2月2日(火)午後約30名国語+算数または理科200点
第4回2月3日(水)午前約15名国語・算数・社会・理科300点
英語資格入試2月2日(火)午後若干名国語100点

一般入試4回の募集人数は合計約110名です。このほかに英語資格入試と帰国生入試が設定されています。

最も募集人数が多いのは、2月1日午後の第2回で約35名です。第1回は約30名、第3回も約30名、第4回は約15名となっています。

ただし、募集人数が多い入試回ほど合格しやすいとは限りません。午後入試には午前に別の学校を受験した生徒が集まり、後半日程ではそれまでの合格状況によって受験者層が変わります。

特に2月1日は午前・午後の両方に試験があるため、カリタス女子を1日に2回受験することも、午前または午後の一方を他校との併願に使うことも可能です。

4科は300点、2科は200点|第3回では算数・理科を選択できる

2027年度の一般入試では、国語・算数は各100点満点、社会・理科は4科型の場合に各50点満点となっています。

入試方式科目試験時間配点
4科型(第1回・第4回)国語50分100点
算数50分100点
社会30分50点
理科30分50点
2科型(第2回)国語50分100点
算数50分100点
選択2科型(第3回)国語50分100点
算数または理科50分100点

第1回と第4回は4科型で、国語・算数がそれぞれ100点、社会・理科がそれぞれ50点の合計300点満点です。

第2回は国語・算数の2科型で、各100点の合計200点満点となります。

特徴的なのが、2月2日午後の第3回です。国語は必須ですが、もう1科目を算数と理科から出願時に選択できます。

一般的な中学入試では、理科は4科型の一部として受験することが多く、算数の代わりに理科を選択できる学校は限られます。

そのため、国語と理科に強みがある一方、算数の得点が安定しない受験生にとって、第3回は検討する価値のある入試方式です。

ただし、第3回の理科は4科型の理科とは異なり、50分・100点満点で出題されます。4科型の30分・50点の理科と同じ条件ではないため、過去問演習では第3回の問題を使って準備する必要があります。

英語資格入試は英検3級以上が出願条件|当日の試験は国語1科

2027年度も、2月2日午後に英語資格入試が実施されます。

出願できるのは、英検3級以上、または英検3級相当以上の他の資格・スコアを取得している女子受験生です。他の資格を利用する場合には、英語の4技能を測定した資格・スコアであることが条件となります。

項目英語資格入試
試験日2027年2月2日(火)午後
募集人数若干名
出願条件英検3級以上、または同等以上の4技能資格・スコア
試験科目国語のみ
試験時間50分
配点100点
資格証明書の提出期限2027年1月28日(木)必着

英語資格入試では、当日に英語の試験を受けるわけではありません。出願時に英語資格の条件を満たしていることを確認し、試験当日は国語100点満点の得点で判定します。

英検3級が60点、準2級が70点というように、取得級を入試得点へ換算して加算する方式ではありません。この点は、英語資格による加点方式を採用している他校との違いです。

英語資格入試の国語は、同日午後の一般入試第3回と共通の問題が使用されます。

また、英語資格入試の出願受付は2月2日正午までですが、資格を証明する書類は1月28日までに郵送で到着している必要があります。出願締切と書類提出期限が異なるため、利用を考えている家庭は早めに準備しておきたいところです。

カリタス女子では入学後に英語とフランス語の両方を学びます。小学生のうちから英語に取り組んできた受験生にとって、この入試は学校の外国語教育と自分の得意分野を結びつける入口になります。

複数回受験では各教科の最高点を利用|受験料の優遇もある

カリタス女子の入試で押さえておきたいのが、複数回受験者に対する得点の優遇措置です。

一般入試を2回以上受験した場合、それぞれの教科について、それまでに受験した回の得点を比較し、最も高い得点を後の入試回の判定に使用します。

たとえば、次のようなケースを考えてみましょう。

受験回国語算数2科合計
第1回65点85点150点
第2回80点70点150点
第2回での優遇判定80点85点165点

この例では、第1回の算数85点と第2回の国語80点を組み合わせることで、第2回の判定に使われる得点は165点になります。

つまり、最初の受験で算数がよくできた場合、次の受験では国語で得点を伸ばせば、優遇によって合計点を高められる可能性があります。

第3回や第4回でも同様の制度があり、受験済みの各教科の最高点が後の判定に利用されます。理科については、第3回の100点満点と4科型の50点満点を比較できるよう、判定する入試回の満点に合わせて換算されます。

この制度は追加出願にも適用されるため、最初からすべての回に出願していなくても利用できます。ただし、一般入試と帰国生入試の得点を組み合わせることはできません。

受験料は原則として1回22,000円ですが、2月1日の第1回と第2回の両方に出願する場合は、合計33,000円になります。

通常であれば44,000円となるところ、11,000円の優遇があります。同時出願だけでなく追加出願でも適用されますが、同じマイページから手続きする必要があります。

一方、午前の4科入試が12時20分に終了し、午後の国語・算数は15時40分から17時40分まで続きます。両方を受験する場合には、得点上の優遇だけでなく、昼食や休憩を含めて本人の体力的な負担も考えておきたいところです。

2026年度の実質倍率は第1回約3.9倍、第4回約4.7倍

2027年度の難易度を考える際には、直近の2026年度入試結果が参考になります。

2026年度入試志願者数受験者数合格者数実質倍率
第1回(2月1日午前)162名150名38名約3.9倍
第2回(2月1日午後)279名267名115名約2.3倍
第3回(2月2日午後)291名222名79名約2.8倍
英語資格入試26名20名7名約2.9倍
第4回(2月3日午前)164名109名23名約4.7倍

2026年度は、第1回と第4回の実質倍率が高くなりました。第1回は受験者150名に対して合格者38名で約3.9倍、第4回は受験者109名に対して合格者23名で約4.7倍です。

一方、第2回は受験者267名に対して115名が合格し、実質倍率は約2.3倍でした。

ただし、倍率だけを見て「第2回が最も入りやすい」と決めることはできません。午後入試は受験者の学力層が午前と異なり、複数回受験による優遇措置も判定に影響します。

また、2026年度の合格最低点は次のようになっています。

入試回合格最低点得点率
第1回211点/300点約70.3%
第2回135点/200点67.5%
第3回144点/200点72.0%
英語資格入試71点/100点71.0%
第4回212点/300点約70.7%

2026年度は、各回ともおおむね7割前後の得点が合格最低ラインとなりました。

ただし、これはその年度の問題の難度や受験者層、複数回受験の優遇措置を含めた結果です。2027年度も同じ得点率が合格最低点になるとは限りません。

特に第3回は、算数・理科の選択による得点調整があります。単純に過去問で何点取れたかだけではなく、出題傾向や受験方式との相性も確認しておきたいところです。

2027年度の偏差値と出願日程|受験回ごとの違いを確認する

2027年度入試に向けた四谷大塚の80%偏差値は、次のようになっています。

入試回四谷大塚80%偏差値
第1回(2月1日午前)48
第2回(2月1日午後)51
第3回(2月2日午後)51
第4回(2月3日午前)48

同じカリタス女子でも、午前入試と午後入試で偏差値の目安が異なります。第2回・第3回は、午前入試よりも高い偏差値が設定されています。

また、四谷大塚と首都圏模試、日能研、SAPIXでは受験者の母集団が異なります。異なる模試会社の偏差値を、そのまま同じ数字として比較することはできません。

自分が継続して受けている模試の判定を基準に、受験する日程・方式ごとの合格可能性を確認することが重要です。

2027年度の出願受付と合格発表は次のとおりです。

入試回出願締切合格発表予定
第1回1月30日(土)15:002月1日(月)21:00
第2回1月30日(土)15:002月1日(月)23:00
第3回2月2日(火)12:002月2日(火)23:00
英語資格入試2月2日(火)12:002月2日(火)23:00
第4回2月3日(水)6:002月3日(水)18:00

いずれも出願開始は2027年1月8日(金)9時で、インターネット出願となります。

第3回・第4回は試験当日近くまで出願を受け付けるため、前の入試結果を見て追加出願することもできます。ただし、第4回の締切は当日朝6時と早く、追加出願を予定する場合は余裕を持った準備が必要です。

入学手続きでは、2027年2月5日(金)15時までに入学金24万円と施設拡充費25万円、合計49万円を納めます。後日、所定の期限までに辞退手続きを行う場合には施設拡充費の返還制度がありますが、入学金は返還されません。

なお、海外滞在歴などの出願条件を満たす受験生には、2026年12月12日(土)の帰国生入試もあります。日本語作文、算数、英語またはフランス語、面接による試験で、一定の語学資格を持つ場合には外国語試験の免除制度があります。

カリタス女子を第一志望とする場合には、第1回から複数回受験し、教科ごとの最高点を利用できる優遇制度を生かす方法があります。一方、他校との併願を考える場合には、2月1日午後や2月2日午後を組み合わせやすく、英語資格や理科の得意分野を利用することもできます。

自分の得意科目、過去問との相性、複数回受験の優遇、そして2月1日から3日の受験日程。これらを合わせて考えることが、カリタス女子の入試制度を生かすうえで重要です。

併願校パターン|多摩・世田谷・川崎の女子校と共学校をどう組み合わせるか

カリタス女子中学校の2027年度入試は、2月1日午前・午後、2月2日午後、2月3日午前の4回です。さらに2月2日午後には英語資格入試も実施されます。

この日程の特徴は、2月1日に午前・午後の両方で受験できることと、2月2日午前が空いていることです。カリタス女子を第一志望とする場合には複数回受験を組み込みやすく、他校を第一志望とする場合にも午後入試として利用できます。

通学圏が重なる学校には、鴎友学園女子、恵泉女学園、大妻多摩、日本女子大学附属、普連土学園、富士見などの女子校があります。また、共学校まで範囲を広げると、東京都市大学等々力や東京電機大学なども比較対象になります。

ただし、併願校は偏差値だけで決めるものではありません。学校の教育方針、本人の得意科目、入試日程、合格発表時刻、通学距離を組み合わせ、実際に合格したときに進学したいと思える学校を選ぶことが大切です。

2027年度入試では、2月1日午後と2月2日午前の使い方が重要

まず、カリタス女子自身の入試日程を整理すると、併願の組み方が見えてきます。

日程カリタス女子の入試併願上の考え方
2月1日午前第1回・4科第一志望なら最初の受験機会。上位校を受験する家庭は他校へ使うこともできる
2月1日午後第2回・国語・算数午前に他校を受験した後にも組み込みやすい
2月2日午前入試なし他校の入試や休息に充てられる
2月2日午後第3回・国語+算数または理科/英語資格入試得意科目や英語資格を生かせる受験機会
2月3日午前第4回・4科複数回受験の優遇を利用した後半の受験機会
2月3日午後以降一般入試なし他校の後半入試へ切り替えられる

カリタス女子には、一般入試を複数回受験した場合、過去に受験した各教科の最高得点を後の入試回の判定に利用する優遇制度があります。

そのため、第一志望であれば第1回から受験し、第2回・第3回へ進む組み方に意味があります。受験回数を増やすことが単純に合格を保証するわけではありませんが、得意科目で一度取れた高得点を後の回に生かせる仕組みです。

一方、2月1日午前に鴎友学園女子や日本女子大学附属などを受験し、午後にカリタス女子を受験することもできます。ただし、午前校からカリタス女子までの移動時間を十分に確保する必要があります。

チャレンジ校候補|鴎友学園女子・頌栄女子学院・香蘭女学校

カリタス女子を併願校として考え、さらに高い難度の女子校へ挑戦する場合には、鴎友学園女子中学校、頌栄女子学院中学校、香蘭女学校中等科などが候補になります。

鴎友学園女子は東京都世田谷区にある完全中高一貫の女子校です。2027年度は2月1日午前と2月3日午前に4科入試を実施します。

2月1日午前に鴎友学園女子の第1回を受験し、午後にカリタス女子の第2回を受験する形は、日程上組み合わせられます。鴎友学園女子の最寄り駅である経堂駅と、カリタス女子への入口となる登戸駅は小田急線でつながっており、比較的移動経路を考えやすい組み合わせです。

また、2月3日には鴎友学園女子の第2回とカリタス女子の第4回が午前に重なるため、どちらを優先するかを決める必要があります。

頌栄女子学院は、英語教育に力を入れるプロテスタント系の女子校です。2027年度は2月1日午前と2月5日に入試があります。英検3級以上の取得者が利用できる英語利用入試も設けられているため、英語学習を進めてきた受験生には比較対象となります。

香蘭女学校もキリスト教を教育の基礎とする女子校で、2027年度は2月1日午前と2月2日午後に入試があります。2月1日午前に香蘭女学校、午後にカリタス女子という組み方は可能ですが、2月2日午後の香蘭女学校第2回はカリタス女子第3回と重なります。

学校2027年度の主な入試日カリタス女子との関係
鴎友学園女子2月1日午前・3日午前1日午後のカリタス女子と併願可能。3日午前は重複
頌栄女子学院2月1日午前・5日1日午後のカリタス女子と併願可能
香蘭女学校2月1日午前・2日午後1日午後とは併願可能。2日午後は重複

これらの学校はカリタス女子より高い偏差値帯となる入試回が多く、模試成績によってはチャレンジ校として位置づけられます。

ただし、学校文化には違いがあります。カリタス女子はカトリック、鴎友学園女子と頌栄女子学院はプロテスタント系の教育背景を持ち、香蘭女学校には立教大学への推薦進学制度があります。

大学進学までの考え方や宗教教育の位置づけも含めて比較すると、単なる偏差値上の併願とは異なる学校選びができます。

比較しやすい女子校|恵泉女学園・日本女子大学附属・富士見・大妻多摩

カリタス女子と同程度の偏差値帯、あるいは模試成績に応じて標準校・安全寄りの候補として検討できる女子校には、恵泉女学園、日本女子大学附属、富士見、大妻多摩などがあります。

恵泉女学園は東京都世田谷区にあるプロテスタント系の女子校で、園芸教育や国際理解教育などに特徴があります。2027年度は2月1日午後、2月2日午前、2月3日午後の3回入試です。

カリタス女子とは2月1日午後が重なりますが、2月2日午前に恵泉女学園を受験し、午後にカリタス女子第3回を受験する組み方が可能です。

日本女子大学附属は川崎市多摩区にあり、カリタス女子と通学圏が重なりやすい学校です。2027年度は2月1日午前・午後、2月2日午後、2月3日午前に入試を実施します。

特に2027年度からは2月2日午後に国語・算数の2科入試が新設されます。このため、カリタス女子の第3回・英語資格入試と重なります。

富士見は東京都練馬区にある女子校で、2月1日・2日・3日の午前に4科入試を実施します。2月2日午後には算数1科入試もありますが、これはカリタス女子の第3回と重なります。

大妻多摩は東京都多摩市にあり、2月1日午前・午後、2月2日午前・午後、2月4日に入試があります。国語・算数の2科型や4科型に加え、一部では算数1科型も選べます。

学校2027年度の主な日程併願のポイント
恵泉女学園2月1日午後・2日午前・3日午後2日午前、3日午後を利用しやすい
日本女子大学附属2月1日午前・午後、2日午後、3日午前1日午前とカリタス女子1日午後を組み合わせられる
富士見2月1日午前・2日午前・2日午後・3日午前1日午前または2日午前と、カリタス女子の午後入試を組み合わせられる
大妻多摩2月1日午前・午後、2日午前・午後、4日カリタス女子の入試がない4日にも受験できる

同じ女子校でも、カリタス女子の英仏複言語教育やカトリック教育に対し、恵泉女学園は園芸とキリスト教教育、日本女子大学附属は大学までつながる教育環境、富士見は探究と教科学習、大妻多摩は英語・理数・探究を組み合わせた教育など、重点の置き方が異なります。

また、標準校・安全校という位置づけは受験生によって変わります。カリタス女子より偏差値が低く見える入試回でも、午後入試や後半日程では難度が上がる場合があります。

学校名だけで判断するのではなく、受験する回の偏差値、直近の実質倍率、本人の過去問得点を確認したうえで位置づけを決めたいところです。

共学校も検討するなら、東京都市大学等々力・東京電機大学が候補

女子校に限定せず、共学校も比較したい場合には、東京都市大学等々力中学校、東京電機大学中学校などが候補になります。

東京都市大学等々力は世田谷区にある共学校で、大学進学を見据えた学習指導と探究・グローバル教育を組み合わせています。

カリタス女子とは、小田急線・南武線沿線からの通学を考える家庭で比較対象になり得ますが、実際の通学経路は異なります。学校の最寄り駅までの乗り換えや所要時間を確認する必要があります。

東京電機大学中学校は東京都小金井市にある共学校で、理科や数学、ICTなどへの関心が強い受験生にとって比較対象になります。

2027年度は2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午後に入試があります。特に2月2日午前と2月4日午後は、カリタス女子の一般入試と重ならないため、日程上組み合わせることができます。

理科が得意な受験生の場合には、カリタス女子第3回の「国語+理科」と、理数系教育に特徴のある共学校をあわせて検討する方法も考えられます。

ただし、カリタス女子は完全中高一貫の女子校であり、英語・フランス語とカトリック教育を学校の柱にしています。一方、共学校では男女がともに学び、大学附属・系列の制度や理数教育など、異なる特色があります。

偏差値が近いという理由だけでなく、女子校と共学校のどちらで6年間過ごしたいかを本人と話し合っておくことが大切です。

カリタス女子が第一志望なら、複数回受験の優遇を軸に組み立てる

カリタス女子への進学希望が強い場合には、第1回から受験し、結果に応じて第2回・第3回・第4回へ進む組み方が基本になります。

特に、複数回受験者に対する各教科の最高点を利用する優遇制度があるため、最初の回で合格できなかった場合にも、それまでに取れた得点を次の判定に生かせる可能性があります。

日程受験プラン例考え方
2月1日午前カリタス女子 第1回第一志望として最初の入試から受験する
2月1日午後カリタス女子 第2回複数回受験の優遇を利用する
2月2日午前恵泉女学園 第2回/大妻多摩 第3回など別の進学先を確保するための受験機会
2月2日午後カリタス女子 第3回/英語資格入試得意科目や資格を生かして受験する
2月3日午前カリタス女子 第4回一般入試最後の受験機会
2月3日午後恵泉女学園 第3回/共立女子2科入試など合格状況に応じて追加の受験機会を確保する
2月4日大妻多摩 第5回/普連土学園4科入試など必要な場合に後半日程を利用する

このプランでは、2月1日にカリタス女子を午前・午後の2回受験する形を想定しています。

ただし、カリタス女子第1回の終了は昼頃で、第2回の試験は夕方まで続きます。小学6年生にとって、4科入試と2科入試を同じ日に続けて受験することは相応の負担になります。

複数回受験の優遇があるからといって、必ずすべての回を受験する必要はありません。本人の体力や過去問との相性を考え、どの回を重視するか決めておきたいところです。

また、2月2日午後には一般入試第3回と英語資格入試が同時に行われるため、両方を受験することはできません。

英検3級以上の資格がある受験生は、国語1科で判定される英語資格入試と、国語・算数または国語・理科の一般入試のどちらが自分に合っているか、事前に比較しておく必要があります。

合格発表・手続き期限・移動時間まで含めて最終調整する

併願校を組み合わせる際には、試験日程が重ならないことだけでなく、合格発表と入学手続きの期限を確認する必要があります。

カリタス女子の2027年度一般入試は、第1回が2月1日21時、第2回が同日23時、第3回が2月2日23時、第4回が2月3日18時の合格発表予定です。

第1回・第2回の結果は2月1日夜に出るため、翌2日の出願や受験をどうするか、夜のうちに判断する場面もあります。

一方、併願校によっては、カリタス女子の合格発表より前に出願締切が設定されていたり、入学手続き期限が早かったりします。

特に上位校を第一志望としている場合には、「カリタス女子に合格したらどの学校の受験を続けるか」「どこまで入学手続き金を納めるか」を事前に決めておくと判断しやすくなります。

また、2月1日午前に別の学校を受験して午後にカリタス女子へ移動する場合には、交通経路だけでなく、昼食や休憩の時間も必要です。

世田谷・川崎・多摩地域の学校は地図上では近く見えても、鉄道の乗り換えや駅から学校までの移動によって、想定より時間がかかることがあります。

さらに、カリタス女子には入学手続き時に49万円を納める制度があり、2027年度は2月5日15時が手続き期限です。所定の期限までに入学を辞退した場合は施設拡充費25万円が返還されますが、入学金24万円は返還されません。

したがって、最終的な受験計画では、試験日程だけでなく、入学手続き金の支払いと返還条件も含めて考える必要があります。

カリタス女子の併願戦略は、複数回受験の優遇を利用できること、2月1日午後と2月2日午後に受験機会があること、英語資格や理科の得意分野を使えることが特徴です。

一方で、最も大切なのは、合格した学校へ本人が納得して進学できるかどうかです。カトリック教育、英仏複言語教育、教科センター方式に魅力を感じてカリタス女子を志望するのであれば、併願校も単なる難易度比較ではなく、6年間でどのような学校生活を送りたいかという視点から選びたいところです。

在校生・保護者の声|教科センター方式とカトリック教育から見える学校の日常

カリタス女子中学校の評判を考える際には、英仏複言語教育や教科センター方式といった教育制度だけでなく、そこで実際に生徒がどのように過ごしているのかを見ることが大切です。

学校生活の様子からは、授業ごとに教室を移動する忙しさ、二つの外国語を学ぶ楽しさ、中高生が一緒に活動するクラブや学校行事、カトリックの精神を日常生活へ結びつける姿などが見えてきます。

一方で、学校生活についての感じ方は一人ひとり異なります。特にカリタス女子の場合、教科センター方式・ノーチャイム制・英仏複言語教育という特徴的な仕組みが、自分の子どもに合っているかは、入学前に確かめておきたいところです。

内部進学生と外部入学生は、入学直後から新しい関係をつくる

カリタス女子中学校には、併設のカリタス小学校から内部進学する生徒と、中学受験を経て入学する生徒がいます。

2025年度の中学1年生219名のうち、内部進学生は82名でした。学年全体のおよそ4割が併設小学校からの進学者で、残る約6割は外部から入学した生徒です。

保護者にとって気になるのは、内部進学生の間ですでに友人関係ができている中へ、外部入学生が自然に入っていけるかという点でしょう。

カリタス女子では、入学直後からさまざまな生徒と話す機会を設けています。たとえば最初の約1か月間は、普段の仲良しグループだけで昼食をとるのではなく、通学路線、誕生月、名前などをもとにグループを組みます。

さらに4月の球技大会、5月のオリエンテーションキャンプでは、クラスやグループで協力しながら活動します。

2025年度の入学式では、在校生代表が自分自身の入学時を振り返り、当初の不安が間もなくなくなったことを新入生へ伝えています。

もちろん、全員が同じ速さで学校生活になじめるわけではありません。それでも、内部進学・外部入学という違いを越えて、新しい友人関係をつくるための機会が学校生活の中に設けられていることは、入学後を考えるうえで重要です。

教科センター方式は、自由な反面、自分で準備する習慣が求められる

カリタス女子を検討する家庭が特に気にするのが、教科センター方式です。

一般的な学校では、ホームルーム教室へ教員が来て授業を行います。一方、カリタス女子では、生徒が自分の時間割を確認し、国語、数学、英語、フランス語、理科などの専門教室へ移動します。

しかも、授業開始と終了を知らせるチャイムは鳴りません。生徒は自分で時計を確認し、必要な教科書や教材を準備して移動します。

これは、自主性を育てるための仕組みですが、中学入学直後から全員が完璧にできるとは限りません。小学校では教室移動の機会が少なかった子にとって、最初は教室の場所を覚えたり、持ち物を管理したりすることにも慣れが必要でしょう。

ただし、カリタス女子ではクラスのまとまりがなくなるわけではありません。クラスごとのホームベースがあり、荷物を整理したり、友人と話したりする生活拠点になっています。

また、授業自体は基本的にクラス単位で進み、体育祭や文化祭などでもクラスの仲間と協力します。

教科センター方式は、毎時間異なる教室へ移動すること自体が目的ではありません。自分で時間を管理し、授業に必要なものを準備し、自分から学びに向かう習慣を身につけることが狙いです。

保護者としては、教室移動に慣れるまで学校がどのように支援しているか、忘れ物や移動の遅れがあったときにどう対応しているかも確認しておくと、入学後の生活を想像しやすくなります。

英語とフランス語を学ぶことで、外国語への見方が広がる

在校生の声でも、カリタス女子ならではの経験として挙げられるのがフランス語の授業です。

中学1年から全員が英語を週6時間、フランス語を週2時間学びます。どちらも少人数授業を基本とし、外国人教員による会話の時間があります。

フランス語は中学入学時に初めて学ぶ生徒も多いため、既習者と初習者を分けて授業を行います。いきなり難しい文章を読むのではなく、発音や簡単な会話から学び始めます。

二つの言語を同時に学ぶと、同じ内容でも英語とフランス語では表現が異なることに気づきます。たとえば語順や発音、名詞の性など、英語にはない特徴にも触れます。

外国語を一つしか学んでいない場合には、「外国語といえば英語」という感覚になりがちです。しかし、カリタス女子では英語もフランス語も世界で使われる言語の一つとして扱い、それぞれの背景にある文化についても学びます。

また、外国語発表会では英語とフランス語によるスピーチ、劇、歌、プレゼンテーションなどが行われます。高校生の発表を見ることも、中学生にとって今後の学習の目標になります。

ただし、二つの外国語を学ぶことは、単純に学習負担が軽いという意味ではありません。英語の単語や文法を覚えながら、フランス語の発音や表現も身につける必要があります。

外国語そのものに興味がある子にとっては楽しみが増える一方、語学の学習量をどう感じるかには個人差があるでしょう。

カリタス女子を志望する場合には、英語教育の実績だけでなく、本人がフランス語を新しく学ぶことに興味を持てるかも大切な判断材料になります。

文化祭や部活動では、女子生徒が自分たちで考えて動く

カリタス女子の学校生活を知るうえで、毎年9月のマルグリット祭は重要な行事です。

2025年度のマルグリット祭では、文化祭執行部の生徒たちが「軌跡」というテーマを掲げ、これまでの学校生活で受け継いできたものと、これからの自分たちの可能性を表現しました。

文化祭執行委員長は、活動を振り返る中で、最初からできないと決めつけず、まず挑戦してみることの大切さを伝えています。

実際の準備では、クラス、委員会、クラブ、奉仕活動グループ、有志団体などがそれぞれ役割を担います。展示や発表を作るだけでなく、企画、会場準備、来場者への対応、当日の運営まで生徒が関わります。

また、文化祭前には、生徒会や有志が校門付近の広場「プラース」のレンガを磨く活動も行っています。来場者を迎える場所を自分たちで整えることも、学校生活の一部になっています。

クラブ活動では、中学生と高校生が一緒に練習するため、中学1年生は先輩から技術や活動の進め方を教わります。数年後には自分が後輩を指導する立場になります。

女子校では、文化祭の実行委員長も、部活動の部長も、体育祭を運営する生徒も女子です。誰かに任せるのではなく、さまざまな役割を自分たちで担います。

授業以外の場面でも、生徒自身が考え、仲間と協力し、学校を動かす経験があることは、カリタス女子の校風を理解するうえで見逃せない部分です。

カトリック教育は、祈りだけでなく奉仕活動にも表れている

カリタス女子はカトリック学校なので、毎朝の祈りやカトリック倫理の授業があります。

8時20分からの朝の時間には読書や祈りがあり、日常の学校生活の中で自分自身を見つめる時間を持ちます。

一方、学校が大切にする「普遍的な愛をもって 人に尽くす」という理念は、祈りの時間だけで完結するものではありません。

木曜日には宗教・奉仕活動の時間があり、アンジェラスの会、Petit pas de Caritas、バすけっと部などのグループが活動しています。

フィリピンの子どもたちへの学習支援、福島の農家を支援する物品販売、地域の清掃活動、フードドライブなど、活動内容は幅広くあります。

こうした活動では、社会問題について説明を聞いて終わるのではなく、自分たちに何ができるかを考え、実際に行動します。

カトリック学校に初めて通う家庭では、信者でなければ学校生活になじめないのではないかと心配することもあるでしょう。

カリタス女子では、キリスト教の信仰そのものを強制することはありません。祈りや宗教行事を通して、一人ひとりが大切な存在であることや、他者を尊重する姿勢を学びます。

ただし、宗教行事やカトリック倫理は学校生活の一部なので、宗教的な活動が全くない学校とは日常の雰囲気が異なります。

学校選びでは、信仰の有無だけでなく、本人が「人を大切にすること」「自分にできることを社会のために使うこと」という考え方に共感できるかを見ておきたいところです。

保護者が確認したいのは、学習支援と人間関係への対応

保護者にとっては、語学教育や施設だけでなく、入学後に困ったことが起きたとき、学校がどのように対応してくれるかも重要です。

カリタス女子では、学習面でつまずいた生徒に対して、教科担当者が個別に対応する仕組みがあります。特に英語と数学では、週1回の指名補習を行っています。

また、定期試験に向けた質問対応、自習室、卒業生チューターによる学習支援なども用意されています。

2025年度の中学1年生が初めて定期試験を受けた際には、学校側も、最初からうまく勉強できることだけを求めるのではなく、失敗した原因を見つけ、次の試験へ改善をつなげることを重視していました。

学校生活では、友人関係に悩む場面もあるかもしれません。カリタス女子は、いじめが全くないとは説明していません。問題が起きた場合には当事者双方の話を聞き、家庭とも協力しながら解決を図る方針です。

校内にはカウンセリングルームがあり、生徒や保護者が相談できる環境も設けています。

保護者と学校が直接話す機会としては、前期・後期の保護者会、7月の面談などがあります。必要に応じて面談の機会を追加することもあります。

また、クリスマス会、外国語発表会、合唱コンクールなど、保護者が見学できる行事もあります。学校生活を家庭から把握するうえでは、こうした機会も役立ちます。

学校の雰囲気については、海外から来た留学生が、文化祭や体育祭の準備を楽しい思い出として挙げ、友人や先生に助けられながら学校生活を送った経験を紹介しています。一方で、慣れない授業や忙しい日常に苦労したことにも触れています。

こうした一人の経験を全生徒へ当てはめることはできませんが、学校生活の楽しさと負担の両方を考える材料になります。

カリタス女子は、教科センター方式で自分から動き、英語とフランス語を学び、行事や奉仕活動にも参加する学校です。その分、学校生活は必ずしも余裕のある時間ばかりではありません。

だからこそ、学校説明会やマルグリット祭などでは、生徒がどのように授業間を移動しているか、先生とどのように話しているか、休み時間にはどこで過ごしているかまで見ておくとよいでしょう。

二つの外国語を学ぶことを楽しめるか。自分で予定を管理する生活になじめそうか。カトリックの精神や奉仕活動に共感できるか。こうした点を本人と一緒に確かめることで、カリタス女子の評判を、自分たちにとって意味のある学校選びの判断材料へ変えることができます。

この学校に向いている子の特徴|二つの外国語を学び、自分から行動できる子

カリタス女子中学校は、英語とフランス語の複言語教育、教科センター方式、探究学習、カトリック教育という、特色のはっきりした学校です。そのため、偏差値や大学合格実績だけでなく、本人の興味や学習スタイルが学校生活と合っているかが、6年間の充実度を左右します。

特に注目したいのは、二つの外国語を学ぶことを楽しめるか、自分で時間や持ち物を管理する生活に前向きになれるか、他者との違いを尊重しながら協力できるか、という点です。

ただし、入学時から英語が得意である必要も、最初から自主性が十分に身についている必要もありません。カリタス女子の教育には、6年間を通してそうした力を育てるという側面があります。

現時点で何ができるかだけでなく、この環境でどのような力を身につけたいかという視点から、学校との相性を考えてみましょう。

英語だけでなく、フランス語や異文化にも興味を持てる子

カリタス女子に向いている子の特徴として、まず挙げられるのが外国語や異なる文化に対する好奇心です。

カリタス女子では、中学1年から全員が英語とフランス語を学びます。英語だけでも学習量が多い中学校はありますが、フランス語も必修として学ぶ点は大きな特色です。

フランス語は、中学入学後に初めて学ぶ生徒も多くいます。そのため、入学前からフランス語を話せる必要はありません。

大切なのは、新しい言語に触れたときに「英語とは発音が違う」「同じ意味なのに表現が異なる」といった発見を楽しめるかどうかです。

たとえば、次のような子には複言語教育が魅力になりやすいでしょう。

  • 英語の歌や映画、外国の文化に興味がある
  • 知らない言葉を聞くと、意味や発音を調べたくなる
  • 外国の人と話してみたいと思っている
  • 英語以外の言語にも触れてみたい
  • 将来、海外留学や国際交流に挑戦してみたい

カリタス女子では、英語とフランス語の発表会や、希望者向けの海外研修・留学プログラムもあります。教室で覚えた表現を実際に使う機会が用意されているため、学習の成果を具体的に感じやすい環境です。

一方、フランス語が必修であることは、本人にとって学習負担にもなり得ます。英語だけを集中的に学びたい場合や、外国語への関心があまりない場合には、カリキュラムをよく比較する必要があります。

学校見学の際には、フランス語の授業内容や外国語発表会の様子を確認し、本人が新しい言語を学ぶことに前向きになれそうかを考えてみるとよいでしょう。

自分で予定を確認し、少しずつ学習を管理できるようになりたい子

カリタス女子の教科センター方式は、一般的な中学校とは日常の過ごし方が異なります。

生徒は国語、数学、理科、社会、英語、フランス語など、それぞれの教科の専門教室へ移動して授業を受けます。

授業開始と終了のチャイムもないため、時間割を確認しながら、自分で次の教室へ移動しなければなりません。

この仕組みに向いているのは、単に整理整頓が得意な子だけではありません。自分で考えて行動することに、少しずつ挑戦したい子にも合っているでしょう。

たとえば、小学校で次のような姿が見られる場合には、教科センター方式に比較的なじみやすいと考えられます。

  • 時間割を見て翌日の持ち物を準備しようとする
  • 分からないことがあれば、自分から先生へ質問できる
  • 一日の予定を把握して行動することに抵抗が少ない
  • 新しい場所や環境に慣れることを楽しめる
  • 失敗しても、次はどうすればよいか考えようとする

もちろん、中学1年生の段階では、忘れ物をしたり、移動に時間がかかったりすることもあるでしょう。

カリタス女子ではクラスごとのホームベースを生活の拠点として利用でき、学習面でも補習や質問対応の仕組みがあります。

したがって、入学前から自己管理が完璧である必要はありません。むしろ、学校生活の中で失敗と改善を繰り返しながら、自分で行動する力を身につけていくことが期待されます。

一方、頻繁な教室移動や授業ごとの準備が強い負担になりそうな場合には、実際の校舎を見学することをおすすめします。

決まった教室で落ち着いて一日を過ごす学校と、教科ごとに学習環境を切り替える学校のどちらが本人に合うかは、カリタス女子を選ぶうえで重要なポイントです。

身近な疑問を調べ、自分の考えを表現することが好きな子

カリタス女子では、教科学習に加えて探究学習「i-Time」を実施しています。

i-Timeでは、社会問題や身近な出来事から問いを見つけ、資料を集め、考えたことをレポートや発表にまとめます。

そのため、「どうしてこうなるのだろう」「ほかの考え方はないだろうか」と疑問を持つことが好きな子には、学びを広げやすい環境です。

たとえば、次のような興味を持つ子が考えられます。

  • 動物や植物、自然現象について詳しく調べるのが好き
  • ニュースを見て、出来事の背景を知りたくなる
  • 読んだ本や調べた内容を人に説明することが好き
  • 自由研究では、自分でテーマを考えることを楽しめる
  • 人によって意見が異なる問題について考えるのが好き

カリタス女子には、多摩川や多摩丘陵の自然を調べる「タマロジー」もあります。

実際に河原へ出かけて植物や水生生物を観察したり、地層や地形について調べたりするため、理科の知識を実物と結びつけながら学べます。

また、i-Timeでは福祉や人権、職業、社会課題なども扱います。自分の関心を出発点として、学校外の人や社会とのつながりを考える経験ができます。

ただし、探究活動には、自分で調べることだけでなく、調査内容を整理して期限までにまとめる力も必要です。興味のあることを調べるのは好きでも、文章や発表資料にまとめる段階で苦労する子もいるでしょう。

カリタス女子では、こうした活動を中学段階から継続的に行います。入学時から発表が得意でなくても、経験を積みながら伝える力を伸ばしていける環境です。

知識を覚えるだけでなく、それを使って考えたり、誰かに伝えたりする学習に魅力を感じるかが、相性を判断するポイントになります。

人との違いを尊重し、仲間と協力することを大切にできる子

カリタス女子の教育理念は「普遍的な愛をもって 人に尽くす」です。

学校では「祈る心」「学ぶ心」「交わる心」「奉仕する心」という4つの心を大切にしています。

これは、友人と仲良く過ごすことだけを意味するものではありません。自分とは異なる意見や文化を持つ人を尊重し、相手の立場を考えながら行動することも含まれています。

学校生活では、クラス単位の行事やクラブ活動に加え、宗教行事や奉仕活動を通して、さまざまな人と関わります。

たとえば、マルグリット祭では仲間と企画を考え、体育祭では学年を越えて協力します。奉仕活動では福祉や地域支援などに取り組み、自分たちの力を誰かのために役立てることを考えます。

このような教育環境は、次のような子に合いやすいでしょう。

  • 困っている人を見ると、何かできないか考える
  • 友人と一緒に一つの目標へ取り組むことが好き
  • 自分とは違う考え方にも耳を傾けようとする
  • 人の役に立つ活動やボランティアに興味がある
  • 勝ち負けや成績だけでなく、取り組む過程も大切にしたい

一方で、入学前から積極的に人助けができたり、人前に立てたりする必要はありません。

控えめな性格の子でも、相手の話を丁寧に聞くことや、任された役割を誠実に果たすことを通して、集団の中で力を発揮できます。

カトリック教育についても、家庭がキリスト教の信者であることは前提ではありません。ただし、祈りや宗教行事、カトリック倫理の授業は学校生活に組み込まれています。

宗教的な教育に触れることを家庭としてどう考えるか、本人がその価値観をどのように受け止めるかは、入学前に話し合っておきたいところです。

女子校で6年間、自分の得意分野や役割を見つけたい子

カリタス女子は、高校からの募集を行わない完全中高一貫の女子校です。

中学入学後は、基本的に同じ学年の仲間と高校卒業まで過ごします。毎年クラス替えや新しい活動を経験しながらも、6年間を通して関係を深めていくことになります。

また、生徒会、体育祭執行部、文化祭執行部、クラブの部長など、学校を動かす役割を女子生徒が担います。

カリタス女子には、オーケストラ、コーラス、演劇、ダンス、理科、生物、ESSなど、さまざまなクラブがあります。

小学生の頃から続けてきた活動をさらに深めることも、中学校で初めて新しい分野へ挑戦することもできます。

特に中高合同で活動するクラブでは、中学1年生の頃は高校生の先輩から学び、やがて自分が後輩を支える立場になります。

こうした環境は、次のような子に魅力となるでしょう。

  • 同じ仲間と長い時間をかけて信頼関係を築きたい
  • クラブ活動や学校行事で積極的に役割を担ってみたい
  • 年上の生徒から学び、いずれは後輩を支えたい
  • 自分の得意な分野を6年間継続して深めたい
  • 女子だけの環境で学ぶことに安心感や魅力を感じる

もちろん、女子校だから必ず人間関係が円滑になるわけではありません。友人との考え方の違いや、集団生活での悩みが生まれることもあります。

また、共学校で男女がともに学ぶ環境を希望する子にとっては、女子校という学校形態そのものが比較のポイントになります。

6年間を同じ学校で過ごしながら、自分の得意なことや集団の中での役割を少しずつ見つけていきたいかという視点で考えると、カリタス女子の中高一貫教育が本人に合うかを判断しやすくなります。

学校との相性を見極めるために、入学前に確認しておきたいこと

ここまで見てきたように、カリタス女子には明確な教育上の特色があります。

そのため、学校の評価や大学合格実績だけで判断するのではなく、本人の学習スタイルや家庭の教育方針と照らし合わせることが大切です。

確認したい項目本人・家庭で考えておきたいこと
英仏複言語教育英語に加えて、新しくフランス語を学ぶことを楽しめそうか
教科センター方式授業ごとに教室を移動する生活になじめそうか
ノーチャイム制時間を意識して準備・行動する習慣を身につけたいか
探究学習自分で調べたり、考えを文章や発表にまとめたりする活動に興味があるか
カトリック教育祈りや宗教行事、奉仕活動を含む学校生活に共感できるか
女子校・中高一貫教育女子だけの環境で6年間を過ごすことを前向きに考えられるか
学習と課外活動教科学習、外国語、行事、クラブ活動を両立する生活が合いそうか
通学中野島駅や登戸駅からの移動を含め、6年間無理なく通えるか

この中でも、特に優先して確かめたいのは、教科センター方式と英仏複言語教育の二つです。

どちらもカリタス女子の日常に深く関わる仕組みであり、入学後に避けて通ることはできません。

たとえば、英語やフランス語への関心が高くても、教室移動が極端に苦手であれば、最初は学校生活に慣れるまで負担を感じるかもしれません。

逆に、自分で行動することが好きでも、二つの外国語を学ぶことにまったく魅力を感じない場合には、ほかの中高一貫校と比較する価値があります。

また、カリタス女子では学習支援として補習や自習室、卒業生チューターによる質問対応などを用意しています。ただし、どの程度の支援が必要か、どのように利用できるかは、生徒の状況によって異なります。

学校説明会では、制度の説明を聞くだけでなく、実際の生徒がどのように過ごしているかを見ることをおすすめします。

具体的には、教室移動の様子、ホームベースの使い方、教員への質問のしやすさ、休み時間の雰囲気、フランス語の授業内容などを確認すると、入学後の生活を想像しやすくなります。

また、マルグリット祭などの行事では、授業中とは異なる生徒の姿を見ることができます。生徒自身が企画を運営している様子や、来場者への接し方なども学校の雰囲気を知る手がかりになるでしょう。

最後に、カリタス女子に向いている子を一言で表すなら、「新しい言葉や考え方に出会うことを楽しみ、自分の力を少しずつ広げていきたい子」です。

入学時にすべての能力が備わっている必要はありません。英語やフランス語を学び、教科センター方式で自主性を身につけ、探究学習で社会とのつながりを考え、行事や奉仕活動で他者と協力する。その6年間を本人が前向きに受け止められるかが、何より大切です。

偏差値上の合格可能性と、入学後の学校生活との相性は別の問題です。カリタス女子ならではの教育環境に本人が魅力を感じ、ここで6年間を過ごしたいと思えるかどうかを、学校選びの最後の判断材料にしたいところです。

まとめ|「愛」を土台に、ことばと探究で世界へつながる6年間

カリタス女子中学校は、神奈川県川崎市多摩区にある、カトリックの精神を教育の基礎とする完全中高一貫の女子校です。

1961年の創立以来、「普遍的な愛をもって 人に尽くす」という理念を大切にしながら、生徒一人ひとりの学力と人間性を育ててきました。

教育面で特に特徴的なのは、中学1年から全員が英語とフランス語を学ぶ「英仏複言語教育」、教科ごとの専門教室を使う「教科センター方式」、社会との関わりを考える探究学習「i-Time」の3つです。

これらは単に特色ある授業を増やすための仕組みではありません。異なる文化を理解する力、自分から学ぶ習慣、身につけた知識を他者や社会のために使う姿勢を、6年間の学校生活を通して育てようとしています。

カリタス女子中学校の特徴を振り返る

まず、学校選びの際に押さえておきたいポイントを整理します。

項目カリタス女子中学校の特徴
学校形態私立女子校・完全中高一貫制
所在地神奈川県川崎市多摩区中野島
アクセスJR南武線「中野島駅」徒歩約10分/「登戸駅」から徒歩または路線バス
教育理念普遍的な愛をもって 人に尽くす
外国語教育中学1年から英語・フランス語を全員が学習
授業方式教科センター方式・ノーチャイム制
探究学習i-Time、タマロジー、キャリア教育
学校行事マルグリット祭、体育祭、長崎研修旅行、外国語発表会、宗教行事
クラブ活動中高合同の運動部・文化部、宗教・奉仕活動グループ
進路国公立大学、難関私立大学、医療・理工系、国際系など
2027年度入試一般入試4回、英語資格入試、帰国生入試

カリタス女子をほかの私立中学校と比較する際には、偏差値や進学実績と同じくらい、二つの外国語を学ぶことと、授業ごとに教室を移動する学習環境に注目したいところです。

どちらも中学入学後の日常に深く関わる仕組みであり、学校生活の過ごし方そのものに違いを生みます。

英仏複言語教育と教科センター方式が、6年間の学習を支える

カリタス女子の教育を特徴づけるのは、外国語を学ぶ目的と、自主性を育てる方法が明確であることです。

英仏複言語教育では、中学1年から英語とフランス語の両方に触れます。英語を使って世界と関わる力を育てるだけでなく、フランス語という別の言語を学ぶことで、文化や価値観の違いにも目を向けます。

少人数授業や外国人教員との会話、外国語発表会などを通して、学んだ表現を実際に使う機会も設けられています。

一方、教科センター方式では、生徒自身が時間割に従って専門教室へ移動します。教科ごとのエリアには書籍や資料、作品などが展示され、授業を受ける場所そのものが学習への関心を高める役割を担っています。

また、チャイムに頼らず自分で時間を確認して行動するため、毎日の生活の中で準備や時間管理の習慣を身につけます。

こうした環境は、最初から自己管理が得意な生徒だけのためにあるわけではありません。中学1年から経験を重ね、少しずつ自分で行動できるようになることを目指しています。

語学を通して視野を広げ、教科センター方式を通して自分から学ぶ姿勢を身につける。この二つが、カリタス女子の日常的な学習を支えています。

探究・行事・奉仕活動を通して、学んだことを社会へつなげる

カリタス女子では、教科学習だけでなく、学んだ知識を実際の社会や生活へ結びつける活動も重視しています。

探究学習「i-Time」では、身近な疑問や社会問題を調べ、資料を整理し、自分の考えを発表します。中学段階では福祉、人権、職業などに触れ、高校では将来の進路や社会との関わりについて考えを深めていきます。

理科の「タマロジー」では、学校近くの多摩川や多摩丘陵をフィールドにして、生物や地形、自然環境を調査します。実際に観察したことを記録し、教室で学んだ知識と結びつける活動です。

学校行事にも、こうした教育方針が表れています。

マルグリット祭では生徒自身が企画や発表を準備し、体育祭では学年を越えて協力します。中学3年の長崎研修旅行では、戦争や平和、キリスト教の歴史について現地で学びます。

さらに、マリア祭やクリスマス会などの宗教行事、福祉や地域支援に関わる奉仕活動もあります。

ここで重視されているのは、学校で学んだことを知識として持つだけではなく、それを使って何を考え、どのように行動するかという点です。

人前で発表することが得意な生徒も、調査や制作にじっくり取り組むことが好きな生徒も、それぞれの形で力を発揮できる機会があります。

大学進学では、語学系に限らない幅広い選択肢がある

カリタス女子は大学附属校ではなく、高校卒業後はそれぞれの希望に応じた進路を目指します。

2026年春の大学合格実績では、一橋大学、東京科学大学、東北大学などの国公立大学に加え、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、GMARCH各大学などへの合格者が出ています。

外国語教育に力を入れる学校ですが、進路が外国語学部や国際系学部だけに限定されているわけではありません。医学・医療系、理工系、教育系、社会科学系など、さまざまな分野へ進んでいます。

進路指導では、探究学習と連動した「夢実現プロジェクト」を通して、自分の興味や得意分野、社会で果たしたい役割を考えます。

中学段階では学習習慣を整え、職業や学問への関心を広げ、高校では大学・学部の選択を具体化していきます。

補習や発展的な講習、自習室、卒業生チューターによる支援なども用意されており、学習上の課題や進路目標に応じて利用できます。

大学合格実績を見る際には、延べ合格者数と実際の進学者数を区別することが大切です。また、少人数の学年では年度による実績の変動もあるため、複数年の結果を確認すると学校の進路傾向をつかみやすくなります。

カリタス女子の進路教育は、自分が大学で何を学びたいのかを考え、その実現に向けて必要な学力を身につけていくことを基本としています。

受験では入試方式の相性と、6年間の通学・学費を確認したい

2027年度のカリタス女子入試は、2月1日午前・午後、2月2日午後、2月3日午前の一般入試4回と、2月2日午後の英語資格入試が中心です。

4科型、国語・算数の2科型、国語と算数または理科を選択する方式があり、英語資格入試では所定の資格を持つ受験生が国語1科で受験できます。

また、一般入試を複数回受験した場合には、各教科の最高得点を後の入試回の判定に利用する優遇制度もあります。

このため、カリタス女子を第一志望とする場合と、ほかの学校を第一志望として午後入試を利用する場合とでは、適した受験計画が異なります。

入試方式を検討する際には、模試の偏差値だけでなく、過去問との相性や得意科目、午前・午後の移動時間も考慮したいところです。

加えて、入学後の生活を考えるうえでは、通学時間と教育費の確認も欠かせません。

学校はJR南武線「中野島駅」から徒歩約10分の場所にあり、「登戸駅」からも徒歩または路線バスで通学できます。小田急線と南武線を利用できるため、川崎市内だけでなく世田谷区や多摩地域などからも通学を検討できます。

ただし、6年間通い続けることを考えると、朝の出発時刻や部活動後の帰宅時間まで確認する必要があります。

2027年度入学生の初年度納付金は、入学金、施設拡充費、授業料、維持費、積立金、諸会費を合わせて1,465,000円です。制服などの学校指定品や通学費、希望制の海外研修費用などは別途必要になります。

英仏複言語教育や探究活動、海外研修など、特徴的な教育機会が用意されている学校だからこそ、本人がどのような経験を希望するかも含めて、6年間の費用を見通しておくことが大切です。

カリタス女子を選ぶ決め手は、教育方針と本人の相性

カリタス女子は、英語・フランス語教育が充実している学校として検討されることが多いかもしれません。

しかし、実際の教育内容を見ると、外国語教育だけが独立しているわけではありません。

教科センター方式では、自分で考えて行動する習慣を育てます。i-Timeでは、興味のあるテーマを調べ、他者へ伝える力を伸ばします。行事やクラブ活動では仲間と協力し、カトリック教育や奉仕活動では、自分の力を他者のために使うことを考えます。

これらを通じて目指しているのは、知識や技術を身につけるだけでなく、自分の考えを持ち、異なる立場の人を尊重しながら行動できる人を育てることです。

そのため、カリタス女子は、次のような希望を持つ家庭にとって検討する価値のある学校です。

  • 英語だけでなく、フランス語や異文化にも触れてほしい
  • 6年間を通して自主性や時間管理の力を身につけてほしい
  • 知識の習得だけでなく、調査・実験・発表などの経験も大切にしたい
  • 人への思いやりや社会への奉仕を重視する教育に共感できる
  • 女子校の中高一貫環境で、自分の興味や得意分野を伸ばしてほしい

一方、教室移動の多い学習環境や、英語とフランス語を並行して学ぶカリキュラムは、すべての子どもにとって最適とは限りません。

本人がその仕組みに魅力を感じるか、学校生活の忙しさを前向きに受け止められるかは、実際の学校見学を通して確かめたいところです。

特に学校説明会やマルグリット祭では、教科センターの様子だけでなく、生徒同士の関わり方、教員との距離感、休み時間の雰囲気にも注目するとよいでしょう。

最後に、カリタス女子の6年間を表すなら、「自分の力を伸ばし、その力を他者や社会のために役立てることを学ぶ6年間」といえます。

英語とフランス語で世界を見る視点を増やし、教科センター方式で学ぶ姿勢を育て、探究や奉仕活動を通して社会との関わり方を考える。その教育方針に本人と家庭が共感できるのであれば、カリタス女子は中学から高校までの6年間を過ごす学校として、有力な選択肢になるでしょう。

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