【2026年版】和洋九段女子中学校の評判は?PBL型授業とグローバル教育が特徴の女子校を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|129年の歴史を持つ九段の女子中高一貫校
    1. 千代田区九段にある、私立の女子中高一貫校
    2. 始まりは1897年、堀越千代が開いた「和洋裁縫女学院」
    3. 現在の中学校は1947年に発足、1975年から中高一貫教育へ
    4. 校訓は「先を見て齊える」
    5. 中学は1学年70人台を中心とした、顔の見えやすい規模
    6. 中学では「本科」と「グローバル」、高校では進路に合わせて学びを広げる
    7. 伝統女子校でありながら、「静かに知識を受け取る授業」から大きく変わっている
  2. アクセスと立地環境|九段下駅徒歩3分、都心で学ぶ6年間
    1. 九段下駅から徒歩約3分、3路線を利用できる
    2. 飯田橋駅も徒歩圏で、JR利用者にも通いやすい
    3. 千代田区九段という都心立地ながら、周囲には緑も多い
    4. 駅近だからこそ、下校後まで含めた通学を考えやすい
    5. 九段下から広がる通学圏は、東京都東部・西部の双方に及ぶ
    6. 学校見学では、九段下と飯田橋の両ルートを試してみたい
  3. 教育方針とカリキュラム|PBL型授業と2つのクラスで育てる思考力
    1. 和洋九段の授業の軸は、「あなたはどう思う?」から始まるPBL
    2. 本科クラスは、基礎学力とPBLを両方積み上げる
    3. グローバルクラスは、英語を「勉強する科目」から「使う言葉」へ
    4. 中3までの英検目標は、本科準2級・グローバル2級
    5. 礼法や日本文化も学ぶ。「グローバル」と「日本」を対立させない
    6. 教室の外では、企業・大学・NPOとつながって「社会」を教材にする
    7. 中学の2クラスから、高校では3つのコースへ進路を広げる
  4. 学習環境と施設設備|都心の校舎に整う学習・生活・運動環境
    1. 九段の限られた敷地を立体的に使う、都市型の学校施設
    2. フューチャールームは、PBL型授業を支える象徴的な空間
    3. 1人1台の端末を、授業・調査・発表まで日常的に使う
    4. 図書室とスタディステーションで、自分で学ぶ時間も確保する
    5. カフェテリアと購買があり、中学生も校内で昼食を選べる
    6. 都心の女子校で、屋内温水プールまで備える
    7. 講堂・和室・被服室には、129年の女子教育の歴史も残る
    8. 24時間警備と3日分の備蓄など、都心通学を支える安全対策
  5. 学校生活と行事|女子校ならではの一体感と校外へ広がる学び
    1. 行事もPBLの延長線上にあり、「自分たちでつくる」経験を重ねる
    2. 体育祭は東京武道館で開催、高3の「扇の舞」は60年以上続く伝統
    3. 文化祭は、生徒が日頃の学びや活動を外へ伝える場
    4. 中1はブリティッシュヒルズ、中2は社会へ、中3はシンガポールへ
    5. ビブリオバトル・合唱・邦楽・英語プレゼンで、異なる「表現」を経験する
    6. 希望者は中3からオーストラリア研修、ターム留学・長期留学にも進める
    7. 地域との関わりも、九段で学ぶ学校生活の一部
  6. クラブ活動|少人数の学校で学年を越えてつながる放課後
    1. 体育系10・文化系19、合計29のクラブから選べる
    2. 屋内温水プールを使える水泳部
    3. テニス・バドミントン・ダンスなど、中学から始めやすい競技も多い
    4. 空手道・箏曲・華道・茶道など、日本文化に触れる活動もある
    5. 管弦楽・コーラス・ギターなど、音楽系にも複数の選択肢
    6. 生物・メディア研究・英語・歴史など、「好き」を深めるクラブもある
    7. 「人形箱部」のような、学校独自の文化が残るクラブも
    8. 少人数校だからこそ、クラブでは自分の役割が回ってきやすい
  7. 進学実績と卒業後の進路|一般受験・推薦を組み合わせた大学進学
    1. 系列大学への一貫進学が中心ではなく、一人ひとりが進学先を選ぶ
    2. 2025年春は東京外国語大・東京藝術大、上智・慶應などにも合格
    3. 女子大学・医療系・芸術系まで、進路はかなり分散している
    4. 2026年度の指定校推薦には、上智・青山学院・中央・法政などが並ぶ
    5. 和洋女子大学への推薦ルートもあり、「保険」ではなく一つの進路として選べる
    6. 海外大学も現実的な選択肢になっている
    7. 一般選抜だけに偏らないことが、PBL型教育ともつながる
    8. 進学実績は「大学名」だけでなく、6年間で進路を見つける過程を見たい
  8. 学費や諸経費について|6年間の学校生活にかかる費用を整理
    1. 2026年度の初年度納付金は、学則上の費用で約90万7,000円
    2. 教材・旅行などの「諸費積立金」も毎年必要になる
    3. 制服・体育用品など、入学時には7万円台から追加費用がかかる
    4. 学校が示す費用例では、中学3年間で約274万円
    5. 高校でも授業料は年43万2,000円、6年間ではまとまった教育費になる
    6. 海外研修・ターム留学・長期留学を選ぶ場合は別途費用が必要
    7. 特待生は授業料相当額の全部または一部が給付される
    8. 家計急変時には、返還不要の経済的助成もある
    9. 東京都在住なら、2026年度は授業料が最大12万円軽減される
  9. 入試情報と合格の目安|多彩な入試方式と複数回の受験機会
    1. 2027年度は入試体系を再編、本科100名・グローバル30名を募集
    2. 一般的な中学受験勉強なら、2月1日の「得意科目入試」が基本になる
    3. PBL型では110分の授業を受け、論理性・協働性・表現力を見る
    4. 英語が得意なら、4日程ある「英語入試」を利用できる
    5. 2027年度は適性検査入試とSSS特待入試も用意
    6. 2月3日・5日には国算の基礎力入試が残る
    7. 2026年度は延べ222名が受験し199名が合格、倍率の読み方には注意
    8. 偏差値は首都圏模試で40前後が一つの目安、方式との相性も重要
  10. 併願校パターン|女子校・共学校を含めてどう組み合わせるか
    1. 和洋九段は入試回が多く、第一志望にも併願校にも組み込みやすい
    2. 女子校を中心に組むなら、共立女子・三輪田・実践女子などが候補
    3. 2月1日午前に別の女子校、午後に和洋九段という組み方もできる
    4. 和洋九段第一志望なら、同じ学校を複数回受験する設計も可能
    5. 都立・公立中高一貫校志望なら、適性検査入試を利用できる
    6. 英語が得意なら、英語入試を軸に別の学校とも組み合わせられる
    7. 偏差値だけで「安全校」と決めず、入学後の授業との相性まで見る
  11. 在校生・保護者の声|少人数とPBLの中で過ごす女子校の日常
    1. 「学年全体の顔が分かる」少人数の距離感
    2. PBLは最初から得意でなくても、発表を繰り返すうちに慣れていく
    3. グローバルクラスでは、英語力の違う仲間から刺激を受ける
    4. 女子校は「静かな学校」というより、自分を出しやすいと感じる生徒もいる
    5. 施設とアクセスは、入学後にも評価されやすい
    6. 校則は一定の規律があり、「何でも自由」な女子校ではない
    7. 口コミの評価は分かれるからこそ、PBLと少人数教育が本人に合うかを見たい
  12. この学校に向いている子の特徴|対話し、考え、発信することを楽しめる子へ
    1. 「正解を教えてもらう」だけでなく、自分の考えを持ちたい子
    2. 少人数の女子校で、先生や友人との距離を近く感じたい子
    3. 英語を試験科目だけでなく、実際に使えるようになりたい子
    4. 勉強だけでなく、社会や将来について早くから考えてみたい子
    5. 伝統的な女子教育と、新しい学びの両方に興味がある子
    6. 九段という立地と、学校で長く過ごせる環境を生かしたい子
    7. 和洋九段を選ぶ最後の基準は、「話し合う授業を楽しめそうか」
  13. まとめ|伝統女子校でPBLとグローバル教育に取り組む6年間
    1. 和洋九段は、「伝統女子校」と「新しい学び」が同居する学校
    2. PBLは特別授業ではなく、毎日の学び方そのもの
    3. 本科とグローバル、そして高校3コースへ学びを広げる
    4. 九段下徒歩3分の少人数校だからこそ、日常の距離が近い
    5. 大学進学は一つに固定せず、推薦・一般・海外まで選べる
    6. 和洋九段を選ぶなら、本人がPBLを「やってみたい」と思えるかを最後に確認したい

学校の概要|129年の歴史を持つ九段の女子中高一貫校

千代田区九段にある、私立の女子中高一貫校

和洋九段女子中学校は、東京都千代田区九段北1丁目にある私立の女子中学校です。高等学校を併設し、中学から入学した生徒は6年間を見通した教育を受けます。

中高一貫教育を行う一方、高等学校でも外部募集を実施しています。そのため、中学入学時の仲間だけで6年間を過ごす完全中高一貫校とは異なり、高校進学時には高校受験を経て入学する新しい生徒も加わります。

学校名和洋九段女子中学校
所在地東京都千代田区九段北1-12-12
設置区分私立
男女区分女子校
創立1897年
学校構成中学校・高等学校
高校募集あり
設置法人学校法人和洋学園

学校名から和洋女子大学の附属校という印象を持つ人もいますが、現在の校名は「和洋九段女子中学校高等学校」です。同じ学校法人和洋学園には和洋女子大学がありますが、高校卒業後の進路は同大学だけに限定されず、多くの生徒がそれぞれの志望大学へ進学します。

始まりは1897年、堀越千代が開いた「和洋裁縫女学院」

和洋学園の歴史は1897年、創設者の堀越千代が「和洋裁縫女学院」を開いたことから始まります。2026年には創立から129年を迎える、長い歴史を持つ女子教育の学校です。

当時は、女性が経済的・社会的に自立することが現在ほど一般的ではありませんでした。そうした時代に、堀越千代は「手に職を持ち、自立して生きていける女性」を育てることを目指して学校を設立しました。

和裁や洋裁だけでなく、国文学、数学、英語、家政学など幅広い学問を取り入れていったことにも、単なる技術教育ではなく、女性が社会の中で自分の力を発揮できるようにするという考え方が表れています。

現在は教育内容こそ大きく変わりましたが、PBL型授業、英語教育、ICT活用などを通して、生徒自身が考え、判断し、発信できる力を育てようとする姿勢には、創立時から続く「女性の自立」という考え方が残っています。

現在の中学校は1947年に発足、1975年から中高一貫教育へ

現在の和洋九段女子中学校は、新しい学校制度が始まった1947年に発足しました。翌1948年には和洋九段女子高等学校が設置されています。

1949年に和洋女子大学が誕生すると、一時は「和洋女子大学附属九段女子中学校・高等学校」と称していましたが、1992年に現在の「和洋九段女子中学校高等学校」へ改称しました。

中高一貫教育を開始したのは1975年です。現在は中学校から高校までの6年間をつなげながら、中学では本科クラスとグローバルクラス、高校では進路に応じたコース教育へ発展させています。

さらに2016年にはタブレット端末を導入してPBL型授業を開始し、2017年には中学グローバルクラスを設置しました。歴史の長い女子校ですが、現在の教育スタイルはこの10年ほどでも大きく変化しています。

校訓は「先を見て齊える」

和洋九段の校訓は、「先を見て齊える」です。学園創立100周年を機に、創設者・堀越千代の教育理念を受け継ぐ言葉として制定されました。

ここでいう「齊える」には、将来を見通し、新しく出会う出来事に対応できる知性や能力を自分の中に備えておくという意味が込められています。

現在の学校が教育で重視しているのも、覚えた知識をそのまま再現する力だけではありません。異なる意見を聞き、自分で考え、仲間と話し合い、よりよい解決策をつくり、自分の言葉で伝えることを求めています。

そのための具体的な方法として導入されているのがPBL型授業です。全教科で対話や課題解決を取り入れ、英語、ICT、日本文化なども組み合わせながら、中高6年間で自己発信できる力を育てていきます。

中学は1学年70人台を中心とした、顔の見えやすい規模

和洋九段女子中は、大規模校ではありません。2025年度の在籍数は、中1が73名、中2が75名、中3が75名で、中学校全体では223名でした。

学年2025年度在籍数
中学1年73名
中学2年75名
中学3年75名
中学合計223名

1学年200人を超えるような女子校と比べると、学年全体の人数はかなりコンパクトです。クラスの中だけでなく、学年を越えて生徒や教員の顔が見えやすい規模になっています。

担任、副担任、各教科担当による学習支援を行いやすいことも、この人数との相性がよい部分です。PBL型授業でも、大人数の中で一部の生徒だけが発言するのではなく、一人ひとりが意見を持ち、話し合いに参加する機会をつくりやすくなります。

「人数が少ないこと」を単にアットホームさだけで捉えるより、授業でも学校生活でも一人ひとりが埋もれにくい規模と考えると、和洋九段の特徴が分かりやすくなります。

中学では「本科」と「グローバル」、高校では進路に合わせて学びを広げる

和洋九段女子中の教育は、本科クラスとグローバルクラスの2つを基本としています。

本科クラスでは、担任・副担任・授業担当者による学習サポートを行いながら、全教科にPBL型授業を取り入れます。また、礼法、華道、茶道、書道など、日本文化に触れる学びも組み込まれています。

グローバルクラスでは、英語力に応じてアドバンストとインターミディエイトに分かれます。ネイティブスピーカーの教員が副担任となり、ホームルームでも英語を使うなど、日常的に英語へ触れる時間が増えます。

グローバルクラスへ入るために、入学時から高い英語力が必須というわけではありません。すでに英語を学んできた生徒だけでなく、「これから英語を伸ばしたい」という生徒にも対応しています。

また、本科とグローバルの間は毎年度移籍することが可能です。12歳の時点で6年間の学び方を固定するのではなく、成長や興味の変化に合わせて選択を見直せます。

伝統女子校でありながら、「静かに知識を受け取る授業」から大きく変わっている

九段という場所、129年の歴史、女子校という言葉だけを見ると、和洋九段に伝統的で落ち着いた女子教育のイメージを持つ家庭もあるでしょう。

もちろん礼法や日本文化など、女子教育の歴史を受け継ぐ部分は現在も残っています。しかし、実際の授業は「先生が説明し、生徒が静かにノートを取る」という形だけではありません。

PBL型授業では、問いを提示された後、まず自分で考え、仲間と討論し、意見をまとめ、最後にはプレゼンテーションを行います。グローバルクラスでは英語で同様の活動に取り組むこともあります。

つまり、和洋九段の現在地は、伝統を残すことと新しい教育を取り入れることのどちらか一方ではありません。女子教育の歴史を土台にしながら、対話・英語・ICT・課題解決を日常の授業へ組み込んでいる学校です。

九段の女子校で6年間を過ごしながら、自分の意見を持ち、人前で伝え、異なる考えを持つ相手と一緒に答えをつくっていく。その学校生活をイメージできるかどうかが、和洋九段女子中を理解する最初のポイントになります。

アクセスと立地環境|九段下駅徒歩3分、都心で学ぶ6年間

九段下駅から徒歩約3分、3路線を利用できる

和洋九段女子中学校の所在地は、東京都千代田区九段北1-12-12。最寄り駅は「九段下駅」で、A1またはA7出口から徒歩約3分です。

九段下駅には東京メトロ東西線・半蔵門線と都営新宿線の3路線が乗り入れており、東京都内のさまざまな方面から通学経路を組みやすくなっています。

利用路線学校まで
九段下駅東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線A1・A7出口から徒歩約3分
飯田橋駅JR中央・総武線各駅停車西口から徒歩約8分
飯田橋駅東京メトロ有楽町線・南北線、都営大江戸線B2a出口から徒歩約8分
神保町駅都営三田線ほか徒歩約8分

駅から学校までの徒歩時間が短いため、電車を降りてから長時間歩いたり、路線バスへ乗り換えたりする必要がありません。6年間ほぼ毎日通うことを考えると、この違いは通学負担に直結します。

飯田橋駅も徒歩圏で、JR利用者にも通いやすい

九段下駅だけでなく、飯田橋駅からも徒歩約8分です。JR中央・総武線各駅停車を利用する場合は西口、地下鉄を利用する場合はB2a出口が最寄りになります。

飯田橋駅にはJRに加えて東京メトロ東西線・有楽町線・南北線、都営大江戸線が乗り入れています。九段下駅と合わせると利用できる路線はかなり多くなります。

さらに神保町駅からも徒歩約8分で、都営三田線方面からの通学にも対応できます。都営バスを利用する場合は「九段上」「九段下」の両停留所から徒歩約5分です。

一つの駅や一つの路線だけに通学経路が限定されないため、自宅の場所によって複数のルートを比較できます。鉄道の運転見合わせなどが起きた際にも、別路線を利用できる可能性があります。

千代田区九段という都心立地ながら、周囲には緑も多い

和洋九段があるのは、皇居の北西側に広がる九段エリアです。学校周辺には北の丸公園や靖国神社などがあり、都心部でありながらまとまった緑が残っています。

少し足を延ばせば日本武道館、千鳥ヶ淵、皇居外苑などもあり、東京の歴史や文化を身近に感じられる地域です。

一方、九段下から飯田橋にかけてはオフィス、大学、学校、飲食店なども集まっています。郊外型の学校のように住宅地や自然だけに囲まれた環境ではなく、東京の中心部で人や文化が動く様子を日常的に感じながら通う学校です。

中高6年間を過ごす場所として考えると、「自然の多い広大なキャンパス」を求める家庭と、「都心の利便性や文化的な環境」を重視する家庭では評価が分かれる部分でしょう。

駅近だからこそ、下校後まで含めた通学を考えやすい

私立中学校では、通学時間そのものだけでなく、クラブ活動や行事の後に何時ごろ帰宅できるかも学校選びに関わります。

和洋九段は九段下駅まで徒歩約3分、飯田橋駅まで徒歩約8分のため、学校から最寄り駅へ移動する時間は比較的短く済みます。

放課後にクラブ活動をしたり、校内で学習してから帰宅したりする場合にも、「学校から駅までさらに20分歩く」といった負担がありません。

女子校を選ぶ家庭では、夕方以降の通学経路を気にすることも多いでしょう。和洋九段では24時間の警備、防犯カメラ、オートロック、登下校メール配信などの校内安全対策も整えています。

もちろん、都心だから自動的に安全ということではありません。入学前には、実際の登校時間や下校時間に近い時間帯に、駅から学校までの道、人通り、乗り換え駅の混雑まで確認しておくと安心です。

九段下から広がる通学圏は、東京都東部・西部の双方に及ぶ

東西線を利用すれば中野・高田馬場方面から浦安・西船橋方面まで、半蔵門線では渋谷方面や押上方面、都営新宿線では新宿方面から江戸川区方面までつながります。

飯田橋駅を利用すれば、中央・総武線沿線の新宿・中野方面や千葉方面、南北線を使った東京都北部や城南方面からも通学経路を組めます。

そのため和洋九段は、千代田区やその周辺だけを通学圏とする学校ではありません。東京都23区の広い範囲に加え、千葉県・埼玉県・神奈川県の一部からも検討できます。

ただし、最寄り駅から近いことと、自宅から近いことは別です。乗り換えが2回、3回と増えれば、中学1年生にとって毎朝の通学負担は大きくなります。

「九段下から徒歩3分」という数字だけで判断せず、自宅を出てから教室に着くまでの総所要時間で考えることが大切です。

学校見学では、九段下と飯田橋の両ルートを試してみたい

和洋九段を志望校として検討するなら、学校説明会や文化祭の際に、実際の通学予定ルートで訪れてみると学校生活をイメージしやすくなります。

最も近いのは九段下駅ですが、自宅の路線によっては飯田橋駅を使った方が乗り換えが少ない場合もあります。徒歩時間だけを比較すると九段下が短くても、総通学時間では飯田橋経由の方が便利というケースも考えられます。

また、朝の九段下や飯田橋は通勤・通学客が多い駅です。休日の学校説明会だけでは分からない部分もあるため、可能であれば平日の朝を想定して乗車時間や混雑も確認しておきたいところです。

和洋九段の立地の特徴は、単に「都心にある」ことではありません。九段下・飯田橋・神保町という複数の駅を使える交通利便性と、皇居周辺の歴史・文化・緑が身近にある環境が同居していることにあります。

この九段の街を毎日歩いて6年間通うことまで含めて考えると、和洋九段での学校生活がより具体的に見えてきます。

教育方針とカリキュラム|PBL型授業と2つのクラスで育てる思考力

和洋九段の授業の軸は、「あなたはどう思う?」から始まるPBL

和洋九段女子中学校の教育を理解するうえで中心になるのが、全教科に取り入れているPBL型授業です。

和洋九段でいうPBLは、Problem Based Learning、つまり課題解決型の学習を指します。先生の説明を聞いて知識を覚えるだけではなく、問いに対して自分なりの考えを持ち、それを他者と比べながら答えをつくっていきます。

授業は、おおむね次のような流れで進みます。

  1. 基礎知識や前提を確認し、共通認識を持つ
  2. 「あなたはどう思う?」というトリガークエスチョンが提示される
  3. まず一人で考え、自分の意見をつくる
  4. グループで互いの考えを出し合う
  5. 話し合った内容をまとめ、プレゼンテーションする

重要なのは、最初からグループの意見に乗るのではなく、先に一人で考える時間が置かれていることです。そのうえで違う意見を聞き、自分の考えを修正したり、複数の考えを組み合わせたりします。

国語や社会だけでなく、数学や理科などにもこの考え方を取り入れます。「正解を覚えること」と「なぜそうなるのかを考えること」を分けず、知識を使って自分の考えを説明できるところまでを授業としています。

本科クラスは、基礎学力とPBLを両方積み上げる

中学校には本科クラスグローバルクラスがあります。本科クラスは、主要教科の基礎学力を着実に身につけながら、全教科でPBL型授業に取り組むクラスです。

担任だけでなく、副担任や授業担当者も学習状況を見ながら支援し、理解が不十分な部分をそのままにしないことを重視しています。

現在の中学カリキュラムでは、国語と数学を3年間通して週5時間配置するなど、PBLだけに偏らず教科学習にも時間を取っています。

主な教科中1中2中3
国語週5時間週5時間週5時間
数学週5時間週5時間週5時間
社会週3時間週3時間週4時間
理科週3時間週4時間週4時間

「PBLを行う学校」というと、自由な話し合いが中心で基礎学力の演習が少ない印象を持つかもしれません。しかし、和洋九段ではまず必要な知識を学び、その知識を使って問いを考えるという順序を取ります。

本科クラスは毎年クラス替えがあり、3年間で異なるクラスメイトと学びます。PBLでさまざまな考え方に触れるという授業の特徴と、人間関係を固定しないクラス編成が組み合わされています。

グローバルクラスは、英語を「勉強する科目」から「使う言葉」へ

英語をより多く使って学びたい生徒には、グローバルクラスがあります。

グローバルクラスは、英語力に応じてアドバンストインターミディエイトに分かれます。すでに高い英語力を持つ帰国生や英語学習経験者だけでなく、中学入学後に英語力を伸ばしたい生徒も学べる構成です。

アドバンストでは英語の授業をオールイングリッシュで行います。また、ネイティブスピーカーの教員が副担任となり、ホームルームでも英語を使用します。

英会話ではネイティブスピーカーの教員による少人数授業を行い、文法や単語を覚えるだけでなく、自分の意見を英語で伝える経験を重ねます。

グローバルクラスでもPBLという学び方は変わりません。むしろ、「考える・話し合う・発表する」というPBLの過程を英語でも行えるようにすることが、このクラスの方向性です。

なお、グローバルクラスは原則として3年間クラス替えを行いませんが、本科クラスとの移籍は年度ごとに可能です。12歳の時点で6年間の英語学習の形を完全に固定する制度ではありません。

中3までの英検目標は、本科準2級・グローバル2級

英語学習では、日常的に使える力を育てる一方、英検も具体的な到達目標として利用しています。

学年本科クラスグローバルクラス
中14級3級
中23級準2級
中3準2級2級
高校卒業まで2級準1級

グローバルクラスでは中3で2級を目標とするため、中学生としては高い水準を設定しています。本科でも中3で準2級を目標とし、大学入試まで見据えて段階的に英語力を伸ばします。

ただし、資格取得だけを英語教育の目的にしているわけではありません。英会話、ホームルーム、PBLでの発表、海外研修など、実際に英語を使用する場面と資格試験への学習を組み合わせています。

「英検の級を早く取ること」に終始するのではなく、取得した語彙・文法を使って相手とコミュニケーションできるところまで伸ばすのがグローバル教育の基本です。

礼法や日本文化も学ぶ。「グローバル」と「日本」を対立させない

英語やICT、PBLと並んで和洋九段らしいのが、日本文化を学ぶ時間です。

中1の道徳では礼法を学び、中2では華道や茶道などを通して日本文化に触れます。本科クラスだけでなく、グローバルクラスでもこうした学びが組み込まれています。

これは、英語を話せることだけを「グローバル」と考えていないためです。海外の人と交流するときには、自分自身の国や文化について説明できることも必要になります。

創立時から女子教育に取り組んできた学校として受け継いできた礼法や文化を残しながら、英語、ICT、プレゼンテーションといった新しい教育も取り入れる。ここには、和洋九段の129年の歴史と現在の教育が同時に表れています。

伝統的な女子教育か、現代的なグローバル教育かという二者択一ではなく、その両方を経験することが和洋九段の中学3年間です。

教室の外では、企業・大学・NPOとつながって「社会」を教材にする

PBLは校内の授業だけで完結しません。和洋九段では、企業、大学、NPO、公的機関など学校外の組織との連携を「Connected School」として広げています。

中2では企業や団体を訪問するGEPに取り組みます。実際に社会で働く人から話を聞き、「仕事とは何か」「社会にはどのような課題があるのか」を考えます。

また、企業との連携、STEAM教育、起業家教育、SDGsに関する活動、社会貢献活動など、教科書だけでは扱いにくいテーマにも触れます。

九段という立地を生かし、周辺の大使館との交流も行われています。中3の海外修学旅行なども含め、学校の外で出会った社会をPBLの題材として持ち帰り、考える機会につなげます。

「なぜ勉強するのか」が見えなくなりやすい中学生にとって、学校で学んでいる知識が現実の社会でどう使われているのかを知ることも、和洋九段のキャリア教育の一部です。

中学の2クラスから、高校では3つのコースへ進路を広げる

和洋九段のカリキュラムは、中学校だけを見るより高校まで6年間で考えると分かりやすくなります。

現在の高等学校では、フューチャーデザインコース・グローバルコース・サイエンスコースの3コースを設置しています。

高校コース学びの方向主に想定する進路
フューチャーデザインコースデザイン思考・体験学習・自分の興味を生かした学び文系・理系の国公私立大学
グローバルコース英語・グローバル探究・国際的な社会課題海外大学、英語で学ぶ国内大学など
サイエンスコースDX・STEAM・実験・理数探究先端理系、医歯薬獣医系など

中学では本科とグローバルの2クラスで基礎をつくり、成長する中で興味や得意分野を見つけ、高校では将来の進路に合わせて学びを分けていきます。

6年間のキャリア教育も、中1・中2の「自己理解」、中3・高1の「自己研鑽」、高2・高3の「自己実現」という3段階で設計されています。

つまり、和洋九段のPBLは「人前で上手に発表できるようにする授業」だけではありません。自分を知り、他者の考えを知り、社会へ出て課題に触れ、その経験から将来の進路を考えるところまでが6年間でつながっています。

答えを教わる学習から、自分で問いを考え、仲間と解決し、その経験を進路へつなげる。この流れが、和洋九段女子中学校のカリキュラムを特徴づけています。

学習環境と施設設備|都心の校舎に整う学習・生活・運動環境

九段の限られた敷地を立体的に使う、都市型の学校施設

和洋九段女子中学校は、九段下駅から徒歩約3分という都心にあります。郊外型の私立校のように広大な校地へ複数の独立校舎やグラウンドが並ぶ学校ではなく、限られた敷地の中に学習・運動・生活施設を機能的に配置した都市型キャンパスです。

校内には普通教室のほか、図書室、理科室、音楽室、美術室、被服室、和室、講堂、体育館、温水プール、テニスコートなどが設けられています。

さらに、PBL型授業やICTを使った学習に対応するフューチャールーム、クリエイティブLab、自習に利用するスタディステーション、昼食を取れるカフェテリアなどもあります。

目的主な施設
通常授業・探究普通教室、フューチャールーム、クリエイティブLab
教科学習理科室、音楽室、美術室、被服室、和室
自主学習図書室、スタディステーション
学校行事・発表講堂
昼食・休憩カフェテリア、ロビー
体育・クラブ体育館、温水プール、テニスコートなど

「都心にあるから施設面では不利」と単純に考える必要はありません。一方で、広大な屋外グラウンドを持つ郊外校とはキャンパスの性格が違います。何を重視するかは、実際に校内を歩いて確かめたいところです。

フューチャールームは、PBL型授業を支える象徴的な空間

和洋九段の教育施設で特徴的なのが、フューチャールームです。

240cm×600cmの大型スクリーンと6台のプロジェクターを備え、タブレット端末と組み合わせて授業を行えるよう設計されています。

机や椅子を固定せず、活動内容に合わせて配置を変えられるため、一斉授業だけでなく、グループでの話し合い、資料作成、プレゼンテーションなどにも対応します。

和洋九段のPBLでは、自分で考えた後に仲間と議論し、最後に自分たちの考えを発表する機会があります。フューチャールームは、こうした「考える→話し合う→形にする→伝える」という授業を行うための空間です。

2014年にはフューチャールームなどを備えた新棟が完成し、2016年には生徒用タブレット端末を導入しました。PBL型授業の開始と施設整備が連動して進んできたことが分かります。

1人1台の端末を、授業・調査・発表まで日常的に使う

ICT環境は特別な情報教育だけのために用意されているわけではありません。生徒は1人1台のタブレット端末を使用し、通常授業でもクラウド上の教材や各種アプリを利用します。

PBLでは、テーマについて情報を調べる、グループで資料を共有する、発表スライドを作るといった作業が頻繁にあります。そのため端末は、紙の教科書を置き換えるだけではなく、考えたことを他者と共有するための道具になります。

一方、インターネットを自由に使えるようになるからこそ、情報の正確性を判断することや、ネット上での行動について考えることも必要です。情報の利便性と危険性を理解し、必要な情報を選択する力も学びます。

校内にはクリエイティブLabもあり、PBLやSTEAM系の活動を進めるための環境が用意されています。

和洋九段では「ICTを使っていること」自体を目的にするのではなく、調べる、考える、協働する、表現するために端末を使うという位置づけです。

図書室とスタディステーションで、自分で学ぶ時間も確保する

PBLでは対話やグループワークが目立ちますが、学習のすべてを仲間と行うわけではありません。自分で集中して調べたり、問題演習に取り組んだりする環境として、図書室とスタディステーションがあります。

スタディステーションは自習のためのスペースで、中学1年生も入学後に利用方法の説明を受けます。個別に集中しやすい座席が設けられ、放課後の学習や教員から説明を受ける際にも利用されています。

授業内容の理解が十分でない場合には、放課後の復習、定期考査前の勉強会、長期休暇中の補習なども行われます。設備として自習室を置くだけではなく、学習サポートと組み合わせて利用する形です。

図書室も、読書だけでなくPBLや調べ学習の情報源になります。インターネットですぐに答えを検索するだけではなく、書籍や資料を使って情報を比較する経験も重要です。

グループで積極的に話す時間と、一人で静かに考える時間の両方を校内で持てることが、PBLを継続するうえでも大切な環境になっています。

カフェテリアと購買があり、中学生も校内で昼食を選べる

2014年に完成した新棟には、フューチャールームやスタディステーションとともにカフェテリアが設けられました。

昼休みにはカフェテリアを利用できるほか、隣接する購買部で軽食を購入することもできます。家庭から弁当を持参する生活だけに限定されていません。

中高6年間では、昼食は毎日のことです。朝早く自宅を出る生徒や、保護者が毎日弁当を準備することが難しい家庭にとって、学校内に選択肢があることは実用的です。

カフェテリアは食事をする場所であると同時に、生徒が友人と過ごす空間にもなります。1学年70人台を中心とする学校規模のため、クラスの外の生徒や上級生と顔を合わせる機会にもなります。

教室、図書室、自習室、カフェテリアと、その日の目的に応じて校内で過ごす場所を変えられることが、和洋九段の日常を支えています。

都心の女子校で、屋内温水プールまで備える

運動施設では、屋内温水プールがあることが和洋九段の特徴の一つです。季節や天候に左右されにくく、体育や水泳部の活動に利用できます。

校内には体育館やテニスコートもあり、ダンスなどの活動にも対応しています。九段という都心立地を考えると、屋内外の運動施設を複数備えている点は学校見学で確認しておきたい部分です。

実際、水泳部で活動したいことや温水プールがあることをきっかけに学校へ関心を持った生徒もいます。

一方、郊外の大規模校のような広い陸上競技場や複数の大型グラウンドを校内に持つ学校ではありません。サッカーや陸上など、広い屋外空間を日常的に使いたい場合には、学校の活動環境との相性を確認する必要があります。

駅から徒歩3分の都市型キャンパスでありながら、体育館・テニスコート・温水プールまで校内に持つという組み合わせが、和洋九段の施設面での特徴です。

講堂・和室・被服室には、129年の女子教育の歴史も残る

最新のICT設備だけでなく、伝統的な教育に使う空間も校内に残されています。

大きな学校行事や発表に利用する講堂のほか、和室、被服室、音楽室、美術室などがあり、礼法や日本文化、芸術に触れる授業にも利用されます。

和洋九段の前身は1897年に開かれた和洋裁縫女学院です。そのため、被服や日本文化に関する施設は、単なる特別教室というだけでなく、学校の歴史ともつながっています。

また、校内には和洋学園硯友社文庫があります。和洋裁縫女学院が設立された場所は、尾崎紅葉らによる文学結社「硯友社」の跡地にあたり、当時の活動を伝える資料を保存しています。

フューチャールームやタブレット端末の一方に、和室や学校の歴史資料がある。「新しいものだけ」に学校全体を作り替えず、九段で積み重ねてきた歴史も校内に残しているところに、和洋九段らしい施設構成が見えます。

24時間警備と3日分の備蓄など、都心通学を支える安全対策

施設を見る際には、学習環境だけでなく安全面も確認しておきたいところです。

校内には24時間警備員が常駐し、防犯カメラ、オートロック、警察直結の非常通報ボタンなどを設置しています。登下校時にはICタグを利用した情報確認サービスも導入されています。

地震などで帰宅が困難になった場合を想定し、校内で3日間待機できる非常食や飲料水、毛布、簡易トイレなども備蓄しています。生徒の居住地域に応じた帰宅班も編成されています。

九段下・飯田橋という交通の便がよい場所である一方、大規模災害時には鉄道が止まり、すぐに帰宅できなくなる可能性があります。都心校だからこそ、学校に留まることまで想定した準備が必要です。

学習面ではPBLやICTに対応する新しい設備、生活面ではカフェテリアや自習環境、運動面では温水プールや体育館、そして安全面では防犯・防災対策まで整える。限られた都心の校地をどのように使って6年間の学校生活を支えるかという視点で見ると、和洋九段の施設の特徴が分かりやすくなります。

学校生活と行事|女子校ならではの一体感と校外へ広がる学び

行事もPBLの延長線上にあり、「自分たちでつくる」経験を重ねる

和洋九段女子中学校では、体育祭や文化祭といった大きな学校行事に加え、研修旅行、企業訪問、合唱コンクール、ビブリオバトル、英語プレゼンテーションなど、年間を通してさまざまな活動があります。

特徴的なのは、行事を授業とは別の「楽しいイベント」として切り離していないことです。普段のPBL型授業と同じように、自分で考え、仲間と相談し、役割を分担し、一つのものを形にする場として行事が位置づけられています。

時期主な行事
4月入学式、新入生歓迎会
5月学年別研修・修学旅行、企業・団体訪問
6月中学邦楽鑑賞会、体育祭
夏休みオーストラリア語学研修、クラブ合宿、夏期講習
球技大会、文化祭、芸術鑑賞会
11月中学ビブリオバトル、中学合唱コンクール
1月中学英語プレゼンテーション
3月卒業式、春期講習、クラブ合宿、海外文化研修

1学年70人台を中心とする学校なので、行事では一部の生徒だけが目立つというより、一人ひとりが役割を持ちやすい規模です。人前に立つのが得意な生徒だけでなく、準備、装飾、運営、記録など、それぞれの得意分野を生かして参加できます。

体育祭は東京武道館で開催、高3の「扇の舞」は60年以上続く伝統

和洋九段を代表する行事の一つが、6月に行われる体育祭です。現在は綾瀬にある東京武道館を会場として、中学生と高校生が一緒に参加します。

クラス・クラブ対抗の競技に加え、学年ごとのダンスなどもあり、生徒が考えた新しい競技が加わる年もあります。競技する側だけでなく、応援や運営を含めて学校全体で一日をつくります。

なかでも和洋九段の体育祭を象徴するのが、高校3年生による「扇の舞」です。60年以上続く伝統があり、高3全員が半年以上かけて練習を重ねます。

中1で初めて先輩の舞を見た生徒が、その後5年間を過ごし、最後には自分たちが舞う側になります。中高一貫の女子校だからこそ、毎年同じ行事を見ながら「いつか自分もあの学年になる」という感覚が生まれます。

伝統行事をただ同じ形で繰り返すのではなく、競技には生徒の新しいアイデアを取り入れながら、扇の舞のような長く続く文化も残しています。

文化祭は、生徒が日頃の学びや活動を外へ伝える場

秋の文化祭も、和洋九段の学校生活を知るうえで重要な行事です。クラス企画、クラブの展示・発表、舞台発表などが行われ、校内全体が普段とは違う雰囲気になります。

PBL型授業では、調べたことや考えたことを相手へ伝えるところまでを学習としています。文化祭も同じように、「何を見せたいか」「どうすれば来場者に伝わるか」を生徒自身が考える機会になります。

文化系クラブにとっては、日頃取り組んできた演奏、作品、研究などを発表する場でもあります。準備には学年を越えた協力が必要になり、中高合同の学校だからこその縦の関係も生まれます。

受験生にとっても、文化祭は学校の雰囲気を確かめやすい機会です。施設を見るだけでなく、在校生がどのように受験生へ声をかけ、仲間と協力し、企画を運営しているかを見ると、日常の学校生活を想像しやすくなります。

中1はブリティッシュヒルズ、中2は社会へ、中3はシンガポールへ

中学3年間では、学年ごとに学校の外へ出て学ぶ機会が設けられています。

学年主な校外活動学びの方向
中1ブリティッシュヒルズ英語や異文化に触れ、仲間との関係をつくる
中2企業・団体訪問(GEP)実社会や仕事について知り、将来を考える
中3シンガポール修学旅行海外の社会・文化を実際に見て視野を広げる

中1では福島県のブリティッシュヒルズを訪れ、英語を使う環境の中で研修を行います。入学して間もない時期に宿泊を伴う活動を経験することで、クラスメイトとの関係を深める機会にもなります。

中2ではGEPとして企業や団体を訪問します。学校で職業について説明を聞くだけではなく、実際の仕事の現場や社会課題に触れ、「自分は将来どのように社会と関わりたいのか」を考えます。

そして中3ではシンガポールへ修学旅行に出かけます。経済発展、多文化社会、歴史など、日本にいるだけでは実感しにくいアジアの姿を現地で見ます。

中1では英語環境、中2では国内社会、中3では海外へと活動範囲が広がっていく構成です。単なる観光旅行ではなく、学校の外へ出ることでPBLの題材そのものを増やしていく3年間になっています。

ビブリオバトル・合唱・邦楽・英語プレゼンで、異なる「表現」を経験する

大規模な体育祭や文化祭だけでなく、中学生だけで取り組む行事も複数あります。

6月には邦楽鑑賞会があり、日本の伝統音楽に触れます。英語やグローバル教育に力を入れる一方で、礼法・茶道・華道などと同様に、日本文化について知る時間も大切にしています。

11月にはビブリオバトルと合唱コンクールがあります。ビブリオバトルでは、自分が読んだ本の面白さを言葉で他者へ伝えます。PBLとは形式が異なっても、「自分の考えを整理して相手に届ける」という点では日常の授業とつながっています。

合唱コンクールでは、一人だけ上手に歌えば完成するわけではありません。クラス全員が同じ曲をつくるために練習し、互いの声を聞きながら一つの表現にまとめます。

さらに1月には中学生の英語プレゼンテーションがあります。英語を筆記試験の科目として学ぶだけでなく、実際に人前で使用する機会です。

本を語る、歌う、日本文化に触れる、英語で発表する。さまざまな方法で自分を表現する経験を持てることも、女子だけの環境で6年間を過ごす和洋九段の学校生活の一部です。

希望者は中3からオーストラリア研修、ターム留学・長期留学にも進める

海外でさらに学びたい生徒には、全員参加の中3シンガポール修学旅行とは別に、希望制の海外プログラムがあります。

代表的なのが、オーストラリア・シドニーで行われる約15日間のホームステイ語学研修です。対象は中3から高2で、長年交流を続けている現地女子校とのつながりを生かして実施します。

短期研修より長く海外で学びたい場合には、約3か月のターム留学や約10か月の長期留学も選択できます。

プログラム期間の目安主な国・地域
オーストラリア語学研修約15日間シドニー
ターム留学約3か月オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、アメリカなど
長期留学約10か月オーストラリア、ニュージーランド、カナダ

グローバルクラスの生徒だけに海外経験が限定されているわけではありません。本人の希望や英語力、進路に応じて、学校生活の途中から海外へ挑戦することができます。

中1のブリティッシュヒルズから始まり、中3のシンガポール、希望者のオーストラリア研修、さらに長期留学へと段階的に世界を広げられる構成です。

地域との関わりも、九段で学ぶ学校生活の一部

和洋九段では、校内や海外だけでなく、学校がある千代田区との関わりも持っています。

年間を通じて千代田区アダプトシステムに参加し、学校周辺の環境美化など地域に関わる活動を行っています。

創設者・堀越千代が目指したのは、自立した女性を育てることでした。現在の学校も「自立」だけでなく、その力を社会の中でどのように使うかを教育のテーマとしています。

PBL型授業で社会課題を考え、GEPで企業や団体を訪れ、地域活動に参加し、海外では異なる社会を見る。こうした経験は、教室の中だけで社会について学ぶのとは異なります。

和洋九段の行事を見ると、体育祭や文化祭で仲間と一つのものをつくる時間と、学校の外へ出て新しい社会に出会う時間の両方があります。

少人数の女子校という安心できる場所を拠点にしながら、学年が上がるほど九段の外へ活動範囲を広げていく。その流れが、和洋九段で過ごす6年間の学校生活を特徴づけています。

クラブ活動|少人数の学校で学年を越えてつながる放課後

体育系10・文化系19、合計29のクラブから選べる

和洋九段女子中学校高等学校には、体育系10、文化系19の合計29クラブがあります。1学年70人台を中心とする学校規模を考えると、運動・音楽・芸術・文化・研究まで幅広い選択肢があります。

区分クラブ
体育系体操、バレーボール、ダンス、バスケットボール、バドミントン、水泳、陸上、テニス、空手道、卓球
文化系演劇、管弦楽、コーラス、茶道、書道、華道、写真、美術、箏曲、ギター、英語、生物、家庭、放送、メディア研究、歴史、人形箱、文芸、チェス

中学入学後にはクラブ体験の機会があり、実際に活動を見たり参加したりしながら所属先を考えます。小学校まで続けてきた活動を選ぶことも、中学から初めて新しいことに挑戦することもできます。

人数の多い学校ではありませんが、その分、クラブの中では学年を越えて顔を合わせる機会が増えます。クラスだけではつながりにくい先輩・後輩との関係をつくる場所にもなっています。

屋内温水プールを使える水泳部

運動部の中で、和洋九段の施設環境を生かしやすいのが水泳部です。

校内には5コースを備えた屋内温水プールがあり、天候や季節に左右されにくい環境で練習できます。九段という都心の学校でありながら、学校内に水泳の練習環境を持っていることは特徴的です。

水泳経験者だけでなく、入学後に本格的に取り組む生徒もいます。学校生活の中で継続して泳ぎたい生徒にとっては、外部施設まで移動せず校内で活動できることに意味があります。

和洋九段では体育館やテニスコートなども備えており、限られた都市型キャンパスを使いながら複数の運動部が活動しています。

テニス・バドミントン・ダンスなど、中学から始めやすい競技も多い

中学生に身近な運動部として、テニス部、バドミントン部、バレーボール部、バスケットボール部、卓球部、ダンス部などがあります。

テニス部では硬式テニスに取り組めるため、小学校までラケット競技の経験がなかった生徒が入学後に始めるケースもあります。

ダンス部や体操部のように、体育祭や文化祭など学校行事で日頃の活動を披露できるクラブもあります。大会だけでなく、校内で他の生徒に成果を見てもらえることも活動を続けるモチベーションになります。

また、体育祭にはクラブ対抗リレーがあり、運動部の生徒が普段の活動とは違う形で学校全体から応援を受ける機会もあります。

競技成績だけを目的にするのではなく、放課後に仲間と一つの活動を続けることそのものが、中高生活の大きな部分になっています。

空手道・箏曲・華道・茶道など、日本文化に触れる活動もある

和洋九段には、学校の女子教育の歴史や日本文化とのつながりを感じられるクラブもあります。

運動系では空手道部、文化系では箏曲部、華道部、茶道部、書道部などが活動しています。

授業でも中1の礼法や中2の華道・茶道などに触れますが、クラブでは興味を持った分野をさらに継続して学ぶことができます。

グローバルクラスや海外研修など英語・国際教育が目立つ学校でありながら、日本文化に関わる活動も残している点は和洋九段らしいところです。

外国について知るだけでなく、自分たちの文化についても学ぶという考え方が、授業だけでなく放課後の選択肢にも表れています。

管弦楽・コーラス・ギターなど、音楽系にも複数の選択肢

音楽が好きな生徒には、管弦楽部、コーラス部、ギター部、箏曲部などがあります。

同じ音楽でも、オーケストラ、歌、ギター、邦楽と活動内容が異なるため、小学校までの経験や興味に合わせて選べます。

こうした文化系クラブにとって大きな発表機会となるのが文化祭です。日頃練習してきた曲や作品を、友人、保護者、受験生など多くの人の前で披露します。

校内には講堂や音楽関係の施設もあり、学校行事とクラブ活動をつなげやすい環境です。

中高を通して同じ活動を続ければ、最初は先輩について演奏していた中学生が、やがて後輩をまとめる立場になります。少人数の学校では、こうした学年を越えた役割の変化も経験しやすくなります。

生物・メディア研究・英語・歴史など、「好き」を深めるクラブもある

運動や芸術以外にも、生物部、メディア研究部、英語部、歴史部、文芸部、写真部、放送部、チェス部などがあります。

こうした活動は、和洋九段が力を入れるPBL型授業とも相性があります。授業で興味を持ったテーマをクラブでさらに調べたり、反対にクラブ活動から生まれた疑問を探究につなげたりすることができます。

たとえば生物に興味があれば、理科室を使った授業だけで終わらず、生物部で継続して観察や研究に取り組めます。情報発信に興味があれば、メディア研究部や放送部、写真部などの選択肢があります。

英語部のように、授業やグローバル教育で身につけた語学力を別の活動で使うこともできます。

「大学受験に役立つか」という基準だけではなく、自分が面白いと思ったことを放課後にも続けられることが、クラブ活動の役割です。

「人形箱部」のような、学校独自の文化が残るクラブも

29のクラブの中には、一般的な学校ではあまり見かけない人形箱部もあります。

伝統的な手仕事やものづくりに関わる活動で、学校の前身が「和洋裁縫女学院」であった歴史とも重なります。

現在の和洋九段はPBL、ICT、グローバル教育に力を入れていますが、学校のすべてが新しい活動へ置き換わったわけではありません。

書道、華道、茶道、箏曲、家庭、人形箱といったクラブがあることで、長く続いてきた女子教育や日本文化に触れる選択肢も残されています。

フューチャールームでプレゼンテーションを行う日常と、放課後に伝統文化や手仕事に向き合う時間が同じ学校にある。その幅の広さも和洋九段の特徴です。

少人数校だからこそ、クラブでは自分の役割が回ってきやすい

和洋九段のクラブ活動を考えるうえで、学校全体の人数も重要です。

中学校は1学年70人台を中心とする規模で、高校を含めても大規模校ではありません。そのため、一つのクラブに何十人もの同級生が集まり、活動の出番を待ち続けるという環境とは異なります。

もちろんクラブごとに人数差はありますが、少人数で活動する場合には、一人ひとりが担う仕事や発表の機会も増えます。中学生の段階から作品を出展したり、演奏したり、試合へ出たり、行事運営に関わったりする経験を持ちやすくなります。

その反面、大人数だから成立する大規模な部活動や、非常に細分化された競技を求める場合には、希望する活動がない可能性もあります。29クラブの中に本人が興味を持てるものがあるかは、入学前に確認しておきたいところです。

学校説明会や文化祭では、クラブの種類だけでなく、実際に何人くらいで、週にどの程度活動し、どのような雰囲気で先輩・後輩が関わっているかを見ると、入学後の放課後を想像しやすくなります。

和洋九段のクラブ活動は、全国大会への実績だけを前面に出すタイプではありません。少人数の女子校の中で、好きなことを見つけ、学年を越えた仲間と続け、少しずつ自分が中心となる側へ成長していく。その経験が、授業とは違う形で6年間を支えています。

進学実績と卒業後の進路|一般受験・推薦を組み合わせた大学進学

系列大学への一貫進学が中心ではなく、一人ひとりが進学先を選ぶ

和洋九段女子中学校高等学校は、学校法人和洋学園に属し、系列校として和洋女子大学があります。しかし、高校卒業後に全員が和洋女子大学へ進むタイプの附属校ではありません。

実際には、国公立大学、難関私立大学、女子大学、理工・医療系大学、海外大学など、生徒がそれぞれの興味や将来像に合わせて進路を選んでいます。

また、大学への進み方も一般選抜だけに限定されません。指定校推薦、学校推薦型選抜、総合型選抜、系列大学への推薦などを組み合わせ、本人に合う入試方式を考えていきます。

1学年の人数が比較的少ない学校だからこそ、「全員を同じ大学群へ向かわせる」というより、本人が高校生活の中で見つけたテーマから志望学部・大学を具体化する進路指導が基本になります。

2025年春は東京外国語大・東京藝術大、上智・慶應などにも合格

2025年3月卒業生の大学合格実績を見ると、進路の幅広さが分かります。

国公立大学では東京外国語大学1名、東京藝術大学1名が合格。私立大学では、上智大学3名、慶應義塾大学1名、青山学院大学2名、明治大学1名、中央大学1名、法政大学3名、学習院大学1名などの合格実績があります。

大学2025年度合格者数
東京外国語大学1名
東京藝術大学1名
慶應義塾大学1名
上智大学3名
青山学院大学2名
明治大学1名
中央大学1名
法政大学3名
学習院大学1名
東京理科大学1名

このほか、成蹊大学2名、成城大学1名、北里大学1名、東京薬科大学1名、東京農業大学1名など、文系だけでなく理系・医療系を含む進路が見られます。

和洋九段は卒業生数そのものが大規模校ほど多くありません。そのため、合格者数の絶対値を数百人規模の学校と単純比較するより、一つの学年からどのような分野・大学へ進んでいるのかを見る方が学校の進路実態をつかみやすくなります。

女子大学・医療系・芸術系まで、進路はかなり分散している

和洋九段の進学先は、いわゆるGMARCH以上の大学だけに集中しているわけではありません。

2025年度には、日本女子大学2名、大妻女子大学3名、共立女子大学4名、聖心女子大学2名など、女子大学にも合格者を出しています。

さらに東京女子医科大学、東京薬科大学、日本赤十字看護大学、北里大学など医療・生命科学系への合格もあります。芸術分野では東京藝術大学、武蔵野美術大学、女子美術大学、桐朋学園大学などへの進路も見られます。

これは、高校でフューチャーデザイン・グローバル・サイエンスという異なる学びの方向を用意していることともつながっています。

興味の方向進路の例
人文・社会上智、青山学院、明治、法政、学習院など
理工・生命科学東京理科、北里、東京農業、東京都市など
医療・薬学東京女子医科、東京薬科、日本赤十字看護など
芸術東京藝術、武蔵野美術、女子美術、桐朋学園など
女子大学日本女子、大妻女子、共立女子、聖心女子など

中学受験時点で将来の学部が決まっていなくても、PBL、企業訪問、海外経験、クラブなどを通して興味を見つけ、高校で進路を絞り込んでいくことができます。

2026年度の指定校推薦には、上智・青山学院・中央・法政などが並ぶ

和洋九段の進路で大きな選択肢になるのが、豊富な指定校推薦です。

2026年度の主な指定校推薦枠には、上智大学、青山学院大学、学習院大学、中央大学、法政大学、立命館大学などが含まれています。

さらに、成蹊大学、成城大学、獨協大学、津田塾大学、東京女子大学、日本女子大学、北里大学、昭和薬科大学、東京女子医科大学、東京農業大学、日本獣医生命科学大学など、多様な分野の大学があります。

  • 上智大学
  • 青山学院大学
  • 学習院大学
  • 中央大学
  • 法政大学
  • 立命館大学
  • 成蹊大学・成城大学
  • 津田塾大学・東京女子大学・日本女子大学
  • 北里大学・昭和薬科大学・東京女子医科大学
  • 東京農業大学・日本獣医生命科学大学

指定校推薦は、「その大学の枠があるから必ず進める」という制度ではありません。校内で一定の成績基準を満たし、希望者が重なれば校内選考を経ることになります。

だからこそ、中学からの日々の学習を安定させ、高校でも継続して成績を積み上げることが重要です。一般選抜だけでなく推薦も選べることによって、高校3年になった時点で本人に合った受験方式を選択できるのが和洋九段の進路設計です。

和洋女子大学への推薦ルートもあり、「保険」ではなく一つの進路として選べる

同じ学校法人には、千葉県市川市にある和洋女子大学があります。和洋九段からは系列校としての推薦制度を利用できます。

2025年度の大学合格実績では、和洋女子大学に10名が合格しています。前年の2024年度は3名、2023年度も3名で、年度によって人数には差があります。

和洋女子大学には人文学部、国際学部、家政学部、看護学部などがあり、高校時代に希望する学問と一致すれば、系列大学という選択肢を利用できます。

一方で、和洋九段では系列大学への進学を全員に求めていません。実際には多くの生徒が他大学を受験しているため、系列大学への道を持ちながら、外部大学も自由に検討できる学校です。

大学附属校のように進路を早く固定したい家庭というより、推薦という選択肢も持ちながら、高校生になってから本人の興味に合わせて進学先を決めたい家庭に合いやすい仕組みです。

海外大学も現実的な選択肢になっている

グローバル教育を行う和洋九段では、国内大学だけでなく海外大学への進学ルートも用意しています。

2019年度から海外協定大学推薦制度UPAAに加入しており、この制度を通してイギリスやアメリカなどの協定大学へ出願できます。

2025年度の合格実績では、テンプル大学ジャパンキャンパス1名に加え、ハンガリーのセゲド大学1名、韓国の延世大学1名という実績があります。

中学から英語を学び、シンガポール修学旅行やオーストラリア研修、高校でのターム留学・長期留学などを経験した先に、海外大学という進路を選ぶこともできます。

もちろん、グローバルクラスに入れば全員が海外大学を目指すわけではありません。国内の国際系学部や外国語系学部へ進むこともでき、英語力をどの進路に使うかは本人が選ぶという位置づけです。

一般選抜だけに偏らないことが、PBL型教育ともつながる

大学入試は現在、一般選抜だけでなく、学校推薦型選抜や総合型選抜の比重も大きくなっています。

こうした入試では、学力試験の得点だけではなく、高校で何に取り組んだのか、なぜその学部で学びたいのか、自分の考えをどのように説明できるのかが問われます。

和洋九段では中学からPBL型授業を行い、日常的に自分の意見を考え、グループで話し合い、プレゼンテーションをします。企業訪問、SDGs、海外研修など、教室外での経験も積み重ねます。

これらは大学入試だけを目的に行われているわけではありませんが、6年間続けてきた経験は総合型選抜や学校推薦型選抜で自分自身を説明するときにも生きてきます。

一方、国公立大学や難関私立大学の一般選抜を希望する生徒には、教科学習や受験対策も必要です。PBLだけで大学入試に対応するのではなく、高校では進路に合わせた授業や講習を組み合わせます。

一般選抜、指定校推薦、総合型選抜、系列大学推薦、海外大学。一つの受験方法に全員を合わせるのではなく、本人の学力・活動・興味に応じて進路を組み立てられることが、和洋九段の大学進学の特徴です。

進学実績は「大学名」だけでなく、6年間で進路を見つける過程を見たい

和洋九段は、難関大学への大量合格を競う大規模進学校とは学校の性格が異なります。

1学年の人数が比較的少なく、志望する分野も、人文・国際・理工・医療・芸術・海外大学まで分散しています。そのため、特定の大学の合格者数だけで学校全体の進路指導を評価すると実態をつかみにくくなります。

中1・中2では自己理解を進め、中3・高1では自分の可能性を広げ、高2・高3では具体的な進路へ向けて準備するという流れの中で、本人が「何を学びたいのか」を考えていきます。

PBLで自分の意見を持ち、企業や社会と出会い、グローバル教育で海外を知り、サイエンスや芸術、クラブなどで好きなことを深める。その経験から志望学部を決め、必要な入試方式を選択するのが理想的な6年間です。

和洋九段の進学実績を見る際には、「どの大学に何人受かったか」と同時に、「少人数の女子校でどのように自分の進路を見つけられるか」まで確認すると、この学校の進路教育がより分かりやすくなります。

学費や諸経費について|6年間の学校生活にかかる費用を整理

2026年度の初年度納付金は、学則上の費用で約90万7,000円

和洋九段女子中学校の学費を考える際には、まず学校へ納める基本的な費用と、教材・旅行積立・制服などの実費を分けて見ると分かりやすくなります。

2026年度について東京都が公表している学費では、和洋九段女子中学校の授業料は年額432,000円、入学金は300,000円です。その他の学校納付金を合わせた初年度納付金は906,600円となっています。

2026年度の主な学校納付金金額
授業料432,000円
入学金300,000円
その他の学校納付金174,600円
初年度納付金906,600円

ただし、この約90万7,000円だけで中1の学校生活に必要な費用がすべて収まるわけではありません。教材、校外行事、制服・指定用品などの費用が別に必要になります。

したがって、家計を考える際には「学費約91万円」と見るのではなく、学校への基本納付金に加えて、中学生活で必要になる実費まで含めて考える必要があります。

教材・旅行などの「諸費積立金」も毎年必要になる

学校生活では、教科書だけでなく副教材、校外学習、芸術鑑賞、宿泊行事などさまざまな費用が発生します。和洋九段では、こうした費用を諸費積立金としてあらかじめ納める仕組みがあります。

学校が示している費用例では、中1は220,000円、中2は200,000円、中3は80,000円が諸費積立金として設定されており、3年間では500,000円になります。

学年諸費積立金の参考額
中1220,000円
中2200,000円
中380,000円
3年間500,000円

この積立金は、教材や旅行、鑑賞会など、生徒が学校生活の中で直接利用する費用に充てられます。年度末には決算が行われます。

中1のブリティッシュヒルズ、中3のシンガポール修学旅行など、和洋九段では校外へ出る学びも多いため、授業料だけではなく体験学習にかかる費用も教育費の一部として考えておきたいところです。

なお、物価や旅行費用の変動などによって、積立額は年度ごとに変更される可能性があります。

制服・体育用品など、入学時には7万円台から追加費用がかかる

入学時には制服や学校指定用品をそろえる必要があります。

必ず購入するものだけを合計した学校の費用例では、入学時物品購入費は約72,000円です。ただし、スカートとスラックスの選択、セーター、夏服、コートなど、希望に応じて購入する用品を加えると実際の金額は増えます。

主な指定用品価格の目安
ブレザー約24,900円
冬スカート約18,000円
冬スラックス約20,500円
長袖ブラウス約4,500円
指定リュック約13,500円
体育用半袖シャツ約4,600円
体育館シューズ約4,700円

制服にはスカートだけでなくスラックスも用意されており、季節や本人の好みに応じた着こなしを選べます。

さらに体育着、水着、美術・音楽用品なども必要です。入学直後は学費以外の支出が集中するため、入学金だけでなく制服・学用品を購入するための資金も準備しておくと安心です。

学校が示す費用例では、中学3年間で約274万円

授業料、施設費、各種会費、諸費積立金、入学時物品購入費まで含めた学校の費用例では、中学3年間で約274万円となります。

項目中学3年間の参考額
入学金300,000円
入学時物品購入費72,003円
授業料1,296,000円
施設費450,000円
校費11,100円
生徒会費24,000円
後援会費90,000円
諸費積立金500,000円
合計2,743,103円

これは現在の費用感を把握するための参考であり、在学する年度によって金額は変わります。また、通学定期、クラブ活動、希望制の海外研修などは別です。

単純に3年間で割れば年間90万円前後になりますが、中1は入学金や制服購入があるため負担が大きく、中2・中3では少し下がるという形になります。

私立中学校として極端に高額な学費設定ではありませんが、中学校だけで終わらず、そのまま高校へ進む家庭が多いため、6年間で教育費を考えることが重要です。

高校でも授業料は年43万2,000円、6年間ではまとまった教育費になる

和洋九段では、中学校から高等学校へ進学して6年間を過ごすことが基本となります。

高校の授業料も現在は年額432,000円です。これに学校納付金や教材・進路関連費などが加わります。

中高とも授業料が同水準なので、中学校だけの3年間ではなく、高校卒業までの6年間について大まかな費用を見通しやすい学校でもあります。

ただし、高校では大学受験に向けた模試、講習、検定、出願料などが増える可能性があります。グローバルコースで海外研修・留学を利用したり、サイエンス系の活動に参加したりすれば、その費用も加わります。

中学受験時には「初年度はいくらか」だけに目が向きやすいですが、実際には高校卒業まで6年間、さらに大学進学費用へ続くことを前提に家計を考えておきたいところです。

海外研修・ターム留学・長期留学を選ぶ場合は別途費用が必要

和洋九段では、中3以降の希望者が参加できるオーストラリア語学研修のほか、約3か月のターム留学、約10か月の長期留学などがあります。

これらは通常の学費に含まれるプログラムではないため、参加する場合には渡航費、現地授業料、滞在費、保険料などの追加費用が必要になります。

グローバルクラスを検討している家庭や、将来的に長期留学を希望している家庭では、入学時の学費だけでなく海外プログラムの費用も含めた準備が必要です。

一方、すべての生徒が長期留学へ参加するわけではありません。全員が海外経験に高額な費用をかけなければ学校の教育を受けられない仕組みではなく、本人の希望や進路に応じて選択します。

通常の6年間の教育費と、本人が希望した場合に追加する海外経験の費用を分けて考えると、家計の計画を立てやすくなります。

特待生は授業料相当額の全部または一部が給付される

和洋九段には、独自の特待生制度があります。

中1では入学試験における特待合格者が対象となり、中2以降は前年度の成績が上位で、学習態度・生活態度が良好な生徒から選考されます。

中学1年中学2年~高校3年
主な選考基準入試での特待合格前年度成績上位・学習態度・生活態度
応募不要不要
給付1年間の授業料相当額またはその一部
返還義務なし

2026年度入試でも、複数の入試回で特待合格者が出ています。

中学入試で特待生になれなかったとしても、その後の成績次第で中2以降に選ばれる可能性があります。入学時だけで特待資格が固定される制度ではありません。

学力上位を維持することが必要ですが、対象となれば年間432,000円の授業料負担を大きく軽減できます。

家計急変時には、返還不要の経済的助成もある

特待制度とは別に、経済的な事情によって学費の支払いが困難になった家庭を対象とする和洋九段奨学金もあります。

学費の支弁が困難であり、学業に勤勉で生活態度が良好な生徒を対象として、中2から高3まで申請できます。

選考された場合には、年間授業料相当額の2分の1が給付され、返還義務はありません。

入学後に家庭の状況が変化した場合でも、学費を理由にすぐに学校生活を諦めなければならないことがないよう支援制度が設けられています。

特待制度が成績上位者への支援であるのに対して、こちらは経済状況を踏まえた制度です。目的の異なる二つの仕組みを持っています。

東京都在住なら、2026年度は授業料が最大12万円軽減される

東京都内に住む家庭では、学校独自の制度とは別に東京都の私立中学校等授業料軽減助成金を利用できる場合があります。

2026年度は所得制限がなく、年額100,000円を上限とする助成に、20,000円の臨時支援が加わり、最大120,000円の授業料支援を受けられます。

和洋九段の年間授業料432,000円に対して満額の助成を受けた場合、実質的な授業料負担は312,000円まで軽減されます。

対象となるには生徒と保護者が東京都内に居住していることなどの条件があり、毎年度申請が必要です。支援額や制度自体も今後変更される可能性があります。

和洋九段の学費を見る際には、学校へ支払う額だけではなく、特待生・学校独自奨学金・東京都の授業料支援まで含めて、家庭ごとの実負担を考えるとより現実的です。

基本学費だけなら都内私立中学校の中で突出して高い学校ではありませんが、PBL、宿泊行事、海外プログラム、クラブなど活動の選択肢が多い学校です。6年間で何に参加したいのかまで考えながら、余裕を持った教育費計画を立てておきたいところです。

入試情報と合格の目安|多彩な入試方式と複数回の受験機会

2027年度は入試体系を再編、本科100名・グローバル30名を募集

和洋九段女子中学校の2027年度入試では、本科クラス100名・グローバルクラス30名、合計130名を募集する予定です。

これまでの「第1回・第2回・第3回……」という区分から入試体系が整理され、2027年度は得意科目入試・英語入試・適性検査入試・SSS特待入試・基礎力入試という5種類を中心に実施します。

入試日程主な試験内容
得意科目入試2月1日午前・午後2科・4科型またはPBL型
英語入試2月1日午前・午後、2月2日午前、2月3日午後英語筆記+スピーキング
適性検査入試2月2日午前適性検査Ⅰ型
SSS特待入試2月2日午後2科または4科
基礎力入試2月3日午後・2月5日午前国語・算数

募集人員の内訳は、得意科目入試70名、英語入試15名、適性検査入試10名、SSS特待入試20名、基礎力入試15名です。

一般的な2科・4科入試だけでなく、PBL、英語、公立中高一貫校型の適性検査など、受験生がこれまで培ってきた力を生かせる入口を複数用意しているのが和洋九段の入試の特徴です。

一般的な中学受験勉強なら、2月1日の「得意科目入試」が基本になる

国語・算数・理科・社会を中心に中学受験の勉強をしてきた受験生にとって、最も入りやすいのが2月1日の得意科目入試です。

午前・午後のそれぞれで実施され、2科・4科型では国語・算数の2科または国語・算数・社会・理科の4科を選択できます。

国語・算数はそれぞれ45分。4科型では、これに理科・社会を加えて受験します。

方式科目向いている受験生
2科型国語・算数国算を中心に準備してきた受験生
4科型国語・算数・理科・社会一般的な4科受験を続けてきた受験生
PBL型PBL型授業対話・協働・発表を得意とする受験生

2月1日は多くの女子校・共学校が入試を行うため、第一志望校を午前に受け、和洋九段を午後に組み合わせることもできます。反対に和洋九段を第一志望とするなら、午前から受験することも可能です。

複数の日程と方式があるため、「和洋九段をどの位置づけで受けるか」に合わせて入試方式を選びやすい学校です。

PBL型では110分の授業を受け、論理性・協働性・表現力を見る

和洋九段らしさが最も直接的に表れているのが、得意科目入試のPBL型です。

一般的な筆記試験とは異なり、約110分のPBL型授業を受け、その中で論理性・協働性・表現力などが評価されます。

普段の和洋九段の授業と同様、一つの問いについてまず自分で考え、他の受験生と意見を交換しながら考えを深め、発表へつなげる形です。

ここで求められるのは、誰よりも多く発言することではありません。自分の意見を持つこと、理由を説明すること、相手の話を聞くこと、異なる考えを取り入れながらグループとして話を進めることが重要になります。

和洋九段のPBLでは、相手の考えを頭ごなしに否定・批判せず、異なる意見から新しい考えをつくることを重視しています。

そのため、筆記試験では測りにくい「人と一緒に考える力」を生かして受験できる方式です。同時に、入学後の授業との相性を受験段階で確認する意味もあります。

英語が得意なら、4日程ある「英語入試」を利用できる

英語学習を続けてきた受験生には、英語入試があります。

2027年度は2月1日午前・午後、2月2日午前、2月3日午後に実施予定で、同じ英語力を複数の日程で生かせる構成です。

試験は45分の英語筆記と約10分のスピーキングで構成されます。筆記ではリスニング・リーディング・ライティングを扱い、スピーキングでは実際に英語でコミュニケーションする力を確認します。

一定の英検資格については優遇制度も設けられています。グローバルクラスを希望する受験生だけでなく、本科クラスを希望する受験生も英語入試を利用できます。

小学校時代から英会話や英語塾に通ってきた子、帰国経験がある子などにとって、国語・算数だけで勝負する必要がないのは大きな特徴です。

入学後もグローバルクラスでは英語を日常的に使用するため、「英語を得意科目として持っていること」を、そのまま中学校での学びへつなげられる入試になっています。

2027年度は適性検査入試とSSS特待入試も用意

2027年度からの入試で注目したいのが、2月2日午前の適性検査入試です。

適性検査Ⅰ型を用いるため、都立九段中等教育学校をはじめ、公立中高一貫校の受検に向けて文章読解・記述型の対策をしてきた受験生も、その学習を生かして受験できます。

私立中向けの4科対策を一から追加しなくても受験できるため、公立中高一貫校との併願を考える家庭にとって選択肢になります。

同日の午後にはSSS特待入試を実施します。2科または4科を選択でき、募集は20名。特待合格だけでなく、基準に応じて一般合格へスライドする仕組みも用意されています。

特待生に選ばれた場合には、前節で紹介したように授業料相当額の全部または一部が給付されます。

学力上位層にとっては、合格だけでなく特待資格まで狙える入試として利用できます。

2月3日・5日には国算の基礎力入試が残る

入試期間の後半には、国語・算数の基礎力入試があります。

2027年度は2月3日午後と2月5日午前に実施予定です。複雑な方式ではなく、国語・算数の2科で基礎学力を確認します。

和洋九段を第一志望として2月1日に受験したものの結果が届かなかった場合に再挑戦することも、他校の結果を見ながら2月後半の日程に加えることもできます。

2026年度まで実施していた2月7日の入試は2027年度にはなくなり、後半日程は2月5日までに整理される予定です。

それでも、2月1日だけで終了する学校と比べると受験機会は多くあります。特に第一志望の場合、一度の試験結果だけで諦めず、複数回挑戦できることは日程上の特徴です。

2026年度は延べ222名が受験し199名が合格、倍率の読み方には注意

直近の2026年度入試では、一般入試全体の延べ応募者数は667名、延べ受験者数は222名、延べ合格者数は199名でした。

ただし、和洋九段では同じ受験生が複数回へ出願できるため、応募者数をそのまま実人数として見ることはできません。

2026年度応募者受験者合格者実質倍率
2月1日午前83名60名58名約1.0倍
2月1日午後121名101名89名約1.1倍
2月2日午後109名18名14名約1.3倍
2月3日午前116名13名11名約1.2倍
2月3日午後117名18名16名約1.1倍
2月4日午前114名6名5名約1.2倍

後半の日程ほど応募者に対して実際に受験する人数が大きく減っています。これは、早い日程で本人が合格したり、他校への進学が決まったりして欠席する受験生が多いためです。

したがって、「応募倍率が10倍を超えているから非常に厳しい」と読むのは適切ではありません。実際に会場へ来た受験生に対する実質倍率を見る必要があります。

直近では多くの回が1.0~1.3倍程度ですが、それでも受験すれば自動的に合格するわけではありません。各方式で学校が求める基礎学力や適性を示す必要があります。

偏差値は首都圏模試で40前後が一つの目安、方式との相性も重要

模試の合格可能性を見ると、和洋九段女子中は首都圏模試80%偏差値でおおむね40前後が一つの目安になります。入試回や本科・グローバル、科目数によって多少の差があります。

2027年度向けの首都圏模試では、2科型などで40~42程度を中心とするラインが示されています。

ただし、和洋九段では偏差値だけで合格可能性を判断しにくい面があります。PBL型や英語入試、適性検査入試では、一般的な4科模試の偏差値とは異なる力が評価されるためです。

たとえば4科模試では偏差値がそれほど高くなくても、英語が得意でスピーキング経験が豊富な受験生なら英語入試との相性がよい場合があります。反対に、発言やグループワークが苦手な子が「筆記試験がないから簡単そう」という理由だけでPBL型を選ぶのは適切ではありません。

和洋九段の入試では、偏差値に自分を合わせるより、自分の得意分野に合う入試を選ぶという考え方が重要です。

2科・4科で積み上げてきた学力、英語、PBLでの協働、公立中高一貫校向けの適性検査。それぞれ異なる力を入口として認めていること自体が、入学後に多様な生徒を一つの教室へ集める和洋九段の入試方針につながっています。

併願校パターン|女子校・共学校を含めてどう組み合わせるか

和洋九段は入試回が多く、第一志望にも併願校にも組み込みやすい

和洋九段女子中学校の併願を考えるうえで大きな特徴となるのが、2月1日から5日まで複数の入試機会が用意されていることです。

2027年度は、2科・4科を使う得意科目入試だけでなく、PBL型、英語、適性検査、SSS特待、基礎力入試と、異なる方式を組み合わせられます。

そのため、和洋九段を第一志望として複数回受験することも、2月1日午前に別の女子校を受けて午後に和洋九段を受験することも可能です。

日程和洋九段の主な入試併願上の使い方
2月1日午前得意科目・英語第一志望として受験しやすい
2月1日午後得意科目・英語午前の他校との併願に使いやすい
2月2日午前英語・適性検査英語型・公立中高一貫校型の受験生にも対応
2月2日午後SSS特待学力上位層が特待合格を狙える
2月3日午後英語・基礎力前半の結果を受けて追加受験しやすい
2月5日午前基礎力後半日程で再挑戦できる

一度しか受験できない学校とは違い、結果を見ながら次の受験を組み立てられるため、和洋九段を受験日程のどこに置くかによって併願パターンをかなり柔軟に変えられます。

女子校を中心に組むなら、共立女子・三輪田・実践女子などが候補

和洋九段と同じ女子校を中心に受験する家庭では、千代田区やその周辺にある学校を含め、多くの候補があります。

2027年度は、共立女子中学校が2月1日・2日に4科入試、2月3日午後に2科入試を実施します。三輪田学園中学校は2月1日・2日・3日、実践女子学園中学校も2月1日以降に複数回の入試を予定しています。

学校主な特徴和洋九段との主な違い
共立女子中学校千代田区の伝統女子校、規模が大きい和洋九段より1学年の人数が多い
三輪田学園中学校千代田区の女子校、少人数教育学校文化や教育の重点が異なる
実践女子学園中学校渋谷の女子校、複数の入試方式立地や学校規模が異なる
女子聖学院中学校キリスト教教育を行う女子校宗教教育の有無が大きな違い

同じ女子校でも、校風はかなり違います。和洋九段はPBL型授業やグローバル教育を学校の中心に置いているため、単に偏差値が近い学校だけでなく、「授業中に話す・考える・発表することをどこまで重視したいか」も比較したいところです。

2月1日午前に別の女子校、午後に和洋九段という組み方もできる

和洋九段を併願校として考える場合、使いやすいのが2月1日午後です。

たとえば2月1日午前に大妻、共立女子、三輪田学園、実践女子学園などを受験し、その後に九段へ移動して和洋九段を受験するという日程を組むことができます。

日程受験例
2月1日午前大妻第1回/共立女子2月1日入試/三輪田第1回/実践女子第1回など
2月1日午後和洋九段 得意科目入試・英語入試

特に和洋九段は九段下駅から徒歩約3分で、飯田橋駅からも徒歩圏です。午前校との位置関係によっては午後入試へ移動しやすく、都心立地が併願日程でも生きてきます。

ただし、午前・午後を連続して受験する日は、昼食、移動、試験開始時間まで含めた計画が必要です。小学生が一日に複数の試験を受ける負担は小さくないため、「受験できるか」だけでなく、午後まで集中力を維持できるかも考えておきたいところです。

和洋九段第一志望なら、同じ学校を複数回受験する設計も可能

和洋九段への進学希望が強い場合には、無理に毎日違う学校を受験する必要はありません。

2月1日に得意科目入試を受け、その後も2月2日のSSS特待、2月3日または5日の基礎力入試などへ挑戦できます。

日程第一志望型の一例
1月埼玉・千葉の学校で本番を経験し、できれば合格を確保
2月1日午前和洋九段 得意科目入試
2月2日午後和洋九段 SSS特待入試
2月3日午後和洋九段 基礎力入試
2月5日午前和洋九段 基礎力入試

もちろん、すべての回を受験する必要はありません。早い日程で合格した場合には、その後の受験を終えることもできます。

第一志望校を何度も受けられることは心理的な安心材料になりますが、後半になるほど募集人数が限られます。「最後にも入試があるから、最初は準備不足でもよい」という考えではなく、2月1日に合格することを基本目標に準備する方がよいでしょう。

都立・公立中高一貫校志望なら、適性検査入試を利用できる

和洋九段の併願で特徴的なのが、公立中高一貫校との組み合わせです。

2027年度は2月2日午前に適性検査入試を実施するため、私立中学向け4科受験の準備を十分にしていない受検生でも、公立中高一貫校対策で身につけた記述力や思考力を生かせます。

東京都立中等教育学校・都立中学校の一般枠検査は2027年2月3日に予定されています。そのため、次のような日程も考えられます。

日程受験イメージ
2月2日午前和洋九段 適性検査入試
2月3日都立中等教育学校・都立中学校などの適性検査

公立中高一貫校の受検生にとっては、「私立用の算数特殊算や4科知識を大量に追加する」ことなく受験できる私立校があると、併願の幅が広がります。

また、和洋九段自身もPBL型授業を重視しているため、文章や資料を読み、自分で考えて記述する適性検査型学習との相性があります。

公立中高一貫校を第一志望とする場合は、私立校の入学手続期限と公立校の合格発表日の関係まで確認したうえで、実際に進学できる学校として選ぶ必要があります。

英語が得意なら、英語入試を軸に別の学校とも組み合わせられる

小学生のうちから英語学習を続けてきた受験生は、和洋九段の英語入試を利用できます。

2027年度は2月1日午前・午後、2月2日午前、2月3日午後と複数の日程があるため、他校の英語利用入試や一般入試と組み合わせやすくなっています。

英語資格を利用できる女子校には、三輪田学園、実践女子学園、女子聖学院、麴町学園女子などがあり、英語を中学受験の得意分野として使う受験設計も可能です。

ただし、「英検○級を持っている学校」を並べるだけではなく、入学後の英語教育まで比較することが重要です。

和洋九段ではグローバルクラスを設け、ネイティブスピーカーの教員が副担任となるなど、英語を日常的に使う環境があります。将来的には海外研修、ターム留学、長期留学、海外大学という道もあります。

入試で英語を使えるかではなく、中学入学後も英語を学校生活の中心に置きたいかまで考えると、和洋九段を併願する意味が明確になります。

偏差値だけで「安全校」と決めず、入学後の授業との相性まで見る

和洋九段は、首都圏模試で40前後が一つの合格目安となり、難関女子校を第一志望とする受験生が午後入試や後半日程に組み込むケースもあります。

しかし、「偏差値的に合格しやすい」という理由だけで併願校にするのはおすすめできません。

和洋九段では入学後、全教科でPBL型授業に取り組みます。先生の話を聞いて問題演習だけを繰り返したい生徒にとっては、発言、グループワーク、プレゼンテーションの多い授業を負担に感じる可能性があります。

反対に、模試偏差値だけでは力を発揮しきれなくても、人と話すことが好き、英語が得意、自分で調べて発表することが好きという子には、入試方式だけでなく入学後の教育とも相性が合う可能性があります。

併願校は「第一志望に落ちたときに仕方なく行く学校」ではありません。最終的には、そこへ進学する可能性があります。

九段下という立地、少人数の女子校、PBL、本科・グローバルの2クラス、海外プログラム。これらを本人がどう感じるかを確かめてから併願に入れることが大切です。

和洋九段は入試回数が多いからこそ、受験日程には入れやすい学校です。その分、「空いている午後に受けられるから」ではなく、合格したときに6年間通いたいと思えるかを基準に受験回を選ぶと、納得できる併願設計になります。

在校生・保護者の声|少人数とPBLの中で過ごす女子校の日常

「学年全体の顔が分かる」少人数の距離感

和洋九段女子中学校について、在校生の声で繰り返し出てくるのが、学校規模が小さく、先生や同級生との距離が近いという点です。

中学校は1学年70人台を中心とするため、クラスが違えばほとんど話したことがないという生徒ばかりになる規模ではありません。在校生からは、学年内で顔を知らない生徒がほとんどおらず、クラスを越えて友人関係をつくりやすいという声があります。

教員についても、大人数の中で必要なときだけ話すというより、普段から相談や質問をしやすい距離感を評価する生徒がいます。分からないことをすぐに聞けることを、入学の決め手として挙げる生徒もいます。

保護者からも、少人数であることや先生が生徒を把握しやすいことに安心感を持ったという声が見られます。

一方、人数が少ないということは、人間関係の範囲も大規模校ほど広くないということです。多くの生徒の中から自分に合う仲間を探したいのか、顔の見える規模で関係を築きたいのかによって、少人数校への評価は変わります。

PBLは最初から得意でなくても、発表を繰り返すうちに慣れていく

和洋九段の在校生が学校生活を振り返るとき、よく話題に上がるのがPBL型授業です。

入学前から人前で話すことが得意だった生徒だけが集まっているわけではありません。むしろ、「小学校では話し合いの経験が少なく、自分の意見を考えることが最初は大変だった」「大人数の前で話すのが苦手だった」という生徒もいます。

それでも中1から各教科でPBLを繰り返し、考えをまとめてスライドを作り、クラスメイトの前で発表する経験を積んでいきます。

卒業が近づいた生徒からは、以前よりプレゼンテーションへの抵抗がなくなった、頭の中にある考えを整理して相手へ伝える流れが身についたという声があります。

中には、英語でも自分の意見をまとめ、スライドを作って発表できるようになった生徒もいます。

「発表が得意な子が入る学校」というより、発表や対話を何度も経験することで少しずつ力をつける学校と考える方が、実際のPBLをイメージしやすいでしょう。

グローバルクラスでは、英語力の違う仲間から刺激を受ける

グローバルクラスの生徒からは、ネイティブスピーカーの教員による授業や、英語経験の異なるクラスメイトとの学校生活についての声もあります。

帰国生やインターナショナルスクール出身者など、入学時から高い英語力を持つ生徒がいる一方、中学校から本格的に英語を伸ばしていく生徒もいます。

そのため、入学直後には「授業についていけるだろうか」と不安を感じるケースもあります。しかし、ゲームやコミュニケーションを取り入れた授業を通して英語に触れ、徐々に使える表現を増やしていったという生徒もいます。

また、海外生活を経験した友人から、その国の学校生活や文化について日常的に話を聞けることも、グローバルクラスならではです。

英語力の違いを競争だけとして見るのではなく、自分とは違う経験を持つ友人と一緒に学ぶことを刺激として受け取れるかが、グローバルクラスとの相性に関わります。

女子校は「静かな学校」というより、自分を出しやすいと感じる生徒もいる

女子校については、受験前に「人間関係が難しいのではないか」と不安を持つ生徒もいます。

実際に入学した生徒からは、想像していたより自然体で過ごせた、友人と話しているうちに関係が広がったという声があります。女子だけの環境だからこそ、性別を意識せず自分の好きなことや役割に取り組みやすいと感じる生徒もいます。

体育祭、文化祭、合唱コンクール、クラブなどでは、司会、企画、演奏、競技、運営まで女子生徒自身が担います。学校生活のあらゆる役割を女子だけで担当することは、女子校ならではの経験です。

ただし、女子校だから人間関係の悩みがなくなるわけではありません。保護者の口コミには、友人同士の行き違いやSNSをめぐるトラブルなどを挙げるものもあります。

人間関係については学年や個人による差が大きいため、「女子校なら安心」「女子校は大変」と一括りにするのではなく、学校見学で実際の生徒同士の距離感を見ることが大切です。

施設とアクセスは、入学後にも評価されやすい

受験時の志望理由として多く挙がるのが、九段下駅から徒歩約3分というアクセスと校内施設です。

在校生の中には、屋内温水プール、体育館、カフェテリア、講堂などを学校見学で見たことが受験のきっかけになったという生徒がいます。

保護者の評価でも、交通の便や施設については比較的好意的な声が見られます。特に複数路線を利用できる九段下・飯田橋という立地は、毎日通い始めてからも実感しやすい部分です。

水泳部を希望して温水プールのある学校を探した家庭や、自宅から乗り換えが少ないことを理由の一つにした家庭もあります。

一方、郊外の学校のような広大なグラウンドを持つ学校ではありません。施設を評価する際には、「設備の種類が多い」というだけでなく、本人が実際に使いたい施設があるかを見る方が学校選びにつながります。

校則は一定の規律があり、「何でも自由」な女子校ではない

学校生活については、制服での行動や身だしなみなど、一定のルールがあります。

保護者からは、髪型や制服での寄り道などについて規則があり、「中高生として妥当な範囲」と受け止める声がある一方、本人によっては細かく感じる部分もあるでしょう。

和洋九段はPBLで自由に意見を出すことを大切にしていますが、それは学校生活のすべてを自由にするという意味ではありません。

創立以来の女子教育を受け継ぎ、礼法やマナーを学ぶ時間もあります。考え方や発言については主体性を求めながら、生活面には一定の規律を置くというのが学校のバランスです。

「自由な校風」を、服装や生活ルールの少なさという意味で求めている家庭は、入学前に校則や日常生活について確認しておいた方がよいでしょう。

口コミの評価は分かれるからこそ、PBLと少人数教育が本人に合うかを見たい

和洋九段に対する保護者の評価は、一様ではありません。

先生との距離の近さ、通いやすさ、施設、落ち着いた授業環境などを評価し、「本人には合っていた」と感じている家庭があります。その一方で、学習指導の進め方、クラブ活動、人間関係、学校側の対応などについて厳しい評価をする口コミもあります。

これは和洋九段に限ったことではありませんが、少人数校では学年の雰囲気や担任・友人との関係が本人の学校生活に与える影響も大きくなります。

また、PBL型授業を「自分の考えを言えるようになる環境」と感じる生徒がいる一方、グループワークや発表を頻繁に行うことを負担に感じる生徒も考えられます。

そのため、偏差値や入試倍率だけで「入りやすいから」と決めるより、授業体験やPBL体験、文化祭、学校説明会などで本人の反応を見ることが重要です。

少人数の女子校で、先生と近い距離で過ごし、毎日の授業で自分の意見を考え、人と話し、発表する。その生活を「やってみたい」と本人が感じるなら、和洋九段の特徴が強みに変わります。

反対に、静かに講義を聞いて問題演習を重ねる授業を好む場合や、大規模校の多様な人間関係・クラブ環境を求める場合には、別の学校の方が合う可能性もあります。在校生や保護者の声は、学校の良し悪しを決めるためというより、自分の家庭と学校との相性を考える材料として見るのがよいでしょう。

この学校に向いている子の特徴|対話し、考え、発信することを楽しめる子へ

「正解を教えてもらう」だけでなく、自分の考えを持ちたい子

和洋九段女子中学校との相性を考えるうえで、最も重要なのがPBL型授業を楽しめるかという点です。

授業では、先生から知識を受け取って問題を解くだけではなく、「あなたはどう考えるか」という問いについて自分なりの意見を持ち、クラスメイトと話し合い、最後には考えを発表します。

そのため、決められた答えを覚えることだけを好む子よりも、「なぜそうなるのだろう」「別の考え方はないだろうか」と考えることを面白いと思える子に向いています。

もちろん、入学時から人前で堂々と話せる必要はありません。和洋九段では中1から繰り返し対話や発表を経験するため、最初は発言が苦手でも少しずつ慣れていくことができます。

「今すでに発表が得意か」より、「自分の考えを言えるようになりたいか」を基準に考えると、この学校との相性が見えやすくなります。

少人数の女子校で、先生や友人との距離を近く感じたい子

和洋九段の中学校は、1学年70人台を中心とする比較的コンパクトな規模です。

学年全体の顔が見えやすく、クラスを越えて友人関係をつくりやすい環境があります。教員から見ても生徒一人ひとりの様子を把握しやすく、質問や相談もしやすい距離感です。

大規模校のように多くの生徒の中から自分の居場所を探す環境より、ある程度お互いを知っている集団の中でじっくり関係を築きたい子には合いやすいでしょう。

また、女子だけの環境では、体育祭、文化祭、委員会、クラブなどのあらゆる役割を女子生徒自身が担います。人前に立つ役割やリーダーを男子に任せるという場面もありません。

女子校だから静かな学校というわけではなく、安心できる集団の中で自分を出し、少しずつ役割を広げたい子に向いた環境です。

英語を試験科目だけでなく、実際に使えるようになりたい子

英語への関心が強い子には、グローバルクラスという選択肢があります。

ネイティブスピーカーの教員が副担任となり、英語の授業やホームルームなどで実際に英語を使う機会があります。英語力に応じてアドバンストとインターミディエイトに分かれるため、帰国生や英語経験者だけでなく、中学から本格的に伸ばしたい生徒も学べます。

中3ではグローバルクラスで英検2級、本科では準2級を目標とし、高校まで段階的に力を伸ばします。

さらに、中3のシンガポール修学旅行、希望者のオーストラリア語学研修、ターム留学、長期留学など、学校外で英語を使う機会もあります。

「英検の級を取りたい」だけでなく、「英語で人と話したり、海外へ行ったり、自分の考えを伝えたりしたい」という子ほど、和洋九段のグローバル教育を生かしやすくなります。

勉強だけでなく、社会や将来について早くから考えてみたい子

和洋九段では、教科書の中だけで学習を完結させません。

中2では企業や団体を訪問するGEPがあり、実際に社会で働く人と出会います。中3では海外へ出て、日本とは異なる社会や文化を経験します。

中学から高校へ進むと、フューチャーデザイン、グローバル、サイエンスという異なる方向の学びへ広がり、大学進学では一般選抜だけでなく、指定校推薦、総合型選抜、海外大学なども選択できます。

そのため、12歳の時点で将来の職業が決まっている必要はありません。むしろ、いろいろな人や社会に触れながら、「自分は何に興味があるのだろう」と考えていきたい子に向いています。

PBLで考える力をつけることも、企業訪問や海外経験も、最終的には自分で進路を選ぶための材料になります。

伝統的な女子教育と、新しい学びの両方に興味がある子

和洋九段には、PBL、ICT、英語、STEAMといった現代的な教育がある一方、礼法、華道、茶道、書道など日本文化に触れる時間もあります。

クラブにも茶道、華道、箏曲、書道などがあり、学校の前身である和洋裁縫女学院から続く女子教育の歴史を感じられます。

そのため、「伝統女子校らしい落ち着き」と「新しい教育」のどちらか一方だけを求める学校ではありません。

タブレットを使ってプレゼンテーションをした翌日に、礼法や日本文化に触れることもあります。英語で海外へ目を向けながら、自分の国の文化について学ぶ機会もあります。

古いものをすべて変えてしまうのでも、新しい教育を避けるのでもなく、両方を経験してみたい子には和洋九段らしい6年間になるでしょう。

九段という立地と、学校で長く過ごせる環境を生かしたい子

和洋九段は九段下駅から徒歩約3分、飯田橋駅からも徒歩圏です。複数路線を利用できるため、東京都内だけでなく近県からも通学経路を組みやすい立地です。

校内にはフューチャールーム、図書室、スタディステーション、カフェテリア、体育館、屋内温水プールなどがあり、授業から放課後まで学校内で過ごせる環境があります。

クラブ活動をしたい子、自習してから帰宅したい子、温水プールを利用したい子など、それぞれ学校施設の使い方が異なります。

一方、郊外型の学校のような広大なグラウンドやキャンパスを求める子には、別の学校の方が合う可能性があります。

都心への通いやすさと、都市型校舎の中に学習・生活施設がまとまっていることを便利だと感じられる家庭に向いています。

和洋九段を選ぶ最後の基準は、「話し合う授業を楽しめそうか」

和洋九段には、少人数、女子校、九段下徒歩3分、グローバルクラス、海外研修、指定校推薦、温水プールなど、さまざまな特徴があります。

しかし、入学後に毎日経験するものとして最も大きいのは、やはりPBL型授業です。

国語や社会だけでなく、数学や理科を含めた各教科で、自分で考え、仲間の意見を聞き、自分の言葉で表現する機会があります。

そのため、学校説明会では施設や制服を見るだけでなく、可能であればPBL体験授業にも参加してみたいところです。

そこで本人が「たくさん話さなければならなくて大変そう」と感じるのか、それとも「こういう授業ならやってみたい」と感じるのかは、偏差値以上に重要な判断材料になります。

少人数の女子校で、自分の意見を持ち、友人の考えを聞き、一緒に答えをつくり、それを人前で伝える。その6年間を楽しめそうな子にとって、和洋九段の教育環境は相性のよいものになります。

まとめ|伝統女子校でPBLとグローバル教育に取り組む6年間

和洋九段は、「伝統女子校」と「新しい学び」が同居する学校

和洋九段女子中学校は、1897年創立の長い歴史を持つ女子校です。礼法や日本文化を大切にする一方、現在の教育ではPBL型授業、ICT、グローバル教育、STEAMなどを積極的に取り入れています。

そのため、昔ながらの女子校教育をそのまま続けている学校でも、伝統をすべて新しい教育へ置き換えた学校でもありません。

校訓「先を見て齊える」のもと、これからの社会で必要になる力を考えながら、長く受け継いできた学校文化も残しています。

礼法や華道・茶道に触れながら、別の授業ではタブレットを使って調査し、仲間と議論してプレゼンテーションする。伝統と現代的な学びを一つの6年間で経験できるところに、現在の和洋九段らしさがあります。

PBLは特別授業ではなく、毎日の学び方そのもの

和洋九段を理解するうえで、最も重要なのはPBLを一つの特色授業として見ないことです。

授業では、まず必要な知識を学び、そのうえで問いについて自分で考えます。さらに友人の意見を聞き、話し合い、最後には自分たちなりの考えをまとめて発表します。

この過程を国語や社会だけでなく、数学・理科などを含めたさまざまな教科で経験します。

中学入学時から発表が得意である必要はありません。人前で話すことが苦手な生徒も、少人数の環境で何度も経験するうちに、自分の考えを言葉にすることへ慣れていきます。

知識を覚える力に加えて、「その知識を使って自分はどう考えるのか」を求めることが、和洋九段の授業の基本です。

本科とグローバル、そして高校3コースへ学びを広げる

中学校では本科クラスとグローバルクラスの2つから学びが始まります。

本科では教科学習とPBLを軸に基礎を固め、グローバルでは英語を日常的に使う機会を増やします。グローバルクラスはアドバンストとインターミディエイトに分かれるため、入学時の英語力が異なる生徒にも対応しています。

高校では、フューチャーデザイン・グローバル・サイエンスという3つの方向へ学びが広がります。

段階主な学び
中学・本科基礎学力+PBL型授業
中学・グローバルPBL+英語を多く使う環境
高校・フューチャーデザイン興味・社会・進路をつなげる学び
高校・グローバル英語・国際課題・海外進路
高校・サイエンス理数・STEAM・医療理系などへの探究

12歳の段階で将来を一つに決めるのではなく、中学で自分の得意や興味を探し、高校で進路に合わせて学び方を具体化していく6年間です。

九段下徒歩3分の少人数校だからこそ、日常の距離が近い

学校は九段下駅から徒歩約3分。飯田橋駅や神保町駅も徒歩圏にあり、複数路線を利用できます。

校内にはフューチャールーム、図書室、スタディステーション、カフェテリア、講堂、体育館、屋内温水プールなどがあり、都心型の校舎の中に学校生活に必要な施設がまとまっています。

そして、施設以上に学校生活へ影響するのが、1学年70人台を中心とする規模です。

学年全体の顔が見えやすく、授業では発言する機会が回ってきやすい。クラブでは先輩・後輩との距離も近く、先生にも相談しやすい。この人数だからこそ、PBL型授業とも相性があります。

大規模校の多様さよりも、先生や友人との距離が近い女子校で6年間を過ごしたい家庭にとって、学校規模は大きな判断材料になります。

大学進学は一つに固定せず、推薦・一般・海外まで選べる

系列には和洋女子大学がありますが、和洋九段は系列大学への内部進学を中心とする学校ではありません。

卒業後は国公立大学、私立大学、女子大学、医療・理工系、芸術系などへ進み、指定校推薦、総合型選抜、一般選抜をそれぞれ利用します。

上智大学、青山学院大学、中央大学、法政大学をはじめとする指定校推薦枠もあり、日頃の成績を積み重ねてきた生徒には推薦という選択肢があります。

一方、グローバル教育を生かして海外大学を目指すこともできます。中学からの英語学習や海外研修、留学経験をそのまま進路につなげる道も用意されています。

「どの大学へ何人合格したか」だけではなく、6年間で本人が興味を見つけ、それに合った進学方法を選べるかという視点で進路実績を見ると、和洋九段の教育とのつながりが分かりやすくなります。

和洋九段を選ぶなら、本人がPBLを「やってみたい」と思えるかを最後に確認したい

和洋九段には、九段下駅徒歩3分というアクセス、少人数の女子校、グローバルクラス、海外研修、温水プール、カフェテリア、複数回の入試など、さまざまな特徴があります。

しかし、入学後の6年間を最も大きく左右するのは、やはり日々の授業です。

自分で考え、友人と話し合い、異なる考えを聞き、自分の言葉で発表する。この学び方が合えば、PBLは単なる学校の特色ではなく、自分の成長を実感できる日常になります。

逆に、授業では先生の説明を静かに聞き、個人で問題演習を続けることを強く好む場合には、学校との相性を慎重に見た方がよいでしょう。

学校説明会では校舎や進学実績だけを見るのではなく、可能であればPBL体験や在校生の発表にも触れてみたいところです。

九段の少人数女子校で、自分の意見を持ち、他者と協働し、英語や社会へ世界を広げながら6年間を過ごしたい。本人がそう感じられるなら、和洋九段女子中学校の教育は十分に検討する価値があります。

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