【2026年版】日本大学豊山中学校の評判は?日本大学唯一の男子校と文武両道の魅力を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|日本大学唯一の男子付属校、護国寺で過ごす6年間
    1. 日本大学の付属校で、唯一の男子校
    2. 中学生703名、各学年6クラスの大きな男子集団
    3. 校訓は「強く 正しく 大らかに」
    4. 前身は1903年創立の旧制豊山中学校
    5. 「中高一貫校」だが、高校から入学する生徒もいる
    6. 「男子校だから」を、6年間の中身まで見て考えたい
  2. アクセスと立地環境|護国寺駅の目の前、都市型男子校という選択
    1. 護国寺駅1番出口から、ほぼそのまま校門へ
    2. 有楽町線一本で池袋・飯田橋方面へつながる
    3. 護国寺の緑と隣り合う文京区大塚
    4. 「駅前の学校」でも、運動施設は校舎だけではない
    5. 駅から近いから、放課後まで学校を使いやすい
    6. 通学時間は「校門まで」で比べたい
  3. 教育方針とカリキュラム|「朝カツ」と習熟度別授業で基礎を積み上げる
    1. 3年間とも週34時間、主要教科をしっかり確保
    2. 朝10分の「朝カツ」から一日が始まる
    3. 数学演習は、全学年で習熟度別
    4. 英会話はチームティーチング、英検は中3準2級を目指す
    5. 国語でも「書く力」を3年間かけて育てる
    6. テストを受けて終わりにしない
    7. タブレットは「授業を見る道具」だけではない
    8. 中3では「進学」と「特進」に分かれる
    9. 中3では日本大学の「学部」まで見に行く
  4. 学習環境と施設設備|11階建て校舎に、学びと運動の場所を凝縮する
    1. 最上階には25m・10コースの屋内温水プール
    2. 最下層には3層吹き抜けのアリーナ
    3. 理科実験室から音楽室まで、特別教室も校内に
    4. 図書館には約4万7,000冊
    5. 個別ブース型自習室は教員室のすぐそば
    6. 学習端末と教室のICT設備を日常的に使う
    7. 2階の生徒ホールと売店が昼休みを支える
    8. 校舎の外には中台総合グラウンド
    9. 都市型校舎だからこそ、防災にも備える
    10. 「広い校地」ではなく、「一棟を使い切る」学校
  5. 学校生活と行事|700人を超える男子がつくる、にぎやかな日常
    1. 8時10分の「朝カツ」から始まる一日
    2. 体育大会は中学生と高校生が一緒に動く
    3. 冬には中学生だけの「校内体育大会」もある
    4. 豊山祭|11階建ての校舎全体が文化祭の舞台になる
    5. 校外学習は「旅行」ではなく、学年ごとに目的を変える
    6. 中2の企業訪問から、中3の日本大学学部見学へ
    7. 中3の修学旅行|直近の2025年度は北海道へ4日間
    8. 中2の3月にはスキー教室
    9. 中学生にはニュージーランド10日間の海外研修
    10. ケンブリッジ・カナダは高校進学後の選択肢
    11. 700人の男子が、ずっと同じ集団で動くわけではない
  6. クラブ活動|全21部、「好きなこと」に熱を注ぐ放課後
    1. 体育部10、学芸部11の全21部
    2. 入学直後から、部活動を選ぶ時間がある
    3. 水泳部|11階のプールで、中1から高3まで一緒に泳ぐ
    4. 水泳部には、学校そのものの長い競技文化がある
    5. 毎日同じ練習をするわけではない
    6. サッカー部|中台グラウンドも使って活動
    7. 放送部|体育大会や豊山祭を裏側から動かす
    8. 鉄道・模型・電子計算機・理科――男子校らしい「好き」の集まり方
    9. 中高合同の文化部では、6年間同じ活動を続けられる
    10. 「部活をやるなら勉強は二の次」ではない
    11. 受験前にクラブフェアで「放課後」を見ておきたい
  7. 進学実績と卒業後の進路|約7割が日本大学へ、他大学への道も残す
    1. 2025年度卒業生467名のうち、325名が日本大学へ
    2. 日本大学では理工学部への進学が103名
    3. 内部進学は「在籍していれば自動的に決まる」わけではない
    4. 高校で受ける「基礎学力到達度テスト」が学部選びにつながる
    5. 希望する学部が決まれば、高校での勉強にも理由ができる
    6. 高校在学中に、日本大学の授業を受けることもできる
    7. 中3から特進、高校では難関大学を目指す道もある
    8. 2025年度は早稲田5名、慶應6名、上智8名
    9. 指定校推薦という第三の進路もある
    10. 進学コースでも、部活動を続けながら日本大学を目指せる
    11. 特進から日本大学を選ぶ生徒もいる
    12. 付属校の「安心」は、勉強しなくてよいことではない
  8. 学費や諸経費について|初年度約110万円、6年間の教育費を考える
    1. 初年度の基本納入額は110万2,900円
    2. 授業料と施設設備資金は年3回に分けて納入
    3. 110万円の外にも、行事や講習の費用がある
    4. 制服は高校進学時に買い直さなくてよい
    5. 学習端末や教材も、入学後の教育費として考える
    6. 東京都在住なら、2026年度は年12万円の授業料助成
    7. 学内には特待生・育友奨学金制度もある
    8. 高校、そして日本大学まで進む可能性を考える
    9. 学費を見ると、11階建て校舎の日常までつながってくる
  9. 入試情報と合格の目安|2027年度は4回入試、午前・午後をどう使うか
    1. 2027年度は4科・2科を交互に実施
    2. 第1回・第3回は午前、第2回・第4回は午後
    3. 2月3日は午前・午後の連続受験もできる
    4. 直近2026年度は1,414名が受験
    5. 2026年度の合格最低点は6〜7割
    6. 第2回は偏差値でも難度が上がる
    7. 複数回受験には合格判定上の考慮がある
    8. 複数回を早めに出願すると検定料も下がる
    9. 小学校から用意する調査書はない
    10. 第1回の合格発表は当日19時
    11. 第一志望なら「第1回を取りにいく」準備を
  10. 併願校パターン|男子校・日大付属・都心アクセスから組み立てる
    1. 「チャレンジ・実力相応・安全」は学校ではなく、受験生に付く
    2. 明治大学付属中野|「男子校+大学付属」で一段上を狙う
    3. 獨協中学校|護国寺周辺の男子校として比較しやすい
    4. 足立学園|男子校を残しながら受験日程に余裕をつくる
    5. 城北埼玉|1月のうちに「合格」を取る選択肢
    6. 日本大学への内部進学を最優先するなら、共学校まで広げる
    7. 日大豊山第一志望なら、2月1日の第1回を軸にする
    8. 日大豊山第一志望の受験例
    9. 最後は「合格したら本当に通うか」で決める
  11. 在校生・保護者の声|男子校の熱気と、先生との距離が見える日常
    1. 「入学してすぐクラスで話せた」という男子校の空気
    2. 700人規模だから、同じ趣味の友人を見つけやすい
    3. 保護者からも「入学して人との関わりが増えた」という声
    4. 「先生へ質問しやすい」という声は繰り返し出てくる
    5. 学習面は「付属だからのんびり」だけではない
    6. 部活動が、学校生活の人間関係を広げている
    7. アクセスと校舎への満足感は高い
    8. にぎやかさは、長所にも短所にもなる
    9. 生活指導は、自由放任ではない
    10. 「男子校」という言葉より、休み時間を見てみたい
  12. この学校に向いている子の特徴|大きな男子集団の中で「好き」に打ち込みたい子へ
    1. 男子だけの環境を「気楽」と感じられる子
    2. 少人数校より、友人の選択肢が多い学校を好む子
    3. スポーツでも鉄道でも、「好きなもの」がある子
    4. 運動が得意でなくても、この学校は候補になる
    5. 部活動をしながら、勉強も止めたくない子
    6. 先生に管理されるだけでなく、自分から動けるようになりたい子
    7. 日本大学への道を持ちながら、12歳で進路を決め切りたくない子
    8. ある程度のルールがある方が過ごしやすい子
    9. 電車通学の時間も、自分で管理できるようになりたい子
    10. 静かな学校より、「人がいる学校」を面白いと思える子
    11. 6年間で「自分の好きなもの」を一つ深くしたい子へ
  13. まとめ|日大豊山の「男子校らしさ」は、6年間をどう変えるのか
    1. 護国寺の校舎には、かなり濃い一日が詰まっている
    2. 「好きなこと」を持っている男子には、使い道が多い
    3. 日本大学の付属校だから、進路を急いで決めなくてよい
    4. 文武両道は、派手な実績より毎日の習慣に表れる
    5. にぎやかな男子校が、すべての子に合うわけではない
    6. 最後に見るべきなのは、「この中に入りたいか」

学校の概要|日本大学唯一の男子付属校、護国寺で過ごす6年間

日本大学豊山中学校は、東京都文京区大塚にある私立男子校です。日本大学の正付属校の一つであり、日本大学の付属校で唯一、男子校として教育を続けています。

2026年4月現在、中学校には703名が在籍しています。各学年6クラスで、1クラスはおよそ40名。少人数の男子校というより、多くの同級生や先輩に囲まれながら過ごす、比較的規模の大きな学校です。

学校名日本大学豊山中学校
所在地東京都文京区大塚5丁目40番10号
学校区分私立・男子中高一貫校(高校募集あり)
中学校在籍者数703名(2026年4月現在)
クラス数各学年6クラス
設置者学校法人日本大学
日本大学との関係正付属校
校訓「強く 正しく 大らかに」

日本大学の付属校で、唯一の男子校

日本大学には複数の付属中学校・高等学校があります。その中で、男子校として残っているのが日大豊山です。

この「男子校」という点は、学校案内上の分類にとどまりません。学校自身も、男子だけの環境だからこそ、生徒が自分の好きなことへ思い切って取り組めることを教育環境の特徴として挙げています。

スポーツに打ち込む生徒がいる。文化部で活動する生徒がいる。勉強に力を入れる生徒もいれば、友人とにぎやかに学校生活を送る生徒もいる。

「男子はこうあるべき」という一つの型にはめるのではなく、男子だけの集団だからこそ、それぞれの違いをそのまま出しやすい。日大豊山が現在の男子校教育で大切にしているのは、むしろそうした多様性です。

中学生703名、各学年6クラスの大きな男子集団

2026年4月現在の在籍者数は、中1が233名、中2が239名、中3が231名。合計703名です。

学年生徒数クラス数
中学1年233名6クラス
中学2年239名6クラス
中学3年231名6クラス
合計703名18クラス

一学年200名を超えるので、6年間をほぼ同じ少人数の顔ぶれで過ごす男子校とは学校生活の感覚が違います。

クラス替えがあれば新しい同級生と出会い、部活動へ入れば別のクラスや高校生との関係が生まれます。体育大会や豊山祭では、さらに大きな集団で動きます。

多くの男子の中で、自分と気の合う友人や居場所を探していく。この規模そのものが、日大豊山の6年間を形づくる一つの要素です。

校訓は「強く 正しく 大らかに」

日大豊山の校訓は、2000年に制定された「強く 正しく 大らかに」です。

「強く」だけで終わらず、「正しく」と「大らかに」が並んでいるところに、この学校が考える男子教育が表れています。

学校生活では、学力や体力を伸ばすことと同時に、挨拶や礼儀も重視されています。校長も、日大豊山が創設以来大切にしてきたものの一つとして「挨拶」を挙げています。

一方、「大らかに」は、全員を同じタイプの男子へ育てるという意味ではありません。学校は創設70周年に際して、男子校教育の柱として「多様性を認め合う精神」を掲げました。

元気な子もいれば、おとなしい子もいる。運動が好きな子もいれば、理科や音楽に熱中する子もいる。それぞれが自分の得意な場所を持ちながら、700人を超える男子集団の中で他者との付き合い方を覚えていきます。

前身は1903年創立の旧制豊山中学校

日大豊山の源流は、1903年に創立された旧制豊山中学校にあります。

1952年に学校法人日本大学豊山学園として日本大学へ移行し、1954年には学校法人日本大学が設置する「日本大学豊山中学校・高等学校」となりました。2024年には、日本大学の学校として創設70周年を迎えています。

現在の校舎は2015年に竣工し、2016年にグランドオープンしました。100年以上続く学校の系譜を持ちながら、毎日の学校生活は護国寺の都市型校舎を舞台にしています。

「中高一貫校」だが、高校から入学する生徒もいる

日大豊山中からは、そのまま日大豊山高校へ進むことを前提とした6年間の教育が組まれています。ただし、高校からの募集も行っているため、いわゆる完全中高一貫校ではありません。

高校では、中学校から進学した生徒に高校入試を経て入学した生徒が加わります。中学からの6年間を同じ仲間だけで閉じるのではなく、途中で新しい生徒が入ってくる学校です。

この点は、中高6年間の人間関係を考える上でも、日本大学への進路を考える上でも押さえておきたいところです。

「男子校だから」を、6年間の中身まで見て考えたい

日大豊山を検討するとき、「日本大学の付属だから」「男子校だから」という理由から入る家庭は少なくないでしょう。

ただ、その二つだけでは、この学校の日常までは見えてきません。

護国寺の校舎には700人を超える中学生が集まり、さらに高校生もいます。授業があり、朝カツがあり、21の部活動があり、豊山祭があり、中3からは進学と特進という学び方の違いも生まれます。

その中で、自分の好きなものを見つけ、周囲の男子と競ったり助け合ったりしながら、高校、大学へと進んでいく。

日大豊山の男子校らしさは、「男子しかいない」という事実より、その環境を6年間どう使うかにあります。

まずはその700人規模の男子集団が、護国寺という場所でどのような毎日を送っているのか。次節から、学校生活を一つずつ見ていきます。

アクセスと立地環境|護国寺駅の目の前、都市型男子校という選択

日本大学豊山中学校の立地は、学校の性格を考えるうえでも分かりやすい特徴があります。

最寄りは東京メトロ有楽町線「護国寺駅」。1番出口から地上へ出ると、すぐ右手に校舎があります。学校では駅からの距離を「徒歩15秒」と案内しているほどで、駅から学校までの移動はごく短いものです。

駅前の限られた土地を使った都市型の校舎でありながら、すぐそばには護国寺の緑があります。日大豊山の6年間は、「郊外の広いキャンパスへ通う」というより、東京の街の中へ毎朝集まり、そこから一日が始まる学校生活です。

護国寺駅1番出口から、ほぼそのまま校門へ

中学受験では、学校までの「徒歩○分」だけでなく、駅を降りてから実際にどのくらい歩くのかも6年間では大きな違いになります。

日大豊山の場合、有楽町線の護国寺駅1番出口から徒歩すぐ。長い坂道を歩いたり、駅から路線バスへ乗り継いだりする必要がありません。

雨の日や真夏、荷物の多い日、部活動で疲れて帰る日まで考えると、駅と学校の近さは毎日の負担をかなり小さくしてくれます。

中学生になれば電車通学を始める子も多くなります。12歳から6年間続ける通学として、この分かりやすさは日大豊山を検討するときに見ておきたい点です。

有楽町線一本で池袋・飯田橋方面へつながる

護国寺駅を通る東京メトロ有楽町線は、池袋、飯田橋、有楽町など都心の主要エリアを結んでいます。

そのため、文京区内だけを対象とする学校ではありません。池袋を経由して埼玉方面から通う、飯田橋周辺でJR線や地下鉄から乗り換えるなど、居住地によって複数の通学経路を考えられます。

日大豊山の生徒数が中学校だけで700名を超えている背景には、こうした都心校らしい通学圏の広さもあります。

一方で、最寄り駅そのものは有楽町線の護国寺駅です。自宅からどの路線で護国寺まで来るのか、朝の乗り換えは何回になるのかは、実際の登校時間帯で確認しておきたいところです。

護国寺の緑と隣り合う文京区大塚

校舎があるのは東京都文京区大塚5丁目。名前の通り、護国寺のすぐそばです。

日大豊山は駅前に建つ都市型校ですが、周囲をビルだけに囲まれた学校ではありません。学校も校舎設計について、建物を高層化することで街の喧騒や周囲の視線から距離を取り、護国寺の緑とつながる環境をつくったと説明しています。

ここは日大豊山の施設を見るときにも重要です。

土地を横へ広げるのではなく校舎を縦へ伸ばし、その中に教室、図書館、自習室、アリーナ、武道場、そして最上階のプールまで配置する。「駅前だから施設を諦める」のではなく、都市の土地の使い方そのものを工夫している学校です。

「駅前の学校」でも、運動施設は校舎だけではない

ただし、日大豊山の学校生活を護国寺の校舎だけで考えると少し違います。

板橋区には中台総合グラウンド・体育実習棟があり、運動部の活動などに利用されています。こちらは東武東上線「上板橋駅」、都営三田線「志村三丁目駅」からそれぞれ徒歩15分です。

つまり、普段の授業は護国寺駅前という便利な環境で行いながら、より広い運動空間が必要な活動については別の施設を使う仕組みです。

希望する部活動によっては、「護国寺までの通学」だけでなく、中台で活動した日の帰宅経路まで確認する必要があります。部活動を重視して日大豊山を選ぶ家庭には、学校説明会で練習場所と活動日を確かめておきたいポイントです。

駅から近いから、放課後まで学校を使いやすい

日大豊山では授業だけでなく、朝カツ、放課後の自習、補習・講習、部活動などを含めて学校で過ごす時間が長くなります。

そう考えると、駅までほとんど歩かなくてよいことには別の意味も出てきます。

部活動を終えて校舎を出れば、すぐ地下鉄に乗れる。自習してから帰る日にも、そこから長い徒歩やバス移動が残っていない。

学校でやりたいことに時間を使い、その後はすぐ帰路につける。護国寺駅前という立地は、単なる「アクセスの良さ」より、日大豊山の学校生活の組み立て方と結びついています。

通学時間は「校門まで」で比べたい

中学校選びでよくあるのが、最寄り駅までの時間だけを比較してしまうことです。

同じ「自宅から電車で40分」でも、駅からさらに徒歩15分の学校と、出口のすぐそばにある日大豊山では、実際の通学時間も疲れ方も変わります。

逆に、有楽町線まで何度も乗り換えなければならない家庭なら、駅前という利点だけでは判断できません。

日大豊山を見学するときには、休日の説明会だけでなく、できれば平日の登校時間を想定して自宅から護国寺まで移動してみるとよいでしょう。

700人を超える男子が毎朝、この駅前の校舎へ集まってくる。日大豊山の「密度の高い6年間」は、この護国寺駅1番出口から始まります。

教育方針とカリキュラム|「朝カツ」と習熟度別授業で基礎を積み上げる

日本大学豊山中学校の学習システムを見ると、難しい内容を急いで先へ進めること以上に、基礎を身につけ、それが定着しているかを確かめ、足りなければ戻って補うという流れがはっきりしています。

学校ではこれを、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)のPDCAサイクルとして整理しています。

部活動や行事にも時間を使う日大豊山だからこそ、「勉強だけに集中できる生徒」を前提にはしていません。朝の10分、授業、定期テスト、補習、自習室、デジタル教材までをつなぎ、忙しい中学生が少しずつ自分で学習を回せるようにしていく。それが現在の中学教育の骨格です。

3年間とも週34時間、主要教科をしっかり確保

中学校は3学年とも週34時間。国語・数学・英語だけに偏らず、社会・理科を含めて主要5教科の授業時間を確保しています。

教科中1中2中3
国語4時間5時間5時間
社会4時間4時間4時間
数学5時間5時間5時間
理科4時間4時間5時間
英語5時間5時間5時間
総授業時数34時間34時間34時間

数学には演習、英語には英会話が含まれています。また、総合的な学習の時間を各学年週2時間設け、教科学習とは別にキャリア教育や探究的な活動にも時間を使います。

中1から大学受験用のカリキュラムだけを走らせるのではなく、まず中学校の3年間で高校の学習につながる土台をつくる構成です。

朝10分の「朝カツ」から一日が始まる

日大豊山では、朝の10分間を「朝カツ」として学習時間に充てています。

これは毎朝同じ形式の小テストを受ける時間ではありません。数学では各自の進度に合わせた計算トレーニング、英語では学習アプリ「ELST」を使った教科書準拠課題や英検対策に取り組みます。

そのほかにも、読書、論理力を鍛えるトレーニング、時事問題などが組み込まれています。

一日10分なら長くはありません。しかし、年間の登校日で積み重ねれば相当な時間になります。

まとまった勉強時間を取れる日だけ頑張るのではなく、短い時間でも毎日机に向かう。部活動や行事で忙しくなりやすい日大豊山では、この習慣そのものに意味があります。

数学演習は、全学年で習熟度別

数学では通常授業とは別に演習授業を設け、全学年で習熟度に応じて1クラスを2つに分けて授業を行います。

40人前後のクラスをそのまま一斉に進めるのではなく、演習では人数を絞り、それぞれの理解度に合わせて問題へ取り組みます。

中学に入ると、算数から数学へ変わります。負の数、文字式、方程式、関数と内容が進み、小学校では算数が得意だった子が途中でつまずくこともあります。

日大豊山では答えだけを合わせるのではなく、答えに至る過程を重視しながら、高校・大学へ続く数学の基礎をつくります。

数学検定については、中1で5級、中2で4級、中3で3級の取得を目標にしています。

英会話はチームティーチング、英検は中3準2級を目指す

英語では、中学校から本格的に英語を学び始める生徒が多いことを前提に授業が組まれています。

英会話は全学年で、1クラスを2名以上の教員で指導するチームティーチングを実施。中3の英会話ではさらにクラスを2分割し、実際に英語を話す機会を増やします。

英語検定の受検も学習の節目として使われ、中1で4級、中2で3級、中3で準2級を目標にしています。

学年英検の目標
中学1年4級
中学2年3級
中学3年準2級

さらに1月には校内英語スピーチコンテストを実施します。単語や文法を覚えるだけで終わらせず、中学校のうちから人前で英語を使う場面を設けています。

国語でも「書く力」を3年間かけて育てる

国語では読解だけでなく、文章を書くことにも力を入れています。

生徒は毎年、小論文テストと漢字検定を受検。漢字検定は中1で4級、中2で3級、中3で準2級を目標とします。

小論文は、高校・大学受験のためだけのものではありません。自分の考えを整理し、相手に伝わるように文章へ組み立てる練習として位置づけられています。

700人を超える男子が集まる学校では、勢いや会話だけで物事が進む場面もあるでしょう。その一方で授業では、考えたことを筋道立てて言葉にする力も育てていきます。

テストを受けて終わりにしない

学力の定着を確認する機会も多くあります。

テスト年間回数
定期テスト5回
錬成テスト2回
実力テスト2回

大切なのは、試験の回数そのものではありません。

定期テストの結果を見て学習に遅れがある生徒には、各教科で補習を実施します。中2・中3では、高校進学を前に学習の遅れがある生徒を対象とした「チャレンジ補習」も設けられています。

朝カツで日常的に学ぶ。授業を受ける。テストで理解度を確かめる。不十分だったところは補習や自習で戻る。

日大豊山が掲げるPDCAは、こうして日々の学校生活に落とし込まれています。

タブレットは「授業を見る道具」だけではない

全学年でタブレット端末を学習に使用しています。

授業中の教材提示や課題の配信・提出だけでなく、定期テスト前にはアプリ上で各教科の試験範囲や課題を確認し、自分で学習計画を立てるためにも使います。

また、全学年でスタディサプリを導入。苦手な単元は以前の内容まで戻って解説動画を見直すことができ、得意な分野については学年を越えて先へ進むこともできます。

全員を同じ速度で先へ進ませるのではなく、分からない生徒は戻り、できる生徒は先へ行ける。数学の習熟度別授業と合わせて、一人ひとりの差に対応する仕組みが用意されています。

中3では「進学」と「特進」に分かれる

中1・中2の間は共通のカリキュラムで学びますが、中3になると進学と特進に分かれます。学校が公開しているシラバスも、中3については進学・特進それぞれに用意されています。

進学は日本大学への内部進学を中心に考えながら基礎学力を固めていく方向。特進は、国公立大学・難関私立大学や日本大学の難関学部まで視野に入れ、高校の特進コースへつながる学習を進めます。

ここで興味深いのは、入学した12歳の段階ですべてを決めなくてよいことです。

中1・中2で学校生活を送り、自分がどのくらい勉強に力を入れたいのか、将来どのような大学や分野へ進みたいのかが少し見えてきたところで、中3から学び方に違いが出てきます。

日本大学の付属校でありながら、早い段階から進路を一つに固定しない。これは日大豊山の中高6年間を見るうえで重要な部分です。

中3では日本大学の「学部」まで見に行く

付属校としての強みは、大学進学の推薦制度だけではありません。

キャリア教育では、中1からさまざまな仕事や自分の将来について考え、中2では職場訪問を実施。中3になると、日本大学の各学部を実際に見学します。

「日大へ行くかどうか」だけではなく、法学、経済、理工、生物資源、芸術など、大学で何を学び、その先にどんな仕事があるのかまで考える機会をつくっています。

中学生にとって大学は、まだかなり遠い存在です。しかし、実際の学部を見ることで、「数学を勉強する理由」「英語を続ける理由」が少し具体的になることがあります。

朝10分の朝カツから始まり、中3では大学の学部まで見に行く。

日大豊山の学習は、目の前のテストだけを乗り切るのではなく、自分で学ぶ習慣をつくり、その学習を少しずつ将来の進路へつなげていく3年間として組み立てられています。

学習環境と施設設備|11階建て校舎に、学びと運動の場所を凝縮する

日本大学豊山中学校の校舎は、郊外型の学校とはかなり違います。

護国寺駅のすぐ目の前という限られた敷地の中で、建物を縦に使い、教室、図書館、自習室、理科実験室、アリーナ、武道場、そして最上階の屋内温水プールまで配置しています。

学校側も、校舎を高層化することで街の喧騒や周囲の視線から距離を取り、館内にはアトリウムを中心としたオープンスペースを設けています。

駅前の便利さを取りながら、学校の中には勉強する場所も体を動かす場所もつくる。日大豊山の施設は、都市型男子校ならではの発想でできています。

最上階には25m・10コースの屋内温水プール

日大豊山の施設を象徴するのが、校舎11階にある25m・10コースの屋内温水プールです。

水泳部のためだけの施設ではなく、体育の授業でも使用されます。同じフロアにはトレーニングルームも設けられており、水泳部ではウエイトトレーニングなどにも利用しています。

施設概要
屋内温水プール11階・25m×10コース
トレーニングルームプールと同じフロアに設置

水泳部は日大豊山を代表する部の一つですが、興味深いのは、この競技環境が学校の外にある専用施設ではなく、毎日通う校舎の最上階にあることです。

授業を終えて、そのままエレベーターで上階へ向かい練習する。水泳に本格的に取り組みたい生徒にとっては、学校生活と競技生活を一つの場所で組み立てられます。

最下層には3層吹き抜けのアリーナ

最上階がプールなら、建物の下層には3層吹き抜け構造のアリーナがあります。

冷暖房設備が整備され、体育の授業のほか、バスケットボール部、バレーボール部、体操部などが活動します。

さらに校内には柔道場と剣道場があります。

駅前の縦長校舎というと、運動施設が限られている印象を持つかもしれません。しかし、日大豊山では上にプール、下にアリーナを置き、その間に教室や特別教室を配置しています。

土地を横に広げられないからこそ、校舎全体を一つのキャンパスとして立体的に使っているわけです。

理科実験室から音楽室まで、特別教室も校内に

学習用の施設もそろっています。

中学理科実験室、生物実験室、コンピュータ室、音楽室、視聴覚室、多目的ホール、進路相談室などが設けられています。

分野主な施設
理科中学理科実験室、生物実験室
ICTコンピュータ室、全教室のICT設備
芸術・表現音楽室、視聴覚室、多目的ホール、放送室
進路・学習図書館、自習室、進路相談室
体育アリーナ、柔道場、剣道場、屋内温水プール、トレーニングルーム

日大豊山は中学校だけでも700人を超え、高校生も同じ建物で学びます。人数は多いものの、教室だけを並べた校舎ではなく、授業ごとに場所を変えて学べるよう特別教室を確保しています。

図書館には約4万7,000冊

図書館の蔵書数は約4万7,000冊。50種類以上の雑誌も置かれています。

授業の調べ学習に使う資料から、生徒が手に取りやすい読み物まで用意されており、2025年度からは新しい学校図書館システムも導入されています。

700人を超える男子が集まる学校というと、校内のにぎやかさを想像しやすいでしょう。しかし、ずっと大人数の中で過ごさなければならないわけではありません。

部活動まで時間があるときに本を読む。試験前に調べ物をする。昼休みに一人で過ごす。

にぎやかな男子校の中に、静かに過ごせる場所もある。図書館は、その一つです。

個別ブース型自習室は教員室のすぐそば

学習面で使い勝手がよいのが、自習室の配置です。

教員室のすぐそばに個別ブース型の自習室があり、朝や放課後を中心に生徒が利用しています。

さらに教員室前には、机やホワイトボードを備えたオープンスペースがあります。

自習していて分からない問題が出てきたら、そのまま先生へ質問に行ける。質問が終われば再び自習へ戻れる。

§3で見た補習やスタディサプリと同じように、日大豊山では「分からないところをそのままにしない」ための仕組みを、授業だけでなく校舎の配置にもつくっています。

学習端末と教室のICT設備を日常的に使う

ICTは特別な授業だけで使うものではありません。

全学年で生徒用の学習端末を使用し、授業、課題の配信・提出、英語学習、定期テスト前の学習管理などに活用しています。全教室にはプロジェクターや電子黒板などの設備があり、動画や図表を使った授業にも対応しています。

また、2026年度はキーボード付きモバイルPCへの移行も進められています。

タブレットで教材を見るだけではなく、調べたことを文章にする、資料を作る、考えを整理してアウトプットするところまでICTを使う方向です。

中学生のうちから「端末を使うこと」自体を目的にするのではなく、学習を管理したり、調べたり、提出したりする日常の道具として扱っていきます。

2階の生徒ホールと売店が昼休みを支える

昼休みに使えるのが2階の生徒ホールです。

売店では制服や運動着、文房具のほか、弁当、パン、飲み物、ヨーグルト、栄養補助食品などを販売しています。学校では弁当や軽食などを合わせて約100種類と案内しています。

毎日家庭から弁当を持参する方法もありますが、作れない日には学校で昼食を購入できます。

また、生徒一人ひとりに鍵付きのロッカーが用意されています。電車通学の生徒が多い学校ですから、運動着や教材を校内に置けることは、毎日の荷物を考えると実用的です。

校舎の外には中台総合グラウンド

もちろん、11階建ての校舎だけですべての運動を完結させることはできません。

板橋区中台には中台総合グラウンド・体育実習棟があり、人工芝のグラウンドなどを体育や部活動で使用します。

護国寺では、プール、アリーナ、武道場など建物の中でできる運動を行う。一方、広いフィールドが必要な競技では中台へ移動する。

日大豊山の運動環境は、この二拠点を合わせて考える必要があります。

特に部活動を目的に受験する場合は、希望する部が護国寺と中台のどちらで練習するのか、活動日はどこから帰宅することになるのかまで確認しておきたいところです。

都市型校舎だからこそ、防災にも備える

校舎には制震装置が設置され、全館をバリアフリー化。エスカレーターやエレベーターも備えています。

災害時には、全生徒が約1週間過ごせる食料・水・ブランケットを備蓄し、非常発電設備も設置されています。11階のプールの水は、非常時には生活用水として利用できるようになっています。

校内にはスクールカウンセラーもおり、生徒だけでなく学校生活について相談できる体制があります。

700人を超える中学生と高校生が一つの都市型校舎に集まる学校だからこそ、設備の華やかさだけでなく、日常の安全や相談体制まで含めて学校生活を支えています。

「広い校地」ではなく、「一棟を使い切る」学校

日大豊山を見学すると、学校施設についての印象は郊外型の学校とはかなり違うはずです。

最上階では水泳部が泳ぎ、下層ではバスケットボールやバレーボールが行われ、その間には教室、実験室、図書館、自習室がある。

そして校舎を出れば、護国寺駅はすぐそこです。

大きな土地を持つのではなく、一つの建物を上から下まで学校生活に使う。

護国寺という場所と11階建て校舎を組み合わせた、この立体的な学校生活は、日大豊山の施設を見るうえで最も特徴的な部分です。

学校生活と行事|700人を超える男子がつくる、にぎやかな日常

日本大学豊山中学校の一日は、朝8時10分から始まります。

護国寺駅からすぐの校舎に700人を超える中学生が集まり、朝カツ、6時間の授業、昼休み、放課後の部活動へと進んでいきます。土曜日も授業があり、午前4時間で終了します。

年間行事を見ると、体育大会や豊山祭のように中高の大きな集団で動くものがある一方、校外学習、学部見学、テーブルマナー教室、修学旅行など、学年ごとの体験も多く組まれています。

大人数で盛り上がる時間と、学年・クラス単位で経験を積む時間が一年の中で交互にやってくる。それが日大豊山の学校生活です。

8時10分の「朝カツ」から始まる一日

中学生は毎朝8時10分までに着席します。そこから10分間の「朝カツ」に取り組み、8時35分から1時間目が始まります。

時刻学校生活
8:10朝カツ
8:351時間目開始
12:25昼食・昼休み
13:05午後授業
15:00終礼・清掃
15:30頃〜部活動・自習など

授業は1コマ50分。平日は午前4時間、午後2時間が基本で、土曜日は4時間目までです。

昼食は教室や生徒ホールなどで取ります。弁当を持参するほか、売店で弁当やパンなどを購入することもできます。昼休みには友人と話したり、図書館で過ごしたり、それぞれの時間を使います。

15時の終礼後には掃除を行い、15時30分頃から部活動へ。部活動に入らない日には、自習室で勉強してから帰るという過ごし方もできます。

体育大会は中学生と高校生が一緒に動く

日大豊山の行事の中でも規模が大きいのが体育大会です。

中学校だけで完結するのではなく、中学生と高校生が合同で参加します。直近で詳しい実施内容が公開されている2025年度は、東京体育館を会場に、赤・白・黄の3チームに分かれて競いました。

クラスや学年を越えた競技に加え、部活動対抗のリレーなども行われています。

中1にとって、高校生は5歳ほど年上です。入学して間もない時期から、高校生が競技し、応援し、行事を動かす姿を同じ空間で見ることになります。

中高一貫校では「高校まで同じ学校にある」こと自体は珍しくありません。日大豊山の場合は、こうした行事でも中高が交わるため、数年後の自分の姿が比較的近くに見える学校生活です。

冬には中学生だけの「校内体育大会」もある

大規模な体育大会とは別に、12月には中学校の校内体育大会も行われます。

こちらでは学年やクラスを単位として競技に取り組みます。

つまり、日大豊山では中高全体で動く大きな体育大会と、中学生の身近な人間関係で競う校内体育大会の両方があります。

700人を超える男子校だからこそ、大人数の中へ入るだけではなく、クラスという単位で一緒に何かへ取り組む機会も必要になります。

普段の授業では隣の席にいる同級生が、行事になると選手になったり、応援する側になったりする。こうした時間を重ねながら、クラスの関係も少しずつ変わっていきます。

豊山祭|11階建ての校舎全体が文化祭の舞台になる

秋には文化祭である「豊山祭」があります。

中学生・高校生が参加し、文化部の展示や発表、各団体による企画などが校内で行われます。2025年度は10月25日・26日の2日間にわたって開催されました。

日大豊山には広大な平面キャンパスがあるわけではありません。そのため豊山祭も、普段使っている11階建ての校舎のさまざまな場所へ企画が広がっていきます。

教室、ホール、特別教室、部活動の活動場所。それぞれがいつもの用途とは少し違う空間になります。

受験を考えている家庭にとっても、豊山祭は学校の雰囲気を知りやすい機会です。設備を見るだけなら学校見学でもできますが、700人を超える中学生と高校生が集まったとき、実際にどのくらいにぎやかな学校になるのかは、行事の日の方が分かりやすいでしょう。

校外学習は「旅行」ではなく、学年ごとに目的を変える

中1・中2には校外学習があります。

現在の校外学習は、毎年同じ場所へ宿泊する形式に固定されているわけではありません。学年の発達段階や学習テーマに合わせ、訪問先や内容が組まれています。

2026年6月の実施内容を見ると、学年による違いがよく分かります。

学年2026年6月の内容
中学1年江戸東京博物館を班ごとのテーマに沿って見学
中学2年キャリア教育として企業訪問
中学3年ホテル椿山荘東京でテーブルマナー教室

中1は事前に調べたテーマを持って博物館を見る。中2になると学校の外で働く大人に会う。中3では社会に出たときのマナーにも触れる。

単にクラスで出掛けるのではなく、学年が上がるにつれて学校の外にある社会へ視線を広げていくように組まれています。

中2の企業訪問から、中3の日本大学学部見学へ

校外学習は§3で触れたキャリア教育ともつながっています。

中2では企業を訪問し、実際に働く社会人から話を聞きます。中3になると、日本大学の学部見学が年間行事に入ります。

「将来の仕事」から逆算して「大学で何を学ぶのか」を考えていく流れです。

大学付属校では、大学進学が身近であるため、進路について考える時期が遅くなってしまうこともあり得ます。日大豊山では、内部推薦制度だけを見せるのではなく、中学生の段階から仕事や大学の学部に触れる機会を設けています。

日本大学へ進めるからこそ、「日大のどこで何を学ぶのか」を考える。付属校としての行事には、そうした役割もあります。

中3の修学旅行|直近の2025年度は北海道へ4日間

中学3年間の大きな宿泊行事が修学旅行です。

直近の2025年度は、10月に3泊4日で北海道を訪れました。

新千歳空港から千歳水族館、大倉山展望台などを巡り、旅行後半には班別自主研修も実施。全行程を先生について歩くだけではなく、生徒同士で計画を考えながら行動する時間が含まれています。

中1で入学した頃には、時間割や校舎の使い方を覚えるところから始まります。その生徒たちが中3になると、自分たちで行程を考え、仲間と相談しながら知らない土地を歩く。

修学旅行は観光地へ行くこと以上に、3年間一緒に過ごしてきた同級生との関係が見えやすくなる行事です。

中2の3月にはスキー教室

年間行事には、中2の3月にスキー教室も組まれています。

これまでの実施では数日間の宿泊行事として行われ、経験者と初心者に分かれてレッスンを受けています。

東京の駅前校舎で過ごしている日常から離れ、雪山で同級生と生活する時間です。

日大豊山の日常は都市型ですが、学校行事まで護国寺の校舎の中で完結するわけではありません。校外学習、修学旅行、スキー教室を通して、普段とは異なる環境へ生徒を出していきます。

中学生にはニュージーランド10日間の海外研修

海外へ出てみたい生徒には、中学全学年の希望者を対象としたニュージーランド研修があります。

12月に10日間、北島のハミルトンで実施されるプログラムです。

研修先ニュージーランド北島・ハミルトン
期間10日間
対象中学全学年の希望者
主な内容ESOL授業、現地校での授業・交流、ホームステイ、オークランド研修など

現地では英語学習用のESOLクラスだけを受けるのではなく、5〜6人程度のグループで現地校のクラスへ入り、同年代の生徒と一緒に授業を受けます。

ホームステイは1家庭につき本校生徒2名が基本です。

英検のために勉強してきた単語や文法が、実際の家庭や学校でどの程度伝わるのか。分からなければ言い換えたり、身振りを使ったりして伝えることになります。

教室で英語を「正しく答える」ことと、海外で「何とか相手に伝える」ことは同じではありません。中学生のうちにその違いを経験できるプログラムです。

ケンブリッジ・カナダは高校進学後の選択肢

日大豊山の国際教育には、このほかイギリス・ケンブリッジ大学での研修やカナダでの語学研修もあります。

ただし、対象は中学生ではありません。

プログラム対象
ニュージーランド・ハミルトン研修中学全学年・希望制
ケンブリッジ大学研修日本大学全付属高校生・選抜制
カナダ研修高校全学年・希望制

したがって、中学3年間で参加できる海外研修はニュージーランドが中心です。その後、日大豊山高校へ進学すれば、ケンブリッジやカナダという別のプログラムが選択肢に加わります。

中学と高校で段階的に海外へ出る機会が増えていく仕組みです。

700人の男子が、ずっと同じ集団で動くわけではない

日大豊山は人数の多い男子校です。

ただ、学校生活を見ていくと、いつも700人全員で動いているわけではありません。

体育大会や豊山祭では中高を含む大集団になる。普段は40人前後のクラスで授業を受ける。校外学習では班に分かれる。修学旅行では友人同士で行動する。海外研修へ参加すれば、さらに小さなグループで10日間を過ごすことになります。

大きな男子集団の中へ入りながら、場面によって関わる相手が変わっていく。

日大豊山のにぎやかさは、ただ人数が多いから生まれるのではありません。

授業、行事、旅行、部活動と場所が変わるたびに、別の友人や先輩と関わる。その繰り返しが、護国寺の校舎に集まる703人の男子を一つの学校にしています。

クラブ活動|全21部、「好きなこと」に熱を注ぐ放課後

日本大学豊山中学校には、体育部10、学芸部11の全21部があります。

水泳、サッカー、野球、バスケットボール、バレーボールといった運動部から、吹奏楽、鉄道、放送、模型、電子計算機、理科などの文化部まで選択肢は幅広く、学校も部活動について「高い加入率」を維持しているとしています。

日大豊山の部活動を考えるとき、水泳部の実績だけを見ると学校の姿を狭く捉えてしまいます。

700人を超える男子の中から、同じものが好きな仲間を見つける。授業中とは違う集団に入り、先輩と関わり、何年も一つの活動を続ける。男子校としての濃い人間関係が最も見えやすい時間の一つが、放課後です。

体育部10、学芸部11の全21部

区分部活動
体育部剣道、水泳、体操、サッカー、ソフトテニス、卓球、バスケットボール、バレーボール、野球、ワンダーフォーゲル
学芸部囲碁、英語、書道、吹奏楽、鉄道、美術、文芸、放送、模型、電子計算機、理科

剣道、水泳、体操をはじめ、多くの学芸部では中学生と高校生が一緒に活動します。

中1にとって高3はかなり年上ですが、同じ部活動に所属すれば日常的に顔を合わせます。競技や作品づくりを教わるだけでなく、準備や後片付け、後輩への接し方まで、年齢の違う男子の中で覚えていくことになります。

一方、サッカー、野球、バスケットボールなど、中学生を主体として活動する部もあります。21部すべてが同じ運営形態ではありません。

入学直後から、部活動を選ぶ時間がある

4月には新入生を対象とした部活動説明会が行われます。

各部の先輩が活動内容を説明し、実演やパフォーマンスを交えながら新入生を勧誘します。学校では部活動への高い参加状況を維持するため、この説明会を毎年実施しています。

さらに受験生向けにも「クラブフェア」があり、全21部の活動を実際に見たり体験したりできます。

中学受験の学校見学というと、授業や施設を見ることが中心になりがちです。しかし、日大豊山では部活動が学校生活に占める割合が大きいため、本人が放課後に入りたい場所を見つけられるかまで見ておきたいところです。

水泳部|11階のプールで、中1から高3まで一緒に泳ぐ

日大豊山を代表する部活動の一つが水泳部です。

中学・高校合同で活動し、練習場所は校舎11階の25m・10コース屋内温水プールと日本大学の50mプール。本校のトレーニングルームも使用します。

中学生だけでも約70〜80名が所属する大きな部で、泳力や目標によってチームを分けています。

チーム主な位置づけ
Aチーム高校でインターハイなど全国大会の上位を目指す選手
全中チーム中学生が全国中学校大会での入賞を目指す
Bチーム初心者から大会出場を目指す生徒まで幅広く参加

ここで知っておきたいのは、入部時点で全国大会レベルの選手である必要はないことです。

学校は初心者の入部も認めており、泳力や意欲に応じてチームを分けています。本格的に全国大会を目指す生徒と、勉強との両立を考えながら泳ぎたい生徒が、同じ水泳部の中にいます。

「水泳の強豪校だから、速い選手しか入れない」という部ではありません。

水泳部には、学校そのものの長い競技文化がある

高校水泳部は、インターハイで長年にわたり上位に入り、過去には何度も総合優勝を経験しています。

ただし、高校の実績をそのまま中学生の実績として扱うことはできません。

中学生には中学生の大会があり、現在も東京都中学校選手権、関東中学校選手権、全国中学校水泳競技大会などを目標として活動しています。2025年度の東京都中学校大会では団体5位でした。

日大豊山の水泳部で重要なのは、「高校が強い」という看板以上に、中1から高3まで同じ学校の水泳部で泳ぐ文化が続いていることです。

中学生は高校生の練習を身近に見ながら、自分も数年後にそのチームへ進んでいきます。

毎日同じ練習をするわけではない

水泳部の練習は月曜から土曜を基本とし、日曜は原則休みです。

ただし、チームによって練習量は異なります。全国大会を目指すチームでは練習時間が長く、強化期には朝練習も行います。一方、Bチームは練習時間を抑え、勉強との両立も一つの目標にしています。

これは水泳部に限らず、部活動を選ぶときに重要なところです。

「その部が強いか」だけではなく、週に何日活動するのか、終了時刻は何時なのか、試合はどのくらいあるのか。その生活を6年間続けられるかまで見た方がよいでしょう。

サッカー部|中台グラウンドも使って活動

中学サッカー部は約55名。火・水・金・土・日を中心に活動しています。

普段の練習では学校の校庭に加え、板橋区の中台グラウンドも使用します。ポゼッションを軸としたパス練習やミニゲームなどに取り組んでいます。

2025年度は文京区の夏季大会で優勝し、第4支部大会を経て東京都大会へ進出しました。

部として掲げているのは、競技だけではなく「サッカーと私生活の両立」です。

練習のある日は中台へ移動することもあるため、受験時には§2で触れた中台からの帰宅経路も確認しておきたい部の一つです。

放送部|体育大会や豊山祭を裏側から動かす

文化部の中で、学校行事とのつながりが見えやすいのが放送部です。

活動は火・水・木・金曜日。昼や夕方の校内放送を担当するほか、体育大会や学校説明会の放送、豊山祭の音響・照明なども担当します。

普段の活動では発声だけでなく、音響機材の操作、映像編集なども学びます。

2025年度にはNHK杯全国中学放送コンテスト東京都大会のラジオ番組部門で初優勝し、全国大会へ進出。全国大会でもラジオ部門の決勝まで進みました。

行事を見る側ではなく、音響や映像を通して行事を成立させる側に回る。

運動が得意でなくても、大きな男子校の中で自分の役割を持てることが分かる部活動です。

鉄道・模型・電子計算機・理科――男子校らしい「好き」の集まり方

学芸部を見ると、日大豊山の男子校としての雰囲気が別の方向から見えてきます。

鉄道部、模型部、電子計算機部、理科部など、かなり具体的な興味をそのまま部活動にしたような選択肢があります。

一人で好きなことを調べたり作ったりするのも楽しいものですが、学校に同じことが好きな仲間が十数人、数十人いると活動は変わります。

鉄道について話す。模型を一緒につくる。プログラムを書く。実験する。それぞれの「好き」を持ち寄り、豊山祭では展示や発表へつなげていきます。

好きなものについて遠慮なく話せる相手を学校の中で見つけやすい。

これは、男子校である日大豊山を考えるとき、水泳部の強さと同じくらい見ておきたい部分です。

中高合同の文化部では、6年間同じ活動を続けられる

囲碁、英語、書道、吹奏楽、鉄道、美術、文芸、放送、模型、電子計算機など、多くの学芸部は中高合同です。

中1で入部すれば、高3まで同じ部の中で活動を続けられます。

最初は高校生にやり方を教えてもらう側だった生徒が、数年後には新しく入ってきた中1へ教える側になる。

中高一貫校の部活動で得られるものは、競技技術や作品だけではありません。6年間の中で、自分の立場が「後輩」から「先輩」へ変わっていく経験も含まれています。

「部活をやるなら勉強は二の次」ではない

学校は2026年度の重点目標でも、高い部活動加入率を維持しながら、学業と部活動を両立させることを掲げています。

§3で見た朝カツ、習熟度別授業、補習、自習室と、§6の部活動は別々に存在しているわけではありません。

朝は10分勉強する。授業を受ける。放課後には部活動へ行く。試験前には自習室を使う。

日大豊山が掲げる「文武両道」は、全国大会へ出る一部の選手だけの言葉ではなく、多くの生徒が勉強と何か好きな活動を同じ一週間の中に置くことに近いものです。

受験前にクラブフェアで「放課後」を見ておきたい

日大豊山では、受験生向けの学校説明会と同時にクラブフェアを実施しています。

2026年度も8月29日と9月12日に設定され、全21部を見学・体験できる機会が用意されています。

校舎や進学実績は保護者が比較しやすい部分です。しかし、実際に6年間通う本人にとっては、「放課後に何をしたいか」が学校への愛着を大きく左右します。

11階のプールへ行きたいのか。中台でサッカーをしたいのか。吹奏楽か、鉄道か、模型か、放送か。

700人を超える男子がいるからといって、全員が同じことに熱中するわけではありません。

日大豊山の部活動の面白さは、たくさんの男子がいることではなく、その中から「自分と同じものが好きな男子」を見つけられるところにあります。

進学実績と卒業後の進路|約7割が日本大学へ、他大学への道も残す

日本大学豊山中学校を選ぶ理由として、日本大学への内部進学を挙げる家庭は多いでしょう。

実際、2025年度卒業生467名のうち、325名が日本大学へ進学しています。日本大学進学率は69.6%。一方で、他大学へ進学した生徒も109名おり、現役大学進学率は93%でした。

つまり、日大豊山は「ほぼ全員が日本大学へ進む学校」ではありません。

日本大学という大きな進路を持ちながら、高校生になってから別の大学を目指すこともできる。この二つが同じ学校の中にあることが、日大豊山の進路を考えるうえで重要です。

2025年度卒業生467名のうち、325名が日本大学へ

現在公表されている2025年度卒業生の進路は、次のようになっています。

進路人数卒業生に占める割合
日本大学325名69.6%
他大学109名23.3%
その他(専門学校・予備校等)33名7.1%
卒業生合計467名100%

現役で4年制大学へ進学した生徒は434名で、現役大学進学率は93%です。

約7割が日本大学へ進む一方、およそ4人に1人は他大学へ進んでいます。

「日大付属だから日大へ」という一本の進路ではなく、高校で本人の志望が固まってくるにつれて進路が分かれていきます。

日本大学では理工学部への進学が103名

日本大学は学部数の多い総合大学です。日大豊山からも、文系・理系・芸術・医療系まで複数の学部へ進学しています。

日本大学の学部2025年度進学者数
理工学部103名
法学部57名
経済学部48名
文理学部31名
商学部24名
生産工学部22名
生物資源科学部13名
芸術学部10名
危機管理学部7名
松戸歯学部3名
薬学部3名
医学部2名
スポーツ科学部2名

最も多いのは理工学部で103名。法学部57名、経済学部48名と続きます。

「日本大学へ内部進学する」といっても、その中にはかなり多くの進路があります。中学生の段階では文系・理系すら決まっていない子が大半でしょう。高校生活を送りながら興味のある分野を探し、大学ではどの学部へ進みたいかを考えていきます。

内部進学は「在籍していれば自動的に決まる」わけではない

日本大学への推薦は、日大豊山へ入学すれば自動的に希望学部へ進める制度ではありません。

現在、日本大学への主な推薦には次の3つがあります。

方式主な仕組み
基礎学力選抜日本大学付属高校生が受験する基礎学力到達度テストの成績などをもとに選抜
付属特別選抜高校3年間の校内成績などをもとに、各学部の基準を満たした生徒を選抜
国公私立併願方式一定条件のもと、日本大学への推薦権を保持しながら国公立大学への受験に挑戦できる方式

どの方式でも、「付属校だから勉強しなくてよい」ということにはなりません。

希望する学部・学科へ進むためには、高校での成績や基礎学力到達度テストが関わります。特に人気学部では、付属生同士の中でも一定の成績を取っておく必要があります。

高校で受ける「基礎学力到達度テスト」が学部選びにつながる

基礎学力選抜の中心になるのが、基礎学力到達度テストです。

日本大学の付属高校生が共通して受験する試験で、高1の4月、高2の4月、高3の4月・9月に実施されます。このうち内部推薦の選抜では、高1の4月を除く3回の成績が使われます。

日大豊山では、その準備として高校でも錬成テストや対策講座を行っています。

学校の定期テストだけを乗り切ればよいわけではなく、付属校全体の中で自分がどの位置にいるかを見る試験にも取り組むことになります。

大学受験がなくなるというより、「一般入試とは別の競争の仕方になる」と考えておく方が近いでしょう。

希望する学部が決まれば、高校での勉強にも理由ができる

日本大学には法学部、経済学部、商学部、文理学部、理工学部、医学部、歯学部、薬学部など、多くの学部があります。

そのため日大豊山では、中学生のうちから日本大学の学部を知り、高校ではさらに進路ガイダンスや学部説明会を重ねます。

高2では日本大学各学部の教員による学部説明会も行われます。

「日大へ行きたい」からもう一歩進んで、「建築を学びたいから理工学部」「法律を学びたいから法学部」というところまで志望を具体化していく。

付属校の進路指導では、大学名より先に何を学びたいのかを考えることが重要になります。

高校在学中に、日本大学の授業を受けることもできる

日大豊山は、日本大学の法学部、経済学部、商学部などと高大連携を行っています。

高校生のうちに大学の授業を履修できる「科目等履修生制度」があり、所定の試験に合格したうえでその学部へ進学すると、履修した科目が大学の単位として認定されます。

大学のオープンキャンパスで模擬授業を受けるのとは少し違います。実際の大学の講義に参加し、大学生と同じ学問へ触れます。

16歳、17歳の段階で大学の授業を経験すれば、「思っていた学問と違った」と気づくこともあれば、「もっと学びたい」と進路が明確になることもあります。

日本大学が同じ学校法人の先にあるからこそ、高校と大学の境目を少し早く越えてみることができる仕組みです。

中3から特進、高校では難関大学を目指す道もある

§3で見たように、日大豊山では中3から進学・特進に分かれます。

高校の特進コースは各学年2クラスで、国公立大学、難関私立大学、日本大学の医・歯・薬系などを目標とします。進学コースとは教材や授業内容を分け、先取り授業を行って大学入試対策の時間を確保します。

高3になると午前中を必修授業とし、午後には共通テスト対策などの自由選択講座を設定します。

ここでも、日大豊山へ中学から入った時点で「日本大学へ行く」と決め切る必要はありません。

中1・中2では共通の学びを積み、中3で特進を選ぶ。高校でさらに学力を伸ばし、国公立・難関私大を目指す。

12歳のときには見えていなかった目標へ、途中から進路を切り替えられる。これも6年間ある学校の使い方です。

2025年度は早稲田5名、慶應6名、上智8名

2025年度の他大学合格実績を見ると、国公立大学や難関私立大学への合格者も出ています。

大学2025年度現役合格者数
東北大学1名
九州工業大学1名
早稲田大学5名
慶應義塾大学6名
上智大学8名
東京理科大学14名
明治大学12名
青山学院大学5名
立教大学5名
中央大学7名
法政大学17名
学習院大学2名

ここで示している数字は合格者数であり、その大学への実際の進学者数とは異なります。

また、日大豊山全体として最も大きい進路が日本大学であることも変わりません。他大学の合格実績だけを切り取って「大学受験進学校」と捉えるより、日本大学への内部進学を中心に据えながら、外部受験にも対応する学校と見る方が実態に近くなります。

指定校推薦という第三の進路もある

日本大学への付属推薦と一般選抜以外に、他大学の指定校推薦を利用する生徒もいます。

2025年度には、上智大学、東京理科大学、明治大学、立教大学、中央大学、法政大学、学習院大学、芝浦工業大学、北里大学、明治薬科大学、明治学院大学などから指定校推薦枠があります。

もちろん、指定校推薦は希望すれば誰でも利用できる制度ではありません。高校3年間の成績などをもとに校内選考があります。また、大学・学部・人数枠は年度によって変わります。

それでも、高3になったときに「日本大学」「他大学の指定校推薦」「一般選抜」と複数の道を比較できることは、進路を考えるうえで意味があります。

進学コースでも、部活動を続けながら日本大学を目指せる

高校の進学コースは、日本大学への進学を中心に据えています。

現在は各学年9クラス。学習だけでなく、部活動や委員会活動との両立も教育方針に含まれています。

2025年度の進学コース卒業生360名を見ると、290名が日本大学へ進学しています。一方、他私立大学へ進んだ生徒も52名います。

水泳部をはじめ、中高6年間部活動を続ける生徒が多い日大豊山では、「高2になったら部活動をやめて大学受験一本」という進路だけを想定していません。

部活動を続けながら、基礎学力到達度テストで希望学部を目指す。このルートが学校の中心にあります。

特進から日本大学を選ぶ生徒もいる

一方、特進コースを「日大以外へ行く生徒だけのコース」と考える必要もありません。

2025年度の特進コース卒業生76名のうち、日本大学への進学者は17名。日本大学の医学部、松戸歯学部、薬学部などを含む難関学部も進路目標に入っています。

「内部進学か外部受験か」という二択だけでコースが完全に分かれているわけではありません。

学力を伸ばした結果、国公立大学へ挑戦する生徒もいれば、日本大学の中でもより高い基準が必要な学部を目指す生徒もいます。

付属校の「安心」は、勉強しなくてよいことではない

日大豊山の進路には、日本大学という大きな選択肢があります。

これは中学受験の段階では確かに安心材料です。大学受験が近づいてから初めて進学先をゼロから探すのではなく、16学部を持つ日本大学を具体的な進路として考えられます。

ただし、その安心を「高校まで勉強しなくても大学へ行ける」と置き換えると、この学校の仕組みとは合いません。

中学では朝カツと授業を積み重ねる。中3で進学・特進を考える。高校では基礎学力到達度テストを受け、自分の成績から学部を選ぶ。興味が変われば他大学にも目を向ける。

日大豊山の付属校としての強みは、進路を早く一つに決めてしまえることではなく、6年間かけて選択肢を具体的にしていけることです。

男子だけの環境で部活動や学校生活に打ち込みながら、その途中で「自分は大学で何を学ぶのか」を考え始める。日大豊山の文武両道は、最後にはこの進路選択までつながっています。

学費や諸経費について|初年度約110万円、6年間の教育費を考える

日本大学豊山中学校の2027年度入学者について、学校が示している初年度の基本的な納入額を合計すると110万2,900円です。

内訳は、入学金23万円、授業料48万円、施設設備資金19万2,000円、実験実習料など2万500円、さらに生徒会費・後援会費・補助教材費を合わせた預り金等18万400円です。

ただし、この110万2,900円ですべての学校生活費が収まるわけではありません。学校は別途、夏期講習、修学旅行、スキー教室などの費用が必要になることを案内しています。

初年度の基本納入額は110万2,900円

項目金額
入学金230,000円
授業料480,000円
施設設備資金192,000円
その他20,500円
預り金等180,400円
初年度合計1,102,900円

「その他」の2万500円は、実験実習料6,000円、図書費2,500円、厚生費1万2,000円の合計です。

預り金等18万400円には、生徒会費1万2,000円、後援会費2万6,400円、補助教材費14万2,000円が含まれています。

なお、預り金等については第1学年の実績額をもとに示されており、入学年度によって変更される可能性があります。

授業料と施設設備資金は年3回に分けて納入

授業料48万円と施設設備資金19万2,000円は、一度に全額を支払うのではなく、4月・8月・12月の3期に分けて納入します。

納入時期授業料施設設備資金
4月200,000円80,000円
8月160,000円64,000円
12月120,000円48,000円
年間480,000円192,000円

一方、実験実習料、図書費、厚生費、生徒会費、後援会費、補助教材費は基本的に4月の納入です。

したがって、年間総額だけでなく、入学金を支払う時期と4月にまとまって必要になる費用を分けて準備しておくと、入学時の家計を組み立てやすくなります。

110万円の外にも、行事や講習の費用がある

初年度合計には、学校生活で発生するすべての費用が含まれているわけではありません。

学校は、夏期講習、修学旅行、スキー教室などについて別途費用が必要になるとしています。

§5で紹介したように、日大豊山では中2のスキー教室、中3の修学旅行があり、希望者にはニュージーランドでの海外研修も用意されています。海外研修は全員参加ではありませんが、参加する場合には当然ながら通常の学費とは別にまとまった費用が必要になります。

さらに、部活動に入れば、競技によってユニフォーム、用具、遠征、合宿などの費用も変わります。

水泳、サッカー、吹奏楽、模型では、必要になるものが同じではありません。日大豊山は部活動への参加を奨励している学校だからこそ、学費だけでなく「本人が何をする6年間なのか」まで含めて教育費を考える必要があります。

制服は高校進学時に買い直さなくてよい

中高6年間で見ると、制服には日大豊山ならではの仕組みがあります。

中学校から日大豊山高校へ進学する際には、中学校の制服を基本的にそのまま使用できます。袖についている白線を外し、ボタンを高校用へ交換することで対応するため、高校進学時に制服一式を新しく買い直す必要はありません。

成長によってサイズが合わなくなれば買い替えは必要ですが、「中学用と高校用を必ず一式ずつ購入する」という学校ではありません。

6年間同じ学校で過ごす中高一貫校らしい部分です。

学習端末や教材も、入学後の教育費として考える

日大豊山では、授業や課題提出、朝カツ、スタディサプリなどで学習端末を日常的に利用します。

§3・§4で見たように、ICTは一部の授業だけに使うものではなく、毎日の学習環境に組み込まれています。そのため、学校指定の端末や周辺機器についても、入学前に最新の案内を確認しておきたいところです。

また、補助教材費は初年度だけでも14万2,000円が計上されています。

私立中学校の費用を見るときには、授業料だけを比較すると学校生活に必要な金額が見えにくくなります。日大豊山では、授業料48万円に対して、施設・教材・学校活動にも相応の費用がかかる構成になっています。

東京都在住なら、2026年度は年12万円の授業料助成

東京都には、都内在住の家庭を対象とした私立中学校等授業料軽減助成金があります。

2026年度は所得制限がなく、条件を満たす家庭について生徒1人あたり年額12万円を上限として授業料の負担軽減を受けられます。

制度東京都私立中学校等授業料軽減助成金
2026年度助成額年額120,000円を上限
所得制限なし
主な条件生徒・保護者が東京都内に住所を有することなど

日大豊山の年間授業料は48万円なので、2026年度の制度を単純に当てはめれば、助成後の授業料負担は36万円相当になります。

ただし、この制度は授業料だけを対象とするもので、入学金、施設設備資金、教材費、行事費などが無料になるわけではありません。また、制度内容は年度ごとに確認する必要があります。

学内には特待生・育友奨学金制度もある

学校独自の奨学金制度も設けられています。

特待生奨学金は、学業成績が優秀な生徒に対して授業料1年分相当額を給付する制度です。

また、育友奨学金では、入学後に学業等で優秀な成績を収めた生徒や、家庭事情により授業料の納付が困難となった生徒を対象に奨学金を給付します。

入試時の成績だけですべてが決まる制度ではなく、入学後の取り組みも対象になります。

高校、そして日本大学まで進む可能性を考える

日大豊山中を検討する家庭にとって、教育費は中学校3年間だけで終わる話ではありません。

多くの生徒が日大豊山高校へ進み、§7で見たように2025年度卒業生の約7割が日本大学へ進学しています。

つまり、この学校を「日本大学の付属校」として選ぶなら、家庭では中学3年+高校3年+大学4年という時間軸も持っておきたいところです。

もちろん、中学生の時点で日本大学進学を決める必要はありません。高校で特進を選び、他大学へ進む可能性もあります。ただ、付属校という選択肢を生かして大学まで進むなら、その先の学部によって大学の学費も変わります。

「中学の初年度はいくらか」だけでなく、「この学校を選んだ先に、どんな進路と費用があり得るか」まで一度家族で確認しておくと、6年間の学校生活をより現実的に考えられます。

学費を見ると、11階建て校舎の日常までつながってくる

日大豊山の初年度納入額は約110万円です。

その数字の中には、授業だけではなく、11階の温水プール、アリーナ、理科実験室、図書館、自習室といった施設を使う学校生活が含まれています。補助教材やICTを使った学習もあります。

一方で、修学旅行やスキー教室、希望制の海外研修、部活動など、本人が経験することによって追加される費用もあります。

日大豊山では、教育費も「何に参加し、6年間をどう過ごすか」によって変わります。

入学前には110万円という初年度額を入口にしつつ、行事、部活動、高校進学、その先の大学までを少し長い目で見ておきたいところです。

入試情報と合格の目安|2027年度は4回入試、午前・午後をどう使うか

日本大学豊山中学校の2027年度入試は、2月1日・2日・3日に計4回実施されます。

第1回と第3回は国語・算数・社会・理科の4科入試、第2回と第4回は国語・算数の2科入試。特に注意したいのは日程で、2月1日は午前のみ、2月2日は午後のみ、2月3日は午前と午後の2回です。

募集人数は合計222名ですが、第1回90名に対し、第4回は30名まで減ります。日大豊山への志望度が高い家庭ほど、「後半の回で合格すればよい」と考えるのではなく、募集枠の大きい第1回からどう受験するかが重要になります。

2027年度は4科・2科を交互に実施

入試試験日募集人数科目満点
第1回2月1日(月)午前90名国語・算数・社会・理科300点
第2回2月2日(火)午後50名国語・算数200点
第3回2月3日(水)午前52名国語・算数・社会・理科300点
第4回2月3日(水)午後30名国語・算数200点

4科入試では国語・算数が各100点、社会・理科は2教科を合わせて100点。2科入試は国語・算数各100点です。

つまり4科入試でも、国語・算数だけで200点、社会・理科で100点という配点になります。4科を均等に仕上げるというより、まず国語・算数で崩れないことが得点の骨格になります。

第1回・第3回は午前、第2回・第4回は午後

試験時間も午前と午後では異なります。

第1回・第3回第2回・第4回
着席完了8:3014:50
国語8:50〜9:4015:00〜15:50
算数10:00〜10:5016:10〜17:00
社会・理科11:10〜12:10実施なし

国語・算数はいずれも50分。4科入試では最後に社会・理科を合わせて60分で解きます。

午後入試では17時まで試験が続くため、午前に別の学校を受験してから日大豊山へ向かう場合は、移動と昼食まで含めた計画が必要です。

一方、護国寺駅1番出口から学校まではすぐなので、午後入試では駅から校舎までの移動が短いことが助けになります。

2月3日は午前・午後の連続受験もできる

日大豊山の2027年度入試で特徴的なのが、2月3日に第3回と第4回を続けて実施することです。

午前の第3回は12時10分に終了し、午後の第4回は14時50分着席。両方に出願していれば、同じ学校で一日2回受験することができます。

学校では2月2日・3日に、12時30分から14時まで昼食を取れる教室も開放します。

移動せずに午後まで過ごせるのは実務上の利点ですが、午前に4科を受験したあと、午後にもう一度国語・算数を解くことになります。

受験できることと、最後まで集中力を維持できることは別です。2月3日の連続受験を予定するなら、過去問だけでなく、一日を通した体力も考えておきたいところです。

直近2026年度は1,414名が受験

直近の2026年度入試では、4回合計で2,099件の志願があり、延べ1,414名が受験しました。合格者は420名です。

入試募集人数受験者数合格者数実質倍率
第1回90名318名117名2.7倍
第2回50名453名129名3.5倍
第3回52名271名78名3.5倍
第4回30名372名96名3.9倍

第1回でも2.7倍あり、第2回以降はいずれも3倍を超えました。

特に第2回は午後2科入試という組みやすさから453名が受験しています。第4回も募集30名に対して372名が受験し、4回の中で最も高い3.9倍でした。

後半になるほど募集人数が減る一方、他校の午前入試と組み合わせる受験生や、日大豊山を再受験する受験生が集まります。

2026年度の合格最低点は6〜7割

2026年度の合格最低点を見ると、4科入試は6割台、2科入試は7割近くまで必要になりました。

入試合格最低点得点率
第1回180点/300点60.0%
第2回137点/200点68.5%
第3回198点/300点66.0%
第4回138点/200点69.0%

第1回と第3回は同じ4科300点満点ですが、最低点には18点の差がありました。2科の第2回・第4回は、ともに約7割です。

もちろん、合格最低点は問題の難度によって毎年動きます。「第1回なら6割でよい」と決めてしまうのは危険です。

過去問では最低点ぎりぎりを目標にせず、直近の合格最低点を安定して上回れるかを見ておきたいところです。

第2回は偏差値でも難度が上がる

四谷大塚の2027年入試向けAライン80偏差値は、入試回によってかなり差があります。

入試Aライン80偏差値Cライン50偏差値
第1回4541
第2回5449
第3回4843
第4回4944

最も数字が高いのは2月2日午後の第2回です。

これは「2科だから簡単」ということではありません。午後入試は、午前に別の学校を受けた受験生も組み込みやすく、受験者層が変わります。

日大豊山を第一志望に近い位置で考えているなら、第2回だけを見て「偏差値54の学校」と捉える必要もありません。逆に、第1回の45だけを見て、すべての回が同じ難度だと考えるのも違います。

日大豊山は「いつ受けるか」によって、合格の目安がかなり変わる学校です。

複数回受験には合格判定上の考慮がある

日大豊山への志望度が高い受験生にとって重要なのが、複数回受験の扱いです。

2027年度募集要項では、1月31日12時までに複数回へ出願し、実際に受験した場合、合格判定の際に考慮すると明記されています。

ただし、「何点加点される」といった具体的な方法は公表されていません。

したがって、複数回出願をすれば自動的に有利になると単純化するより、日大豊山への志望度を学校側が判定時に考慮する制度がある、と理解しておくのが適切です。

なお、いずれかの回で合格すると、それ以降の回は受験できません。

複数回を早めに出願すると検定料も下がる

入学検定料は通常、1回につき2万5,000円です。

ただし、1月31日12時までに複数回の受験を申し込んだ場合、2回目以降は1回につき1万5,000円になります。

出願検定料
1回目25,000円
2回目以降
(1月31日12時までに複数回申込)
各15,000円
1月31日12時以降の追加出願各25,000円

たとえば4回すべてを期限までに出願すれば、検定料は7万円です。

一方、前の試験結果を見てから後の回を追加することもできますが、その場合は1回2万5,000円となります。

「結果を見てから追加する柔軟さを取るか」「あらかじめ複数回出願して判定上の考慮と検定料の軽減を受けるか」は、日大豊山の志望順位によって考えたいところです。

小学校から用意する調査書はない

出願はWebで行い、顔写真をアップロードし、入試アンケートを入力します。

小学校に調査書や推薦書などを用意してもらう必要はありません。

入試本番は学科試験によって行われます。受験票、学校提出用受験票、筆記用具、上履きを持参します。

中学受験では小学校の成績や欠席日数をどのように扱うか気になる家庭もありますが、少なくとも2027年度募集要項では、小学校側に作成を求める出願書類はありません。

第1回の合格発表は当日19時

合格発表はWebで行われます。

入試Web合格発表予定
第1回2月1日 19:00
第2回2月2日 22:00
第3回2月3日 22:00
第4回2月3日 22:00

第1回の結果は2月1日の夜に分かります。

第1回で合格すれば、それ以降の日大豊山入試を受ける必要はありません。逆に結果によって2日、3日の受験計画を動かすこともできます。

2月の中学受験は数日間で状況が大きく変わります。日程を組む段階から、「合格した場合」「不合格だった場合」の両方を考えておくと慌てにくくなります。

第一志望なら「第1回を取りにいく」準備を

4回受験機会があることは、日大豊山の受験生にとって安心材料です。

しかし、第4回まであることと、第4回まで待っても同じ条件で受けられることは同じではありません。

第1回は募集90名で、直近2026年度の倍率は2.7倍。第4回は募集30名で、倍率は3.9倍でした。四谷大塚の偏差値も後半回の方が高くなっています。

日大豊山への志望度が高いなら、まず2月1日午前の第1回で合格できる力をつくることを基本にしたいところです。

過去問では合格最低点だけを見るのではなく、国語・算数のどちらかが崩れたときにも社会・理科で補えるか、逆に2科入試では国語・算数だけで7割前後を安定して取れるかを確認します。

そして複数回受験を予定するなら、1月31日までの出願制度も利用する。

4回あるから安心するのではなく、4回をどう使うかまで決めておく。

日大豊山の入試では、その受験計画まで含めて準備しておくことが合格へ近づく一歩になります。

併願校パターン|男子校・日大付属・都心アクセスから組み立てる

日本大学豊山中学校の併願を考えるときは、偏差値だけで学校を上下に並べるより、「男子校」「大学付属」「部活動」「通学のしやすさ」のうち、何を残したいかを先に決めた方が組みやすくなります。

日大豊山には、日本大学への内部進学という進路があり、700人を超える男子が集まり、部活動への参加も活発です。しかも護国寺駅のすぐ目の前。この四つをすべて同じ程度に備えた学校は多くありません。

そのため併願校では、「男子校らしさを残す」「大学付属を優先する」「大学受験型の男子校へ広げる」と、どこか一つの条件を動かすことになります。

「チャレンジ・実力相応・安全」は学校ではなく、受験生に付く

最初に確認しておきたいのが、併願校の位置づけです。

たとえば四谷大塚の2027年入試向けAライン80偏差値を見ると、日大豊山は第1回45、第2回54、第3回48、第4回49。同じ学校でも、受験する回によって難度がかなり変わります。

学校・入試Aライン80偏差値の目安
日本大学豊山 第1回45
日本大学豊山 第2回54
日本大学豊山 第3回48
日本大学豊山 第4回49
獨協 第1回49
獨協 第2回午後57
明治大学付属中野59
足立学園 一般入試41〜42前後
足立学園 特別奨学生入試47〜49前後
城北埼玉 第1回40
城北埼玉 特待入試49

この数字だけを見て、「足立学園=安全校」「明大中野=チャレンジ校」と固定するのは適切ではありません。

安全校とは、本人にとって安全な学校です。普段受けている模試で80%ラインを安定して上回り、過去問でも合格最低点を余裕をもって超えられる学校を安全校として考えます。

逆に偏差値表では近くても、過去問との相性が悪ければ実際の合格可能性は下がります。秋以降は模試の数字と過去問の両方を使って位置づけを調整します。

明治大学付属中野|「男子校+大学付属」で一段上を狙う

日大豊山と学校選びの条件がよく重なるのが、明治大学付属中野中学校です。

明大中野も男子校であり、大学付属校です。高校でも部活動が盛んで、大人数の男子集団の中で学校生活を送るという点にも共通項があります。

一方、入試難度は日大豊山より高く、2027年入試向けの四谷大塚Aライン80偏差値は第1回・第2回とも59。日大豊山を実力相応校とする受験生にとって、明大中野はチャレンジ候補になりやすい学校です。

2027年度は2月2日と2月4日の2回、いずれも午前の4科入試です。

ここで日大豊山との日程が面白く組み合わさります。

日程午前午後
2月2日明治大学付属中野 第1回日本大学豊山 第2回

明大中野は12時25分頃まで、日大豊山第2回は14時50分着席です。東中野から護国寺への移動と昼食を含める必要がありますが、日程上は「明大中野へ挑戦し、午後に日大豊山」という組み方ができます。

また、明大中野は2027年度も2回とも受験した場合、第2回の4科合計点に3点を加える優遇があります。明治大学への進学を強く希望するなら、2月4日の第2回まで含めた受験計画も考えられます。

獨協中学校|護国寺周辺の男子校として比較しやすい

立地まで含めて比較しやすいのが獨協中学校です。

同じ文京区にある男子校で、護国寺駅・江戸川橋駅方面から通学できます。郊外へ通うのではなく、都心の男子校で6年間を過ごしたい家庭には比較しやすい組み合わせです。

2027年度は、2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午前の4回入試です。

入試日程募集人数
第1回2月1日午前約80名
第2回2月1日午後約20名
第3回2月2日午前約70名
第4回2月4日午前約30名

日大豊山第1回は2月1日12時10分に試験が終了し、獨協の午後入試は集合時刻を14時45分または15時45分から選べます。

両校は距離も近いため、2月1日午前に日大豊山、午後に獨協という日程は現実的な選択肢です。

ただし、獨協の午後入試は難度も上がります。四谷大塚Aライン80偏差値では第1回49に対し、2月1日午後は57です。「午後だから押さえに使える」とは考えない方がよいでしょう。

また、獨協は日本大学の付属校ではありません。男子校であることや都心アクセスは似ていますが、大学進学は基本的に外部大学受験を前提として考える学校です。

足立学園|男子校を残しながら受験日程に余裕をつくる

日大豊山より少し難度を下げた学校も受験計画に入れたい場合、足立学園中学校は候補になります。

北千住駅東口から徒歩1分の男子校で、日大豊山と同じく「駅から学校までが短い」という特徴があります。

2027年度の一般入試は2月1日から4日まで午前に設定され、2科・4科から選択できます。別に特別奨学生入試もあり、こちらは午後を中心に実施されます。

四谷大塚Aライン80偏差値は一般入試で41〜42前後。特別奨学生入試では47〜49前後です。

そのため、同じ足立学園でもどの入試を利用するかで役割が変わります。

たとえば2月2日は、次のような組み方ができます。

午前午後
足立学園 一般入試第2回日本大学豊山 第2回

日大豊山第2回は四谷大塚Aライン80偏差値54と4回の中で最も高い入試です。その前に難度を抑えた学校を受験しておくという組み方には意味があります。

ただし、足立学園を安全校として扱えるかは本人次第です。模試で80%ラインを超えていても、過去問で得点が安定していなければ「押さえた」とは考えません。

城北埼玉|1月のうちに「合格」を取る選択肢

東京入試が始まる前に一度本番を経験したい家庭には、埼玉県の男子校も候補になります。

城北埼玉中学校の2027年度入試は、1月10日の第1回・特待入試を皮切りに、1月11日、12日、18日、2月4日まで設定されています。

1月10日は午前に第1回4科入試、午後には算数・理科による特待入試があります。第1回の四谷大塚Aライン80偏差値は40、特待入試は49です。

日大豊山を第一志望としているなら、城北埼玉の役割は2月の併願校というより、1月中に実際の中学入試を経験し、可能なら進学してもよい学校の合格を一つ持って2月を迎えることにあります。

本番会場の緊張感、休み時間の使い方、4科を最後まで解く体力などは、模試だけでは完全には再現できません。

ただし、「練習受験だから、合格しても絶対に通わない」という学校を選ぶのは勧められません。埼玉方面まで実際に通学できる家庭か、万一東京の学校がすべて不合格だった場合に進学を検討できるかまで考えて選びます。

日本大学への内部進学を最優先するなら、共学校まで広げる

「男子校であること」より、「日本大学への内部進学」を優先する家庭なら、併願の範囲はさらに広がります。

東京都内には日本大学第一中学校、日本大学第二中学校などの日本大学付属校があります。どちらも現在は共学校なので、日大豊山の男子校環境とは異なります。

四谷大塚の2027年入試向けAライン80偏差値では、日本大学第一が入試回によって41〜46、日本大学第二が43〜46です。

日大豊山第1回の45と近い入試もあるため、「男子校でなくても、日本大学への進路を残したい」という家庭なら比較する意味があります。

逆に、本人が「男子校へ行きたい」という気持ちを強く持っているなら、偏差値が近いという理由だけで共学校を併願する必要はありません。

日大豊山第一志望なら、2月1日の第1回を軸にする

日大豊山への志望度が高い場合、受験計画の中心はやはり2月1日の第1回です。

2027年度の募集人数は、第1回90名、第2回50名、第3回52名、第4回30名。直近2026年度の実質倍率も、第1回2.7倍に対し、第2回・第3回3.5倍、第4回3.9倍でした。

さらに§9で見たように、1月31日12時までに複数回へ出願し実際に受験した場合には、日大豊山側でも合格判定上の考慮があります。

第一志望なら「後半に何度も受ければどこかで受かる」と考えるより、募集枠が最も大きい第1回で合格できる準備をして、そのうえで第2〜4回を保険として残す方が受験計画を組みやすくなります。

日大豊山第一志望の受験例

一例として、日大豊山を第一志望に置き、男子校を中心に組むなら次のような日程が考えられます。

日程午前午後
1月10日城北埼玉 第1回必要に応じて城北埼玉 特待入試
2月1日日本大学豊山 第1回獨協 第2回など
2月2日足立学園 第2回など日本大学豊山 第2回
2月3日日本大学豊山 第3回日本大学豊山 第4回
2月4日獨協 第4回/明治大学付属中野 第2回など

もちろん、これをすべて受験する必要はありません。

2月1日の日大豊山で合格すれば、その時点で後の日程を減らせます。逆に明大中野などを第一志望にするなら、2月2日・4日の明大中野を中心にして、日大豊山の午後入試や第3・4回を組み込む形へ変わります。

受験回数を増やせば合格の可能性が単純に上がるわけでもありません。午前・午後入試を連続すると、小学生の集中力と体力は確実に消耗します。

最後は「合格したら本当に通うか」で決める

日大豊山は4回入試があり、周辺の男子校にも複数回入試が多いため、受験日程だけならかなり細かく組めます。

しかし、併願校はパズルの空いている場所へ入れる学校ではありません。

併願校は、不合格だったときに行く学校ではありません。合格したら、本当に6年間通うかもしれない学校です。

日大豊山を気に入った理由が、男子だけのにぎやかな環境なのか、日本大学への内部進学なのか、水泳をはじめとする部活動なのか、護国寺駅からすぐという通いやすさなのか。

その理由を一つずつ分解すると、併願校にも「ここなら通いたい」と思える共通点を見つけやすくなります。

偏差値表では最後に決めきれません。秋以降は、模試の80%ライン、過去問の得点、実際に6年間通いたいかの三つを重ねて受験校を決めていきたいところです。

在校生・保護者の声|男子校の熱気と、先生との距離が見える日常

日本大学豊山中学校の在校生や保護者の声を追っていくと、よく出てくるのが「友達ができやすい」「部活動が楽しい」「先生に相談しやすい」という話です。

一方で、700人を超える男子が集まる学校ですから、静かで落ち着いた校内を想像すると印象が違うかもしれません。休み時間のにぎやかさや生活指導については、受け止め方が分かれる部分もあります。

日大豊山の評判を見るときは、「男子校だから楽しそう」という一言でまとめるより、どんな子が、そのにぎやかさを居心地よく感じるのかまで考えてみると学校の輪郭が見えてきます。

「入学してすぐクラスで話せた」という男子校の空気

現在公開されている中学生の座談会では、男子校について「周囲へ話しかけやすい」「自分の意見を出しやすくなった」と話す生徒がいます。

小学生の頃は消極的だったものの、日大豊山では発言を受け入れてもらえるため、自分の考えを言えるようになったという生徒もいます。

男子校だから全員が社交的になるわけではありません。ただ、女子からどう見られるかを気にする場面が減り、趣味の話や少しくだらない話でも男子同士で盛り上がれる。そうした気楽さを日大豊山らしさとして挙げる生徒は少なくありません。

「男子しかいないから窮屈」ではなく、「男子しかいないから自分を出しやすい」。

この感覚が本人に合うかどうかは、日大豊山を選ぶうえでかなり大きなポイントになりそうです。

700人規模だから、同じ趣味の友人を見つけやすい

中学校には703名が在籍し、一学年は230名前後です。

在校生からは、友人と共通の趣味について話す時間が楽しいという声もあります。§6で見たように、部活動も水泳や野球だけではなく、鉄道、模型、電子計算機、理科、放送など21部あります。

人数が多いことは、全員と親しくなるという意味ではありません。

むしろ、これだけ人数がいるからこそ、自分と似た興味を持つ相手を見つけやすいと考える方が日大豊山には合っています。

クラスに気の合う友人がいて、部活動には別の仲間がいる。中高合同の部なら高校生との関係も生まれる。一つの人間関係だけで6年間が決まらないことは、大規模男子校の利点の一つです。

保護者からも「入学して人との関わりが増えた」という声

保護者が子どもの変化として挙げているのも、友人や先輩との関わりです。

小学校では一人で過ごすことが多かった子が、中学で部活動に入り、友人との会話が増えたという例があります。別の家庭では、自分のことで精いっぱいだった子が、中3になる頃には友人や家族へ気を配るようになったと振り返っています。

これは「豊山へ入れば誰でもそう成長する」という話ではありません。

ただ、40人前後のクラス、部活動、先輩・後輩、体育大会や豊山祭と、人と関わらなければ成立しない場面が多い学校であることは確かです。

男子同士でぶつかったり、助けてもらったりする経験も含めて、人との距離の取り方を覚えていく6年間になりそうです。

「先生へ質問しやすい」という声は繰り返し出てくる

先生との関係については、在校生から「授業中や休み時間に質問しやすい」という声があります。

保護者からも、担任との距離の近さや、苦手分野に対する補習を評価する声が見られます。

施設面でも、§4で紹介した個別ブース型自習室は教員室の近くにあり、教員室前にも質問できるスペースがあります。

つまり、「先生との距離が近い」という評判は雰囲気だけではなく、質問や補習へつながる校内の仕組みとも一致しています。

一方、外部の口コミには、先生との相性によって受け止め方が違うという意見もあります。700人を超える中学生と高校生がいる学校ですから、すべての生徒がすべての先生と同じ関係を築くわけではありません。

困ったときに自分から先生へ話しかけられるか。日大豊山では、この一歩が学習面でも学校生活でも大切になりそうです。

学習面は「付属だからのんびり」だけではない

日本大学への内部進学があるため、大学受験一辺倒の学校生活ではありません。

しかし、保護者の声では、テスト後に苦手分野が明確になることや、成績が十分でない場合の補習を評価する意見があります。

現在は朝10分の「朝カツ」、年5回の定期テスト、錬成テスト・実力テスト、数学の習熟度別授業、補習などが組まれています。

保護者座談会には、友人同士で課題の提出を意識したり、試験前に教え合ったりする様子についての話もあります。

日大豊山では、競争を前面に出した進学校型の学習環境とは少し違い、友人や先生に囲まれながら「やるべきことを続ける」ことを求められる学校と考えた方が近そうです。

部活動が、学校生活の人間関係を広げている

保護者の声を見ても、部活動を入学理由や入学後の成長と結びつけて話す家庭が目立ちます。

水泳を続けるために日大豊山を選んだ生徒もいれば、入学してから文化部へ入り学校生活を楽しんでいる生徒もいます。

特に印象的なのは、「運動が得意でなければ豊山には合わないのでは」と心配していたものの、文化部にも多くの選択肢があり、実際には楽しく通っているという保護者の声です。

全国大会を目指す水泳部の存在感は大きいものの、日大豊山の男子全員が体育会系というわけではありません。

鉄道が好きでもいい。放送でも、模型でも、理科でもいい。

「何が得意か」より、「何か好きなものを持っている」子の方が、豊山の部活動文化には入りやすいのかもしれません。

アクセスと校舎への満足感は高い

施設・アクセスについては、在校生・保護者ともに肯定的な声が多く見られます。

護国寺駅から学校までほとんど歩かなくてよいこと、校舎が比較的新しいこと、11階の温水プールやアリーナ、売店などがあることは、生徒にも分かりやすい学校の特徴です。

特に通学は、毎日のことです。

学校には東京都内だけでなく、埼玉・千葉・神奈川から通う生徒もおり、学校が公表する平均通学時間は約1時間です。それでも護国寺駅を降りてから校舎までの移動がほぼないため、遠距離通学を成立させている家庭もあります。

ただし、自宅から護国寺まで1時間近くかかるのであれば、「駅から15秒」だけを見て通学が楽だと決めることはできません。部活動後の帰宅まで含めて確認しておきたいところです。

にぎやかさは、長所にも短所にもなる

日大豊山の学校生活について、在校生側からは「みんなで盛り上がれる」「毎日楽しい」といった声があります。

一方、外部の口コミには、休み時間の騒がしさを気にする意見もあります。

これは、どちらか一方が間違っているというより、同じ学校の空気を別の角度から見たものでもあります。

40人前後の男子だけのクラスが6クラスあり、それが3学年。さらに同じ建物には高校生もいます。休み時間まで静かな学校ではありません。

多少にぎやかな方が楽しいと感じる子には居心地がよく、静かな環境を強く好む子には疲れる可能性がある。

これは偏差値表や進学実績では分からない、日大豊山との相性の一つです。

生活指導は、自由放任ではない

男子だけでのびのび過ごせることと、学校生活のルールが緩いことは同じではありません。

現在も学校では、定期的に頭髪・服装指導を行っています。制服をフォーマルな服装と考え、着こなしや身だしなみに加え、挨拶、友人とのコミュニケーション、校内外でのマナーも指導対象としています。

スマートフォンは持ち込み可能ですが、校内での使用には制限があります。

こうした生活指導については、保護者側から「学校が見てくれるので安心」という声がある一方、外部口コミには校則を厳しいと感じる意見もあります。

ここは家庭によって評価が分かれやすいところです。

中学生の服装やスマートフォンまで本人の判断に広く任せたい家庭と、一定の線を学校に引いてほしい家庭では、同じルールでも受け止め方が変わります。

「男子校」という言葉より、休み時間を見てみたい

日大豊山については、「男子校は楽しそう」「男子校は合わなさそう」と、見学する前からイメージを持っている家庭もあるでしょう。

しかし、男子校にも学校ごとの空気があります。

日大豊山は703名の中学生がいる比較的大きな学校です。部活動も盛んで、校舎には高校生もいます。少人数で静かに過ごす男子校とは違います。

学校見学の際には、11階のプールを見るだけでなく、生徒同士がどんな距離で話しているのか、先生へどんな口調で声をかけているのか、休み時間や放課後の空気も見ておきたいところです。

そして、できれば本人に聞いてみる。

「この中に入ったら、自分も楽しめそう?」

日大豊山の評判を読むうえで最後に大切なのは、口コミの星の数ではありません。

男子だけのにぎやかな集団、一定の生活規律、部活動、先生との近さ。その全部が合わさった日常を、本人が「ここなら6年間やっていけそう」と感じるかどうかです。

この学校に向いている子の特徴|大きな男子集団の中で「好き」に打ち込みたい子へ

日本大学豊山中学校に向いている子を、「元気でスポーツが得意な男子」とだけ考えると、この学校をかなり狭く見てしまいます。

確かに水泳をはじめ運動部の存在感は大きく、700人を超える男子が集まる校内はにぎやかです。しかし、部活動には鉄道、模型、放送、理科、電子計算機などもあり、在校生の中には自分を引っ込み思案だったと振り返る生徒もいます。

日大豊山との相性を分けるのは、運動能力よりも、大きな男子集団の中で自分なりの「好きなこと」を見つけ、そこへ時間を使いたいと思えるかです。

男子だけの環境を「気楽」と感じられる子

日大豊山は、日本大学の付属校で唯一の男子校です。

学校の生徒座談会では、男子だけなので話しかけやすい、変に気を遣わなくてよい、自分の意見を出せるようになった、といった声があります。

男子校というと、活発で声の大きな子ばかりが集まるイメージを持つかもしれません。しかし、実際にはさまざまな性格の男子がいます。

大切なのは、「女子がいない環境でも平気か」という消極的な問いより、男子だけの中で趣味の話をしたり、ふざけたり、競ったりする日常を楽しめそうかです。

小学校では周囲の目を気にして自分を出しにくかった子が、中学では少し肩の力を抜いて過ごせる可能性もあります。

少人数校より、友人の選択肢が多い学校を好む子

2026年4月現在、中学校には703名が在籍し、一学年は230名前後。各学年6クラスです。

全員の顔と名前がすぐ一致するような小規模校ではありません。

その代わり、クラス替えがあり、部活動へ入れば別のクラスや学年の生徒と知り合い、中高合同の部では高校生とも関わります。

「少人数の決まった仲間と6年間過ごしたい」という子より、たくさんの人の中から、自分と気の合う友人を見つけたい子の方が、この規模を生かしやすいでしょう。

友人関係を一つの集団だけに固定したくない子にも合いやすい学校です。

スポーツでも鉄道でも、「好きなもの」がある子

日大豊山では部活動への参加が推奨され、体育部10、学芸部11の全21部があります。

水泳やサッカー、野球に本気で取り組みたい子はもちろんですが、吹奏楽、放送、鉄道、模型、電子計算機、理科などに興味がある子にも活動場所があります。

特に男子校では、同じ趣味を持つ仲間が集まったときの熱量が学校生活の面白さにつながります。

「これについてなら何時間でも話せる」というものが一つある子は、日大豊山で居場所を見つけやすいでしょう。

まだ何も決まっていなくても構いません。21部を見て「ちょっとやってみたい」と思えるものがあるなら、6年間の入口になります。

運動が得意でなくても、この学校は候補になる

水泳部の実績や「文武両道」という言葉が目立つため、運動が苦手な子の家庭では「豊山は体育会系すぎるのでは」と感じることもあるでしょう。

しかし、在校生や保護者の声を見ると、文化部で学校生活を楽しんでいる生徒もいます。

図書館、自習室、理科系の部活動、放送や模型など、運動以外の居場所もあります。

日大豊山に向いているかどうかを、50m走や球技の得意不得意だけで判断する必要はありません。

運動が得意かより、大人数の男子校の雰囲気を楽しめるか。こちらの方が相性を見るうえでは重要です。

部活動をしながら、勉強も止めたくない子

日大豊山では、部活動と学習のどちらか一方だけを学校生活の中心に置いているわけではありません。

朝には「朝カツ」があり、数学では習熟度別授業、定期テスト後には補習があります。中3からは進学・特進に分かれ、高校では日本大学への内部進学だけでなく他大学受験も選べます。

そのため、部活動に打ち込むとしても、日々の勉強を完全に止めてしまうわけにはいきません。

放課後は部活、帰宅後は短時間でも課題を進める。試験前には自習室を使う。成績が落ちれば補習を受ける。

「勉強か部活か」ではなく、「どちらも自分の生活の中に入れたい」子にとって、日大豊山の文武両道は現実味があります。

先生に管理されるだけでなく、自分から動けるようになりたい子

学習サポートはありますが、700人を超える中学生を先生が常に一対一で管理する学校ではありません。

自習室は教員室の近くにあり、質問しやすい環境があります。補習やスタディサプリも用意されています。

それでも、分からない問題を持って先生のところへ行くのは本人です。

中1の段階から積極的にできなくても構いません。6年間を通じて、「困ったら誰かに聞く」「必要な勉強を自分で始める」ことを覚えていきたい子には、この学校の仕組みを使う意味があります。

日本大学への道を持ちながら、12歳で進路を決め切りたくない子

2025年度卒業生の69.6%が日本大学へ進学しています。

日本大学には多くの学部があり、日大豊山では中3の学部見学や高校での高大連携を通じて、それぞれの学問を知る機会があります。

一方、中3から特進という選択肢があり、高校では国公立大学や難関私立大学を目指すこともできます。

したがって、日大豊山は「絶対に日本大学へ進む」と12歳で決めている子だけの学校ではありません。

日本大学という具体的な進路を持っておきたい。でも、6年間で興味や学力が変わったら別の道も考えたい。

そんな家庭には、付属校としての安心と進路変更の余地を両方持てます。

ある程度のルールがある方が過ごしやすい子

日大豊山の「大らかに」は、自由放任を意味するものではありません。

学校では頭髪・服装について定期的に指導し、挨拶や校内外でのマナーも重視しています。スマートフォンの持ち込みは認められていますが、校内での使用には制限があります。

こうした学校生活を「細かい」と感じる子もいれば、「中学生のうちはこのくらい決まっていた方が楽」と感じる子もいるでしょう。

服装やスマートフォンを含め、本人の判断に広く任せる自由な校風を第一に求める場合は、日大豊山との相性をよく確認した方がよさそうです。

反対に、一定のルールの中で思い切り活動したい子には過ごしやすい環境になり得ます。

電車通学の時間も、自分で管理できるようになりたい子

護国寺駅から学校までは徒歩15秒ほどですが、生徒の平均通学時間は約1時間です。都内だけでなく、埼玉・千葉・神奈川の広い地域から通っています。

そのため、自宅が遠い家庭では「駅前だから楽」というだけでは決められません。

朝何時に家を出るのか。部活動を終えて何時に帰宅するのか。そこから夕食、宿題、睡眠をどう確保するのか。

中1では保護者が手伝うとしても、少しずつ本人が一日の時間を管理する必要が出てきます。

遠くても通いたい理由が本人にあるかは、学校選びの最後に確認しておきたい点です。

静かな学校より、「人がいる学校」を面白いと思える子

日大豊山の校舎には中学生だけで703名がいて、さらに高校生もいます。

授業間の休み時間、昼休み、部活動前の校内がいつも静かという学校ではありません。

このにぎやかさを「落ち着かない」と感じる子もいるでしょう。

一方で、廊下を歩けば誰かに会い、部活動へ行けば先輩がいて、豊山祭では校舎全体に人があふれる。その密度を学校生活の楽しさと感じる子もいます。

少人数で静かな環境を強く求めるなら、ほかの男子校と比較しておきたいところです。

人の多さを疲れではなく、出会いの多さとして受け取れそうか。ここは日大豊山との相性が表れやすい部分です。

6年間で「自分の好きなもの」を一つ深くしたい子へ

中学入学時に、将来の仕事や大学の学部まで決まっている必要はありません。

部活動も、最初から全国大会を目指している必要はありません。勉強も、入学時から特進を狙っている必要はありません。

中1で友人をつくり、部活動へ入る。朝カツや授業を続ける。中3で進学か特進かを考える。高校では部活動を続けるか、大学で何を学びたいかを考える。

その間に、好きだったものが変わっても構いません。

日大豊山が似合うのは、完成された「豊山男児」ではなく、大勢の男子と過ごす6年間の中で、自分が何に夢中になれるのかを探していきたい子です。

学校見学やクラブフェアでは、本人に一つだけ聞いてみるとよいかもしれません。

「ここに入ったら、何をやってみたい?」

水泳でも、鉄道でも、勉強でもいい。すぐに何か一つ思い浮かぶなら、日大豊山の6年間はその続きを試せる場所になりそうです。

まとめ|日大豊山の「男子校らしさ」は、6年間をどう変えるのか

日本大学豊山中学校を見ていると、「男子校」という言葉の意味が少し変わってきます。

女子がいないこと。それ自体は学校区分の説明にすぎません。

日大豊山で実際に起きているのは、700人を超える男子が同じ校舎に集まり、朝から授業を受け、部活動へ行き、友人と騒ぎ、ときには競いながら、それぞれの好きなものを見つけていく日常です。

男子校であることが特徴なのではなく、その環境を6年間どう使うか。

日大豊山を見るなら、最後はそこまで考えたい学校です。

護国寺の校舎には、かなり濃い一日が詰まっている

朝8時10分の「朝カツ」から始まり、授業があり、昼休みがあり、放課後には21の部活動があります。

11階へ行けば水泳部が泳ぎ、アリーナでは運動部が活動する。教員室の近くでは自習する生徒がいて、文化部では鉄道や模型、放送、理科と、それぞれ違うものに熱中しています。

校舎を出れば、護国寺駅はすぐそこです。

大きな校地を歩き回る学校ではありません。その代わり、一つの都市型校舎の中に、男子たちの学校生活がかなり高い密度で収まっています。

人と関わる機会も多ければ、自分の居場所を探す機会も多い。日大豊山らしさは、この密度の中にあります。

「好きなこと」を持っている男子には、使い道が多い

水泳を本気で続けたい。野球をしたい。吹奏楽に入りたい。鉄道について話せる仲間がほしい。模型をつくりたい。

何に夢中になるかは、生徒によって違います。

日大豊山は、その違いを一つにそろえる学校ではありません。

「強く 正しく 大らかに」という校訓のうち、最後に「大らかに」が置かれていることも、この学校を考える手がかりになります。

元気な子だけが豊山らしいわけではない。スポーツが得意でなければならないわけでもない。

何か一つ、自分が時間を忘れて取り組めるものを見つける。

男子だけの大きな集団だからこそ、その「好き」を遠慮せず出せることがあります。

日本大学の付属校だから、進路を急いで決めなくてよい

日大豊山には、日本大学への内部進学という明確な道があります。

2025年度も卒業生の約7割が日本大学へ進みました。一方で、中3から特進という選択肢があり、高校では国公立大学や難関私立大学を目指す生徒もいます。

これは12歳にとって大きな意味があります。

中学受験の時点で、「大学ではこれを学びたい」と決めている子は多くありません。

最初は部活動に夢中でもいい。中2になって得意教科が見えてくるかもしれない。中3で特進を選ぶかもしれない。高校で日本大学の学部を知り、進みたい分野が初めて具体的になることもあります。

日大豊山では、大学付属という進路を持ちながら、本人が変わっていく時間も残されています。

文武両道は、派手な実績より毎日の習慣に表れる

水泳部の全国的な実績を見ると、「文武両道」という言葉も華やかに見えます。

しかし、多くの中学生にとって文武両道はもっと普通の毎日です。

朝カツをする。授業を受ける。放課後に部活動へ行く。帰宅して課題を進める。試験前には勉強量を増やす。分からなければ先生へ質問する。

そうしたことを一週間、半年、一年と繰り返していきます。

全国大会へ出ることだけが「文」や「武」ではありません。

好きなことを続けながら、やらなければならないことも投げ出さない。

日大豊山が6年間かけて身につけさせようとしているのは、むしろその姿勢なのでしょう。

にぎやかな男子校が、すべての子に合うわけではない

もちろん、この学校の特徴は、そのまま相性の分かれる部分にもなります。

一学年230名前後、40人ほどの男子だけのクラス。中学校だけで703名がいて、さらに高校生も同じ校舎で過ごします。

静かで小さな学校を好む子には、人の多さが負担になることもあるでしょう。服装やスマートフォンなどに一定のルールがあるため、自由度の高い校風を求める家庭とは考え方が違う場合もあります。

逆に、人が多い方が友人を見つけやすい子、学校に活気がある方が楽しい子、ある程度のルールがあった方が過ごしやすい子には、その同じ環境が居心地のよさになります。

日大豊山の場合、学校の長所と注意点は別々に存在するのではなく、ほとんど同じ特徴の表と裏です。

最後に見るべきなのは、「この中に入りたいか」

偏差値や進学実績は比較できます。学費も数字にできます。護国寺駅からの距離も測れます。

けれど、日大豊山を最後に決める材料は、もう少し感覚的なところにあります。

学校見学や豊山祭、クラブフェアで、実際の男子たちを見てみる。

廊下のにぎやかさを聞く。部活動をのぞく。先生と生徒が話している様子を見る。11階まで上がってみる。

そのとき本人が、外側から学校を眺めているだけではなく、少しでも「自分もこの中にいたら面白そうだ」と思えるか。

日大豊山は、日本大学唯一の男子付属校です。

ただ、その価値は「男子校」という肩書きだけでは決まりません。

護国寺に集まる大勢の男子の中で、自分の好きなものを見つけ、誰かと競い、誰かに教わり、やがて後輩へ何かを渡していく。

その密度の高い6年間を本人が楽しめそうなら、日大豊山はかなり輪郭のはっきりした選択肢になります。

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