【2026年版】立教女学院中学校の評判は?「ARE学習」と立教大学への推薦制度が特徴の女子校を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|1877年から続くキリスト教女子教育と「他者に寄り添うこころ」
    1. 立教女学院中学校の基本情報
    2. 1877年創立、日本の女子教育の黎明期から続く学校
    3. 教育の根にあるのは「他者に寄り添うこころ」
    4. 礼拝が特別行事ではなく、学校生活の日常にある
    5. 「自由」と「自立」を、考えて行動する力につなげる
    6. 立教大学とのつながりを持つが、「立教学院」とは別の学校法人
    7. 「ARE学習」と大学推薦制度が共存する学校
  2. アクセスと立地環境|三鷹台駅徒歩1分、緑に包まれた久我山のキャンパス
    1. 三鷹台駅北口から徒歩1分
    2. 渋谷方面と吉祥寺方面の双方から通いやすい井の頭線
    3. 中央線沿線からは吉祥寺乗り換えと西荻窪からのバス
    4. 駅を出ると、すぐに緑のキャンパスへ入る
    5. 1930年代の建築が残る、独特のキャンパス
    6. 「都心への近さ」と「住宅地の落ち着き」の間にある立地
    7. 6年間の通学を考えると「駅徒歩1分」は小さくない
  3. 教育方針とカリキュラム|「ARE学習」で問い・調べ・表現する力を育てる
    1. 中1から高3まで続く「ARE学習」
    2. AREと教科をつなぐ「クロスカリキュラム」
    3. 中学3年から国語・数学・理科・英語の高校内容へ
    4. 英語は中1から少人数、後期から習熟度別へ
    5. 数学・理科でも「覚える」より、考える過程を重視
    6. 毎日の礼拝と週1時間の宗教科もカリキュラムの一部
    7. 高校では進路に応じて3つのコースへ
  4. 学習環境と施設設備|チャペルと歴史ある校舎がつくる日常の学び
    1. 中学校校舎は学年ごとにフロアが分かれる
    2. 約7万5,000冊の中高図書館がARE学習を支える
    3. ラーニングセンターは「話し合う場所」と「一人で集中する場所」を分ける
    4. 1932年の聖マーガレット礼拝堂と1930年の講堂
    5. 総合体育館にはアリーナ、トレーニングスペース、プール
    6. 昼食は弁当が基本、5月から中1も生徒ホールを利用
    7. ICTと歴史ある環境を、どちらか一方に寄せないキャンパス
  5. 学校生活と行事|礼拝・マーガレット祭・宿泊行事で広がる経験
    1. 1年を通して礼拝とキリスト教行事が学校生活に入る
    2. 中1・中2の「修養キャンプ」でクラスを越えた関係をつくる
    3. 中3の長崎修学旅行はARE学習とつながる
    4. 体育祭と「マーガレット祭」は生徒が学校を動かす機会
    5. 合唱、英語スピーチ、文化部発表会など「表現する行事」も多い
    6. 中学生の段階からボランティアや国際交流に触れる
    7. 6年間を通じて「参加する側」から「つくる側」へ変わっていく
  6. クラブ活動|中高6年間で好きなことを深める部活動・団体
    1. 中学校には運動部9、学芸部8と多様な選択肢
    2. ダンス部は創作作品を自分たちでつくり上げる
    3. 水泳・陸上などは学校の運動施設を日常的に使える
    4. 文化部はマーガレット祭と文化部発表会が大きな舞台
    5. ハンドベルと聖歌隊は立教女学院の礼拝文化と結びつく
    6. ボランティアは「誰かのために動く」を実際の活動にする
    7. 部活動を通して「好きなこと」と「人との関わり」を育てる6年間
  7. 進学実績と卒業後の進路|立教大学への推薦と他大学進学という二つの道
    1. 2026年卒業生180名のうち110名が立教大学へ推薦進学
    2. 立教大学への推薦枠は2025年度高3から212名へ拡大
    3. 立教大学では学部・学科ごとに定員がある
    4. 他大学を目指す生徒には高2から専用のコースがある
    5. 2026年度も早慶・上智・東京理科大や医学部へ合格者
    6. 他大学を選ぶ時点では、立教大学推薦との関係を考える必要がある
    7. 「立教に行けるから入る」より、6年間で進路を考えられることが強み
  8. 学費や諸経費について|初年度納入金と6年間で考える教育費
    1. 2026年度入学生の初年度納付金は128万7,800円
    2. 旅行積立金にはキャンプや修学旅行の費用を積み立てる意味がある
    3. 「藤の会」は立教女学院の保護者会
    4. 納付金は一度に全額を支払う仕組みではない
    5. 高校進学後は学校納付金に加えてICT関係費も考える
    6. 制服・指定用品や海外プログラムは別途考えておきたい
    7. 6年間の教育費は「初年度額×6」では計算できない
  9. 入試情報と合格の目安|2月1日一回入試の特徴と受験データ
    1. 2027年度一般入試は2月1日、約120名募集
    2. 2026年度は487名が受験し、142名が合格
    3. 2026年度の合格最低点は300点中206点
    4. 2026年度は社会・理科の合格者平均が高かった
    5. 四谷大塚の80%偏差値は57、50%偏差値は53
    6. 出願では志望理由や小学校での学習状況も準備しておく
    7. 帰国生入試も2月1日、国語・算数の2教科で実施
  10. 併願校パターン|2月1日の本番を軸に組み立てる女子校受験
    1. 立教女学院を第一志望にするなら、2月1日は迷わず本校へ
    2. 1月入試では「合格を持って2月1日へ入る」ことを意識する
    3. 2月2日は青山学院・香蘭・共立女子など選択肢が広い
    4. 2月3日には東洋英和・日本女子大附属・共立女子が残る
    5. 「立教大学への推薦」を重視するなら香蘭・青山学院も比較したい
    6. 立教女学院第一志望の代表的な受験パターン
    7. 「安全校」は学校名ではなく、その子の得点状況から決める
  11. 在校生・保護者の声|自由と落ち着きが共存する女子校の日常
    1. 「自由だけれど、自分で考えることを求められる」という校風
    2. チャペルと緑のあるキャンパスを気に入っている生徒が多い
    3. 三鷹台駅徒歩1分の通学は、保護者からも評価されやすい
    4. 立教大学への道があることを「安心感」と感じる家庭
    5. マーガレット祭や部活動が友人関係を広げる
    6. 人間関係や先生との相性は「女子校だから安心」と単純化しない
    7. 学校説明会だけでなく、マーガレット祭で「普段の生徒」を見ておきたい
  12. この学校に向いている子の特徴|自分で問いを持ち、6年間かけて学びを深めたい子へ
    1. 「なぜだろう」と考えることが好きな子
    2. 細かく管理されるより、自分で判断できるようになりたい子
    3. キリスト教教育を通して、自分や他者について考えられる子
    4. 女子だけの環境で、興味や個性をのびのび出したい子
    5. 立教大学への道を持ちながら、進路は6年間かけて考えたい子
    6. 勉強以外にも、一つ夢中になれるものを持ちたい子
    7. 入学時点で完成された子より、「自分らしさ」をこれから見つけたい子
  13. まとめ|立教大学への道と「自分で考える6年間」を選べる女子校
    1. 「ARE学習」が6年間の学びを一本につなぐ
    2. キリスト教教育が学校生活の日常にある
    3. 立教大学への推薦がありながら、進路を一つに固定しない
    4. 女子だけの環境で、自分たちが学校をつくっていく
    5. キャンパスの雰囲気も6年間の学校生活の一部になる
    6. 立教大学への推薦制度だけでなく、「どんな6年間を送りたいか」で選びたい

学校の概要|1877年から続くキリスト教女子教育と「他者に寄り添うこころ」

立教女学院中学校は、東京都杉並区久我山にある私立の女子中高一貫校です。高校からの募集を行わない完全中高一貫校で、中学校から入学した生徒は原則として同じ仲間と6年間を過ごします。

創立は1877年。日本の女子教育がまだ十分に整っていなかった明治初期から教育を続けてきた学校で、現在も日本聖公会に連なるキリスト教教育を学校生活の中心に置いています。一方、伝統だけを守る学校ではなく、自ら問いを立てて調べ、表現する「ARE学習」など、現代的な探究教育も組み込まれています。

立教女学院中学校の基本情報

学校名立教女学院中学校・高等学校
所在地東京都杉並区久我山4-29-60
設置区分私立女子中学校・高等学校
教育形態完全中高一貫教育
創立1877年
宗教キリスト教(日本聖公会)
中学校の規模1学年約200名

中学校は1学年約200名で、中学全体では約600名が学びます。女子校としては極端に小規模でも大規模でもなく、クラスを越えた人間関係をつくりながら、学年全体も見渡しやすい規模です。

1877年創立、日本の女子教育の黎明期から続く学校

立教女学院の歴史は1877年に始まります。明治10年、日本ではまだ女子が中等・高等教育を受けること自体が一般的ではなかった時代です。

その後、東京の市街地から現在の久我山へ校地を移し、キリスト教に基づく女子教育を続けてきました。現在のキャンパスには、歴史を感じさせる建築と現代的な教育施設が同居しています。

150年近い歴史そのものよりも、その間一貫して「女性が自ら考え、社会と関わるための教育」を続けてきたことに、この学校の伝統を見る方が分かりやすいでしょう。

教育の根にあるのは「他者に寄り添うこころ」

立教女学院の教育は、キリスト教の価値観を土台としています。毎日の礼拝、聖書の授業、イースターやクリスマスなどの宗教行事を通じて、知識や成績とは別のところから自分自身や他者について考えます。

大切にされているのは、「自分には何ができるのか」を問いながら、広く社会へ目を向け、他者に寄り添う姿勢を身につけることです。

ここでいう「寄り添う」は、単に優しい人になるという意味ではありません。社会には異なる立場、価値観、文化、境遇を持つ人がいることを知り、その違いを想像しながら自分にできることを考える。ボランティア活動や平和・人権学習などにも、この考え方がつながっています。

礼拝が特別行事ではなく、学校生活の日常にある

キリスト教学校の中でも、立教女学院ではチャペルの存在が学校生活に深く入り込んでいます。生徒は礼拝の時間を持ち、聖書の言葉や講話に耳を傾けます。

受験科目だけを効率よく学ぶという視点から見れば、礼拝は直接得点につながる時間ではありません。しかし6年間という長い時間で考えれば、忙しい日常の中で一度立ち止まり、自分の行動や社会について考える時間を持つことには別の意味があります。

家庭がキリスト教徒である必要はありません。一方で、宗教教育が学校文化の一部であることは、入学前に理解しておきたいところです。礼拝や聖書を「学校独自の行事」としてではなく、教育そのものとして受け入れられるかは、学校との相性にも関わります。

「自由」と「自立」を、考えて行動する力につなげる

立教女学院には、伝統女子校という言葉から想像する厳格な管理型教育とは少し違う空気があります。生徒自身が考え、判断し、行動することを重視する学校です。

もちろん、中学生が最初から十分に自立しているわけではありません。失敗したり、周囲と意見がぶつかったりしながら、自分の選択に責任を持つことを学んでいきます。

学校がすべての答えを先回りして与えるのではなく、「あなたはどう考えるのか」を問い続ける。後に紹介するARE学習も、この教育姿勢とよくつながっています。

立教大学とのつながりを持つが、「立教学院」とは別の学校法人

校名に「立教」とある通り、立教女学院は立教大学との強いつながりを持っています。一定の要件を満たした生徒には立教大学への推薦制度があり、毎年多くの卒業生がこの制度を利用して進学します。

一方で、立教池袋中学校や立教新座中学校とは学校の成り立ちが少し異なります。立教池袋・立教新座・立教大学などを設置する「学校法人立教学院」と、立教女学院を設置する「学校法人立教女学院」は別法人です。

そのため、立教女学院を単純に「立教大学の附属女子校」と捉えるより、独自の歴史と教育文化を持つ女子校が、立教大学との推薦・教育連携を築いていると考える方が実態に近いでしょう。

「ARE学習」と大学推薦制度が共存する学校

立教女学院の現在を特徴づけるのが、独自の探究教育「ARE学習」と、立教大学への推薦制度の組み合わせです。

AREはAsk、Research、Expressの頭文字で、自ら問いを立て、調べ、考えたことを表現する学習です。中学校から高校まで段階的に取り組み、高校では卒業論文へとつながります。

大学への推薦制度があるから学習量を減らすのではなく、大学受験対策だけでは取りにくい時間を、自分で問いを持って調べる学習へ振り向ける。ここが立教女学院を理解するうえで重要です。

1877年から続くキリスト教女子教育、久我山の落ち着いたキャンパス、ARE学習、そして立教大学への推薦制度。伝統と進路上の安心感を持ちながら、「自分は何を考え、社会とどう関わるのか」を6年間かけて探していくのが、現在の立教女学院です。

アクセスと立地環境|三鷹台駅徒歩1分、緑に包まれた久我山のキャンパス

立教女学院中学校は、東京都杉並区久我山4丁目にあります。最寄りは京王井の頭線の三鷹台駅で、北口から徒歩1分。駅を出てほどなく坂下門に着くため、駅から学校までの移動はかなり短く済みます。

井の頭線は渋谷と吉祥寺を結ぶ路線で、三鷹台駅は吉祥寺から2駅です。JR中央線沿線からは吉祥寺で乗り換える方法のほか、西荻窪駅から「立教女学院」行きのバスを利用する経路もあります。

三鷹台駅北口から徒歩1分

駅・交通手段学校まで
京王井の頭線 三鷹台駅北口から徒歩1分
JR中央線 西荻窪駅南口から関東バス「立教女学院」行きで約10分
JR中央線 吉祥寺駅京王井の頭線に乗り換え、三鷹台駅まで2駅

「徒歩1分」という数字は、中高6年間の通学を考えるとかなり実際的な意味があります。雨の日でも駅から長く歩かず、部活動や行事で荷物が多い日にも負担を抑えられます。

学校説明会などで一度訪れるだけなら徒歩5分と徒歩15分の違いはそれほど気にならなくても、年間200日前後、それを6年間続けるとなれば話は別です。駅から校門までの近さは、毎日の生活時間にそのまま積み重なります。

渋谷方面と吉祥寺方面の双方から通いやすい井の頭線

京王井の頭線は、渋谷、下北沢、明大前、永福町、久我山、吉祥寺などを結んでいます。そのため、杉並区や世田谷区だけでなく、渋谷方面や京王線沿線からも通学経路を組みやすくなっています。

東側からは渋谷、西側からは吉祥寺が大きな乗り換え拠点になります。明大前では京王線と接続するため、新宿方面や調布方面からの通学も考えられます。

2026年4月時点の中学生を見ると、杉並区102名、世田谷区100名、練馬区46名、武蔵野市35名、三鷹市22名など、学校周辺や井の頭線へアクセスしやすい地域から多くの生徒が通っています。一方で、神奈川・埼玉・千葉から通学する生徒もおり、通学圏は近隣だけに限定されていません。

中央線沿線からは吉祥寺乗り換えと西荻窪からのバス

JR中央線沿線から通う場合には、吉祥寺駅で井の頭線へ乗り換え、三鷹台駅まで2駅という経路が分かりやすいでしょう。

もう一つの選択肢が、西荻窪駅南口から関東バスの「立教女学院」行きを利用する方法です。乗車時間は約10分で、中央線から井の頭線へ乗り換えずに学校方面へ向かえます。

鉄道一本の経路とバスを使う経路の両方を持てる家庭なら、朝の混雑や運行状況に応じて使い分けることもできます。通学経路を決める際には、検索上の所要時間だけでなく、朝の乗り換えや混雑も含めて本人と実際に歩いてみるとよいでしょう。

駅を出ると、すぐに緑のキャンパスへ入る

三鷹台駅から坂下門をくぐると、駅前から一転して木々の多い校地が広がります。学校には長い年月をかけて育ったクスノキ、ケヤキ、ヒマラヤスギなどが残り、住宅地の中にまとまった緑が形成されています。

1939年に植えられたケヤキの中には幹回りが3mを超えるものがあり、1930年頃に植えられたヒマラヤスギも現在まで残っています。クリスマスには、このヒマラヤスギが装飾され、学院を象徴する風景の一つになります。

「緑豊かな学校」という表現は学校案内ではよく見かけますが、立教女学院の場合は、現在の久我山校地で約100年を過ごしてきた時間そのものが樹木の大きさに表れています。

1930年代の建築が残る、独特のキャンパス

立教女学院が現在の久我山へ移ったのは、1923年の関東大震災で当時の校舎が失われたことがきっかけでした。その後、現在の高校校舎と講堂が1930年、聖マーガレット礼拝堂が1932年に建てられています。

これらの建物は現在も学校生活の中で使われています。講堂では毎朝の礼拝や講演、生徒総会などが行われ、礼拝堂もキリスト教教育の中心となっています。

歴史的な建物を保存して眺めるだけではなく、生徒が毎日その中で授業を受け、礼拝に参加するところが立教女学院のキャンパスの特徴です。2021年には高校校舎・講堂・礼拝堂の大規模改修も行われ、外観や歴史的な意匠を残しながら教育施設として使い続けています。

「都心への近さ」と「住宅地の落ち着き」の間にある立地

三鷹台は吉祥寺のすぐ近くですが、駅周辺は大規模な繁華街ではなく住宅地です。巨大ターミナル駅から歩く学校とは異なり、三鷹台駅を降りて短い距離で校門へ入る通学になります。

一方、井の頭線を使えば吉祥寺や渋谷へ直接つながり、中央線や京王線への乗り換えもできます。郊外の広いキャンパスと都心へのアクセスのどちらか一方を選ぶというより、その中間に位置する学校です。

スクールバスで決められた時間に登下校する形ではなく、基本的には公共交通機関を利用して通学します。中学生として毎日利用する経路が本人にとって無理のないものかは、受験前に確認しておきたいところです。

6年間の通学を考えると「駅徒歩1分」は小さくない

学校の魅力を語るとき、教育方針や進学実績に比べるとアクセスは地味な項目です。しかし、実際に入学すると通学はほぼ毎日のことになります。

朝8時前後に学校へ向かい、授業、委員会、クラブ活動を終えて夕方に帰る生活を6年間続けると考えれば、三鷹台駅から徒歩1分という距離にはかなり現実的な意味があります。

そして校門を入った先には、駅前の住宅地とは空気の異なる、礼拝堂や歴史的校舎、長く育った木々のあるキャンパスが広がります。駅から近いことと、学校に入ると日常の街から少し切り離された環境になることが同時に成り立っているのが、立教女学院の立地の面白いところです。

教育方針とカリキュラム|「ARE学習」で問い・調べ・表現する力を育てる

立教女学院の学びを特徴づけるのが、独自の探究学習「ARE学習」です。Ask(問いを持つ)、Research(調べる)、Express(言語化して表現する)の3段階を繰り返しながら、自分で課題を見つけ、情報を集め、考えを他者へ伝える力を育てます。

一方で、探究だけに偏ったカリキュラムではありません。国語・数学・理科・英語では、中学3年から一部高校内容へ進み、6年間を見通して基礎から発展へつなげます。英語は少人数・習熟度別、数学では確認テストを取り入れるなど、教科ごとに基礎学力を定着させる仕組みも組まれています。

中1から高3まで続く「ARE学習」

ARE学習は2000年度から続く立教女学院独自の取り組みです。探究という言葉が現在ほど一般的ではなかった時期から、自分で問いを立て、調べ、まとめる学習を行ってきました。

中学校では、学年ごとにテーマを変えながら段階的に進みます。

学年主なテーマ学びの内容
中1地域調査と読書教育地域の課題を見つけて調査・発表する。本に親しみ、読解力と表現力を育てる
中2修学旅行事前学習長崎への修学旅行に向けて、歴史や社会について調べる
中3平和と人権平和・人権を軸に現代社会の問題を多面的に考える

中1では、身近な地域を観察するところから始めます。いきなり難しい社会問題を論じるのではなく、自分の周囲にあるものへ疑問を持ち、調べて、人に伝えるという探究の基本動作を覚えていきます。

中2・中3になると、長崎、平和、人権とテーマが社会へ広がります。自分の関心だけで完結せず、異なる立場の人や歴史的背景まで考えるところに、キリスト教教育の「他者に寄り添う」という考え方も重なっています。

AREと教科をつなぐ「クロスカリキュラム」

立教女学院では、ARE学習を総合学習の時間だけに閉じ込めません。教科学習と探究をつなぐ「クロスカリキュラム」も取り入れています。

たとえば社会科では、中1・中3でARE学習と連動した授業を行います。社会科で得た知識を調査活動に使い、逆にAREで生まれた疑問を教科の学びへ戻すという往復があります。

こうした仕組みがあることで、「探究の時間だけ自由研究をする」という形になりにくくなります。教科で学んだ知識を使って現実の問題を考え、その過程でさらに必要な知識へ戻る。知識と探究を別物にしないことが、立教女学院の学び方です。

中学3年から国語・数学・理科・英語の高校内容へ

6年間の一貫教育を生かし、国語・数学・理科・英語では中学3年から高校内容の先取りを行います。

中学校の週あたりの授業時数は次のようになっています。

教科中1中2中3
国語5時間4時間4時間
社会3時間4時間3時間
数学4時間4時間4時間
理科3時間4時間4時間
英語5時間6時間5時間
宗教1時間1時間1時間
ARE約2時間約1時間約2時間

先取りそのものを競う学校ではなく、中学段階で基礎を固めながら、6年間だから可能な形で高校内容へつなげます。高校では進路に応じたコース制へ移るため、中学3年間はその土台をつくる時期です。

英語は中1から少人数、後期から習熟度別へ

英語では、中学校の5クラスをそれぞれ2分割し、10クラスの少人数編成で授業を始めます。中学1年後期からは習熟度に応じた2段階のクラス編成となります。

中学校3年間では、発音やリズムを含む音声面の練習を重視しながら、読む・聞く・書く・話すの4技能をバランスよく伸ばします。高校では文法、読解、作文、発話をさらに深め、自分の意見を英語で表現する「発信型」の英語力へつなげます。

最初から英語が得意な生徒だけを対象とした教育ではありません。少人数で学び、中1の途中から習熟度に応じて分かれるため、入学後の理解度に合わせて学習を進めやすくなっています。

海外交流や留学プログラムもありますが、その前提になるのは日々の英語授業です。「海外へ行くこと」だけをグローバル教育とせず、6年間かけて自分の考えを相手へ伝えられる英語を育てていきます。

数学・理科でも「覚える」より、考える過程を重視

数学では、まず教科書を使って新しい考え方がなぜ必要なのかを理解し、基本的な表現や計算方法を学びます。さらに定期試験とは別に、年間数回の確認テストを実施し、基礎内容の定着を確かめます。

単に公式を暗記して答えを出すのではなく、異なる視点から考える力を伸ばすことが目標です。高校になるとコースごとの少人数授業へ進み、進路に応じて必要な数学を学びます。

理科では観察・実験を授業に取り入れ、自然現象の仕組みを実際に確かめながら学びます。中学では理科を分野別に学び、高校では物理・化学・生物の基礎を全員が履修。その後、理系コースではより専門的に学びます。

ARE学習と同様、「答えを覚える」ことより、「なぜそうなるのか」を自分で考えることが教科学習にも通じています。

毎日の礼拝と週1時間の宗教科もカリキュラムの一部

立教女学院では、毎日の礼拝に加えて、中学・高校とも週1時間の宗教科があります。

聖書について学ぶことはもちろんですが、宗教教育の目的は知識を増やすことだけではありません。感謝、祈り、奉仕を通して、自分自身と他者、社会との関係について考える時間になっています。

また、通常授業は週5日制で、土曜日には毎週授業を行うのではなく、年間10回程度の「土曜集会」を実施します。宗教、平和、人権、社会問題など、通常の教科とは異なるテーマに触れ、人間性や社会への視野を広げます。

教科学力、ARE学習、宗教教育が別々に並んでいるというより、どれも「自分で考え、他者や社会とどう関わるか」という方向へつながっています。

高校では進路に応じて3つのコースへ

高校1年では全員が共通の教科を学び、高校2・3年になると進路に応じたコース制へ移ります。

コース主な対象
理系コース理系大学への進学希望者、立教大学理学部への推薦希望者など
文Iコース立教大学以外の文系大学への進学希望者
文IIコース立教大学への推薦希望者、芸術系大学などへの進学希望者

立教大学への推薦制度を持ちながら、全員を同じ進路へ向かわせるカリキュラムではありません。理系へ進む生徒、他大学を一般受験する生徒、立教大学への推薦を希望する生徒で、高校後半の学び方を変えられます。

高校のARE学習では、中学3年間で身につけた課題設定・調査・表現の力をもとに、希望者が卒業論文へ取り組みます。立教大学への推薦を希望する生徒には卒業論文が必修となるため、中1で始まった「問いを持つ」学習が、そのまま大学進学にもつながっていく構成です。

学習環境と施設設備|チャペルと歴史ある校舎がつくる日常の学び

立教女学院のキャンパスには、1930年代から使われている礼拝堂や講堂と、2001年完成の中学校校舎、2014年から使用されている総合体育館、ラーニングセンターなどが並んでいます。

古い建物を保存する一方、新しい学習施設を加えてきたため、校内を歩くと時代の異なる建築が同じ学校生活の中に共存しています。歴史的な建物も見学用ではなく、礼拝、授業、自習、行事などで今も生徒が使っています。

中学校校舎は学年ごとにフロアが分かれる

現在の中学校校舎は2001年に完成した3階建てです。1階を中学1年、2階を中学2年、3階を中学3年が使い、各学年の教室が同じフロアにまとまっています。

普通教室はいずれも中央のセントラルコートに面しており、各教室の後方には個人用ロッカーがあります。教材や学校用品だけでなく、貴重品も管理できるようになっています。

校舎には理科室、音楽室、家庭科室、美術室などの特別教室も配置されています。理科室では実験器具が2人に1台程度用意され、観察や実験を多く取り入れた授業を行います。

音楽室には楽器庫があり、中学3年ではクラス全員でマンドリンを演奏する機会もあります。美術室は中学の授業だけでなく、高校の選択授業や部活動でも使用されます。

約7万5,000冊の中高図書館がARE学習を支える

中高図書館には約7万5,000冊の蔵書があります。休み時間の読書だけでなく、授業やARE学習で資料を調べる際にも利用されます。

司書・司書教諭が配置され、読書指導にも力を入れています。中1のAREでは読書教育も扱われるため、「本をたくさん置いている施設」というより、6年間の学習カリキュラムと結びついた場所です。

Web検索だけでは、必要な情報と信頼できる情報を区別することが難しい場合があります。本、資料、デジタル情報を行き来しながら調査する経験は、Ask・Research・ExpressというAREの「Research」の部分にもつながります。

高校へ進めば、立教大学への推薦を希望する生徒を中心に卒業論文へ取り組みます。中学生のうちから図書館を使って調べる習慣を持つことは、その準備にもなっています。

ラーニングセンターは「話し合う場所」と「一人で集中する場所」を分ける

ラーニングセンターは3階建てで、授業、自習、教員による教養講座などに利用されています。

特徴的なのは、館内を学習の仕方によって分けていることです。

フロア主な使い方
1階 オープンラウンジICT機器を利用した学習や、学院の歴史資料に触れる
2階 コモンズフロア生徒同士で対話しながら進めるグループ学習
3階 パーソナルフロア静かな環境で一人で集中して学習する

ARE学習では、誰かと意見を交わす時間と、一人で資料を読み考える時間の両方が必要です。同じ「自習スペース」にすべてを詰め込まず、学習方法に合わせて場所を選べるようになっています。

放課後に学校で勉強してから帰宅したい生徒にとっても利用できる場所です。三鷹台駅まで徒歩1分なので、学校で学習時間を確保した後に長い距離を歩かず帰れることも、日常では使いやすさにつながります。

1932年の聖マーガレット礼拝堂と1930年の講堂

立教女学院を象徴する建物の一つが、1932年に建てられた聖マーガレット礼拝堂です。設計は聖路加国際病院内のチャペルなども手がけたJ・V・W・バーガミニによるもので、2020年には耐震補強や照明のLED化などの改修が行われました。

建物の外観やステンドグラスが印象に残りますが、立教女学院にとって礼拝堂は観光的な存在ではありません。キリスト教行事や祈りの場として現在も使われ、学校の宗教教育そのものを支える空間です。

1930年に建てられた講堂は約600名を収容でき、毎朝の礼拝、生徒総会、講演会などに使われます。2階にはパイプオルガンがあり、朝の礼拝では高校生のオルガン係が演奏します。

毎日の学校生活の中で90年以上前の建物に入り、オルガンの音を聞きながら礼拝する。これは新しい設備を整えただけでは再現しにくい、立教女学院の生活文化の一部です。

総合体育館にはアリーナ、トレーニングスペース、プール

運動施設の中心となる「総合体育館2014」は、創立135周年記念事業として建設され、2014年から利用されています。

館内にはメインアリーナ、サブアリーナ、多目的フロア、トレーニングスペース、プールがあります。体育の授業に加え、バスケットボール、バレーボール、バドミントン、水泳などの部活動にも利用されます。

屋外にはグラウンドとオムニコート2面があります。グラウンドでは体育の授業やクラブ活動のほか、中高合同の体育祭も行われます。

グラウンドの中には校地整備以前から育っているケヤキが残され、現在も生徒に木陰をつくっています。運動施設を整備する際にも、既存の樹木をすべて撤去せずキャンパスの一部として残しているところに、この学校の景観への考え方が表れています。

昼食は弁当が基本、5月から中1も生徒ホールを利用

昼食は家庭から持参する弁当が基本ですが、校内の「生徒ホール」で食事を購入することもできます。

日替わりランチ、麺類、パック弁当、校内で焼くパンなどが販売されています。放課後にはパンやアイスなどの軽食販売もあります。

中学1年生は入学直後の4月については、クラスで友人関係をつくるため教室で一緒に昼食をとります。5月になると生徒ホールの利用が始まり、自分で食べる場所を選べるようになります。

毎日弁当を用意できない日にも校内で昼食を確保できるため、家庭にとっても利用しやすい仕組みです。また、教室以外に友人と過ごせる場所があることは、中高6年間の学校生活では案外大きな意味を持ちます。

ICTと歴史ある環境を、どちらか一方に寄せないキャンパス

立教女学院ではコンピュータ教室を設け、中1の家庭科で基本操作を学びます。その後は理科、社会、数学、英語、AREなど複数の授業でICTを利用します。

ラーニングセンターにもICT機器を使えるスペースがあり、調査、資料作成、発表などに活用できます。高校では個人PCを導入し、より日常的にデジタル機器を使う段階へ進みます。

それでも、学校全体を「最新ICT設備の学校」という方向には寄せていません。約7万5,000冊の図書館で本を調べること、1930年代の講堂で礼拝すること、100年近く育った木のある校庭を歩くことも、同じ学校生活の中にあります。

古いものを残すことと、新しい教育環境をつくることを対立させていないのが、立教女学院の施設を見るときのポイントです。歴史あるチャペルからラーニングセンターまで、その時々に必要な場所へ移動しながら学ぶことになります。

学校生活と行事|礼拝・マーガレット祭・宿泊行事で広がる経験

立教女学院の学校生活には、キリスト教学校としての礼拝、学年ごとの宿泊行事、生徒主体でつくる体育祭やマーガレット祭、平和・人権を考える修学旅行など、教室の外で学ぶ機会が数多く組み込まれています。

行事を単なる「楽しいイベント」として並べるのではなく、仲間との共同生活、自分たちで企画する経験、社会との接点を通じて、自分と他者との関係を考えることが重視されています。中高6年間を通じて、行事の中でも少しずつ役割が変わっていきます。

1年を通して礼拝とキリスト教行事が学校生活に入る

立教女学院では毎日の礼拝に加え、年間を通してキリスト教に関わる行事が行われます。

  • 4月:イースター礼拝
  • 5月:昇天日礼拝
  • 10月:学院創立記念礼拝
  • 11月:クリスマスツリー点灯式、チャペルコンサート
  • 12月:クリスマス礼拝

特に冬になると、キャンパスにある大きなヒマラヤスギがクリスマスツリーとして飾られます。クリスマス礼拝は、学校生活の中でも立教女学院らしさがよく表れる行事の一つです。

礼拝では聖書の言葉や音楽に触れるだけでなく、世界や社会の中で支援を必要としている人々について考える機会もあります。毎月の献金もその一つで、生徒自身が献金先を考えることがあります。

宗教行事が年に数回の特別イベントとして存在するのではなく、季節の節目そのものがキリスト教の暦と結びついているところに、この学校の日常があります。

中1・中2の「修養キャンプ」でクラスを越えた関係をつくる

6月には、中学1年生・2年生が修養キャンプに参加します。中学1年では、入学からまだ数か月という時期に学校を離れ、共同生活を経験します。

2026年度の中学1年は、河口湖湖畔で2泊3日のキャンプを実施しました。自然の中で仲間との親睦を深めることをテーマに、聖書を題材としたスタンツ、牧場体験、生徒が企画するミニ運動会などに取り組んでいます。

普段は同じクラスで過ごしていても、宿泊行事になると部屋、食事、活動などで異なる友人と関わります。入学直後の人間関係が固定される前に、学年内でつながりを広げる機会にもなっています。

立教女学院では「修養」という言葉が使われますが、静かに話を聞くだけの行事ではありません。自然体験や共同作業、話し合いなどを通じて、自分や周囲について考える時間が設けられています。

中3の長崎修学旅行はARE学習とつながる

中学3年生は5月に長崎への修学旅行を行います。一般的な観光中心の修学旅行というより、歴史、平和、人権について考える学習の意味合いが強い行事です。

長崎を訪れる前から、中2のARE学習で修学旅行に向けた事前学習を進めます。現地に行って初めて学ぶのではなく、歴史的背景や自分が知りたいことを調べたうえで訪問します。

さらに中3では、「平和と人権」がARE学習の大きなテーマになります。つまり、修学旅行だけを切り離したイベントにせず、事前に問いを持つ→現地で確かめる→帰校後に考えを深めるという一連の探究学習として位置づけています。

キリスト教教育で繰り返し扱う「他者に寄り添う」という考え方も、ここでは歴史や社会の問題と結びつきます。自分と異なる時代や立場の人について想像することが、中学校3年間の学びの一つの到達点になります。

体育祭と「マーガレット祭」は生徒が学校を動かす機会

秋の学校生活を代表するのが、9月の体育祭と10月のマーガレット祭です。

体育祭は中高合同で行われ、普段の授業とは異なる形で学年やクラスが協力します。競技そのものだけでなく、生徒が運営に関わることにも意味があります。

そして立教女学院の文化祭にあたるのがマーガレット祭です。部活動や団体による展示、舞台発表、演奏などが行われ、校内のさまざまな施設が発表の場になります。

マーガレット祭には運営委員がおり、開催に向けた準備や当日の運営を生徒自身が担います。完成したものを見せる2日間だけではなく、その前に何か月もかけて話し合い、調整し、準備する過程があります。

自由な校風を掲げる立教女学院にとって、こうした行事は「自由に楽しむ場」であると同時に、自分たちで決めたことに責任を持つ経験でもあります。

合唱、英語スピーチ、文化部発表会など「表現する行事」も多い

立教女学院の年間行事を見ると、スポーツだけでなく、言葉や音楽を使って人前で表現する機会が目立ちます。

1月には中学校の英語スピーチ・コンテスト、2月には中学文化部発表会、3月には中学合唱交歓会があります。

ARE学習の最後のEがExpressであるように、自分の中で理解して終わるのではなく、考えたことや練習してきたものを他者へ届けることを学校全体で重視しています。

英語が得意な生徒、音楽に取り組む生徒、文化部で制作を続ける生徒など、それぞれ異なる形で学校生活の中に発表の場があります。学業成績とは別のところで「自分ができること」を周囲に見てもらえる機会にもなっています。

3月にはスキー学校もあり、年度の終わりまで教室外での経験が続きます。

中学生の段階からボランティアや国際交流に触れる

夏休みには中学校のボランティア・キャンプが行われます。高校では南三陸でのボランティアなどにも活動が広がり、中学から高校へ進むにつれて社会との接点が増えていきます。

また、国際教育は高校生だけのものではありません。中学1・2年を対象とするSummer English Program、中学3年から高校2年を対象とするGlobal Studies Programなど、校内で参加できるプログラムも用意されています。

プログラム対象期間・特徴
Summer English Program中1・中2夏休みの4日間、英語を使った活動に取り組む
Global Studies Program中3・高1・高2夏休みの5日間、英語を使って社会や世界について考える
UC Davis短期留学高1・高2アメリカで9日間の短期留学
姉妹校交流・留学主に高校生アメリカ、ニュージーランド、フィリピンの姉妹校との派遣・受け入れ

海外の姉妹校は、アメリカ、ニュージーランド、フィリピンにあり、短期・長期の派遣や留学生の受け入れが行われています。海外へ出る生徒だけでなく、立教女学院へ来た留学生と学校生活を共にすることで国際交流に触れる機会もあります。

必ず全員が長期留学をする学校ではありません。まず中学段階で校内の英語プログラムや国際交流に触れ、興味を持った生徒が高校で海外研修や交換留学へ進めるという段階があります。

6年間を通じて「参加する側」から「つくる側」へ変わっていく

中学1年では、修養キャンプや学校行事に参加しながら、立教女学院の生活文化を知るところから始まります。そこから学年が上がるにつれ、委員、係、部活動の上級生、生徒会など、自分が運営する側に回る機会が増えていきます。

毎朝の礼拝、長崎への修学旅行、体育祭、マーガレット祭、合唱、英語スピーチ、ボランティア、国際交流。一見すると性格の違う行事ですが、共通しているのは、他者と関わりながら自分の考えを持つことです。

学校が用意したプログラムを受け取るだけでは、立教女学院の6年間を十分に使い切れません。行事の中で役割を持ち、誰かと協力し、自分から関わるほど経験が広がります。

授業で「Ask・Research・Express」を学び、学校生活では実際に人と関わりながらそれを試していく。立教女学院の行事は、教室で行われる学びと学校生活をつなぐ役割も担っています。

クラブ活動|中高6年間で好きなことを深める部活動・団体

立教女学院では、授業やARE学習だけでなく、放課後の部活動・団体も6年間の学校生活を形づくる重要な場になっています。中学校には運動部9、学芸部8に加え、ハンドベルクワイヤー、聖歌隊、ボランティアグループがあり、スポーツ、音楽、舞台、科学、創作、奉仕まで選択肢が広がっています。

大会で結果を求める部がある一方、マーガレット祭や文化部発表会、礼拝などを目標に活動する部もあります。「強い部に入ること」だけを重視するのではなく、自分が興味を持ったものを仲間と継続していくことに意味を置きやすい学校です。

中学校には運動部9、学芸部8と多様な選択肢

中学校の主な部活動は次のようになっています。

分野部活動・団体
運動部剣道部、水泳部、ダンス部、テニス部、バスケットボール部、バドミントン部、バレーボール部、ハンドボール部、陸上競技部
学芸部音楽部、科学部、器楽部、茶道部、手芸料理部、美術部、舞台劇部、文芸部
その他の団体ハンドベルクワイヤー、聖歌隊、ボランティアグループ

球技、武道、水泳、陸上といった運動系から、実験、演奏、演劇、美術、文芸、料理まで幅があります。そのため、小学校時代から続けてきた活動を継続する生徒だけでなく、中学校入学を機に初めて取り組む分野を見つけることもできます。

高校になるとスケート部、競技かるた部、料理研究部、写真部なども加わり、活動の選択肢はさらに広がります。中高6年間の中で興味が変化していくことも含めて、自分に合う活動を探せる環境です。

ダンス部は創作作品を自分たちでつくり上げる

立教女学院の中でも大会実績が目立つ部の一つがダンス部です。

柔軟や基礎練習を積みながら、東京都大会や全国大会に向けて創作ダンスの作品づくりを行います。既成の振り付けを覚えて踊るだけではなく、作品のテーマを考え、身体表現として形にしていく活動です。

2026年度には、第65回東京都中学校総合体育大会兼第78回東京都中学校創作ダンスコンクールで「Nataraja −創世を刻む舞踏神」を発表し、1位となりました。同大会では4年連続の1位となっています。

一方、マーガレット祭では大会作品だけでなく、別ジャンルのダンスにも取り組みます。競技として結果を目指す時間と、観客に楽しんでもらう舞台をつくる時間の両方があります。

水泳・陸上などは学校の運動施設を日常的に使える

水泳部は校内のプールで練習し、初心者から経験者まで一緒に活動しています。2026年夏には、中高水泳部が東京私立中学高等学校第九支部水泳競技大会で総合優勝しました。

陸上競技部では、自分の種目ごとに目標を持ち、仲間と練習します。高校では2026年度に女子100mで関東大会6位に入り、インターハイへ出場するなど、中学以降も競技を続けていける環境があります。

このほか、バスケットボール、バレーボール、バドミントン、ハンドボール、テニス、剣道など、それぞれ基礎練習から実戦へ段階的に取り組みます。

校内には総合体育館、アリーナ、プール、グラウンド、テニスコートがあるため、体育の授業だけでなく放課後の活動でも学校の施設を活用できます。

文化部はマーガレット祭と文化部発表会が大きな舞台

文化系の部では、秋のマーガレット祭と2月の中学文化部発表会が日頃の活動を発表する重要な機会になります。

舞台劇部は、部員が協力して一つの劇をつくり上げます。音楽部はバンド演奏、器楽部は合奏、美術部は個人作品だけでなく共同制作にも取り組みます。

科学部では、身近な現象について実験や観察を行い、自分たちで考察します。文芸部ではリレー小説や三題噺、部誌制作などを行い、手芸料理部ではお菓子作りや編み物、アクセサリー制作などに取り組みます。

茶道部は表千家の作法とお点前を学び、マーガレット祭では来場者を迎えます。普段はそれぞれ異なる活動をしていても、文化祭では「人に見てもらう」「人へ伝える」という共通の目標が生まれます。

ARE学習で重視されるExpressと同様、部活動でも自分たちが積み重ねたものを作品、演奏、舞台、展示などの形にして外へ表現する経験があります。

ハンドベルと聖歌隊は立教女学院の礼拝文化と結びつく

一般的な部活動とは少し異なる立教女学院らしい活動が、ハンドベルクワイヤー聖歌隊です。

ハンドベルは、一人で一曲を演奏する楽器ではありません。一人ひとりが複数のベルを担当し、それぞれの音を正しいタイミングで鳴らすことで一つの曲になります。自分の役割だけでなく、周囲の音を聞きながら全員で音楽を完成させる活動です。

聖歌隊は礼拝で歌うほか、中高合同、さらに学院全体の礼拝でも奉仕します。聖マーガレット礼拝堂でのコンサートや、高齢者施設を訪れて行うミニコンサートなど、校外で歌う機会もあります。

特に聖歌隊は、1932年に聖マーガレット礼拝堂が建てられた当初から続く活動です。約90年前から同じ礼拝堂で歌われてきた聖歌を、現在の生徒が引き継いでいます。

音楽活動であると同時に、毎日の礼拝やキリスト教行事を生徒自身が支える役割を担っていることが特徴です。

ボランティアは「誰かのために動く」を実際の活動にする

立教女学院では、ボランティアも学校生活の中で継続して取り組める活動になっています。

中学校のボランティアグループでは、学校近隣の特別養護老人ホームを訪れ、行事準備、食事の配膳、高齢者との交流などを行います。また、浅草聖ヨハネ教会の日曜給食活動では、食事の準備や配布に参加します。

こうした活動は、校内で募金をして終わるものではありません。実際に地域へ出て、そこに暮らす人と接し、自分にできる仕事を担当します。

高校では、国際交流・教育に関わるSMISや、障がいとインクルーシブな社会について考えるISGなど、社会課題をより具体的に扱う団体活動にも参加できます。

毎日の礼拝や宗教科で考える「他者に寄り添う」という価値観を、実際に誰かと関わり、自分の手を動かす経験へ変える場が用意されています。

部活動を通して「好きなこと」と「人との関わり」を育てる6年間

立教女学院の部活動には、全国大会を目標にする活動もあれば、文化祭で作品を発表する部、礼拝を支える団体、地域で奉仕するグループもあります。

そのため、「運動が得意だから運動部」「文化系だから文化部」という選び方だけでなく、自分は6年間で何をやってみたいのかという視点から活動を選べます。

中学1年では先輩から教わる立場だった生徒も、学年が上がれば後輩へ教え、作品や練習をまとめ、行事では運営する側へ回ります。活動内容そのものと同じくらい、年齢の異なる仲間と一つのものをつくる経験が積み重なっていきます。

自分の興味を深めることと、その興味を誰かと共有すること。立教女学院の部活動・団体は、この二つを中高6年間で経験できるもう一つの学びの場です。

進学実績と卒業後の進路|立教大学への推薦と他大学進学という二つの道

立教女学院の進路を考えるうえで重要なのは、立教大学への推薦制度がありながら、卒業生全員が立教大学へ進む学校ではないことです。

2026年3月の高校卒業生は180名。このうち110名が立教大学へ推薦進学し、残る70名は他大学を目指す進路を選びました。およそ6割が立教大学へ進む一方、4割近くが外部へ進む計算になり、「大学附属・系列校」と「他大学受験に対応する中高一貫校」の両方の性格を持っています。

2026年卒業生180名のうち110名が立教大学へ推薦進学

2026年3月卒業生では、180名のうち110名が立教大学への推薦進学を選びました。割合にすると約61%です。

2026年3月卒業生人数割合の目安
卒業生180名100%
立教大学への推薦進学110名約61%
立教大学推薦以外の進路を選択70名約39%

立教池袋や立教新座のように卒業生の大部分が立教大学へ進む学校とは少し異なり、立教女学院では他大学を選ぶ生徒も一定数います。

「立教大学への道を持っていること」は大きな特徴ですが、6年間の途中で自分の学びたい分野が変われば、別の大学を選択できる余地もあります。この進路の幅が、立教女学院を学校選びの際に理解しておきたいポイントです。

立教大学への推薦枠は2025年度高3から212名へ拡大

立教大学への推薦制度では、2025年度高校3年生から受入総枠数が212名となっています。1学年の生徒数を上回る規模の総枠が設定されていますが、入学すれば無条件で推薦されるわけではありません。

推薦を受けるためには、次の要件を満たす必要があります。

  1. 高校卒業の条件と一定の成績基準を満たすこと
  2. 卒業論文を提出し、認定されること
  3. 一定水準の英語力を身につけること
  4. 推薦にふさわしい学校生活を送っていること
  5. 希望する学部・学科への進学意思が明確であること
  6. 学校長が責任を持って推薦できると判断されること

英語については英検2級程度が一つの目安です。また、ARE学習の延長にある卒業論文も推薦条件に含まれます。

つまり、推薦制度を利用する場合でも、「高校3年間を無難に過ごせば自動的に立教大学へ進める」という仕組みではありません。普段の学習、英語、学校生活、探究活動を積み重ねた先に推薦があります。

立教大学では学部・学科ごとに定員がある

立教大学への推薦枠全体には余裕がありますが、希望する学部・学科へ必ず進めるとは限りません。各学部・学科には受入人数が設定されており、希望者が枠を上回った場合には成績などをもとに選考されます。

立教大学には、文学部、経済学部、理学部、社会学部、法学部、経営学部、観光学部、現代心理学部、異文化コミュニケーション学部などがあり、2026年度には環境学部も開設されています。

2026年度の大学合格実績では、立教大学について次のような学部への合格者が出ています。

学部等2026年度合格者数
文学部11名
経済学部18名
理学部2名
社会学部25名
法学部8名
経営学部17名
観光学部6名
現代心理学部9名
異文化コミュニケーション学部9名
環境学部8名
GLAP1名

この数字は大学合格者数として公表されているもので、推薦による実際の進学者110名とは集計方法が異なります。学部別の数字を見る際には、合格者数と進学者数を混同しないことが大切です。

小学6年生の時点で学部を決める必要はありませんが、人気学部への進学まで自動的に保証される制度ではないことは理解しておきましょう。

他大学を目指す生徒には高2から専用のコースがある

立教女学院では、立教大学への推薦だけを前提に高校の授業を組んでいるわけではありません。高校1年では全員が共通のカリキュラムで学び、高校2・3年では進路によって3つのコースに分かれます。

コース主な進路
理系コース理系大学への進学、立教大学理学部など
文Iコース立教大学以外の文系大学への進学
文IIコース立教大学への推薦、芸術系大学など

文Iでは他大学の文系学部、理系では国公立大学、理工系、医療系などを視野に入れた学習を進めます。模試、小論文模試、大学入学共通テストに向けた指導、個人面談なども進路指導の中に組み込まれています。

特に理系では、立教大学に医学部、歯学部、薬学部、工学部などがないため、医療系や工学系を志望すれば自然に他大学が選択肢になります。

中学入学時には立教大学を考えていても、高校で興味を持った分野によって外部へ進路を変更できる体制があります。

2026年度も早慶・上智・東京理科大や医学部へ合格者

他大学を選んだ生徒の進路は幅広く、国公立大学、早慶上理、医学部、芸術系、海外大学などへ広がっています。

2026年度入試の主な大学合格実績には、次のような大学があります。なお、大学が公表する合格者数には既卒生が含まれるため、実際の進学者数とは異なります。

大学2026年度合格者数
早稲田大学22名
慶應義塾大学25名
上智大学12名
東京理科大学17名
国際基督教大学1名

国公立では北海道大学、筑波大学、東北大学、東京外国語大学、東京農工大学、東京藝術大学などへの合格者が出ています。

医学部でも、北海道大学、筑波大学、北里大学、杏林大学、国際医療福祉大学、昭和医科大学、聖マリアンナ医科大学、東京医科大学、東京女子医科大学、日本医科大学などに合格者がいます。

ここで注意したいのは、早稲田大学22名、慶應義塾大学25名といった数字は「22人、25人がそれぞれ進学した」という意味ではないことです。一人が複数の大学・学部に合格する場合もあるため、学校選びでは合格実績と実際の進学状況を分けて見る必要があります。

他大学を選ぶ時点では、立教大学推薦との関係を考える必要がある

「立教大学への推薦を確保したまま、好きなだけ他大学の一般入試へ挑戦できる」と考えるのは適切ではありません。

高校3年で進路を決める段階では、立教大学への推薦を希望するのか、他大学受験を選ぶのかを本人が判断します。他大学を進路として選択した場合には、立教大学への推薦資格を利用せず、一般選抜などで希望大学を目指すことになります。

ただし、他大学を受験する生徒への指導体制は用意されています。高1から模試や進路講話があり、高2では大学・学部研究、高3では推薦・総合型選抜・一般選抜それぞれに対応した指導が行われます。

立教大学という進路があることで、高校入学時点から全員を大学受験競争へ向かわせる必要はありません。その一方で、自分が学びたい分野のために外部へ出ると決めた生徒には、受験へ切り替える道も残されています。

「立教に行けるから入る」より、6年間で進路を考えられることが強み

立教女学院の進路制度の価値は、単純な内部推薦率だけでは測りにくいところがあります。

中学入学時点では将来何を学びたいか分からなくても、ARE学習、卒業論文、土曜集会、理科実験、国際交流、部活動などを経験しながら、自分の関心を探すことができます。その結果、立教大学の学部に学びたい分野があれば推薦を選び、別の大学にしかない分野を目指したくなれば外部へ進むという選択が可能です。

2026年卒業生の110名が立教大学へ進み、70名がそれとは異なる道を選んだという数字は、その学校文化をよく表しています。

立教大学への推薦を「ゴール」とするのではなく、6年間で自分が何を学びたいのかを考え、その答えに応じて推薦と他大学受験を選べる。立教女学院の進路面での特徴は、この選択肢の広さにあります。

学費や諸経費について|初年度納入金と6年間で考える教育費

立教女学院中学校の学費は、授業料だけでなく、教育充実費、施設設備費、旅行積立金、保護者会費などを含めて考える必要があります。

2026年度入学生の場合、入学手続時に納める入学金は25万円、入学後の年間納付金は103万7,800円です。したがって、中学1年時の学校納付金は合計128万7,800円となります。

このほか、制服・指定用品などの入学準備費用や、高校進学後のICT関係費、希望者が参加する海外研修などは別に考えておく必要があります。

2026年度入学生の初年度納付金は128万7,800円

項目金額
入学金250,000円
授業料600,000円
教育充実費180,000円
施設設備費156,000円
生徒会費3,600円
旅行積立金60,000円
藤の会入会費10,000円
藤の会費18,000円
同窓会費10,200円
初年度合計1,287,800円

入学手続時に必要なのは入学金25万円で、それ以外の103万7,800円は入学後の納付金です。

年間納付金の中では授業料60万円が最も大きく、これに教育充実費18万円、施設設備費15万6,000円が加わります。授業料だけを見るのではなく、これらを合わせた金額を年間の基本的な学校費用として考えると分かりやすいでしょう。

旅行積立金にはキャンプや修学旅行の費用を積み立てる意味がある

年間納付金には旅行積立金6万円が含まれています。

立教女学院では、中学1・2年の修養キャンプ、中学3年の修学旅行など、学年ごとの宿泊行事があります。そのため、こうした行事に必要な費用の一部を毎年積み立てていく仕組みになっています。

旅行積立金については年度によって金額が変動することがあります。したがって、中学3年間の費用を「毎年必ず同額」と考えるのではなく、各年度の納付金を確認する必要があります。

宿泊行事が学校教育の中にしっかり組み込まれている学校だからこそ、授業料以外の費用を見る際には、この旅行関係の支出も含めて考えておきたいところです。

「藤の会」は立教女学院の保護者会

初年度には藤の会入会費1万円、さらに年間の藤の会費1万8,000円が設定されています。

藤の会は立教女学院の保護者会にあたる組織です。学校生活を保護者の立場から支える活動を行っており、中学入学時に加入します。

初年度だけ必要となる入会費と、毎年必要となる会費を分けて考えると、2年目以降の納付金を把握しやすくなります。

このほか生徒会費3,600円、同窓会費1万200円も年間納付金に含まれています。

納付金は一度に全額を支払う仕組みではない

学校納付金のうち、生徒会費は前期に年間分を納入します。それ以外の年間納付金については、基本的に前期・後期に分けて納入する形です。

そのため、入学時に初年度128万7,800円のすべてを一度に用意して納めるわけではありません。まず入学手続時に入学金25万円を納め、その後、授業料などを年度内に分けて納付します。

私立中学の教育費を考える際には、「年間総額」と「いつ支払いが発生するか」を分けて確認しておくと資金計画を立てやすくなります。

特に2月の合格発表後は、他校の入学手続金と納付期限が重なる場合があります。併願校を決める段階で、入試日だけでなく各校の入学手続期限まで確認しておくことが大切です。

高校進学後は学校納付金に加えてICT関係費も考える

立教女学院は完全中高一貫校ですが、中学校と高等学校では納付金の設定が異なります。

2026年度の高校1年生では、入学金25万円に加え、入学後の年間納付金が107万1,000円となっています。

高校1年・2026年度の参考額金額
入学金250,000円
授業料600,000円
教育充実費204,000円
施設設備費168,000円
生徒会費6,000円
旅行積立金64,800円
藤の会費18,000円
同窓会費10,200円

さらに高校1年では、個人用PCの購入・設定などに伴うICT関係費が約11万円必要です。

現在の中学生が実際に高校へ進学する時点では金額が変更される可能性がありますが、中学3年間の費用だけを見るのではなく、高校進学時にもまとまった支出があることを想定しておくと安心です。

制服・指定用品や海外プログラムは別途考えておきたい

学校へ納める費用以外にも、中学入学時には制服、通学用品、体育用品などの準備が必要になります。

また、日々の昼食を生徒ホールで購入する場合には食費がかかります。三鷹台までの通学定期代も、居住地域によって6年間では小さくない金額になります。

さらに、立教女学院にはUC Davis短期留学や姉妹校との交流・留学など、希望者が参加できる国際教育プログラムがあります。こうした海外プログラムへ参加する場合には、通常の学校納付金とは別に参加費用が必要になります。

学校生活の選択肢が多いからこそ、最低限必要な費用だけでなく、「本人がどのような6年間を送りたいか」によって追加費用が変わることも考えておきましょう。

6年間の教育費は「初年度額×6」では計算できない

立教女学院の6年間に必要な費用を考えるとき、初年度128万7,800円を単純に6倍する方法は適切ではありません。

入学金や藤の会入会費のように初年度だけ必要な費用がある一方、旅行積立金は年度によって変動し、高校では納付金の設定そのものが変わります。さらに高校進学時にはICT関係費なども発生します。

海外研修へ参加するか、昼食をどの程度校内で購入するか、通学距離がどれくらいかによっても家庭ごとの総額は変わります。

したがって、受験前には「入学時に約129万円」という数字だけではなく、中学3年間、さらに高校まで含めた6年間の資金計画として考えることが重要です。

立教大学への推薦制度を利用する場合には、その先の大学4年間まで立教で学ぶ可能性もあります。中学受験時点で、中高6年間だけでなく大学進学まで含めた教育費を大まかに見通しておくと、入学後の選択肢を狭めにくくなります。

入試情報と合格の目安|2月1日一回入試の特徴と受験データ

立教女学院中学校の一般入試は、複数回入試を行う学校とは異なり、基本的に2月1日の1回のみです。2027年度入試では約120名を募集し、国語・算数・社会・理科の4教科、300点満点で選考します。

一度の試験で結果が決まるため、立教女学院を第一志望とする場合は、2月1日にピークを合わせた受験計画が必要です。また、立教女学院小学校から内部進学する生徒もいるため、中学校の1学年全員を一般入試で募集するわけではありません。

2027年度一般入試は2月1日、約120名募集

項目2027年度一般入試
試験日2027年2月1日
募集人数約120名
国語45分・90点
算数45分・90点
社会30分・60点
理科30分・60点
合計300点
合格発表2月1日21時~2月2日12時

国語と算数が各90点、社会と理科が各60点なので、国語・算数だけで全体の60%を占めます。ただし、社会・理科も合わせて120点あり、4科をバランスよく仕上げる必要があります。

複数回受験による加点や、午後入試、算数1科入試などはありません。「第1回で届かなければ第2回でもう一度」という受験はできないため、過去問を使って本番の300点をどう組み立てるかを事前に確認しておきたい学校です。

2026年度は487名が受験し、142名が合格

直近の2026年度一般入試では、約120名の募集に対して585名が志願し、487名が受験、142名が合格しました。受験者数を合格者数で割った実質倍率は約3.4倍です。

年度募集人数志願者受験者合格者実質倍率
2026年度約120名585名487名142名約3.4倍
2025年度約120名367名349名136名約2.6倍
2024年度約120名294名274名129名約2.1倍
2023年度約110名353名334名136名約2.5倍

2026年度は受験者数が大きく増えました。ただし、2026年度は2月2日実施で、2027年度は2月1日実施となるため、前年の倍率をそのまま次年度の予測値として使うことはできません。

立教女学院は入試回数が少ない分、その年の曜日配置や他校の日程によって受験者数が動く可能性があります。倍率だけで難易度を判断せず、模試の位置と過去問の得点を合わせて見る方が現実的です。

2026年度の合格最低点は300点中206点

2026年度一般入試では、合格者の最低合計点が206点/300点でした。得点率にすると約68.7%です。

年度合格者最低点得点率合格者平均点平均得点率
2026年度206点68.7%217.9点72.6%
2025年度234点78.0%244.4点81.5%
2024年度185点61.7%202.4点67.5%
2023年度176点58.7%189.9点63.3%

ここから分かるのは、「7割取れば必ず合格」という固定的な基準があるわけではないことです。2025年度には最低点が78%まで上がった一方、2024年度は61.7%でした。問題の難易度によって必要得点は大きく動きます。

したがって過去問では、単年度の合格最低点だけを見るより、複数年度を解いて合格者平均点前後を安定して取れるかを確認した方がよいでしょう。

2026年度は社会・理科の合格者平均が高かった

2026年度の合格者平均点を科目別に見ると、次のようになっています。

科目配点合格者平均点得点率
国語90点56.6点62.9%
算数90点66.8点74.2%
社会60点50.0点約83%
理科60点45.0点75.0%

2026年度は特に社会の合格者平均が高く、社会で大きく失点すると他科目で取り返す必要がある入試でした。

一方、2024年度の算数では合格者平均が46.4点、2025年度には77.3点まで上がっており、科目ごとの難易度も年度によってかなり変化します。

立教女学院対策では「算数だけを武器にする」「社会・理科は最低限でよい」と決めつけるより、4教科の中で大きな穴をつくらないことが重要です。90点科目の国語・算数を軸にしながら、社会・理科でも取るべき問題を確実に取る力が求められます。

四谷大塚の80%偏差値は57、50%偏差値は53

2027年中学受験に対応した四谷大塚の合格可能性偏差値では、立教女学院一般入試は次の水準です。

合格可能性四谷大塚偏差値
80%ライン57
50%ライン53

偏差値57という数字だけを見ると、女子上位校の中では手が届きやすく見えることもあります。しかし、2月1日の1回入試であることを考えると、「偏差値が届いているから安心」とは考えにくい学校です。

特に第一志望の場合は、模試の80%ラインを超えることだけでなく、立教女学院の過去問で安定して得点できるかが重要です。問題との相性、時間配分、記述や途中式を含めた答案の作り方まで確認しておきましょう。

反対に、模試偏差値が50%ライン付近でも、過去問との相性がよく、4科で安定して点を積める受験生には十分に挑戦する余地があります。

出願では志望理由や小学校での学習状況も準備しておく

2027年度の一般入試では、インターネット出願の手続きに加えて、指定された出願書類を郵送します。

出願サイトは2026年12月20日から利用でき、1月9日までは入力・保存期間です。正式な出願および書類郵送は2027年1月10日から1月25日までとなっています。

また、出願資格には、入学後に常時保護者と同居できること、立教女学院の教育方針に賛同し、すべての教育活動へ参加できることが定められています。キリスト教徒であることは出願条件ではなく、宗教や通学時間などによる出願制限もありません。

ただし、入学後は礼拝や宗教科を含めて学校の教育活動に参加します。入試対策だけではなく、家庭としてキリスト教教育や学校の教育方針を理解したうえで受験することが前提です。

帰国生入試も2月1日、国語・算数の2教科で実施

帰国生入試も2027年2月1日に実施されます。募集は若干名で、試験科目は国語・算数各45分・各90点です。

項目2027年度帰国生入試
試験日2027年2月1日
募集人数若干名
国語45分・90点
算数45分・90点

2027年度から帰国生の出願資格が変更され、帰国時期と海外在留期間について新しい基準が設けられています。対象となる家庭は、受験年度の募集要項で資格を早めに確認しておく必要があります。

2026年度帰国生入試では、9名が志願、8名が受験し、3名が合格しました。一般入試とは募集枠も選考条件も異なるため、一般入試の倍率と単純に比較するものではありません。

一般生にとって最も重要なのは、2月1日の一度の4科試験で、300点をどう積み上げるかです。複数回入試の学校以上に、過去問演習から得点の再現性を高め、本番で大きな崩れをつくらない準備が合否につながります。

併願校パターン|2月1日の本番を軸に組み立てる女子校受験

立教女学院中学校の併願を考えるうえで最も重要なのは、一般入試が2月1日の1回のみであることです。複数回入試を行う学校のように、「1回目で届かなければ次の回でもう一度」という組み方はできません。

第一志望であれば2月1日は立教女学院に固定し、1月入試で本番経験と合格を確保したうえで、2月2日以降にどの学校を配置するかを考えるのが基本になります。

併願校を選ぶ際には偏差値だけではなく、女子校か共学校か、キリスト教教育を重視するか、大学推薦制度を求めるか、他大学受験の可能性をどこまで残したいかまで含めて比較すると、入学後のミスマッチを減らしやすくなります。

立教女学院を第一志望にするなら、2月1日は迷わず本校へ

立教女学院は2027年度も2月1日に一般入試を実施します。約120名募集の4科入試で、合格発表は同日夜から始まります。

そのため、立教女学院を第一志望とする場合には、2月1日に別の学校を受けながら後日立教女学院へ挑戦するという選択肢はありません。

同じ2月1日には、香蘭女学校第1回、日本女子大学附属第1回、東洋英和女学院A日程、共立女子2月1日入試、成蹊第1回など、併願候補になりやすい学校も試験を行います。これらは立教女学院との同日併願ができないため、どの学校を2月1日の本命にするのかを早い段階で決める必要があります。

立教女学院を受験する家庭では、2月1日の選択以上に、不合格だった場合に2月2日以降どこへ進むかを事前に具体化しておくことが重要です。

1月入試では「合格を持って2月1日へ入る」ことを意識する

東京・神奈川の受験生であれば、1月の埼玉・千葉入試を利用して本番経験を積む方法があります。

代表的な候補には、栄東、淑徳与野などがあります。学校によって共学・女子校、大学附属・進学校など性格は異なりますが、実際の入試会場で時間配分や緊張への対応を経験できることには意味があります。

特に立教女学院は2月1日の一度で結果が決まります。模試ではなく、実際の入試で一度答案を書き、合否発表まで経験してから本番を迎えられるかどうかは心理面でも違います。

ただし、1月校は単なる「練習会場」ではありません。2月の結果によっては実際に進学する可能性があります。通学時間、校風、進路まで確認し、合格したら進学を検討できる学校を選ぶことが基本です。

2月2日は青山学院・香蘭・共立女子など選択肢が広い

立教女学院の結果を受けた翌日の2月2日は、併願計画の大きな分岐点になります。

学校2027年度の日程立教女学院との比較ポイント
青山学院中等部2月2日午前キリスト教教育、大学系列という共通点がある共学校
香蘭女学校中等科 第2回2月2日午後日本聖公会の女子校で、立教大学への関係校推薦制度もある
共立女子中学校 2月2日入試2月2日午前女子校、都心型の進学校として幅広い大学進学を目指せる
日本女子大学附属中学校 第3回2月2日午後2027年度新設。女子大学附属という進路の安定感がある

青山学院は立教女学院と同じキリスト教系で、大学までのつながりを重視する家庭には比較しやすい学校です。ただし共学校であり、入試難度も高いため、立教女学院不合格後の「安全校」として置く学校ではありません。

香蘭女学校は同じ日本聖公会に連なる女子校で、立教大学への関係校推薦枠も大きいことから、教育方針と進路の両面で立教女学院との共通点があります。2027年度第2回は2月2日午後の国語・算数2科入試です。

共立女子や日本女子大学附属は学校文化こそ異なりますが、女子教育を重視しながら大学進学の選択肢を確保したい家庭にとって比較対象になります。

2月3日には東洋英和・日本女子大附属・共立女子が残る

2月3日まで受験を続ける場合にも、女子校を中心に複数の選択肢があります。

学校2027年度の日程特徴
東洋英和女学院中学部 B日程2月3日キリスト教に基づく伝統女子教育
日本女子大学附属中学校 第4回2月3日午前4科入試、大学附属女子校
共立女子中学校2月3日午後国語・算数の2科入試

東洋英和女学院は、立教女学院と同じくキリスト教教育を学校生活の中心に置く伝統女子校です。立教大学への推薦制度という点では異なりますが、礼拝や女子教育を重視して学校を選ぶ家庭には比較しやすいでしょう。

日本女子大学附属は2027年度から入試回数を増やしており、2月2日午後、2月3日午前にも受験機会があります。2月1日午後の算数1科入試は立教女学院の試験終了時刻との兼ね合いがあるため、実際に組む場合には移動時間まで含めた確認が必要です。

共立女子は2月1日、2月2日、2月3日午後と複数の日程があるため、立教女学院を軸にした受験日程へ組み込みやすい学校の一つです。

「立教大学への推薦」を重視するなら香蘭・青山学院も比較したい

立教女学院を志望する理由が「大学受験に追われない中高生活」にある場合は、併願校でも大学への内部進学・推薦制度を確認しておきましょう。

特に比較しやすいのが香蘭女学校です。香蘭は立教女学院と同じ日本聖公会の女子校で、立教大学への関係校推薦枠が設けられています。2025年度卒業生では立教大学への進学が卒業生の約7割を占めており、進路面でも近い選択肢になります。

青山学院中等部もキリスト教教育と大学までの一貫した環境を持っています。ただし共学校であり、渋谷・青山という立地や学校生活の雰囲気は立教女学院とかなり異なります。

日本女子大学附属はキリスト教学校ではありませんが、女子校から日本女子大学へ続く教育環境を持っています。

「女子校」「キリスト教」「大学への道」という3条件をすべて同時に満たす学校は多くありません。そのため、家庭の中で何を最も優先するのかを決めると併願校を選びやすくなります。

立教女学院第一志望の代表的な受験パターン

一例として、立教女学院を第一志望とする場合には次のような組み方が考えられます。

日程受験例考え方
1月栄東・淑徳与野など本番経験と進学可能な合格校の確保
2月1日立教女学院第一志望
2月2日午前青山学院 / 共立女子など学力状況と志望順位で選択
2月2日午後香蘭女学校② / 日本女子大学附属③など女子校・大学連携を重視する候補
2月3日東洋英和B / 日本女子大学附属④ / 共立女子午後など2月2日までの結果を見て受験

ただし、これは全員に当てはまる固定パターンではありません。青山学院をチャレンジ校とする受験生もいれば、立教女学院とほぼ同水準で考える受験生もいます。共立女子や日本女子大学附属についても、模試偏差値や過去問との相性によって位置づけは変わります。

また、午後入試を続けて入れると、移動と疲労が大きくなります。2月1日に立教女学院を4科受験した翌日に午前・午後と2校受け、その翌日も受験する計画が本人にとって現実的かは慎重に考えたいところです。

「安全校」は学校名ではなく、その子の得点状況から決める

併願表でよく使われる「チャレンジ校」「標準校」「安全校」という区分は、学校そのものに固定されているものではありません。

たとえば偏差値が立教女学院より低い学校であっても、過去問で合格最低点を安定して超えられなければ安全校とはいえません。反対に模試偏差値では差が小さくても、過去問で合格者平均を安定して取れる学校なら、実際の受験では安心感が高まります。

立教女学院は2月1日の一回入試なので、第一志望者は特に2月2日の時点で少なくとも一つ「本人が進学してもよいと思える学校」を残しておくことが重要です。

さらに確認したいのが入学手続期限です。立教女学院の2027年度入試では、合格した場合、2月2日正午までに入学金を納付し、同日午前中に来校手続きを行います。他校の合格発表や手続期限と重なることもあるため、受験日程表には試験日だけでなく、合格発表と入学金納付期限まで書き込んでおくとよいでしょう。

立教女学院の併願は、「偏差値の近い女子校を並べる」だけでは完成しません。女子教育、キリスト教、大学推薦、他大学受験、通学、そして実際に合格したときに進学したいと思えるか。この順番まで考えて学校を組み合わせることで、2月1日の一度の入試にも落ち着いて向かいやすくなります。

在校生・保護者の声|自由と落ち着きが共存する女子校の日常

立教女学院について在校生や保護者から聞かれやすいのは、緑の多いキャンパス、比較的自由な校風、三鷹台駅からの通いやすさ、行事や部活動の楽しさ、そして立教大学への推薦制度に関する声です。

一方で、「自由」という言葉は何をしてもよいという意味ではありません。学習や学校生活を自分で管理する姿勢が求められ、人間関係や教員との相性についても感じ方には個人差があります。評判を見る際には、一つの印象だけで学校全体を判断せず、どのような生徒に合いやすい環境なのかを見ることが大切です。

「自由だけれど、自分で考えることを求められる」という校風

立教女学院の学校生活については、細かな管理で生徒を動かすというより、本人の自主性を尊重する学校だと感じる在校生・保護者が多くいます。

学校行事、生徒会、部活動などでも、生徒自身が考えて動く場面があります。校則についても、伝統校だから何もかも厳格に決められているというイメージとは少し異なります。

ただし、自由度が高い環境では、自分で生活や学習を整える必要があります。宿題や定期試験、確認テストがなくなるわけではなく、立教大学への推薦を希望する場合にも成績、英語力、卒業論文、学校生活などの要件があります。

そのため、保護者が毎日細かく管理しなくても、自分の課題を少しずつ自分で把握できるようになってほしいという家庭には合いやすいでしょう。一方、常に学校側から強く学習を引っ張ってもらいたい場合には、入学前に指導スタイルを確認しておきたいところです。

チャペルと緑のあるキャンパスを気に入っている生徒が多い

学校生活の印象としてよく挙がるのが、久我山のキャンパス環境です。

校内には大きな木々が残り、歴史ある聖マーガレット礼拝堂や講堂、中学校校舎などが並びます。冬になるとヒマラヤスギがクリスマスツリーとして飾られ、日常の学校風景が季節によって変わります。

こうした環境は、受験生が学校見学で感じる印象だけではなく、実際に通い始めてからも学校への愛着につながりやすい部分です。礼拝堂や校舎について「学校へ行くのが楽しみになる」と感じる生徒もいます。

一方で、立教女学院の建物には歴史のあるものも多く、すべてが新築の学校ではありません。新しさだけを求めるというより、古い建築と新しい施設が共存する雰囲気を好めるかどうかがポイントです。

三鷹台駅徒歩1分の通学は、保護者からも評価されやすい

アクセスについては、三鷹台駅から徒歩1分という近さを評価する声が目立ちます。

中学1年生が毎日通うことを考えると、最寄り駅から長時間歩かなくてよいことは、雨の日や冬の暗くなる時期にも安心材料になります。駅周辺も大規模な繁華街ではなく、学校までの道のりが非常に短いことも特徴です。

吉祥寺から井の頭線で2駅という立地のため、中央線方面から通う家庭にも利用しやすく、渋谷・明大前方面からも井の頭線を利用できます。

もちろん、実際の通学負担は自宅から三鷹台までの時間によって変わります。乗り換え回数や朝の混雑まで含め、受験前に本人と同じ時間帯で通学経路を試しておくとよいでしょう。

立教大学への道があることを「安心感」と感じる家庭

保護者にとって大きな魅力になりやすいのが、一定の要件を満たせば立教大学への推薦を目指せることです。

中高6年間を大学受験対策だけに使わず、ARE学習、部活動、行事、ボランティア、国際交流などにも時間を使えることを評価する家庭があります。

一方で、入学しただけで立教大学の希望学部まで自動的に決まるわけではありません。推薦には条件があり、学部・学科にはそれぞれ受入枠があります。

また、実際には卒業生の一定数が立教大学以外へ進みます。高校生になって医学、工学、芸術、国公立大学など別の進路を目指したくなったときに、他大学受験へ切り替えられることを評価する家庭もあります。

「立教大学への選択肢を持ちながら、6年間で進路を考えたい」という家庭にとって、この進路の柔軟性は立教女学院を選ぶ理由の一つになります。

マーガレット祭や部活動が友人関係を広げる

生徒からは、マーガレット祭や体育祭、修養キャンプ、部活動など、授業以外の学校生活を楽しんでいるという声も聞かれます。

特にマーガレット祭は、展示や舞台発表を見るだけではなく、生徒自身が準備や運営に関わる大きな行事です。文化部にとっては日頃の活動を発表する場となり、運営に携わる生徒にとってはクラスを越えて人と関わる機会になります。

部活動でも、同じ趣味や目標を持つ仲間と関係をつくれます。ダンスや水泳のように大会を目指す部もあれば、音楽、美術、舞台、科学、茶道、文芸など文化系の選択肢もあります。

女子校だから全員が似たタイプになるわけではありません。興味も性格も異なる約200名が1学年にいるため、クラス以外にも自分の居場所を持てるかどうかが学校生活を楽しむポイントになりそうです。

人間関係や先生との相性は「女子校だから安心」と単純化しない

学校選びでは、人間関係について気にする家庭も少なくありません。

立教女学院についても、友人に恵まれて楽しく通っているという声がある一方、生徒同士の関係や先生との相性についてはさまざまな受け止め方があります。これは約600名の中学生が生活する学校である以上、自然なことでもあります。

「伝統女子校だから人間関係が必ず穏やか」「キリスト教学校だからトラブルが起こらない」と考えるのは適切ではありません。実際の学校生活では、友人との意見の違い、グループ関係、思春期特有の悩みなども経験します。

大切なのは、本人がどのような集団で過ごしやすいかです。少人数の学校を好むのか、女子だけの環境を居心地よく感じるのか、自由度のある校風を楽しめそうかは、偏差値だけでは判断できません。

学校説明会だけでなく、マーガレット祭で「普段の生徒」を見ておきたい

立教女学院を検討するなら、校舎や教育制度の説明だけで学校を決めるのではなく、在校生が実際に動いている場面を見ることをおすすめします。

特にマーガレット祭では、舞台発表、展示、部活動、生徒による運営などを通して、立教女学院の生徒がどのような雰囲気で学校生活を送っているかを感じやすくなります。

説明会では保護者が「よい学校だ」と感じても、実際に6年間通うのは本人です。生徒の話し方、先輩と後輩の関係、校内の空気、礼拝堂や食事スペースで過ごす感覚などを本人がどう受け止めるかも大切にしたいところです。

自由な校風、キリスト教教育、緑のあるキャンパス、立教大学への推薦制度。これらを個別のメリットとして見るだけでなく、その環境で本人が毎日過ごしている姿を想像できるかどうかが、立教女学院との相性を判断する最も分かりやすい基準になります。

この学校に向いている子の特徴|自分で問いを持ち、6年間かけて学びを深めたい子へ

立教女学院に向いているのは、単に「立教大学への推薦制度に魅力を感じる子」だけではありません。毎日の礼拝、ARE学習、女子だけの学校生活、部活動や行事、ボランティアなどを通じて、自分で考えながら少しずつ世界を広げていきたい子との相性がよい学校です。

反対に、学校側から細かな学習管理を受けながら大学受験だけに集中したい場合や、キリスト教教育に強い抵抗がある場合には、入学後の生活が想像と異なる可能性があります。立教大学への推薦制度だけで判断せず、6年間の過ごし方そのものが本人に合っているかを考えたい学校です。

「なぜだろう」と考えることが好きな子

立教女学院の教育を象徴するARE学習では、Ask(問いを持つ)、Research(調べる)、Express(表現する)という流れを中学から高校まで繰り返します。

先生から与えられた問題に正解するだけではなく、「自分は何を知りたいのか」「なぜこの問題が起きているのか」と考えることが学習の出発点になります。

そのため、疑問に思ったことを自分で調べるのが好きな子、本を読んだり人の話を聞いたりしながら考えを深めることが好きな子には取り組みやすいでしょう。

一方、小学生の段階から発表が得意である必要はありません。中1では地域調査や読書から始まり、長崎への修学旅行、平和・人権学習、高校での卒業論文へと段階的に進みます。

「答えを覚える勉強」だけではなく、「自分で問いをつくる勉強」に面白さを感じられるかは、立教女学院との相性を考える大きなポイントです。

細かく管理されるより、自分で判断できるようになりたい子

立教女学院には、生徒の自主性を尊重する校風があります。学校がすべてを細かく決め、その通りに動かすというより、生徒自身が考えて行動する機会を大切にしています。

体育祭やマーガレット祭、部活動、生徒会などでは、学年が上がるにつれて企画や運営を担う場面も増えていきます。

もちろん、中学1年生から完全な自己管理を求められるわけではありません。友人や先生と関わり、時には失敗しながら、自分で判断する範囲を広げていく6年間です。

ただし、自由な環境を「何もしなくてもよい」と捉えてしまうと、学習でも学校生活でも受け身になりやすくなります。提出物や試験に取り組み、自分の生活を整えることも必要です。

保護者や先生から常に指示されるのではなく、少しずつ自分のことを自分で決められるようになりたい子には、この校風が成長のきっかけになります。

キリスト教教育を通して、自分や他者について考えられる子

立教女学院では、毎日の礼拝や週1時間の宗教科、イースター、クリスマスなどが学校生活の一部になっています。

そのため、キリスト教教育は学校選びの際に切り離して考えることができません。家庭がキリスト教徒である必要はありませんが、礼拝や聖書の時間を受け入れられることは大切です。

宗教教育では、聖書の知識だけでなく、他者に寄り添うこと、社会で困難を抱えている人について考えること、自分に何ができるのかを問い直すことが重視されます。

ボランティア活動や長崎での平和学習なども、その考え方とつながっています。

「自分が得をするか」だけでなく、異なる立場の人について想像したり、自分と社会との関係を考えたりすることに抵抗のない子には、立教女学院の教育が自然につながっていくでしょう。

女子だけの環境で、興味や個性をのびのび出したい子

立教女学院は、高校からの募集を行わない完全中高一貫の女子校です。1学年約200名の生徒が、中学から高校まで基本的に同じ学校環境で過ごします。

女子だけの環境では、学級委員、行事運営、スポーツ、舞台、科学活動など、学校のあらゆる役割を女子生徒自身が担います。

「女子だからこの役割」「男子が中心になって進める」といった分担が生まれにくく、生徒自身が興味を持った分野へ入りやすいことは女子校ならではの特徴です。

ダンス、水泳、科学、演劇、音楽、美術、茶道、ボランティアなど、部活動や団体の選択肢も広く、自分と似た興味を持つ仲間を探すことができます。

一方、学校生活の中で男子生徒とも自然に関わりたい子には、共学校の方が合う場合があります。本人が女子校という環境をどう感じるかは、学校説明会やマーガレット祭で在校生の様子を見て確かめておきたいところです。

立教大学への道を持ちながら、進路は6年間かけて考えたい子

立教女学院では、一定の要件を満たせば立教大学への推薦を目指すことができます。この進路上の安心感は、学校を選ぶ大きな理由の一つです。

しかし、立教女学院では卒業生全員が立教大学へ進むわけではありません。医学、工学、国公立大学、芸術系など、本人が学びたい分野によって他大学へ進む生徒もいます。

そのため、小学6年生の時点で「大学まで絶対に立教」と決め切っていなくても構いません。

中高でARE学習や理科、英語、国際交流、部活動などに触れながら関心を見つけ、その分野を立教大学で学べるなら推薦を選ぶ。別の大学へ進む必要があるなら高校で受験コースを選ぶ、という考え方ができます。

一方、最初から東京大学や医学部などへの一般受験を最優先し、中学入学直後から受験対策を徹底したい場合には、大学進学実績を中心にカリキュラムを組む進学校の方が合いやすいこともあります。

「大学名を今すぐ決めるより、中高6年間で何を学びたいかを見つけたい」という子には、立教女学院の進路の幅が生きてきます。

勉強以外にも、一つ夢中になれるものを持ちたい子

立教女学院の6年間には、授業以外にも多くの時間があります。マーガレット祭、体育祭、修養キャンプ、修学旅行、部活動、ボランティア、聖歌隊、ハンドベル、国際交流など、学校生活への入り口は一つではありません。

大会を目指してダンスや水泳に取り組むことも、科学部で実験を続けることも、舞台をつくることも、礼拝で聖歌を歌うこともできます。

こうした活動を大学受験のために高校途中で必ず終了させなければならない学校ではなく、進路によっては高校生活の最後まで続けることもできます。

また、三鷹台駅から徒歩1分のキャンパスには、歴史ある礼拝堂、図書館、ラーニングセンター、体育施設などがあり、放課後まで学校の中で過ごせる環境があります。

「勉強だけできればよい」というより、6年間のうちに勉強とは別の居場所や夢中になれるものも見つけたい子には、学校生活の選択肢を使いやすいでしょう。

入学時点で完成された子より、「自分らしさ」をこれから見つけたい子

立教女学院に入るために、小学生のうちから将来像が明確である必要はありません。

むしろ、ARE学習で問いを持ち、友人と6年間を過ごし、礼拝で自分を振り返り、部活動や行事で役割を経験する中で、「自分は何に関心があるのか」「どんな人になりたいのか」を少しずつ考えていく学校です。

立教大学への推薦制度も、その答えを早く決めるためのものというより、大学受験だけに時間を奪われず、自分の興味を探すための余地を生み出す仕組みとして考えることができます。

緑の多い久我山のキャンパスや歴史あるチャペルに惹かれることも、学校選びのきっかけになります。しかし6年間を考えるなら、それ以上に重要なのは、その環境で自分から何かを始められそうかどうかです。

「まだ将来は決まっていないけれど、6年間の中で自分が本当に大切にしたいものを見つけたい」。そんな子にとって、立教女学院は時間をかけて自分の軸を育てられる学校です。

まとめ|立教大学への道と「自分で考える6年間」を選べる女子校

立教女学院中学校は、1877年から続くキリスト教女子教育を土台に、独自のARE学習、女子だけの中高一貫環境、立教大学への推薦制度を組み合わせた学校です。

三鷹台駅から徒歩1分という通いやすさや、歴史ある礼拝堂と緑の多いキャンパスも印象的ですが、学校選びでより重要なのは、そこでどのような6年間を過ごすのかです。立教女学院では、学力だけではなく、自分で問いを持ち、他者と関わりながら考え、行動することが求められます。

「ARE学習」が6年間の学びを一本につなぐ

立教女学院の教育を理解するうえで中心になるのが、Ask・Research・Expressの頭文字を取ったARE学習です。

中1の地域調査や読書から始まり、中2の修学旅行事前学習、中3の平和・人権学習へとテーマを広げ、高校ではより専門的な探究や卒業論文へつながっていきます。

知識を覚えて試験で正解するだけでなく、自分で疑問を持ち、情報を集め、考えたことを人に伝える。この学び方が、国語や社会、英語といった通常の教科学習とも結びついています。

大学入試のためだけに知識を積み上げるのではなく、大学に入った後にも使える学び方を中高6年間で身につけることが、立教女学院の教育の一つの柱です。

キリスト教教育が学校生活の日常にある

立教女学院では、毎日の礼拝や週1時間の宗教科、イースターやクリスマスといった行事が学校生活の中に組み込まれています。

その目的は、宗教的な知識を身につけることだけではありません。自分自身を振り返ること、異なる立場の人について考えること、社会の中で自分にできることを考えることが重視されています。

長崎への修学旅行、ボランティア活動、平和・人権について考えるARE学習なども、この価値観とつながっています。

家庭がキリスト教徒である必要はありませんが、礼拝や聖書を含めた教育そのものを受け入れられるかは、受験前に確認しておきたい重要なポイントです。

立教大学への推薦がありながら、進路を一つに固定しない

立教女学院の進路面で大きな特徴となるのが、立教大学への推薦制度です。

2026年3月卒業生180名のうち110名が立教大学へ推薦進学しており、多くの生徒にとって中心的な進路になっています。一方で、残る生徒は国公立大学、早慶上理、医学部、芸術系など、それぞれの希望に応じて外部進学を選んでいます。

高校では進路に合わせてコースが分かれ、立教大学への推薦を目指す生徒と、他大学を受験する生徒の双方に対応します。

小学6年生の段階で将来の学部まで決める必要はありません。立教大学という選択肢を持ちながら、中高6年間で自分が本当に学びたい分野を探せることが、この学校の進路制度の特徴です。

女子だけの環境で、自分たちが学校をつくっていく

立教女学院は、高校からの募集を行わない完全中高一貫の女子校です。

体育祭やマーガレット祭、生徒会、部活動、礼拝での役割など、学校生活のあらゆる場面を女子生徒自身が担います。スポーツでも科学でも舞台でも、性別による役割分担を意識せずに挑戦できる環境です。

また、中学から高校まで基本的に同じ学校で過ごすため、友人や先輩・後輩との関係を長い時間をかけて育てられます。

一方で、共学校の環境を希望する子には別の選択肢が合う場合もあります。女子だけの集団を本人が心地よく感じられるかは、実際の在校生を見ることで判断しやすくなります。

キャンパスの雰囲気も6年間の学校生活の一部になる

三鷹台駅から徒歩1分というアクセスのよさに加えて、立教女学院には長く育った木々、1930年代から使われている礼拝堂や講堂、図書館、ラーニングセンター、総合体育館などがあります。

歴史ある建築を残しながら、ICTや探究学習に対応した新しい施設も整えています。古いものと新しいものをどちらか一方に寄せず、日常の中で共存させているところも学校らしさの一つです。

受験時には「駅から近い」「校舎がきれい」という印象になりやすいですが、入学後はそのキャンパスで毎朝礼拝をし、授業を受け、部活動をし、友人と昼食をとることになります。

施設をスペックとして見るより、ここで6年間を過ごしたいと思えるかという視点で学校を見てみるとよいでしょう。

立教大学への推薦制度だけでなく、「どんな6年間を送りたいか」で選びたい

立教女学院を志望する理由として、立教大学への推薦制度は確かに大きなものです。しかし、それだけで学校を選ぶと、入学後の生活との相性を見落とす可能性があります。

毎日の礼拝があり、ARE学習では自分で問いを持ち、マーガレット祭や部活動では生徒自身が動きます。自由度がある分、自分で考え、行動し、学習を管理することも求められます。

学校説明会では教育制度を確認し、マーガレット祭などでは実際の生徒の雰囲気を見る。できれば本人自身が校内を歩き、「この先輩たちと同じ学校生活を送りたいか」を感じてみることが大切です。

立教大学への道を持ちながら、大学受験だけに追われず、自分の関心や価値観を6年間かけて育てたい。そう考える家庭にとって、立教女学院は有力な選択肢になる学校です。

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