【2026年版】立教池袋中学校の評判は?「賜物」探しと立教大学への一貫連携が特徴の男子校を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|キリスト教精神と「賜物」探しを軸にした男子教育
    1. 立教池袋中学校の基本情報
    2. 源流は1874年、ウィリアムズ主教が築地に開いた立教学校
    3. 建学の精神は「キリスト教に基づく人間教育」
    4. 学校生活のテーマは「賜物探しの6年間」
    5. 「テーマをもって真理を探求する」「共に生きる」が教育の軸
    6. 中高6年間の先に立教大学を見据える「一貫連携教育」
  2. アクセスと立地環境|池袋・要町から通える都心のキャンパス
    1. 池袋駅から徒歩10分、利用できる路線は非常に多い
    2. 有楽町線・副都心線なら要町駅から徒歩5分
    3. 池袋駅を使えば、埼玉・多摩・神奈川方面まで通学圏が広がる
    4. 西武池袋線なら椎名町駅という選択肢もある
    5. 立教大学と隣り合う「立教の街」の中で学ぶ
    6. 繁華街の池袋と、学校周辺の西池袋は雰囲気が異なる
  3. 教育方針とカリキュラム|少人数教育で育てる「Rikkyo Boy」の学び
    1. 基礎学力と「言葉の力」を6年間の土台にする
    2. 中学では週2時間の「選科」で、補習と発展の両方に対応
    3. 英語は中1から高3まで週7時間、半分以上をハーフクラスで学ぶ
    4. 数学は小テストと選科で基礎を固め、「なぜそうなるか」まで考える
    5. リーダーシップ・シチズンシップ・グローバルの3つの柱
    6. テストの点数だけでは決まらない「認定制」の評価
    7. 中学の学びは、立教大学まで続く一貫連携教育へ
  4. 学習環境と施設設備|大学と隣接するキャンパスで広がる学びと活動
    1. 中学生は3階、高校生は4階で学ぶ校舎
    2. 約7万冊を備える図書館は、授業でも使う学習拠点
    3. 中学生も1人1台のタブレット型PCを使用
    4. 50mの屋内温水プールと全面人工芝グラウンド
    5. アリーナ、ランニングコース、トレーニングルームまで備える体育館
    6. 昼食は弁当が基本、売店や宅配弁当も利用できる
    7. 保健室と相談室で心身の両面を支える
  5. 学校生活と行事|礼拝・キャンプ・文化祭がつくる6年間の経験
    1. 学校生活の節目にある礼拝とキリスト教行事
    2. 5月の特別プログラム、中1・中2は2泊3日のキャンプへ
    3. 中3の校外学習は、行き先から生徒が考える
    4. 体育祭は種目づくりから生徒が関わる
    5. 11月2日・3日の「R.I.F.」は立教池袋最大の文化行事
    6. 合唱コンクールと希望制プログラムで年度を締めくくる
  6. クラブ活動|学年を越えて「好き」を深める学友会活動
    1. 運動部は人工芝グラウンドや50m温水プールを日常的に使う
    2. 球技は中高別、それ以外には中学生と高校生が一緒に活動する部も
    3. 学芸部は中1から高3まで一緒に活動
    4. 鉄道研究部は「鉄道好き」を研究・制作・交流へ広げる
    5. 演劇・吹奏楽・放送など、R.I.F.が発表の場になる
    6. キリスト教学校ならではのクワイヤーと奉仕活動
    7. 学友会は「何を続けたいか」を見つける場所
  7. 進学実績と卒業後の進路|立教大学への推薦進学と他大学への選択肢
    1. 卒業生の8〜9割が立教大学へ進学
    2. 立教大学への推薦には6つの条件がある
    3. 希望学部は高校3年間の成績だけでは決まらない
    4. 高校の「卒業研究論文」が大学進学にも関わる
    5. 他大学へ進む場合は、立教大学への被推薦権を放棄する
    6. 指定校推薦で立教大学以外へ進む選択肢もある
    7. 「大学に入るための6年間」から「大学で何をするかを考える6年間」へ
  8. 学費や諸経費について|初年度納入金と中高6年間で考える教育費
    1. 2026年度の年間学費は113万4,000円
    2. 入学時には40万円を納入、そのうち10万円は維持資金の一部
    3. 中学から高校まで年間学費は同額
    4. 制服は「すべて学校指定品を一式購入」するタイプではない
    5. ICT端末は中学から日常の学用品になる
    6. 海外プログラムを利用する場合は別途費用が必要
    7. 寄付金は任意、中1では1口10万円を3口
  9. 入試情報と合格の目安|一般入試と自己アピール面接を整理
    1. 2027年度は第1回約50名、第2回約20名を募集
    2. 第1回は2月2日の4科入試
    3. 第2回は国算2科+「自己アピール面接」
    4. 第2回は「大会実績がある子だけ」の入試ではない
    5. 2026年度は第1回3.0倍、第2回8倍超
    6. 四谷大塚の80%偏差値は第1回58、第2回59
    7. 帰国児童入試は12月3日、国算と個人面接で選考
  10. 併願校パターン|2月2日・5日の入試日程から考える男子校受験
    1. 2月1日に早稲田などへ挑戦し、2日に立教池袋という組み方
    2. 立教大学への進学を重視するなら「立教新座+立教池袋」
    3. 青山学院も大学附属志向では比較対象になるが、試験日は同じ2月2日
    4. 男子進学校を組み込むなら城北・成城・獨協など
    5. 立教池袋第一志望なら、2月1日に合格を一つ確保できると強い
    6. 第2回を「最後の安全網」と考えるのは危険
    7. 「チャレンジ・標準・安全」は本人ごとに変わる
  11. 在校生・保護者の声|少人数の男子校で過ごす立教池袋の日常
    1. 「アットホーム」「先生との距離が近い」という声
    2. 自由な校風。ただし「何でも自由」ではない
    3. 大学附属校らしい穏やかさと、日々の学習管理
    4. クラブに熱中できることを学校生活の良さに挙げる生徒も多い
    5. 施設の充実は、生徒にとってかなり身近なもの
    6. 池袋という立地への安心と心配は、家庭によって分かれる
    7. 立教大学への道が見えているからこそ、本人の姿勢が問われる
  12. この学校に向いている子の特徴|大学受験だけに縛られず自分の「賜物」を探したい子へ
    1. 大学受験一辺倒ではない中高生活を送りたい子
    2. 一つの「好き」を何年も深掘りできる子
    3. 細かく管理されるより、自分で考えて動きたい子
    4. 男子だけの少人数環境で、長く付き合える仲間をつくりたい子
    5. キリスト教教育を、宗教科目ではなく「考える時間」として受け入れられる子
    6. 立教大学に魅力を感じつつ、学部まで今決めたくない子
    7. 「受験がないから楽」ではなく、「空いた時間で何をするか」を考えられる子
  13. まとめ|立教大学へ続く10年間の中で自分のテーマを見つける学校
    1. 「賜物」を探すことが6年間の中心にある
    2. 立教大学への一貫連携は「受験がない」以上の意味を持つ
    3. 1学年約150人の男子校という規模も学校らしさをつくる
    4. 池袋のキャンパスで、学校と大学が日常的につながる
    5. 他大学受験を第一目的にする学校ではない
    6. 「大学附属だから」だけでなく、「この6年間を送りたいか」で選びたい

学校の概要|キリスト教精神と「賜物」探しを軸にした男子教育

立教池袋中学校は、東京都豊島区西池袋にある私立男子中学校です。立教大学、立教小学校などを擁する学校法人立教学院の一校で、中学校から高校、さらに立教大学までを視野に入れた「一貫連携教育」を行っています。

大学附属校という性格を持ちながら、教育の中心に置かれているのは早い段階から進路を固定することではありません。生徒一人ひとりが持つ個性や能力を「賜物(たまもの)」と捉え、授業、行事、学友会活動、海外研修などを通して、自分が何に興味を持ち、どのように生きたいのかを考えていきます。

立教池袋中学校の基本情報

学校名立教池袋中学校・高等学校
所在地東京都豊島区西池袋5-16-5
設置区分私立男子中学校・高等学校
教育形態中高一貫教育、高校募集あり
設置法人学校法人立教学院
宗教キリスト教(日本聖公会)
クラス編成中高とも各学年4クラス

中学校は1学年4クラスで、150名前後の規模です。毎年クラス替えが行われるため、6年間の中で学年内のさまざまな生徒と関わる機会があります。数百人規模のマンモス校ではなく、教員からも学年全体が見えやすい規模感です。

源流は1874年、ウィリアムズ主教が築地に開いた立教学校

立教の歴史は、1874年に米国聖公会の宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が東京・築地に開いた私塾から始まります。1896年には立教尋常中学校が設置され、現在の立教池袋につながる中等教育が本格的に始まりました。

1923年の関東大震災で築地の中学校校舎が焼失した後、中学校も池袋へ移転します。その後、学制改革によって新制立教中学校・高等学校となり、2000年には現在の「立教池袋中学校・高等学校」という校名になりました。

池袋という街は現在では巨大な商業・交通拠点ですが、立教にとっては大学を含め100年以上にわたって教育を続けてきた場所でもあります。中学校のすぐ隣には立教大学池袋キャンパスがあり、「系列大学が遠くにある附属校」ではなく、大学を日常的に身近に感じられる環境です。

建学の精神は「キリスト教に基づく人間教育」

立教学院の建学の精神は、「キリスト教に基づく教育」です。立教池袋でも、聖書や礼拝は学校生活の一部として組み込まれています。

ここで重視されるのは、宗教知識そのものを覚えることよりも、一人ひとりをかけがえのない存在として尊重し、自分とは異なる考え方を持つ他者とどう共に生きるかを考えることです。

礼拝の時間を持ち、聖書を読みながら、自分自身や社会について考える。学力や順位とは別の尺度から人間を見る時間が、中高6年間の日常の中に置かれています。

立教でしばしば語られる「自由と自律」も、このキリスト教教育と切り離されたものではありません。好き勝手に行動する自由ではなく、他者を尊重しながら、自分で考えて選び、その結果に責任を持つことが求められます。

学校生活のテーマは「賜物探しの6年間」

立教池袋を理解するうえで重要な言葉が「賜物」です。生徒がそれぞれ持っている能力、個性、関心を、誰かと比較して優劣をつけるものではなく、その人に与えられた「賜物」として捉えます。

そのため、「勉強ができること」だけを生徒の価値にはしません。スポーツに夢中になる生徒、鉄道について徹底的に調べる生徒、音楽や美術に力を注ぐ生徒、海外へ関心を広げる生徒など、興味の方向はそれぞれ違っていてよいという考え方です。

学校側が一人ひとりに「あなたの才能はこれです」と答えを与えるわけでもありません。授業、学友会、行事、キャンプ、選択講座などに取り組む中で、生徒自身が「これは面白い」「もっと知りたい」と感じるものを探します。

大学受験だけを目的にした6年間ではないからこそ、こうした時間を比較的取りやすいのが立教池袋です。

「テーマをもって真理を探求する」「共に生きる」が教育の軸

立教学院の一貫連携教育では、「テーマをもって真理を探求する力を育てる」ことと、「共に生きる力を育てる」ことを共通の教育目標としています。

立教池袋では、これをさらに「リーダーシップ教育」「シチズンシップ教育」「グローバル教育」という3つの柱へ展開しています。

  • リーダーシップ教育:自ら考え、周囲と協働しながら行動する力を育てる
  • シチズンシップ教育:社会の一員として他者と共に生き、社会へ関わる姿勢を養う
  • グローバル教育:異なる文化や価値観を理解し、世界と地域の双方を見る視点を育てる

ここでいうリーダーシップも、全員を組織の先頭に立つ人物にするという意味ではありません。自分の考えを持ちながら、必要な場面で他者と協力し、自分の力を周囲のためにも使えることを重視しています。

中高6年間の先に立教大学を見据える「一貫連携教育」

立教池袋は中高一貫校ですが、教育の時間軸は6年間だけではありません。高校卒業後に立教大学へ進む生徒が多いため、中学入学から大学卒業までの10年間を一つの長い成長過程として考えることができます。

中学生の段階から立教大学生とのキャリア学習などがあり、高校では大学の授業を履修できる特別聴講生制度など、学校段階を越えたプログラムも用意されています。

ただし、一貫連携教育は「入学すれば自動的に大学まで進める」という制度ではありません。中学校から高校、高校から大学へ進む際には、それぞれ推薦基準があります。中学校から立教池袋高校へも、例年多くの生徒が推薦制度を利用して進学しています。

この仕組みの意味は、受験競争から完全に離れることよりも、受験勉強以外にも時間を使えることにあります。部活動を続ける、海外へ出る、興味のあるテーマを研究する、高校で卒業研究論文を書く。大学への道が見えているからこそ、その途中の6年間を何に使うかが問われます。

立教池袋は、「大学附属だから安心」という一言だけでは少し捉えにくい学校です。キリスト教に基づく人間教育の中で、自分の「賜物」を探し、立教大学まで続く時間を使って自分なりのテーマを育てる。そこに、この男子校の教育の中心があります。

アクセスと立地環境|池袋・要町から通える都心のキャンパス

立教池袋中学校は、東京都豊島区西池袋5丁目にあります。最寄り駅は東京メトロ有楽町線・副都心線の要町駅で、6番出口から徒歩5分。池袋駅西口からは徒歩10分、西武池袋線の椎名町駅からも徒歩10分です。

池袋という巨大ターミナルを利用できる一方、学校があるのは百貨店や繁華街が集中する東口側ではなく、西池袋の立教大学に隣接する一帯です。中学校・高校、立教大学、立教小学校など立教学院の教育施設が集まり、駅前の商業地とは少し異なる街並みの中で6年間を過ごします。

池袋駅から徒歩10分、利用できる路線は非常に多い

利用路線学校まで
池袋駅JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、東京メトロ丸ノ内線・有楽町線・副都心線、西武池袋線、東武東上線西口から徒歩10分
要町駅東京メトロ有楽町線・副都心線6番出口から徒歩5分
椎名町駅西武池袋線徒歩10分

池袋駅にはJR、東京メトロ、西武、東武の各線が集まります。埼玉方面なら東武東上線やJR埼京線、西東京方面なら西武池袋線、東京都心や神奈川方面なら副都心線・湘南新宿ラインなど、居住地に応じて経路を組みやすい立地です。

中学校の通学圏を考えると、池袋まで一本で来られる地域はかなり広くなります。中高6年間に加え、立教大学へ進学した場合にはさらに4年間池袋へ通う可能性もあるため、通学経路は学校選びの段階で一度具体的に考えておきたいところです。

有楽町線・副都心線なら要町駅から徒歩5分

学校に最も近い鉄道駅は要町駅です。有楽町線・副都心線が乗り入れ、6番出口から徒歩5分で校門へ着きます。

副都心線は和光市方面から池袋、新宿三丁目、渋谷を結び、その先は東急東横線方面へ直通します。有楽町線も和光市から飯田橋、有楽町方面へ延びています。そのため、東京都北西部や埼玉県南部だけでなく、都心南西部からも利用できます。

池袋駅のような大規模駅では、ホームから改札、さらに駅の出口までに数分かかることがあります。要町駅は学校までの徒歩距離が短いため、利用路線が合う家庭なら日々の通学をかなりシンプルにできます。

池袋駅を使えば、埼玉・多摩・神奈川方面まで通学圏が広がる

池袋駅は、首都圏でも鉄道路線が特に集中する駅の一つです。東武東上線なら和光市・志木方面、西武池袋線なら練馬・所沢方面、JR埼京線なら赤羽・大宮方面とつながります。

副都心線や湘南新宿ラインを使えば、新宿・渋谷方面からもアクセスできます。通学先として見た場合、「東京23区の学校」というより、埼玉県南部や多摩地域を含む広いエリアから通える男子校と考えた方が実態に近いでしょう。

複数路線が利用できることには、平常時の利便性だけでなく、遅延や運休時に別経路を検討しやすいという利点もあります。毎日の通学では、最短時間だけでなく、乗り換え回数や混雑、代替路線の有無まで見ておくとよいでしょう。

西武池袋線なら椎名町駅という選択肢もある

西武池袋線の椎名町駅からも徒歩10分です。池袋駅の一つ隣の駅なので、西武池袋線沿線から通う生徒にはこちらを利用する選択肢があります。

池袋駅まで出てから歩く場合と椎名町駅で降りる場合では、電車の種別や乗り換えによって実際の所要時間が変わります。西武線沿線の家庭なら、説明会や文化祭の際に両方の経路を試しておくと、毎日の通学をイメージしやすくなります。

鉄道以外では、池袋車庫バス停から徒歩5分、池袋二丁目バス停から徒歩4分という経路もあります。居住地によっては鉄道とバスを組み合わせることも可能です。

立教大学と隣り合う「立教の街」の中で学ぶ

立教池袋の立地で特徴的なのは、単に大学の系列校であるだけでなく、立教大学池袋キャンパスがすぐ隣にあることです。

赤レンガの建物や並木が印象的な大学キャンパスが日常のすぐそばにあり、大学生の姿も身近です。中学生にとって立教大学は、パンフレットで見る遠い進学先ではなく、普段から存在を感じられる場所になります。

立教大学との連携授業や高校での特別聴講制度などを考えても、この距離は教育面で意味を持ちます。「大学附属」という制度上のつながりと、同じ地域で学ぶという物理的な近さが重なっている学校です。

繁華街の池袋と、学校周辺の西池袋は雰囲気が異なる

池袋という地名から、駅前の繁華街の中を毎日通学する印象を持つ家庭もあるかもしれません。立教池袋がある西池袋5丁目は、池袋駅前から少し離れ、立教学院の施設や住宅が並ぶ地域です。

もちろん、巨大ターミナルの徒歩圏にある以上、郊外型の学校とは環境が異なります。中学生が池袋を利用することになるため、通学経路や放課後の過ごし方については家庭でも確認しておきたいところです。

一方で、駅から学校までの距離は長くありません。要町駅なら徒歩5分、池袋駅からでも徒歩10分です。部活動や行事で荷物が多い日、雨の日、冬の夕方などを考えると、駅からのこの距離は6年間の日常に効いてきます。

巨大ターミナルを利用できる広い通学圏と、立教大学に隣接した教育環境が同居していることが、立教池袋の立地を考えるうえで重要です。受験を検討する際には、池袋駅からの経路だけでなく、要町駅や椎名町駅も含め、本人が実際に使うことになりそうなルートを歩いてみるとよいでしょう。

教育方針とカリキュラム|少人数教育で育てる「Rikkyo Boy」の学び

立教池袋の教育は、大学受験へ向けて早く先取りすることを中心には置いていません。中学から高校、さらに立教大学まで続く時間を見通しながら、基礎学力を固め、自分の興味を掘り下げ、他者と関わる力を育てていきます。

教育目標は、「テーマをもって真理を探求する力を育てる」「共に生きる力を育てる」の二つ。その具体的な実践として、リーダーシップ教育、シチズンシップ教育、グローバル教育という3本の柱が置かれています。

基礎学力と「言葉の力」を6年間の土台にする

立教池袋では、中高一貫教育によって生まれる時間的な余裕を使い、基礎から発展まで偏りなく学ぶことを重視しています。難しい内容へ急いで進むより、一つひとつの理解を確かめながら次の段階へ進む考え方です。

教科を横断して大切にされているのが「言葉の力」です。自分が考えたことを的確な言葉で表し、相手の言葉からその考えや思いを受け取る力を、国語や英語だけでなく学校生活全体の基礎としています。

国語では、文学作品や古典を読み込むとともに、作文、読書感想文、エッセイ、主張文など、自分で文章を書く機会を多く設けています。高校では卒業研究論文を書くため、中学生の段階から「自分の考えを文章として組み立てる」経験を積み上げていきます。

中学では週2時間の「選科」で、補習と発展の両方に対応

立教池袋のカリキュラムで特徴的なのが、中学生を対象とする週2時間の「選科」です。

選科には、基礎を補う「選科A」と、興味や得意分野を深める「選科B」があります。1年間を前半と後半の二期に分けているため、前半は苦手な数学を学び直し、後半は別の発展講座へ移る、といった使い方もできます。

講座内容も、単純な補習だけではありません。「百人一首の世界」のように古典を深く読む授業や、「私たちとジェンダー」のように社会の問題を考える授業など、通常の必修科目から一歩外へ出たテーマも扱います。

大学附属校で生まれる時間的な余裕を、授業時間を減らす方向ではなく、苦手を補うことと、好きなことを深掘りすることの両方に使っているのが立教池袋のカリキュラムです。

英語は中1から高3まで週7時間、半分以上をハーフクラスで学ぶ

英語は中学1年から高校3年まで、全学年で週7時間の必修授業があります。文法・語彙を学ぶ授業に加え、映画、音楽、ニュースなど実際の英語を使った教材、作文、スピーチ、会話などを組み合わせています。

7時間のうち3時間はホームルーム単位、残る4時間はハーフクラスで実施します。少人数の授業では、口頭練習、作文、スキット、スピーチなど、生徒自身が英語を使う時間を多く取ります。

また、全学年で週1回はネイティブ教員による授業があります。中学1〜3年には、入学以前から一定の英語力を持つ生徒を対象としたSpecial Advanced Class(Sクラス)も設置され、Sクラスでは週7時間のうち3時間をネイティブ教員が担当します。

一方、通常クラスでは単元ごとの小テストや口頭テストを細かく行います。大学附属校だから英語の到達度を問わないわけではなく、高校から立教大学へ推薦される際にも英語力の要件があります。中学から6年間かけて積み上げる理由はここにもあります。

数学は小テストと選科で基礎を固め、「なぜそうなるか」まで考える

数学では、中学段階でまず計算力を確実に身につけることを重視します。授業用ノートと問題演習用ノートを分け、理解度や進み具合を確認しながら指導します。

小さな単元ごとに小テストを行い、理解が不十分なまま先へ進みにくい仕組みです。夏休みには補習も行われ、苦手な生徒には選科を利用した学び直しもあります。

ただし、計算練習だけを繰り返すわけではありません。公式や定理についても、「覚えて使う」より、なぜその式が成り立つのかを考えることを重視します。図形の証明では結論へ向かって論理を積み上げるだけでなく、結論から逆向きに必要な条件を考えるなど、筋道を立てる思考を扱います。

大学入試の解法パターンを早く覚えるというより、数学そのものを考える時間を取れるのは、立教池袋らしいところです。

リーダーシップ・シチズンシップ・グローバルの3つの柱

教科学習と並行して、立教池袋では3つの教育の柱を学校生活全体に組み込んでいます。

教育の柱主な考え方・活動
リーダーシップ教育役職の有無にかかわらず、自分の力を生かして他者と協働する。中1・中2のキャンプ、高校での企業課題解決型学習などにつながる
シチズンシップ教育社会の課題に気づき、その背景を考えて行動する。中1のしょうがい体験、中2のパラスポーツ体験、ボランティア、デジタル・シティズンシップ教育などを行う
グローバル教育外国を見るだけでなく、自分たちが暮らす地域も含めて多様な文化・価値観を理解する。語学教育や国際交流プログラムへつなげる

立教池袋が考えるリーダーシップは、生徒会長や部長のような役職を持つ人だけの能力ではありません。一人ひとりが自分のできることを見つけ、他者と協力しながら集団へ働きかけることを含んでいます。

シチズンシップ教育ではICTの使い方も扱います。端末を操作できることだけではなく、情報社会の中でどのような判断や行動をするべきかまで考える「デジタル・シティズンシップ」を重視しています。

テストの点数だけでは決まらない「認定制」の評価

成績評価には「認定制」という仕組みを採用しています。各教科で定められた目標に到達しているかによって合格・不合格を判定する到達度評価です。

評価材料になるのは定期テストだけではありません。小テスト、提出物、授業中の発表なども含めて、その教科で求められている学習に取り組めているかを判断します。合格者のうち、特に優れた到達度を示した生徒には「A合格」「B合格」という評価もあります。

大学附属校では「受験がないから勉強が緩いのでは」と考えられることがありますが、立教池袋の仕組みは少し違います。入試のために一時的に点数を上げるのではなく、日々の授業、小テスト、提出、発表まで含めて継続的に取り組むことが求められます。

中学の学びは、立教大学まで続く一貫連携教育へ

立教池袋では、中学生の段階から立教大学との接点があります。中学3年では立教大学生から学部・学科を選んだ理由や大学生活について聞くキャリア学習、中学2・3年では卒業生によるキャリア講演会などが行われます。

夏休みには、教職課程を履修している立教大学生が中学生を対象に補習講座を行う取り組みもあります。

高校へ進むと連携はさらに深まり、高3では約50種類の自由選択講座から毎日2時間分を選択します。立教大学の教員が担当する講座もあり、さらに大学の授業そのものを履修できる特別聴講生制度も用意されています。そこで取得した単位は高校の卒業単位となり、立教大学進学後には大学の卒業要件単位としても認定されます。

中学校から大学まで同じ内容を一直線に学ぶという意味での一貫教育ではありません。基礎を固めながら興味の枝を増やし、その中から自分のテーマを選び、大学でさらに深める。この時間の使い方が、立教池袋のカリキュラムを最もよく表しています。

学習環境と施設設備|大学と隣接するキャンパスで広がる学びと活動

立教池袋の校舎は、立教大学池袋キャンパスに隣接しています。普通教室や理科実験室、図書館といった学習施設だけでなく、50mの屋内温水プール、全面人工芝のグラウンド、アリーナ、テニスコートなどの運動施設も同じ敷地内にまとまっています。

大学附属校らしいのは、施設の規模だけではありません。中学校、高校、大学が近接しているため、高校での大学授業の履修や大学教員との連携など、学校段階を越えた学びにつなげやすい環境になっています。

中学生は3階、高校生は4階で学ぶ校舎

普通教室は、中学生が校舎3階、高校生が4階を使用します。それぞれ12教室が配置されており、1学年4クラスのため、中学3学年が同じフロアで生活する構成です。

普通教室にはプロジェクターが備えられ、授業ではタブレット型PCと組み合わせて資料提示、課題共有、発表などに使われています。教室前の廊下にも比較的広いスペースがあり、通常の授業とは異なる活動にも利用できます。

英語については、少人数授業用の専用教室が10室あります。§3で触れたハーフクラス授業を日常的に行えるよう、カリキュラムだけでなく教室側も少人数教育に対応しています。

約7万冊を備える図書館は、授業でも使う学習拠点

校舎1階には図書館があります。蔵書は7万冊を超え、文学、歴史、自然科学、社会科学など幅広い分野の資料を備えています。

中学1年では図書館利用のガイダンスが行われ、その後は各教科の授業でも利用します。自由読書の場所というだけでなく、課題について調べたり、レポートを書くための資料を探したりする学習施設です。

立教池袋では、中学から文章を書く機会を重ね、高校では卒業研究論文に取り組みます。そのため、Web検索だけで情報を集めるのではなく、書籍や資料から必要な情報を探す力も6年間を通して身につけていきます。

校舎5階にはセンテニアルホールもあります。最大520人を収容できる多目的ホールで、講演、学校行事、説明会、文化活動などに使用されます。全校規模の活動を校内で行える空間です。

中学生も1人1台のタブレット型PCを使用

立教池袋では、2022年度から中学生にも1人1台のタブレット型PCを導入しています。高校ではBYOD方式を採用しており、中学から高校へ進むにつれて、ICTをより自由に使う段階へ移っていきます。

学校ではICT教育について、「情報統合力」「思考力」「コミュニケーション力」「情報モラル」の4つを目標に掲げています。端末操作そのものを学ぶのではなく、調べた情報を整理し、文章や資料にまとめ、他者へ伝えるための道具として扱います。

授業ではMicrosoft Teamsなどを利用し、課題の配信・提出、資料共有、教員とのやり取りなどを行います。タブレットへ手書きで書き込んだり、音声・動画を使って課題を提出したりすることもできます。

中学校の技術・家庭ではMicrosoft Officeの基本操作も学びます。その先には、高校でのプレゼンテーションや卒業研究論文があります。中1から端末を持たせること自体より、6年間かけて「自分で情報を扱える人」にしていくことがICT教育の目的です。

50mの屋内温水プールと全面人工芝グラウンド

運動施設では、地下1階にある50m×6コースの屋内温水プールが目を引きます。水深は1.2〜1.5mで、年間を通して使用できます。水泳の授業だけでなく、水泳部の活動にも使われています。

グラウンドは全面人工芝で、陸上、野球、サッカー、テニスなど複数の競技に対応しています。周囲には全天候型の走路も設けられています。池袋駅から徒歩圏という立地を考えると、校内にこれだけの運動空間を確保しているのは学校生活を考えるうえで無視できません。

テニスコートは砂入り人工芝で3面。さらに校舎5階には29m×12mの屋内練習場があり、野球部やゴルフ部などが利用します。天候に左右されにくい活動場所も確保されています。

アリーナ、ランニングコース、トレーニングルームまで備える体育館

体育館は地下1階・地上4階からなる「ポール・ラッシュ・アスレティックセンター」です。1階のアリーナはバスケットボールコート2面分の広さがあり、体育の授業や運動部の活動、学校行事などに使われます。

2階部分には1周125mのランニングコースが設けられています。さらに各種トレーニングマシンを備えたトレーニングルームもあり、競技練習だけでなく基礎体力づくりにも利用できます。

立教池袋では学友会活動への参加が学校生活の中で大きな比重を占めます。サッカー、野球、水泳、バスケットボール、陸上など、活動場所を校外施設に大きく頼らずに済むことは、放課後の時間の使い方にも関わります。

昼食は弁当が基本、売店や宅配弁当も利用できる

中学生には給食がなく、昼食は原則として家庭から弁当を持参します。一方、毎日必ず家庭で用意しなければならないわけではなく、弁当宅配サービスを利用することもできます。

校舎1階にはカフェテリアと売店があり、売店ではパン、おにぎりなどの軽食を購入できます。忘れた日や朝に弁当を用意できなかった場合にも、校内で昼食を確保する方法があります。

カフェテリアは南北に窓を持つ開放的な空間で、休み時間には生徒が集まる場所にもなっています。教室とは別に友人と過ごせる場所が校内にあることも、日常の学校生活では案外重要です。

保健室と相談室で心身の両面を支える

校舎1階には保健室があり、怪我や体調不良への対応だけでなく、生徒が相談に訪れる場所としても利用されています。

さらに相談室が設けられ、カウンセラーが常駐しています。生徒だけでなく保護者も相談でき、心理・保健・生活・宗教の4分野を担当する専門教員も相談窓口になります。

中高6年間には、学習だけでなく友人関係、思春期の悩み、家庭との関係、進路など、さまざまな問題が出てきます。担任だけで全てを抱えるのではなく、内容に応じて別の大人へ相談できる仕組みを用意しています。

立教池袋の施設を見ていくと、派手な設備を増やすというより、授業、読書、研究、ICT、運動、学友会、相談と、中高生の日常に必要な機能を校内にきちんと配置していることが分かります。そしてその隣には立教大学があります。大学まで続く10年間を意識する学校にとって、この物理的な近さもまた、教育環境の一部になっています。

学校生活と行事|礼拝・キャンプ・文化祭がつくる6年間の経験

立教池袋の学校生活には、キリスト教学校としての礼拝、生徒主体の体育祭や文化祭、自然の中で過ごすキャンプ、行き先から自分たちで考える校外学習など、性格の異なる行事が組み込まれています。

学校行事を「みんなで同じことをする日」として終わらせず、自分で考える、他者と協力する、普段とは違う環境へ出るという経験につなげているのが特徴です。中学1年から高校まで参加するうちに、行事の中で担う役割も少しずつ変わっていきます。

学校生活の節目にある礼拝とキリスト教行事

立教池袋では、礼拝が日常の学校生活に組み込まれています。キリスト教について知識として学ぶだけではなく、一度立ち止まり、自分や他者について考える時間として位置づけられています。

特に大切な礼拝は学校全体で守ります。代表的なのがクリスマス礼拝で、全生徒・教職員に加え、PTAの保護者も参加し、立教大学のホールで行われます。

礼拝ではアコライトギルド、クワイヤー、吹奏楽部などの生徒も奉仕に参加します。クリスマスを単なる季節行事として祝うのではなく、その背景にあるキリスト教の考え方に触れる機会です。

宗教行事に慣れていない家庭の場合、入学前には少し特別なものに見えるかもしれません。しかし立教池袋では、それが日常の中に自然に組み込まれています。学校を訪れる際には、こうした宗教教育の雰囲気が家庭の考え方と合うかも見ておきたいところです。

5月の特別プログラム、中1・中2は2泊3日のキャンプへ

5月には約1週間の「特別プログラム」期間が設けられ、学年ごとに通常授業とは異なる活動を行います。中学1・2年では2泊3日のキャンプに出かけます。

キャンプは祈りに始まり、祈りに終わる共同生活です。友人と寝食を共にし、自然の中でさまざまなプログラムに取り組みます。

中学1年では、ハイキング、森の中での活動、合唱などを通してクラスメートとの関係をつくります。入学してまだ1か月ほどの時期なので、小学校も生活環境も異なる生徒同士が打ち解けるきっかけになります。

中学2年では清里の清泉寮に宿泊し、専門スタッフと自然保護活動を体験します。目的別のプログラムや、明かりを極力使わず森を歩くナイトハイクなども行われ、1年次より自然との関わりを一段深く考える内容になります。

楽しい宿泊行事であると同時に、共同生活の中で自分がどう振る舞うかを学ぶ場でもあります。「共に生きる」という立教の教育目標が、教室とは違う環境で表れる行事です。

中3の校外学習は、行き先から生徒が考える

中学3年では、4泊5日の「校外学習」を行います。一般的な学校でいう修学旅行に近い行事ですが、立教池袋では旅行先も含めて生徒が関わる点が特徴です。

1年以上前からコース作成委員を募り、中学生は本州の中から行きたい地域を検討します。委員が複数のコースをつくってプレゼンテーションし、生徒はそれぞれ希望するコースを選択します。

旅行中には班ごとの自主研修もあります。あらかじめテーマを設定し、現地の歴史、文化、交通などについて調べたうえで、自分たちで計画を立てて行動します。

先生が準備した旅程についていくだけではなく、「どこへ行くか」「何を調べるか」「どう移動するか」まで自分たちで考える時間があります。中1・中2のキャンプで身につけた集団生活の経験から、中3では自分たちで判断して行動する段階へ進んでいきます。

体育祭は種目づくりから生徒が関わる

中期には、10月の体育祭と11月の文化祭「R.I.F.」という大きな行事が続きます。

体育祭は生徒会行事の一つで、生徒が企画・運営に関わります。生徒全員が楽しめる種目を考え、教員と安全面を確認しながら実現させていきます。

既に決められた種目をこなすだけではなく、自分たちが参加する行事を自分たちでつくるところから始まるわけです。企画を思いつく人、実際に運営する人、安全面を考える人など、必要とされる役割も一つではありません。

中高の学年を越えて参加するため、中学生は高校生が行事を動かす姿を見ることになります。数年後には自分たちが中心になるという流れも、中高一貫校の体育祭ならではです。

11月2日・3日の「R.I.F.」は立教池袋最大の文化行事

立教池袋の文化祭は、「R.I.F.(Rikkyo Ikebukuro Festival)」と呼ばれ、例年11月2日・3日の2日間に開催されます。

学友会の展示・発表、運動部の招待試合、有志による演奏、生徒個人や学年による自由研究、イベント、模擬店など、さまざまな企画が校内で行われます。

R.I.F.実行委員会をはじめ、生徒たちは長い期間をかけて準備します。学校から与えられたテーマに沿って全員が同じ展示をつくるというより、それぞれのクラブや有志が持っている興味を外へ見せる文化祭です。

鉄道、科学、音楽、スポーツなど、立教池袋で生徒がどのようなものに夢中になっているのかを見るには分かりやすい機会です。校舎や入試説明だけでなく、生徒同士のやり取りや先輩・後輩の関係も見えるため、受験を検討する家庭なら一度訪れておきたい行事です。

合唱コンクールと希望制プログラムで年度を締めくくる

後期には、中学1・2年を対象とする合唱コンクールがあります。中1はピアノ伴奏による合唱、中2はアカペラによる合唱に取り組み、それぞれ課題曲と自由曲を発表します。

中1では伴奏に合わせて声をそろえるところから始まり、中2になると楽器に頼らず自分たちの声だけでハーモニーをつくります。同じ合唱でも、学年が上がることで要求される内容が変わります。

クラス替えを前にした年度末の行事でもあり、一年間一緒に過ごしたクラスで一つの曲を仕上げる最後の機会になります。

終業礼拝後には、希望者を対象としたスキー学校も行われます。また、海外へ関心を持つ生徒には、中2から参加できる国際プログラムがあります。

  • アメリカキャンプ:中2〜高1対象。8月に約2週間、米国聖公会と長く交流を続ける現地のサマーキャンプへ参加
  • CCES短期交換留学:中2対象。春休みに約2週間、アメリカの学校へ留学・ホームステイし、その後日本でも相手校の生徒を受け入れる
  • 英国語学研修:高1・高2対象。英国ラグビー校で約2週間、各国の生徒と寮生活を送りながら英語を学ぶ
  • 立教英国学院留学:高1・高2対象。立教英国学院へ1年間留学し、取得単位を立教池袋の単位として認定

中1・中2のキャンプ、中3の校外学習、R.I.F.や体育祭、さらに希望者の海外経験まで見ていくと、立教池袋では行事を「勉強の息抜き」として扱っていないことが分かります。教室の外へ出たときに何を考え、誰と関わり、そこで自分のどんな「賜物」に気づくかも、6年間の教育の一部になっています。

クラブ活動|学年を越えて「好き」を深める学友会活動

立教池袋では、クラブ活動を「学友会」と呼びます。現在は運動部10部、学芸部15部に加え、奉仕団体が活動しています。競技スポーツから科学研究、鉄道、天文、演劇、音楽、礼拝での奉仕まで選択肢は幅広く、複数の部に所属する生徒もいます。

学友会は、放課後を楽しむための活動というだけではありません。立教池袋が掲げる「テーマをもって真理を探求する」「共に生きる」という教育目標を、授業とは別の場所で経験する機会でもあります。自分が興味を持ったことを何年も掘り下げ、異なる学年の仲間と一緒に活動する。その中で自分の「賜物」に気づいていくことも期待されています。

運動部は人工芝グラウンドや50m温水プールを日常的に使う

運動部には、サッカー、卓球、庭球、バスケットボール、野球、剣道、山岳スキー、水泳、陸上競技などがあります。このほか、自然と関わる活動として釣り同好会もあります。

池袋駅から徒歩圏という都心の学校ですが、全面人工芝のグラウンド、体育館、50m屋内温水プール、テニスコート、剣道場、屋内練習場などを備えており、体育の授業と学友会活動の双方で使用します。

主な活動主な活動場所
サッカー・野球・陸上競技全面人工芝グラウンド
バスケットボールアリーナ
水泳50m屋内温水プール
庭球砂入り人工芝テニスコート
剣道剣道場

校外の練習場へ毎回移動する必要がなく、授業後そのまま活動へ移れる競技が多いことは、平日の時間の使い方を考えるうえでも意味があります。

球技は中高別、それ以外には中学生と高校生が一緒に活動する部も

運動部の活動形態は、すべて同じではありません。サッカー、卓球、庭球、バスケットボール、野球といった球技は、基本的に中学校と高校で分かれて活動します。

一方、剣道、山岳スキー、水泳、陸上競技などでは、中学生と高校生が一緒に練習します。中学1年生から見れば、高校生の技術や練習への姿勢を日常的に見ることができ、数年後には自分が後輩へ伝える側になります。

中高一貫校だからといって、何でも6学年合同にしているわけではありません。発達段階や競技の性格に応じ、中高を分けた方がよい活動と、一緒に取り組む方がよい活動を使い分けています。

学芸部は中1から高3まで一緒に活動

学芸部では、すべての部で中学生と高校生が一緒に活動します。英語、演劇、科学、写真、吹奏楽、数理研究、生物、聖ポーロ会、地歴研究、鉄道研究、天文、美術、文芸、放送研究、クワイヤーなど、扱う分野はかなり多彩です。

活動の濃淡も一様ではありません。大会やコンクール、研究発表を目標に本格的に取り組む部もあれば、自分の興味に応じたペースで参加できる部もあります。

たとえば科学部では、一人ひとりが研究テーマを設定して研究を進めます。数理研究部では数学を出発点に、情報科学や社会科学まで対象を広げています。生物部でも、身近な疑問から研究テーマを立ち上げ、外部の研究発表へつなげています。

「理科が好き」という一言でも、実験をしたいのか、数学を考えたいのか、生物を研究したいのかによって居場所を選べるわけです。

鉄道研究部は「鉄道好き」を研究・制作・交流へ広げる

立教池袋の学芸部を象徴する活動の一つが鉄道研究部です。「乗り鉄」「撮り鉄」、鉄道模型の制作など、同じ鉄道好きでもそれぞれ異なる興味を持つ部員が集まっています。

活動は模型制作だけではありません。合宿、R.I.F.での展示、他校との交流、少人数での鉄道撮影など、自分の関心に応じて活動を広げています。

全国高等学校鉄道模型コンテストにも継続して出場しており、2026年にはHO車輌部門で最優秀賞を受賞しました。過去にも情景制作や車両模型で複数の賞を受けています。

興味深いのは、中学受験では直接評価されることの少ない「鉄道が好き」という関心が、入学後には調査、模型制作、写真、旅行計画、展示、他校との交流といったさまざまな活動につながっていくことです。立教池袋のいう「賜物」は、こうしたところにも表れています。

演劇・吹奏楽・放送など、R.I.F.が発表の場になる

演劇部では、演技だけでなく脚本、演出、照明、音響まで部員自身が担当します。吹奏楽部は中高合同で演奏活動に取り組み、写真部や美術部、文芸部なども日頃の制作成果を発表します。

こうした学芸部にとって、11月の文化祭「R.I.F.」は重要な発表の場です。展示、演奏、公演、研究発表などを通じて、普段どのような活動をしているのかを在校生や来場者へ見せます。

放送研究部は少し性格が異なり、文化祭だけでなく、毎朝の伝達放送、水曜日の朝礼、始業・終業礼拝など、普段の学校運営にも関わります。目立つ舞台だけではなく、学校の日常そのものを支える活動も学友会の一部です。

キリスト教学校ならではのクワイヤーと奉仕活動

立教池袋には、一般的な中高のクラブ一覧ではあまり見かけない活動もあります。

クワイヤーは礼拝で奉仕する聖歌隊です。イースター、立教学院創立記念礼拝、クリスマス礼拝などで聖歌を歌い、立教のキリスト教行事を音楽の面から支えます。

聖ポーロ会ではパイプオルガンを学びます。立教大学のオルガンを借り、専門の指導者によるレッスンを受けるという、大学と隣接する学校ならではの活動です。

また、学友会とは別の奉仕団体としてアコライト・ギルドがあります。中学生、高校生だけでなく立教大学生も所属し、大学チャペルの日曜礼拝や学校の礼拝を支えます。中学校・高校・大学という学校段階を越えて一緒に活動する、立教学院でも独特の団体です。

学友会は「何を続けたいか」を見つける場所

立教池袋では、大学受験のために高校生活の早い段階でクラブを引退しなければならないという一本道ではありません。立教大学への推薦進学を選ぶ生徒が多いため、高校まで一つの活動を深く続けやすい環境があります。

一方で、全員が全国大会を目指す必要もありません。大会に本気で取り組む生徒も、研究に没頭する生徒も、仲間と音楽を楽しむ生徒もいます。複数の活動に参加することもできます。

授業の成績だけを見ていては分からないものに、中高生自身が気づく場所が学友会です。足が速い、楽器が得意という分かりやすい才能だけでなく、模型を細かく作れる、星を何時間でも観察できる、後輩の面倒を見るのが得意、舞台の音響を考えるのが好き、といったものも含まれます。

「賜物」探しの6年間という学校の考え方が、最も具体的に見える場所の一つが学友会活動です。受験生が学校を訪れるなら、クラブ見学やR.I.F.で、自分が思わず足を止める活動があるかを探してみるのもよいでしょう。

進学実績と卒業後の進路|立教大学への推薦進学と他大学への選択肢

立教池袋の進路を考えるうえで中心となるのが、立教大学への推薦制度です。例年、卒業生の8〜9割程度が立教大学へ進学しており、2024年度卒業生では143名のうち122名が立教大学へ進みました。

ただし、「附属校だから高校を卒業すれば自動的に立教大学へ進める」という制度ではありません。高校で必要な単位を修得することに加え、学校生活、英語力、卒業研究論文、自己推薦など複数の条件があります。また、希望する学部・学科へ進めるかどうかも、高校3年間の取り組みをもとに決まります。

卒業生の8〜9割が立教大学へ進学

立教池袋では、例年卒業生の8〜9割程度が推薦制度を利用して立教大学へ進学します。2024年度卒業生の進学者は122名で、学部別の内訳は次のようになっています。

立教大学の学部等進学者数
文学部16名
経済学部27名
理学部7名
社会学部18名
法学部19名
観光学部3名
コミュニティ福祉学部0名
経営学部16名
現代心理学部7名
異文化コミュニケーション学部7名
スポーツウエルネス学部0名
GLAP2名
合計122名

経済・法・社会・経営など池袋キャンパスの学部への進学が多い一方、理学部、異文化コミュニケーション学部、現代心理学部などにも進んでいます。

立教大学には文系学部しかないわけではありません。理学部に加え、2026年4月には環境学部も開設され、学びの選択肢はさらに広がっています。一方、医学部や歯学部、工学部など立教大学に設置されていない分野を志す場合には、他大学進学を検討することになります。

立教大学への推薦には6つの条件がある

立教大学への推薦を受けるためには、高校生活を通じて一定の条件を満たす必要があります。主な条件は次の6点です。

  1. 高校が定める卒業に必要な単位を修得していること
  2. 学校生活上の状況が良好であること
  3. 立教大学への進学を希望し、勉学の意思を明確に持っていること
  4. 卒業研究論文を提出し、認定されること
  5. 英語について一定の能力を身につけていること
  6. 高校長宛ての自己推薦レポートを提出し、認定されること

英語については、英検2級程度の英語力が一つの基準となります。中学1年から高校3年まで英語を週7時間学ぶカリキュラムは、推薦条件とも無関係ではありません。

大学附属校では、ともすると「大学受験がない=成績をあまり気にしなくてよい」と考えられがちですが、立教池袋では日々の授業にきちんと取り組むことが推薦の前提です。定期試験の直前だけ勉強すればよいという仕組みではありません。

希望学部は高校3年間の成績だけでは決まらない

推薦基準を満たせば、誰もが自由に好きな学部・学科へ進めるわけではありません。それぞれの学部・学科には推薦人数の枠があります。

学部・学科を決める際には、高校3年間の学業成績、卒業研究論文、自己推薦の評価をポイント化し、その合計によって推薦順位を決定します。順位の高い生徒から希望する学部・学科を選び、枠が埋まった場合には第2、第3希望へ進むことになります。

つまり、高校3年間の学習を安定して続ける意味は、「立教大学に行けるかどうか」だけではありません。人気の高い学部を希望する場合には、自分の選択肢を広く残すためにも日々の取り組みが重要になります。

ここには一般の大学受験とは少し異なる競争があります。入試当日の一発勝負ではなく、3年間の学習と、自分が何を研究し、学校生活で何をしてきたかが進路選択に反映されます。

高校の「卒業研究論文」が大学進学にも関わる

推薦条件の中でも立教池袋らしいのが、卒業研究論文です。高校生は自分でテーマを設定し、資料を集め、考察し、一つの論文としてまとめます。

テーマは大学入試の科目に限定されません。自然科学、社会問題、文化、歴史、芸術など、自分が関心を持った分野を掘り下げることができます。中学校で文章を書くことや、自分の興味を追究することを重視しているのも、この高校での研究につながっています。

卒業研究論文は「推薦をもらうための提出物」というだけではありません。立教大学へ進めば、大学ではさらに自分で問いを立てて研究することになります。その前段階として、高校生のうちに一つのテーマと長期間向き合う経験を積みます。

立教池袋が大学受験のための演習だけに高校生活を使わない理由が、よく表れている制度です。

他大学へ進む場合は、立教大学への被推薦権を放棄する

立教大学以外へ進学する道もあります。ただし、ここは学校選びの段階で正確に理解しておきたいところです。

一般選抜などで他大学を受験する場合、原則として立教大学への被推薦権を放棄して受験します。「立教大学への推薦を確保したまま、早稲田や慶應などへ挑戦し、不合格なら立教へ戻る」という仕組みではありません。

また、立教池袋は他大学受験を主目的とする進学校ではないため、大学受験用の授業や講座を基本的には設けていません。医学部など立教大学にはない学部を志望する生徒をはじめ、外部受験を選ぶ生徒には個別のサポートが行われます。

近年の他大学合格実績には、東京大学、京都大学、一橋大学、慶應義塾大学、早稲田大学、国際基督教大学、上智大学、東京理科大学、医学部医学科などがあります。海外大学への進学例もあります。

他大学を強く志望する可能性がある家庭にとっては、「立教に推薦で進める学校」という利点と、「外部受験をするときにはその推薦を手放す」という条件をセットで考える必要があります。

指定校推薦で立教大学以外へ進む選択肢もある

他大学への進学方法は一般受験だけではありません。立教池袋には、立教大学以外の大学からも指定校推薦枠があり、それを利用して進学する生徒もいます。

一般受験と指定校推薦では仕組みが異なるため、「他大学へ行く=全員が大学受験をする」というわけではありません。本人が学びたい分野と大学を考えたうえで、それぞれに合った進路を選択します。

もっとも、学校全体としての中心はあくまで立教大学への一貫連携教育です。他大学進学を第一目的として立教池袋を選ぶのであれば、受験指導を中心に据えた進学校との違いはよく理解しておいた方がよいでしょう。

「大学に入るための6年間」から「大学で何をするかを考える6年間」へ

立教池袋では、高校1年から立教大学教員による特別授業や学部・学科説明会などが行われます。高校3年では大学の授業を受講する特別聴講生制度もあり、中高生の段階から大学の学問に触れる機会があります。

系列大学があることの意味を、「大学受験をしなくて済む」という一点だけで捉えると、立教池袋の進路教育は少し見えにくくなります。

大学入試のための勉強に費やす時間を、学友会、留学、行事、選科、卒業研究などへ使いながら、自分が大学で学びたいことを考える。中学・高校6年間と立教大学4年間を合わせた10年間という長い時間をどう使うかが、この学校の一貫連携教育の核心です。

そのため、立教大学という進路に魅力を感じることはもちろん、大学進学までの過程でスポーツや研究、音楽、海外経験などにも時間を使いたい生徒にとって、立教池袋は一般の進学校とはかなり異なる6年間を選べる学校です。

学費や諸経費について|初年度納入金と中高6年間で考える教育費

立教池袋中学校の2026年度の学校納入金は、入学金30万円に加え、年間の授業料・維持資金・学友会費やPTA会費などで構成されています。

年間の学費等は113万4,000円で、中学校から高校まで各学年同額です。中学入学時には別途30万円の入学金が必要になるため、初年度に学校へ納める基本的な金額は143万4,000円となります。このほか、学用品、ICT端末、行事、希望制の海外プログラムなどに応じた費用も考えておく必要があります。

2026年度の年間学費は113万4,000円

年間の学校納入金は、授業料69万6,000円、維持資金37万8,000円、その他費用6万円です。

項目2026年度年額
授業料696,000円
維持資金378,000円
その他費用60,000円
年間合計1,134,000円

その他費用には学友会費・PTA会費が含まれます。授業料だけを見ると年間69万6,000円ですが、実際には維持資金を合わせた113万4,000円を、毎年の基本的な学校納入金として考える方が分かりやすいでしょう。

学費は年一括払い、または3期に分けて納入できます。

入学時には40万円を納入、そのうち10万円は維持資金の一部

一般入試で合格して入学手続きを行う際には、40万円を納入します。

入学手続時の内訳金額
入学金300,000円
維持資金の一部100,000円
入学手続時合計400,000円

ここで注意したいのは、40万円とは別に年間113万4,000円を全額納めるわけではないことです。手続時の10万円は、その年度の維持資金37万8,000円の一部として先に納める金額です。

したがって、入学金30万円と年間学費等113万4,000円を合わせた初年度の基本的な学校納入金は143万4,000円となります。

中学から高校まで年間学費は同額

立教池袋では、2026年度の授業料・維持資金・その他費用について、中学1年から高校3年まで各学年同額としています。

現在の金額が変わらないと仮定した場合、年間113万4,000円を6年間支払うと680万4,000円になります。ここに中学入学時の入学金30万円を加えると、6年間で約710万円が一つの目安になります。

ただし、これはあくまで2026年度の金額を単純に6年間へ当てはめたものです。実際の学費は今後改定される可能性があります。また、学用品や行事、海外プログラムなどの費用は含まれていません。

立教池袋の場合、高校卒業後に立教大学へ進む生徒が多いため、家庭としては中高6年間だけでなく、その後の大学4年間まで含めた教育費を考えておくと現実的です。

制服は「すべて学校指定品を一式購入」するタイプではない

制服は、紺色のブレザー、グレーのズボン、革靴、学校制定のネクタイとエンブレムを基本としています。中学生のネクタイは赤、高校生になると緑に変わります。

ただし、ブレザー、ズボン、黒または茶の革靴は各自が持っているものを使用することもできます。学校指定品を一式そろえなければならない学校とは少し仕組みが異なります。

制服着用が必要なのは礼拝や全校セレモニーなどで、それ以外の日には白を基調としたワイシャツや襟付きポロシャツで過ごすこともできます。暑い時期にはブレザーやネクタイも省略できます。

そのため、制服関連費は家庭によって差が出ます。入学時にすべて新品でそろえるか、すでに持っているものを活用するかによっても変わります。

ICT端末は中学から日常の学用品になる

中学生には1人1台のタブレット型PCが導入されています。授業資料の閲覧だけでなく、課題の提出、文章作成、プレゼンテーション、情報共有など、日常的な学用品として使用します。

高校になるとBYOD方式となり、生徒自身の端末をより自由に活用します。中学入学から高校卒業までICT機器を継続して使用するため、端末本体や周辺機器、故障時の対応なども6年間の費用として考えておきたいところです。

また、通常の教材費とは別に、キャンプや校外学習など学年ごとの行事に関連する費用が発生する場合があります。学校納入金だけで教育活動のすべてが賄われるわけではありません。

海外プログラムを利用する場合は別途費用が必要

立教池袋では、中2以降にアメリカキャンプ、短期交換留学、高校での英国語学研修、立教英国学院への留学など、希望制の国際プログラムが用意されています。

こうしたプログラムは全員必修ではありません。参加を希望する場合には、渡航費、滞在費、研修費などが通常の学費とは別に必要になります。

大学附属校の場合、大学受験のための塾や予備校費が必ずしも同じ形で必要になるとは限りません。その一方で、受験勉強以外の時間を留学、スポーツ、音楽、研究などに使える学校だからこそ、家庭によって教育費の使い方にはかなり差が出ます。

「年間の学校納入金はいくらか」だけでなく、本人が中高6年間で何を経験したいかまで考えると、立教池袋の教育費の見え方も変わってきます。

寄付金は任意、中1では1口10万円を3口

立教学院への寄付金については、中学1年生の家庭に対して1口10万円、3口の協力が案内されています。合計すると30万円ですが、これは任意の寄付であり、授業料や維持資金のような必須の学校納入金とは分けて考える必要があります。

高校1年では1口10万円からの任意寄付が案内され、そのほかの学年でも随時受け付けています。

したがって、中学入学時に必ず必要となる基本額を考える際、寄付金30万円を初年度学費143万4,000円へ機械的に加える必要はありません。

立教池袋の学費は、中高6年間、さらに立教大学への進学まで視野に入れると相応の金額になります。一方、その時間を大学受験準備だけに使うのではなく、学友会、研究、キャンプ、国際交流などへ振り向けられるのがこの学校の教育設計です。学費の総額とともに、「10年間の中で何に時間と教育費を使いたいか」まで考えることが、立教池袋を検討する際には大切です。

入試情報と合格の目安|一般入試と自己アピール面接を整理

立教池袋中学校の2027年度入試は、一般入試が2月2日の第1回と2月5日の第2回、これとは別に2026年12月3日の帰国児童入試という構成です。

第1回は国語・算数・社会・理科の4科型ですが、第2回は国語・算数に「自己アピール面接」を組み合わせます。同じ学校の2回入試でも性格はかなり異なり、第2回では小学校時代までに何に取り組み、そこから何を得たのかを自分の言葉で伝えることまで選考対象になります。

2027年度は第1回約50名、第2回約20名を募集

一般入試の募集人員は、第1回が男子約50名、第2回が男子約20名です。いずれも立教小学校からの進学者を含まない人数です。

入試試験日募集人員試験内容受験料
一般入試 第1回2027年2月2日男子 約50名国語・算数・社会・理科30,000円
一般入試 第2回2027年2月5日男子 約20名国語・算数・自己アピール面接30,000円
帰国児童入試2026年12月3日男子 約20名国語・算数・児童面接30,000円

一般入試の出願はインターネットで行います。第1回は2027年1月12日9時から1月31日12時まで、第2回は1月12日9時から2月4日12時までです。

第2回についてはWeb出願だけでは完了しません。自己アピール申請書を提出する必要があり、活動を証明できる資料がある場合には、証明書、賞状、新聞記事などのコピーを添付できます。

第1回は2月2日の4科入試

第1回は2月2日、8時30分集合です。試験は国語、社会、算数、理科の順に行われます。

科目試験時間
国語8:50~9:40(50分)
社会10:00~10:30(30分)
算数10:50~11:40(50分)
理科12:00~12:30(30分)

2026年度入試では、国語100点・算数100点・社会50点・理科50点の300点満点で実施されました。受験者平均は159.5点、合格最低点は174点で、得点率にすると約58%です。

ただし、過去問演習で「6割取れれば大丈夫」と固定して考えるのは危険です。年度によって問題の難易度は動き、2025年度の繰り上げ合格最低点は191点、2024年度は160点と差があります。立教池袋では、年度ごとの合格最低点と問題の難しさをセットで見る必要があります。

第2回は国算2科+「自己アピール面接」

2月5日の第2回は、第1回とは試験のつくりが大きく変わります。国語50分、算数50分を受けた後、軽食時間を挟んで自己アピール面接へ進みます。

内容時間
国語8:50~9:40(50分)
算数10:00~10:50(50分)
軽食時間11:00~11:25
自己アピール面接11:30~

自己アピール面接は、事前に提出した申請書をもとに、自分の特技や長所、これまでの体験、その経験から得たものなどを伝えるものです。面接官からの質問を含めて約7分で、自分からアピールする時間は約3分30秒です。

模造紙やパソコン、映像・音楽などの機器を使うことはできず、実技をその場で披露する方式でもありません。結局のところ、自分が何をしてきたのか、その経験にどんな意味があったのかを、本人自身の言葉で説明できるかが重要になります。

第2回は「大会実績がある子だけ」の入試ではない

自己アピールという言葉から、全国大会入賞や英検上位級など、目立った実績がなければ受けられないと思うかもしれません。しかし、立教池袋が見るのは賞状の数だけではありません。

スポーツ、芸術、研究、語学といった活動はもちろん、自分が長く続けてきたことや、ある経験を通して考えたことなども自己アピールの材料になります。

出願時には、自己アピールの方法として「口頭発表による自己アピール」または「英語による自己アピール」を選択します。活動内容を客観的に証明できる資料がある場合には最大3件まで提出できますが、証明資料がすべての受験生に必須というわけではありません。

この入試は、偏差値だけでは拾いきれない「賜物」を見るという立教池袋の教育方針とかなり直接的につながっています。一方で国語・算数の筆記試験もあるため、自己アピールだけで合格できる入試でもありません。

2026年度は第1回3.0倍、第2回8倍超

直近の2026年度一般入試では、第1回に334名が出願し、283名が受験、95名が合格しました。実質倍率は約3.0倍です。

第2回は203名が出願し、167名が受験、合格者は20名。単純な受験者数÷合格者数では約8.4倍となりました。

2026年度第1回第2回
志願者数334名203名
受験者数283名167名
合格者数95名20名
実質倍率約3.0倍約8.4倍
筆記試験平均点159.5点/300点97.1点/200点

第2回については、学校が公表している筆記試験の「選考範囲最低点」が105点でした。これは自己アピール面接を含む入試であるため、第1回のような単純な「合格最低点」と同じ意味ではありません。

また、第2回は2月5日という中学入試の終盤に行われ、募集人数も約20名です。立教池袋を第一志望として再挑戦する生徒に加え、それまでの入試結果を受けて出願する受験生も集まります。「第2回だから入りやすい」という位置づけではありません。

四谷大塚の80%偏差値は第1回58、第2回59

2027年入試に向けた四谷大塚のAライン80偏差値では、第1回が58、第2回が59です。Cライン50偏差値はそれぞれ54、55となっています。

入試Aライン80偏差値Cライン50偏差値
第1回5854
第2回5955

偏差値は模試会社によって尺度が異なるため、首都圏模試、日能研、SAPIXなどの数字と直接比較することはできません。また、第2回は自己アピール面接があるので、模試偏差値だけで合否を測り切れない部分があります。

第1回を中心に狙うなら、まず4科の過去問で安定して得点できること。第2回まで視野に入れるなら、国語・算数の力に加えて、本人が小学校生活の中で何をしてきたのかを整理し、短い時間で自分の言葉にできるよう準備しておきたいところです。

帰国児童入試は12月3日、国算と個人面接で選考

帰国児童入試は2026年12月3日に行われ、男子約20名を募集します。試験は国語・算数と児童の個人面接です。希望者については、面接時に英語などの外国語力を口頭で確認します。

出願には海外在留に関する条件があり、原則として保護者の海外勤務等に伴って海外で生活し、小学校以上に相当する学年で継続して2年以上在籍した経験などが求められます。

また、試験日時点で海外在留中、または帰国後2年以内という条件もあります。一般入試とは出願資格そのものが異なるため、該当する家庭は滞在期間を早めに確認しておく必要があります。

一般入試については、第1回の合格発表が2月3日9時、第2回が2月6日9時です。入学手続金40万円の納入期限はいずれも合格発表当日の15時となっています。立教池袋を併願校として組み込む場合には、試験日だけでなく、この手続期限まで含めて受験スケジュールを考えておくことが重要です。

併願校パターン|2月2日・5日の入試日程から考える男子校受験

立教池袋中学校の一般入試は、2月2日の第1回と2月5日の第2回です。首都圏の男子校では2月1日に第1志望校を置くケースが多いため、立教池袋は2月1日の受験校と日程が重ならずに組み込めるという特徴があります。

一方、2月2日は青山学院中等部などと重なり、2月5日には立教池袋第2回のほか、成城中学校第3回などもあります。さらに第2回は募集人数が約20名で、自己アピール面接も含むため、「後半日程だから押さえにしやすい」という入試ではありません。

併願を考える際には、立教大学への進学をどの程度重視するのか、大学附属校を中心にそろえるのか、男子進学校も含めるのかによって受験プランがかなり変わります。

2月1日に早稲田などへ挑戦し、2日に立教池袋という組み方

立教池袋を有力な併願校として考える場合、分かりやすいのが2月1日に上位校、2月2日に立教池袋という組み方です。

2027年度の早稲田中学校は、第1回を2月1日、第2回を2月3日に実施します。早稲田を第一志望としながら、2日に立教池袋を受験する日程を組むことができます。

日程受験例
2月1日早稲田中学校 第1回など
2月2日立教池袋中学校 第1回
2月3日早稲田中学校 第2回など
2月4日必要に応じて他校
2月5日立教池袋中学校 第2回

早稲田中学校は男子進学校としての性格が強く、大学進学の仕組みは立教池袋とは異なります。早稲田大学への推薦枠もありますが、多くの生徒が他大学を含めて受験します。

したがって、この2校を併願する場合は偏差値だけでなく、大学受験を前提とする6年間と、立教大学までの一貫連携を生かす6年間のどちらを望むかも考えておきたいところです。

立教大学への進学を重視するなら「立教新座+立教池袋」

立教大学への一貫進学を強く希望する家庭では、同じ立教学院の立教新座中学校との併願が考えられます。

2027年度の立教新座は、第1回が1月25日、第2回が2月3日です。立教池袋第1回の2月2日とは重ならないため、複数の組み方ができます。

日程受験例
1月25日立教新座中学校 第1回
2月1日他の男子校・大学附属校
2月2日立教池袋中学校 第1回
2月3日立教新座中学校 第2回
2月5日立教池袋中学校 第2回

立教新座第1回は1月25日に結果が出るため、ここで合格を得られれば、2月の受験をかなり落ち着いて進められます。

同じ立教学院でも、立教池袋は池袋の1学年約150名規模の男子校、立教新座は埼玉県新座市に広いキャンパスを持つ男子校で、学校生活の雰囲気は同じではありません。立教大学への進学という共通項だけでなく、通学時間や学校規模、クラブ活動まで比較しておくとよいでしょう。

青山学院も大学附属志向では比較対象になるが、試験日は同じ2月2日

大学附属校を中心に学校を探している家庭では、青山学院中等部も比較対象になりやすい学校です。ただし、2027年度の青山学院中等部の試験日は2月2日で、立教池袋第1回と完全に重なります。

そのため、両校を受験することはできず、2月2日をどちらに使うかを事前に決めなければなりません。

学校選びの軸にも違いがあります。立教池袋は男子校で、1学年約150名という比較的小さな集団の中で6年間を過ごします。青山学院は共学校で、青山学院大学への内部進学制度を持っています。

「大学附属校」という括りだけなら近い学校ですが、男子だけの環境を望むのか、共学を望むのかでも選択は大きく変わります。大学の学部構成も異なるため、大学名だけでなく、将来学びたい分野まで含めて比較したいところです。

男子進学校を組み込むなら城北・成城・獨協など

立教池袋を中心にしながら、大学附属ではない男子中高一貫校も併願に入れるなら、城北、成城、獨協などが日程を組みやすい候補になります。

学校2027年度の主な入試日学校選びで見る点
城北2月1日、2月2日、2月4日など大学受験を前提とした男子進学校。理数教育や部活動にも力を入れる
成城2月1日、2月3日、2月5日新宿区にある男子進学校。3回入試で日程を調整しやすい
獨協2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午前男子校。獨協医科大学への系列校推薦制度も持つ

たとえば2月1日に成城第1回、2日に立教池袋第1回、3日に成城第2回という組み方ができます。立教池袋の結果を見ながら、その後の日程を調整することも可能です。

獨協は2027年度に2月1日午後入試も実施するため、1日午前の学校と組み合わせることができます。また2日午前入試もありますが、立教池袋も2日午前から試験を行うため、この両校については同日に受けることはできません。

立教池袋第一志望なら、2月1日に合格を一つ確保できると強い

立教池袋を第一志望とする場合、2月2日まで合格が一つもない状態で本番を迎えるより、可能であれば1月または2月1日に進学してもよい学校の合格を確保しておく方が精神的には安定します。

一例として、次のような組み方が考えられます。

日程受験例
1月25日立教新座 第1回(受験する場合)
2月1日午前成城・獨協・城北など、本人の成績に合った学校
2月2日立教池袋 第1回
2月3日成城 第2回、立教新座 第2回など
2月4日城北・獨協など
2月5日立教池袋 第2回

立教池袋第1回に合格した場合は、その時点で以降の受験を終えることもできます。結果によって3日、4日、5日の出願・受験を切り替えられるよう、あらかじめ複数のシナリオを考えておくと慌てません。

特に第1回の合格発表は2月3日朝なので、3日に別の学校を受験する場合は、合否をいつ確認するのか、合格したらその日の受験をどうするのかまで家庭で決めておくとよいでしょう。

第2回を「最後の安全網」と考えるのは危険

2月5日の立教池袋第2回は、第一志望の受験生にとってもう一度挑戦できる機会です。しかし、募集人員は約20名と少なく、2026年度は167名が受験して20名が合格しました。

さらに第2回では、国語・算数だけでなく自己アピール面接があります。第1回で不合格だったから、そのまま同じ対策で再受験すればよいという試験でもありません。

2月5日には成城中学校第3回も行われるため、両校を候補に残している場合にはどちらかを選ぶことになります。

したがって、立教池袋を第一志望とする場合でも、5日の第2回まで立教池袋だけを追い続けるのか、それまでに別の進学先を確保するのかは事前に考えておく必要があります。

「チャレンジ・標準・安全」は本人ごとに変わる

併願校は便宜上、チャレンジ校、標準校、安全校と分類できます。しかし、学校名だけでその位置づけを固定することはできません。

立教池袋の80%偏差値付近で安定している生徒と、50%ライン付近の生徒では、城北、成城、獨協などの位置づけも変わります。また、同じ学校でも第1回と後半日程では受験者層や倍率が異なります。

少なくとも、次の3点を確認して併願校を決めたいところです。

  • 複数回の模試で合格可能性が安定しているか
  • 過去問で合格最低点を継続して上回れているか
  • 立教池袋に不合格だった場合、その学校へ実際に進学したいと思えるか

最後の条件は、大学附属校を選ぶ家庭では特に重要です。立教大学への進学を望んで立教池袋を受験しているのに、併願校として大学受験型の進学校を選ぶのであれば、進学後の6年間はかなり違ったものになります。

「立教大学へ続く10年間を選びたいのか」「大学受験を残しておきたいのか」「男子校で過ごしたいのか」。この三つを整理してから受験日程を組むと、立教池袋の併願校は選びやすくなります。偏差値表の上下だけでなく、合格後にどの学校生活を選びたいかまで考えることが、納得できる併願プランにつながります。

在校生・保護者の声|少人数の男子校で過ごす立教池袋の日常

立教池袋について在校生や保護者の声を見ていくと、よく表れるのが「自由」「穏やか」「先生との距離が近い」「好きなことに時間を使える」という感覚です。

一方、自由であることは、何もしなくても学校生活がうまく進むという意味ではありません。小テストや提出物、日々の授業への取り組みは評価され、高校や立教大学への推薦にもつながっていきます。大学附属校らしい時間の余裕と、自分で生活を管理する責任の両方がある学校です。

「アットホーム」「先生との距離が近い」という声

1学年は約150人、4クラス。大規模校と比べると学年全体を把握しやすく、先生と生徒の距離について「近い」と感じる在校生や保護者が少なくありません。

思春期の男子を長く指導してきた教員が多く、細かな行動を一つひとつ管理するというより、生徒の性格を見ながら必要なところで声をかけるという印象を持つ家庭もあります。

立教池袋自身が「徹底した少数主義」を掲げているように、少人数であることはクラス人数の数字だけを意味しているわけではありません。学習、クラブ、人間関係などで変化があったときに、学校側が一人ひとりの様子を見やすい規模になっています。

自由な校風。ただし「何でも自由」ではない

校風については、細かな規則で生徒を縛る学校とはかなり印象が異なります。制服も基本となる色や形式は決まっていますが、すべてを学校指定品で統一する仕組みではありません。

こうした自由さを心地よいと感じる家庭は多い一方、それは「好き勝手にしてよい」ということではありません。立教が重視するのは「自由と自律」で、自分で判断し、その結果にも責任を持つことが求められます。

中学生なので、ときには友人同士の衝突や生活面での失敗もあります。そうした経験まで避けるというより、問題が起きたときに本人と向き合い、自分で考えさせる。その指導方針を含めて、立教池袋の自由さと考えた方がよいでしょう。

大学附属校らしい穏やかさと、日々の学習管理

多くの生徒が立教大学への進学を視野に入れているため、大学受験型の進学校とは校内の空気が異なります。高校生になっても学校行事や学友会活動を続けやすく、受験科目だけに時間を集中させる必要もありません。

そのため、生徒の様子について「穏やか」「のびのびしている」と感じる声があります。一方で、周囲が大学受験へ向けて競い合う環境ではないため、強い競争がないと勉強のペースを保てない子には注意が必要です。

学校側もその点を放置しているわけではなく、小テスト、課題提出、授業中の活動などを細かく評価します。認定基準に達しなければ再試験や学習指導の対象になることもあります。

「受験がないから勉強しなくてよい」のではなく、「受験のためではない勉強を6年間続ける」。この違いを本人が理解できるかは、学校との相性を考えるうえで重要です。

クラブに熱中できることを学校生活の良さに挙げる生徒も多い

学友会活動については、学校生活の中でも満足度の高い部分として語られることがあります。運動部だけでなく、鉄道研究、科学、生物、数理研究、天文、吹奏楽、演劇など、学芸系の選択肢も豊富です。

大学受験を前提とした学校では、高2や高3になると受験勉強を優先して部活動を終えることがあります。立教池袋では、立教大学への推薦進学を選ぶ生徒なら、高校まで好きな活動を継続しやすくなります。

しかも、クラブによっては中学生と高校生が一緒に活動します。中1では高校生の先輩から教わり、数年後には自分が後輩を支える側になる。男子校の6年間で生まれる縦のつながりも、クラスとは別の人間関係をつくります。

鉄道、星、生物、数学など、少しマニアックな興味でも仲間を見つけやすいのは、立教池袋がいう「賜物」探しともよく重なる部分です。

施設の充実は、生徒にとってかなり身近なもの

保護者から評価されやすいのが施設です。50m屋内温水プール、全面人工芝グラウンド、体育館、テニスコート、図書館などが池袋の校地にまとまっています。

ただし、生徒にとって重要なのは「施設が豪華」ということより、毎日の授業やクラブ活動でそれを普通に使えることでしょう。水泳部なら年間を通して50mプールを使い、運動部は放課後すぐに校内の活動場所へ移れます。

図書館やICT環境も同様です。高校では卒業研究論文を書くため、中学から本やデジタル資料を使って調べ、自分の考えを文章にまとめる機会があります。

設備を見るだけなら学校説明会でも分かりますが、それを使っている生徒の様子を見るなら、R.I.F.や学友会の公開活動を訪れる方が、実際の学校生活を想像しやすいでしょう。

池袋という立地への安心と心配は、家庭によって分かれる

池袋駅から徒歩10分、要町駅から徒歩5分という通学環境は、保護者にとって便利な点です。JR、地下鉄、西武線、東武線が利用できるため、東京都内だけでなく埼玉方面からも通いやすくなっています。

一方、「池袋」という繁華街のイメージから、中学生の通学環境を心配する家庭もあります。実際の学校周辺は立教大学や立教小学校などが並ぶ西池袋の一角で、駅東口の繁華街とは雰囲気が異なります。

それでも、中学生が大きなターミナル駅を毎日利用することには変わりありません。通学時間だけでなく、どの出口を使い、どの道を歩くのかまで本人と確認しておくと安心です。

立教大学への道が見えているからこそ、本人の姿勢が問われる

保護者にとって立教大学への推薦制度は、立教池袋を選ぶ大きな理由の一つです。しかし、実際に6年間を過ごす生徒にとっては、「大学が決まっている」というより、「大学受験以外のことに使える時間が多い」という意味の方が大きいかもしれません。

その時間を学友会に使う生徒もいれば、海外研修へ行く生徒、研究に取り組む生徒、音楽やスポーツを続ける生徒もいます。逆に、目標を持たずに過ごせば、時間はそのまま流れていきます。

立教池袋の学校生活について語られる「自由」「のびのび」という言葉は、この点と表裏一体です。先生や家庭から細かく管理されるより、自分の興味を見つけ、自分で動いてみたい男子には居心地のよい環境でしょう。

大学附属校の余裕を「楽をするための時間」にするのか、「好きなものを深めるための時間」にするのか。立教池袋で6年間を過ごす意味は、そこにかなり表れています。

この学校に向いている子の特徴|大学受験だけに縛られず自分の「賜物」を探したい子へ

立教池袋に向いているのは、単に「立教大学へ進学したい子」だけではありません。大学まで続く道があることで生まれる時間を、学友会、研究、行事、海外経験などに使いながら、自分が夢中になれるものを探していきたい子との相性がよい学校です。

一方、学校生活には「自由と自律」という考え方が強く表れます。細かな指示を待つより、自分で興味を見つけ、自分なりに学校生活を組み立てていくことが求められます。立教大学への推薦も自動的に保証されるものではないため、日々の学習を続ける姿勢も欠かせません。

大学受験一辺倒ではない中高生活を送りたい子

立教池袋では、多くの生徒が高校卒業後に立教大学への推薦進学を選びます。そのため、高校2年・3年になったら学校生活のすべてを大学受験へ切り替える、という過ごし方とは異なります。

高校まで学友会を続けたり、卒業研究論文に時間をかけたり、海外プログラムへ参加したりする余地があります。中学から大学卒業までを見れば、約10年間にわたって立教の教育環境の中で自分のテーマを育てることもできます。

「大学には行きたいけれど、中高時代を入試対策だけで終わらせたくない」「スポーツや音楽、研究にも本気で時間を使いたい」という子には、この仕組みがよく合います。

反対に、中学入学後から東京大学や医学部、他大学の難関学部を第一目標として受験勉強を進めたい場合には、他大学受験を中心にカリキュラムを組む進学校の方が目的に合う可能性があります。

一つの「好き」を何年も深掘りできる子

立教池袋が使う「賜物」という言葉は、学力やスポーツのような分かりやすい才能だけを指しているわけではありません。

鉄道模型を作る、星を観察する、生物を研究する、数学の問題を考える、楽器を演奏する、舞台を作る。本人が「これなら何時間でもやっていたい」と思えるものも、その子の賜物になり得ます。

学友会には鉄道研究、科学、生物、数理研究、天文、美術、文芸、演劇、吹奏楽など幅広い活動があります。高校生と中学生が一緒に活動する部も多く、中学1年から高校3年まで同じテーマを追い続けることもできます。

小学生の段階ですでに明確な特技がある必要はありません。「電車のことだけ妙に詳しい」「生き物を見つけると立ち止まる」「数字を眺めるのが好き」といった関心を、学校生活の中で研究や制作へ発展させられる子には面白い環境です。

細かく管理されるより、自分で考えて動きたい子

立教池袋の校風を理解するうえで欠かせないのが「自由と自律」です。

学校行事でも、生徒が企画を考え、学校へ提案し、実現まで関わる場面があります。学友会も生徒の自主的・自発的な活動として位置づけられています。高校生だけでなく、中学生が「こうしたい」と考えて動くことのできる余地があります。

そのため、「やることを全部決めてもらう方が安心」という子より、自分で考えながら試してみたい子の方が学校の自由さを生かしやすいでしょう。

もちろん、中学入学時から自己管理が完成している必要はありません。失敗したり、先生や先輩から助言を受けたりしながら、自分で判断できる範囲を広げていく6年間です。

ただし、自由を「やらなくてもよい」と受け取ってしまうと、せっかくの時間を使い切れません。提出物、小テスト、授業への参加など、日常の学習を自分で続ける力は必要になります。

男子だけの少人数環境で、長く付き合える仲間をつくりたい子

立教池袋は1学年約150人、4クラスの男子校です。男子校としては比較的コンパクトな規模で、6年間を通して学年内のさまざまな生徒と関わります。

クラスだけでなく、学友会や生徒会、キャンプ、文化祭などを通して学年を越えた関係もできます。特に学芸系の学友会では中高合同で活動するため、中学生のうちから高校生と日常的に関わります。

大人数の中で競争するより、ある程度顔の見える集団で過ごしたい子には合いやすい規模です。また、男子だけの環境なので、趣味や興味にかなり個性があっても、それを面白がってくれる仲間を見つけやすい面があります。

一方、共学校で男女が一緒に生活することを重視する家庭には、当然ながら学校選びの方向が異なります。本人が男子校の空気をどう感じるかは、R.I.F.やオープンキャンパスで在校生の様子を見ると判断しやすいでしょう。

キリスト教教育を、宗教科目ではなく「考える時間」として受け入れられる子

立教池袋では礼拝や聖書が学校生活の一部です。イースター、収穫感謝、クリスマスなどの礼拝も年間行事として行われます。

家庭がキリスト教徒である必要はありませんが、こうした時間を「受験に関係のない授業」と切り捨てるのではなく、自分や他者、生き方について考える機会として受け止められることは大切です。

立教の教育では、一人ひとりに異なる「賜物」があるという考え方や、「共に生きる」という目標もキリスト教精神とつながっています。成績や順位だけで人間を評価しない学校文化も、ここから生まれています。

競争の中で常に順位を上げることを励みにする子より、「自分は何をしたいのか」「自分の力を誰かのためにどう使えるか」と考えることに抵抗のない子の方が、立教らしい教育になじみやすいでしょう。

立教大学に魅力を感じつつ、学部まで今決めたくない子

立教大学への一貫連携に魅力を感じていても、小学6年生の段階で将来の学部まで決めておく必要はありません。

立教大学には文学、経済、理学、社会、法、観光、経営、現代心理、異文化コミュニケーション、スポーツウエルネスなど幅広い学部があり、中高時代には大学生や大学教員と接する機会もあります。

高校では卒業研究論文に取り組み、自分が関心を持つ分野をかなり本格的に掘り下げます。その過程を経て、「大学ではこれを学びたい」と進路を具体化できます。

一方で、立教大学への推薦では希望学部・学科ごとに枠があり、高校での成績、卒業研究論文、自己推薦などが学部決定に関わります。立教池袋へ入学した時点で希望学部まで約束されるわけではありません。

「立教大学には行きたい。でも、そこで何を学ぶかは中高6年間で見つけたい」という子には、この仕組みは自然です。大学名を先に決めながら、学問の中身は時間をかけて探せる。それが立教池袋の一貫連携教育の使い方の一つです。

「受験がないから楽」ではなく、「空いた時間で何をするか」を考えられる子

立教池袋を検討するとき、最も大きな相性の分かれ目はここかもしれません。

大学附属校には、大学受験へ向けた競争が比較的少ないという安心感があります。しかし、その余白を何に使うのかは本人に委ねられています。

学友会で全国レベルの作品を作ることも、海外へ出ることも、一つの研究を何年も続けることもできます。文化祭を企画する、生徒会で学校を変える、礼拝の奉仕をするという経験もあります。

何を選んでもよいからこそ、何も選ばずに過ごすこともできてしまいます。

立教池袋に最も向いているのは、入学時から完成された優等生ではなく、「せっかく6年間あるなら、何か夢中になれるものを見つけたい」と思える子でしょう。その「何か」が勉強なのか、スポーツなのか、鉄道なのか、音楽なのかは決まっていません。自分の賜物を探す時間そのものを楽しめるかどうかが、この学校との相性を考える一つの基準になります。

まとめ|立教大学へ続く10年間の中で自分のテーマを見つける学校

立教池袋中学校は、キリスト教に基づく人間教育の中で、一人ひとりの能力や個性を「賜物」と捉え、それを6年間かけて探し、伸ばしていく男子校です。立教大学への一貫連携という明確な進路を持ちながら、その時間的な余裕を学友会、研究、行事、海外経験などへ振り向けられるところに、この学校の性格があります。

池袋という立地や立教大学への推薦制度だけを見ても分からない部分が多い学校です。むしろ、大学受験へ一直線に進まない時間を、中高生がどう使うのか。その問いに立教池袋らしさが表れています。

「賜物」を探すことが6年間の中心にある

立教池袋では、成績だけで生徒の価値を測るのではなく、それぞれが持つ能力や興味を「賜物」と考えます。

その対象は、英語や数学、スポーツのような分かりやすいものに限りません。鉄道模型を作ること、生物を観察すること、舞台を支えること、仲間をまとめることも、その生徒らしい力になり得ます。

授業、選科、学友会、キャンプ、R.I.F.など、さまざまな場面に参加しながら、自分が何に時間を使いたいと思うのかを知っていく。「将来の夢を早く決めなさい」という学校ではなく、夢中になれるものを探す時間そのものを教育として扱う学校です。

立教大学への一貫連携は「受験がない」以上の意味を持つ

卒業生の多くが立教大学へ推薦で進学できることは、立教池袋を選ぶ大きな理由になります。ただし、その制度の意味を「大学受験をしなくてよい」だけで捉えると少しもったいありません。

高校までクラブを続ける、卒業研究論文を書く、海外へ出る、大学の授業に触れる。一般的な進学校なら大学入試演習に使われる時期にも、別の経験へ時間を使えます。

一方、推薦には高校での学習、英語力、卒業研究論文、自己推薦などの条件があり、希望する学部にも選考があります。進路が見えているから勉強をしなくてよいのではなく、入試とは違う形で日々の学びを積み上げることになります。

1学年約150人の男子校という規模も学校らしさをつくる

立教池袋は1学年4クラス、約150人という比較的コンパクトな男子校です。巨大な大学附属校を想像すると、実際の中高の規模との違いに少し驚くかもしれません。

学年全体がある程度見渡せる一方で、学友会では中学生と高校生が一緒に活動する機会も多く、縦の人間関係も生まれます。男子だけの環境で、かなり個性的な趣味や興味をそのまま出しやすいことも、この規模と校風に関係しています。

自由な雰囲気がありますが、その自由は「自律」とセットです。細かな指示を待つより、自分で考え、失敗しながら行動できる男子の方が、この環境を生かしやすいでしょう。

池袋のキャンパスで、学校と大学が日常的につながる

要町駅から徒歩5分、池袋駅から徒歩10分。交通の便に加えて、立教大学池袋キャンパスがすぐ隣にあることも立教池袋の特徴です。

50m屋内温水プール、人工芝グラウンド、図書館、各種実験・学習施設など、中高生が使う設備もまとまっています。そのすぐそばには大学生が学ぶ環境があり、高校では大学の授業へ接続する制度もあります。

大学附属という制度だけでなく、「数年後に自分が学ぶかもしれない大学が日常の風景の中にある」ことは、中学生が将来を考えるうえで独特の環境です。

他大学受験を第一目的にする学校ではない

学校選びでは、この点もはっきり理解しておく必要があります。

立教大学以外へ進学する道はありますが、一般選抜で他大学を受験する場合は、原則として立教大学への推薦を保持したまま挑戦する仕組みではありません。また、学校のカリキュラムも他大学受験対策を中心に組まれているわけではありません。

東京大学や医学部などを最初から第一目標として、中学から大学受験型の学習を進めたい家庭なら、進学校の方が方向性は合いやすいでしょう。

反対に、立教大学という進路に魅力を感じながら、スポーツ、研究、文化活動、海外経験などにも時間を使いたい家庭には、立教池袋ならではの選択肢があります。

「大学附属だから」だけでなく、「この6年間を送りたいか」で選びたい

立教池袋の受験を考えると、どうしても立教大学への推薦制度に目が向きます。それは確かに学校の重要な特徴です。

しかし、実際に本人が過ごすのは、大学入学までの長い中高生活です。毎日の礼拝があり、男子だけの約150人の学年で過ごし、学友会に入り、キャンプへ出かけ、文化祭をつくり、自分なりの興味を探します。

学校説明会だけではなく、R.I.F.やオープンキャンパスで生徒の様子を見てみると、「立教大学へ行ける学校」という説明より、学校の実像が見えやすくなります。

大学受験に追われない時間を使って、自分が本当に好きなものや得意なことを見つけたい。そのために男子校の6年間と、その先の立教大学まで続く時間を使いたいと思えるなら、立教池袋は一度じっくり見ておきたい学校です。

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