【2026年版】安田学園中学校の評判は?「自学創造」と学校完結型の学習環境が特徴の共学校を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|創立100年を超えて進化する共学校
    1. 墨田区横網にある私立の中高一貫共学校
    2. 1923年、安田善次郎の理念を受け継いで創立
    3. 2014年に共学化し、普通科中心の進学校へ
    4. 教育目標は「自学創造」
    5. 「誠実・明朗・奉仕」を日々の学校生活にも置く
    6. 伝統校というより、「改革を続けてきた100年超の学校」
  2. アクセスと立地環境|両国駅から徒歩圏、都心東部から通いやすい立地
    1. 最寄りは都営大江戸線「両国駅」、学校まで徒歩3分
    2. JR総武線で千葉方面・都心方面のどちらからも通える
    3. 大江戸線なら都心各地から乗り換えやすい
    4. 蔵前駅も利用でき、浅草線沿線からの通学にも対応
    5. 両国国技館・旧安田庭園の近くにあるキャンパス
    6. 6年間の通学では「駅から近い」以上の意味がある
  3. 教育方針とカリキュラム|「自学創造」を育てる6年間の学び
    1. 中学から高校までを3ステージに分ける6年間
    2. 週34時間、土曜日も4時間の通常授業
    3. 朝15分のチェックテストから始まる「学校完結型」の学習
    4. 中3の1学期までに英語・数学・国語の中学範囲を終える
    5. 「なぜ?」から始める探究を中1から積み重ねる
    6. 週7時間の英語を、実際に使う機会へつなげる
  4. 学習環境と施設設備|学校完結型の学習を支える校内環境
    1. 本館・北館・南館を使い分ける都市型キャンパス
    2. 朝7時から使える84席の個別ブース型自習室
    3. 約7万冊の図書館と、探究に使うパソコンフロア
    4. 理科実験室と420名収容のオーディオホール
    5. 冷暖房付き体育館から武道場、校庭まで
    6. 食堂はなく、昼食は教室で。注文弁当や軽食販売も利用できる
  5. 学校生活と行事|宿泊行事から海外研修まで広がる経験
    1. 体育祭は中高6学年が参加し、生徒が運営を担う
    2. 中1は「磯」、中2は「森林」へ。探究活動そのものが学校行事になる
    3. 9月の「安田祭」は、探究成果を人に伝える場でもある
    4. 合唱コンクールと英語スピーチ、クラスで作る行事と個人で挑む行事
    5. TOKYO GLOBAL GATEWAYから海外体験へつなげる
    6. 高校ではオーストラリア修学旅行へ。6年間で経験の範囲が広がる
  6. クラブ活動|全国レベルの競技と科学探究が共存する放課後
    1. 運動部から研究系まで、30を超えるクラブ・同好会
    2. 全国大会まで進む卓球・男子バレーボール
    3. チアリーディング、柔道、バスケットボールなども活発
    4. 生物クラブは研究成果を世界の舞台で発表
    5. 「サイエンス」「エレクトロニクス」など研究系クラブも多い
    6. 吹奏楽、かるた、鉄道研究など文化部の選択肢も広い
  7. 進学実績と卒業後の進路|国公立・難関私大へ伸びる進学実績
    1. 2026年春は卒業生496名、国公立大学に現役67名が合格
    2. 東大・京大・東京科学大から地方旧帝大まで進路が広がる
    3. 早慶上理にも現役合格者が積み上がる
    4. GMARCHは現役342名、近年大きく増加
    5. 医学部・獣医学部を目指す生徒にも実績
    6. 「学校完結型」の学習を、高校では受験実戦へつなげる
  8. 学費や諸経費について|授業料から研修積立金まで確認
    1. 入学手続時は入学金25万円+入学準備費15万円
    2. 中学の毎月の学費は77,684円
    3. 旅行積立金には中学の校外探究活動が含まれる
    4. 中3のニュージーランド短期留学は約70万円を予定
    5. iPadなど、初年度には別途必要な費用もある
    6. 高校進級時にも約25万円の費用がかかる
    7. 成績上位者には40万円を給付する特待制度
  9. 入試情報と合格の目安|複数回入試と特待制度を整理
    1. 2027年度は2月1日から3日まで5回の入試を実施
    2. 4科目型は300点満点、国語・算数を厚く配点
    3. 都立中高一貫校型の「適性検査型」も選べる
    4. 2026年度は後半になるほど競争が厳しくなった
    5. 四谷大塚80%偏差値は54〜56が目安
    6. 成績上位者には40万円を給付する特待制度
    7. 複数回出願は受験料3万円、合否は試験当日の夜に分かる
  10. 併願校パターン|午後入試も活かして組み立てる受験日程
    1. 安田学園は2月1日・2日に午前午後の4回、3日午前にも受験できる
    2. チャレンジ校には芝浦工業大附属、適性検査型なら都立両国
    3. 東洋大京北は難度・日程の両面で比較しやすい
    4. 安全校候補には日本工業大学駒場を組み込みやすい
    5. 男子なら獨協、女子なら共立女子・品川女子も候補
    6. 難関校へ挑戦するなら「午前チャレンジ+午後安田」
    7. 都立両国が第一志望なら、安田学園の適性検査型を活用できる
    8. 「安全校」は1月の模試と過去問の両方から決める
  11. 在校生・保護者の声|学習支援と学校生活から見える校風
    1. 「自分で学ぶ」は、入学してすぐできることを求められるわけではない
    2. 朝テストと補習は「面倒見の良さ」と「学習量」の両面を持つ
    3. 「人間力」の授業が、普通の教科学習とは違う時間になる
    4. 探究では、正解のない問いに慣れていく
    5. クラブ活動に打ち込む生徒も多く、放課後は受験勉強だけではない
    6. 先生に質問できる環境を、自分から使えるかも大切
    7. 「勉強する学校」であることは、入学前に理解しておきたい
  12. この学校に向いている子の特徴|自分で学び、学力を着実に伸ばしたい子へ
    1. 「勉強のやり方」まで身につけたい子
    2. 学校の中で勉強を完結させたい子
    3. 大学受験を見据えつつ、中学では土台を固めたい子
    4. 理科や探究で「なぜ?」を追いかけるのが好きな子
    5. 勉強だけでなく、部活動にも本気で取り組みたい子
    6. 英語や海外経験を「実際に使う場」まで広げたい子
    7. 手厚く支えてもらいながら、最終的には自分で動きたい子
  13. まとめ|「自学創造」が進路につながる6年間
    1. 安田学園の軸は、学力そのものより「学び方」を育てること
    2. 「学校完結型」は、授業の外まで含めた仕組み
    3. 探究や人間力教育にも、100年を超える学校の考え方が表れる
    4. 部活動や海外体験まで含めて、学校生活はかなり密度が高い
    5. 近年の進学実績は、「自分で学ぶ」6年間の先にある
    6. 「勉強する環境を学校に求めたい」家庭なら、一度見ておきたい

学校の概要|創立100年を超えて進化する共学校

墨田区横網にある私立の中高一貫共学校

安田学園中学校は、東京都墨田区横網2丁目にある私立の男女共学校です。高等学校を併設し、中学校から入学した生徒は「一貫部」として6年間を見通した教育を受けます。一方、高校からの募集も行っているため、中学入学者だけで6年間を過ごす完全中高一貫校ではありません。

校地は両国国技館や旧安田庭園に近く、JR総武線と都営大江戸線の両国駅から徒歩圏にあります。東京の下町文化が残る両国にありながら、秋葉原や御茶ノ水、錦糸町などにも近い都市型の学校です。

1923年、安田善次郎の理念を受け継いで創立

安田学園の創立は1923年(大正12年)。安田財閥を築いた実業家・安田善次郎の「実業界の有用な人物の育成は社会発展の基礎である」という考えを受け継いで設立されました。

創立時に重視されたのは、学校で得た知識を自分のためだけに使うのではなく、社会の中で役立てられる人物を育てることでした。100年以上を経て産業構造も学校教育も大きく変わりましたが、「学んだ力を社会で生かす」という発想は、現在の教育目標にも残っています。

2023年には創立100周年を迎えました。長い歴史を持つ一方、現在の安田学園は昔ながらの学校制度をそのまま維持してきた学校ではありません。特に2010年代には、教育内容と学校の形を大きく転換しています。

2014年に共学化し、普通科中心の進学校へ

安田学園は長く男子校として歩んできましたが、グローバル化する社会を見据えて教育改革を進め、2014年度に中学校・高等学校を男女共学化しました。同時期に専門学科を廃止し、普通科を中心とする現在の学校体制へ移行しています。

現在の安田学園を見るとき、この転換はかなり重要です。100年を超える伝統校であると同時に、現在の共学校としての歴史は十数年ほど。大学進学を見据えたカリキュラム、探究、グローバル教育、ICTを利用した学習など、現在の教育の多くはこの改革の中で形づくられてきました。

教育目標は「自学創造」

2012年に定められた現在の教育目標が、「自学創造」です。安田学園ではこれを「自ら考え学び、創造的学力・人間力を身につけ、グローバル社会に貢献する」こととして位置づけています。

ここでいう「自学」は、単に自習をたくさんするという意味ではありません。与えられた問題を解くだけでなく、自分で問いを見つけ、考え、必要な知識を使いながら解決方法を組み立てていくことを目指しています。

そのため学校の教育は、「学び力伸長システム」「進学力伸長システム」に加え、探究、キャリアデザイン、グローバル教育・体験、人間力教育、クラブ・委員会活動、体験行事などを組み合わせて構成されています。大学入試のための学力だけを独立して育てるのではなく、学校生活全体を「自学創造」につなげようとする設計です。

「誠実・明朗・奉仕」を日々の学校生活にも置く

もう一つ、安田学園を理解する手がかりになるのが「誠実・明朗・奉仕」という校訓です。すべてのホームルーム教室にこの三つの言葉が掲げられています。

人間力教育では、創立者・安田善次郎の生き方やさまざまな人物の逸話を扱う教材『生き方の探究』を使い、「人としてどう生きるか」「身につけた力を社会でどう生かすか」を考えます。学力を高めることと、人間としての態度を別々のものとして扱わないところに、創立以来の考え方が残っています。

「自学創造」が学び方を表す言葉だとすれば、「誠実・明朗・奉仕」はその力をどのように使うかを考える言葉とも捉えられます。

伝統校というより、「改革を続けてきた100年超の学校」

安田学園は、1923年創立という歴史だけを見ると伝統校ですが、現在の学校像は共学化、進学校化、探究教育、グローバル教育、学校完結型の学習支援といった改革の積み重ねによってできています。

近年の大学進学実績が目立つようになったことも、その変化の一つの結果です。ただし、安田学園が掲げているのは、難関大学への合格そのものを最終目的とする教育ではありません。自分で学ぶ習慣をつくり、探究や体験を通して考える対象を広げ、その力を最終的に進路へつなげるという考え方です。

創立者が100年以上前に掲げた「社会で役立つ人物を育てる」という発想を、現在は「自学創造」という言葉に置き換えて実践している。安田学園の歴史と現在をつなげて見ると、この学校が何を目指しているのかが分かりやすくなります。

アクセスと立地環境|両国駅から徒歩圏、都心東部から通いやすい立地

最寄りは都営大江戸線「両国駅」、学校まで徒歩3分

安田学園中学校は東京都墨田区横網2丁目にあり、最も近いのは都営大江戸線「両国駅」A1出口から徒歩3分です。JR総武線「両国駅」西口からも徒歩6分で、地下鉄とJRの2路線を日常的な通学に利用できます。

駅・路線学校までの目安
都営大江戸線「両国駅」A1出口徒歩3分
JR総武線「両国駅」西口徒歩6分
都営浅草線「蔵前駅」A1出口徒歩10分

中高6年間、ほぼ毎日通うことを考えると、駅から3〜6分という距離は小さくありません。雨の日や荷物が多い日、部活動を終えて帰宅する日にも、駅まで長時間歩かずに済みます。

JR総武線で千葉方面・都心方面のどちらからも通える

JR総武線の両国駅を利用できるため、錦糸町、新小岩、市川、船橋など東京東部から千葉県西部にかけて通学経路を組みやすい学校です。反対方向では秋葉原、御茶ノ水方面へつながり、都心側からの通学にも利用できます。

総武線は都内東西を横断する路線なので、安田学園の通学圏は墨田区周辺だけに限られません。特に江戸川区、葛飾区、江東区、市川市、船橋市などから中学受験を考える家庭にとって、両国という立地は検討しやすい位置にあります。

大江戸線なら都心各地から乗り換えやすい

都営大江戸線の両国駅が学校から徒歩3分という点も、通学圏を広げています。大江戸線は上野御徒町、飯田橋、新宿、六本木、大門などを結んでおり、沿線だけでなく各所でJRや地下鉄に乗り換えられます。

例えば都心北部や城北地域からは飯田橋・春日方面、城南・都心部からは大門や六本木方面を経由するルートを考えられます。JR総武線とは異なる方向を走るため、二つの路線を使えること自体が通学経路の選択肢を増やしています。

蔵前駅も利用でき、浅草線沿線からの通学にも対応

都営浅草線「蔵前駅」A1出口からは徒歩10分です。浅草線は押上、浅草、日本橋、新橋、泉岳寺方面へつながっており、京成線や京急線との直通運転も行われています。

両国駅だけを見ると総武線・大江戸線の学校という印象ですが、蔵前駅まで含めると利用できる方向はさらに広がります。自宅から学校までの通学では、単純に最寄り駅だけを使うより、乗り換え回数の少ない路線を選んだ方が早い場合もあります。

両国国技館・旧安田庭園の近くにあるキャンパス

学校周辺には両国国技館、旧安田庭園、横網町公園などがあり、少し歩けば隅田川に出ます。両国といえば大相撲の街として知られていますが、学校のある横網周辺には庭園や公園、文化施設がまとまっています。

安田学園の校地は、かつて安田善次郎邸があった場所にあたります。現在も南側には旧安田庭園が残り、学校の歴史と周辺の街並みが直接つながっています。

繁華街の中心に校舎があるわけではなく、主要駅から近い一方で、学校周辺には公園や公共施設が多いという立地です。都市型の学校として交通の便利さを持ちながら、校門を出てすぐ大規模な商業街になる環境とは少し異なります。

6年間の通学では「駅から近い」以上の意味がある

安田学園では土曜日にも授業があり、クラブ活動に参加すれば放課後まで学校にいる日も増えます。中学・高校の6年間では、駅から学校までの数分の違いが毎日の生活時間として積み重なります。

また、JR総武線、大江戸線、浅草線という性格の異なる3路線を利用できるため、事故や運休があった場合に別経路を検討しやすい点もあります。

学校説明会や安田祭を訪れる際には、自宅から普段使うことになる路線で一度通ってみるとよいでしょう。朝の乗り換え、駅構内から地上までの時間、学校までの道のりまで実際に確かめると、安田学園で6年間を過ごす生活がかなり具体的に見えてきます。

教育方針とカリキュラム|「自学創造」を育てる6年間の学び

中学から高校までを3ステージに分ける6年間

安田学園の一貫部では、中高6年間をStageⅠ(中1・中2)、StageⅡ(中3・高1)、StageⅢ(高2・高3)の3段階に分けています。中学校から入学した生徒は全員「先進コース」でスタートし、生活習慣の確立から大学進学までを一続きの流れとして学びます。

中1では、起床・就寝時間や家庭学習時間を整え、まず「決められたことを自分で実行できる状態」をつくります。中2になると、クラブ活動と家庭学習の時間を自分で調整し、与えられた課題以外にも必要な勉強を考える段階へ進みます。

中3では、自分の得意・不得意を分析して弱点を補うことが求められます。高1では自律した学習者として動くこと、高2では第一志望大学と自分に合った学習法を明確にすること、高3では第一志望への進学を目指すことへと重心が移ります。学校が掲げる「自学創造」を、学年ごとに少しずつ具体化していく構成です。

週34時間、土曜日も4時間の通常授業

中学校は月曜日から土曜日までの週6日制です。平日は50分授業を6時間、土曜日は4時間の通常授業を行い、中1から中3まで週34時間を確保しています。

教科中1中2中3
国語5時間5時間5時間
社会3時間3時間4時間
数学6時間5時間5時間
理科3時間4時間4時間
英語7時間7時間7時間
総合2時間2時間2時間
全教科合計34時間34時間34時間

英語は3年間を通して週7時間、数学は中1で週6時間と、主要教科には十分な時間を割いています。ただ授業数を増やすだけではなく、理解できているかを短い周期で確認し、必要ならその日の放課後に補う仕組みまで組み込まれているのが安田学園のカリキュラムです。

朝15分のチェックテストから始まる「学校完結型」の学習

朝8時15分から30分までは、チェックテストまたは独習の時間です。中学生は英語と数学のチェックテストを曜日ごとに行い、直前までに学習した内容が定着しているかを確認します。

十分に理解できていない場合は、その日の放課後に補習を実施します。ここで特徴的なのは、間違えた問題を解き直すだけではなく、「なぜ十分に学習できなかったのか」というところまで教員や卒業生チューターと考えることです。学習内容と同時に、勉強の仕方そのものを修正していきます。

中1・中2では、年5回の定期試験前の1週間を「独習ウィーク」とし、自分で試験までの学習計画を作成します。試験後には結果を振り返り、弱点克服の計画を立て直します。夏休み・冬休みには英語・数学・国語を中心とした講習もあり、英検対策講座も用意されています。

さらに、教科担当者と学年団が日頃の学習状況や試験結果を共有する「学習指導検討会」も行われます。朝テスト、授業、補習、定期試験、講習、模試を別々に扱わず、一人の生徒の学習過程としてつないで見る仕組みです。

中3の1学期までに英語・数学・国語の中学範囲を終える

安田学園の一貫部では、中高6年間を利用して主要教科を段階的に先へ進めます。英語・数学・国語は中学3年の1学期末までに中学校範囲を修了し、夏休みに総復習を行った後、「中学集大成テスト」で定着度を確認します。

中3の2学期からは高校内容の学習が始まります。単に早く高校教材へ進むのではなく、その前に中学範囲を振り返る期間と試験を置いている点が重要です。中高一貫校では進度の速さが注目されがちですが、速く進んだ分だけ理解の穴が残れば、高校内容に入った後で苦しくなります。安田学園では、チェックテストから集大成テストまで複数の周期で「取りこぼし」を確認します。

高校段階では、それまでに身につけた自学力を大学入試で使える応用力へ変えていきます。高2の後半から高3にかけては、志望大学群に応じた放課後進学講座、夏期・冬期講習、到達度テスト、進学合宿、共通テスト演習、入試直前演習へと進みます。

「なぜ?」から始める探究を中1から積み重ねる

「自学創造」は通常教科だけではありません。安田学園では、中高を通して探究プログラムを設けています。基本となるのは、観察から疑問を見つけ、仮説を立て、調査・観察・実験を行い、結果を考察するという流れです。

学年主な探究テーマ
中1自然科学探究
中2社会科学探究
中3地域研究・プレ個人探究
高1個人探究
高2個人探究の応用

中1では動物など身近な自然を題材として探究の方法そのものを学び、中2では新潟県十日町市での活動などを通して、自然と人間の関わりや地域の課題を考えます。中3では自分で課題を見つける練習を重ね、高1の個人探究につなげます。

中3の社会科ではディベートも取り入れています。自分の意見を述べるだけではなく、根拠を示し、相手の考えを聞き、それに応じて論理を組み直す。こうした活動は、学校が通常授業でも重視している「根拠を追究する」「なぜと考える」という学び方とつながっています。

週7時間の英語を、実際に使う機会へつなげる

英語は中学3年間を通して週7時間です。Writing、Reading、Listening、Speakingの4技能に、「やり取り」と「発表」を含めた5領域をバランスよく扱います。

ネイティブ教員による英会話ではオールイングリッシュの授業を行い、オンライン英会話には通常授業の教材に合わせた専用教材を使用します。洋書を使った多読、英作文、リスニングなども組み合わせ、英検については学年ごとに取得目標を設定しています。

中1・中2では全員参加の英語スピーチコンテストがあり、中1から中3までは年5回の英単語コンテストを実施します。さらに中学3学年ともTOKYO GLOBAL GATEWAYでネイティブ講師によるプログラムを経験します。

そして中3では約2週間のニュージーランド短期留学があります。教室で学んだ英語を、実際に現地の学校やホームステイ先で使う段階まで用意されているため、英語教育も「覚える→試す→使う」という流れで組み立てられています。安田学園のカリキュラム全体に共通しているのは、知識を与えるだけでなく、最終的に自分で学び、自分で使える状態まで持っていくという考え方です。

学習環境と施設設備|学校完結型の学習を支える校内環境

本館・北館・南館を使い分ける都市型キャンパス

安田学園の校舎は、本館、北館、南館(中学棟)、体育館・講堂、武道場などで構成されています。限られた都心の校地を縦方向にも使いながら、普通教室、実験室、図書館、自習室、体育施設を配置したキャンパスです。

中学生が主に使用する南館には、明るいホームルーム教室のほか、学年ごとのコミュニケーションスペース、メディアコーナー、理科室、マルチルームなどがあります。上層階からは旧安田庭園や両国周辺を見渡せ、屋上には植栽を配した庭園も設けられています。

一方、本館や北館の施設も中高で利用します。中学生だけを一つの建物に閉じ込めるのではなく、目的に応じてキャンパス全体を使う形です。

朝7時から使える84席の個別ブース型自習室

「学校完結型」の学習環境を具体的に支えているのが、本館3階にある2室・計84席の個別ブース型自習室です。朝は7時から8時まで、放課後は19時45分まで開放されており、授業前や放課後に集中して学習できます。

同じ階には大職員室と相談コーナーがあり、相談コーナーには移動式のホワイトボードも用意されています。分からない問題を先生に聞いたり、個別に説明を受けたりする場として使われています。

安田学園がいう「学校完結型」は、単に校内に長時間残れるということではありません。通常授業、朝のチェックテスト、補習、講習、自習、質問対応を同じ学校生活の中でつなぎ、生徒が必要な学習を校内で進められるようにしています。塾に通うかどうかは各家庭の判断ですが、「放課後に勉強する場所がない」という状態にはなりにくい環境です。

約7万冊の図書館と、探究に使うパソコンフロア

北館1階の図書館には約7万冊の蔵書があり、99席の閲覧スペースを備えています。新刊の購入だけでなく、生徒からのリクエストも受け付けています。電子図書も利用できるため、自宅など学校外から本を読むこともできます。

2階には3つのパソコン教室を集めたパソコンフロアと探究ルームがあります。机を動かしてグループ学習ができる構成で、情報分野の授業や探究活動などに利用されます。南館にも、自分で調べたり仲間と話し合ったりするためのメディアコーナーがあります。

安田学園ではICTを、資料を見るためだけの機器として扱っていません。学習計画の作成、弱点分析、AIを利用した記憶定着、オンライン英会話などにも活用しています。教室で受ける一斉授業と、一人ひとりの理解度に応じた学習をつなぐ道具としてICTを位置づけています。

理科実験室と420名収容のオーディオホール

理科施設は、本館に生物・化学・物理それぞれの実験室があり、南館にも理科室が設けられています。南館の理科室には電子黒板のほか、ドラフトチャンバーや緊急シャワーなどの安全設備も備えています。

安田学園では中学から自然科学探究に取り組み、高校では研究活動に発展させる生徒もいます。生物クラブなどが科学研究で高い実績を残している背景には、授業時間外にも研究へ取り組める学校文化と、それを支える実験環境があります。

北館地下1階には420名を収容できるオーディオホールがあります。200インチの大型スクリーンを備え、講演会、学校説明会、生徒の発表などに使用します。南館9階のマルチルームにも音響・映像設備があり、音楽やプレゼンテーションに対応しています。

冷暖房付き体育館から武道場、校庭まで

体育館と講堂は上下2層になっています。1階の講堂は入学式や卒業式、各種学校行事に使用し、2階のドーム型体育館では体育授業のほか、バスケットボールやバレーボールなどのクラブ活動・大会が行われます。体育館と講堂はいずれも冷暖房を備えています。

別棟の武道場には98畳の柔道場と剣道場があります。校庭は全天候型で、テニスコート3面またはハンドボールコート2面を確保でき、授業やクラブ活動、昼休みに利用されます。

校地だけですべての競技環境をまかなっているわけではなく、サッカーや高校野球など一部のクラブは外部グラウンドも使用します。また、校内にプールはありません。希望するクラブがある場合は、練習場所まで含めて確認しておくとよいでしょう。

食堂はなく、昼食は教室で。注文弁当や軽食販売も利用できる

現在、安田学園には生徒用の食堂はありません。昼食は教室で食べる形で、家庭から弁当を持参するほか、校内で受け取れる弁当注文・配送サービス「おべんとね!っと」を利用できます。

本館2階のラウンジには自販機コンビニがあり、軽食や飲み物を購入できます。毎日弁当を用意する家庭にとっては、必要に応じて注文弁当や軽食販売を使えることも確認しておきたいところです。

健康面では保健室のほか、カウンセリングルームと学習室を備えた教育相談室があり、常勤の臨床心理士による相談体制が設けられています。大職員室を一つにまとめ、教員間で生徒の情報を共有しやすくしている点も、学習面・生活面を学校全体で支える安田学園の施設設計につながっています。

学校生活と行事|宿泊行事から海外研修まで広がる経験

体育祭は中高6学年が参加し、生徒が運営を担う

安田学園では、中学生と高校生が一緒に参加する行事が年間を通してあります。その代表が6月の学園体育祭です。一貫部・高等部の各クラスを赤・青・黄・緑の4グループに分け、競技と応援合戦などの総合得点を競います。

体育祭実行委員が企画や全体運営を担い、各グループでは応援団が練習をまとめます。教員がすべてを用意し、生徒が当日に参加するだけの行事ではなく、準備段階から生徒が動く形です。

会場には国立代々木競技場第一体育館を使用しています。中学1年生にとっては、入学から2か月ほどで高校生まで含む大規模な学校行事に参加することになります。6年間同じ体育祭を経験しながら、最初は上級生についていく側だった生徒が、やがて運営や応援を引っ張る側へ移っていきます。

中1は「磯」、中2は「森林」へ。探究活動そのものが学校行事になる

安田学園では、校外行事と探究学習がかなり密接につながっています。中学1年では「野外探究・磯」、中学2年では「野外探究・森林」を実施し、教室で設定したテーマを実際の自然環境の中で調べます。

中学2年の宿泊探究では、新潟県十日町市を訪れ、ブナ林の散策、里山についての講話、生物量の調査、環境保全に関わる活動などを行います。2026年度には2泊3日の日程で現地調査を行い、トキの放鳥と地域環境との関係について班ごとに考察しました。

現地へ行って体験して終わるのではありません。事前学習、現地での観察や聞き取り、帰校後の整理をつなぎ、その成果を文化祭で発表します。「宿泊行事」と「探究授業」と「文化祭」が別々に存在するのではなく、一つのテーマが数か月かけて続いていくのが安田学園らしいところです。

9月の「安田祭」は、探究成果を人に伝える場でもある

9月には文化祭である「安田祭」が行われます。クラスやクラブによる展示・発表・企画が校内各所で展開され、中学生は探究活動で調べてきた内容も発表します。

例えば中学1年では磯の野外探究、中学2年では森林や地域を扱った探究の成果を、来校者の前で説明します。自分たちの中でレポートを完成させるだけではなく、知らない人にも分かるように内容を整理し、質問にも答えるところまでが学びになります。

高校生になると企画の幅はさらに広がり、クラブによる発表や模擬店なども加わります。中学生はそうした上級生の活動を毎年見るため、「数年後には自分たちがこの企画を動かす」というイメージも持ちやすくなります。

合唱コンクールと英語スピーチ、クラスで作る行事と個人で挑む行事

2月には、中学1年から3年までが参加する合唱コンクールがあります。クラスごとに曲を決め、指揮者や伴奏者を中心に練習を進めます。本番が近づくと、放課後に生徒だけで練習を重ねるクラスもあります。

同じ時期には、中学1・2年生を対象とした英語スピーチコンテストも実施されます。全員が取り組み、クラス予選を通過した代表者が学年の前で発表します。

合唱ではクラス全体で一つの作品をつくり、スピーチでは自分の言葉を一人で人前に届ける。形は異なりますが、どちらにも「準備したものを他者の前で表現する」という共通点があります。安田学園では探究発表も含め、人前で伝える経験が学校生活の中に何度も現れます。

TOKYO GLOBAL GATEWAYから海外体験へつなげる

英語については、授業だけでなく実際に使う機会も設けられています。中学1年から3年まで全員がTOKYO GLOBAL GATEWAYでの研修に参加し、ネイティブ講師と英語を使ったさまざまなプログラムに取り組みます。

さらに中学3年では、ニュージーランドの現地校で学ぶ短期留学プログラムがあります。現地ではホームステイをしながら、英語だけでなく数学、理科、体育などの授業にも現地生徒と一緒に参加します。日本で「英会話の練習」をするのとは違い、英語を使わなければ学校生活そのものが進まない環境に入ることになります。

希望者向けには、中2以降にニュージーランド・フィールドスタディ、高校1年ではニュージーランドまたはオーストラリアへの約3か月のターム留学、高校では日韓交流やニューヨーク研修なども用意されています。海外へ出る経験を一度きりのイベントにせず、興味が深まった生徒が次の段階へ進める構成です。

高校ではオーストラリア修学旅行へ。6年間で経験の範囲が広がる

一貫部では高校2年にオーストラリア修学旅行を実施します。ブリスベンを拠点に、モートン島での生物・環境学習、国際理解、英語によるコミュニケーション、社会貢献などを教科横断的に扱います。

このほか、11月には「本物鑑賞」、高校1年では学校の立地を生かした大相撲観戦、高校では進学合宿や球技大会などもあります。学年が上がるにつれて、行事の内容も「クラスで楽しむ」ものから、探究、国際理解、進路を考える活動へ広がっていきます。

安田学園の行事を年間予定だけで見ると、体育祭、文化祭、合唱コンクールという一般的な学校行事も並んでいます。ただ実際には、野外探究の成果を安田祭で発表したり、英語授業の先にTGGや海外体験を置いたりと、普段の学習と行事をつなげている場面が多いのが特徴です。「自学創造」は教室の中だけで練習するものではなく、学校外で調べ、人に伝え、異なる環境へ出ていく経験にも広げられています。

クラブ活動|全国レベルの競技と科学探究が共存する放課後

運動部から研究系まで、30を超えるクラブ・同好会

安田学園では、運動部・文化部・同好会を合わせて30を超える活動が用意されています。運動系には卓球、バレーボール、バスケットボール、柔道、剣道、硬式テニス、陸上競技、サッカー、野球、ハンドボール、チアリーディングなどがあり、文化系には吹奏楽、演劇、かるた、生物、サイエンス、エレクトロニクス技術、鉄道研究、社会科、茶道、美術漫画、ESSなどがあります。

活動形態はクラブによってかなり異なります。週5〜6日活動する競技志向の強い部もあれば、週1〜2日を中心とする文化部もあります。兼部を認めているクラブも多く、興味のある活動を組み合わせることも可能です。

中学と高校で同じ競技・分野のクラブが設けられているケースも多く、一貫校の6年間を通して活動を続けられます。ただし、練習日やチーム編成は中高で分かれている場合もあり、すべてのクラブが常に中高合同で活動するわけではありません。

全国大会まで進む卓球・男子バレーボール

安田学園には、長く全国大会へ選手を送り出してきた運動部があります。その一つが男子卓球クラブです。2024年度には中学男子が東京都大会団体優勝、関東大会準優勝を経て全国中学校卓球大会へ出場。個人戦でも複数の選手が関東・全国大会へ進みました。

高校男子も2024年度に関東大会へ出場し、インターハイには個人で出場しています。卓球は安田学園の競技スポーツを長く支えてきた部の一つで、中学から高いレベルの大会を経験できる環境があります。

男子バレーボールも実績があります。中学男子は2024年度、東京都大会、関東大会を勝ち上がり、全国中学校バレーボール大会で優勝。20年ぶり3回目の全国制覇となりました。高校男子も長年にわたり関東大会への出場を重ねています。

チアリーディング、柔道、バスケットボールなども活発

全国レベルの実績は卓球やバレーボールだけではありません。チアリーディングクラブは2026年春の全国選手権大会で高校編成がグランプリと文部科学大臣賞を受賞しました。中学生も高校編成のチームに参加する場合があり、中高を越えて一つの演技を作り上げます。

柔道クラブも関東大会への出場実績があり、高校では2026年度にも関東大会出場を決めています。中学バスケットボールは男女とも活動しており、2026年度の墨田区夏季総体でも大会に出場しました。

一方ですべての運動部が全国大会を目標とするわけではありません。硬式テニス、陸上、合気道、スキー、ゴルフなど、それぞれ活動日数や大会への取り組み方が異なります。中学受験時に特定の競技を続けたい場合は、「部があるか」だけでなく練習頻度や活動場所まで見ておきたいところです。

生物クラブは研究成果を世界の舞台で発表

安田学園のクラブ活動で、運動部とは別の意味で存在感があるのが生物クラブです。生徒自身がテーマを設定して研究を続け、学会や科学コンテストで成果を発表しています。

2026年には高校生2名が日本代表として、アメリカ・アリゾナ州フェニックスで開催された国際学生科学技術フェア「Regeneron ISEF 2026」に出場しました。世界各国から高校生研究者が集まる場で、自分たちの研究内容を英語で説明し、海外の参加者と交流しています。生物クラブとしては2年連続、通算4回目のISEFへの挑戦となりました。

同年夏には全国高等学校総合文化祭の自然科学部門でも奨励賞を受賞しています。中学校にも生物クラブがあり、高校生になって突然研究を始めるのではなく、中学段階から観察や実験に触れ、その先に本格的な研究活動があります。

「サイエンス」「エレクトロニクス」など研究系クラブも多い

科学系では、生物クラブとは別にサイエンスクラブやエレクトロニクス技術クラブも活動しています。サイエンスクラブは化学や物理など幅広いテーマを扱い、2026年度には「サイエンスキャッスルジャパン2026」の口頭発表部門で優秀賞を受賞しました。

エレクトロニクス技術クラブでは電子工作やロボットなどに取り組み、全国規模のロボット競技会への出場経験があります。2027年度からは物理クラブも再開する予定です。

安田学園では通常授業でも中1から探究活動を行っていますが、クラブでは授業時間の枠を越えて、一つのテーマを何か月、場合によっては何年も追い続けることができます。「理科が得意」という段階から、「自分で研究テーマを持ちたい」という段階まで進める場所が校内にあるわけです。

吹奏楽、かるた、鉄道研究など文化部の選択肢も広い

文化部は研究系に限りません。吹奏楽、演劇、合唱、茶道、書道、写真、美術漫画、文芸、クッキングなど、学校生活の中で趣味や表現活動を続けられるクラブもそろっています。

競技性のある文化部もあり、かるたクラブは全国規模の大会への出場実績を持ちます。インターアクトでは地域や社会と関わる活動、ESSでは英語、鉄道研究では模型や鉄道についての研究・発表に取り組みます。

安田学園の放課後は、全国大会を目指して体育館で練習する生徒もいれば、実験室で研究を続ける生徒、楽器を演奏する生徒、文化祭へ向けて作品を作る生徒もいます。進学実績が目立つ学校ですが、放課後まで大学受験一色というわけではありません。「自学創造」という学校の考え方は、勉強だけでなく、自分で選んだ活動を深く追いかける時間にも表れています。

進学実績と卒業後の進路|国公立・難関私大へ伸びる進学実績

2026年春は卒業生496名、国公立大学に現役67名が合格

安田学園の2026年春の大学入試では、卒業生496名に対して、国公立大学の現役合格者数が67名となりました。東京大学、京都大学、東京科学大学をはじめ、北海道大学、東北大学、大阪大学、東京外国語大学、千葉大学、東京都立大学などへ合格者を出しています。

安田学園には系列大学への内部進学制度がないため、高校卒業後はそれぞれの志望に応じて外部大学を受験します。中学から入学した生徒にとっても、6年間の学習の出口は特定の大学に固定されていません。

近年は国公立大学の合格者数が増えており、2024年春の57名から2026年春には67名へ伸びました。難関大学の名前だけでなく、国公立大学全体への進学を目指す層が厚くなっていることが分かります。

東大・京大・東京科学大から地方旧帝大まで進路が広がる

2026年春の主な国公立大学現役合格者は、東京大学1名、京都大学1名、東京科学大学2名。さらに東京外国語大学3名、お茶の水女子大学2名、北海道大学3名、東北大学3名、大阪大学2名と、首都圏だけでなく全国の難関国立大学へ進路が広がっています。

主な国公立大学2026年春 現役合格者数
東京大学1名
京都大学1名
東京科学大学2名
東京外国語大学3名
お茶の水女子大学2名
北海道大学3名
東北大学3名
大阪大学2名
筑波大学2名
千葉大学9名
東京都立大学5名

安田学園は東京東部にある学校ですが、大学選びを首都圏だけに限定しているわけではありません。北海道・東北・関西の国立大学まで含めて、生徒の希望する学問分野から進路を考えています。

早慶上理にも現役合格者が積み上がる

私立大学では、2026年春に早稲田大学27名、慶應義塾大学20名、上智大学16名、東京理科大学50名が現役で合格しました。国際基督教大学にも2名が合格しています。

大学2026年春 現役合格者数
早稲田大学27名
慶應義塾大学20名
上智大学16名
東京理科大学50名
国際基督教大学2名

東京理科大学への合格者が多い点は、安田学園の進路実績の一つの特徴です。理系への進学を考える生徒にとって、国公立大学だけでなく私立理工系まで幅広い選択肢があります。

GMARCHは現役342名、近年大きく増加

GMARCHでは、学習院大学36名、明治大学69名、青山学院大学30名、立教大学45名、中央大学44名、法政大学102名が現役合格し、合計は342名となりました。

大学2026年春 現役合格者数
学習院大学36名
明治大学69名
青山学院大学30名
立教大学45名
中央大学44名
法政大学102名

GMARCHレベルの現役合格者数は、2022年春の129名から、2023年210名、2024年222名、2025年277名、2026年342名と推移しています。卒業生数の変動もあるため単純な比較はできませんが、難関私立大学への合格が一部の上位層だけに限られず、学校全体へ広がってきた様子が見えます。

このほか、成城大学20名、明治学院大学24名、獨協大学43名、武蔵大学23名、日本大学141名、東洋大学88名、駒澤大学27名、専修大学38名などにも現役合格者を出しています。

医学部・獣医学部を目指す生徒にも実績

医学部への進学を目指す生徒もいます。2026年春には、鹿児島大学医学科1名、防衛医科大学校医学科2名、東京医科大学医学科2名、国際医療福祉大学医学科3名、日本医科大学1名、杏林大学医学科1名、東邦大学医学科1名などの現役合格者を出しました。

日本獣医生命科学大学獣医学科にも1名が合格しています。安田学園では中学から自然科学探究を行い、生物クラブやサイエンス系の活動も盛んです。そうした環境で理科への関心を深め、大学で医学・生命科学を学ぶ進路へつながる生徒もいます。

医学部を含む大学入試では、通常の授業だけでなく高校段階で志望分野に応じた演習量が必要になります。校内で質問、自習、講習まで進められる環境は、こうした受験準備にも利用されています。

「学校完結型」の学習を、高校では受験実戦へつなげる

近年の進学実績を支えているのが、中学から続く学校完結型の学習システムです。中学校ではチェックテスト、補習、定期試験、講習を通して自分で学習を管理する習慣をつくり、中3から高校内容へ進みます。

高校では、志望大学や学力段階に応じて、放課後進学講座、長期休暇中の講習、模試、共通テスト対策、入試演習などを組み合わせます。高校から入学する生徒には、東大・一橋大・東京科学大などを目指す「S特コース」と、難関国公立大・早慶上理を目指す「特進コース」があり、学校全体として難関大学進学を意識した学習環境が整えられています。

ただし、中学からの6年間を考えるなら、大学名だけを見て安田学園を理解するのは少し早いでしょう。中1では学習時間を自分で管理するところから始まり、探究、英語、クラブ活動を経験しながら、高校ではその自学力を大学受験へ向けて使うようになります。「自分で学べるようになること」を先に置き、その結果として進学実績につなげるという順序が、安田学園の進路指導の基本です。

なお、大学合格者数には一人の生徒による複数大学・複数学部への合格が含まれます。実際の大学進学者数とは異なるため、合格実績を見る際にはその点を分けて考える必要があります。

学費や諸経費について|授業料から研修積立金まで確認

入学手続時は入学金25万円+入学準備費15万円

安田学園中学校では、入学手続時に入学金250,000円入学準備費用150,000円を納入します。入学準備費用には、PTA入会金、生徒会入会金、教材費、学年費などが含まれています。

入学手続時の費用金額
入学金250,000円
入学準備費用150,000円
合計400,000円

これとは別に、制服は購入数によって差がありますが約120,000円、体育着・上履きなどで約40,000円が目安です。入学前には学費だけでなく、制服や学校指定品まで含めて準備しておく必要があります。

中学の毎月の学費は77,684円

2026年度の中学生の学費は月額77,684円が目安となっています。年間4期に分け、4月・7月・10月・1月に納入します。

主な費用月額
授業料41,000円
施設維持費9,000円
教育充実費8,000円
PTA会費1,300円
生徒会会費1,000円
旅行積立金15,000円
オンライン英会話2,384円
合計77,684円

12か月分では約93万円です。ここには授業料だけでなく、施設維持費や教育充実費、旅行積立金、オンライン英会話なども含まれます。安田学園の年間費用を考える場合は、授業料の金額だけを見るより、この月額全体を基準にした方が実際の負担を把握しやすくなります。

旅行積立金には中学の校外探究活動が含まれる

毎月15,000円の旅行積立金は、中学校で行われる磯探究、野外探究・森林、地域探究などの費用に充てられます。

安田学園では、中学1年の自然科学探究、中学2年の森林・地域を扱った活動など、宿泊や校外での学習をカリキュラムの一部として組み込んでいます。したがって、旅行積立金も単純な修学旅行のためだけの積立ではなく、探究教育を支える費用として考えると分かりやすいでしょう。

なお、中学3年で行われるニュージーランド短期留学の費用は、この旅行積立金には含まれていません。

中3のニュージーランド短期留学は約70万円を予定

中学3年では、現地校での授業やホームステイを経験するニュージーランド短期留学があります。費用は約700,000円が予定されており、毎月の旅行積立金とは別に必要です。

安田学園では英語を週7時間学び、オンライン英会話やスピーチコンテスト、TOKYO GLOBAL GATEWAYなどを経て、海外で実際に英語を使うところまでカリキュラムをつないでいます。語学研修は希望者だけの観光的な行事ではなく、中学段階の国際教育の中で大きな位置を占めています。

海外研修は為替や航空運賃などによって金額が変動する可能性があります。受験を検討する際には、通常の学費とは別枠の費用として見込んでおくとよいでしょう。

iPadなど、初年度には別途必要な費用もある

4月の第1期納入時には、通常の学費に加えて互助会費や学年費、ICT端末の購入費などが必要になる場合があります。安田学園では一人1台の端末を日常的に利用し、授業、学習管理、オンライン英会話などに活用します。

2025年度のiPad購入費用は110,095円でした。機種や販売条件によって今後変更される可能性がありますが、入学時には10万円前後のICT端末費を見込んでおくとよいでしょう。

制服約120,000円、体育着・上履きなど約40,000円も合わせると、初年度は毎月の学費以外にもまとまった支出があります。中学受験の学費比較では、入学金と授業料だけでなく、こうした指定品や端末まで含めて見る必要があります。

高校進級時にも約25万円の費用がかかる

中学校から安田学園高校へ進級する際には、約250,000円の進級時費用が必要です。入学金の半額、生徒会入会金、学年費などが含まれます。

高校では学費が月額76,684円程度となり、高校3年では旅行積立金などの構成が変わるため月額も下がります。また、高校段階では国や東京都の就学支援制度によって授業料負担が軽減される場合があります。

安田学園は中高6年間を一つの教育期間として設計しているため、家庭でも中学校3年間だけでなく、高校卒業までの費用を見通しておきたいところです。

成績上位者には40万円を給付する特待制度

中学入試では、入試成績上位者を対象とした「入学試験成績優秀者特待生」制度があり、対象者には入学後に400,000円が給付されます。

さらに、入学後も年間成績優秀者には400,000円を給付する制度があります。入試時だけで特待が固定されるのではなく、在学中の学習成果によって対象となる機会が設けられています。

兄弟姉妹が安田学園に在学している場合や、複数の兄弟姉妹が同時に入学する場合には、入学金の半額免除制度もあります。通常の学費、海外研修費、ICT端末などを合わせると一定の教育費が必要な学校だからこそ、利用できる制度についても受験前に確認しておきたいところです。

入試情報と合格の目安|複数回入試と特待制度を整理

2027年度は2月1日から3日まで5回の入試を実施

安田学園中学校の2027年度入試は、2月1日午前・午後、2月2日午前・午後、2月3日午前の計5回です。募集人数は男女合わせて240名で、第1回と第3回では4科目型に加えて適性検査型も選択できます。

入試試験日時間帯募集人数試験科目
第1回2月1日(月)午前100名適性検査型 または 4科目型
第2回2月1日(月)午後40名4科目型
第3回2月2日(火)午前80名適性検査型 または 4科目型
第4回2月2日(火)午後15名4科目型
第5回2月3日(水)午前5名理科・算数

第1回・第3回の午前入試は8時20分集合、第2回・第4回の午後入試は14時20分集合です。第5回は8時20分集合で、理科・算数の2科目を受験します。

2月1日から3日までに5回の受験機会が集まっているため、安田学園を第一志望として複数回挑戦することも、午前・午後を使い分けて他校と併願することもできます。

4科目型は300点満点、国語・算数を厚く配点

一般的な中学受験型となる4科目型は、国語・算数が各100点、理科・社会が各50点の300点満点です。国語・算数は各50分、理科・社会は各30分となっています。

科目試験時間配点
国語50分100点
算数50分100点
理科30分50点
社会30分50点
合計300点

国語と算数だけで全体の3分の2を占めるため、この2科目の安定が合否に大きく影響します。一方、第5回では理科・算数を各50分・100点で受験する理算型となり、理系科目を得意とする受験生が力を生かしやすい方式です。

都立中高一貫校型の「適性検査型」も選べる

第1回と第3回では、4科目型とは別に適性検査Ⅰ・Ⅱ・Ⅲによる受験ができます。各45分・100点、合計300点です。

適性検査試験時間配点
適性検査Ⅰ45分100点
適性検査Ⅱ45分100点
適性検査Ⅲ45分100点

都立中高一貫校などに向けて適性検査対策をしてきた受験生が、4科型の私立中入試へ全面的に切り替えなくても受験できる入口です。文章や資料を読み取り、複数の情報を使って考え、自分の考えを記述する力が求められます。

安田学園が日常の授業や探究で重視している「なぜと考える」「根拠をもって説明する」という学び方ともつながりやすい入試方式です。

2026年度は後半になるほど競争が厳しくなった

直近の2026年度入試では、入学者288名のうち男子144名、女子144名となりました。各回の実質倍率を見ると、2月1日から後半へ進むにつれて高くなる傾向がはっきり表れています。

2026年度入試方式受験者合格者実質倍率合格最低点
2/1午前適性検査型527名212名2.5倍180点/300点
2/1午前4科目型333名108名3.1倍164点/300点
2/1午後4科目型576名291名2.0倍164点/300点
2/2午前適性検査型338名89名3.8倍216点/300点
2/2午前4科目型214名45名4.8倍192点/300点
2/2午後4科目型207名27名7.7倍218点/300点
2/3午前4科目型148名15名9.9倍199点/300点

特に2月2日午後は7.7倍、2月3日午前は9.9倍となりました。後半は募集人数そのものが少なくなる一方、2月1日に他校を受験した受験生も集まるため、「後の日程なら入りやすい」と考えるのは危険です。

なお、2027年度の第5回は4科目型から理科・算数の2科目型へ変更されるため、2026年度の2月3日入試の倍率や合格最低点をそのまま合否の目安として使うことはできません。

四谷大塚80%偏差値は54〜56が目安

2027年入試に向けた四谷大塚のAライン80偏差値では、第1回が54、第2回が56、第3回が54、第4回・第5回が55となっています。

入試四谷大塚 Aライン80偏差値Cライン50偏差値
第1回5450
第2回5650
第3回5451
第4回5552
第5回5552

模試会社によって偏差値の尺度は異なるため、首都圏模試や日能研などの数字とそのまま横並びにはできません。安田学園では回によって受験者層や募集人数が大きく変わるため、学校全体の偏差値を一つだけ見るより、実際に受験する回の数字を見る方が適切です。

また、2026年度には合格最低点が4科目型で164点から218点まで動いています。模試偏差値だけでなく、過去問で各教科の得点を確認し、300点満点の中で安定して得点できる形を作っておく必要があります。

成績上位者には40万円を給付する特待制度

各入試では、成績上位者を対象とする「入学試験成績優秀者特待生」制度があります。対象となった生徒には、入学後に400,000円が給付されます。

2026年度入試では、各方式について一般合格最低点とは別に特待合格の基準点が設定されていました。例えば2月1日午前の適性検査型では300点満点中240点、4科目型では239点、2月1日午後では233点が特待合格ラインでした。

一般合格を目指す場合とは必要な得点水準がかなり異なるため、特待を狙う受験生は過去問でも8割前後を一つの目標として得点力を確認しておきたいところです。

複数回出願は受験料3万円、合否は試験当日の夜に分かる

受験料は1回のみの出願で20,000円、複数回出願する場合は30,000円です。複数回受験を考えている家庭にとっては、受験料が単純に回数分積み上がる方式ではありません。

合格発表はWebで行われ、4科目型・理算型は原則として試験当日の22時から翌日10時まで、適性検査型は当日の22時30分から翌日10時まで確認できます。入学手続の締切は2月10日13時です。

安田学園は、第1回から第5回まで同じ試験を繰り返す学校ではありません。適性検査、4科、理算という異なる入口があり、募集人数も100名から5名まで大きく変わります。第一志望として受ける場合も併願として使う場合も、「いつ受けるか」と「どの方式で受けるか」をセットで考えることが重要な学校です。

併願校パターン|午後入試も活かして組み立てる受験日程

安田学園は2月1日・2日に午前午後の4回、3日午前にも受験できる

安田学園の2027年度入試は、2月1日午前・午後、2月2日午前・午後、2月3日午前の計5回です。第一志望として何度も挑戦できるだけでなく、午前に別の学校を受験し、午後に安田学園へ向かう日程も組みやすくなっています。

特に第2回と第4回は午後入試です。安田学園を有力な進学先としながら、午前には一段上の学校へ挑戦するという組み方ができます。反対に、安田学園への志望度が高い場合は、2月1日の午前・午後を両方使って早い段階で合格を狙う方法もあります。

ただし、後半になれば入りやすくなるわけではありません。直近の入試でも2月2日以降は募集人数が少なくなり、倍率や合格最低点が上がる回がありました。第一志望なら、できるだけ募集人数の多い前半から受験しておく方が基本です。

チャレンジ校には芝浦工業大附属、適性検査型なら都立両国

安田学園を標準校として考える受験生が、もう一段上へ挑戦する候補の一つが芝浦工業大学附属中学校です。2027年度は2月1日午前と2月2日午前に一般入試があり、豊洲から両国への移動も比較的しやすいため、安田学園の午後入試と組み合わせられます。

例えば2月1日午前に芝浦工大附属第1回を受験し、午後に安田学園第2回を受験する形です。2月2日も芝浦工大附属第2回の終了後、安田学園第4回へ向かう日程を考えられます。

また、適性検査型で安田学園を受験する家庭では、同じ墨田区にある東京都立両国高等学校附属中学校との併願も考えやすいでしょう。2027年度の都立中高一貫校一般枠は2月3日に実施されます。安田学園では2月1日・2日に適性検査型を受験できるため、都立両国の本番前に私立校の合格を確保する日程を作ることができます。

東洋大京北は難度・日程の両面で比較しやすい

東洋大学京北中学校も、安田学園と併せて検討しやすい共学校です。2027年度は2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午前に入試があります。

四谷大塚の80%偏差値では入試回によっておおむね50前後から半ばとなり、安田学園と比較的近い層が受験します。ただし、東洋大京北は東洋大学への内部推薦制度を持つ大学附属校であるのに対し、安田学園は系列大学を持たない進学校です。同程度の難度でも、6年後の進路設計はかなり異なります。

「大学附属という選択肢を残したいのか」「国公立・早慶上理を含めた外部大学受験を前提にしたいのか」まで考えると、偏差値だけでは見えない違いが出てきます。

安全校候補には日本工業大学駒場を組み込みやすい

安田学園より余裕を持った学校を一つ確保したい場合には、共学校の日本工業大学駒場中学校が候補になります。2027年度は2月1日午前・午後、2月2日午前・午後、2月3日午前、2月5日午前と受験機会が多く、4科、得意2科、適性検査型など複数の方式があります。

四谷大塚の80%偏差値では、第1回が44、第3回が46など、安田学園より余裕を持ちやすい回があります。一方、午後入試などは50台になる回もあるため、「日本工業大駒場ならどの日程でも安全」と考えるのは適切ではありません。

位置づけの目安学校2027年度の主な日程安田学園との組み合わせ方
チャレンジ芝浦工業大学附属中学校2/1午前、2/2午前・午後午前に芝浦工大附属、午後に安田学園
チャレンジ東京都立両国高等学校附属中学校2/32/1・2/2に安田学園適性検査型を受験
標準〜やや安全東洋大学京北中学校2/1午前・午後、2/2午前、2/4午前安田学園と受験回をずらして組みやすい
安全校候補日本工業大学駒場中学校2/1、2/2、2/3、2/5前半で合格を確保する日程を作りやすい

男子なら獨協、女子なら共立女子・品川女子も候補

安田学園は共学校ですが、併願先まで共学校に限定する必要はありません。男子では獨協中学校が候補になります。2027年度は2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午前に入試があります。

ただし獨協は入試回による難度差が大きく、2月1日午前より同日午後の方が高い偏差値帯になります。「安田学園の安全校」と一括りにせず、どの回を受験するかまで見て位置づける必要があります。

女子では共立女子中学校品川女子学院中等部も考えられます。共立女子は2月1日・2日午前と2月3日午後、品川女子学院は2月1日・2日・4日に入試を行い、品川女子学院には2月1日午後の算数1科入試もあります。

共学校と女子校では学校生活の雰囲気もかなり異なります。同じ偏差値帯だから併願するというより、実際に学校を訪れ、「安田学園が不合格だった場合に本当に進学したいか」というところまで考えて選びたいところです。

難関校へ挑戦するなら「午前チャレンジ+午後安田」

4科型で安田学園を有力な進学先としながら上位校にも挑戦する場合は、次のような日程が考えられます。

日程午前午後
2月1日芝浦工業大学附属 第1回安田学園 第2回
2月2日芝浦工業大学附属 第2回 または 安田学園 第3回安田学園 第4回
2月3日安田学園 第5回

芝浦工大附属は江東区豊洲、安田学園は墨田区両国にあるため、都内の午前・午後併願としては移動距離を抑えやすい組み合わせです。それでも午前入試の終了時間、退室時刻、昼食、交通機関の遅延まで含めて一度実際に移動経路を確認しておく方が安心です。

安田学園を第一志望とする場合は、無理に午前をチャレンジ校へ使わず、2月1日午前の第1回から受験した方が合格機会を多く残せます。

都立両国が第一志望なら、安田学園の適性検査型を活用できる

安田学園の立地と入試方式を考えると、特徴的なのが都立両国との併願です。都立両国は安田学園と同じ墨田区にあり、一般枠の適性検査は2月3日。安田学園はその前の2月1日・2日に適性検査型入試を行います。

日程受験例
2月1日安田学園 第1回・適性検査型
2月2日必要に応じて安田学園 第3回・適性検査型、または他の私立校
2月3日東京都立両国高等学校附属中学校

都立中高一貫校対策では、4科型私立中の問題とは異なる記述・資料分析型の学習に多くの時間を使います。安田学園なら、その学習を生かしたまま私立中の合格を狙えるため、都立両国を第一志望とする家庭には検討しやすい組み合わせです。

「安全校」は1月の模試と過去問の両方から決める

併願校をチャレンジ・標準・安全に分ける場合、学校名だけで固定することはできません。安田学園の四谷大塚80%偏差値は入試回によって50台半ばですが、本人の成績がどこにあるかによって、東洋大京北や日本工業大駒場の位置づけも変わります。

特に午後入試では午前とは受験者層が変わり、同じ学校でも難度が大きく上がることがあります。安全校として置くなら、模試で80%ラインを超えているだけでなく、過去問でも合格最低点を安定して上回れていることを確認したいところです。

また、2月1日から3日まで午前・午後をすべて埋めると、短期間に5〜6回の試験を受けることになります。受験機会が多いことと、すべて受けた方がよいことは同じではありません。安田学園をどの程度志望しているのか、いつまでに一校の合格を確保したいのか、2月3日にどの学校を受けたいのかを先に決めると、併願日程はかなり整理しやすくなります。

在校生・保護者の声|学習支援と学校生活から見える校風

「自分で学ぶ」は、入学してすぐできることを求められるわけではない

安田学園が掲げる「自学創造」という言葉からは、最初から自律的に勉強できる生徒が集まる学校という印象を受けるかもしれません。しかし、中学校の指導はむしろその逆で、自分で学べるようになるまでを段階的に支える形です。

中1では生活時間や家庭学習時間を整えるところから始まり、朝のチェックテスト、試験前の学習計画、試験後の振り返りを繰り返します。中2、中3になるにつれて、自分で弱点を見つけ、必要な学習を組み立てる割合が増えていきます。

在校生にとって「自学創造」は、自由に好きなことを勉強するというより、まず自分の学習を自分で管理できるようになることから始まります。中学入学時には勉強の仕方がまだ固まっていない子でも、6年間をかけてその状態を目指していく学校です。

朝テストと補習は「面倒見の良さ」と「学習量」の両面を持つ

学習面で安田学園らしさを感じやすいのが、英語・数学を中心とした朝のチェックテストです。短い周期で理解度を確認し、十分に定着していなければ放課後の補習につなげます。

保護者から見れば、つまずきを長期間放置しにくい仕組みは安心材料になります。定期試験まで待たずに、小さな理解不足を見つけられるからです。自習室や講習、教員への質問環境もあり、「学校の中で勉強を進めたい」という家庭とは相性がよいでしょう。

一方、生徒側から見れば、チェックテストや課題が定期的に続く学校生活でもあります。学習量が極端に少ない学校ではありません。「手厚く見てもらえる」と感じるか、「毎週やることがある」と感じるかは本人の性格によって変わります。このあたりは安田学園を選ぶ際に確かめておきたい部分です。

「人間力」の授業が、普通の教科学習とは違う時間になる

在校生から紹介されることの多い独自の授業が「人間力教育」です。創立者・安田善次郎をはじめとする人物の生き方や逸話を扱いながら、「なぜその人はその行動を選んだのか」「自分ならどうするか」を考えます。

学校では「誠実・明朗・奉仕」という校訓を各ホームルーム教室に掲げています。こうした言葉を暗記することが目的ではなく、具体的な人物の行動を題材にして、他者への接し方や社会との関わり方を考える形です。

勉強で結果を出すことだけを学校生活の尺度にしないところは、安田学園の創立以来の教育観につながっています。大学受験の実績が伸びている学校だからこそ、あえて時間割の中に「どのように生きるか」を考える授業を置いている点は、この学校を見るうえで覚えておきたいところです。

探究では、正解のない問いに慣れていく

学校生活について考えるとき、探究活動の存在もかなり大きな位置を占めます。中1では自然科学、中2では社会や地域、中3では自分でテーマを設定する段階へ進み、高校の個人探究につなげます。

通常のテストでは答えが決まっていますが、探究では「何を調べるか」から自分で考えます。野外活動で観察したことを整理したり、仮説を立てたり、文化祭で来校者に研究内容を説明したりするため、知識を覚える勉強とはかなり感触が違います。

こうした活動を面白いと感じる生徒もいれば、「何を調べればよいのか分からない」と戸惑う生徒もいるでしょう。ただ、その戸惑いも含めて、自分で問いを立てる練習を中学から繰り返すのが安田学園の探究です。

クラブ活動に打ち込む生徒も多く、放課後は受験勉強だけではない

安田学園は進学実績の伸びが目立つ学校ですが、生徒の日常が受験勉強だけで埋まっているわけではありません。卓球、バレーボール、チアリーディングなど全国大会まで進む運動部があり、生物クラブのように研究成果を世界規模の科学コンテストで発表する活動もあります。

在校生からも、学習とクラブの両方に取り組む学校生活が語られています。体育祭や安田祭では高校生と一緒に活動する機会もあり、中学生が上級生の姿を間近に見ることになります。

ただし、強豪クラブでは当然ながら練習時間も長くなります。朝テストや課題、土曜授業がある中で部活動にも取り組むため、入部するクラブによって一週間の生活リズムはかなり変わります。クラブを重視する家庭は、活動日数や帰宅時間まで確認しておくとよいでしょう。

先生に質問できる環境を、自分から使えるかも大切

本館には大職員室と相談スペースがあり、自習室もその近くに配置されています。分からない問題があれば教員へ質問し、放課後にそのまま自習へ戻ることができます。学習状況についても、教科担当と学年の教員が情報を共有する仕組みがあります。

こうした環境は、「塾へ行かなければ勉強できない」という状態を減らすためのものです。ただ、学校がすべてを自動的にやってくれるわけではありません。学年が上がるほど、自習室へ行く、質問する、講習を利用する、学習計画を修正するといった行動を本人が選ぶことになります。

面倒を見てもらいながら、最終的には自分で動けるようになる。この距離感をどう感じるかは、安田学園との相性を見る一つのポイントです。

「勉強する学校」であることは、入学前に理解しておきたい

安田学園の学校生活を全体として見ると、穏やかな学校生活だけを求める学校とは少し違います。週6日授業、朝のチェックテスト、補習、定期試験前の独習、探究、英語学習があり、その上でクラブや学校行事にも参加します。

保護者にとっては、学校の中に学習の仕組みが多く用意されていることが安心につながりやすい一方、生徒には一定の忙しさがあります。特に中学受験を終えた後はしばらく勉強から離れたい、というタイプの場合、入学後のペースとの違いを感じる可能性があります。

それでも、勉強だけを強く管理するのではなく、探究、海外体験、人間力教育、クラブ活動にも時間を使うのが安田学園です。学校説明会や安田祭を訪れる際には、大学合格実績だけでなく、生徒が授業の合間や放課後をどのように過ごしているかにも目を向けると、「自学創造」という言葉が実際の学校生活でどのように表れているかが見えやすくなります。

この学校に向いている子の特徴|自分で学び、学力を着実に伸ばしたい子へ

「勉強のやり方」まで身につけたい子

安田学園と相性がよいのは、単に授業を受けるだけでなく、自分で学習を管理できるようになりたい子です。中学では朝のチェックテスト、定期試験前の学習計画、試験後の振り返り、補習などを繰り返しながら、少しずつ自分で学ぶ習慣をつくっていきます。

最初から自己管理が完璧である必要はありません。むしろ、家では何を勉強すればよいか迷いやすい子や、学習のペースを一人ではつかみにくい子でも、学校の仕組みを使いながら習慣を整えていけます。

一方で、課題や小テストのない自由度の高い学校生活を望む場合には、少し窮屈に感じるかもしれません。安田学園の「自学創造」は、放任ではなく、段階的な支援の先に自立を目指す考え方です。

学校の中で勉強を完結させたい子

授業、朝テスト、補習、講習、自習室、質問対応まで校内につながっているため、放課後も学校を学習拠点として使いたい子には向いています。

個別ブース型の自習室は朝から放課後まで利用でき、近くには教員へ質問できる環境もあります。家に帰ると集中しにくい子でも、「学校にいる間にある程度勉強を進めて帰る」という生活をつくりやすいでしょう。

もちろん、学校に長く残れば自動的に成績が伸びるわけではありません。学年が上がるほど、自習室へ行く、分からないところを質問する、講習を利用するなど、自分から環境を使う姿勢が求められます。

大学受験を見据えつつ、中学では土台を固めたい子

安田学園では中学段階から大学受験問題を大量に解かせるのではなく、まず学習習慣、基礎学力、探究する力を整え、高校で受験実戦へつなげていきます。

そのため、国公立大学や早慶上理、GMARCHなどを将来の選択肢に入れながら、中学では焦らず土台を固めたい家庭とは相性があります。中3から高校内容に進み、高校では志望大学に応じた講座や演習が増えていきます。

系列大学への内部進学を前提とする学校ではないので、「大学受験そのものを避けたい」という家庭には方向が異なります。6年間の先に外部大学受験があることを前提に学校を選びたい家庭向けです。

理科や探究で「なぜ?」を追いかけるのが好きな子

中1の自然科学探究、中2の社会・地域探究、中3以降の個人探究と、安田学園では答えの決まっていない課題について考える時間が続きます。

理科実験や野外調査、資料分析、ディベート、文化祭での発表などを通して、「覚えた知識を使って考える」ことを求められます。生物クラブやサイエンス系の活動では、さらに研究を深めて科学コンテストへ進むこともできます。

理系志望でなくても、「どうしてこうなるのかを考えるのが好き」「自分で調べてまとめたい」というタイプなら入りやすいでしょう。反対に、答えがはっきり決まった問題だけを効率よく解きたい子は、探究課題に最初は戸惑う可能性があります。

勉強だけでなく、部活動にも本気で取り組みたい子

安田学園には、全国大会で結果を残す卓球やバレーボール、チアリーディングをはじめ、生物、吹奏楽、かるた、鉄道研究など多様なクラブがあります。

強豪部で競技を続けたい子にも、中学入学を機に新しい活動を始めたい子にも選択肢があります。進学校でありながら、放課後まで大学受験のための勉強だけに使う学校ではありません。

ただし、週6日授業に加えて朝テストや課題もあります。活動量の多いクラブに入る場合は、時間の使い方がかなり重要になります。忙しい中でも予定を立てて動くことを嫌がらない子の方が、安田学園の学校生活を楽しみやすいでしょう。

英語や海外経験を「実際に使う場」まで広げたい子

英語は中学で週7時間あり、オンライン英会話、スピーチコンテスト、TOKYO GLOBAL GATEWAYなど、話す機会が用意されています。中学3年ではニュージーランドでの短期留学もあり、教室で学んだ英語を海外生活の中で使う段階へ進みます。

小学生の段階で英語が得意である必要はありません。「英語をもっと話せるようになりたい」「海外で生活してみたい」と思える子なら、6年間の国際教育を生かしやすいでしょう。

さらに希望者は高校でターム留学や海外研修にも挑戦できます。大学受験を軸にしながらも、国内だけに視野を限定したくない子には選択肢の多い環境です。

手厚く支えてもらいながら、最終的には自分で動きたい子

安田学園に最も合うのは、「ずっと管理してほしい子」でも「最初から全部一人でできる子」でもありません。中学では学校からの働きかけを受けながら勉強の仕方を覚え、高校では自分で進路と学習を選べるようになりたい子です。

朝テストで理解不足を見つけてもらい、補習で修正し、試験前には計画を立てる。やがて自分で弱点を分析し、自習室や講習を選んで使う。この変化そのものが、学校の掲げる「自学創造」です。

勉強、探究、部活動、海外体験をそれぞれ経験しながら、最終的には自分で進路を決めたい。そんな6年間を望む家庭にとって、安田学園は検討しやすい学校です。

まとめ|「自学創造」が進路につながる6年間

安田学園の軸は、学力そのものより「学び方」を育てること

安田学園中学校を理解するうえで中心になるのが、教育目標の「自学創造」です。中学入学時から自律した学習を求めるのではなく、朝のチェックテスト、補習、学習計画、振り返りを繰り返しながら、自分で勉強を進められる状態を目指します。

中学では学校が比較的細かく支え、高校へ進むにつれて本人が判断する場面を増やしていく。この段階の踏み方が、安田学園の6年間を特徴づけています。

「学校完結型」は、授業の外まで含めた仕組み

通常授業だけでなく、自習室、放課後補習、長期休暇中の講習、教員への質問環境まで校内にそろっています。中学校は週6日制で学習時間もしっかり確保されており、学校そのものを学習の中心に置きやすい環境です。

ただし、学校が何から何まで代わりに管理するわけではありません。用意された環境を少しずつ自分で使えるようになることまで含めて、「学校完結型」と考えた方が実態に近いでしょう。

探究や人間力教育にも、100年を超える学校の考え方が表れる

安田学園では、中1の自然科学探究から高校の個人探究まで、6年間を通して自分で問いを立てる学習を続けます。野外で調査し、資料を分析し、文化祭などで他者へ伝えるところまでが一連の活動です。

さらに「人間力教育」では、さまざまな人物の生き方を題材に、自分ならどう考え、どう行動するかを考えます。創立以来の「社会に役立つ人物を育てる」という発想が、現在は探究や「自学創造」と結びついています。

部活動や海外体験まで含めて、学校生活はかなり密度が高い

卓球、バレーボール、チアリーディングなど全国レベルで活動する運動部がある一方、生物クラブでは国際的な科学コンテストへ進む生徒もいます。文化部まで含めれば、放課後の過ごし方はかなり幅広く選べます。

英語ではオンライン英会話やスピーチ、TOKYO GLOBAL GATEWAYに加え、中学3年でニュージーランドでの短期留学もあります。週6日の授業と学習課題に、探究、部活動、行事、海外体験まで加わるため、決して暇な学校生活ではありません。

近年の進学実績は、「自分で学ぶ」6年間の先にある

系列大学への内部進学ではなく、卒業時には国公立大学や早慶上理、GMARCHをはじめとする外部大学を目指します。近年は東京大学、京都大学、東京科学大学を含む国公立大学や難関私立大学への現役合格者も増えています。

ただ、大学名だけを見て安田学園を選ぶと、この学校の教育の半分しか見えません。中学では学習習慣を整え、探究や部活動で興味を広げ、高校でその力を大学受験へ向けて使う。進学実績は、その6年間の出口として捉えると分かりやすくなります。

「勉強する環境を学校に求めたい」家庭なら、一度見ておきたい

安田学園は、自由放任型の学校ではありません。朝テストや補習、週6日の授業があり、学習を継続するための仕組みがかなり細かく整えられています。一方、探究、海外体験、学校行事、クラブ活動にも時間を使い、大学受験だけに6年間を絞っているわけでもありません。

先生の支援を受けながら、最終的には自分で勉強し、自分で進路を決められるようになりたい。そんな成長の仕方を望む子にとって、安田学園は相性を確かめてみたい学校です。

両国駅から実際に学校まで歩き、授業や自習室の様子、生徒と先生の距離、安田祭での探究発表などを見てみると、「自学創造」という言葉が日々の学校生活の中でどのように形になっているのかが見えてくるでしょう。

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