2025年度第1回入試は、現在の明治大学付属世田谷中学校が、まだ日本学園中学校の名称だった時期に実施された入試です。
学校名が明治大学付属世田谷中学校となったのは2026年度からなので、厳密には「明大世田谷」の名称で実施された問題ではありません。ただし、2026年度第1回と比べると、試験時間50分・100点満点・大問6題という基本形式に加え、計算→小問集合→文章題・場合の数→規則性→平面図形→立体図形という構成にもかなり共通点があります。
そのため、明大世田谷を志望する受験生にとって、2025年度の日本学園の問題も現行入試を想定した過去問演習として取り組む価値の高いセットと考えてよいでしょう。
2025年度第1回・算数の総評|標準問題を土台に後半で思考力を問う
2025年度第1回の算数は、試験時間50分・100点満点・大問6題で構成されています。
全体の難易度は標準〜やや難です。前半には計算、比、消去算、食塩水など、中学受験算数の典型的な問題が並びます。一方、大問3以降では速さ、規則性、等積変形、図形の回転、立方体と相似など、考え方を整理しなければ解きにくい問題が増えていきます。
- 大問1:計算
- 大問2:比・数の性質・消去算・食塩水・平面図形
- 大問3:速さ・進行グラフ
- 大問4:規則性・数列
- 大問5:面積・図形の回転
- 大問6:立方体・相似・体積・表面積
前半の標準問題を取りこぼさず、大問3・4で得点を積み上げ、大問5・6の図形でどこまで伸ばせるかという構図です。
2026年度入試との比較|過去問として使う価値はある?
2025年度は日本学園中学校として実施されたため、「明大世田谷の過去問」と呼ぶ際には少し注意が必要です。
ただし、2026年度第1回との問題構成を比べると、かなり共通しています。
| 大問 | 2025年度 | 2026年度 |
|---|---|---|
| 1 | 計算3題 | 計算3題 |
| 2 | 小問集合6題 | 小問集合6題 |
| 3 | 速さ | 場合の数・経路 |
| 4 | 規則性 | 規則性 |
| 5 | 平面図形 | 平面図形 |
| 6 | 立体図形 | 立体図形 |
もちろん、2025年度と2026年度で個々の問題内容が同じという意味ではありません。ただ、前半で基礎〜標準問題を確認し、後半で規則性・図形・立体の思考問題を置くという試験設計には明確な共通点があります。
したがって、2026年度以降の明大世田谷を受験する場合も、2025年度日本学園の問題は優先して取り組んでよい過去問です。
出題形式・試験時間・大問構成
- 試験時間:50分
- 満点:100点
- 大問数:6題
- 実施校名:日本学園中学校
| 大問 | 主な分野 | 内容 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 1 | 計算 | 整数・分数・小数・計算の工夫 | 標準 |
| 2 | 小問集合 | 比、数の性質、消去算、食塩水、面積、折り返し | 標準 |
| 3 | 速さ | バスの遅れ、追い越し、進行グラフ | 標準〜やや難 |
| 4 | 規則性 | 数列の位置、逆算、和 | 標準 |
| 5 | 平面図形 | 等積変形、回転、面積比 | やや難 |
| 6 | 立体図形 | 線分比、相似な三角錐、体積・表面積 | やや難〜難 |
大問別の分析|前半を確実に、後半は取捨選択
大問1|計算は3問とも確実に取りたい
大問1は計算3題です。
(1)は通常の四則計算ですが、(2)では77を共通因数としてまとめることで計算量を減らせます。(3)は帯分数・小数・分数が混ざった複合計算で、途中の数値処理を丁寧に行う必要があります。
後半にかなり考える問題が並ぶため、計算問題で失点せず、短時間で通過することが重要です。
大問2|典型題中心の小問集合は得点源
大問2は6題の小問集合です。
(1)は比例式、(2)は分数の公倍数、(3)は鉛筆と消しゴムの値段を求める消去算、(4)は食塩水、(5)(6)は平面図形となっています。
前半4題は、中学受験算数の典型問題です。特に(4)の食塩水は、加えた水と食塩を一つの食塩水とみなすことで、天秤を使って短く処理できます。
(5)では正方形の対角線から正方形の面積を求め、扇形と三角形の差を考えます。
(6)は折り返しの問題です。折り目による等角とAE=EFという条件を組み合わせることで正三角形が現れます。図形としては一段考えさせますが、使う性質そのものは基本的です。
大問2はできれば完答、少なくとも(1)〜(5)は確実に確保したいところです。
大問3|進行グラフに整理すると見通しがよい
太郎君がバスを待った後に歩き始め、途中で遅れてきたバスに追い抜かれるという速さの問題です。
(1)は、太郎君が5分間歩いた500mと、追い抜かれた地点から駅までの750mを足せば、バス停から駅までの距離1250mが求められます。
(2)では、太郎君とバスの駅への到着時刻の差から、バスが750mを2.5分で進むことを利用します。
(3)ではさらに、バスが遅れなかった場合の予定時刻まで戻って考えます。
文章のまま情報を追うより、横軸を時間、縦軸を距離とした進行グラフにすると整理しやすい問題です。
2026年度では大問3が場合の数へ変わっていますが、どちらも単純な小問ではなく、一つのテーマを3段階に発展させる構成になっています。
大問4|3個ずつのグループに分けるのがポイント
1、2、3、3、4、5、5、6、7、7、8、9、9、……という数列を扱います。
この数列を、
(1,2,3)、(3,4,5)、(5,6,7)、……
と3個ずつに分けると規則が見えます。
各グループの最初は奇数、2番目は偶数となり、グループ番号から数列上の位置を簡単に求められます。
(3)では、各グループの3数の和が6、12、18、……と6ずつ増えることを利用して100番目までの和を求めます。
規則性としては比較的取り組みやすく、後半大問の中では得点源にしたい問題です。
大問5(1)|等積変形が見えるか
複数の長方形の面積から、中央の着色部分の面積を求めます。
まず、同じ高さの長方形から横の長さの比を求めます。
AEIHとHIGDからEI:IG=1:3、EBFJとJFCGからEJ:JG=5:1となるため、EGを12と置けばEI=3、JG=2、IJ=7と整理できます。
その後、平行線を利用した等積変形によって、複雑に見える着色部分を一つの三角形へ変換します。
長さそのものを求めず、比と面積だけで処理する点がこの問題のポイントです。
大問5(2)|回転と面積比を組み合わせる
二等辺三角形ABCと正三角形AEDを、点Aのまわりに120°ずつ回転させた図形を扱います。
①では、三角形ABCを3つ回転させることでできる大きな三角形の面積を求め、BD:DC=4:3という比を利用して三角形BDFの面積を求めます。
②では、正三角形AEDの着色部分を移動すると、3つの着色部分全体が中央の三角形DHFと同じ面積になることを利用します。
回転しても長さ・面積が変わらないことを利用した図形問題で、この回でもかなり差のつきやすい問題です。
大問6(1)|線分比は正方形の中心を作る
立方体の上面だけを平面図として取り出すと、I・Jは正方形ABCDの辺の中点です。
さらに補助線を引くことで正方形の中心Nを作り、Kがその一部の正方形の対角線の交点になることを利用します。
結果として、
BN:NK:KD=2:1:1
となり、BK:KD=3:1と求められます。
立体問題ですが、(1)は上面の平面図形として処理することがポイントです。
大問6(2)|切断立体を「大きな三角錐−小さな三角錐」で考える
台形IJGEで切り取られる立体を、そのまま体積計算しようとすると複雑です。
そこで、HD・GJ・EIを延長して一点Oに集めます。
すると、点Dを含む立体は、
三角錐O-EGH − 三角錐O-IJD
と表せます。
2つの三角錐は相似で、相似比は1:2。辺の長さを整理すれば、通常の三角錐の体積計算へ持ち込めます。
複雑な立体を、知っている単純な立体の差に変換する発想が必要です。
大問6(3)|表面積は切り口を二重に確認する
最後は点Dを含む立体の表面積です。
大きな三角錐O-EGHの展開図が1辺12cmの正方形になることを利用し、まず大きな三角錐と小さな三角錐の表面積を求めます。
そのまま引き算すると、三角形IJDの面積も一度引かれます。しかし実際にはIJDは新しい切り口として外側に現れるため、切り口を1枚分戻す必要があります。
「切ったら新しい面が増える」という表面積の基本を、かなり複雑な立体で使わせる問題です。
この回の最難関候補で、合格点を狙う段階では後回しで構いません。
おすすめの解く順番|大問5・6は小問ごとに拾う
問題番号通りに全て完答しながら進むより、後半は取りやすい小問だけ先に回収する方が安定します。
おすすめの一例は、
1 → 2(1)〜(5) → 3 → 4 → 2(6) → 5(1) → 6(1) → 5(2) → 6(2) → 6(3)
です。
大問6は(1)と(2)(3)で難度に差があります。大問6が難しそうだから丸ごと捨てるのではなく、(1)だけ先に確認することが重要です。
時間配分の目安|50分で大問5・6に時間を残す
標準的な受験生
- 大問1:4〜5分
- 大問2:10〜12分
- 大問3:7〜8分
- 大問4:5〜6分
- 大問5:8〜10分
- 大問6:残り時間
大問1〜4までを25〜30分程度で処理できれば、後半の図形に20分程度を残せます。
大問6(3)まで完答することにこだわる必要はありません。大問5・6の前半を拾ったうえで残り時間を難問に使う方が、得点は安定します。
上位層の受験生
上位層なら、大問1〜4を25分以内で処理し、大問5・6へ25分程度を残したいところです。
後半の図形は発想が見えれば短く解けますが、見えない状態で考え続けると時間を失います。2〜3分考えて方針が立たなければ一度移る判断も必要です。
2025年度で差がついたと考えられる問題
大問2(6)|折り返しから正三角形を作る
折り返しによる等角、平行線、AE=EFという3つの条件を結びつける必要があります。
大問5(1)|等積変形
複雑な着色部分をそのまま分割するのではなく、平行線によって面積を移動させる発想が必要です。
大問5(2)|回転図形
回転によってできる合同な三角形と、面積の移動を同時に見る必要があります。
大問6(2)(3)|立方体から三角錐へ発想を変える
切断された立体そのものを扱うのではなく、延長線を引いて相似な2つの三角錐を作ることが鍵になります。
2025年度 日本学園・算数のおすすめ対策
1. 計算・小問集合を短時間で安定させる
2025年度・2026年度ともに、大問1が計算、大問2が小問集合という構成です。
ここは明大世田谷対策の土台として、15分前後で安定して処理できる状態を目指したいところです。
2. 速さは進行グラフまで使えるようにする
大問3のように複数の時刻や到着時間が絡む問題では、線分図だけでなく進行グラフも使えるようにしておくと整理しやすくなります。
3. 規則性はグループ化して考える
数列をそのまま眺め続けるのではなく、何個ずつに区切れば規則が見えるかを考える練習が有効です。
4. 平面図形では等積変形・回転を重点的に
2025年度大問5では、単純な角度や面積ではなく、図形を移動させたり回転させたりして考える問題が出題されています。
補助線、等積変形、合同、面積比を組み合わせる練習をしておきましょう。
5. 立体は「補助線を延長して単純な立体を作る」
大問6では、切断後の複雑な立体を直接扱うのではなく、辺を延長して大きな三角錐を作っています。
立体問題では、見えている立体をそのまま計算する必要はないという感覚を身につけておくと、難問への対応力が上がります。
2025年度問題を明大世田谷対策でどう使うか
2025年度問題は日本学園中学校として実施されたものですが、2026年度の明大世田谷第1回と比較すると、問題構成にはかなり共通点があります。
そのため、単なる「旧校名時代の参考問題」として扱うのではなく、明大世田谷の算数を受験するなら優先的に解いておきたい過去問として位置づけてよいでしょう。
特に、
- 大問1・2をどの程度の時間で処理できるか
- 大問4の規則性を自力で見抜けるか
- 大問5の平面図形で補助線や移動を使えるか
- 大問6で立体の構造を整理できるか
を確認する教材として有効です。
ただし、2025年度はあくまで日本学園として実施された入試です。2026年度以降の問題と完全に同じ傾向が続くと決めつけず、2026年度の実際の明大世田谷入試とセットで演習するのがよいでしょう。
まとめ|2025年度日本学園第1回は、明大世田谷対策としても解いておきたい
2025年度第1回の日本学園中学校・算数は、前半の典型問題と後半の思考型図形問題を組み合わせた50分・大問6題の入試でした。
- 大問1・2では、計算と典型問題の安定感
- 大問3では、速さの状況整理
- 大問4では、規則性をグループ化する力
- 大問5では、等積変形・回転・面積比
- 大問6では、相似な立体と表面積
が問われています。
2026年度の明大世田谷第1回にも、計算・小問集合・規則性・平面図形・立体図形という共通した骨格が見られます。したがって、学校名変更前の問題だからと外すのではなく、明大世田谷の現行入試につながる過去問として活用するのがよいでしょう。

