【2026年版】日本体育大学桜華中学校の評判は?少人数教育と日体大系列のスポーツ環境を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|少人数だから、一人ひとりが見える
    1. 中学全体で64名という規模
    2. 高校から始まった桜華、中学校は1994年開校
    3. 「健康・努力・敬愛」は、スポーツのためだけの言葉ではない
    4. 小さな学校と、大きなスポーツ環境
  2. アクセスと立地環境|東村山の落ち着いた環境で過ごす6年間
    1. 小川駅から15分。駅近の学校ではない
    2. 久米川駅からはバスという選択肢もある
    3. 中央線・武蔵野線方面からも考えられる
    4. 都心の学校とは、放課後の景色も違う
    5. 学校見学では「駅から校門まで」も見ておく
  3. 教育方針とカリキュラム|少人数を生かして「できる」を増やす
    1. 少人数だからこそ、「分からないまま」を残しにくい
    2. 英語は「学年」だけではなく、現在の力を見る
    3. 英語は、教室の外で使って初めて意味が変わる
    4. 異文化を知ることは、自分の当たり前を知ることでもある
    5. Qubenaで、一人ひとり違う問題に取り組む
    6. タブレットは「見るため」だけではなく、「考えを出すため」に使う
    7. 先生自身も「教え方」を見直す
    8. 進路を考えるのは、高校3年生になってからではない
    9. 担任・家庭・部活動顧問の三者で生徒を見る
    10. 「できない」を、「まだできない」に変えていく
  4. 学習環境と施設設備|日体大系列ならではの本格スポーツ施設
    1. 体育館が「三つ」ある
    2. 器械体操場は、部活動専用ではない
    3. 中学から弓道やアーチェリーを始めることもできる
    4. ダンスも「空いている教室で」ではない
    5. ICTは「一斉授業」から個別学習へ
    6. 昼食には食堂という選択肢もある
    7. 「スポーツが得意な子のための施設」だけではない
  5. 学校生活と行事|小さな集団だからこそ役割が回ってくる
    1. 体育祭では、中高の学年を越えて4色に分かれる
    2. 中1は「仕事」、中2は「世界と科学」へ校外学習
    3. 中3の修学旅行は、現在は沖縄で3泊4日
    4. 7月の球技大会では、クラスの距離がさらに縮まる
    5. 秋の「桜華祭」は、受験生にも学校の現在が見える
    6. 希望すれば、中学生のうちから海外へ出られる
    7. 少人数校では、行事も「見る側」で終わりにくい
  6. クラブ活動|全国を目指す競技からボランティアまで
    1. 中学バスケットボール部は全国大会へ
    2. 器械体操部も2026年に関東大会へ
    3. 中学生と高校生が一緒に練習する意味
    4. 弓道やレスリングは、中学から始める選択肢にもなる
    5. 文化部では、スポーツとは違う時間が流れる
    6. 地域へ出ていく「インターアクトクラブ」
    7. 少人数だからこそ、「出番」が早く来る
  7. 進学実績と卒業後の進路|日体大推薦と他大学進学、二つの道
    1. 日本体育大学への推薦という、系列校ならではの進路
    2. 「日体大に行ける」と「日体大に行かなければならない」は違う
    3. 高校では3コースに分かれ、目指す出口も変わる
    4. 医学部医学科への合格者も出ている
    5. 指定校推薦は400枠以上
    6. 少人数だから、進路相談も「学年全体」ではなく一人ずつ
    7. 高校1年生から、大学を実際に見に行く
    8. 12歳の時点で「スポーツの道」と決めなくてもよい
  8. 学費や諸経費について|中高6年間で考えたい教育費
    1. 基本的な学納金は、初年度約85万7,000円
    2. 85万7,000円ですべて終わるわけではない
    3. 中2・中3では施設充実費1万5,000円が必要
    4. 特待生制度では入学金・授業料の免除もある
    5. 高校進学時には、もう一度入学時費用が発生する
    6. 「中学初年度の金額」より、6年間の過ごし方で考える
  9. 入試情報と合格の目安|基礎学力と「この学校で学びたい」を見る入試
    1. 2027年度要項はまだ未公表。まず2026年度入試を基準に見る
    2. 一般入試では「国語・算数+親子面接」
    3. 親子面接は「おまけ」ではない
    4. AO入試は、筆記試験なしの親子面接
    5. 偏差値36は、一つの参考値にとどめたい
    6. 合格の目安は「基礎問題を安定して取れること」
    7. 部活動で実績がある受験生には特待生制度もある
    8. 受験料は1回2万円。複数回受験には仕組みがある
    9. 2027年度受験では、秋の募集要項を必ず確認する
  10. 併願校パターン|少人数女子校をどう受験日程に組み込むか
    1. 第一志望なら、日体大桜華を複数回受ける形が基本
    2. 明星学園は、日程を組み合わせやすい候補
    3. スポーツを軸にするなら、武蔵野中も比較対象になる
    4. 女子校を維持したいなら、佼成学園女子も候補
    5. 和洋九段女子は「女子校」という共通点から比較する
    6. 「挑戦校・実力相応校・安全校」は本人ごとに変わる
    7. 第一志望型なら「2月1日・2日」を日体大桜華中心に使う
    8. 併願校は、「日体大桜華に落ちたときの学校」ではない
  11. 在校生・保護者の声|先生との距離が近い学校の日常
    1. 「先生との距離が近い」は、少人数校らしい評価
    2. 名前を覚えられるということは、見てもらえるということ
    3. 挨拶や礼儀を大切にする空気
    4. 「スポーツ校」の印象は、半分当たっている
    5. 活発な子ばかりなのか
    6. 少人数には、近さゆえの難しさもある
    7. 校則や生活指導は、本人との相性を見ておきたい
    8. 評判を確認するなら、桜華祭やオープンスクールへ
  12. この学校に向いている子の特徴|小さな環境で自分の得意を伸ばしたい子へ
    1. 大人数の中では、自分から前へ出るのが少し苦手な子
    2. 一つでも「好きなこと」がある子
    3. これからスポーツを始めてみたい子
    4. 先生に見てもらいながら、学習習慣を整えたい子
    5. 失敗しても、もう一度やってみようと思える子
    6. 年上の先輩と関わることを嫌がらない子
    7. 12歳で将来を一つに決めたくない子
    8. 女子だけの小さな集団を心地よいと思える子
    9. こんな子なら、日体大桜華の6年間を使いやすい
  13. まとめ|人数は少なくても、挑戦できる場所は広い
    1. 「スポーツができる子の学校」では少し狭すぎる
    2. 少人数教育の価値は、「優しくしてもらえること」ではない
    3. 12歳で答えを決めなくてもよい
    4. 日体大桜華をどう見るか

学校の概要|少人数だから、一人ひとりが見える

日本体育大学桜華中学校は、東京都東村山市にある私立の女子中学校です。学校法人日本体育大学が設置し、高校まで同じ校地で学ぶ中高一貫教育を行っています。

「日本体育大学」という名前から、まずスポーツの強い学校を想像する人は多いでしょう。実際、体育館、器械体操場、レスリング場、剣道場、弓道場、アーチェリー場などの環境があり、中学生も全国・関東レベルの大会で活躍しています。

ただし、日体大桜華をスポーツだけで捉えると、この学校のもう一つの特徴を見落とします。

それが、中学校そのものの小ささです。

学校名日本体育大学桜華中学校
所在地東京都東村山市富士見町2-5-1
学校区分私立・女子校
設置法人学校法人日本体育大学
中学校開校1994年(桜華女学院中学校として開校)
現校名への変更2018年
教育理念「健康・努力・敬愛」
中学校の収容定員120名(1学年40名)
中学校在籍者数64名(2025年5月1日時点)

中学全体で64名という規模

中学校の収容定員は1学年40名、3学年で120名です。2025年5月1日時点の在籍者は64名でした。

前回の記事で扱っていた43名からは増えています。それでも、中高一貫校として見ればかなり小さな中学校です。

一学年に200人以上いる学校では、同じ学年でもほとんど話したことのない生徒がいて不思議ではありません。日体大桜華では、その反対に近い学校生活になります。先生にとっても、生徒の成績だけでなく、部活動、学校生活、家庭での様子までつなげて見やすい規模です。

学校では、担任・家庭・部活動顧問が生徒について情報を共有し、模擬試験でも一人ひとりの弱点分野を確認して補助プリントを用意しています。

「少人数教育」という言葉は学校案内ではよく見かけますが、日体大桜華ではクラスを少人数に分けるというより、学校そのものが小さい。この違いは大きいでしょう。

高校から始まった桜華、中学校は1994年開校

桜華の歴史は、高校から始まっています。

1958年に桜華女子高等学校が設置され、1965年に日体桜華女子高等学校へ改称。その後、1994年に桜華女学院中学校が開校し、中高一貫の女子教育が始まりました。

2018年には、中学校が「日本体育大学桜華中学校」、高校が「日本体育大学桜華高等学校」へ改称。現在の校名になったことで、日本体育大学との関係も名前から分かりやすくなりました。

系列大学への進学制度はもちろんありますが、「日体大の附属だから全員がスポーツ系へ進む」という学校ではありません。高校には難関大学を目指すアドバンストコース、幅広い大学・専門分野を目指す総合進学コース、競技やダンスを深める総合スポーツコースがあり、中学生は6年間の中で自分の方向を探していくことができます。

「健康・努力・敬愛」は、スポーツのためだけの言葉ではない

学校が掲げる教育理念は、「健康・努力・敬愛」です。

「健康」は身体だけでなく心も健やかであること。「努力」は、結果がすぐに出なくても続けること。そして「敬愛」は、周囲の人を思いやり、ともに生きることを意味します。

日本体育大学の系列校なので、「健康」や「努力」は競技スポーツと結びつけて考えやすい言葉です。しかし、学校では学習や人間関係、地域活動も含めた教育の基盤として扱っています。

実際、2026年度には学校全体のスローガンとして「挑戦」を掲げ、学習とスポーツの両方から、生徒が自分の目標へ向かうことを求めています。

小さな学校と、大きなスポーツ環境

日体大桜華には少し変わった対比があります。

中学校の集団は小さい。その一方で、施設や競技環境は、日本体育大学系列という背景を持つ学校らしくかなり本格的です。

2025年には中学バスケットボール部が7年ぶりに全国中学校大会へ出場し、剣道部も全国大会へ進みました。2026年には器械体操部が関東中学校大会東京都予選で団体2位となっています。

つまり、「人数が少ないから活動の選択肢も少ない」という学校ではありません。

むしろ日体大桜華を見るときは、一人ひとりを見やすい小さな中学校が、日体大系列の大きな教育資源を使っていると考えると分かりやすくなります。

64人という数字そのものが学校の価値なのではありません。その人数だから、先生から名前を覚えられ、役割が回ってきて、得意なことが見つかれば学校全体で伸ばしやすい。

日体大桜華の6年間を考える入口は、「小さい学校だから安心」という言葉より、小さい学校だから、自分が学校生活の中で埋もれにくいというところにあります。

アクセスと立地環境|東村山の落ち着いた環境で過ごす6年間

日本体育大学桜華中学校は、東京都東村山市富士見町2丁目にあります。都心の駅前型私立中とはかなり違い、住宅地や学校、公園などが広がる地域に校地を構えています。

鉄道利用では、西武拝島線・国分寺線の「小川駅」西口から徒歩15分が基本的な通学ルートです。西武新宿線の久米川駅からバスを利用する方法や、JR武蔵野線の新小平駅から自転車で向かう方法も案内されています。

利用駅学校までのアクセス
西武拝島線・国分寺線「小川駅」西口から徒歩15分
西武新宿線「久米川駅」南口から西武バス「立川駅北口」行きで約10分、「明法学院前」下車徒歩3分
JR武蔵野線「新小平駅」自転車利用で約15分が目安

小川駅から15分。駅近の学校ではない

最寄りの小川駅から学校までは徒歩15分です。

駅を出てすぐ校門、という学校と比べれば、この距離ははっきり長めです。中高6年間、週に何日も通うことを考えると、学校説明会では実際に小川駅から歩いてみた方がよいでしょう。

一方、15分歩くからこそ、駅前の人通りの多さから少し離れた場所に学校があります。日体大桜華は、広い体育施設を校内に持つ学校です。器械体操場、レスリング場、弓道場、アーチェリー場などを備えられる環境は、駅前の限られた敷地とは性格が違います。

アクセスだけを見れば「徒歩3分」の学校にはかないません。ただ、通学時間と、到着したあとに使える学校環境をセットで考える必要があります。

久米川駅からはバスという選択肢もある

西武新宿線沿線から通う場合には、久米川駅を利用できます。

南口から西武バスの「立川駅北口」行きに乗車し、約10分。「明法学院前」で降りると、学校までは徒歩3分です。

小川駅まで鉄道で回り込むより、久米川駅からバスを利用した方が通いやすい家庭もあるでしょう。特に西武新宿線方面からの受験生は、両方の経路を比較しておきたいところです。

バス利用では道路状況によって所要時間が変わります。受験時だけではなく、平日の朝にどの程度かかるのかまで確認しておくと、入学後の生活を想像しやすくなります。

中央線・武蔵野線方面からも考えられる

小川駅には西武国分寺線が通っているため、国分寺駅からのアクセスも可能です。中央線沿線の家庭にとっては、都心側へ出てから西武新宿線へ乗り換える必要はありません。

また、JR武蔵野線の新小平駅からは、自転車で10〜15分程度が目安として案内されています。学校説明会などでは新小平駅から送迎バスが運行されることもあります。

東村山市の学校というと西武新宿線沿線だけの受験校に見えますが、国分寺線や武蔵野線まで含めると、通学可能な地域はもう少し広がります。

都心の学校とは、放課後の景色も違う

学校のある富士見町周辺は、繁華街の中にある地域ではありません。東村山市内には都立東村山中央公園などの緑地もあり、学校周辺には住宅や教育施設が並びます。

渋谷や新宿のすぐ近くで学校生活を送るタイプの中高一貫校とは、放課後の景色もかなり違います。

これは良し悪しではなく、本人との相性です。放課後に都心の塾へ移動しやすいことを重視する家庭もあれば、学校の中で勉強や部活動を済ませ、落ち着いた環境で一日を過ごすことを好む家庭もあります。

日体大桜華の場合、§1で見たように中学校は少人数ですが、校地には多くのスポーツ施設があります。授業が終わったあと、そのまま校内の体育館や道場へ向かって活動する生徒もいる。学校で過ごす時間が長くなる子ほど、駅からの距離だけではなく、校門の内側にどれだけ自分の居場所があるかも学校選びでは重要になります。

学校見学では「駅から校門まで」も見ておく

日体大桜華を検討するなら、説明会の日には校舎や体育施設だけでなく、通学経路も確認しておきたいところです。

小川駅から15分を長いと感じるのか、それほど気にならないのか。久米川からのバスの方が便利なのか。自宅から国分寺経由で通う方が楽なのか。

6年間では、学校へ行く回数は1000回を超えます。

学校へのアクセスは、受験日の行きやすさではなく、普通の火曜日の朝に無理なく通えるかで考える。

日体大桜華のような郊外型の学校では、そこまで確かめて初めて立地の評価ができます。

教育方針とカリキュラム|少人数を生かして「できる」を増やす

日体大桜華中学校の教育は、「少人数だから先生の目が届く」というところで終わりません。

学校では、中学段階の教育を「自己実現に向けた4つの教育」として整理しています。

  • 独自の教育
  • 国際理解教育
  • ICT教育
  • 進路サポート

英語や数学の基礎を固める。ICTで一人ひとりのつまずきを把握する。海外や異文化に触れる。そして早い段階から将来について考える。

これらを別々の特色として並べるのではなく、一人の生徒が自分の得意・不得意を知り、次に何をすればよいか分かる状態をつくることが、中学教育の中心にあります。

少人数だからこそ、「分からないまま」を残しにくい

中学校では、50分授業を基本として日々の学習を進めます。

日体大桜華の特徴は、授業そのものを少人数で行えるだけでなく、その後の学習状況まで追いやすいことです。

模擬試験を実施すれば、結果を返却して終わりではありません。生徒ごとに弱点分野を確認し、必要な内容については個別に補助プリントを用意して補強します。

放課後講習や夏期・冬期講習もあり、職員室前には質問や自習ができるスペース、校内には個別ブース型の自習室も設けられています。

人数の多い学校では、同じテストで同じ点数を取った生徒が何十人もいることがあります。日体大桜華では、一人の結果を「この子はどこで止まったのか」まで見やすい。

少人数教育の強みは、説明を丁寧にしてもらえることだけではありません。

つまずいた場所から、もう一度学習へ戻しやすいことにあります。

英語は「学年」だけではなく、現在の力を見る

英語教育では、英検取得を一つの目標に据えています。

学校では資格取得に向けた授業を行い、生徒の習熟度に合わせて学習を進めます。

英語は、中学校に入ってから差が広がりやすい教科です。

小学校のうちから英会話を続けてきた子もいれば、中学で本格的に文法を学び始める子もいます。同じ年齢だからといって、全員が同じスタート地点にいるわけではありません。

そのため日体大桜華では、「中1だからここまで」と学年だけで区切るより、本人が現在どの程度できるのかを見ながら次の目標へ進ませます。

英検はその到達度を確認する一つの物差しです。

資格を取ること自体が最終目的ではありませんが、

「次は3級を目指す」
「今度は準2級に挑戦する」

というように、少し先の目標を本人にも分かる形にできます。

英語は、教室の外で使って初めて意味が変わる

日体大桜華では、英語の授業と体験型の国際教育をつなげています。

TGG(TOKYO GLOBAL GATEWAY)では、英語だけを使う環境の中で海外生活を疑似体験します。

さらに、ブリティッシュヒルズでの国内語学研修や、カナダでの2週間語学研修なども用意されています。

授業で覚えた英文なら、間違えても先生が直してくれます。

しかし、海外研修でホストファミリーに何かを伝えたいときには、自分の知っている英語を使うしかありません。

「正しい英文をつくる」ことから、「相手に伝えるために英語を使う」ことへ

その経験を中学生のうちに持てることが、日体大桜華の国際理解教育の意味です。

異文化を知ることは、自分の当たり前を知ることでもある

国際理解教育は、海外へ行くことだけを指しているわけではありません。

学校ではこれまで、海外から来た生徒との交流も行ってきました。

育った国が違えば、食事も学校生活も考え方も違います。

その違いに触れたとき、初めて「自分にとって当たり前だったこと」が見えてくることがあります。

女子だけの比較的小さな中学校で6年間を過ごすからこそ、学校の外にある価値観へ触れる機会を意識的につくることには意味があります。

少人数の安心できる場所を持ちながら、外へ出る。

日体大桜華の国際教育は、この二つを組み合わせています。

Qubenaで、一人ひとり違う問題に取り組む

ICT教育では、タブレット端末を使った調べ学習や資料作成、グループ発表、プレゼンテーションなどを行います。

その中でも、少人数教育との関係が分かりやすいのがAI型教材「Qubena(キュビナ)」です。

Qubenaは、生徒が問題を解いたときの正誤だけでなく、解答にかかった時間や途中の手順などを分析し、つまずいている内容を判断します。

そして、次に必要な問題を生徒ごとに提示します。

同じ中学2年生でも、ある子は現在の単元をさらに練習する。別の子は前学年の内容へ戻る。すでに理解できている子は先の問題へ進む。

一斉授業では、全員に同じ説明をする必要があります。

そこへICTを加えることで、同じ教室にいながら、一人ひとり違う課題に向き合えるようになります。

タブレットは「見るため」だけではなく、「考えを出すため」に使う

ICTというと、黒板がスクリーンになっただけの授業を想像するかもしれません。

日体大桜華では、必要な情報を自分で調べ、資料を作成し、グループで内容を共有したあと、意見をまとめて発表する活動にもタブレットを使います。

大切なのは、端末を操作できることそのものではありません。

情報を探す。どれを使うか選ぶ。自分の考えを整理する。人に説明する。

最後には人間が考えなければならない。

ICTは、その途中を支える道具として位置づけられています。

先生自身も「教え方」を見直す

学校では、生徒に分かりやすい授業を提供するため、教員側の研修にも取り組んでいます。

特に英語や数学など学力差が生まれやすい教科では、外部企業とも連携しながら授業改善を進めています。

「少人数なのだから、自然と分かりやすい授業になる」というわけではありません。

人数が少なくても、教え方が本人に合わなければ理解できないことはあります。

だから、生徒の理解度を分析するだけでなく、教える側も授業の方法を更新する

少人数教育を人数だけの特徴にしないためには、この視点も必要です。

進路を考えるのは、高校3年生になってからではない

中学教育の4本目の柱が「進路サポート」です。

日体大桜華では、1年次から面談を行い、自分が将来どのような方向へ進みたいのかを少しずつ考えさせます。

12歳で大学を決める必要はありません。

むしろ、まだ分からないのが普通です。

だからこそ、部活動をする。校外学習へ行く。英語研修を経験する。高校生の先輩を見る。さまざまな仕事や大学について知る。

その中から、「これは好き」「これは少し違う」が増えていけばよい。

中学校での進路教育は、進学先を早く決めるためではなく、自分を知る材料を増やすための時間と考えると分かりやすいでしょう。

担任・家庭・部活動顧問の三者で生徒を見る

日体大桜華では、担任だけが生徒を見るわけではありません。

家庭と学校で情報を共有し、部活動に所属している場合には顧問も含めて、生徒の変化を把握することを重視しています。

中学生は、3年間でかなり変わります。

成績が伸びる時期もあれば、部活動に夢中になる時期もある。友人関係で悩むこともあれば、急に将来の目標が見つかることもあります。

授業だけを見ていれば、「最近数学の点数が下がった」で終わります。

しかし顧問から「大会前で練習量が増えている」と分かれば、見え方は変わるかもしれません。

一人の子を、成績だけではなく学校生活全体から見る。

これは、中学校そのものが小さい日体大桜華だからこそ実行しやすい教育です。

「できない」を、「まだできない」に変えていく

日体大桜華には、最難関校のような大量の先取り学習を前面に出したカリキュラムがあるわけではありません。

その代わり、分からないところを見つける。戻る。練習する。もう一度試す。

英検なら次の級を目指す。数学ならQubenaで弱点へ戻る。模試なら補助プリントで解き直す。進路に迷えば面談する。

こうした小さな修正を何度も繰り返します。

スポーツでも、最初からできる技ばかりではありません。練習して、できなかった動きが一つできるようになる。

学習も同じです。

日体大桜華の少人数教育は、「できる子を集める」というより、「できることを一つずつ増やす」教育です。

その積み重ねが、高校でアドバンスト・総合進学・総合スポーツのどの道へ進む場合にも、土台になっていきます。

学習環境と施設設備|日体大系列ならではの本格スポーツ施設

日体大桜華の施設でまず目に入るのは、やはりスポーツ環境です。

第一・第二・第三の3つの体育館に加え、ダンススタジオ、器械体操場、剣道場、レスリング場、弓道場、アーチェリー場まであります。グラウンドには200mトラック、80m×3レーンの全天候型走路、公式戦にも使われるソフトボール場を整備。学校の一角にいくつか運動施設がある、という規模ではありません。

そして重要なのは、これらが高校の総合スポーツコースや強化部だけの設備ではないことです。器械体操場やレスリング場などは体育の授業でも使われ、中学生の日常にも入っています。

主な施設特徴
第一体育館バレーボールコート2面、可動式バスケットゴールを設置
第二体育館壁一面に鏡を備え、ダンス授業や新体操・器械体操の練習にも使用
第三体育館バスケットボールのフルコートを2面確保できる大型体育館
ダンススタジオ19m×17m、壁2面が鏡張り。冷暖房完備
器械体操場平均台、段違い平行棒、ピットなどを備え、授業でも使用
剣道場剣道専用の練習環境。冷暖房完備
レスリング場レスリング部のほか、柔道の授業にも使用
弓道場5つの的と巻藁を備え、雨天でも練習可能
アーチェリー場最長50mまで射ることができる専用施設
グラウンド200mトラック、全天候型走路、ソフトボール場、照明設備を設置
礼法室お辞儀や作法、浴衣の着付けなどを学ぶ
合宿所校内合宿や他校との合同合宿に利用

体育館が「三つ」ある

スポーツ施設の豊富さを象徴するのが、体育館だけで三つあることです。

第一体育館はバレーボールコート2面を取ることができ、第二体育館は壁一面が鏡張りで、ダンスや新体操、器械体操にも対応します。さらに第三体育館では、バスケットボールのフルコートを2面確保できます。

中学全体の生徒数を考えると、この施設規模との対比はかなり大きいものがあります。

人数の多い学校では、施設が立派でも利用時間を多くの部活動で分けなければならないことがあります。日体大桜華の場合は、小規模な中学校の生徒が、系列校として蓄積された大きなスポーツ環境を使えるところに特徴があります。

器械体操場は、部活動専用ではない

器械体操場には平均台や段違い平行棒、ピットなど、本格的な設備がそろっています。冷暖房も完備されています。

こうした設備を見ると、全国大会を目指す器械体操部のための施設に思えます。しかし、学校では体育の授業にも使用しています。

レスリング場も同じで、レスリング部だけでなく柔道の授業に利用されます。

スポーツに力を入れる学校には、「競技選手には恵まれた施設だが、一般生徒にはあまり関係がない」というケースもあります。日体大桜華では、専門性の高い施設の一部を普段の体育にも使うため、競技部に所属しない中学生もその環境に触れることになります。

中学から弓道やアーチェリーを始めることもできる

弓道場には5つの的と巻藁があり、屋根があるため雨の日にも練習できます。

アーチェリー場は最長50mまで射ることのできる専用施設です。学校内にこの距離を確保したアーチェリー施設を持つ中高は多くありません。

弓道やアーチェリーは、小学生のうちから経験している子の方が少ない競技です。つまり、中学入学時には多くの生徒が同じスタートラインに立てます。

小学校では運動が特別得意ではなかった子が、中学で初めて弓を持ってみたら夢中になることもあるでしょう。施設が多いことの意味は、強い選手をさらに強くすることだけではありません。12歳まで知らなかった競技と出会えることにもあります。

ダンスも「空いている教室で」ではない

ダンス専用スタジオは19m×17m。壁2面が鏡張りで、冷暖房も備えています。

高校には総合スポーツコースのダンスパフォーマンス専攻がありますが、中学時代からダンスに触れ、高校でさらに専門的に学ぶ道も考えられます。

鏡で自分の動きを確認しながら練習できることは、ダンスではかなり基本的な環境です。しかし学校部活動では、体育館の空いている時間を借りたり、普通教室を使ったりすることも珍しくありません。

好きなものを本格的に続けたい生徒にとって、専用の場所があるかどうかは6年間では小さな差ではありません。

ICTは「一斉授業」から個別学習へ

学習面では、全教室にWi-Fi環境が整備され、タブレット端末を授業で活用しています。

情報を調べて資料をつくり、グループ内で共有したあと、意見をまとめてプレゼンテーションする。端末をノートの代わりにするだけでなく、調査や共同作業、発表までにつなげています。

さらに数学などではAI型教材「Qubena(キュビナ)」を利用します。解答の正誤だけでなく、解答速度や途中の手順からつまずきを分析し、生徒ごとに次に取り組む問題を変えていく教材です。

ここは日体大桜華の少人数教育との相性がよいところでしょう。

同じ教室で全員が同じ問題を解くだけなら、人数が少ないことを十分に生かせません。ICTで一人ひとりの理解度を把握し、先生がその生徒の様子を直接見られる。「少人数」と「個別最適化」を別々の言葉にしないところが重要です。

昼食には食堂という選択肢もある

昼食は弁当を持参することもできますが、校内の食堂を利用することもできます。

毎日の弁当づくりを考える家庭にとって、学校で昼食を取れる選択肢があるのは助かります。とくに部活動で帰宅が遅くなる日もある学校では、食事を含めて「学校の中で一日をどう過ごすか」は見ておきたいところです。

「スポーツが得意な子のための施設」だけではない

日体大系列という名前を見ると、全国大会を目指す選手のための学校という印象が先に立つかもしれません。

もちろん、本格的に競技へ取り組む生徒にとって、この施設群は大きな意味を持ちます。

しかし、中学生全員がトップアスリートとして入学するわけではありません。体育の授業で器械体操場を使い、初めて弓道に触れ、ダンスを始め、あるいは運動部には入らずICTを使った学習に取り組む生徒もいます。

設備が多いということは、すでに持っている才能を伸ばす場所が多いだけでなく、まだ知らない自分を試せる場所が多いということです。

中学校全体は小さい。それでも校門の中には、体育館が三つあり、道場があり、スタジオがあり、50mのアーチェリー場まである。

日体大桜華の「少人数」を考えるときは、生徒数だけを見るより、一人の生徒に対してこれだけの学校環境が開かれていることまで一緒に見た方が、この学校らしさがよく分かります。

学校生活と行事|小さな集団だからこそ役割が回ってくる

日体大桜華の学校生活は、スポーツ行事だけで一年が埋まっているわけではありません。

体育祭や球技大会のように身体を動かす行事がある一方で、学年ごとの校外学習、桜華祭、芸術鑑賞、海外語学研修なども組み込まれています。中学3年生になると、沖縄で3泊4日の修学旅行を行います。

そして中学校が少人数であることは、こうした行事でも意味を持ちます。

大人数の学校なら、「誰か得意な人がやってくれる」で終わる場面もあります。日体大桜華では集団そのものが小さいぶん、行事の準備や班活動で一人ひとりに出番が回ってきやすい。教室とは違う役割から、自分の得意なことが見つかる可能性もあります。

体育祭では、中高の学年を越えて4色に分かれる

日体大系列校らしさがよく見える行事の一つが体育祭です。

2026年度は5月に実施され、中高の生徒が4色のチームに分かれて競技に参加しました。学年だけでまとまるのではなく、先輩・後輩が同じ色の仲間として動きます。

最後には伝統の集団体操も披露されます。

スポーツが得意な生徒が目立つだけの体育祭ではありません。大人数で動きをそろえる集団体操では、自分だけ速く動けばよいわけではなく、周囲を見ることが必要です。

学校が教育理念に掲げる「健康・努力・敬愛」のうち、体育祭では三つがかなり分かりやすい形になります。身体を動かし、練習を重ね、仲間と合わせる。日体大桜華にとって体育は、競技能力を見るだけの教科ではありません。

中1は「仕事」、中2は「世界と科学」へ校外学習

学年ごとの校外学習も、単なる遠足にはしていません。

2026年度の中学1年生はキッザニア東京を訪れ、班ごとに事前計画を立てて職業体験に取り組みました。さまざまな仕事の役割や責任に触れ、自分の興味や適性を考えるきっかけにしています。

中学2年生はJICA地球ひろばと国立科学博物館へ。午前は開発途上国やSDGs、国際協力について学び、午後は自分たちで見学計画を立てて科学博物館を回りました。

中1で「世の中にはどんな仕事があるのか」を知り、中2では社会や世界へ視野を広げる。

少人数の学校だからこそ、人間関係が学校の内側だけで完結しないよう、外へ出て知らない世界を見る機会は大切です。

中3の修学旅行は、現在は沖縄で3泊4日

中学3年生の修学旅行は、2026年度には沖縄で3泊4日の日程で行われました。

初日は、ひめゆり平和祈念資料館と沖縄県平和祈念資料館を訪れ、沖縄戦について学習。その後は首里城公園へ向かい、琉球王国の歴史や文化にも触れます。

2日目になると雰囲気は変わり、シュノーケリングなどのマリン体験や、シーサーの絵付け、アクセサリー制作といった文化体験に取り組みます。美ら海水族館を見学したあとは、班ごとに民泊へ向かいます。

民泊では、地域の家庭で郷土料理づくりや農作業などを経験。3日目には、自分たちで事前に考えたルートをもとに、班ごとのタクシー研修を行いました。

戦争と平和、歴史、自然、文化、地域の暮らし。沖縄を一つのテーマだけから見るのではなく、数日かけて違う角度から知っていく修学旅行です。

そしてタクシー研修では、「先生についていく旅行」から一歩離れます。自分たちで計画を立て、仲間と相談しながら行動する。少人数校で育ってきた中3にとって、高校進学を前に少し自分たちへ判断を返される時間にもなっています。

7月の球技大会では、クラスの距離がさらに縮まる

夏には球技大会もあります。近年はドッジボールなどで、クラスごとに声を掛け合いながら競います。

中学校の人数が少ない日体大桜華では、同級生のことを覚えるまでに何か月もかかるわけではありません。それでも、授業中に隣の席で話すのと、一つのチームになって応援するのでは関係のつくられ方が違います。

運動が得意な子が活躍する一方、声を出して盛り上げる子、作戦を考える子もいる。少人数だから、「見ているだけ」で一日が終わりにくい行事です。

秋の「桜華祭」は、受験生にも学校の現在が見える

9月には文化祭である「桜華祭」が開催されます。2026年度は9月12日・13日の2日間開催です。

日体大桜華を検討している受験生にとっては、学校説明会とは違った意味があります。

説明会では教育制度や入試について先生から聞くことができます。しかし桜華祭では、生徒が友人とどんな距離感で話しているのか、先生とどう接しているのか、少人数の中学生が高校生のいる学校でどう過ごしているのかを直接見ることができます。

この学校では「アットホーム」という言葉だけで校風を判断するより、実際の生徒を見る方が早いでしょう。

希望すれば、中学生のうちから海外へ出られる

英語についても、教室の中だけで完結させていません。

中学教育ではTGG(TOKYO GLOBAL GATEWAY)、ブリティッシュヒルズでの国内語学研修、カナダでの2週間語学研修などが用意されています。

2026年夏の海外語学研修では、参加生徒がカナダ・ビクトリアへ渡航し、それぞれが現地家庭に一人ずつホームステイしています。

英単語や文法を覚えているときには、間違えれば先生が直してくれます。しかし海外の家庭で何かを伝えたいときは、知っている単語を使って自分から話すしかありません。

英語が得意になったから海外へ行く場合もあれば、海外へ行ったことで「もっと話せるようになりたい」と思う場合もある。日体大桜華の国際教育は、後者の入口も用意しています。

少人数校では、行事も「見る側」で終わりにくい

生徒数が少ない学校には、人間関係が固定されやすいという面もあります。一方、学校行事では一人ひとりの存在が薄まりにくいという特徴があります。

体育祭でチームに入り、校外学習では班で動き、修学旅行では計画を立て、桜華祭では学校をつくる側になる。

何百人の中の一人なら、少し後ろへ下がっていても行事は進みます。人数が少なければ、そうはいきません。

「自分がいなくても同じ」になりにくい。

日体大桜華の学校行事で少人数という条件が持つ意味は、仲良くなりやすいこと以上に、ここにあるように思います。

クラブ活動|全国を目指す競技からボランティアまで

日本体育大学の系列校という名前から想像する通り、日体大桜華では運動部の存在感が大きめです。

中学生が参加できる運動部には、バスケットボール、陸上競技、剣道、弓道、レスリング、ダンス、新体操、器械体操などがあります。陸上や剣道、弓道、レスリング、ダンスなどは高校生と一緒に活動するため、中学入学直後から年齢の離れた先輩と練習することになります。

一方、茶道、クッキング、創作、美術、ギター、箏曲、華道、書道、吹奏楽などの文化部も中学生が参加できます。さらに地域で活動するインターアクトクラブもあります。「日体大系列=運動部に入る学校」ではありません。

中学バスケットボール部は全国大会へ

現在、中学の競技実績で目を引くのがバスケットボール部です。

2025年には第55回全国中学校バスケットボール大会へ出場。予選リーグを1勝1敗の2位で通過し、全国ベスト16となる決勝トーナメントまで進みました。

§1で見た通り、日体大桜華の中学校そのものは小規模です。それでも全国大会へ進むチームをつくれる。ここには、学校全体の人数より、指導環境や練習施設、競技に集中できる体制が重要であることが表れています。

第三体育館にはバスケットボールのフルコートを2面取れるため、施設面でも競技を続けやすい環境です。

器械体操部も2026年に関東大会へ

器械体操部も、中学生が本格的に競技へ取り組めるクラブです。

2026年7月の東京都中学校体操競技関東予選会では団体2位となり、関東大会への出場を決めました。

校内には平均台、段違い平行棒、ピットなどを備えた専用の器械体操場があります。冷暖房も整備され、普段の体育授業にも使われています。

大会実績と施設が別々に存在しているのではなく、普段練習する場所そのものが専門競技に対応しているのが日体大桜華です。

中学生と高校生が一緒に練習する意味

陸上競技部では、中学生が日常的に高校生と一緒に練習します。ダンス部も中高合同です。弓道部では、学年を越えて教え合う文化があり、中学生も高校生と同じ「仲間」として活動しています。

12歳から見た17歳は、かなり大人です。

フォームのつくり方や練習への向き合い方だけでなく、道具をどう扱うのか、試合前にどう準備するのか、後輩にどう声をかけるのかまで、近くで見ることになります。

そして数年後には、自分が教える側へ回る。

中学校が小規模だからこそ、高校生との接点を持つ意味は大きいでしょう。同学年だけで人間関係が完結せず、6学年の中で自分の立場が少しずつ変わっていきます。

弓道やレスリングは、中学から始める選択肢にもなる

小学生のころからバスケットボールや陸上を続けてきた子が、その競技をさらに伸ばすこともできます。

一方、弓道やレスリングのように、中学入学をきっかけに初めて触れる競技もあります。

弓道部では初心者から段階的に練習でき、校内には雨天時にも利用できる専用弓道場があります。レスリングにも専用練習場があります。

「スポーツが好き」という言葉は広すぎます。走るのは苦手でも、集中して的に向かう弓道なら合うかもしれない。球技は得意でなくても、器械体操に夢中になるかもしれない。

施設や競技の種類が多いことは、すでに競技歴のある選手だけではなく、自分に合う身体の使い方をこれから探す子にも意味があります。

文化部では、スポーツとは違う時間が流れる

もちろん、放課後まで身体を動かしたい生徒ばかりではありません。

茶道部では作法と「お茶の心」を学び、クッキング部では菓子づくりを行い、桜華祭ではクッキーを販売します。美術部ではデッサンから油絵、アクリル画まで取り組むことができ、創作部ではイラスト、漫画、小説など、自分の好きな表現を続けられます。

ギター部にはクラシックと軽音楽の部門があり、箏曲、華道、書道といった日本文化に触れる部活動もあります。

スポーツ施設の印象が強い学校だからこそ、こうした文化系の選択肢も学校見学では確認しておきたいところです。

地域へ出ていく「インターアクトクラブ」

日体大桜華のクラブ活動で、競技とは別の形で学校らしさが表れているのがインターアクトクラブ(ボランティア部)です。

活動場所は校内だけではありません。東村山市の「あいさつ+ひと言運動」、地域の清掃活動、子ども食堂、児童館行事などに参加し、地域の福祉施設や社会福祉協議会とも関わっています。

2026年度も、おひさま子ども食堂でのボランティアや地域のあいさつ運動などを継続。中学生自身が近隣の福祉施設の人たちと一緒に活動する機会もあります。

学校の教育理念には「敬愛」という言葉があります。教室で「人を思いやりましょう」と教わるだけなら、理解するのは難しくありません。しかし実際に地域へ出れば、年齢も立場も違う人と一緒に動かなければならない。

ここでは「敬愛」が、学校の外で試されます。

少人数だからこそ、「出番」が早く来る

日体大桜華のクラブ活動を考えるとき、施設や大会成績と同じくらい注目したいのが学校規模です。

部員が何十人、何百人といる強豪校では、1年生のうちは練習についていくだけということもあります。日体大桜華ではクラブによって事情は異なりますが、中学校全体が少人数であるため、一人ひとりの存在が見えやすい環境です。

試合に出る。発表する。後輩に教える。文化祭で作品を見せる。地域の人と活動する。

人数が少ないということは、待っていれば誰かが代わりにやってくれる人数も少ないということです。

競技で全国を目指す子にも、入学後に初めて好きなことを探す子にも、自分の役割が回ってくる。その点まで含めると、日体大桜華のクラブ活動は「スポーツが強い学校」という一言より、もう少し広く見えてきます。

進学実績と卒業後の進路|日体大推薦と他大学進学、二つの道

日本体育大学桜華という校名から、「高校卒業後は多くの生徒が日本体育大学へ進む学校」と考える人もいるでしょう。

実際、日本体育大学への併設校指定校推薦は、日体大桜華の進路を考えるうえで重要な選択肢です。ただし、進学先は日体大だけではありません。

早稲田大学、立教大学、成蹊大学、日本女子大学、日本大学、東洋大学などへの合格実績があり、看護・保育・語学・栄養といった分野を目指す生徒もいます。高校卒業後の進路は、スポーツを続ける道と、それ以外の道のどちらにも開かれています。

日本体育大学への推薦という、系列校ならではの進路

日体大桜華は学校法人日本体育大学の設置校で、日本体育大学への併設校指定校推薦があります。

日本体育大学には、体育学部だけでなく、スポーツ文化学部、スポーツマネジメント学部、児童スポーツ教育学部、保健医療学部があります。

競技を続けながらスポーツ科学を学びたい生徒もいれば、体育教員、トレーナー、スポーツビジネス、幼児教育、医療などへ関心を広げる生徒もいるでしょう。

令和6年度の合格実績では、日本体育大学に43名が合格しています。

中学時代から日体大桜華の施設で競技を続け、高校では総合スポーツコースへ進み、大学でもスポーツについて専門的に学ぶ。本人の目標によっては、中学から大学までかなり長い視野で進路を組める学校です。

「日体大に行ける」と「日体大に行かなければならない」は違う

ここは中学受験の段階で整理しておきたいところです。

日本体育大学への推薦制度があることは安心材料になりますが、日体大桜華は日本体育大学への進学だけを目的とした学校ではありません。

令和6年度には早稲田大学文化構想学部、立教大学異文化コミュニケーション学部、成蹊大学文学部、日本女子大学文学部、日本大学商学部、東洋大学理工学部・健康スポーツ科学部などへの合格者が出ています。

近年の実績を広く見ると、青山学院大学、國學院大學、武蔵大学、駒澤大学、東京都市大学、大妻女子大学などにも進路が広がっています。

「系列大学があるから出口が決まる」のではなく、系列大学という一つの太い道を持ちながら、外部大学も選べると考える方が実際の進路像に近いでしょう。

高校では3コースに分かれ、目指す出口も変わる

中学卒業後は、日体大桜華高校で自分の進路に合わせた学びへ進みます。

高校コース主な方向性
アドバンストコース国公立大学、GMARCHなど難関大学への進学を目指す
総合進学コース大学・短大・専門学校を含め、幅広い進路に対応
総合スポーツコース日本体育大学、スポーツ・医療・保育系、競技継続などを視野に入れる

アドバンストコースでは1年次から勉強合宿を行い、発展的な演習にも取り組みます。総合進学コースでは2年次から文系・理系に分かれ、総合型選抜や学校推薦型選抜だけでなく一般選抜にも対応します。

総合スポーツコースでは、競技能力そのものを伸ばすだけではなく、スポーツを多角的に学び、日本体育大学やトレーナー、保育、看護などへの進路につなげます。

中学入学時点では一つの学校で一緒に学び、高校になると本人の目標に応じて進む方向を変えられる。この構造は、まだ将来を決め切れない12歳にとって使いやすいでしょう。

医学部医学科への合格者も出ている

スポーツ系の進路が目立つ学校ですが、近年には広島大学、昭和医科大学、国際医療福祉大学の医学部医学科への合格者も出ています。

この実績だけを見て「医学部に強い学校」と表現するのは適切ではありません。ただ、日体大桜華の進路を「日体大かスポーツ系専門学校」と狭く考える必要もありません。

高校には国公立・難関私大を目指すアドバンストコースがあり、発展講習や個別指導も行われています。本人の学力と目標が伸びれば、入学時に想定していたより高い進路へ挑戦できる余地があります。

指定校推薦は400枠以上

大学進学では、一般選抜以外の道も豊富です。

学校では400以上の指定校推薦枠を持ち、日本体育大学のほか、二松學舍大学、帝京大学、亜細亜大学、桜美林大学、大妻女子大学、跡見学園女子大学、十文字学園女子大学、白梅学園大学、東京医療保健大学、明星大学などが主な指定校として挙げられています。

推薦枠は年度によって変わるため、入学時点で6年後の枠を保証するものではありません。それでも、高校での学習や学校生活を積み重ねることで、一般選抜以外の選択肢を持ちやすい学校です。

少人数だから、進路相談も「学年全体」ではなく一人ずつ

日体大桜華の進路指導は、学校規模ともつながっています。

生徒面談を計画的に行い、模試を返却するときには弱点を分析。受験学年では小論文や面接の個別指導にも対応します。

また、夏・冬・春には、難関大学向けの発展講習から基礎学力講習まで実施。看護医療、幼児・保育教育、語学、栄養、スポーツ理論など、希望する分野に応じた講習もあります。

進路指導というと、「この成績ならこの大学」と学校側から候補を提示される場面を想像しがちです。日体大桜華では、生徒数が多くないことを生かし、本人が何をしたいのかを聞きながら進路を組み立てていきます。

高校1年生から、大学を実際に見に行く

2026年度には、高校1年生が進路学習の一環として日本体育大学世田谷キャンパスを訪れました。

系列大学だから名前を知っている、というだけではなく、実際に大学へ行き、どんな施設があり、何を学べるのかを見る。さらに学校では、日本体育大学以外の大学を招いた学部別授業体験や、大学を訪問する上級学校学習も行っています。

大学名を先に決めるより、「大学で何を学ぶのか」を知ってから進路を考えるわけです。

12歳の時点で「スポーツの道」と決めなくてもよい

日体大桜華を中学から選ぶとき、日本体育大学への推薦制度やスポーツ施設は分かりやすい特徴です。

しかし、中学生の3年間で興味は変わります。

バスケットボールを続けて日体大を目指すかもしれない。英語が好きになって外国語系へ進むかもしれない。理科に興味を持ち、医療系を目指すかもしれない。

少人数の中学校でさまざまなことを試し、高校では3コースから方向を選び、その先に日本体育大学と外部大学の両方がある。

出口が一つに決まっていないことも、日体大桜華の少人数教育を考えるうえでは重要です。

一人ひとりをよく見るということは、全員を同じ場所へ連れていくことではありません。その子が見つけた目標に合わせて、進む道を変えられることです。

学費や諸経費について|中高6年間で考えたい教育費

私立中学校を選ぶとき、入学金や授業料だけを見ていると、実際に家庭から出ていく金額との差が大きくなることがあります。

日体大桜華も同じです。入学時には入学金と施設充実費が必要になり、その後は毎月の授業料・教育充実費・各種会費を納めます。さらに、修学旅行費、教材費などは別途必要です。

2026年度の中学校募集要項をもとに、まず学校へ納める基本的な費用を整理してみましょう。

項目金額納入時期など
入学金200,000円入学手続時
施設充実費180,000円入学手続時
授業料月額30,000円年額360,000円
教育充実費月額4,500円年額54,000円
保護者の会会費月額2,500円年額30,000円
特別施設賛助金月額1,500円年額18,000円
生徒会費月額1,000円年額12,000円
保護者の会入会金2,000円1年次のみ
生徒会入会金1,000円1年次のみ

基本的な学納金は、初年度約85万7,000円

入学時に必要なのは、入学金20万円と施設充実費18万円を合わせた38万円です。

入学後の授業料と教育充実費は月額3万4,500円。1年間では41万4,000円になります。

さらに、保護者の会会費、特別施設賛助金、生徒会費を合わせると月額5,000円、年間6万円。初年度のみ保護者の会入会金2,000円と生徒会入会金1,000円も必要です。

これらを単純に合計すると、初年度の基本的な学納金は約85万7,000円です。

以前の資料では初年度約99万円という数字も見られましたが、現在の募集要項では費用の示し方が変わっています。学校比較では、古い総額をそのまま使うのではなく、現在の内訳から確認した方がよいでしょう。

85万7,000円ですべて終わるわけではない

ここで注意したいのは、85万7,000円が「中学1年生にかかるすべての費用」ではないことです。

学校では、修学旅行費や学年費などを別途納入するとしています。

このほか、入学時には制服や指定用品などの準備もあります。部活動に加入すれば、競技によってはユニフォーム、用具、遠征・大会参加、合宿などの費用が加わる場合もあります。

日体大桜華ではカナダ語学研修など希望制のプログラムもあります。参加する場合には、通常の学費とは別の教育費として考えておく必要があります。

特にスポーツを本格的に続けたい家庭では、学校の学費だけでなく、その競技を6年間続けるための費用まで含めて見積もる方が現実的です。

中2・中3では施設充実費1万5,000円が必要

2年次・3年次へ進級するときには、それぞれ施設充実費1万5,000円を納入します。

現在と同じ月額が続くと仮定すると、中2・中3の授業料・教育充実費・各種月額会費は年間47万4,000円。そこに施設充実費1万5,000円を加えると、基本部分は年間48万9,000円となります。

もちろん、これとは別に各学年の教材や行事などの費用があります。

初年度だけを見ると入学金と施設充実費によって金額が大きく見えますが、2年目以降は入学時費用がなくなるため、基本的な負担構造は変わります。

特待生制度では入学金・授業料の免除もある

日体大桜華中学校には、部活動で一定の条件を満たす受験生を対象とした部活動特待生制度があります。

区分によって、入学金の全額または半額、授業料の全額または半額が免除されます。

区分入学金授業料
A全額免除全額免除
B半額免除半額免除
C全額免除免除なし

特待生は一度認定されれば卒業まで自動的に継続するわけではなく、毎年度認定審査があります。競技実績を生かして受験を考えている家庭は、早い段階で対象部活動へ相談しておきたいところです。

高校進学時には、もう一度入学時費用が発生する

中高一貫校では、中学入学時の費用だけを見てしまいがちですが、日体大桜華では高校へ内部進学するときにも入学金があります。

2026年度の高校募集要項では、高校の入学金は20万円ですが、日体大桜華中学校からの内部進学者は8万円が減額されます。現在の制度なら、内部進学者が負担する高校入学金は12万円です。

高校では施設充実費18万円も設定されているため、現行制度を前提にすれば、高校進学時にもまとまった支出を見込んでおく必要があります。

高校の授業料は現在月額4万円、教育充実費は月額5,000円で、中学校より高くなります。さらにiPadのアプリ費用や通信費、修学旅行積立、コースによっては実習費なども加わります。

一方、高校段階では国や東京都などの授業料支援制度の対象になる場合があり、実際の家庭負担は居住地や制度によって変わります。

「中学初年度の金額」より、6年間の過ごし方で考える

日体大桜華では、学校施設を使って本格的に競技を続けることもできます。希望すれば海外研修にも参加でき、高校では進路によって3コースに分かれます。

つまり、6年間の費用は全員一律にはなりません。

部活動にどこまで取り組むのか。海外プログラムへ参加するのか。高校ではどのコースを選ぶのか。こうした選択によって、基本的な学納金以外の部分が変わってきます。

私立中学の学費は、「入れるか」だけでなく「入ったあと、やりたいことを我慢せず6年間続けられるか」で考える。

日体大桜華の場合、本格的なスポーツ環境や多様な体験を利用できる学校だからこそ、その視点で家計とのバランスを確認しておきたいところです。

入試情報と合格の目安|基礎学力と「この学校で学びたい」を見る入試

日体大桜華中学校の入試は、難しい問題を大量に解かせて受験生を細かく順位づけするタイプとは少し性格が異なります。

2026年度の本入試では、国語・算数と親子面接で選考する「一般入試」に加え、学科試験を行わず親子面接で選考する「AO入試」が設定されました。

つまり学校が見ているのは、現在の学力だけではありません。

「中学校で何をしたいのか」「これまで何に取り組んできたのか」「どんなことが得意なのか」。少人数で一人ひとりを見る学校だからこそ、入学前から本人そのものを知ろうとする入試になっています。

2027年度要項はまだ未公表。まず2026年度入試を基準に見る

2026年8月時点で、学校公式サイトに掲載されている中学校募集要項は2026年度(令和8年度)版です。

したがって、2027年度受験生は以下の日程・方式をそのまま確定情報として使うのではなく、現在の入試制度を知るための参考として見てください。

入試2026年度試験日募集人数一般入試AO入試
第1回2月1日25名国語・算数・親子面接親子面接
第2回2月2日15名国語・算数・親子面接親子面接

募集人数は2回合わせて40名です。

第1回・第2回とも午前8時30分集合で、一般入試では9時から国語、10時05分から算数を実施。その後、11時10分から親子面接を行います。

一般入試の国語・算数はそれぞれ50分・100点満点です。

一般入試では「国語・算数+親子面接」

一般入試は、いわゆる2科入試です。

4科受験ではないため、日体大桜華を志望校の一つとして加える場合も、国語と算数を中心に準備できます。

公開されている過去問を見ると、算数では計算、小数・分数、割合や単位、文章題、図形など、中学受験算数の基本となる内容が幅広く出題されています。国語も長文読解を中心に、語句や本文理解を確認する構成です。

特殊な解法を大量に覚えることより、小学校範囲と中学受験の基本事項に大きな穴を残さないことが先になります。

算数なら、複雑な最難関問題に時間をかける前に、計算問題を落とさないこと。割合・速さ・図形などの典型問題で、式を立てて答えまで出せる状態をつくることが重要です。

国語も、文章を最後まで読み、問いに合わせて本文から根拠を探す練習を積んでおきたいところです。

親子面接は「おまけ」ではない

一般入試では、国語と算数が終わったあとに親子面接があります。

募集要項では、中学校生活についての抱負などを中心に話すとされています。

ここで準備したいのは、立派な回答を暗記することではありません。

なぜ日体大桜華を受験するのか。入学したら何をしてみたいのか。興味のある部活動はあるのか。学校説明会やオープンスクールで何を感じたのか。

小学6年生の言葉で話せれば十分です。

逆に、保護者が作った志望理由を本人が一字一句覚えて話すと、質問が少し変わっただけで答えにくくなります。

少人数校では、合格して終わりではありません。入学した翌日から先生と生徒がかなり近い距離で生活します。そのため、本人がこの学校へ通うことをどう考えているのかは確認しておきたいポイントでしょう。

AO入試は、筆記試験なしの親子面接

日体大桜華の入試で特徴的なのがAO入試です。

2026年度は国語・算数の学科試験を課さず、選考は親子面接のみ。面接では中学校生活への抱負に加え、クラブ活動や習い事など、自分が得意としてきた分野について話します。

これは、「勉強が苦手なら面接だけで入れる」という意味ではありません。

学校生活のどこかに、自分から取り組んできたものがある子を見る方式です。

ミニバスケットボールを続けてきた。ダンスを習っている。水泳に打ち込んできた。音楽や書道を長く続けている。地域活動に参加している。

そうした経験を、「何年やっています」で終わらせず、そこで何を頑張ったのか、失敗したときにどうしたのか、中学ではどう続けたいのかまで自分の言葉で話せるようにしておくとよいでしょう。

§12で詳しく見ますが、日体大桜華は「すでに完成された子」だけを求める学校ではありません。それでも、自分の中にある一つの芽を本人が認識しているかはAO入試との相性を考えるポイントになります。

偏差値36は、一つの参考値にとどめたい

合格可能性を考えるとき、日体大桜華は偏差値の扱いに少し注意が必要です。

首都圏模試系の学校データベースでは、女子の偏差値として36が表示されています。

一方、同じ模試会社が公表している2026年入試の結果偏差値一覧では、日体大桜華は受験者データが不足しているため、結果偏差値を算出できない扱いになっています。

四谷大塚の2026年6月の志望校判定資料でも、日体大桜華は「非判定」です。

つまり、「偏差値36を超えれば80%合格」といった精密な読み方ができる学校ではありません。

母集団の小さい学校では、偏差値の数字そのものも不安定になりやすい。

これは難易度が存在しないという意味ではなく、模試の一つの数字だけでは合否を測りにくいということです。

合格の目安は「基礎問題を安定して取れること」

そのため、日体大桜華では模試偏差値だけで合格可能性を判断するより、過去問との相性を見る方が実践的です。

公開されている過去問を時間を計って解き、計算や基本問題で大量失点していないかを確認します。

難問が解けないことよりも、できるはずの問題を計算ミスや読み違いで落としている状態の方を先に直したいところです。

さらに、学力とは別に親子面接があります。

したがって受験準備は、次の三つを並行して進めると整理しやすくなります。

  • 国語・算数の基礎問題を安定して取れるようにする
  • 公開過去問を50分で解き、時間配分を確認する
  • 志望理由や中学でやりたいことを、自分の言葉で話せるようにする

偏差値表では測りにくい学校だからこそ、最後の二つが重要になります。

部活動で実績がある受験生には特待生制度もある

§8で見たように、日体大桜華には部活動特待生制度があります。

一定の競技実績などを持つ受験生については、区分に応じて入学金や授業料の全額・半額免除を受けられる可能性があります。

スポーツを続けることを前提に日体大桜華を検討している家庭では、一般の学校説明会だけでなく、希望する部活動の体験や相談にも参加しておきたいところです。

施設が良さそうだから入学してから部活を考えるのと、その競技を6年間続けるために学校を選ぶのでは、受験準備そのものが変わります。

受験料は1回2万円。複数回受験には仕組みがある

2026年度の受験料は1回20,000円でした。

ただし、第1回・第2回を複数受験する場合、同時出願であれば1回分の受験料で受験できる制度が設けられています。

第一志望として受験する場合には、こうした複数回受験の仕組みも確認しておきたいところです。

2027年度受験では、秋の募集要項を必ず確認する

日体大桜華の入試は、年度によって追加募集などが行われることがあります。

しかし、「今年もあとから受験できるだろう」と考えて日程を組むのは危険です。

2027年度の正式な試験日、募集人数、一般・AOの実施方式、特待生制度については、新しい募集要項が公開された時点で改めて確認する必要があります。

そのうえで日体大桜華を受験するなら、学力だけを整えて終わりにしないことです。

国語と算数では「これまで何を学んできたか」を、面接では「これから何をしたいか」を見せる。

現在の日体大桜華中学校の入試は、その二つを一緒に確認するものとして捉えると分かりやすいでしょう。

併願校パターン|少人数女子校をどう受験日程に組み込むか

日体大桜華の併願校を考えるとき、偏差値が近い学校を上から順番に並べるだけでは、あまりうまくいきません。

中学校そのものがかなり少人数で、日本体育大学系列のスポーツ環境を持ち、女子校で、入試では国語・算数と面接を見る。

この条件をすべて満たす学校は多くないからです。

そのため、併願校選びでは「日体大桜華の何を気に入っているのか」を先に決めた方が整理しやすくなります。

重視するポイント併願候補比較したいところ
2科入試・面接・比較的小さな学校明星学園中学校自由度の高い教育、共学校という違い
スポーツにも力を入れたい武蔵野中学校競技環境、中高の規模、共学校という違い
女子校+英語教育佼成学園女子中学校グローバル教育、学校規模、通学圏
女子校+探究・表現型教育和洋九段女子中学校PBL型授業、都心立地、学校規模

第一志望なら、日体大桜華を複数回受ける形が基本

2026年度の日体大桜華は、2月1日と2月2日に一般入試・AO入試を設定していました。

さらに、第1回・第2回を同時出願する場合には、1回分の受験料で両方を受験できる仕組みもありました。

したがって日体大桜華が第一志望なら、他校をたくさん組み込む前に、桜華を複数回受験できる日程を残すという考え方が自然です。

ただし、2027年度の日体大桜華の正式要項は2026年8月時点では未公表です。以下の日程例は、2026年度の桜華入試が2月1日・2日に実施されたことを前提としたモデルとして見てください。

明星学園は、日程を組み合わせやすい候補

日体大桜華と併願を組みやすい学校の一つが、三鷹市の明星学園中学校です。

2027年入試では、次の4回がすでに発表されています。

明星学園試験日時選抜方法
A入試2月1日 午前国語・算数+面接
B入試2月1日 15:30~国語・算数+面接
C入試2月2日 15:00~国語・算数+面接
D入試2月4日 15:00~国語・算数+面接

国語・算数の2科と面接という点では、日体大桜華の一般入試と準備を共通化しやすい学校です。

2027年度も日体大桜華が午前入試を中心とするなら、桜華を受験したあとに明星学園の午後入試を組み込める可能性があります。

ただし、学校の性格は同じではありません。

日体大桜華が少人数の女子校で、スポーツ環境や系列大学とのつながりを持つのに対し、明星学園は男女共学で、自分で考えて表現することを重視する独自色の強い学校です。

入試科目が似ているから併願するのではなく、どちらに合格しても通いたいと思えるかを確認しておきましょう。

スポーツを軸にするなら、武蔵野中も比較対象になる

「女子校であること」より「中高6年間でスポーツをしっかり続けられること」を重視するなら、北区の武蔵野中学校も比較候補になります。

武蔵野は共学校ですが、水泳をはじめ競技活動に実績を持つ学校です。日体大桜華とは校風も立地も異なるものの、「競技を学校生活の中心に置きたい」という家庭には比較する意味があります。

一方で、東村山の日体大桜華と北区の武蔵野では通学方向が大きく異なります。

6年間競技を続けるなら、練習終了後の帰宅時間まで含めて考えなければなりません。

2027年度の武蔵野中学校募集要項は、2026年8月時点では公式サイトで「coming soon」となっています。具体的な併願日は、要項公開後に決める必要があります。

女子校を維持したいなら、佼成学園女子も候補

「中学・高校の6年間を女子だけの環境で過ごしたい」という点を重視するなら、世田谷区の佼成学園女子中学校も候補になります。

日体大桜華とは、女子教育という共通点がある一方、学校の強みはかなり違います。

佼成学園女子は英語・グローバル教育の比重が大きく、中学ではグローバルコースとリベラルアーツコースを設けています。

つまり、

  • スポーツ環境と少人数性を重視するなら日体大桜華
  • 英語や海外経験をより教育の中心に置きたいなら佼成学園女子

という比較ができます。

2027年度の帰国生入試はすでに公表されていますが、2月の一般入試については2026年8月時点で今後の学校説明会で詳細を案内する段階です。正式日程が出てから組み込みましょう。

和洋九段女子は「女子校」という共通点から比較する

都心方面まで通学範囲を広げるのであれば、和洋九段女子中学校も女子校の比較候補です。

和洋九段女子ではPBL型授業を中心に、教科を横断して考え、対話し、表現する教育を進めています。

日体大桜華とは学校規模も立地も教育の見せ方も異なります。

だからこそ、両校を見学すると「娘に合う女子校とはどんな学校なのか」が分かりやすくなるでしょう。

先生との距離が近い小さな集団を求めるのか。もう少し大きな集団の中でさまざまな価値観に触れたいのか。身体を動かす環境を重視するのか、探究・表現活動を重視するのか。

同じ「女子校」という分類でも、中で過ごす6年間はかなり違います。

「挑戦校・実力相応校・安全校」は本人ごとに変わる

併願を考えるときには、一般に学校を「挑戦校」「実力相応校」「安全校」に分けます。

ただし、日体大桜華では§9で見たように模試の受験者データが少なく、偏差値だけで精密に合格可能性を判断しにくい面があります。

そのため、たとえば偏差値表で日体大桜華より数字の低い学校を見つけて、「ここなら安全」と考えるのは避けたいところです。

安全校とは、本人にとって安全な学校です。

目安にするなら、模試でその学校の80%ラインを継続して上回っていることに加え、過去問を解いて合格最低点を余裕を持って超えられる状態にあるかを確認します。

そして、もう一つ条件があります。

合格したら本当に入学できる学校であること。

これは偏差値より大切です。

第一志望型なら「2月1日・2日」を日体大桜華中心に使う

2027年度の日体大桜華が2026年度と同様の日程になった場合、第一志望の家庭では次のような組み方が考えられます。

日程
2月1日午前日本体育大学桜華 第1回
2月1日午後休養/明星学園Bなど
2月2日午前日本体育大学桜華 第2回
2月2日午後明星学園Cなど
2月4日必要に応じて明星学園Dなど

ただし、午前・午後を毎日詰めればよいわけではありません。

日体大桜華の一般入試には親子面接もあります。午前入試が終わってから別の学校へ移動する場合には、試験終了時刻、昼食、交通時間まで確認する必要があります。

小学6年生にとって、2月1日は普段とは比べものにならないほど緊張する一日です。

午後入試を一つ増やすことで安心が増す家庭もあれば、第一志望の翌日に備えて帰宅した方がよい家庭もあります。

受験校の数ではなく、本人が翌朝もう一度力を出せる日程かで決めたいところです。

併願校は、「日体大桜華に落ちたときの学校」ではない

日体大桜華を第一志望にすると、どうしてもほかの学校を「第二候補」「第三候補」と考えがちです。

しかし、入試が終われば順位はなくなります。

2月に合格した学校の中から、実際に毎朝通い、授業を受け、友人をつくり、部活動をして6年間を過ごす一校を選びます。

だから併願校を決める前に、できれば本人を連れて学校へ行ってください。

日体大桜華の小さな集団が好きなのか。明星学園の自由な空気が好きなのか。佼成学園女子の英語教育に惹かれるのか。別の学校の方が競技を続けやすいのか。

併願校は、不合格だったときに行く学校ではありません。合格したら、本当に6年間通うかもしれない学校です。

日体大桜華の併願を組むときも、その基準だけは最後まで外さないようにしましょう。

在校生・保護者の声|先生との距離が近い学校の日常

日体大桜華について調べると、「少人数で先生との距離が近い」「部活動にしっかり取り組める」「挨拶や礼儀を大切にしている」といった評価が見られます。

一方で、「スポーツに打ち込む生徒が多い」「校則にはある程度の厳しさがある」と感じる声もあります。

ただし、中学校についてインターネット上に投稿されている口コミは決して多くありません。しかも数年前のものが含まれています。

現在の日体大桜華を考えるなら、一つの口コミを学校全体の評価とするのではなく、実際の教育制度や現在の生徒の様子と重ねて読む必要があります。

「先生との距離が近い」は、少人数校らしい評価

日体大桜華で繰り返し見えてくるのが、先生と生徒の距離です。

過去の保護者の声には、中学校が少人数で落ち着いた学習環境だったという評価があります。卒業生からも、大学受験の際に先生が志望大学の出題傾向を調べ、個別に指導してくれたという振り返りがあります。

もちろん、先生との相性には個人差があります。

それでも、現在の学校にも模試の弱点に応じた学習支援、放課後講習、個別指導、英検の面接対策などがあり、「困ったときに先生へつながりやすい」という仕組みは確認できます。

日体大桜華の手厚さは、先生が常に隣にいて何でも先回りしてくれる、という意味ではないでしょう。

分からなくなったとき、進路に迷ったとき、もう一度先生のところへ戻りやすい。

少人数校の「先生との距離」を考えるなら、このくらいの捉え方が実態に近そうです。

名前を覚えられるということは、見てもらえるということ

大規模校では、生徒が自分から動かなければ先生との接点が増えないことがあります。

日体大桜華の中学校は、§1で見たように学校そのものが小規模です。

教室で元気がない。最近提出物が遅れている。部活動では頑張っている。英検に合格した。友人関係で少し様子が違う。

こうした変化が、大勢の中に埋もれにくいのは少人数校の利点です。

その反面、「今日は目立たずに過ごしたい」と思っても完全には埋もれにくい学校でもあります。

先生からよく見てもらえることを安心と感じる子もいれば、ある程度放っておいてほしい子もいます。「面倒見がよい学校」と本人の相性は、そこまで考えた方がよいでしょう。

挨拶や礼儀を大切にする空気

日体大桜華については、挨拶や礼儀に触れる声も目立ちます。

過去の保護者口コミにも、来校すると生徒が挨拶をしてくれるという評価があります。学校周辺でも、生徒の挨拶や礼儀について好意的な声が寄せられているとされています。

これは「体育会系だから礼儀に厳しい」とだけ理解するより、学校が掲げる「敬愛」と結びつけて見る方がよいでしょう。

現在も中学1年生は地域の福祉施設の人たちと「あいさつ+ひと言運動」に参加しています。校内で先生に挨拶するだけではなく、学校の外でも地域の人と接します。

挨拶は小さなことですが、6年間毎日続けば学校の空気になります。

「スポーツ校」の印象は、半分当たっている

在校経験者の声を見ると、スポーツを目的に入学する活発な生徒が多いという印象もあります。

これは日体大桜華の一面として確かにあります。

中学バスケットボール部は全国大会へ進み、器械体操部も関東大会へ出場。校内には専門的な競技施設があり、高校生と合同で活動する部もあります。

体育祭も学校生活の中で存在感のある行事です。

では、運動が得意でなければ居場所がないのかというと、現在の学校を見る限り、そこまで単純ではありません。

文化部があり、英語研修があり、難関大学を目指す高校のアドバンストコースもあります。進学先も日体大だけではありません。

スポーツが強い学校であることと、全員がスポーツ中心の学校生活を送ることは別です。

ただ、運動部の活動や体育行事が身近にある環境そのものが苦手な子であれば、学校見学で雰囲気を確かめておく必要があります。

活発な子ばかりなのか

過去の口コミには、「活発な生徒が多い」と感じた卒業生の声もあります。

ここは受験生本人が気にするところかもしれません。

スポーツに打ち込む子が多い学校へ、おとなしい子が入ったら浮いてしまうのではないか。そう考える家庭もあるでしょう。

しかし、「活発」と「社交的」は同じではありません。

競技には熱心でも普段は静かな子もいます。文化部で好きなことに集中する子もいます。一人で黙々と勉強する時間が好きな子もいるでしょう。

むしろ確認したいのは、性格が明るいか静かかより、周囲が何かに一生懸命取り組んでいる環境を本人が心地よいと感じるかです。

日体大桜華では、スポーツであれ勉強であれ、「やると決めたものに取り組む」ことをかなり大切にしています。

少人数には、近さゆえの難しさもある

少人数教育を紹介すると、「全員仲良し」「人間関係の心配がない」と書きたくなります。

しかし、人数が少ないから人間関係の悩みがなくなるわけではありません。

一学年の人数が少なければ、同じ友人と過ごす時間は自然に長くなります。気の合う友人ができれば濃い関係を築きやすい一方、何かあったときに別の大きなグループへ移る選択肢は、大規模校ほど多くありません。

だからこそ、先生が生徒の変化を把握しやすいことには意味があります。

「少人数=人間関係が必ず楽」ではなく、人間関係が近いからこそ、大人もそこに入りやすい。日体大桜華の規模は、その両面から考えておきたいところです。

校則や生活指導は、本人との相性を見ておきたい

過去の口コミでは、髪型や制服の着方、校内でのスマートフォン使用など、生活上のルールをやや厳しいと感じたという声もあります。

こうした内容は年度によって運用が変わる可能性があるため、古い口コミだけで現在の校則を判断することはできません。

ただ、挨拶や礼儀を学校文化として大切にする学校である以上、生活面について「すべて本人の自由」という校風を期待すると、感覚に違いが出る可能性はあります。

服装やスマートフォンの扱いを含め、本人が窮屈に感じるラインは家庭によって違います。

気になる場合は、説明会で規則を質問するだけでなく、在校生が休み時間や文化祭でどのように過ごしているかを見る方が分かりやすいでしょう。

評判を確認するなら、桜華祭やオープンスクールへ

日体大桜華ほど中学校の人数が少ない学校では、インターネットの口コミ数も限られます。

数件の投稿を読んで「評判がよい学校」「評判が悪い学校」と決めるには、材料が少なすぎます。

学校側も、桜華祭やオープンスクール、部活動体験など、在校生の様子を見られる機会を設けています。

見るべきなのは、立派な体育館だけではありません。

廊下ですれ違った生徒はどんな様子か。中学生と高校生はどう話しているか。先生に質問するとき、生徒は緊張しているか。それとも自然に話しかけているか。運動部ではない生徒がどんな学校生活を送っているか。

少人数校では、学校案内の数字より「この距離感の中に自分が6年間いる姿を想像できるか」の方が大切です。

日体大桜華の評判を確かめる一番確かな方法は、その小さな学校の中に一度入って、自分の目で生徒と先生の距離を見ることでしょう。

この学校に向いている子の特徴|小さな環境で自分の得意を伸ばしたい子へ

日体大桜華に向いているのは、最初から勉強もスポーツも自分で完璧にこなせる子ではありません。

むしろ、まだ自分の得意分野がはっきりしていなくても、先生や先輩に見てもらいながら一つずつ挑戦し、その中から「これは続けたい」と思えるものを見つけていきたい子です。

中学校全体が小規模である一方、校内には多くの競技施設があり、英語研修や海外体験、高校では3つのコース、日本体育大学と外部大学の両方への進路があります。

つまり日体大桜華は、小さな集団の中で、選べる経験は意外に多い学校です。

大人数の中では、自分から前へ出るのが少し苦手な子

一学年に何百人もいる学校では、自分から先生へ質問したり、行事の役割に立候補したりしなければ、あまり目立たずに6年間を過ごすこともできます。

日体大桜華では、その逆に近いでしょう。

人数が少ないため、先生から名前を覚えてもらいやすく、授業中の様子や提出物、部活動での頑張りも見えやすい。学校行事でも、一人ひとりに役割が回ってきます。

そのため、「自分からどんどん前へ出るのは苦手だけれど、声をかけてもらえば挑戦できる」という子とは相性があります。

最初から積極的である必要はありません。

見つけてもらえる環境の中で、少しずつ自分から動けるようになりたい子に向いています。

一つでも「好きなこと」がある子

日体大桜華には、バスケットボールや器械体操のように全国・関東レベルを目指せる競技があります。一方、弓道やアーチェリー、レスリングのように、中学から始めやすい競技もあります。

文化部やボランティア活動もあり、英語に興味があれば海外語学研修にも参加できます。

だから、必ずしも「スポーツが得意な子」でなくても構いません。

ダンスが好き。絵を描くのが好き。英語が好き。身体を動かすのが好き。人の役に立つ活動が好き。

その程度の「好き」で十分です。

学校側にさまざまな活動の受け皿があるため、一つの興味を入口にして、自分の世界を広げやすい学校です。

これからスポーツを始めてみたい子

「日体大」という名前を見ると、小学生のうちから競技実績のある子でなければ入りにくいように感じるかもしれません。

しかし、中学から新しい競技へ挑戦する余地もあります。

弓道やアーチェリーなどは、小学校ではなかなか経験する機会がありません。専用施設が校内にあるため、入学後に初めて触れ、そのまま6年間続けることもできます。

小学校では運動に自信がなかった子が、自分に合う競技を中学で見つける可能性もあります。

大切なのは、「すでにスポーツができるか」より、身体を動かすことや新しいことを試すことに抵抗がないかです。

先生に見てもらいながら、学習習慣を整えたい子

学習面でも、日体大桜華は放任型の学校ではありません。

模試の結果から弱点を確認し、必要に応じて補助教材を用意する。放課後講習や個別指導を使う。ICT教材で一人ひとりのつまずきを確認する。

自分だけで学習計画を立てて、黙って難関大学まで進める子だけを想定した仕組みではありません。

「分からないところを放置してしまう」「家ではなかなか勉強のペースをつくれない」という子でも、学校との距離が近い環境を利用できます。

ただし、先生が全部やってくれるわけではありません。

声をかけてもらったら取り組む。分からなければ質問する。やり直しをする。

支えてもらいながら、少しずつ自分で学べるようになりたい子に合っています。

失敗しても、もう一度やってみようと思える子

スポーツでも勉強でも、結果はすぐには出ません。

試合に負ける。英検に届かない。模試の点数が下がる。思ったように発表できない。

日体大桜華が掲げる「努力」や、現在の学校スローガンである「挑戦」は、成功したときだけ意味を持つ言葉ではありません。

一度うまくいかなかったあとに、また練習する。先生に聞く。先輩のやり方を見る。次は少し変えてみる。

そうした繰り返しを受け入れられる子ほど、この学校の環境を使いやすいでしょう。

年上の先輩と関わることを嫌がらない子

多くの部活動は高校生と一緒に活動します。体育祭などでも中高の学年を越えて関わります。

中学1年生から見れば、高校3年生は5歳上です。

同級生だけで安心して過ごしたい子にとっては、最初は少し緊張するかもしれません。一方、年上の生徒を見ながら成長できる子には、大きな学びがあります。

「来年はあの先輩のようになりたい」と思える相手が身近にいる。

そして数年後には、自分が後輩から見られる側になります。

少人数の中学校だからこそ、中高6学年を一つの縦長の集団として使える子は伸びやすいでしょう。

12歳で将来を一つに決めたくない子

日体大桜華は日本体育大学の系列校ですが、中学入学時点で将来をスポーツ分野に固定する必要はありません。

高校では、難関大学を目指すアドバンストコース、幅広い進路に対応する総合進学コース、競技やスポーツ分野を深める総合スポーツコースに分かれます。

その先も、日本体育大学への推薦と外部大学受験の両方があります。

小学生の時点では「バスケットボールを続けたい」と思っていても、中学で英語が好きになるかもしれません。反対に、勉強中心で入学した子が器械体操や弓道に夢中になることも考えられます。

今の得意を大切にしながら、6年間の途中で進路を変えられる。

まだ将来像が固まっていない子にとって、この余白は大切です。

女子だけの小さな集団を心地よいと思える子

最後は、学校規模そのものとの相性です。

日体大桜華では、同学年の人数が少ないため、人間関係は自然と近くなります。先生にも覚えてもらいやすく、一人ひとりの存在が見えやすい。

これは、大人数の中にいると疲れてしまう子には安心感につながることがあります。

一方、「友人関係をその都度大きく変えたい」「大勢の中で自分のペースだけで過ごしたい」という子には、窮屈に感じる可能性もあります。

少人数であること自体を良い・悪いと決めるのではなく、本人がその距離感をどう感じるかを見る必要があります。

こんな子なら、日体大桜華の6年間を使いやすい

  • 大人数では埋もれやすいが、声をかけてもらえば挑戦できる
  • スポーツ、英語、文化活動など、何か一つ興味のあるものがある
  • 中学から新しい競技や活動を始めてみたい
  • 先生のサポートを使いながら学習習慣を身につけたい
  • 失敗したあとに、もう一度取り組むことができる
  • 高校生の先輩と関わることを前向きに捉えられる
  • 12歳の時点で大学や職業まで決め切らず、6年間で方向を探したい
  • 女子だけの比較的小さなコミュニティを心地よいと感じる

逆に、先生からあまり声をかけられず完全に自分のペースで過ごしたい子、大人数の中で多くの人間関係を選びたい子、体育やスポーツが身近にある学校文化そのものを強く苦手とする子は、入学前によく雰囲気を確認した方がよいでしょう。

日体大桜華に合うのは、「もう自分の道が決まっている子」だけではありません。

まだ自分の得意が一つに決まっていないからこそ、小さな集団の中でいろいろ試してみたい子。

そのような12歳にとって、この学校の少人数性と大きな教育環境は、かなり面白い組み合わせになります。

まとめ|人数は少なくても、挑戦できる場所は広い

日本体育大学桜華中学校を、一言で「少人数の女子校」とまとめることはできます。

しかし、それだけではこの学校の輪郭は十分に見えてきません。

中学校の規模は小さい。先生との距離も近い。行事では一人ひとりに役割が回りやすく、学習でも模試の弱点や進路について個別に見てもらいやすい。

その一方で、学校の中へ入ると、体育館が三つあり、器械体操場、レスリング場、弓道場、アーチェリー場、ダンススタジオまであります。全国大会を目指せる競技があり、中学から始められる競技があり、文化部やボランティア活動もあります。

英語では国内外の研修があり、高校へ進めば3つのコースから方向を選べます。その先には日本体育大学への推薦もあれば、外部大学へ進む道もあります。

学校の人数と、生徒が選べる可能性の数は比例しません。

むしろ日体大桜華の場合、その二つは反対方向に広がっています。

「スポーツができる子の学校」では少し狭すぎる

日本体育大学の系列校である以上、スポーツはこの学校の大切な柱です。

本格的な施設があり、全国や関東を目指す部活動があり、競技を大学まで続ける進路もあります。

しかし、それを「すでに運動能力の高い子が集まる学校」とだけ理解すると、日体大桜華の使い方を狭めてしまいます。

小学校では知らなかった弓道を始めてもいい。英語研修に参加して海外へ興味を持ってもいい。中学では部活動に打ち込み、高校では大学進学へ軸足を移してもいい。

12歳の得意分野は、まだ途中です。

日体大桜華にあるのは、完成した才能を評価する場所だけではなく、まだ本人も知らない得意を試す場所です。

少人数教育の価値は、「優しくしてもらえること」ではない

少人数校というと、「アットホーム」「手厚い」「安心」という言葉が並びやすくなります。

もちろん、日体大桜華にもそうした側面はあります。

ただ、少人数であることのもう一つの意味は、本人の存在が隠れにくいことです。

授業で分からなくなれば気づかれやすい。行事では役割が回ってくる。部活動では先輩から見られ、やがて後輩を見る側になる。進路を決めるときにも、「みんなと同じ」だけでは済ませにくい。

つまり、日体大桜華の少人数教育は、守ってもらうためだけの仕組みではありません。

自分の番が回ってくる学校です。

12歳で答えを決めなくてもよい

中学受験では、「この学校へ入ったら将来はどうなるのか」を考えます。

日体大桜華の場合、日本体育大学という分かりやすい進路があります。しかし、それだけが出口ではありません。

高校ではアドバンスト、総合進学、総合スポーツの3コースに分かれ、大学進学では系列大学と外部大学の両方を選べます。

これは、12歳の段階で進路を決め切らなくてもよいということでもあります。

まず中学校で身体を動かす。勉強する。英語を使う。行事で人前に立つ。地域の人と関わる。

その中で、「もっとやってみたい」が見つかったら、高校以降の選択を変えていけばいい。

日体大桜華をどう見るか

日体大桜華は、大規模な進学校ではありません。

難関大学の合格者数だけを競う学校でもなければ、全員をスポーツ選手に育てる学校でもありません。

中学校の集団は小さい。

だから先生から見える。先輩から見える。自分の役割ができる。

そして、その小さな集団の外側には、日体大系列の施設、競技、英語研修、高校3コース、大学進学という複数の選択肢があります。

小さな場所に囲い込むための少人数ではなく、小さな場所から外へ挑戦しやすくするための少人数。

この視点で見ると、日本体育大学桜華中学校の個性はかなり分かりやすくなります。

大人数の学校では少し埋もれてしまいそうな子が、ここなら先生に名前を呼ばれ、自分の役割を持ち、一つの「好き」を見つけられるかもしれない。

日体大桜華を検討するなら、学校説明会では施設の立派さだけを見るのではなく、生徒と先生の距離を見てみてください。

そして受験生本人に、こんな問いを投げかけてみるとよいでしょう。

「この人数の中なら、今までやったことのない何かに挑戦してみたいと思える?」

その答えが「やってみたい」なら、日体大桜華の6年間は、本人が想像しているより広いものになるかもしれません。

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