【2026年版】新渡戸文化中学校の評判は?「好き」を社会につなげる3C教育と探究学習を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|「何を学ぶか」より「何をしたいか」から始まる学校
    1. 新渡戸稲造の名前を掲げる学校
    2. 現在の目標は「Happiness Creator」
    3. 「好き」が学びの入口になる
  2. アクセスと立地環境|東高円寺駅から徒歩5分、街とつながる中野のキャンパス
    1. 東高円寺駅から徒歩5分
    2. バスを組み合わせる通学もできる
    3. 9時登校という一日の始まり方
    4. 学校の外へ出る教育と相性のよい立地
  3. 教育方針とカリキュラム|「好き」を社会につなげる3C Curriculum
    1. Core Learning|教科の勉強も「全員同じ」から少し離れる
    2. Cross Curriculum|毎週水曜日は、時間割の境界も越える
    3. 「好き」はゴールではなく、問いをつくる入口
    4. Challenge Based Learning|考えたことを社会で試してみる
    5. 中間・期末考査とは少し違う学期のサイクル
    6. 2027年度からは、さらに「余白」を増やす
  4. 学習環境と施設設備|全面芝とVIVISTOP、つくって試せる学校空間
    1. 机を動かすところから授業が始まる
    2. VIVISTOP NITOBE|思いついたものを形にする
    3. NITOBEシアター|つくったものを、人に伝える
    4. 短期大学と共用するLABORATORY
    5. 校舎の外には全面芝のグラウンド
    6. 放課後に「居場所」を選べる
    7. 相談するための場所も用意されている
  5. 学校生活と行事|行事も旅も、受け身で参加するだけでは終わらない
    1. 新渡戸祭|「学びの成果」を学校の外へ開く文化祭
    2. 体育祭|中高生が一緒につくる一日
    3. ワクワクDAY|3学年を混ぜて遊ぶ
    4. スタディツアー|修学旅行にも「自分の問い」を持っていく
    5. 中2から参加できるフィリピン・スタディツアー
    6. スタディフェスタ|1年間の探究を人前に出す
    7. 3ks day|卒業する中3へ、後輩が「ありがとう」をつくる
  6. クラブ活動|放課後にも「やってみたい」を広げる
    1. 卓球部|全国大会経験を持つ競技部
    2. 剣道部|中学生と高校生が一緒に稽古する
    3. ダンス、バスケットボール|中学から始める選択肢もある
    4. 美術部と軽音楽部|「つくる」放課後
    5. 部活動に入らない「プロジェクト」も動いている
  7. 進学実績と卒業後の進路|探究の先に、自分で進路を選ぶ
    1. 中学生のうちから「自分の進路」を説明する
    2. 高校では「好き」と進路が具体的につながっていく
    3. 総合型選抜・学校推薦型選抜とも相性のよい6年間
    4. 大学合格実績は、かなり分野が広い
    5. 美術や食も、大学進学につながる学びになる
    6. 大学・短大・専門学校とつながる高大専連携
    7. 指定校推薦という選択肢もある
    8. 「どの大学に入るか」の前に、「なぜそこへ行くか」を考える
  8. 学費や諸経費について|探究・ICT・校外活動まで含めて考える6年間
    1. 入学時に必要な費用
    2. 毎月の納入金は中1で9万5,600円
    3. 旅行とICTが学費の中に見えている
    4. 中学校3年間では約371万円が一つの目安
    5. 高校まで進むなら、6年間の教育費として考える
  9. 入試情報と合格の目安|学力だけでは測らない、新渡戸文化の入試
    1. 2027年度は2月1日から4日まで6つの入試
    2. 教科選択型入試|得意な2教科で受けられる
    3. 2科入試|国語・算数と面接で受験する
    4. グループワーク入試|正解より、他者とどう考えるかを見る
    5. マイ探究入試|「好きなこと」を語るだけでは終わらない
    6. どの入試でも小学校からの報告書を提出する
    7. 偏差値は「どの模試の数字か」を必ず見る
    8. 入試方式を「逃げ道」ではなく、自分を出せる入口として選ぶ
  10. 併願校パターン|探究型・共学校を軸に受験日程を組む
    1. まず、「チャレンジ・標準・安全」は本人を基準に考える
    2. 文化学園大学杉並|英語や海外に関心があるなら有力なチャレンジ候補
    3. 八雲学園|英語・海外体験と探究をもう一段高い難度で狙う
    4. 明星学園|「自分で考える授業」という軸で比較したい
    5. 東京立正|近いエリアで、入試方式にも共通点がある
    6. 新渡戸文化第一志望なら、複数回受験をどう使うか
    7. たとえば、こんな受験日程が考えられる
    8. 最後に残す学校こそ、実際に見に行っておく
  11. 在校生・保護者の声|「やってみたい」と言える学校の日常
    1. 「自分のことを話す」ことが日常になる
    2. 先生は「先回りして全部やる人」ではない
    3. ルールまで「自分たちで考える」
    4. 友人関係は、クラスの外にも広がる
    5. 口コミは、かなり評価が分かれている
    6. 「自由」が合うかどうかは、学校を歩くと見えやすい
  12. この学校に向いている子の特徴|まだ答えがなくても、自分で動いてみたい子へ
    1. 「好き」がまだ小さくても、そこから掘ってみたい子
    2. 答えを教わる前に、一度自分で考えてみたい子
    3. 一人で考えるだけでなく、人と話して考えを変えられる子
    4. 学校の外に出ることを面白がれる子
    5. 失敗を「向いていなかった」で終わらせたくない子
    6. 「大学名」より先に、自分の進みたい方向を探したい子
    7. 相性を見るなら、「自由な学校か」より「自由をどう使う学校か」
  13. まとめ|「好き」を自分だけのものにしない6年間
    1. 教室の外までが、学校になる
    2. 自由には、「自分で決める」がついてくる
    3. 「何になりたい?」の前に、「何をやってみたい?」

学校の概要|「何を学ぶか」より「何をしたいか」から始まる学校

新渡戸文化中学校は、東京都中野区本町にある私立の共学校です。中学校は2014年、高等学校は2017年に共学化しました。中高6年間を見通した教育を行っていますが、高校からの募集もあるため、高校入学生が加わる中高一貫校です。

学校名新渡戸文化中学校
所在地東京都中野区本町6-38-1
設置区分私立・共学
学校形態中高一貫校(高校募集あり)
設置者学校法人新渡戸文化学園
建学の精神「真理はあなたがたを自由にする」
教育の最上位目標自分と社会の幸せを創り出す「Happiness Creator」の育成

新渡戸稲造の名前を掲げる学校

学園の始まりは1927年。東京都文京区本郷に「女子文化高等学院」が創立され、翌1928年には女子経済専門学校となり、新渡戸稲造が初代校長に就任しました。中学校の開設は戦後の1947年です。

その後は長く「東京文化」の名を使っていましたが、2008年に法人名を学校法人新渡戸文化学園へ変更し、2010年には中学校・高等学校を含む各設置校が「新渡戸文化」を冠する現在の名称になりました。2027年には学園創立100周年を迎えます。

建学の精神は「真理はあなたがたを自由にする」。与えられた答えを覚えることだけを教育の終点にせず、自分自身で真理を探し、それによって自由に考え、判断できる人を育てようという考え方です。

現在の目標は「Happiness Creator」

現在の新渡戸文化が掲げているのは、「自分と社会の幸せを創り出すHappiness Creator」の育成です。

ここでいう「幸せ」は、自分が楽しく過ごせればよい、という意味ではありません。学校のカリキュラムには、自分の興味から問いを見つけ、他者と関わり、地域や企業、大学など学校の外へ出て考える機会が組み込まれています。中学校が目指す生徒像として掲げている言葉も「自走する生徒」です。

その中心にあるのが、Core Learning、Cross Curriculum、Challenge Based Learningからなる「3C Curriculum」です。教科の基礎を学び、自分の関心から探究し、さらに社会の中で実際に行動してみる。新渡戸文化を理解するには、この三つを別々の教育プログラムとして見るより、一続きの学びとして捉えた方が分かりやすくなります。

「好き」が学びの入口になる

中学受験では、「入学したら何を勉強するのか」を考えるのが普通です。新渡戸文化では、そこにもう一つ、「自分は何をやってみたいのか」という問いが加わります。

もちろん、好きなことだけをして6年間を過ごす学校ではありません。国語や数学、英語などの教科学習があり、その知識を使って自分の問いを深めます。Cross Curriculumでは、「好きなこと」や「自分の関心」から探究を始め、そこから教科や学校の境界を越えていきます。

12歳の段階で、将来やりたいことが決まっている子はむしろ少数でしょう。新渡戸文化が求めているのは、立派な夢を持って入学することではなく、気になったものに近づき、自分で試してみることです。

「好き」を見つける。そして、それを自分の中だけで終わらせず、誰かや社会につないでみる。新渡戸文化の6年間は、そこから始まります。

アクセスと立地環境|東高円寺駅から徒歩5分、街とつながる中野のキャンパス

新渡戸文化中学校のキャンパスは、東京都中野区本町6丁目にあります。最寄りは東京メトロ丸ノ内線の東高円寺駅で、学校まで徒歩5分。JR中央線・総武線や東京メトロ東西線を利用する場合は、中野駅南口から徒歩15分です。

交通機関最寄り駅・バス停学校まで
東京メトロ丸ノ内線東高円寺駅徒歩5分
JR中央線・東京メトロ東西線中野駅南口徒歩15分
京王バス杉山公園・鍋屋横町徒歩7分

東高円寺駅から徒歩5分

普段の通学で中心になるのは、丸ノ内線の東高円寺駅です。駅から徒歩5分なら、登校時だけを見ると小さな差に思えるかもしれません。しかし、中高6年間、雨の日も部活動やプロジェクトで帰りが遅くなった日も同じ道を歩くと考えると、駅からの近さは日々の生活にそのまま効いてきます。

丸ノ内線を利用できるため、沿線から通う家庭にとっては経路を組み立てやすく、JR中央線や東京メトロ東西線を利用する場合には中野駅から歩く選択肢もあります。家庭の最寄り路線によって、東高円寺と中野を使い分けられる立地です。

バスを組み合わせる通学もできる

中野駅方面からはバスも利用できます。京王バスの「杉山公園」「鍋屋横町」からは徒歩7分。中野駅と渋谷・新宿・笹塚方面を結ぶ系統が案内されており、鉄道だけに通学経路を限定する必要はありません。

中学受験の学校選びでは「自宅から学校まで何分か」に目が向きやすいのですが、乗り換え回数や駅から学校までの徒歩時間も毎日の負担を左右します。説明会へ行くときには、休日の所要時間だけでなく、実際の登校時間帯を想定して一度歩いてみると学校生活をイメージしやすくなります。

9時登校という一日の始まり方

新渡戸文化中学校は9時までに登校する時間設定です。1時間目は9時30分から始まり、登校後には対話やワークなどの朝活動が行われることもあります。

中学生になると、小学校時代より通学距離が長くなる家庭も少なくありません。朝の30分は、6年間で考えるとなかなか大きいものです。もちろん通学時間は住んでいる場所によって異なりますが、「駅から徒歩5分」と「9時登校」が重なることで、朝の時間には比較的余裕を持たせやすい学校生活になっています。

学校の外へ出る教育と相性のよい立地

新渡戸文化では、教室の中だけで完結しない探究活動が多く、地域や企業、大学などと関わる機会があります。放課後にも部活動、生徒会、プロジェクト活動などが動いています。

学校は学ぶために毎朝向かう場所ですが、新渡戸文化の場合は、そこから外へ出ていくための拠点でもあります。都内の交通網を利用しやすい中野にキャンパスがあることは、「好き」を社会につなげていくこの学校の学びとも、よく噛み合っています。

教育方針とカリキュラム|「好き」を社会につなげる3C Curriculum

新渡戸文化中学校の教育を理解する鍵が、Core Learning、Cross Curriculum、Challenge Based Learningからなる「3C Curriculum」です。

三つは別々の特別授業ではありません。教科で知識や考え方を身につけ、自分の興味から問いを立て、必要なら教科の境界を越え、最後は学校の外にいる人や社会へつないでいく。新渡戸文化では、この流れそのものを中学校の学びとして設計しています。

Core Learning|教科の勉強も「全員同じ」から少し離れる

3Cの最初に置かれているCore Learningは、国語、数学、英語などの教科学習です。

ただし、一斉授業で全員が同じ方法・同じペースで進むことだけを前提にはしていません。iPadなどのICTを使いながら、一人で取り組む時間、小グループで考える時間、教員との対話や体験を組み合わせ、理解度や興味に応じて学び方を変えていきます。

探究学習を重視する学校を見ると、「基礎学力はどうするのだろう」と気になる家庭もあるでしょう。新渡戸文化では、教科学習を探究と切り離すのではなく、自分の問いを深めるために使える道具を増やす時間として位置づけています。

たとえば地域について調べるなら、社会科の知識だけでは足りないことがあります。データを比較するには数学が必要ですし、相手に伝えるには国語が必要です。海外の事例まで広げれば英語も出てきます。「何のためにこの教科を勉強するのか」が、探究の途中で後から見えてくることもあります。

Cross Curriculum|毎週水曜日は、時間割の境界も越える

新渡戸文化を象徴するのがCross Curriculumです。中学校では毎週水曜日の一日を使って、自分の興味や関心を掘り下げる探究に取り組みます。

特徴は、教科横断という言葉を「複数教科の内容を一度に扱う授業」だけで終わらせていないことです。複数の教員が関わる「ラボ」で、生徒は自分の関心からテーマを選び、学校や地域、社会へ視野を広げながらプロジェクトを進めていきます。

学校の外へ出る活動もあります。2026年度にも、行政機関を訪ねて地域について考える活動や、大学・専門家とつながるラボなどが実施されています。

普通の時間割なら、水曜日にも数学、英語、理科……と教科が並びます。それを丸一日空けるということは、年間で考えればかなりの時間です。新渡戸文化が探究を「行事の空いた時間に行う活動」ではなく、学校教育の中心に置いていることがよく分かります。

「好き」はゴールではなく、問いをつくる入口

Cross Curriculumでは、「自分の好きなこと」が探究の出発点になります。

ただ、「私はこれが好きです」と発表して終わるわけではありません。なぜ好きなのか。その世界では何が起きているのか。誰が関わっているのか。困っていることはないか。自分なら何ができるのか。興味の対象を眺めるだけだった段階から、少しずつ問いをつくっていきます。

これは、まだ将来の夢が決まっていない中学生にも取り組みやすい考え方です。

12歳で「将来はこの職業に就く」と決める必要はありません。「ゲームが好き」「動物が好き」「料理が好き」「電車が好き」でも構わない。その好きなものを調べ、誰かと話し、ときには学校の外まで見に行く。その過程で、最初とは違う興味が見つかることもあります。

Challenge Based Learning|考えたことを社会で試してみる

Cross Curriculumをさらに社会へ広げたものがChallenge Based Learningです。

企業や外部団体などと連携し、実際に存在する社会課題をテーマに、生徒がアイデアを考え、行動し、社会へ提案していきます。ここまで来ると、探究は「調べ学習」からかなり遠いところまで進みます。

教室の中なら、多少うまくいかなくても先生が調整してくれます。しかし実社会では、自分の提案が相手に伝わらなかったり、予想した通りに物事が進まなかったりします。

新渡戸文化では、その「やってみたら思った通りにならなかった」という経験も学びに含めています。考える、試す、振り返る、また考える。社会に出てから使う力を、中学生のうちから小さく練習していくわけです。

中間・期末考査とは少し違う学期のサイクル

テストの考え方にも、新渡戸文化の教育方針が表れています。

各学期は、「なぜ学ぶのか」を考えるエンゲージ週間から始まります。その後、学期中には現在の学力を確認する「実力テスト」を行い、学期末には学んだことを表現する「アウトプット型テスト」を実施します。

段階内容
エンゲージ週間学ぶ目的を考え、「やりたいこと」を具体化する
実力テスト学力の現在地を把握し、次の学習につなげる
アウトプット型テスト学んだ内容を使い、自分の言葉や方法で成果を表現する

一般的な中間・期末考査で点数を取ることだけを学期のゴールにせず、「問いを持つ→学ぶ→現在地を知る→表現する」という循環をつくっています。

もちろん、大学受験まで考えれば知識を正確に身につけ、時間内に問題を解く力も必要です。そのため実力テストも置かれています。探究か教科学習かの二者択一ではなく、知識を身につけることと、その知識を何かに使うことを往復するのが新渡戸文化のカリキュラムです。

2027年度からは、さらに「余白」を増やす

2027年の学園創立100周年に合わせ、中学校の教育課程も次の段階へ進む予定です。

2027年度からは「総合的な学習の時間」をさらに増やし、生徒自身の「やりたい」を形にする時間を広げる教育課程への刷新が計画されています。学校がこの時間を表すために使っている言葉が「余白」です。

ここでいう余白は、何もしない時間という意味ではありません。大人が「この時間には全員これをしなさい」と先回りして埋めず、生徒自身が問いを持ち、自分で時間の使い方を考えられる余地です。

決められた課題を順番にこなす方が得意な子にとっては、最初は戸惑うかもしれません。反対に、「これを調べてみたい」「こんなものを作ってみたい」と思ったとき、自分から動ける子には使い道の多い時間になります。

新渡戸文化で繰り返される「すべての主語を生徒にする」という言葉は、かなり文字通りです。先生が何を教えてくれるかを待つだけではなく、自分は何を知りたいのか、何を試すのか、次にどうするのかを生徒自身が考える。その練習を、中学校の授業そのものに組み込んでいます。

学習環境と施設設備|全面芝とVIVISTOP、つくって試せる学校空間

新渡戸文化中学校の施設を見ると、この学校が「座って話を聞くこと」だけを学びと考えていないことがよく分かります。

机を動かして話し合う教室、ものづくりができるVIVISTOP、プレゼンテーションに使うNITOBEシアター、短期大学と共用する実験室。自分で考えたものを、つくる、試す、人に見せるための場所が校内に点在しています。

主な施設使われ方・特徴
VIVISTOP NITOBEものづくりやクリエーションに使われる空間
NITOBEシアター大型スクリーンを備え、プレゼン、映像鑑賞、ダンス、ライブなどに使用
NITOBEハピネスホール用途に合わせてレイアウトを変えられる学習空間
LABORATORY短期大学と共用する実験室
グラウンド学園で共有する全面芝のグラウンド
体育館冷暖房を備えた大体育館・小体育館
第2カフェテリア・PCラウンジ放課後の自習や個人作業にも利用
ライブラリーラウンジ読書や落ち着いて過ごすためのスペース

机を動かすところから授業が始まる

普段使う教室には、動かしやすい机が置かれています。グループワークやプロジェクトに応じて、生徒同士が向き合ったり、複数のグループをつくったりできる設計です。

スクリーンやモニターも設置され、授業では一人1台のiPadを使用します。iPadは入学時に学校指定のものを購入し、学校側で設定・管理する方式です。

ICT環境というと、端末の台数やWi-Fiの有無が話題になりがちです。しかし新渡戸文化の場合、それ以上に重要なのは「調べる、つくる、共有する」という授業の動きに合わせて教室自体が変えられることでしょう。

VIVISTOP NITOBE|思いついたものを形にする

施設の中でも、新渡戸文化らしさがよく表れているのがVIVISTOP NITOBEです。学校内につくられたクリエイティブスペースで、放課後や授業などで、ものづくりやプロジェクトに使われています。

探究では、「こうなったら面白そうだ」と考えるところまでは比較的簡単です。難しいのは、その次です。実際につくろうとすると、材料が足りない、思った形にならない、人に使ってもらうと予想外の反応が返ってくる。そこで初めて、アイデアは現実とぶつかります。

新渡戸文化には、その失敗まで含めて試せる場所があります。3C Curriculumで重視される「行動する学び」と、施設のつくりがつながっている部分です。

NITOBEシアター|つくったものを、人に伝える

2020年に完成したNITOBEシアターには、壁一面の大型スクリーンが設けられています。プレゼンテーションや映像鑑賞に加え、ダンスやライブなどにも使用される空間です。

自分で調べたり作品をつくったりすることと、それを他者に伝えることは別の力です。新渡戸文化では探究成果を発表する機会も多いため、「発表するための場所」が常設されていることには意味があります。

話す内容を考え、資料をつくり、人前に立つ。最初は数分の発表でも、中高6年間で何度も経験すれば、人に伝えることへの距離感はかなり変わってきます。

短期大学と共用するLABORATORY

理系の学びでは、学園内の短期大学と共用するLABORATORYがあります。PCRから遺伝子組み換えまで、高度な実験に対応できる機材を備えた実験室です。

同じ学園内に短期大学があるため、中高だけで完結しない施設を使えるのも新渡戸文化の特徴です。中学生が日常的にすべての高度な機材を扱うという意味ではありませんが、「もっと調べたい」と思ったとき、その先に専門的な設備や人がいる環境は探究との相性がよいでしょう。

校舎の外には全面芝のグラウンド

校舎の外には、学園で共有する全面芝のグラウンドがあります。体育の授業や学校生活の中で使われるほか、転倒した際の負担が比較的小さい芝の環境になっています。

体育館は大体育館と小体育館があり、いずれも冷暖房を備えています。体育の授業に加え、学校行事や発表の場としても使われます。

都心の学校では、校地の使い方そのものが学校生活を左右します。東高円寺駅から徒歩5分の立地でありながら、校内に芝のグラウンドと複数の活動空間を持っているのは、新渡戸文化のキャンパスを実際に歩くと印象に残る部分でしょう。

放課後に「居場所」を選べる

学校生活は授業が終われば終わり、というわけではありません。新渡戸文化では、放課後を自分の学びを深める時間として位置づけています。

第2カフェテリアは放課後の自習にも使われ、その横には短期大学生も利用するPCラウンジがあります。静かに本を読みたいときには、図書館に隣接するライブラリーラウンジもあります。

友達とプロジェクトを進める日もあれば、一人で課題に集中したい日もある。学校にいられる時間が長くなる中高生にとって、目的や気分に応じて過ごす場所を変えられることは案外重要です。

相談するための場所も用意されている

学園内にはカウンセリングルームがあり、臨床心理士・公認心理師の資格を持つスクールカウンセラーに相談できます。生徒本人だけでなく、保護者からの相談にも対応しています。

中学生の6年間には、勉強や友人関係、家庭、進路など、本人だけでは整理しにくい時期もあります。担任や養護教諭に加えて、専門職につながれる場所が校内にあることも学校生活を支える仕組みの一つです。

新渡戸文化の施設は、豪華さを見せるために並んでいるというより、「考える」「つくる」「伝える」「一人で集中する」「誰かに相談する」といった、生徒のさまざまな動きに合わせて場所が用意されています。探究を掲げる学校だからこそ、校舎そのものにも「やってみるための余地」があります。

学校生活と行事|行事も旅も、受け身で参加するだけでは終わらない

新渡戸文化中学校の学校生活では、行事も探究の延長線上にあります。文化祭や体育祭のような定番行事はもちろんありますが、生徒が企画や運営に関わったり、旅先で自分の問いを深めたり、1年間の探究成果を外部へ発表したりする機会が多く設けられています。

「行事の日だけ特別なことをする」というより、普段の授業で取り組んできたことが行事に流れ込み、行事で得た経験が再び次の学びへ戻っていく学校です。

新渡戸祭|「学びの成果」を学校の外へ開く文化祭

秋の文化祭が「新渡戸祭」です。2026年度は10月10日・11日の2日間に開催予定となっています。

新渡戸祭では、クラスや学年の企画に加え、中学校のラボ活動、部活動、プロジェクトなど、普段の学校生活で取り組んできたものが発表につながります。

文化祭というと、模擬店やお化け屋敷のような企画を思い浮かべるかもしれません。もちろん来場者に楽しんでもらう要素もありますが、新渡戸文化では、そこに「自分たちは普段何を考え、何をつくっているのかを人に見せる」という役割が重なります。

探究は、自分の中で考えているだけではなかなか完成しません。知らない人から質問されると、説明できない部分や考えが足りなかったところが見えてきます。文化祭が発表の場になることで、普段の学びに自然と「誰かに伝える」という出口が生まれています。

体育祭|中高生が一緒につくる一日

体育祭は中高合同で実施されます。2026年度は6月4日、立川市のアリーナ立川立飛を会場に開催されました。

競技に参加することだけが生徒の役割ではなく、運営にも生徒が関わります。中学生から高校生までが同じ行事をつくるため、学年を越えて動く機会にもなっています。

中高一貫校で高校生と日常的に顔を合わせることには、少し独特の意味があります。12歳から見た17歳は、かなり大人です。行事の運営で上級生が動く姿を間近で見ることは、「数年後には自分もこの側に回る」という感覚につながります。

ワクワクDAY|3学年を混ぜて遊ぶ

中学校には、3学年合同の「ワクワクDAY」もあります。2026年度は、学年混合のグループでよみうりランドを訪れ、各グループが考えたミッションに取り組みながら一日を過ごしました。

ここでは探究成果を発表するわけでも、テストの点数を競うわけでもありません。中1から中3までを混ぜて「一緒に遊ぶ」ことそのものが中心です。

少人数の中学校では、人間関係が同じクラスだけに閉じると窮屈になることもあります。学年を越えて顔見知りが増える行事があることで、学校の中に縦のつながりもつくられていきます。

スタディツアー|修学旅行にも「自分の問い」を持っていく

新渡戸文化では、一般的な修学旅行にあたる活動を「スタディツアー」と呼んでいます。中学校では3年間で3回実施され、生徒自身がテーマを持ち、旅先の人々や暮らしと関わりながら学びます。

観光名所を順番に巡ることが中心ではありません。地域で暮らす人と話し、仕事や産業に触れ、そこで自分が何を感じたのかを考えます。

たとえば2025年度には、徳島や山形を訪れるスタディツアーが行われました。徳島では農家に分かれて農作業や地域での活動を体験し、山形では出羽三山での山伏体験や地域の人々との交流などが組み込まれています。

教室で地域課題について調べれば、人口や産業のデータは手に入ります。しかし、その土地の寒さや匂い、人の話し方までは画面から伝わってきません。新渡戸文化が旅を学びに組み込む理由は、そうした「行かなければ分からないもの」に出会うところにあります。

中2から参加できるフィリピン・スタディツアー

希望者向けには海外での学びもあります。フィリピン・スタディツアーは中学2年生から参加可能で、現地で社会課題を考えるプログラムとして実施されています。

英語を使う機会はありますが、語学研修だけを目的とした旅行ではありません。事前に自分の問いを設定し、現地の人々との対話やフィールドワークを通して考えを深めます。

海外研修というと「英語が得意な子のためのもの」に見えがちですが、新渡戸文化では、むしろ普段の探究を日本の外へ持ち出す機会として位置づけられています。

スタディフェスタ|1年間の探究を人前に出す

年度の終盤には「スタディフェスタ」があります。2027年は2月28日に開催予定です。

ここでは、生徒が1年間取り組んできた探究について、ポスター、プレゼンテーション、展示などさまざまな方法で発表します。発表相手は先生や同級生だけではなく、保護者や地域の人など学校の外にも広がります。

発表で面白いのは、完成した成果物そのものより、質問された瞬間です。

「どうしてそう考えたの?」「ほかの方法はないの?」と聞かれて初めて、自分の考えをもう一度組み立て直すことがあります。Cross Curriculumで始めた「好き」や問いが、一年間をかけて誰かとの対話にまで届く。スタディフェスタは、その節目になる行事です。

3ks day|卒業する中3へ、後輩が「ありがとう」をつくる

中学校生活の最後には、少し変わった名前の行事があります。「3ks day(サンクスデイ)」です。

「3年生」の3を「thanks」に重ねた、中3生を送る会です。2026年3月にも実施され、後輩たちが数か月前から企画と準備を進め、装飾やプレゼント、クイズなどを考えて卒業を控えた3年生を送りました。

学校行事というと、先生が用意したプログラムに生徒が参加する形もあります。新渡戸文化では、「誰を喜ばせたいか」「何をやったら面白いか」というところから、生徒側に考える余地を残している行事が目立ちます。

探究とは、必ずしも社会課題について難しい研究をすることではありません。文化祭をつくることも、旅先で誰かに会うことも、先輩を送る一日を考えることも、「自分で考えて動く」という点では同じです。新渡戸文化では、その練習が学校生活のあちこちに置かれています。

クラブ活動|放課後にも「やってみたい」を広げる

新渡戸文化中学校の放課後は、部活動だけで一色になるわけではありません。部活動、生徒会、探究から派生したプロジェクトなど、それぞれが自分の関心に合わせて時間を使います。

中学校で案内されている部活動は、運動系が剣道部、卓球部、ダンス部、バスケットボール部、文化系が美術部、軽音楽部の6つです。数だけを見れば、大規模校のように何十もの部から選ぶ学校ではありません。一方で、全国・関東レベルを目指す競技から、作品制作、音楽、さらに部活動の枠に収まらないプロジェクトまで、放課後の使い方にはかなり幅があります。

部活動主な活動日特徴
剣道部月・火・木・金・土中高合同で稽古。大会出場も多い
卓球部月・火・水・金・土関東・全国大会への出場実績を持つ競技部
ダンス部月・水・木中高合同。プロダンサーによるレッスンも実施
バスケットボール部火・木・土を中心に活動大会や練習試合にも参加
美術部月・金絵画、粘土、漫画、アニメーションなど幅広く制作
軽音楽部バンドごとに活動日を調整中2から参加。校内外のライブや企画運営にも取り組む

活動日数にはかなり差があります。競技として本格的に取り組む部もあれば、週2日を基本とする美術部のような部もあります。部活動を学校選びの中心に置く家庭なら、「入りたい部があるか」に加えて、活動日数や終了時刻、大会の頻度まで見ておきたいところです。

卓球部|全国大会経験を持つ競技部

中学卓球部は、新渡戸文化の中でも大会実績が目立つ部です。2021年に全国中学校卓球大会へ初出場し、その後も関東大会・全国大会への出場を重ねてきました。

2026年7月の東京都中学校卓球選手権大会では、団体戦で東京都第3位となり、関東大会への出場権を獲得しています。個人戦でも3年生と2年生がベスト32に進みました。

指導には、プロ選手や大学リーグの選手を指導してきた監督が携わっています。一方、部員は経験者だけに限定されておらず、学校では初心者から経験者まで参加する部として案内されています。

「探究型の学校」という印象が先に立ちますが、卓球のように勝負の世界で結果を求める活動も、同じ学校の放課後にあります。

剣道部|中学生と高校生が一緒に稽古する

剣道部も中高合同です。中学1年生から高校生までが同じ場で稽古し、上級生から下級生へ技術を伝える関係がつくられています。

大会にも積極的に参加しており、2026年6月には中野・練馬・杉並を対象とする第3ブロック春季剣道錬成大会の女子団体で優勝。2019年夏以降、同ブロックの春・夏・秋の大会を通じて21大会連続優勝となりました。5月には福岡で開かれた全国規模の錬成大会でも3位に入っています。

平日の稽古に加えて、土曜日や日曜日に大会・錬成会が入ることもあります。本格的に競技へ取り組みたい場合には、通学時間や学習との組み合わせまで含めて学校生活を考える必要があります。

ダンス、バスケットボール|中学から始める選択肢もある

ダンス部は中高合同で、プロダンサーによるレッスンを受けながら活動します。初心者の参加も想定されており、振り付けを覚えることに加えて、複数人で一つの作品をつくることを重視しています。

バスケットボール部は火・木・土を中心に活動し、大会や練習試合がある場合は日曜日にも活動します。個人競技とは違い、仲間と声を掛け合いながらプレーする時間が放課後の日常になります。

美術部と軽音楽部|「つくる」放課後

美術部では、絵を描くことに限定せず、粘土、漫画、アニメーションなど、生徒が取り組みたい制作を選べます。より本格的につくりたい場合には、教員から専門的な指導を受けることもできます。

軽音楽部は中学2年生から参加し、高校生とともに活動します。バンド練習や校内ライブ、文化祭、他校との合同ライブなどに参加するほか、自分たちでイベントを考え、企画書をつくり、実施に向けて交渉することも活動の一部です。

ライブで演奏するまでには、曲を決めるだけでは足りません。メンバーの日程を合わせ、練習し、機材を準備し、人を集める必要があります。新渡戸文化らしいのは、こうした裏側の仕事も生徒自身の活動として扱っているところです。

部活動に入らない「プロジェクト」も動いている

新渡戸文化の放課後を考えるとき、部活動だけを見ていると少し学校像を取りこぼします。

生徒の興味から始まったプロジェクト活動もあり、中高生が企業と共同して取り組む「Ping-pong Block Project」や、生徒が科学実験を企画して外部施設で実験教室を開く活動、他校の高校生とオンラインで哲学対話を行う活動などが実際に動いています。

2026年には、中学受験生向けに生徒自身が活動を紹介する「プロジェクト体験会」も開かれました。そこでは実験教室やDCプロジェクトなど、現在動いている生徒主体の活動を小学生が一緒に体験しています。

部活動には、入部すれば先輩と顧問がいて、ある程度決まった活動があります。プロジェクトは少し違います。「これをやってみたい」が先にあり、そのために仲間や場所、外部の人を探すところから始まることがあります。

新渡戸文化では、放課後にも「用意された選択肢から選ぶ」ことと「自分で選択肢をつくる」ことの両方があります。クラブ数の多さだけでは測りにくい、この学校の放課後の特徴です。

進学実績と卒業後の進路|探究の先に、自分で進路を選ぶ

新渡戸文化中学校では、中学3年間を「大学受験のための前半戦」とだけ考えていません。自分は何に興味があるのか、どんな環境なら力を発揮できるのかを、中高の体験や人との出会いを通して少しずつ言葉にしていきます。

中学校で取り組んできた探究は、高校になると進路選択へ近づいていきます。高校では探究進学コース、美術コース、フードデザインコースがあり、それぞれの興味や将来像に応じて学びを深めます。

中学生のうちから「自分の進路」を説明する

新渡戸文化のキャリア教育で特徴的なのが、プレゼンテーション三者面談です。

一般的な三者面談では、先生が成績や学校生活について説明し、生徒と保護者が聞く時間が多くなります。新渡戸文化では、生徒自身が授業や学校生活を振り返り、自分が何を学んだのか、これからどうなりたいのかを保護者と教員の前でプレゼンテーションします。

中学1年生の段階で、大学や職業まで決まっている必要はありません。「今はこれが面白い」「前はこう考えていたけれど、今は違う」。それを自分の言葉にすることから始めます。

進路指導というと、高校3年生になって志望大学を決める場面を想像しがちです。新渡戸文化では、それよりかなり前から自分について説明する練習が続いています。

高校では「好き」と進路が具体的につながっていく

高校では、中学校で積み重ねた探究やプロジェクト活動を「新渡戸ポートフォリオ」として整理しながら、将来を考えていきます。

高校1〜2年では、自分の興味、得意なこと、やってみたいこと、関心のある社会課題などを振り返ります。高校2〜3年になると、そこから第一志望校を考え、志望理由を文章にしていきます。

たとえば医療に興味を持った生徒なら、教科書を読んで終わるのではなく、短期大学との連携授業や医療現場での体験へ進むことがあります。デザインに関心があるなら作品制作やプロジェクト、美術系大学への進学へつながっていく。中学校で始めた「好き」が、高校になると少しずつ学問や職業の名前を持ちはじめます。

総合型選抜・学校推薦型選抜とも相性のよい6年間

大学入試では一般選抜を基盤としながら、総合型選抜や学校推薦型選抜で進学する生徒も多くいます。

新渡戸文化で日常的に行われている探究、プレゼンテーション、プロジェクト、スタディツアーは、総合型選抜のためだけに用意された活動ではありません。ただ、大学側から「高校時代に何を考え、何をしてきたのか」と問われたとき、話せる経験が6年間の中に蓄積していく構造になっています。

一方、一般選抜を選ぶ生徒にとっては教科学力が必要です。高校では大学訪問、出張授業、キャリアガイダンスなども行い、入試方式を含めて本人に合った進路を考えていきます。

大学合格実績は、かなり分野が広い

学校が掲載している2020〜2024年度の大学合格実績を見ると、進学先の幅が新渡戸文化らしさを表しています。

分野主な合格実績
国公立東京藝術大学、防衛大学校
難関私立・総合大学慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、法政大学、学習院大学、國學院大学など
医療・理系埼玉医科大学医学部、北海道医療大学歯学部、東京農業大学、日本獣医生命科学大学、芝浦工業大学、千葉工業大学など
美術・芸術系多摩美術大学、武蔵野美術大学、女子美術大学、東京造形大学、京都芸術大学、洗足学園音楽大学など
文系・その他成城大学、明治学院大学、日本大学、東洋大学、東京経済大学、産業能率大学、神奈川大学、武蔵野大学など

※2020〜2024年度実績。過年度生を含みます。

学校全体を「難関大学進学に特化した進学校」と見るより、医療、芸術、デザイン、文系、理工系まで生徒の関心に応じて進路が分かれている学校と捉えた方が実態に近いでしょう。

探究進学コースだけを見ると、過去5年間に慶應義塾大学、上智大学、青山学院大学、立教大学、国際基督教大学、埼玉医科大学医学部などへの進学・合格実績があります。

美術や食も、大学進学につながる学びになる

新渡戸文化では、高校段階で美術コースとフードデザインコースを設けています。

美術コースからは多摩美術大学や武蔵野美術大学、女子美術大学、東京造形大学などへの実績があり、作品制作を高校生活の中心に据えながら進学を目指せます。

フードデザインコースでは、料理をつくる技術だけを学ぶわけではありません。食、商品開発、経営、社会との関係まで扱い、その先には大学や専門分野への進学があります。

「中学に入った時点では絵が好きなだけだった」「料理をするのが楽しかった」という興味が、6年間の途中で専門分野へ変わる可能性があります。新渡戸文化の記事で「好き」を繰り返し取り上げてきた理由が、進路まで来ると見えてきます。

大学・短大・専門学校とつながる高大専連携

大学との関係は、受験して合格するだけではありません。新渡戸文化は複数の大学・短期大学・専門学校と教育連携協定を結んでいます。

連携先には、麻布大学、神奈川大学、産業能率大学、女子美術大学、清泉女子大学、洗足学園音楽大学、拓殖大学、東京経済大学、東京工科大学、日本工学院専門学校、新渡戸文化短期大学などがあります。

高校生が大学の授業や施設に触れる機会をつくることで、「大学名を知っている」状態から、「そこで何を勉強するのかを知っている」状態へ進めていきます。

指定校推薦という選択肢もある

指定校推薦も用意されています。主な指定校には、東京農業大学、東洋大学、日本女子大学、玉川大学、杏林大学、東京経済大学、武蔵野大学、女子美術大学、昭和女子大学、清泉女子大学などがあります。

指定校の大学・学部・人数枠は年度によって変わるため、「この大学への推薦があるから」という一点だけで中学校を選ぶのは避けたいところです。ただ、一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜と複数の進路ルートを持てることは、高校3年間の選択肢を広げます。

「どの大学に入るか」の前に、「なぜそこへ行くか」を考える

新渡戸文化の進路教育を見ていると、大学合格実績だけでは説明しきれない部分があります。

中学校で「好き」を見つける。Cross Curriculumでそれを掘り下げる。スタディツアーやプロジェクトで実社会に触れる。高校ではポートフォリオをつくり、自分の経験と進路を結びつける。そして最後に、大学や専門分野を選ぶ。

順番としては、大学名が先ではありません。

「何をやりたいのか。そのために、次はどこで学ぶのか」という順番です。

12歳のときに見つけた「好き」が、そのまま18歳まで続くとは限りません。途中で変わっても構わない。むしろ、いろいろ試した結果として自分の進みたい方向が変わることも、この学校では進路を考える材料になります。

学費や諸経費について|探究・ICT・校外活動まで含めて考える6年間

新渡戸文化中学校の2026年度予定額では、入学金は30万円。これに制服、授業料、教育充実費、旅行積立、ICT費、施設費などが加わります。

中学1年次は、入学時に必要な費用と年間納入金を合わせると約157万2,000円が一つの目安になります。授業料だけを見ると年間54万円ですが、新渡戸文化では旅行積立やiPad購入費なども毎月の納入金に組み込まれているため、学校選びでは総額で見ておいた方が分かりやすいでしょう。

入学時に必要な費用

項目金額
入学金300,000円
制服約120,000円
後援会入会金5,000円
合計約425,000円

制服代12万円は必須購入品の概算で、性別や選択する用品によって多少変わります。

入学金だけで30万円、という学校も多いため、比較するときには制服やICT端末などを別枠にせず、「入学して学校生活を始めるまでにいくら必要か」で見ておくと実際の負担をつかみやすくなります。

毎月の納入金は中1で9万5,600円

月々の納入金は次のようになっています。中学1年次と2・3年次で金額が違うのは、主にICT費の差によるものです。

項目1年2年3年
授業料45,000円45,000円45,000円
教育充実費18,000円18,000円18,000円
教育活動費①(旅行積立)8,000円8,000円8,000円
教育活動費②(ICT)9,000円2,500円2,500円
施設費10,000円10,000円10,000円
後援会費5,000円5,000円5,000円
生徒会費600円600円600円
月額合計95,600円89,100円89,100円
年間合計1,147,200円1,069,200円1,069,200円

教育充実費には一部の教材費・副教材費が含まれています。また、1年次のICT費には学校指定のiPadの購入費が含まれているため、2年次以降は月9,000円から2,500円に下がります。

旅行とICTが学費の中に見えている

新渡戸文化の納入金を見ると、この学校がどこに教育費を使っているのかも少し見えてきます。

旅行積立は毎月8,000円。新渡戸文化ではスタディツアーを中学校の学びに組み込み、旅先で地域の人と出会ったり、自分の問いを深めたりします。旅行費が学費とは別世界のものではなく、毎月の教育活動費としてあらかじめ設定されています。

ICTも同様です。§3で見たCore Learningから日々の授業、探究、発表までiPadを使うため、端末は「持っていると便利な道具」というより、学習環境の一部です。

学費を見るときには総額だけで学校を比べる方法もありますが、その金額の中に何が含まれ、6年間でどのような経験へ変わるのかまで見ておくと、学校ごとの違いが分かりやすくなります。

中学校3年間では約371万円が一つの目安

2026年度予定額をそのまま3年間に当てはめると、入学金・制服・後援会入会金と3年間の年間納入金を合わせて、約371万1,000円となります。

時期金額の目安
入学時のみ約425,000円
中学1年1,147,200円
中学2年1,069,200円
中学3年1,069,200円
中学3年間合計約3,710,600円

これは現在示されている基本的な納入金から計算した金額です。任意参加の活動や部活動、個人で必要になる物品などによって、実際の支出は家庭ごとに変わります。また、学費・納入金は年度によって改定される可能性があります。

高校まで進むなら、6年間の教育費として考える

新渡戸文化を中学から選ぶなら、中学校3年間だけで費用を考えるのではなく、高校まで含めた6年間で家計を組み立てておきたいところです。

高校では探究進学・美術・フードデザインと進路が分かれ、選ぶコースによって活動内容や必要経費も変わります。中学時代にはまだ想像していなかった分野へ進むこともあるでしょう。

12歳から18歳までの6年間では、教育内容だけでなく必要な費用も少しずつ変わります。学校説明会では現在の中学の学費だけを見るのではなく、内部進学後の費用や希望する活動にかかる費用も含めて確認しておくと、6年間の学校生活をより現実的に考えられます。

入試情報と合格の目安|学力だけでは測らない、新渡戸文化の入試

新渡戸文化中学校の入試は、国語・算数を中心とする教科型だけではありません。2027年度は、4教科から得意な2教科を選ぶ「教科選択型入試」、グループで対話する「グループワーク入試」、自分の興味や探究を伝える「マイ探究入試」まで、かなり性格の異なる入試が用意されています。

これは「勉強が苦手でも別の方法なら入れる」という制度ではありません。教科の得点で見る力と、対話や表現を通して見る力を分けていると考えた方が分かりやすいでしょう。

2027年度は2月1日から4日まで6つの入試

試験日入試方式集合時間試験内容募集人数
2月1日(月)午前教科選択型入試8:20国語・算数・理科・社会から2教科を選択+面接35名
2月1日(月)午後2科入試 第1回14:50国語・算数+面接
2月2日(火)午前グループワーク入試8:20グループワーク+作文10名
2月2日(火)午後2科入試 第2回14:50国語・算数+面接
2月3日(水)午後マイ探究入試14:50プレゼンテーション+口頭試問若干名
2月4日(木)午後2科入試 第3回14:50国語・算数+面接若干名

2月1日は午前と午後、2月2日も午前と午後に異なる入試が設定されています。受験回数は入試タイプに応じて一人3回まで。複数の日程を利用しながら受験計画を組むことができます。

募集人数は2月1日の2方式を合わせて35名、2月2日の2方式を合わせて10名。2月3日・4日はそれぞれ若干名です。

教科選択型入試|得意な2教科で受けられる

2月1日午前の教科選択型入試では、国語・算数・理科・社会の4教科から2教科を選択します。

一般的な4科入試では、どうしても苦手教科を含めた総合力が求められます。新渡戸文化では、自分の得意な教科を二つ選んで受験できるため、「算数と理科が得意」「国語と社会なら力を出せる」といった受験生も、自分に合った組み合わせを考えられます。

一方、得意科目を選べるから簡単になるとは限りません。自分が安定して得点できる2教科は何か、過去問や模試を通して見極めておきたい入試です。

2科入試|国語・算数と面接で受験する

もっとも一般的な形が、国語・算数と面接による2科入試です。2027年度は2月1日午後、2月2日午後、2月4日午後の3回が設定されています。

新渡戸文化を志望する場合でも、国語と算数の基礎を固めることは変わりません。探究型の教育に目が向きやすい学校ですが、入学後のCore Learningでも国語・数学などの教科学習は続きます。2科入試は、その土台となる学力を見る入口です。

面接もあるため、学校の教育内容を知った上で、「なぜ新渡戸文化で学びたいのか」を本人の言葉で話せるようにしておきたいところです。

グループワーク入試|正解より、他者とどう考えるかを見る

2月2日午前にはグループワーク入試があります。

グループワークは45分。SDGsに関する新聞記事を読み、記事に関連するテーマについてグループで解決策を話し合い、プロジェクトとして表現します。その後、45分の作文で新聞記事の要約と自分の考えを400字以上800字以内でまとめます。

評価されるのは、大きな声で場を仕切れるかどうかではありません。

  • チームの考えを深めるために建設的な発言や行動ができるか
  • 他者の意見や助言を受け止められるか
  • 周囲と関わりながら成長しようとする姿勢があるか
  • 新渡戸文化の教育理念を理解し、入学後の姿を考えているか

自分の意見を言うことと、人の話を聞くこと。この二つを同時に見られる入試です。

普段のCross Curriculumでも、生徒は一人で答えを完成させるのではなく、仲間や教員、外部の人と対話しながら考えを変えていきます。グループワーク入試は、入学後の学び方をかなり直接的に体験する試験ともいえます。

マイ探究入試|「好きなこと」を語るだけでは終わらない

2月3日午後に行われるのが「マイ探究入試」です。

以前行われていた「好きなこと入試」を発展させたもので、出願時には、自分の好きなことや興味についてどのような取り組みをしてきたのかをまとめた約2分の「マイ探究動画」を提出します。

当日は、その内容について約3分のプレゼンテーションを行い、続いて口頭試問を受けます。

ここで問われるのは、「何が好きか」だけではありません。

  • 自分から探究していこうとしているか
  • 好きなことや興味を、誰かや社会につなげようとしているか
  • 新渡戸文化の教育理念や学び方を理解しているか
  • 入学後に何をやってみたいのか

たとえば電車が好きなら、車種をたくさん覚えていること自体がゴールではありません。「どうしてこの路線はこの場所を通っているのだろう」「高齢者が使いやすい駅とはどんな駅だろう」と問いが広がれば、地理、歴史、福祉、デザインなど別の世界につながっていきます。

「好き」を社会へつなげる。この記事で見てきた新渡戸文化の教育が、そのまま入試になったような方式です。

どの入試でも小学校からの報告書を提出する

2027年度入試では、各方式で小学校からの報告書を提出します。マイ探究入試では、これに加えてマイ探究動画が必要です。

受験料は1回2万円。複数回を同時に出願する場合は2万5,000円となっています。合格発表は試験当日で、午前入試は18時まで、午後入試は21時30分までにWeb上で発表されます。

入試日程が複数あるため、第一志望として複数回受ける場合にも、他校と組み合わせる場合にも日程を組みやすい設定です。

偏差値は「どの模試の数字か」を必ず見る

新渡戸文化の合格可能性を見る際には、偏差値の数字だけを単独で見ない方がよいでしょう。模試によって母集団と尺度が異なるため、同じ学校でも数字がかなり違って見えます。

模試・情報機関2027年度入試の目安
四谷大塚 Aライン80偏差値30(教科選択型・2科入試)
四谷大塚 Cライン50偏差値24(教科選択型・2科入試)
ONETESおおむね40〜43程度(入試方式により異なる)

四谷大塚の2027年度データでは、教科選択型と2科入試のAライン80偏差値はいずれも30です。一方、ONETESでは40〜43程度が示されています。

「30と43では全然違う」と見えますが、これは同じ物差しで測った数字ではありません。偏差値を見るときは、普段受けている模試の中で、自分がその学校の80%ラインに対してどの位置にいるのかを見る必要があります。

また、グループワーク入試やマイ探究入試は、そもそも学力偏差値だけで合否を考えるのが難しい方式です。教科型入試なら過去問で得点力を確認し、探究型の入試なら説明会や体験会も利用して、学校がどのような対話や表現を求めているのかを知っておく方が実際的です。

入試方式を「逃げ道」ではなく、自分を出せる入口として選ぶ

新渡戸文化の入試には、国語・算数で受ける道もあれば、得意教科を選ぶ道、他者と議論する道、自分の探究について話す道もあります。

選択肢が多いと、「どれが一番受かりやすいか」を先に考えたくなります。しかし、この学校の場合は「自分なら、どの入試で一番自分らしく力を出せるか」から考える方が学校の考え方にも合っています。

国語と算数で勝負したいなら2科入試。得意教科がはっきりしているなら教科選択型。人と話しながら考えるのが好きならグループワーク。何年も夢中になっていることや、自分なりに掘り下げてきたテーマがあるならマイ探究入試。

入学試験そのものが、「自分は何が得意で、何をやってみたいのか」を考える最初の機会になっています。

なお、2027年度の募集要項は暫定版として公表されています。出願前には、試験内容や時刻、出願手続きなどの確定内容を確認しておきましょう。

併願校パターン|探究型・共学校を軸に受験日程を組む

新渡戸文化中学校を志望する家庭では、偏差値だけで併願校を並べるより、「自分で考える授業がある」「探究や表現を重視する」「共学校である」といった学校選びの軸を先に決めておくと、併願校を選びやすくなります。

候補になりやすいのは、文化学園大学杉並中学校、八雲学園中学校、明星学園中学校、東京立正中学校などです。ただし、教育内容はそれぞれかなり違います。同じ「探究」という言葉を使っていても、英語教育が中心なのか、教科横断型なのか、生徒主体のプロジェクトが多いのかで6年間の日常は変わります。

まず、「チャレンジ・標準・安全」は本人を基準に考える

併願校を考えるときによく使われるのが、「チャレンジ校」「実力相応校」「安全校」という分け方です。

ただし、これは学校そのものに付いているラベルではありません。たとえば四谷大塚の2027年度Aライン80偏差値では、新渡戸文化の教科選択型・2科入試が30、明星学園が33、八雲学園が37〜40程度、文化学園大学杉並が入試回によって40台となっています。

この数字から、八雲学園や文化学園大学杉並を新渡戸文化より一段上の「チャレンジ候補」として組み込む受験生は考えられます。しかし、偏差値45の受験生と偏差値32の受験生では、同じ学校でも位置づけは変わります。

安全校とは、本人にとって安全な学校です。

一つの目安は、普段受けている模試で80%合格ラインを安定して上回り、さらに過去問でも合格最低点をある程度余裕を持って超えられていることです。「偏差値表で第一志望より数字が低い」というだけでは、安全校とは呼べません。

位置づけ候補例考え方
チャレンジ校候補文化学園大学杉並、八雲学園新渡戸文化より模試上の難度が高め。教育内容にも共通点がある
実力相応校候補新渡戸文化、明星学園、東京立正本人の模試成績や過去問結果を見ながら位置づける
安全校候補上記の学校を含め、80%ラインと過去問で十分な余裕がある学校学校名ではなく本人の成績を基準に決める

文化学園大学杉並|英語や海外に関心があるなら有力なチャレンジ候補

文化学園大学杉並中学校は、杉並区阿佐谷南にある共学校です。新渡戸文化と比較的近いエリアにあり、国際教育や英語教育に力を入れています。

2027年度は、2月1日午前・午後、2月2日午前・午後、2月3日午前、2月4日午前に一般入試を設定。さらに適性検査型や英語特別入試もあります。

日程主な入試
2月1日午前2科・4科 第1回/適性検査型
2月1日午後2科 第2回/英語特別①
2月2日午前2科・4科 第3回
2月2日午後2科 第4回/英語特別②
2月3日午前2科・4科 第5回
2月4日午前2科 第6回

新渡戸文化の午後入試と、文化学園大学杉並の午前入試を組み合わせられる日もあります。英語や海外大学まで視野に入れたい家庭にとっては、教育内容を比較しておきたい一校です。

八雲学園|英語・海外体験と探究をもう一段高い難度で狙う

八雲学園中学校も共学校で、英語教育、海外研修、PBL型の学びなどに力を入れています。四谷大塚の2027年度Aライン80偏差値では37〜40程度で、新渡戸文化から見るとチャレンジ校として組み込まれるケースが考えられます。

2027年度は入試方式も多彩です。

日程入試方式
2月1日午前第1回(2科・4科)
2月1日午後第2回(2科・4科)
2月2日午後特待チャレンジ入試(4科)
2月3日午後得意2科目入試
2月5日午前未来発見入試

得意2科目入試では、国語・算数だけでなく、英語を含む組み合わせも選択できます。新渡戸文化の「自分の得意なものから入口を選ぶ」という入試の考え方と少し重なる部分があります。

明星学園|「自分で考える授業」という軸で比較したい

明星学園中学校は三鷹市井の頭にある共学校です。教員が一方的に知識を渡すことより、生徒自身が考え、議論し、表現する授業を重視しており、新渡戸文化の教育に関心を持つ家庭が比較しやすい学校の一つです。

2027年度入試は、すべて国語・算数の2科と面接で行われます。

入試日程
A入試2月1日午前
B入試2月1日午後
C入試2月2日午後
D入試2月4日午後

新渡戸文化にも2月1日・2日・4日の午後入試があるため、両校を受験する場合はどちらをどの日に置くかを早めに決める必要があります。

新渡戸文化が社会や企業へ学びを広げていく学校だとすれば、明星学園は教科そのものを深く考える授業文化にも特徴があります。同じ「自由」「主体性」という言葉だけでまとめず、実際の授業を見比べると違いが分かりやすくなります。

東京立正|近いエリアで、入試方式にも共通点がある

東京立正中学校は杉並区堀ノ内にあり、新渡戸文化と同じ丸ノ内線沿線から検討しやすい共学校です。

2027年度は2科入試のほか、適性検査型、選択2科目、自己プレゼンテーション、奨学生入試を実施します。自己プレゼンテーション入試では、作文と自己PRプレゼンテーション、面接によって評価されます。

日程主な入試
2月1日午前2科/適性検査型奨学生
2月1日午後自己プレゼンテーション
2月2日午前選択2科目
2月2日午後奨学生
2月4日午前奨学生
2月4日午後自己プレゼンテーション

新渡戸文化のマイ探究入試に興味を持つ受験生なら、東京立正の自己プレゼンテーション入試も検討対象になります。ただし、同じプレゼン型でも評価内容は異なるため、「プレゼンが得意だから同じ」と考えず、それぞれの学校の求める生徒像を確認して準備する必要があります。

新渡戸文化第一志望なら、複数回受験をどう使うか

新渡戸文化には、2月1日から4日まで複数の入口があります。

  • 2月1日午前:教科選択型
  • 2月1日午後:2科 第1回
  • 2月2日午前:グループワーク
  • 2月2日午後:2科 第2回
  • 2月3日午後:マイ探究
  • 2月4日午後:2科 第3回

第一志望なら、複数回受験を前提として日程を考える方法があります。ただし、「空いている回を全部受ける」と決める必要はありません。

国語・算数で安定して得点できるなら2科入試を中心にする。得意教科がはっきりしているなら教科選択型を使う。対話の中で考えることが得意ならグループワーク、自分で長く追いかけてきたテーマがあるならマイ探究。この学校の場合、どの入口が本人の良さを最も出しやすいかまで含めて受験計画をつくれます。

たとえば、こんな受験日程が考えられる

新渡戸文化を第一志望としながら、少し上の学校にも挑戦する場合には、次のような組み方が考えられます。

日程午前午後
2月1日文化学園大学杉並 第1回新渡戸文化 2科第1回
2月2日新渡戸文化 グループワーク新渡戸文化 2科第2回
2月3日文化学園大学杉並 第5回新渡戸文化 マイ探究
2月4日東京立正 奨学生入試新渡戸文化 2科第3回

これはあくまで日程上組める一例です。実際には、初日の合否によって2日目以降の予定を切り替える家庭も多くなります。

また、午前・午後を連日受験すると、小学生にはかなりの負担がかかります。試験会場間の移動、昼食、合格発表の時刻まで含めて、「紙の上では入る」日程と「本人が力を出せる」日程は分けて考えた方がよいでしょう。

最後に残す学校こそ、実際に見に行っておく

安全校を「第一志望が不合格だったときに仕方なく行く学校」と考えると、併願設計は苦しくなります。

併願校は、不合格だったときに行く学校ではありません。合格したら、本当に6年間通うかもしれない学校です。

新渡戸文化の探究や自由度に惹かれているなら、併願校でも授業の進め方、生徒と先生の距離、学校行事、校則、部活動などを見て、「ここでも6年間を過ごせる」と本人が思える学校を残しておきたいところです。

偏差値表は受験校を絞るための道具にはなりますが、最後に通学するのは数字ではなく学校です。説明会や文化祭へ足を運び、本人が校内にいる姿を想像できるか。その確認まで終えて、初めて併願校になります。

在校生・保護者の声|「やってみたい」と言える学校の日常

新渡戸文化中学校の評判を見ていくと、「自由」「自分で考える」「発表する機会が多い」「先生との距離が近い」といった言葉が目立ちます。

ただし、この学校の「自由」は、先生が細かく指示してくれる学校とはかなり性格が違います。何をするかを自分で決める場面が多いからこそ、それを面白いと感じる生徒もいれば、「もっと先生に決めてほしい」「もっと学習を引っ張ってほしい」と感じる生徒もいます。

口コミの評価が分かれやすい理由も、このあたりにありそうです。

「自分のことを話す」ことが日常になる

2025年に行われた学校取材では、Cross Curriculumの活動中、生徒たちが自分から取材者に近づき、それぞれの探究テーマについて説明する様子が紹介されています。

これは§3で見てきた授業構造とも一致します。新渡戸文化では、グループで考えたり、人前で発表したり、自分の活動について質問を受けたりする場面が日常的にあります。

2026年に投稿された在校生の口コミにも、授業ではグループ活動や発表が多く、Cross Curriculumやアウトプット型テストが学校生活の特徴になっているという声があります。

人前で話すのが得意な子だけが入学してくるわけではありません。最初はうまく説明できなくても、何度も「自分はこう考えた」と言葉にする。6年間続けば、プレゼンテーションを特別なイベントとして構えなくなる生徒も出てくるでしょう。

先生は「先回りして全部やる人」ではない

先生との距離についても、新渡戸文化には独特の考え方があります。

学校が説明する「面倒見」は、忘れ物をしないよう先生がすべて管理したり、課題が遅れたらすぐに答えを示したりすることではありません。生徒が困っているときに状態を整理し、自分で次の行動を決められるよう支えることを重視しています。

校内を取材した外部記事でも、生徒が教員のところへ自然に寄って話している場面が複数見られています。少人数という規模もあり、大人と生徒が会話する距離は比較的近い学校です。

ただ、ここは家庭によって評価が分かれそうです。

「間違えないように先生が先に道を示してほしい」という面倒見を求める家庭と、「失敗してもいいから本人に決めさせてほしい」という家庭では、同じ先生の対応を見ても印象が変わります。

新渡戸文化が目指しているのは後者です。

ルールまで「自分たちで考える」

生徒主体という考え方は、探究の授業に限りません。学校生活のルールについても、生徒会が中心となって考える仕組みがあります。

これまでには、生徒・保護者・教員へのアンケートを行い、校則について全校生徒で話し合ったり、生徒会が校則変更のための規約をつくったりする活動も行われてきました。

現在も学校は、「自分たちの学校は自分たちでつくる」「自分たちの生活は自分たちでつくる」という考えを掲げています。

だからといって校則がないわけではありません。たとえば携帯電話は持ち込めますが、校内では原則として電源を切るルールがあります。ポイントは、ルールを「上から与えられたもの」として終わらせず、必要なら生徒自身が議論する余地を持たせていることです。

校則について考えるのも、小さな社会参加です。「嫌だからなくす」だけでは通りません。なぜ変えたいのか、変えたら誰にどんな影響があるのか、ほかの人をどう納得させるのか。Cross Curriculumで行っていることと、案外よく似ています。

友人関係は、クラスの外にも広がる

新渡戸文化では、Cross Curriculumで学年やクラスを越えて活動するほか、中高合同の部活動、体育祭、プロジェクトなど、普段のクラスとは違うメンバーで動く機会があります。

中学校は大規模校ではないため、同じ学年の生徒同士が互いを知りやすい一方、人間関係が近くなりやすい面もあります。そこで、ラボや部活動、学年合同行事など複数の居場所を持てることは、一つのクラスだけに人間関係を固定しないという意味があります。

「クラスではあまり話さないけれど、ラボでは一緒に活動する」「部活では高校生とも話す」。中学生にとって、所属先が一つではないことは案外大切です。

口コミは、かなり評価が分かれている

外部の口コミを見ると、新渡戸文化への評価は一方向ではありません。

最近の在校生からは、Cross Curriculum、文化祭、グループ活動、発表の多さなどを面白いと評価する声があります。その一方で、人間関係、授業の進め方、自由度の高い学校運営などに強い不満を述べる投稿もあります。

特に人間関係については、「大きないじめは見かけない」という投稿と、「いじめがある」とする投稿の両方があります。一件の口コミから学校全体の状況を判断することはできません。

学校側は、いじめについて「ない」と想定するのではなく、「ある」と常に考えて対応するという方針を示しています。中学校ではチーム担任制を取り、面談や生徒アンケート、日常の対話を通じて早期把握を図り、必要に応じてスクールカウンセラーや養護教諭とも連携する体制です。

こうした仕組みがあることと、実際に個々の生徒が学校生活をどう感じるかは別の問題です。人間関係を学校選びで重視する家庭なら、口コミサイトの星の平均を見るより、説明会や文化祭で現在の生徒同士、生徒と先生の話し方を実際に見る方が参考になります。

「自由」が合うかどうかは、学校を歩くと見えやすい

新渡戸文化には、自分の興味を話す生徒、プロジェクトを動かす生徒、発表する生徒がよく登場します。ただ、すべての生徒が入学した瞬間から積極的に動けるわけではありません。

学校自身も、生徒がすぐに何かを始めなくても待つ「余白」を重視しています。何もしない時間があり、ある日何かに火がついて動き始める。その速度まで一律に揃えない考え方です。

この環境を「自分のペースで試せる」と感じるか、「もっと決めてもらった方が安心する」と感じるか。ここはパンフレットを読んでいるだけでは判断しにくいところです。

新渡戸文化を検討するなら、説明会で先生の話を聞くだけでなく、生徒が発表する回、Cross Curriculumを体験できるオープンスクール、新渡戸祭などにも足を運びたいところです。

そのとき本人が、「ここなら何かやってみてもいいかも」と思えるか。

新渡戸文化の評判を考えるうえでは、口コミの点数以上に、その反応が大きな判断材料になります。

この学校に向いている子の特徴|まだ答えがなくても、自分で動いてみたい子へ

新渡戸文化中学校に向いているのは、入学前から将来の夢が決まっている子とは限りません。むしろ、「これが少し気になる」「一度やってみたい」という小さな興味を、自分なりに広げていける子に合いやすい学校です。

Cross Curriculumでは毎週まとまった時間を使って探究し、プロジェクトでは学校の外の人とも関わります。2027年度からは、生徒自身が使い方を考える「余白」をさらに増やす予定です。先生から出された課題を正確にこなす力とは別に、「自分は何をするのか」を考える場面がかなり多い6年間になります。

「好き」がまだ小さくても、そこから掘ってみたい子

「昆虫が好き」「絵を描くのが好き」「ゲームなら何時間でも話せる」「最近、食品ロスが気になっている」。新渡戸文化では、こうした興味が学びの入口になります。

大切なのは、最初から立派な研究テーマを持っていることではありません。

好きなものについて調べるうちに、「なぜこうなるのだろう」と疑問が生まれる。誰かに話したら、自分とは違う見方が返ってくる。もっと知りたくなって外へ出る。新渡戸文化の探究は、そうやって動き始めます。

「好きなことはある。でも、それが将来何になるのかはまだ分からない」という子にも使いやすい環境です。12歳なら、それくらいの状態の方が自然でしょう。

答えを教わる前に、一度自分で考えてみたい子

新渡戸文化では、授業でもプロジェクトでも「正解を先生から受け取る」だけでは終わりません。自分で問いをつくり、仲間と話し、試した結果を振り返る機会があります。

そのため、すぐに正解が分からない状態を少し楽しめる子とは相性があります。

反対に、「何ページから何ページまでやればよいか」「次に何をすればよいか」を常に細かく指示してもらう方が安心する子は、最初は戸惑うかもしれません。

ただし、入学時点ですでに自立している必要はありません。新渡戸文化が育てようとしているのは「自走する生徒」です。最初は先生に相談しながらでも、6年間で少しずつ自分で決められるようになりたいという子なら、この学校の教育を成長のために使えます。

一人で考えるだけでなく、人と話して考えを変えられる子

新渡戸文化では、グループワーク、プレゼンテーション、ラボ活動、スタディツアーなど、人と関わりながら進める学びが多くあります。

ここで必要なのは、いつも積極的に発言できることではありません。

むしろ、「自分はこう思っていたけれど、その考え方もあるのか」と他人の意見を受け取れることの方が重要です。探究は、自分の最初の考えを守り抜く競技ではありません。人と出会った結果、問いそのものが変わることもあります。

人前で話すのが苦手な子でも、少人数の発表や日常の対話から経験を重ねていくことはできます。話すのが得意かどうかより、人と関わりながら考えることを避けたくないかを見た方がよいでしょう。

学校の外に出ることを面白がれる子

新渡戸文化では、学校の外へ出ることが特別なイベントではなく、学びの一部になっています。

スタディツアーでは地域の人と出会い、Cross Curriculumでは行政、大学、企業などとつながることがあります。校内で始まったプロジェクトが、外部の人との共同活動に発展することもあります。

教室で教科書を読むだけでなく、「だったら実際に見に行こう」「その人に聞いてみよう」「自分たちで試してみよう」という展開を面白いと思える子には、経験を増やせる学校です。

知らない大人と話すことや、初めての場所へ行くことに最初は緊張しても構いません。「ちょっと怖いけれど、行ってみたい」があれば十分です。

失敗を「向いていなかった」で終わらせたくない子

自分で企画したり、ものをつくったり、誰かに提案したりすれば、当然うまくいかないこともあります。

VIVISTOPでつくったものが思った通りに動かない。グループで意見がまとまらない。発表で質問されて答えられない。計画したプロジェクトが途中で変わる。

新渡戸文化の学びでは、こうした出来事を避けるより、そこから次を考えることが求められます。

完璧に準備してから動きたい子より、「一度やってみて、駄目なら直せばいい」と少しずつ思えるようになりたい子には、学校生活そのものが練習の場になります。

「大学名」より先に、自分の進みたい方向を探したい子

新渡戸文化には大学進学実績も指定校推薦もありますが、中高6年間の進路教育は、最初から特定の大学を目標に全員を同じ方向へ走らせる設計ではありません。

中学校では自分の興味を探り、高校では探究進学・美術・フードデザインなど、それぞれの関心に応じた学びへ進みます。医療、芸術、理工、社会科学など、卒業後の進路も一方向ではありません。

そのため、「この大学へ行くために中学から最短距離を走りたい」という家庭より、6年間で本人が何を学びたいのかを見つけ、その結果として進学先を選びたいという家庭の方が学校の進路観とは合わせやすいでしょう。

相性を見るなら、「自由な学校か」より「自由をどう使う学校か」

新渡戸文化を見て「自由な学校」と感じる人は多いでしょう。ただ、学校選びでは自由度の高さそのものより、その自由を何に使うのかを見る必要があります。

この学校の自由には、問いを考える、時間の使い方を決める、人とつながる、プロジェクトを始める、自分の考えを言葉にする、といった行動が伴います。

何もしなくても好きに過ごせる、という意味の自由とは少し違います。

現在はまだ自分から動くのが得意でなくても、「6年後には、自分でやりたいことを見つけて、自分から一歩動ける人になりたい」と思えるなら、新渡戸文化の教育を使う理由があります。

学校説明会やオープンスクールを訪れたときには、「この学校は楽しそう?」だけでなく、本人にもう一つ聞いてみてもよいでしょう。

「ここに入ったら、自分で何か始めてみたいと思う?」

その問いへの反応には、新渡戸文化との相性がかなり表れます。

まとめ|「好き」を自分だけのものにしない6年間

新渡戸文化中学校を見てきて最後に残るのは、「探究学習が充実している学校」という言葉より、もう少し具体的な学校像です。

この学校では、生徒が何かに興味を持ったとき、それを「好きなんだね」で終わらせません。

なぜ好きなのか。そこにはどんな人が関わっているのか。社会では何が起きているのか。自分にできることはあるのか。調べ、話し、つくり、外へ出て、ときには失敗しながら考えていきます。

「好き」を、自分の中だけに置いておかない。

それが、新渡戸文化の3C CurriculumやCross Curriculum、プロジェクト活動、スタディツアーを一本につないでいる考え方です。

教室の外までが、学校になる

一般的な学校では、校外へ出るのは遠足や修学旅行など、年間行事の一つであることが多いでしょう。

新渡戸文化では、学校の外にいる人と会うこと、地域へ出ること、企業や大学と活動すること自体が学びに組み込まれています。

毎週水曜日を使うCross Curriculumも、VIVISTOPでのものづくりも、スタディツアーも、その方向を向いています。

教室で覚えた知識が、外へ出た瞬間に別の顔を見せることがあります。数学がデータを読む道具になり、国語が誰かを説得する力になり、英語が海外の人と話すための手段になる。

「この勉強は何に使うの?」という中学生らしい疑問に、学校生活そのものが少しずつ答えていく構造です。

自由には、「自分で決める」がついてくる

一方で、新渡戸文化は、誰にとっても過ごしやすい学校とは限りません。

先生が細かな道筋をすべて決め、生徒はその通りに進めばよい、という学校ではありません。何を調べるのか。どう発表するのか。誰と組むのか。次に何をするのか。本人に委ねられる場面があります。

それを「自由で楽しそう」と感じる子もいれば、「もう少し決めてもらった方が安心する」と感じる子もいるでしょう。

ただ、入学時から自立している必要はありません。

12歳なら、先生に言われなければ動けない日もあります。失敗して落ち込むことも、人前でうまく話せないこともあるでしょう。

新渡戸文化が目指しているのは、そうした子が6年間を終える頃に、「自分はこうしたい」と言って、一歩目を自分で選べるようになることです。

「何になりたい?」の前に、「何をやってみたい?」

中学受験では、大学合格実績や将来の進路まで考えて学校を選ぶのは自然なことです。

新渡戸文化にも大学進学のための学習や進路指導があります。しかし、学校全体を貫いている問いは、「どの大学へ行くか」より少し手前にあります。

「あなたは、何をやってみたい?」

その答えが途中で変わっても構わない。むしろ、いろいろ試した結果として変わることまで含めて、この学校では学びになります。

好きなものから問いをつくり、誰かと考え、社会へ持ち出してみる。その経験を重ねた先で、自分の進路を自分で選ぶ。

新渡戸文化中学校は、完成した夢を持つ12歳を集める学校というより、まだ名前のついていない興味を、6年間かけて外の世界へつないでいく学校です。

学校説明会や新渡戸祭、オープンスクールを訪れる機会があれば、施設や授業を見るだけでなく、生徒が自分の活動について話している様子にも目を向けてみてください。

そして帰り道に、本人へ聞いてみる。

「ここなら、自分の好きなことを使って、何かやってみたい?」

その問いに少しでも話したいことが出てくるなら、新渡戸文化をもう一度見に行く理由は十分にあります。

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