【2026年版】順天堂大学系属理数インター中学校の評判は?独自の探究教育と医学進学コースを備えた共学校を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|「理数インター」から順天堂大学系属校へ
    1. 正式名称は「宝仙学園中学校」
    2. 1928年創立の学園に、2007年に誕生した共学部
    3. 2024年、順天堂大学との系属関係が始まる
    4. 伝統校でありながら、学校そのものが変化を続けている
  2. 学校の概要|「理数インター」から順天堂大学系属校へ
    1. 正式名称は「宝仙学園中学校」
    2. 1928年創立の学園に、2007年に誕生した共学部
    3. 2024年、順天堂大学との系属関係が始まる
    4. 伝統校でありながら、学校そのものが変化を続けている
  3. 教育方針とカリキュラム|答えのない問いに向き合う探究と医学進学コース
    1. 「理数インター」は理系専門教育という意味ではない
    2. 2016年から続く独自教科「理数インター」
    3. 本科は「先取り」より中学内容を深く学ぶ
    4. 医学進学・GL・ALという「取り出し型」のコース
    5. 医学部受験の前に「なぜ医師になるのか」を考える
    6. 英語は週7時間、日本人教員とネイティブ教員が担当
    7. 中1・2は基礎、中3から自分で学ぶ方向へ
  4. 学習環境と施設設備|ICT教室と「宝仙Marché」がある都市型の校舎
    1. 中学生は全員がLTEモデルのiPadを使用
    2. 用途の異なる3つのICT教室
    3. 理科は分野ごとの実験環境を用意
    4. 約3万3,000冊の図書室は放課後18時まで
    5. 中1から利用できる食堂「宝仙Marché」
    6. 体育館と講堂は、行事にも使われる
    7. 2026年度から、生徒が企画に参加した新制服へ
  5. 学校生活と行事|宝仙祭から海外研修まで、生徒が動く学校生活
    1. 週3日は7時間授業。行事と学習が交互に入る一年
    2. 体育祭はクラスの色が前面に出る
    3. 10月の「宝仙祭」は学校を外へ開く2日間
    4. 中1の林間学校は、入学後最初の宿泊行事
    5. 中2は長崎、中3はシンガポール・マレーシアへ
    6. 高校2年ではオーストラリアへ
    7. 「発表する」は授業だけではなく学校行事にも続く
    8. 仏教行事が今も年間予定に残る
  6. クラブ活動|週3日を基本に学習とのバランスを取る
    1. 12の運動部と15の文化部から選ぶ
    2. 活動は週3日が基本
    3. 運動部は校外や鷺ノ宮校舎も使う
    4. 中高合同だから、上級生から学ぶ場面も多い
    5. 文化部にも「自分たちで作る」がある
    6. 自然科学からクイズ、書道まで
  7. 進学実績と卒業後の進路|難関大学進学と順天堂大学への新しい進路
    1. 2026年度は卒業生194名、東京大学は4年連続で現役合格
    2. 早慶上理ICUは現役63名、GMARCHは現役110名
    3. 医学部医学科は16名、うち現役10名
    4. 順天堂大学医学部への「系属校入試枠」は数名
    5. 高3の春は「授業のない3泊4日」から始まる
    6. 学校独自の「実力テスト」で受験勉強の現在地を測る
    7. 高校生は20時まで自習室を利用できる
    8. 進学実績を見るときは「これから変わる学校」であることも忘れない
  8. 学費や諸経費について|通常コースと医学進学コースで考える6年間の教育費
    1. 入学時に必要なのは42万円
    2. 年間の学校納入金は約86万9,000円
    3. 医学進学コースは年間12万円の追加費用
    4. 中3のアジア研修旅行は20万~25万円程度
    5. 高校進学時にも27万円の納付がある
    6. 特待生制度では入学金・授業料の免除もある
    7. 6年間では「学費以外」も含めて見ておく
  9. 入試情報と合格の目安|多彩な入試方式から自分に合う入口を探す
    1. 2027年度は2月1日・2日・4日に複数の入試を実施
    2. 2科・4科入試はオーソドックスな私立中学型
    3. 医学進学入試は「算数+理科」の200点勝負
    4. 新4科特別総合入試は4教科を一つの問題として解く
    5. 公立中高一貫校との併願がしやすい適性検査型
    6. 「理数インター」そのものを入試にしたグループワーク型
    7. 読書、学習歴、意見、全国レベルの活動も入試になる
    8. 英語入試は英検3級~準2級程度の筆記+面接
    9. 2026年度は2月入試だけで延べ855名が受験
    10. 四谷大塚80%偏差値は本科と医学進学で差がある
    11. 一度の受験料で複数回受験できる
  10. 併願校パターン|2月1日午後も含めた受験日程を考える
    1. 理数インターは「どの回を本命にするか」で併願の形が変わる
    2. 本科を基準にした併願校の目安
    3. パターン1|理数インター本科を第一志望にする
    4. パターン2|医学進学コースを第一志望にする
    5. 日本大学第二は2月1日と3日に置ける共学付属校
    6. 東京電機大学中は理数好きなら比較しておきたい
    7. 多摩大学目黒は午後入試を組み込みやすい
    8. 1月校を一つ持つと、2月1日の意味が変わる
    9. 最後は偏差値より「6年間の違い」を比べたい
  11. 在校生・保護者の声|「生徒主体」の自由さと、自分から動くことを求められる校風
    1. 「生徒が動けば、学校も動く」という感覚
    2. 共学校らしい人間関係を楽しむ声が目立つ
    3. 先生との距離は「待っていれば全部やってくれる」とは少し違う
    4. 学習面は「本人次第」という声もある
    5. 行事や学校づくりに関わりたい生徒には出番がある
    6. 部活動は学校生活の「全部」にはならない
    7. 口コミの評価が割れること自体、この学校を少し表している
  12. この学校に向いている子の特徴|「考えて伝える」ことを楽しめる子
    1. 正解を覚えるだけでなく、自分の考えを言葉にしたい子
    2. 数学・理科が好きで、その先まで掘り下げたい子
    3. 医学・医療への関心を中学生のうちから確かめたい子
    4. 英語を「教科」から「使うもの」へ広げたい子
    5. 細かく管理されるより、自分で動けるようになりたい子
    6. 学校行事や企画に「参加する側」以上に関わりたい子
    7. 部活動一色ではなく、いろいろなことをやりたい子
    8. 変化のある学校を面白がれる子
  13. まとめ|進学校の学力と探究文化、医学への道が交わる6年間

学校の概要|「理数インター」から順天堂大学系属校へ

正式名称は「宝仙学園中学校」

東京都中野区にある宝仙学園中学校は、男女共学の私立中学校です。受験情報などでは「順天堂大学系属理数インター中学校」の名称が広く使われていますが、これは2024年に順天堂大学との系属校協定を結んだ後に用いられるようになった通称で、正式名称は現在も「宝仙学園中学校」です。

中学校から高校の共学部「理数インター」へと続く中高一貫教育を行っています。一方、高校の理数インターでも外部から生徒を募集しているため、中学入学者だけで6年間の学年集団が固定される完全中高一貫校ではありません。

正式名称宝仙学園中学校
通称順天堂大学系属理数インター中学校
所在地東京都中野区中央2丁目28番3号
設置区分私立・男女共学
中高一貫の形態中高一貫教育・高校募集あり
系列学校法人宝仙学園
大学との関係2024年4月より順天堂大学系属校

1928年創立の学園に、2007年に誕生した共学部

宝仙学園の中学・高校は、1928年に設立された中野高等女学校を源流とします。仏教精神を基調とした人間教育を掲げ、「品格と知性を兼ね備えた人を造る」という考え方を教育の根に置いてきました。学園は2028年に創立100周年を迎えます。

現在の中学校につながる大きな転換は2007年です。この年に宝仙学園中学校の共学部「理数インター」が設立されました。100年近い学園の歴史をそのまま受け継ぐというより、既存の学園の中に新しい共学の教育モデルを立ち上げた、と見る方が学校の成り立ちを理解しやすいでしょう。

「理数インター」という名前から、理数科目に特化した国際系の学校を想像するかもしれません。しかし、この言葉の意味は少し違います。「理数」は物事を筋道立てて考え、相手に伝える理数的思考力、「インター」は英語の「inter」に由来する、人と人とをつなぐ力を表しています。

数学や理科の成績だけを伸ばすという意味ではなく、自分で考え、他者と議論し、それを言葉やプレゼンテーションで外へ出していく。現在の探究授業や独自入試にもつながる、この学校の基本的な考え方です。

2024年、順天堂大学との系属関係が始まる

学校の位置づけをもう一度動かしたのが、2024年4月の順天堂大学との系属校協定です。これに伴って順天堂大学医学部医学科への系属校入試枠が設けられ、2025年度には中学・高校の「医学進学コース」がスタートしました。

ここで注意したいのは、「系属校」と「大学附属校」は同じではないことです。順天堂大学へ多くの生徒がそのまま内部進学する学校になったわけではなく、医学部を中心に新しい推薦・連携の道が加わった、と考える方が実態に近くなります。

一方で、順天堂大学との連携は進路選択だけの話でもありません。もともと探究やプレゼンテーションを重視してきた「理数インター」に、医学・医療という具体的な学問領域が加わりました。2007年に始まった共学部が約20年を経て、次の教育の柱を持ち始めているところです。

伝統校でありながら、学校そのものが変化を続けている

宝仙学園という名前だけを見れば、まもなく100周年を迎える伝統校です。しかし、理数インターに限って見れば2007年に始まった比較的新しい共学校であり、2024年には大学との関係が変わり、2025年には新コースが加わりました。

古くから決まった教育の型を守り続けるというより、学校自身が制度や学び方を組み替えてきた歴史があります。生徒にも「決められた答えを覚える」より、自分で考えて人とつながり、外へ表現することを求める。この学校の教育を理解するとき、まず押さえておきたい背景です。

学校の概要|「理数インター」から順天堂大学系属校へ

正式名称は「宝仙学園中学校」

東京都中野区にある宝仙学園中学校は、男女共学の私立中学校です。受験情報などでは「順天堂大学系属理数インター中学校」の名称が広く使われていますが、これは2024年に順天堂大学との系属校協定を結んだ後に用いられるようになった通称で、正式名称は現在も「宝仙学園中学校」です。

中学校から高校の共学部「理数インター」へと続く中高一貫教育を行っています。一方、高校の理数インターでも外部から生徒を募集しているため、中学入学者だけで6年間の学年集団が固定される完全中高一貫校ではありません。

正式名称宝仙学園中学校
通称順天堂大学系属理数インター中学校
所在地東京都中野区中央2丁目28番3号
設置区分私立・男女共学
中高一貫の形態中高一貫教育・高校募集あり
系列学校法人宝仙学園
大学との関係2024年4月より順天堂大学系属校

1928年創立の学園に、2007年に誕生した共学部

宝仙学園の中学・高校は、1928年に設立された中野高等女学校を源流とします。仏教精神を基調とした人間教育を掲げ、「品格と知性を兼ね備えた人を造る」という考え方を教育の根に置いてきました。学園は2028年に創立100周年を迎えます。

現在の中学校につながる大きな転換は2007年です。この年に宝仙学園中学校の共学部「理数インター」が設立されました。100年近い学園の歴史をそのまま受け継ぐというより、既存の学園の中に新しい共学の教育モデルを立ち上げた、と見る方が学校の成り立ちを理解しやすいでしょう。

「理数インター」という名前から、理数科目に特化した国際系の学校を想像するかもしれません。しかし、この言葉の意味は少し違います。「理数」は物事を筋道立てて考え、相手に伝える理数的思考力、「インター」は英語の「inter」に由来する、人と人とをつなぐ力を表しています。

数学や理科の成績だけを伸ばすという意味ではなく、自分で考え、他者と議論し、それを言葉やプレゼンテーションで外へ出していく。現在の探究授業や独自入試にもつながる、この学校の基本的な考え方です。

2024年、順天堂大学との系属関係が始まる

学校の位置づけをもう一度動かしたのが、2024年4月の順天堂大学との系属校協定です。これに伴って順天堂大学医学部医学科への系属校入試枠が設けられ、2025年度には中学・高校の「医学進学コース」がスタートしました。

ここで注意したいのは、「系属校」と「大学附属校」は同じではないことです。順天堂大学へ多くの生徒がそのまま内部進学する学校になったわけではなく、医学部を中心に新しい推薦・連携の道が加わった、と考える方が実態に近くなります。

一方で、順天堂大学との連携は進路選択だけの話でもありません。もともと探究やプレゼンテーションを重視してきた「理数インター」に、医学・医療という具体的な学問領域が加わりました。2007年に始まった共学部が約20年を経て、次の教育の柱を持ち始めているところです。

伝統校でありながら、学校そのものが変化を続けている

宝仙学園という名前だけを見れば、まもなく100周年を迎える伝統校です。しかし、理数インターに限って見れば2007年に始まった比較的新しい共学校であり、2024年には大学との関係が変わり、2025年には新コースが加わりました。

古くから決まった教育の型を守り続けるというより、学校自身が制度や学び方を組み替えてきた歴史があります。生徒にも「決められた答えを覚える」より、自分で考えて人とつながり、外へ表現することを求める。この学校の教育を理解するとき、まず押さえておきたい背景です。

教育方針とカリキュラム|答えのない問いに向き合う探究と医学進学コース

「理数インター」は理系専門教育という意味ではない

校名にある「理数インター」を見ると、数学・理科に重点を置いた理系進学校を想像しやすいでしょう。しかし、この学校がいう「理数」は、数学や理科そのものよりも物事を筋道立てて考える「理数的思考力」を指しています。「インター」は、人と人をつなぐコミュニケーションやプレゼンテーションの力を表す言葉です。

したがって、教育の中心にあるのは「問題を速く解ける生徒を育てる」ことだけではありません。自分なりの問いを持ち、他者と考えを交わし、考えたことを相手に届く形で表現する。国語、英語、数学、理科、社会から探究活動まで、この考え方がさまざまな授業に顔を出します。

2016年から続く独自教科「理数インター」

その考え方を最も直接的に授業にしたのが、2016年から行われている独自教科「理数インター」です。

扱うのは、あらかじめ一つの正解が用意された問題ばかりではありません。グループワークを中心に、他者との対話、制作、試行錯誤、プレゼンテーションなどを重ねながら「答えのない問い」に取り組みます。

中学受験の勉強では、どうしても「正解を当てる」訓練が中心になります。入学後はそこから少し頭の使い方が変わり、「そもそも何を問題にするのか」「自分はなぜそう考えるのか」「別の立場から見るとどうなるのか」まで考えることになるわけです。

こうした学びは高校での課題研究や個人探究へつながります。高校1年では、自分の生活や興味、学問分野などから問いを立てて調査・研究するほか、演劇ワークショップを通じて他者と協働する方法も学びます。その後は一年をかけて自分の問いを追究し、成果を発表する個人探究へ進みます。

本科は「先取り」より中学内容を深く学ぶ

一方、通常の教科学習はかなりしっかり組まれています。中学校では英語・数学・国語・理科・社会の主要5教科で週27時間を確保しています。

ここで特徴的なのは、本科コースでは中学段階から高校内容を急いで先取りすることを基本としていない点です。授業時間を多く取る目的は、先へ先へと進むためではなく、中学校で学ぶ内容を定着させ、理解を掘り下げることにあります。

数学なら「代数」「幾何」に加えて演習を行う「数学フォロー」があり、理科では教科書にある実験に加えて学校独自の実験にも取り組みます。実験をして終わりではなく、レポートにまとめるところまで含めて、観察したことを筋道立てて説明する練習になります。

中学1・2年ではアドバンストクラスを設けず、まず基礎学力と学習習慣を整えます。中学3年から本科とアドバンストクラスに分かれ、高校2年以降は文系・理系や進路、学力に応じてさらに細かなクラス編成へ移ります。

医学進学・GL・ALという「取り出し型」のコース

2026年度の中学1年生では、全員の基本となる本科コースに加え、特定教科を別授業で学ぶ3つのコースが設けられています。

コース主な内容
本科コース中学では先取りを基本とせず、主要教科の基礎・基本と理解の深さを重視する
医学進学コース数学・理科を取り出し授業で学び、先取り・発展学習や「医師志望論」に取り組む
GL(グローバル)コース英語を取り出し、ネイティブ教員による授業を受ける。入学時には英検2級程度の英語力を想定
AL(アドバンストラーナーズ)コース英語を取り出して約1年分の先取り学習を行い、将来的なGLコースへの合流を目指す

「コース」といっても、一日中別々のクラスで過ごす仕組みではありません。たとえば医学進学コースの中学生は、通常は他コースの生徒と同じクラスで生活し、数学・理科など対象となる授業で取り出し指導を受けます。

また、入学時に決めたコースが6年間固定されるわけでもありません。年度の切り替わりには、希望者が試験などを経て本科から医学進学・GL・ALへ移る機会があります。医学進学コースについては数学・理科の進度が異なるため、それまでに学んでいない範囲を補う必要があり、成績や模擬試験なども含めて総合的に判断されます。

医学部受験の前に「なぜ医師になるのか」を考える

医学進学コースは2025年度に中学1年・高校1年からスタートしました。順天堂大学との系属校協定を背景に設けられたコースですが、順天堂大学医学部だけを目標にした推薦コースではありません。数学・理科の先取り・発展学習を進め、順天堂大学を含む医学部医学科への進学に必要な学力を養います。

このコースで学校らしさがよく表れているのが、中学2年から高校3年まで行われる独自講座「医師志望論」です。

医師不足、生命倫理、遺伝など医学・医療を取り巻くテーマを扱いながら、「なぜ医師になりたいのか」「どのような医師になりたいのか」を考えます。医学部合格までをゴールにせず、医学を学ぶ動機そのものを中学生のうちから問い直す構成です。

理科でも探究的な実験、数学でも定義を理解したうえで応用する学習を重視します。医学部入試は6年間かなりの学習量を必要とする進路です。その長い勉強を続ける理由を、偏差値とは別のところでも育てようとしている点は、このコースを見るうえで押さえておきたいところです。

英語は週7時間、日本人教員とネイティブ教員が担当

「インター」のもう一つの柱である英語では、中学で週7時間の授業を設けています。日本人教員とネイティブ教員がそれぞれおよそ半分を担当し、フォローの時間には複数の教員が生徒の理解状況を確認します。

本科の中学1・2年では、英語もむやみに進度を上げるのではなく、教科書の音読や暗唱、反復を重ねて基礎を固めます。ただ覚えるだけではなく、人前で話す機会が多いのが理数インターらしいところです。

中学1年から英語だけで行う「Extended English」の授業があり、ペアワークやアクティビティを通して、自分の知っている英語で相手に伝える経験を積みます。学年が上がるにつれて、自分の意見を理由とともに述べたり、物語を創作して発表したりと、英語で扱う内容も広がります。

中学1年から高校1年までは全員が英語プレゼンテーションにも取り組みます。英語を試験科目として学ぶ一方で、「人に何かを伝えるために使う道具」として使う場面が日常の授業に組み込まれています。

中1・2は基礎、中3から自分で学ぶ方向へ

6年間の教育は、中学1・2年の「基礎定着期」、中学3年・高校1年の「意識改革期」、高校2・3年の「自己実現期」という三つの段階で考えられています。

最初から「自由に好きなように学びなさい」と任せる学校ではありません。中学1・2年では学習習慣や生活習慣を整え、指示を受け取ってきちんと行動できることを求めます。中学3年頃から、計画や自己分析を自分で行う方向へ移し、高校では進路に合わせた長期的な学習計画を立てるようになります。

探究やプレゼンテーションという言葉から自由度の高い学校を想像するかもしれませんが、その前提には主要5教科を多く学び、まず基礎を固める時間があります。「答えのある教科学習」と「答えのない探究」を同じ6年間の中で行き来する。ここに理数インターのカリキュラムの輪郭が見えてきます。

学習環境と施設設備|ICT教室と「宝仙Marché」がある都市型の校舎

中学生は全員がLTEモデルのiPadを使用

理数インターでは、中学生全員が学校を通してLTEモデルのiPadを購入して使用します。校内のWi-Fiだけに頼らず通信でき、3年間の契約を終えると端末は本人のものになります。高校ではBYODに切り替わり、中学から使ってきたiPadをそのまま利用する生徒もいます。

ICTは、紙をタブレットに置き換えるためだけに使われているわけではありません。探究学習での情報収集、プレゼンテーション資料の作成、授業資料の共有など、「調べる・整理する・人に見せる」という一連の作業に日常的に関わります。§3で触れた理数インターの授業とは、かなり相性のよい道具です。

用途の異なる3つのICT教室

校内には通常教室とは別に、複数のICT教室があります。

  • ICT1教室:椅子や机を動かしやすく、授業内容に応じてレイアウトを変更できる教室
  • ICT2教室:120インチの大型スクリーンとプロジェクターを備えた教室
  • ICT3教室:かつての作法室を改装した畳敷きのICT教室

なかでもICT3教室は少し変わっています。畳の上で「理数インター」の授業を行うこともあり、一般的な机が前を向いて並ぶ教室とはかなり雰囲気が違います。

グループで話し合ったり、座る位置を変えたり、発表したりする授業が多い学校では、教室のつくりも学び方に影響します。固定された座席で一日を過ごすのではなく、授業によって場所や配置を変えることが前提になっています。

理科は分野ごとの実験環境を用意

理科室は、物理・化学・生物・地学の各分野に対応できるよう整備されています。理数インターでは理科実験とレポート作成を重視し、医学進学コースでは理科を先取りして学ぶため、実験設備は授業と切り離された「見学用の施設」ではありません。

また、英語の授業でネイティブ教員が理科実験を行うCLIL・STEAM型の学習も取り入れています。同じ実験でも、理科では現象を理解し、英語ではその現象について考え、説明する。教科をまたいで施設を使う場面もあります。

約3万3,000冊の図書室は放課後18時まで

図書室の蔵書は約3万3,000冊。平日は昼休みと放課後に開館し、放課後は18時まで利用できます。

なお、学校には個別に学習できる自習室と、卒業生チューターが質問や進路相談に応じるチューター室がありますが、専用自習室を利用できるのは高校生です。中学生について「個別ブース型自習室を自由に使える」と考えてしまうと実態と異なるので、この点は学校見学の際にも確認しておきたいところです。

高校へ進むと、放課後に学校内で受験勉強を進め、分からないところをチューターに聞くという使い方ができるようになります。6年間の後半になるほど、校内の学習環境の使い方も変わっていきます。

中1から利用できる食堂「宝仙Marché」

昼食については、家庭から弁当を持参する方法に加え、中学1年生から食堂「宝仙Marché」を利用できます。食堂の名称は、リニューアルの際に生徒たちが付けたものです。

食事はおおむね500円程度。毎日必ず弁当を用意する必要がない選択肢があるのは、6年間の学校生活では地味に助かる部分です。

さらに生徒ホールには飲料やパンの自動販売機、無料のウォーターサーバー、コピー機があります。朝、昼休み、放課後に生徒が利用でき、授業のための施設とは少し違う「学校の中で過ごす場所」になっています。

体育館と講堂は、行事にも使われる

体育館には空調設備と放送設備があり、体育の授業のほか、入学式・卒業式や仏教行事にも使用されます。

別に講堂もあり、発表会や講演会などで利用されます。探究や英語プレゼンテーションなど、人前で発表する機会が多い理数インターでは、「教室で学ぶ場所」と「大勢の前で表現する場所」の双方が学校生活に入っています。

中野坂上という都心立地のため、広大なグラウンドを中心に校舎が広がる郊外型の学校とは施設の印象が異なります。校内には体育館、講堂、ICT教室、理科室、図書室、食堂、生徒ホールなどがまとまり、限られた空間を用途ごとに使い分ける都市型キャンパスです。

2026年度から、生徒が企画に参加した新制服へ

施設そのものではありませんが、学校生活の環境が変わったものとして触れておきたいのが制服です。2026年度の中学入学生から新しい制服が導入されました。

特徴は、完成したデザインを学校から与えられただけではないことです。制服リニューアルでは生徒が検討に参加し、「個性豊か」「しっかりと軸をもつ」「フォーマルとラフを選択する」という3つのコンセプトを考えました。

女子はチェックスカートやスラックス、複数のリボンなどから選択でき、シャツにも選択肢があります。正装を定めながら、日常では組み合わせを選べる設計です。

探究授業では「自分で考えて表現する」ことを求め、文化祭や学校生活でも生徒が企画に関わる。その学校で制服まで生徒が考える対象になったのは、理数インターの校風をかなり具体的に表す出来事です。

学校生活と行事|宝仙祭から海外研修まで、生徒が動く学校生活

週3日は7時間授業。行事と学習が交互に入る一年

理数インターの中学生は、週3日が7時間授業です。日々の授業に加えて、定期考査、夏期講習、探究や英語のプレゼンテーション、宿泊行事、文化祭などが年間予定に組み込まれています。

行事の数だけを見るとかなり多彩ですが、この学校では「行事の季節」と「勉強の季節」が完全に分かれているわけではありません。6月の体育祭の後には期末考査、10月の宝仙祭の前にも中間考査があります。行事を楽しみながら、翌週には普段の授業へ戻る。その切り替えも含めて学校生活です。

時期中学生の主な行事
4月入学式、花まつり(灌仏会)
6月体育祭、芸術鑑賞会
7月進路の日、中1林間学校、マルタ島語学研修旅行(希望者)
8月教養講座、夏期講習、部活動合宿
9月GL・ALプレゼンテーションコンテスト
10月宝仙祭(文化祭)、十三詣り
11月中1ネイチャープログラム、中2長崎研修旅行、中3アジア修学旅行
1月合唱祭、中3卒業プレゼン
2月中2職業体験、英語プレゼンテーションコンテスト

体育祭はクラスの色が前面に出る

体育祭は中高の年間行事として6月に行われます。2026年度の中学体育祭では、各クラスが担任やクラスの特色を取り入れたクラスTシャツを制作し、そのTシャツを着て競技や応援に参加しました。

運動が得意な生徒だけが活躍するというより、クラスで一つのものを作り、応援も含めて参加するタイプの学校行事です。中学入学から数か月の時期に行われるため、新しいクラスの人間関係が少しずつ固まってくる機会にもなります。

10月の「宝仙祭」は学校を外へ開く2日間

秋には文化祭「宝仙祭」があります。2025年度は10月に2日間開催され、校内の各種企画に加えて、体育館や講堂ではステージ発表も行われました。

受験生にとっても、説明会とは違う角度から学校を見る機会になります。普段の説明会では教師から教育内容を聞くことが中心ですが、文化祭では生徒同士の距離感、企画への関わり方、部活動の雰囲気などがかなり見えます。

制服リニューアルにも生徒が関わった理数インターでは、生徒が学校の中で何かを企画し、人に見せることが珍しくありません。授業で繰り返す「考える・つくる・伝える」が、文化祭ではもっと自由な形で現れます。

中1の林間学校は、入学後最初の宿泊行事

中学1年では夏休みに林間学校があります。2026年度は7月23日から25日までの2泊3日で、山梨県河口湖方面を訪れました。

初日は班ごとのカレー作り。調理だけでなく火おこしから生徒たちが取り組みます。2日目には富士山五合目でトレッキングを行い、植物や岩石を観察。最終日は河口湖周辺で、班ごとに課題を解いていく活動が行われました。

入学からまだ数か月。教室ではそれほど話したことのなかった同級生とも、火がつかない、道を考える、班で課題を解く、といった場面では話さざるを得ません。中1のこの時期に宿泊行事を置く意味は、そのあたりにもありそうです。

中2は長崎、中3はシンガポール・マレーシアへ

宿泊型の学びは、学年が上がるにつれて行き先も広がります。現在の年間行事では、中学2年で長崎研修旅行、中学3年でシンガポール・マレーシアへのアジア修学旅行が組まれています。

中3のアジア修学旅行では、多民族・多文化社会であるシンガポールを訪れ、さらにマレーシアでは村を班別に訪問します。民族衣装や家庭料理など、観光地を見るだけでは分かりにくい生活文化にも触れます。現地校との交流では、伝統文化の体験やソーラン節の披露なども行われています。

英語の授業でプレゼンテーションを重ねてきた生徒にとって、ここでは教室で習った英語を実際の人間関係の中で使うことになります。文法的に正しい英文を作ることと、目の前の相手に何とか伝えることは、似ているようで別の経験です。

高校2年ではオーストラリアへ

海外での体験は中3で終わりません。高校2年になると、研修旅行の舞台はオーストラリアへ移ります。

ファームステイやシドニーでの自主研修などが組まれ、生徒自身で動かなければならない場面が増えていきます。中3でアジアの異文化に触れ、高2ではさらに英語を使いながら行動する。海外研修を一度きりのイベントにせず、段階を置いて経験する構成です。

このほか、希望者にはマルタ島語学研修をはじめ、短期・ターム・1年間の留学プログラムも用意されています。海外へ出ること自体を全員に一律で求めるのではなく、さらに挑戦したい生徒には次の選択肢があります。

「発表する」は授業だけではなく学校行事にも続く

理数インターの年間予定には、プレゼンテーションを伴う行事が何度も登場します。

  • GL・ALプレゼンテーションコンテスト
  • 中1~中3の英語プレゼンテーションコンテスト
  • 中3卒業プレゼン
  • 高校での探究発表会

人前で話すことが得意な生徒だけが発表するのではなく、授業から行事まで繰り返し発表の場が設けられています。中学入学時には発表を苦手としていた生徒でも、6年間ほとんど人前で話さないまま卒業する、という学校生活にはなりにくいでしょう。

仏教行事が今も年間予定に残る

探究、ICT、海外研修といった新しい教育が目立つ一方、宝仙学園が仏教系の学校であることは年間行事を見るとよく分かります。

4月の花まつり(灌仏会)をはじめ、両祖大師降誕会、創立者忌日追悼法要、十三詣り、成道会・陀羅尼会、涅槃会などが年間予定に入っています。

2007年に誕生した「理数インター」は教育内容だけを見ればかなり現代的です。その一方で、学校そのものは1928年から続く宝仙学園の一部でもあります。探究発表や海外研修の間に仏教行事が入ってくる年間予定は、この学校の新しさと古さが同じ校内にあることをよく表しています。

クラブ活動|週3日を基本に学習とのバランスを取る

12の運動部と15の文化部から選ぶ

理数インターには、12の運動部と15の文化部があります。運動系には野球、サッカー、バスケットボール、硬式テニス、弓道、陸上競技、卓球、ダンスなどがあり、文化系にも吹奏楽、演劇、自然科学研究、社会科学研究、書道など幅広い選択肢があります。

中高で一緒に活動する部も多く、中学から始めた競技や文化活動を高校まで続けやすい環境です。弓道部や剣道部、吹奏楽部など、入学時には未経験だった生徒を受け入れている部も少なくありません。

活動は週3日が基本

学校全体では、部活動を週3日程度に抑える方針を取っています。毎日のように放課後を部活動に使う学校とは、時間の使い方がかなり違います。

理数インターの中学生は週3日が7時間授業で、探究活動やプレゼンテーションにも時間を使います。そのうえで家庭学習や定期考査への準備も必要です。部活動の回数を絞るのは、部活動を軽く扱うというより、学校生活の一つだけに時間が偏りすぎないための設計と考えると分かりやすいでしょう。

ただし、大会や練習試合などで日曜日に活動する部もあります。実際の活動曜日は部によって異なるため、入りたい部が決まっている場合は説明会や体験入部で確認しておきたいところです。

運動部は校外や鷺ノ宮校舎も使う

中野坂上校舎は都心型のキャンパスなので、運動部の活動場所も校内だけで完結するとは限りません。部によっては宝仙学園の鷺ノ宮校舎や外部施設、競技場などを利用します。

たとえば水泳部は、中野坂上校舎で筋力トレーニングやストレッチを行いながら、プールでの練習日は別の施設へ移動します。陸上競技部も外部の競技場を使うことがあります。広いグラウンドが校舎の隣にある学校とは、放課後の動き方が少し違います。

野球部は中野区の大会などに出場しており、中学では2023年に東京都第三ブロック大会優勝、2025年には中野区中学校野球選手権大会3位という成績を残しています。硬式テニス部の中学女子も2024年の九支部大会で3位に入っています。

中高合同だから、上級生から学ぶ場面も多い

中高合同で活動する部では、中学生と高校生が同じ場所で練習します。たとえば弓道部では、外部指導員から教わる日に加え、生徒主体で上級生から下級生へ指導する日があります。水泳部でも中高生が一緒に練習し、上級生が初心者を支える形が取られています。

中学1年生にとって高校生はかなり大人に見えるものです。同じ競技を6年間続ける生徒が身近にいることで、数年後の自分を想像しやすくなります。教室とは違う縦の人間関係ができるのも、中高一貫校の部活動らしいところです。

文化部にも「自分たちで作る」がある

理数インターの教育で繰り返し登場する「考えて、形にして、人に伝える」という動きは、文化部にも見られます。

演劇部では、用意された作品を演じるだけではなく脚本の原案から生徒たちが制作し、宝仙祭で上演します。吹奏楽部も中学1年から高校2年までが一緒に活動し、コンクール、サマーコンサート、宝仙祭、定期演奏会など発表の機会があります。選曲や部内のルールにも生徒が関わります。

ダンス部では、最高学年の生徒が振付を考え、新入生歓迎会や体育祭、宝仙祭、年度末の定期公演で披露します。学校行事を見るとき、こうした部活動が舞台を作る側にも回っています。

自然科学からクイズ、書道まで

文化系には、自然科学研究部、社会科学研究部(クイズ研究)、鐵道部などもあります。理数インターという校名だからといって、文化部が理科系だけに偏っているわけではありません。

書道部では古典の臨書や創作作品に加えて書道パフォーマンスにも取り組み、合唱部は自分たちで選んだ曲を宝仙祭や合唱祭などで披露します。学校の授業とは別に、自分が長く続けたいものを探せる程度の幅はあります。

一方で、「毎日部活に打ち込み、全国大会を最優先にしたい」という学校生活を希望する場合は、週3日を基本とする活動方針との相性を見ておく必要があります。勉強、探究、学校行事、部活動を一週間の中で組み合わせたい生徒にとっては、理数インターらしい時間配分です。

進学実績と卒業後の進路|難関大学進学と順天堂大学への新しい進路

2026年度は卒業生194名、東京大学は4年連続で現役合格

2026年度大学入試では、理数インター14期生194名が卒業しました。東京大学には既卒生を含め2名が合格し、このうち現役生1名が合格。これで東京大学への現役合格は4年連続となりました。

このほか、一橋大学3名、北海道大学5名など、国公立大学・大学校への合格者は既卒生を含め42名です。現役生だけを見ると27名で、卒業生194名という学年規模を考える際はこちらの数字も併せて見ておくと実態をつかみやすくなります。

2026年度大学入試合格者数うち現役
国公立大学・大学校42名27名
医学部医学科16名10名
早慶上理ICU77名63名
GMARCH150名110名
海外大学4名3名

大学合格者数は、一人の生徒が複数大学・学部に合格した場合、それぞれを1件として数えます。そのため「GMARCH150名」を150人がGMARCHへ進学したという意味で読むことはできません。合格実績は、その学校からどの範囲の大学を狙えるのかを見る材料として使うのが適切です。

早慶上理ICUは現役63名、GMARCHは現役110名

私立大学では、2026年度入試で早稲田大学18名、慶應義塾大学14名、上智大学17名、東京理科大学27名などの合格者が出ています。早慶上理ICU全体では77名、そのうち現役生は63名でした。

GMARCHでは、明治大学43名、青山学院大学17名、立教大学30名、中央大学24名、法政大学28名、学習院大学8名で、合計150名。現役生だけでも110名となっています。

さらに、芝浦工業大学23名、東京農業大学19名、東京工科大学14名、日本大学32名、東洋大学32名など、理工系を含めて進学先の幅は広くなっています。「理数インター」という学校名ではありますが、卒業後の進路を理系に限定している学校ではなく、文系学部へ進む生徒もいます。

医学部医学科は16名、うち現役10名

医学部医学科への合格は、2026年度入試で16名。そのうち現役生は10名です。

国公立大学の医学部医学科では金沢大学、山口大学など、私立では順天堂大学、東京医科大学、日本大学、帝京大学、東邦大学、藤田医科大学などに合格者が出ています。なかでも順天堂大学医学部医学科には現役生1名が合格しました。

ここは、新しく始まった医学進学コースとは分けて考える必要があります。医学進学コースが始まったのは2025年度で、中学1年生と高校1年生からスタートしています。したがって、2026年度大学入試の卒業生は、この新しい6年間の医学進学カリキュラムを経験した学年ではありません。

つまり、現在公表されている医学部合格実績は、理数インターが医学進学コース設置以前から積み上げてきたものです。医学進学コースの成果が大学入試実績として本格的に表れるのは、これからになります。

順天堂大学医学部への「系属校入試枠」は数名

2024年に順天堂大学との系属校協定が結ばれたことで、進路の選択肢には新しく順天堂大学医学部医学科への系属校入試枠が加わりました。募集定員は数名程度です。

ただし、「順天堂大学系属校」という名称から、大学附属校のような内部進学制度を想像しない方がよいでしょう。医学進学コースに入れば全員が順天堂大学医学部へ推薦されるわけではありません。枠は数名であり、医学部進学に必要な学力をつけながら、順天堂大学を含む複数の医学部を目指すコースとして設計されています。

本科の生徒にとっても、進路が順天堂大学に限定されることはありません。国公立大学、私立大学、医学部、海外大学などをそれぞれの志望に応じて受験します。系属校化によって従来の大学受験型の進学校から大学附属型へ変わったのではなく、従来の進路の幅に医学部への新しいルートが加わったと捉えるのが分かりやすいでしょう。

高3の春は「授業のない3泊4日」から始まる

大学受験への取り組みで、この学校らしいのが高校3年4月に行われる3泊4日の春合宿です。

名前だけを聞けば受験講座が朝から晩まで続く合宿を想像しますが、この合宿では授業も講習も行いません。時間の中心に置かれているのは自学自習です。自分に何が足りないのかを考え、何を勉強するのかも含めて生徒自身が組み立てます。

中学段階では生活習慣や学習習慣を身につけ、高校へ進むにつれて自分で計画する比重を増やしていく、という6年間の教育方針が、高3になるとかなり具体的な形になります。

学校独自の「実力テスト」で受験勉強の現在地を測る

春合宿を終えた高校3年生は、学校独自の「実力テスト」を受験します。外部模試をそのまま利用するのではなく、各教科の担当教員が問題を作成する試験です。

結果を受けて、担任や教科担当が成績会議を行い、生徒ごとの課題を共有します。そのうえで、生徒とのコーチングを通して次の学習を考えていきます。

教師が一方的に「これをやりなさい」と指示するだけではなく、自分で課題を認識し、次の行動を決められるようにする。その考え方は、中学から行ってきた探究教育ともつながっています。

高校生は20時まで自習室を利用できる

高校生になると、平日は20時まで校内の自習室を利用できます。赤本や参考書も置かれており、放課後そのまま学校で大学受験の勉強を続けることができます。

近くにはチューター室があり、理数インターの卒業生が学習相談に対応します。高校2年の3月には大学受験を終えた高校3年生による受験報告会も行われ、志望校の決め方や勉強の進め方を後輩へ伝えます。

さらに全学年を対象とした「進路の日」では、大学生活や社会人としての経験を卒業生から直接聞きます。大学名を決める前に、その先で何を学び、どんな仕事や生き方につなげるのかを考える機会が中学生の段階から用意されています。

進学実績を見るときは「これから変わる学校」であることも忘れない

2026年度の大学入試実績だけを見ても、東京大学をはじめとする国公立大学、早慶上理、GMARCH、医学部、海外大学まで進路はかなり広がっています。

一方で、現在の中学受験生が高校を卒業する頃の理数インターは、今の卒業生が経験した学校とまったく同じではありません。順天堂大学との系属、医学進学コース、GL・ALコースといった新しい仕組みがすでに動き始めています。

過去の合格実績は学校の進路指導力を見る重要な材料です。しかし、この学校についてはそれと同時に、2025年度以降に始まった新しい教育がどのような進路へつながっていくかも見ていく必要があります。これから中学へ入る生徒は、その変化の途中を6年間過ごすことになります。

学費や諸経費について|通常コースと医学進学コースで考える6年間の教育費

入学時に必要なのは42万円

順天堂大学系属理数インター中学校では、入学手続きの際に420,000円を納入します。内訳は入学金300,000円と施設費120,000円です。

入学時納付金金額
入学金300,000円
施設費120,000円
合計420,000円

私立中学校では、合格後から入学までの短い期間にまとまった支払いが発生します。受験校を組む段階で、入学手続きの締切とあわせて確認しておきたい金額です。

年間の学校納入金は約86万9,000円

年間の学費・諸費用は、2026年度の年額を基準にすると合計869,000円です。授業料だけを見るのではなく、施設維持費、教材費、学年費などを合わせて考える必要があります。

項目年額
授業料555,600円
施設維持費80,400円
図書・暖房・教材費36,000円
父母会費(入会金を含む)20,000円
生徒会費7,000円
学年費160,000円
進路対策費10,000円
年間合計869,000円

したがって、入学金・施設費を含めた初年度の学校納入金は、同じ金額水準で計算すると約128万9,000円となります。

なお、この金額には制服、指定用品、iPad、研修旅行など、入学後に別途必要となる費用は含まれていません。

医学進学コースは年間12万円の追加費用

医学進学コースには、通常の学費とは別に年間120,000円の対策費が設定されています。2026年度の金額であり、今後変更される可能性があります。

コース通常の年間納入金コース追加費用
本科・GL・AL869,000円
医学進学コース869,000円120,000円

医学進学コースでは、数学・理科の取り出し授業、発展学習、「医師志望論」など独自の教育が加わります。その分、学習内容だけでなく費用にも通常コースとの差があります。

入学時納付金まで含めると、2026年度水準では医学進学コースの初年度は約140万9,000円が一つの目安になります。ここに制服やICT端末などの費用が加わります。

中3のアジア研修旅行は20万~25万円程度

学校行事に伴う費用として見ておきたいのが、中学3年で実施されるシンガポール・マレーシアへのアジア研修旅行です。費用は200,000~250,000円程度が目安とされています。

海外研修は§5で見たように、この学校の教育の中ではかなり重要な位置を占めています。英語を実際に使い、異なる文化の中で行動する機会である一方、通常の学費とは別にまとまった費用が必要になります。

さらに希望者が参加する海外語学研修や留学を選ぶ場合には、それぞれ別途費用が発生します。国際教育をどこまで利用するかによって、6年間の教育費には家庭ごとの差が出ます。

高校進学時にも27万円の納付がある

中学校から理数インター高校へ内部進学する際には、再び入学手続きがあります。高校進学時の納付金は、入学金150,000円と施設費120,000円の計270,000円です。

高校から入学する生徒より入学金が半額に設定されていますが、中学入学時の費用だけを見て6年間の総額を考えると、この部分を見落としやすくなります。

高校内部進学時金額
入学金150,000円
施設費120,000円
合計270,000円

特待生制度では入学金・授業料の免除もある

中学入試では成績上位者を対象とした特待生制度があります。認定区分によって免除される金額が異なります。

区分免除内容
S特待生入学金・施設費・授業料を全額免除
A特待生入学金・施設費・授業料を半額免除
B特待生入学金・施設費を免除

特待生資格は年度ごとに更新されます。また、免除対象となるのは入学金・施設費・授業料で、施設維持費や学年費、教材費などまで全て免除されるわけではありません。

6年間では「学費以外」も含めて見ておく

理数インターで6年間を過ごす場合、授業料だけでなく、入学時の納付金、毎年の学年費や教材費、ICT端末、制服、中3の海外研修、高校進学時の費用などが続きます。医学進学コースを選べば、さらに年間の追加費用があります。

一方、校内には中1から利用できる食堂があり、高校では自習室や卒業生チューターによる学習支援も利用できます。学費を見る際には金額だけを切り離すのではなく、6年間でどの教育・環境に費用を使う学校なのかまで見ておくと、家庭として判断しやすくなります。

入試情報と合格の目安|多彩な入試方式から自分に合う入口を探す

2027年度は2月1日・2日・4日に複数の入試を実施

順天堂大学系属理数インター中学校の2027年度一般入試は、2月1日、2月2日、2月4日に行われます。

この学校の入試を少し複雑に見せているのが、一般的な2科・4科入試に加えて、医学進学入試、適性検査、新4科特別総合、グループワーク、プレゼンテーション、英語など、かなり異なる選抜方法を用意していることです。

裏を返せば、小学校6年間で身につけた力を「国算理社の得点」だけで測ろうとしていません。4教科型の受験勉強を積んできた子、公立中高一貫校を目指して適性検査対策をしてきた子、英語を学んできた子、読書や探究活動に打ち込んできた子。それぞれに入口があります。

試験日時間主な入試募集人数
2月1日午前第1回2科・4科入試15名
2月1日午前第1回適性検査入試15名
2月1日午後第1回医学進学入試10名
2月1日午後入試「理数インター」5名
2月1日午後リベラルアーツ・読書プレゼン・オピニオン・AAA・グローバル入試計10名
2月2日午前第2回適性検査入試15名
2月2日午後新4科特別総合入試15名
2月2日午後英語入試5名
2月4日午前第2回2科・4科入試10名
2月4日午前第3回適性検査入試10名
2月4日午後第2回医学進学入試15名

2科・4科入試はオーソドックスな私立中学型

私立中学受験の標準的な勉強をしてきた家庭にとって最も分かりやすいのが、2科・4科入試です。

科目配点
国語100点
算数100点
理科50点
社会50点

2科受験は国語・算数の200点満点、4科受験は300点満点です。第1回は2月1日午前、第2回は2月4日午前に実施されます。

なお、特待生の判定は行われますが、2科受験者は特待生選抜の対象外です。特待制度まで視野に入れる場合には4科受験が必要になります。

医学進学入試は「算数+理科」の200点勝負

医学進学コースを直接目指す受験生には、医学進学入試があります。試験科目は算数100点・理科100点の計200点。第1回が2月1日午後、第2回が2月4日午後です。

国語・社会を課さず、算数と理科を同じ100点ずつにしているところに、コースの性格がよく表れています。医学部を目指すコースなので、入学時から理数科目に一定の力を求める入試です。

医学進学コースの基準に届かなかった場合でも、成績によって本科へのスライド合格があります。反対に、4科入試、新4科特別総合入試、適性検査入試では、成績上位者のうち希望者に医学進学コースへのスライド合格が出されます。

つまり、「医学進学コースに興味があるなら医学進学入試しか受けられない」という制度ではありません。通常の4科受験や適性検査型から医学進学コースへ入る道も残されています。

新4科特別総合入試は4教科を一つの問題として解く

2月2日午後には「新4科特別総合入試」が行われます。

国語・算数・理科・社会をそれぞれ独立した試験として受けるのではなく、4教科の学習内容を使った総合問題100点を60分で解きます。

4科入試の学習内容から出題されるため、一般的な中学受験の4教科学習をしてきたことが前提です。ただし、知識を教科ごとの引き出しにしまっておくだけでなく、一つの題材に対して複数教科の知識を使うことになります。

教科の境界を越えて考える「理数インター」の授業を、入試問題の形に近づけた方式とも読めます。

公立中高一貫校との併願がしやすい適性検査型

適性検査入試は、2月1日・2日・4日の午前に3回実施されます。

試験内容配点
適性検査I(作文)40点
適性検査II(総合問題)50点
調査書10点
合計100点

私立中学の4科型とは異なり、作文や資料読解、総合的な思考を使う構成です。都立中高一貫校などを第一志望として適性検査対策を続けてきた受験生も、その学習を大きく変えずに受験できます。

2026年度入試では、2月1日の適性検査型だけで247名が受験し217名が合格しました。2月2日は122名受験・93名合格、2月4日は81名受験・66名合格です。延べ受験者数が多い一方、合格者も広く出している入試です。

「理数インター」そのものを入試にしたグループワーク型

この学校を象徴する入口が、2月1日午後の入試「理数インター」です。

まず45分の日本語リスニングを受け、その後、4人程度のグループで当日発表されるテーマについて話し合い、プレゼンテーションを行います。グループワーク部分は約90分です。

ここで見られるのは、一人で正解へたどり着く速さだけではありません。他人の意見を聞けるか、自分の考えを出せるか、話し合いによって考えを変えたり深めたりできるか。そして最後に、それを人へ伝えられるか。

入学後に教科「理数インター」で行う学びを、受験生自身が入試の日に体験するような試験になっています。

読書、学習歴、意見、全国レベルの活動も入試になる

2月1日午後には、プレゼンテーションを中心とした複数の新タイプ入試があります。

  • リベラルアーツ入試:これまでの学習歴をもとに5分間のプレゼンテーションを行い、質疑応答を受ける
  • 読書プレゼン入試:自分の好きな本について5分間プレゼンテーションし、その後に質疑応答を行う
  • オピニオン入試:事前に示されたテーマについて準備し、当日新たな課題を加えてプレゼンテーションを修正する
  • AAA(世界標準)入試:Athlete・Artist・Academicのいずれかで全国レベルの活動実績を持つ受験生が対象
  • グローバル入試:学習歴について英語でプレゼンテーションと質疑応答を行う。英検2級程度の英語力を想定

いずれも、日本語リスニングと組み合わせて選考されます。

たとえば、本が好きで何十冊も読んできたこと、スポーツや芸術で長く一つのことを続けてきたことは、通常の4科入試なら答案にはほとんど現れません。理数インターでは、そうした小学校時代の積み重ね自体を受験材料にできるわけです。

英語入試は英検3級~準2級程度の筆記+面接

2月2日午後には英語入試も実施されます。英語筆記試験は100点で、難易度はおおむね英検3級から準2級程度。その後、5~10分程度の英語面接があります。

また、2科・4科、新4科、適性検査、医学進学入試では英語資格を利用した加点制度があります。ただし、単純に資格を持つ全受験生の総得点へ一律加点する制度ではなく、合格ボーダーに届かなかった受験生のうち上位5%を対象に資格点を加える仕組みです。

英検の場合は級によって加点幅が決まり、医学進学、2科・4科、新4科・適性検査でそれぞれ加点方法が異なります。英語資格を持っている場合には、出願時に忘れず申請したい制度です。

2026年度は2月入試だけで延べ855名が受験

直近の2026年度入試では、2月に行われた各方式を合わせて延べ1,242名が出願、855名が受験、632名が合格しました。男女を合わせた数字で、同じ受験生が複数回受験した場合もそれぞれ数えられます。

主な入試の受験者数と合格者数を見ると、方式によって難しさにはかなり差があります。

2026年度入試受験者数合格者数実質倍率
2/1午前 2科15名7名約2.1倍
2/1午前 4科37名30名約1.2倍
2/1午前 適性検査247名217名約1.1倍
2/1午後 医学進学62名11名約5.6倍
2/2午後 新4科特別総合85名54名約1.6倍
2/4午前 4科43名35名約1.2倍
2/4午後 医学進学80名18名約4.4倍

医学進学入試については、この合格者数とは別に本科へのスライド合格者がいます。したがって「医学進学コースには届かなかったら即不合格」という倍率ではありません。一方、医学進学コースそのものへの合格を見ると、通常の本科入試より明らかに狭い入口です。

四谷大塚80%偏差値は本科と医学進学で差がある

2027年入試に対応した四谷大塚のAライン80偏差値では、主な入試について次の水準が示されています。

入試四谷大塚 Aライン80偏差値
2月1日 本科41
2月1日 医学進学47
2月2日 新4科特別総合43
2月4日 本科43
2月4日 医学進学47
適性検査型42

医学進学コースは本科より一段高い水準になっています。

なお、偏差値は模試会社によって母集団と尺度が違います。首都圏模試と四谷大塚の数字をそのまま横に並べて「どちらが正しい」と考えるものではありません。自分が継続して受けている模試の中で位置を確認する方が実用的です。

一度の受験料で複数回受験できる

2027年度の受験料は通常22,000円です。最初の出願時に22,000円を支払えば、複数回受験しても追加の受験料はかかりません。

適性検査型だけに最初に出願する場合は12,000円で、その後ほかの入試にも出願する場合は10,000円を追加します。

2月1日に受験して結果が思うようにいかなかった場合でも、2日、4日と受験機会を残せます。入試方式そのものも複数あるため、同じ学校を受け直す場合でも「同じ試験を三度受ける」という形に限られません。

理数インターの入試は数が多く、最初に一覧を見ると少々迷路のようです。しかし中身を分けてみると、4教科で勝負する道、理数力で医学進学を狙う道、適性検査で受ける道、そして小学校時代に培ったものを言葉や行動で見せる道に整理できます。どの入試を選ぶかというところから、すでにこの学校との相性を見ることができます。

併願校パターン|2月1日午後も含めた受験日程を考える

理数インターは「どの回を本命にするか」で併願の形が変わる

順天堂大学系属理数インター中学校の併願を考えるときは、学校全体の偏差値だけを見るより、本科を目指すのか、医学進学コースを目指すのかを最初に分けた方が整理しやすくなります。

2027年度入試では、2月1日午前に本科の2科・4科、午後に医学進学入試や「理数インター」などの特色入試、2月2日にも複数の方式、2月4日には午前の本科入試と午後の医学進学入試があります。同じ学校の中だけでも複数回の受験機会を作れます。

さらに、共学校を中心に見ると、日本大学第二、東京電機大学、多摩大学目黒、城西大学附属城西などが日程上組み合わせやすい候補になります。1月に浦和実業学園などで合格を確保してから東京入試へ入る方法もあります。

本科を基準にした併願校の目安

以下は、理数インター本科を一つの基準として考えた場合の例です。模試の種類、受験回、男女、得意科目によって難度は動くため、固定的な序列ではありません。

位置づけ学校2027年度の主な入試日考え方
チャレンジ日本大学第二中学校2月1日午前・2月3日午前大学付属の選択肢を持ちながら、他大学進学も視野に入れやすい共学校。2027年度から2科受験も選択可能
チャレンジ~標準東京電機大学中学校2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午後理数系教育との相性を重視する家庭が比較しやすい共学校。複数回受験を組み込みやすい
標準順天堂大学系属理数インター中学校2月1日・2日・4日本科、医学進学、適性検査、特色入試など複数の入口がある
標準~安全多摩大学目黒中学校2月1日~4日を中心に複数回午前・午後の入試が多く、進学・特待特進の各入試を組み合わせやすい共学校
安全城西大学附属城西中学校2月1日午前・午後、2月2日、2月5日、2月7日2科・4科に加え英語資格型や適性検査型もあり、後半日程まで受験機会を残せる
1月の合格確保浦和実業学園中学校1月10日・11日・12日・15日・19日・24日東京入試前に本番経験と合格を確保する候補。4科・2科・適性検査・英語など入試方式も多い

ここでいう「安全校」は合格を保証する学校という意味ではありません。過去問の得点状況や模試成績によっては、表の位置づけを一段ずつ動かす必要があります。特に午後入試や特待選抜は、同じ学校でも午前入試より受験者層が上がることがあります。

パターン1|理数インター本科を第一志望にする

本科への入学を優先するなら、2月1日午前から理数インターを受験し、結果を見ながら2日、4日へつなぐ形が考えやすくなります。

日程受験例
1月浦和実業学園などで合格を確保
2月1日午前順天堂大学系属理数インター 第1回2科・4科
2月1日午後理数インターの特色入試、または他校午後入試
2月2日東京電機大学、多摩大学目黒など
2月3日日本大学第二 第2回など
2月4日午前順天堂大学系属理数インター 第2回2科・4科

理数インターは複数回受験しても追加受験料がかからないため、第一志望であれば2月1日と4日の両方を予定に入れておく方法があります。

2月1日の結果が良ければ2日以降をチャレンジ校へ振ることができ、反対に合格を得られなければ4日にもう一度本科を受験できます。最初から一つの固定日程を作るより、1日夜の結果によって翌日以降を分岐させる方が実戦的です。

パターン2|医学進学コースを第一志望にする

医学進学コースを目指す場合は、日程の組み方が少し変わります。2027年度は2月1日午後と2月4日午後に医学進学入試があり、算数・理科の2科で選抜されます。

日程受験例
1月浦和実業学園などで合格を確保
2月1日午前理数インター 第1回4科入試、またはチャレンジ校
2月1日午後理数インター 第1回医学進学入試
2月2日東京電機大学など理数系教育を重視する共学校
2月3日日本大学第二 第2回など
2月4日午前理数インター 第2回2科・4科
2月4日午後理数インター 第2回医学進学入試

2月1日と4日は、午前に本科、午後に医学進学という同一校での午前・午後受験が可能です。医学進学入試では本科へのスライド合格もあるため、「医学進学コースには届かなかったが理数インターには合格する」という結果もあり得ます。

ただし、午前と午後で連続して試験を受ける一日は、小学生にとってかなり長くなります。制度上受験できることと、本人が最後まで普段通り考えられることは別の話です。過去問演習の時期には、午後まで集中力が続くかも見ておきたいところです。

日本大学第二は2月1日と3日に置ける共学付属校

日本大学第二中学校は、同じ杉並・中野周辺から検討しやすい共学校です。2027年度は2月1日午前と2月3日午前に入試を実施し、各回で2科または4科を選択できるようになります。

理数インターとは学校の性格がかなり違います。順天堂大学との系属関係を持ちながら外部大学受験を基本とする理数インターに対して、日本大学第二には日本大学への内部推薦という選択肢があります。

「大学まで一定の進路を確保できる学校」と「探究や大学受験を軸に進路を広く考える学校」のどちらに惹かれるか。併願して実際に両校へ足を運ぶと、偏差値以外の違いも見えやすい組み合わせです。

東京電機大学中は理数好きなら比較しておきたい

東京電機大学中学校は、2027年度に2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午後の4回入試を行います。

2月1日午後は国語または算数の1科入試、2月4日午後は国語・算数・理科・社会から得意な2教科を選ぶ方式です。一般的な4科入試とは違った受け方ができるので、算数など明確な得意科目を持つ受験生には選択肢が広がります。

学校名の通り東京電機大学とのつながりがありますが、卒業後は他大学へ進む生徒も多く、理系教育への関心という点で理数インターと比較しやすい学校です。

多摩大学目黒は午後入試を組み込みやすい

多摩大学目黒中学校は2027年度も複数回入試を設定しており、2月1日・2日には午前の進学入試と午後の特待・特進入試があります。2月3日午後、2月4日にも受験機会があります。

午前に第一志望校を受験し、午後に多摩大学目黒を受ける形も作れます。ただし午後の特待・特進入試は、一般の進学入試と同じ難度とは限りません。「安全校として学校名を選んだのに、難しい入試回ばかり受けている」ということがないよう、受験回まで含めて考える必要があります。

1月校を一つ持つと、2月1日の意味が変わる

埼玉方面への通学が可能なら、浦和実業学園中学校も1月校として検討できます。2027年度は1月10日から24日まで複数の入試があり、4科、2科、適性検査、英語などから選択できます。

1月に通学可能な学校から合格を得ていれば、2月1日は「ここで必ず一校取らなければならない日」ではなくなります。理数インター医学進学コースや一段上の学校にも、多少余裕を持って挑戦できます。

いわゆるお試し受験として合格だけを取りに行くのではなく、実際に進学する可能性がある学校を選んでおくことが大切です。2月の結果次第では、本当にその学校へ進むことになるからです。

最後は偏差値より「6年間の違い」を比べたい

このあたりの偏差値帯には、大学付属校、大学系属校、進学校、理数教育を重視する学校が混在しています。同じ模試で数ポイントしか違わなくても、6年間の進路設計はかなり違います。

理数インターを併願に入れる家庭なら、探究やプレゼンテーションを日常的に行いたいのか、医学進学コースに関心があるのか、大学付属の内部進学制度を重視するのか、理工系教育に惹かれるのかまで考えて学校を並べると、併願校が単なる「偏差値の上下」ではなくなります。

そして安全校については、模試で十分な余裕があることに加え、過去問で安定して合格点を取れている学校を最低1校は持っておきたいところです。受験日程表を完成させるのは偏差値表を見た日ではなく、秋以降に過去問との相性が見えてからでも遅くありません。

在校生・保護者の声|「生徒主体」の自由さと、自分から動くことを求められる校風

「生徒が動けば、学校も動く」という感覚

理数インターが掲げる学校像は、「プレイヤーは生徒、教員はコーチ」というものです。これは学校案内の言葉だけを見ると少し抽象的ですが、生徒の活動を見ると具体像が見えてきます。

過去には、生徒会の生徒が食堂のリニューアルに関わり、利用者アンケートをもとに業者と交渉してメニューを追加した例があります。国際交流会を自ら企画し、教員へ提案して実現させた卒業生もいます。2026年度からの新制服でも、生徒が企画段階から参加しました。

学校側がすべてを準備して、生徒はそこへ参加するだけというより、「やりたいことがあるなら、理由と計画を持って提案してみる」余地のある学校です。

共学校らしい人間関係を楽しむ声が目立つ

在校生による口コミでは、学校生活について「楽しい」という感想とともに、男女の距離が近いこと、さまざまなタイプの生徒がいることを肯定的に受け止める声が見られます。

理数インターの中学入試には4科、適性検査、英語、プレゼンテーション、グループワークなど複数の入口があります。そのため、入学前に積んできた経験も一様ではありません。4科受験を続けてきた生徒、英語を得意とする生徒、スポーツや芸術に取り組んできた生徒などが同じ学年で生活します。

最近の在校生の声にも、「生徒が画一的ではない」「静かな子も元気な子もいる」といった趣旨の記述があります。全員が同じ雰囲気の学校というより、少し違うものを持った相手と一緒に過ごすことを前提とした共学校と考えた方が近そうです。

先生との距離は「待っていれば全部やってくれる」とは少し違う

先生についての評価は、口コミを見るとかなり幅があります。気さくで相談しやすい、質問すれば丁寧に対応してもらえるという声がある一方、学習面では自分から質問へ行く必要がある、教員によって対応に差を感じるという声もあります。

このばらつきは、学校が掲げる「教員はコーチ」という考え方とも無関係ではなさそうです。中学1・2年では学習習慣を整えるための指導を行いますが、学年が上がるにつれて、何を勉強するか、自分に何が足りないかを本人が考える方向へ移ります。

何も言わなくても教師が先回りして課題を管理してくれる学校を期待すると、物足りなく感じる場面があるかもしれません。反対に、自分から質問したり相談したりしたときに、それを受け止めてもらえる環境を使っていける子には馴染みやすいでしょう。

学習面は「本人次第」という声もある

学習環境についても評価は一方向ではありません。在校生・保護者の口コミには、英検対策や教員への質問のしやすさを評価するものがある一方、「意欲がなければ置いていかれやすい」「もっと細かく提出物まで追ってほしい」と感じる声もあります。

理数インターの本科は、中学段階でむやみに高校内容へ先取りするのではなく、主要5教科に多くの授業時間を割いて基礎を深く学ぶカリキュラムです。ただし、授業時間が多いことと、本人が何もしなくても学力が伸びることは同じではありません。

入試方式が多い分、入学時の得意分野や学力には幅があります。中学3年からはクラス編成も変わり、医学進学・GL・ALなど特定分野を先取りする生徒もいます。周囲と同じことをしていれば自然に同じ進度になる学校ではない、という点は理解しておいた方がよさそうです。

行事や学校づくりに関わりたい生徒には出番がある

学校生活については、体育祭、宝仙祭、合唱祭などでクラスや生徒会が動く場面があります。部活動でも、演劇部が脚本づくりから関わったり、ダンス部で生徒が振付を考えたりと、生徒自身が制作する活動が見られます。

卒業生の中には、中学時代に合唱祭へ打ち込み、さらに自分で考えた企画を教員へ持ち込んだ経験を振り返る人もいます。食堂や制服のリニューアルまで生徒の提案対象になる学校なので、授業以外でも「こうしたい」を言葉にできる生徒には機会があります。

反対に、学校行事は先生が完成形まで用意してくれるもの、生徒はそれを楽しめればよい、と考えるタイプとは少し感覚が違うかもしれません。

部活動は学校生活の「全部」にはならない

部活動については、楽しんでいるという声がある一方、活動日数や運動施設の広さを物足りなく感じる口コミもあります。

これは§6で見た通り、理数インターが部活動に学校生活のすべてを寄せる学校ではないこととも関係します。授業、探究、英語、行事、家庭学習を含めて一週間を組み立てるため、運動部を毎日長時間続けたい生徒にとっては、学校選びの段階で活動環境を確認しておいた方がよいでしょう。

文化系の活動や、生徒会、探究、プレゼンテーションなども含めて「放課後に何をするか」を考えたい生徒には選択肢があります。

口コミの評価が割れること自体、この学校を少し表している

理数インターの口コミを読むと、学校生活をかなり楽しんでいる生徒がいる一方、先生の対応や学習管理、施設などに不満を持つ声もあります。全員が同じ理由で高く評価している学校ではありません。

ただ、その評価の違いを見ていくと一つの傾向があります。生徒が自分で動くことを肯定的に捉える人は、学校の自由度や先生との距離、生徒主体の活動を評価しやすい。一方、学校側からの細かな管理や均一な指導を期待する人には、同じ環境が物足りなく映ることがあります。

これは良し悪しというより、学校との相性の問題です。

理数インターは「自由だから何をしてもよい」という学校ではなく、自分で考え、自分から人と関わり、自分の行動に少しずつ責任を持つことを求める学校です。説明会では教育制度を見るだけでなく、宝仙祭などで実際の生徒同士のやり取りや先生との距離感を見ておくと、パンフレットだけでは分からない校風がつかみやすくなります。

この学校に向いている子の特徴|「考えて伝える」ことを楽しめる子

正解を覚えるだけでなく、自分の考えを言葉にしたい子

理数インターとの相性を考えるうえで、まず見たいのは「考えたことを人に伝える」ことへの抵抗感です。

独自教科「理数インター」では、グループワークやプレゼンテーションを通して、答えの一つに決まらない問いに向き合います。英語でも中学1年から発表する機会があり、文化祭や探究発表など、授業外にも人前で表現する場があります。

入学時から話すのが得意である必要はありません。ただ、「自分はこう思う」と言ってみること、相手の意見を聞いて考え直すことを面白いと思える子には、6年間で使う力と学校の教育がよく重なります。

数学・理科が好きで、その先まで掘り下げたい子

校名の「理数インター」は理系専門校という意味ではありませんが、数学・理科に関心のある子が力を伸ばせる環境はあります。

本科では中学内容を急いで先取りするより、授業時間を確保して理解を深めます。医学進学コースでは数学・理科を取り出して先取り・発展学習へ進み、実験や探究にも取り組みます。

問題集の正解を出すことだけで満足せず、「なぜそうなるのか」「別の方法はないか」と考えることが好きな子なら、教科学習と探究の両方を使いやすいでしょう。

医学・医療への関心を中学生のうちから確かめたい子

医師を目指している家庭にとっては、2025年度から始まった医学進学コースが大きな選択肢になります。

ただし、「順天堂大学系属校だから医学部へ進みやすそう」という理由だけで選ぶコースではありません。数学・理科の先取り学習に加え、「医師志望論」では生命倫理や医療をめぐる課題に触れながら、なぜ医師を目指すのかまで考えます。

小学生の段階で将来を完全に決めている必要はありません。医療や人体、生命科学に関心があり、実際に学びながら「自分は本当にこの道へ進みたいのか」を確かめたい子にも意味のある環境です。

英語を「教科」から「使うもの」へ広げたい子

中学では英語を週7時間学び、日本人教員とネイティブ教員の授業があります。英語プレゼンテーションに加え、中3ではシンガポール・マレーシアへの修学旅行、高2ではオーストラリア研修が予定されています。

GLコースやALコースを選べば、さらに英語学習の比重を高めることもできます。

英検の級を上げることだけを目的にするより、覚えた英語を実際に使って人とつながりたい子の方が、この学校の国際教育を活かしやすくなります。

細かく管理されるより、自分で動けるようになりたい子

理数インターでは、中学1・2年では学習習慣や生活習慣を整えながら、学年が上がるにつれて自分で計画を立てる比重を増やしていきます。高校3年の春合宿では、講義を受け続けるのではなく、自学自習の時間を中心に自分の受験勉強を組み立てます。

教員が何から何まで先回りして管理してくれる環境を希望する家庭とは、少し相性を見た方がよいでしょう。

一方で、分からないことがあれば質問する、興味のあることがあれば提案する、自分の予定を少しずつ自分で管理する。そうした力を中学から徐々に身につけたい子には合いやすい学校です。

学校行事や企画に「参加する側」以上に関わりたい子

体育祭や宝仙祭を楽しむだけなら、多くの学校でできます。理数インターで目につくのは、生徒が学校そのものをつくる側へ回る機会があることです。

食堂のリニューアルや新制服の企画に生徒が関わった例があり、部活動でも脚本、振付、選曲などを生徒自身が担います。自分のアイデアを形にすることが好きな子には、授業外にも出番があります。

「こうだったら面白そう」と考えるだけで終わらず、それを人に説明して実現させてみたい子には、かなり相性のよい校風です。

部活動一色ではなく、いろいろなことをやりたい子

部活動は週3日程度を基本としています。毎日長時間練習し、部活動を学校生活の中心に置きたい生徒には物足りない可能性があります。

反対に、部活動もしたい、探究もしたい、英語にも時間を使いたい、定期考査の勉強もきちんと進めたいという子には、この活動頻度が使いやすくなります。

中野坂上駅から徒歩3分という立地も含め、放課後まで一つの活動に全てを振り切るより、一日の中で複数のことを組み合わせたい生徒に向いた学校生活です。

変化のある学校を面白がれる子

理数インターは2007年に始まり、2024年に順天堂大学の系属校となり、2025年度には医学進学コース、2026年度には新制服が始まりました。現在も教育制度が動いている学校です。

長年ほとんど変わらない仕組みや伝統を好む家庭とは、学校を見る視点が少し違うかもしれません。一方、「学校も時代に合わせて変わっていくものだ」と考え、新しい制度や教育を面白がれる家庭には馴染みやすいでしょう。

理数インターに向いているのは、完成された答えを受け取るより、自分で考え、人と関わりながら次の答えを作っていくことを楽しめる子です。医学、英語、探究、部活動のどれを選ぶとしても、その姿勢が6年間のさまざまな場面で求められます。

まとめ|進学校の学力と探究文化、医学への道が交わる6年間

順天堂大学系属理数インター中学校を理解するうえで、まず押さえておきたいのは、「順天堂大学の系属校」であることだけが学校の特徴ではないという点です。

2007年に始まった共学部「理数インター」は、物事を筋道立てて考え、人と対話し、自分の考えを表現することを教育の中心に置いてきました。独自教科「理数インター」、グループワーク、プレゼンテーション、探究活動、多彩な入試方式まで、学校のさまざまな場面にその考え方が表れています。

その学校に2024年から順天堂大学との系属関係が加わり、2025年度には医学進学コースが始まりました。数学・理科を発展的に学びながら、「医師志望論」で医療や生命倫理について考える。医学部合格だけを見据えるのではなく、「なぜ医師を目指すのか」まで中高生のうちから考える設計です。

一方、本科では中学内容を急いで先取りすることより、主要教科をしっかり学ぶ時間が取られています。英語は週7時間あり、海外研修も中3、高2と段階的に用意されています。部活動は週3日程度を基本とし、探究、行事、学習、課外活動を一週間の中で組み合わせていく学校生活になります。

学校そのものにも動きがあります。順天堂大学との系属、医学進学・GL・ALといったコース、新制服など、ここ数年だけでも制度は大きく変わりました。約100年の歴史を持つ宝仙学園の中にありながら、理数インターは現在も形を変え続けている学校です。

そのため、決められた仕組みの中で同じことを続けるより、新しいものに触れ、自分で考え、人と話しながら何かを作ることを楽しめる子に向いています。反対に、学習も学校生活も細かく管理してほしい家庭や、部活動を毎日の中心に置きたい生徒は、実際の学校生活との相性を確認しておいた方がよいでしょう。

中野坂上駅から徒歩3分という立地、共学校としての人間関係、探究とプレゼンテーションを重ねる授業、海外研修、そして医学への新しい進路。これらのどこかに本人が「ちょっと面白そう」と反応するなら、説明会だけでなく宝仙祭など、生徒が実際に動いている日に学校を訪れてみるとよいでしょう。

パンフレットで読む「生徒主体」という言葉より、教室や廊下で生徒がどんなふうに話し、先生とどう関わり、自分たちの学校をどう使っているのか。その様子を見た方が、理数インターで過ごす6年間はずっと具体的に見えてきます。

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