- 学校の概要|「強健・厳正・勤勉」を掲げる男子完全中高一貫校
- アクセスと立地環境|巣鴨駅徒歩3分、駒込にも近い6年間の通学環境
- 教育方針とカリキュラム|基礎を固めながら「自学自習」へ進む6年間
- 学習環境と施設設備|一人で集中する場所と、仲間と学ぶ場所を使い分ける
- 学校生活と行事|体育祭・本郷祭から宿泊行事まで、学校の外へ広がる経験
- クラブ活動|週3日を基本に、放課後を濃く使う
- 進学実績と卒業後の進路|東大23名、難関大進学を支える高校3年間
- 学費や諸経費について|初年度だけでなく6年間の費用を見通す
- 入試情報と合格の目安|3回入試は同じ4科でも難度の見え方が変わる
- 併願校パターン|男子難関進学校の受験日程を組み立てる
- 在校生・保護者の声|活気のある男子校で、自分なりの居場所を見つける
- この学校に向いている子の特徴|「任される」前に基礎を積み上げられる子
- まとめ|「自学自習」を6年間かけて身につける男子進学校
学校の概要|「強健・厳正・勤勉」を掲げる男子完全中高一貫校
本郷中学校は、東京都豊島区駒込にある私立男子校です。1923年に開校し、2021年度から高校募集を停止。現在は、中学入学から高校卒業まで同じ学年集団を基本として6年間を過ごす完全中高一貫校となっています。
| 学校名 | 本郷中学校・高等学校 |
|---|---|
| 設置者 | 学校法人本郷学園 |
| 所在地 | 東京都豊島区駒込4-11-1 |
| 区分 | 私立・男子校 |
| 中高一貫の形態 | 完全中高一貫校(高校募集なし) |
| 創立 | 1923年 |
| 建学の精神 | 個性を尊重した教育を通して国家有為の人材を育成する |
| 教育目標 | 強健・厳正・勤勉 |
| 教育方針 | 文武両道・自学自習・生活習慣の確立 |
駒込にあるのに、なぜ「本郷」なのか
学校の所在地は豊島区駒込で、最寄り駅も巣鴨駅と駒込駅。それでも校名は「本郷」です。
この少し不思議な名前には、学校の創立事情が残っています。創立者の松平賴壽は旧高松藩松平家の当主で、のちに貴族院議長も務めた人物です。当時、本郷区の教育会長でもあった松平は、中学校不足を背景として本郷区内への学校設置を計画しました。
ところが、本郷区内には適当な土地が見つかりませんでした。そこで、松平家の染井邸の一部だった現在の駒込の土地に校舎を建設します。本郷区の人々から多くの寄付を受けて学校が誕生した経緯もあり、所在地が変わっても「本郷中学校」という名が残りました。
「本郷」という校名は地名をそのまま付けたものではなく、学校をつくろうとした地域と人々の歴史を背負った名前ということになります。
100年を超える歴史は、一直線ではない
本郷中学校は1923年に開校しましたが、現在まで同じ形で続いてきたわけではありません。戦後の学制改革を経て、1958年には一度、中学校の生徒募集を停止。高校では工業課程や理数科を設置した時期もありました。
現在につながる中学校が再開したのは1988年です。その後は中高一貫教育を整備し、2003年には数学の基礎力を確認する「本郷数学基礎学力検定試験(本数検)」を開始。2010年には「本郷英単語力検定試験(本単検)」も始まりました。
そして2020年2月を最後に高校入試を終了し、2021年度から高校募集を停止しました。現在の本郷は、中学から入学した生徒を6年間かけて育てる学校へと一本化されています。学園は2022年に創立100周年を迎えました。
「強健・厳正・勤勉」を学校生活へ落とし込む
本郷の建学の精神は、「個性を尊重した教育を通して国家有為の人材を育成する」。教育目標には「強健・厳正・勤勉」の三つを掲げています。
- 強健:心身ともに健やかで、困難に耐えられること
- 厳正:自分に厳しく、中正な判断ができること
- 勤勉:責任を重んじ、自分の務めに誠実に取り組むこと
言葉だけを見ると、創立100年を超える男子校らしい硬派な響きがあります。一方、現在の教育方針として学校が示しているのは、「文武両道」「自学自習」「生活習慣の確立」です。
ここでいう「自学自習」は、生徒にすべてを任せるという意味ではありません。中学では基礎学力を確認する学校独自の検定や指名補習を設け、学習習慣をつくったうえで、少しずつ自分で学ぶ段階へ移していきます。中3の卒業論文や高校での進路別学習まで含めると、6年間を通じて「自分で考えて、自分で動けるようになる」という方向性がかなり明確です。
一方で、本郷を勉強中心の進学校とだけ捉えると学校像を見誤ります。人工芝グラウンドを使った運動部活動、体育祭、本郷祭、マラソン大会や百人一首大会など、身体を動かしたり仲間と競ったりする場面も多い学校です。「文武両道」は標語として掲げられているというより、日々の時間の使い方そのものに組み込まれています。
大学受験へ向けて高い学力を求めながら、中学生の段階では生活習慣や基礎学力から積み上げる。本郷の6年間を見ると、華やかな一発逆転よりも、毎日の積み重ねをかなり重く見る学校であることが分かります。
アクセスと立地環境|巣鴨駅徒歩3分、駒込にも近い6年間の通学環境
本郷中学校は東京都豊島区駒込4丁目にあり、最寄りはJR山手線・都営三田線の巣鴨駅から徒歩3分。JR山手線・東京メトロ南北線の駒込駅からも徒歩7分です。
| 最寄り駅 | 利用路線 | 学校まで |
|---|---|---|
| 巣鴨駅 | JR山手線・都営地下鉄三田線 | 徒歩3分 |
| 駒込駅 | JR山手線・東京メトロ南北線 | 徒歩7分 |
巣鴨駅から徒歩3分という距離
駅から学校までは、巣鴨駅を利用すれば徒歩3分。学校選びでは偏差値や大学実績ほど目立たない数字ですが、6年間ほぼ毎日通うことを考えると、この短さは無視できません。
朝の登校はもちろん、部活動を終えて夕方に帰る日、雨の日、荷物の多い日にも、駅まで長い距離を歩かずに済みます。中学生のうちは保護者が通学時間を気にする場面も多く、高校生になると今度は放課後の活動や学習時間との兼ね合いが出てきます。駅から学校までの数分は、一日だけなら小さな差でも、6年間ではかなりの時間になります。
巣鴨駅ではJR山手線と都営三田線を利用できます。山手線で池袋・新宿方面へつながるほか、三田線を使えば都心方向からの通学にも対応しやすく、通学経路を組みやすい立地です。
駒込駅も使えるため、南北線沿線からも通いやすい
もう一つの最寄り駅が駒込駅です。こちらは学校まで徒歩7分で、JR山手線に加えて東京メトロ南北線が利用できます。
南北線は飯田橋・永田町・麻布十番・目黒方面へつながっているため、山手線沿線だけを通学圏として考える必要はありません。自宅の場所によって巣鴨駅と駒込駅を使い分けられるのも、本郷の立地を考えるうえで重要な点です。
二つの駅、三つの鉄道路線を利用できるため、事故や運休などで普段の経路が使いにくい日に別ルートを検討しやすいという面もあります。
都心の駅近と、広いグラウンドが同居する
本郷の校地は、巣鴨駅と駒込駅の間にある住宅地の一角にあります。駅前の繁華な場所に校舎が建っているというより、駅から数分歩くと学校のキャンパスが現れる立地です。
そして、この場所で学校生活を考えると少し面白いのが、駅から徒歩3分の都心立地でありながら、ラグビーやサッカーの公式試合にも使える人工芝グラウンドを校内に持っていることです。校舎の間には中庭もあり、体育やクラブ活動に使われています。
本郷では「文武両道」を教育方針の一つに掲げていますが、放課後に遠くの外部施設へ移動しなくても、学校の中でそのままグラウンドへ出られる環境があります。駅への近さと運動できる校地の広さが同時にあることは、授業、部活動、帰宅までを一日の流れとして考えたときに効いてきます。
教育方針とカリキュラム|基礎を固めながら「自学自習」へ進む6年間
本郷が教育方針の一つに掲げているのが「自学自習」です。ただし、中学入学直後から「自分でやりなさい」と突き放す教育ではありません。授業、学校独自の検定、補習、学年を越えた合同授業などを通して学習の型をつくり、その先で自分の課題を見つけ、自分で計画して学べる状態へ移していきます。
6年間のカリキュラムにも、この順序がよく表れています。中学校では基礎学力の定着を重視しながら授業を速いペースで進め、中学2年終了までに国語・数学・英語の中学課程をほぼ修了。高校では大学受験を見据えた学習へ段階的に移行し、高校3年では演習科目の比重が高まります。
先取りするからこそ、理解の穴を残さない
進学校の先取り学習では、授業についていける生徒には快適でも、一度つまずくとその差が広がりやすいという問題があります。本郷では、進度を上げる一方で、理解の抜けを確認する仕組みをかなり細かく置いています。
その代表が、数学の「本数検」です。正式には「本郷数学基礎学力検定試験」で、中学1年から高校2年まで必修。長期休暇明けに実施され、生徒は休暇中に自分で目標を設定して準備します。
英語にも「本単検」(本郷英単語基礎学力検定試験)があり、授業で扱う語彙を着実に積み上げていきます。こちらも長期休暇と学習を結びつけ、自分で準備して試験に臨む仕組みです。
さらに、中学課程の数学・英語をほぼ学び終えた段階では「中学基礎学力試験」を実施します。先へ進むことそのものを目的にせず、既習内容に積み残しがないかを一度立ち止まって確認してから高校内容へ向かいます。
成績が一定水準に届かなければ補習へ
定期考査も、単に順位を出すためのものではありません。中学では、定期考査の成績が規定の水準に達していない生徒を対象に補習を行います。基準は原則として考査平均点の60%未満で、教科に応じて授業形式、テスト形式、レポート提出など方法を変えています。
中学1年の英語では夏休み中にも補習を設定するなど、入学直後の段階から基礎を放置しない体制です。
本郷の「自学自習」は、こうした仕組みとセットになっています。まず一定の学習習慣と基礎学力を学校側が確認し、そのうえで自分で勉強を管理する範囲を広げていく。自由に学ばせる前に、自由に学べるだけの足腰をつくる発想です。
中2が中1に数学を教える「合同授業」
本郷らしい取り組みの一つが、中学2年生と中学1年生による数学合同授業です。
年3〜4回、中2の生徒が中1の後輩と5〜6人ほどのグループをつくり、数学の学習方法について話し合います。本数検に向けた勉強の仕方や答案の作り方、普段どのように学習時間を確保しているか、部活動と勉強をどう組み合わせているか、といった内容も扱います。
教師から「こう勉強しなさい」と言われるのとは少し違います。1年前に同じところで苦労した先輩から具体的な話を聞ける。そして中2側も、人に説明するためには自分の勉強方法を言葉にしなければなりません。
学習方法そのものを先輩から後輩へ受け渡していく仕組みになっており、男子校の先輩・後輩関係が授業の中にも入っています。
英語は単語の積み上げと「使う時間」の双方を置く
英語はアルファベットの読み書きから始め、読む・書く・聞く・話すの4技能を段階的に伸ばします。
中学では通常授業に加えてネイティブ教員による英会話を行い、中学3年ではオンライン英会話も導入。学年に応じたスピーチコンテストも実施されています。
一方で、本単検を使って語彙を繰り返し確認します。会話やプレゼンテーションだけに寄せず、その材料になる単語や英文理解も地道に積み上げる構成です。高校では、より高度な英文を論理的に読み、自分の意見を英語で表現するところまで進みます。
中3では約1年間かけて卒業論文を書く
中学校3年間の終盤には、卒業論文があります。生徒一人ひとりがテーマを決め、約1年間かけて調査し、文章にまとめます。
1学期に担任と相談しながら研究テーマを決め、夏休みには初稿を提出。その後、内容を練り直しながら論文として完成させていきます。
テーマを与えられて正解を求める問題とは違い、「何を調べるのか」から自分で決めなくてはなりません。中1・中2で基礎学力や学習習慣を積み上げてきたあと、中3では自分の関心を一つの成果物へまとめる。本郷の中学校課程は、この卒業論文で一つの区切りを迎えます。
高校では特進コースと進学コースへ
高校では、進路に応じて「特進コース」と「進学コース」に分かれます。
| コース | 主な方向性 | 学習の特徴 |
|---|---|---|
| 特進コース | 東京大学・京都大学・一橋大学・東京科学大学など最難関国立大学を目標 | 国立大学受験に必要な6教科8科目を中心に学び、高2から受験科目に応じたクラス編成を行う |
| 進学コース | 国公立大学・難関私立大学など幅広い進路に対応 | 高3では教科別演習講座を時間割内に組み込み、数学の一部で習熟度別授業、英語では少人数授業も行う |
特進コースは希望と成績によって編成され、高2から大学入試の受験型を意識した授業へ入ります。進学コースも一律の授業だけではなく、高3では必要な演習を選びながら受験準備を進めます。
中学では学校側が基礎を細かく確認し、高校へ進むにつれて自分の志望や必要科目に応じて選択する範囲が広がる。6年間を通して見ると、本郷の「自学自習」は入学時に求められる完成形ではなく、学校生活の中で徐々に身につけていくものとして設計されています。
学習環境と施設設備|一人で集中する場所と、仲間と学ぶ場所を使い分ける
本郷の校舎は大きく6棟に分かれています。都心の学校ですが、人工芝グラウンド、体育館、柔道場・剣道場、理科実験室、図書室、自習室、ラーニング・コモンズ、カフェテリアなどを校内に備えています。
施設を見ていくと、本郷が掲げる「文武両道」と「自学自習」がそのまま空間になっていることが分かります。一人で黙々と勉強したいときと、友人と相談しながら考えたいときでは、使う場所が違います。
静かな自習室と、「話せる自習室」
6号館2階の自習室は、中学生用と高校生用のスペースに分かれており、一人で集中して勉強するための場所として使われています。平常授業日には朝7時から利用できるため、登校時間を少し早めて勉強してから朝のホームルームへ向かうこともできます。放課後にも利用可能です。
これとは性格が違うのが、2号館2階にあるラーニング・コモンズです。
こちらは学校自身が「話せる自習室」と位置づけており、友人同士で問題を出し合ったり、分からないところを教え合ったりできます。プレゼンテーション、グループワーク、部活動のミーティングにも使われ、授業でグループ学習を行うこともあります。
「自習スペースがある」というだけなら珍しくありません。本郷では、静かに一人で考える場所と、声を出して仲間と考える場所を最初から分けています。§3で触れた数学合同授業などを含め、本郷の学習には「自分でやる」と「人に説明する」の両方があります。
図書室はラーニング・コモンズのすぐ隣
図書室も2号館2階にあります。ラーニング・コモンズと隣接しているため、本を調べて終わるのではなく、そのまま資料を使って話し合ったり、調べ学習を進めたりしやすい配置です。
中学3年では約1年間かけて卒業論文を書くため、図書室は日常の読書だけに使う施設でもありません。テーマを決め、自分で資料を探して文章にまとめていく段階では、こうした場所が学習の作業場になります。
Chromebookは入学時に用意する
本郷では、生徒が学習に使うChromebookを入学時に購入します。2026年時点の学校の諸費用案内にも、初年度費用としてChromebook代が設定されています。
校内には端末を持ち歩く環境とは別に、5号館3階に第1・第2コンピューター室があり、計85台のパソコンを設置。授業に加えて放課後にも使用できます。
ICT機器を使うこと自体を教育の看板にする学校ではありませんが、日常の学習道具として端末を持ち、その一方で図書室、ノート、対面での話し合いも使う。本郷ではデジタルだけに寄せず、目的によって道具を選ぶ形です。
理科は4つの専門教室で実験する
3号館には、生物地学室、物理室、化学室、中学理科室という4つの理科系専門教室があります。
中学校段階から実験を行う場所が独立しており、高校へ進んで物理・化学・生物などの内容が専門化してからも同じ校内で学び続けます。
4号館には技術室、美術室、工芸室もあります。技術室には木材などを切断するパネルソーが設置されており、技術・家庭科や芸術科目も専用設備を使って学びます。
人工芝グラウンドから武道場まで
本郷の校地で存在感があるのが人工芝グラウンドです。ラグビーやサッカーの公式試合にも対応できる広さがあり、体育や部活動に使われています。
さらに、バスケットボールコートを2面取れる永井体育館、中庭、多目的ホール、屋上のテニス・バレーボールコート、柔道場、剣道場、トレーニングルームがあります。
中学では体育の授業に加え、中2で柔道、中3で剣道を履修します。高校では柔道か剣道を選び、卒業までに段位取得を目指します。武道場は一部の部員だけが使う施設ではなく、学校の教育課程にも組み込まれています。
校内にプールはない
本郷にはプールがありません。ただし、水泳の授業そのものがないわけではなく、中学2年の1学期に近隣の東京スイミングセンターを利用して水泳授業を行います。実施回数は年度によって異なりますが、学校は6〜8回程度としています。
都心の校地ですべての施設を抱え込まず、必要な授業については近隣施設を利用する形です。
中学生の昼食は弁当が基本
6号館1階にはカフェテリアがあります。ただし、中学生と高校生では使い方が異なります。
| 時間帯 | 中学生の利用 |
|---|---|
| 月〜金曜日の昼休み | カフェテリアでの食事はせず、弁当持参または学校で弁当を注文 |
| 土曜日 | カフェテリアを利用可能 |
| 放課後 | カフェテリアを利用可能 |
したがって、中学生の平日の昼食は家庭からの弁当が基本になります。一方、毎日必ず弁当を用意しなければならないわけではなく、月曜から金曜には学校で弁当を注文できます。
放課後には中学生もカフェテリアを利用できるため、部活動や自習の前後に使うことができます。高校へ進むと平日の昼休みにもカフェテリアを利用でき、同じ施設でも6年間の途中で使い方が変わります。
約1,000人を収容する講堂と防災設備
2号館地下には約1,000人を収容できる講堂があります。学校行事や講演会などに使われ、可動席を収納すれば運動などにも対応できます。6号館には270人収容の視聴覚大教室があり、学年集会、進学講習、講演会、保護者会などに使われています。
防災面では、校内の建物はすべて耐震仕様です。生徒一人につき非常食、水、スペースブランケット、救急キットを防災倉庫に備蓄し、学校側でも食料、飲料水、発電機、簡易トイレなどを準備しています。2号館には停電時にも地下講堂の照明や換気などを最大32時間使用できる自家発電設備があります。
朝は自習室、授業では普通教室や実験室、昼休みにはグラウンド、放課後には部活動かラーニング・コモンズへ。本郷の施設は、見学時に眺めるための設備というより、生徒が一日の中でかなり頻繁に行き来する場所として配置されています。
学校生活と行事|体育祭・本郷祭から宿泊行事まで、学校の外へ広がる経験
本郷の学校生活は、授業と部活動だけで一週間が埋まっていくわけではありません。体育祭や本郷祭のように中高の生徒が大きく動く行事があり、中学では林間学校、修学旅行、百人一首大会、合唱コンクールなど、学年ごとの行事も組まれています。
年間予定を見ると、春に体育祭、夏に宿泊行事、秋に本郷祭と修学旅行、冬にマラソン大会や百人一首大会という流れです。勉強の区切りとなる定期考査の間に、性格の異なる行事が入っています。
| 時期 | 主な行事 |
|---|---|
| 4月 | 入学式、オリエンテーション(中1)、校外授業(中2・中3) |
| 5月 | 競技大会(中2・中3)、体育祭、中間考査 |
| 6月 | 生徒会選挙 |
| 7〜8月 | サマーセミナー、海外研修、林間学校(中2)など |
| 9月 | 本郷祭 |
| 10月 | 中間考査、修学旅行(中3) |
| 11月 | 生徒会選挙、情操教育、マラソン大会 |
| 12月 | 期末考査、スキー教室(中1希望者) |
| 1月 | 百人一首大会(中1)、寒稽古 |
| 2月 | 合唱コンクール(中学) |
中学生が主役になる体育祭
本郷の体育祭は校内の人工芝グラウンドで行われます。2026年度は5月19日に開催され、午前を中学、午後を高校として実施されました。
中高一貫校ではありますが、すべてを中高合同で進めるのではなく、中学生が自分たちの学年・チームの中で競技に取り組む時間が確保されています。受験生や一般来場者にも公開される行事なので、普段の説明会とは違う角度から生徒の様子を見ることができます。
本郷は「強健」を教育目標の一つに掲げています。校内に人工芝グラウンドを持ち、日常の体育や部活動だけでなく、学校行事でも身体を動かす。本郷の男子教育を理解するには、教室の授業と同じくらい、こうした場面を見ておきたいところです。
9月の「本郷祭」は学校全体が動く2日間
文化祭は「本郷祭」と呼ばれ、例年9月に開催されます。2026年度は9月26日・27日の2日間が予定されています。
教室企画、部活動の発表、展示、ステージ企画などが校内各所で行われます。普段は教室、実験室、グラウンド、自習室として使っている場所が、文化祭ではまったく違う表情になります。
本郷祭は受験生にとって学校を知る機会でもあります。授業見学では見えにくい、生徒同士の話し方、先輩と後輩の距離、企画を動かしている生徒の雰囲気などは、文化祭の方がよく分かることがあります。
男子校の文化祭というと少々荒々しいものを想像するかもしれませんが、研究系の文化部から運動部、有志企画まで内容は幅広く、学校全体を歩いて回ると本郷生の関心の広さが見えてきます。
夏の中2林間学校では、教室を離れて自然の中へ
中学2年では夏休みに林間学校があります。これまで長野県の車山高原などを舞台に、森林に関する体験、農作業や畜産体験、トレッキングなどが行われてきました。
都市部の学校で毎日を過ごしている生徒にとって、数日間まとまって自然の中で生活する行事です。友人と同じ部屋で過ごし、班単位で行動し、自分たちで協力しなければ進まない場面も増えます。
本郷では中1のオリエンテーションから始まり、中2の林間学校、中3の修学旅行へと、学年が上がるにつれて校外で過ごす経験も広がっていきます。
中3の修学旅行では、自分たちで動く時間もある
中学3年では秋に修学旅行を実施します。京都などを訪れ、寺社や文化施設を巡るだけでなく、班ごとに計画して行動する自主研修も取り入れられてきました。
決められた場所を先生について回るだけなら、それほど難しくありません。地図を確認し、時間を計算し、仲間と相談しながら次の場所へ向かうとなると話は変わります。中3という時期に、自分たちで判断して動く時間を置くことは、本郷が掲げる「自主自律」ともつながっています。
11月には全校でマラソン大会
秋にはマラソン大会があります。2025年度にも11月に実施されており、本郷では毎年続く学校行事の一つです。
走ることが得意な生徒だけの大会ではありません。それぞれが自分の目標を持って走り切る行事で、運動部に所属していない生徒も含めて参加します。
大学進学実績だけを見ると、本郷は学習色の強い進学校に見えます。しかし、体育祭、マラソン大会、武道の寒稽古まで年間予定に並んでいるところを見ると、「強健」という創立以来の言葉が現在の学校生活にもかなり具体的に残っています。
百人一首大会と合唱コンクールもある
身体を動かす行事ばかりではありません。中学1年の1月には百人一首大会があり、2月には中学生による合唱コンクールが行われます。
百人一首は国語で触れる古典の世界を、競技として身体感覚のあるものに変える行事です。合唱コンクールでは、運動競技とは別の形でクラス全員が一つのものを作ります。
体育祭で足の速い生徒が目立つこともあれば、文化祭で企画をまとめる生徒、百人一首で札を取る生徒、合唱でクラスを引っ張る生徒もいる。行事の種類が違えば、学校の中で前に出る生徒も変わります。
中1希望者には冬のスキー教室
12月には、中学1年生の希望者を対象としたスキー教室もあります。近年は長野県の湯ノ丸高原で実施されており、数日間の宿泊を伴います。
全員参加ではありませんが、中1の段階から友人と学校外へ出てまとまった時間を過ごせる機会です。部活動とは別の人間関係ができることもあり、入学してまだ1年に満たない時期に学年内の交流を広げる場にもなります。
夏休みは「休み」より、選択肢が増える時期
夏休みには林間学校のほか、サマーセミナー、部活動の合宿、English Camp、海外研修などが行われます。
海外研修は希望者を対象とするプログラムで、全員が同じ海外経験をする学校ではありません。一方、自分が参加したい活動を選び、普段の授業とは違う環境へ出ていく機会が複数用意されています。
定期考査、本数検、本単検などで学習の節目が多い本郷ですが、年間予定を追うと、学校生活が試験だけで進んでいくわけではないことが分かります。机に向かう時期と、クラスや学年で大きく動く時期。その切り替えを何度も経験しながら6年間を過ごします。
クラブ活動|週3日を基本に、放課後を濃く使う
本郷では、部活動への参加は義務ではありません。それでも中学生の加入率はここ数年98%以上。ほとんどの生徒にとって、放課後の部活動まで含めて一日の学校生活になっています。
一方、進学校らしく活動時間には明確な線が引かれています。中学生は原則として1回2時間、週3日以内、18時完全下校。大会や練習試合などを除けば、毎日遅くまで部活動を続ける形ではありません。
限られた時間の中で活動し、その後は自宅学習や校内の自習スペースへ切り替える。本郷の「文武両道」は、何でも長時間やるという意味ではなく、時間を区切ってそれぞれに集中する生活に近いものです。
人工芝グラウンドを使うラグビー・サッカー
運動部では、ラグビー部、サッカー部、陸上競技部、バスケットボール部、バレーボール部、軟式野球部、テニス部、卓球部、バドミントン部、剣道部、柔道部、合気道部など、多くの選択肢があります。
なかでも本郷の校風をよく表しているのが中学ラグビー部です。校内の人工芝グラウンドを使って練習し、中学1年生は入部当初、上級生とは分かれて基本的なスキルから学びます。経験者だけを集めた部ではなく、中学からラグビーを始める生徒も段階を踏んで競技に入っていけます。
春・秋・冬には大会があり、夏には合宿も実施。2024年には関東中学校ラグビーフットボール大会のBブロックで優勝しています。2026年には、元ニュージーランド代表主将のサム・ケイン選手が来校する機会もありました。
中学サッカー部も100人を超える規模で活動しており、平日は校内グラウンドや中庭、週末には公式戦やトレーニングマッチへ出ます。駅から徒歩3分の学校ですが、放課後にそのまま人工芝へ出て練習できる。この環境は、本郷の部活動を考えるうえでかなり大きな部分です。
陸上・柔道・バレーなど、2026年にも大会出場が続く
大会を目標に活動する部も少なくありません。2026年度には、中学陸上競技部が東京都総合体育大会で2種目に入賞し、中学柔道部は都大会への出場を決めています。中学バレーボール部も第4ブロック夏季大会から都大会へ進出しました。
ただ、運動部に入ることが必ずしも小学生時代からの競技経験を意味するわけではありません。柔道部では初心者が基礎から技を身につけ、合気道部や少林寺拳法部など、中学入学をきっかけに始めやすい武道系の部もあります。
体育の授業でも柔道・剣道に触れる本郷では、運動部の選択肢にも男子校らしい幅があります。
文化部は中高合同で活動するものが多い
本郷の「文武両道」でいう「武」は、学校自身が説明している通り、運動部だけを指すものではありません。文化部の活動も活発で、こちらは中学生と高校生が一緒に活動する部が多いのが特徴です。
科学部、地学部、生物部、マイコン部、鉄道研究部、社会部、囲碁将棋部、クイズ研究部、吹奏楽部、奇術部、日本文化部、ESS部、数学同好会などがあります。
中高合同の部では、中学1年生が高校生の研究や制作を間近で見ることになります。授業では同学年の生徒と過ごす時間が中心ですが、放課後には5学年上の先輩と同じテーマについて話す。完全中高一貫校であることが、こういうところで効いてきます。
科学部は校外の研究機関にも出ていく
科学部では物理を中心とした研究を行い、本郷祭や各種コンクールに向けて中高の生徒が一緒に活動しています。
活動は校内だけで完結しません。2026年には、高エネルギー加速器研究機構(KEK)で実習に参加し、日本物理学会の「ジュニアセッション」では研究成果をポスター発表しました。さらに東京都主催の「中学科学コンテスト」にも挑戦しています。
理科の授業で実験するところからもう一歩進み、自分たちでテーマを持って研究し、学校外の研究者や他校の生徒がいる場所へ成果を持っていく。理科が好きな生徒には、授業とは別の時間軸で一つのテーマを追える環境があります。
数学、クイズ、プログラミング――「好き」をかなり細く掘れる
文化系の選択肢を見ると、かなり専門的です。
数学同好会では、大学入試問題を解いて解説動画を作ったり、数学オリンピックや数学甲子園へ向けた問題に取り組んだり、大学数学のゼミを行ったりしています。
マイコン部ではゲームプログラミング、Webサイト制作、二足歩行ロボットの製作などを行います。クイズ研究部では早押し練習だけでなく、自分たちで問題を作成。地学部は野外実習やジオパークでの合宿、校内での天体観測合宿を実施しています。
「文化部」という大きなくくりの中に、数学、物理、コンピューター、鉄道、社会問題、クイズ、和楽器まである。小学生時代から持っている少し偏った関心が、中高ではむしろ居場所になることがあります。
漫画劇画部は現在活動休止中
本郷の卒業生には、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で知られる漫画家の秋本治さんがいます。本郷には長く漫画劇画部があり、過去には全国高等学校漫画選手権大会「まんが甲子園」への出場を目指して作品を制作していました。
ただし、現在の学校公式案内では部員数は中高とも0人で、漫画劇画部は活動休止中です。「本郷といえば漫画劇画部」と紹介されることもありますが、受験時点の部活動選びでは現状を見ておく必要があります。
中学では18時で学校生活をいったん区切る
本郷の部活動で覚えておきたいのは、活動実績の多さよりも時間の使い方かもしれません。
中学生は原則週3日、1回2時間。18時には完全下校です。部活動に参加する生徒がほとんどでありながら、本数検や本単検、定期考査、日々の授業も進んでいくため、放課後を際限なく部活動へ使うことはできません。
好きな競技や研究にはきちんと打ち込む。しかし、それだけで一日を終わらせない。この時間配分まで含めて、本郷がいう「文武両道」の日常ができています。
進学実績と卒業後の進路|東大23名、難関大進学を支える高校3年間
本郷は大学附属校ではなく、卒業後は大学受験を経てそれぞれの進路へ進む学校です。高校では特進コースと進学コースに分かれ、高3になると大学入試に向けた演習の比重が高まります。
2026年春の大学入試では、東京大学23名、京都大学8名、一橋大学5名、東京科学大学9名が合格。東京大学23名のうち20名、一橋大学5名は全員、東京科学大学9名のうち8名が現役合格でした。
| 大学 | 合格者数 | うち現役 |
|---|---|---|
| 東京大学 | 23名 | 20名 |
| 京都大学 | 8名 | 5名 |
| 一橋大学 | 5名 | 5名 |
| 東京科学大学 | 9名 | 8名 |
| 北海道大学 | 11名 | 9名 |
| 東北大学 | 11名 | 9名 |
| 筑波大学 | 5名 | - |
| 千葉大学 | 5名 | - |
| 横浜国立大学 | 5名 | - |
東大だけを見ると23名ですが、進路の広がりはそれだけではありません。京大、一橋大、東京科学大、北海道大、東北大などにもまとまった合格者が出ており、国公立大学を目標に6教科8科目を学ぶ特進コースの方向性が、そのまま進学実績にも表れています。
早稲田179名、慶應135名――私大にも厚い合格実績
私立大学では、2026年春に早稲田大学179名、慶應義塾大学135名が合格しています。このうち現役は早稲田167名、慶應123名です。
| 大学 | 合格者数 | うち現役 |
|---|---|---|
| 早稲田大学 | 179名 | 167名 |
| 慶應義塾大学 | 135名 | 123名 |
| 上智大学 | 28名 | 26名 |
| 東京理科大学 | 203名 | 188名 |
| 明治大学 | 165名 | 144名 |
| 青山学院大学 | 21名 | 20名 |
| 立教大学 | 25名 | 19名 |
| 中央大学 | 59名 | 54名 |
| 法政大学 | 63名 | 52名 |
東京理科大学203名、明治大学165名という数字も目立ちます。本郷は国公立大学だけに進路を絞る学校ではなく、早慶、理科大、MARCHを含めて幅広く受験しています。
なお、これらは大学への合格者数であり、実際の進学者数ではありません。一人の生徒が複数の大学・学部に合格する場合もあるため、単純に人数を足して卒業生数と比較することはできません。
医学部にも72名の合格者
医学部医学科への合格者もいます。2026年春は、防衛医科大学校を含めて医学系大学に延べ72名が合格し、うち46名が現役でした。
主な合格先には、福島県立医科大学、群馬大学、千葉大学、新潟大学、山梨大学、長崎大学などの国公立大学医学部のほか、国際医療福祉大学、順天堂大学、東京医科大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学などがあります。
医学部進学に特化した学校ではありませんが、理系上位層の進路として医学部も一定の存在感を持っています。
中学の「自学自習」が、高校では大学受験へつながる
大学合格実績だけを見ると、高校3年間で急に受験指導が始まるようにも見えます。しかし、本郷の進路教育は中学段階から少しずつ積み上がっています。
中1・中2では本数検や本単検、定期考査後の補習を通して基礎学力と学習習慣を整えます。中3では卒業論文に取り組み、自分でテーマを決め、調べ、文章にまとめる経験をします。高校では志望進路が具体化し、特進コースと進学コースの中で受験科目に応じた学習へ移っていきます。
つまり、大学受験だけを切り離して最後の一年に詰め込むのではなく、中学から続いてきた「自分で勉強を管理する」という習慣を、高校で進路選択へ接続していく形です。
指定校推薦という選択肢もある
本郷には大学からの指定校推薦もあります。2026年の主な指定校には、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、東京理科大学、東京都立大学などが含まれています。
- 慶應義塾大学:薬学部・法学部
- 早稲田大学:創造理工学部・人間科学部・商学部・文学部・文化構想学部・教育学部
- 上智大学:理工学部
- 東京理科大学:工学部・理学部・創域情報学部・経営学部・薬学部
- 東京都立大学:都市環境学部
- 北里大学:医学部・薬学部・獣医学部
- 獨協医科大学:医学部
指定校推薦があることと、その大学へ多数の生徒が推薦で進学することは別です。本郷の進路実績全体を見ると、一般選抜を通して国公立大学や難関私立大学を目指す生徒が中心ですが、6年間の成績や本人の志望によっては推薦という経路も残されています。
進学実績を見るなら「現役」の数字にも目を向けたい
本郷の2026年春の実績では、東大23名中20名、早稲田179名中167名、慶應135名中123名、東京理科大203名中188名が現役合格です。
浪人して第一志望を目指す選択も珍しくない男子進学校ですが、これだけ現役合格者が出ている背景には、高3になってから受験勉強を始めるのではなく、中高6年間のカリキュラムの中で早い段階から基礎を完成させ、最後に演習へ時間を回せることがあります。
本郷の大学実績は、東大の人数だけを取り出すよりも、国公立、早慶、理科大、医学部まで進路が広がっていること、そしてその多くで現役合格者が占める割合が高いことまで見ると、6年間の学習設計とのつながりが見えてきます。
学費や諸経費について|初年度だけでなく6年間の費用を見通す
本郷中学校では、入学金のほか、授業料、教育充実費、クラス運営費、父母の会費、生徒会費などが必要です。中学校の学納金は年間4期に分けて口座振替されます。
2026年時点で学校が公表している中学校の学納金は、次の通りです。
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 入学金 | 260,000円 |
| 授業料 | 456,000円 |
| 教育充実費 | 126,000円 |
| クラス運営費 | 80,000円 |
| 父母の会費 | 4,200円 |
| 生徒会費 | 6,000円 |
| 振替事務費 | 400円 |
| 年間学納金合計 | 672,600円 |
入学金260,000円は入学手続時に納入します。年間学納金672,600円は中1から中3まで共通で、クラス運営費には副教材などの費用が含まれています。
中1では施設負担金とChromebook代も必要
中学1年では、通常の学納金とは別に初年度特有の費用があります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 父母の会入会金 | 2,000円 |
| 施設負担金 | 200,000円 |
| Chromebook代 | 66,000円 |
| 合計 | 268,000円 |
したがって、入学金、年間学納金、中1特有の費用を合わせると、初年度は1,200,600円となります。ここには制服・体操服などの指定品や、宿泊行事の費用は含まれていません。
本郷ではChromebookを中学入学時に購入し、授業や日々の学習に使用します。ICT端末については、入学後に各家庭で自由な機種を用意する方式ではなく、初年度費用の一つとしてあらかじめ見込んでおく形です。
宿泊行事は学年ごとに別途費用がかかる
中学校では、オリエンテーション、林間学校、修学旅行などの宿泊行事に別途費用がかかります。
| 学年 | 行事 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 中学1年 | オリエンテーション | 約50,000円 |
| 中学2年 | 林間学校 | 約55,000円 |
| 中学3年 | 修学旅行 | 約90,000円 |
修学旅行費は2回に分けて納入します。希望制のスキー教室や海外研修、部活動の合宿などに参加する場合には、これとは別に費用が発生します。
制服・体育用品も入学時にそろえる
制服は男子校らしい詰襟ではなく、ブレザーではなく伝統的な学生服型の制服を採用しています。制服上下、夏ズボン、ワイシャツ、ベルトなどが指定品です。
主な価格は、制服上下が約38,000円、夏ズボンが約12,000円、長袖・半袖ワイシャツがそれぞれ約3,000円。体育用品では、ジャージ上下7,500円、半袖Tシャツ2,000円、ハーフパンツ2,200円、上履き兼体育館シューズ4,500円、グラウンドシューズ5,700円などが必要です。
セーター、ベスト、オーバーコートなどは希望購入となっており、通学バッグも複数の選択肢があります。購入点数によって入学時の指定品費用には差が出ます。
高校進学時にも入学手続金がある
本郷は完全中高一貫校ですが、中学から高校へ進む際にも費用が発生します。高校内部進学時には入学手続金265,000円と、施設負担金100,000円が必要です。
高校の年間学納金は、2026年時点で次のようになっています。
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 授業料 | 480,000円 |
| 教育充実費 | 102,000円 |
| クラス運営費 | 80,000円 |
| 父母の会費 | 4,200円 |
| 生徒会費 | 10,800円 |
| 振替事務費 | 400円 |
| 年間学納金合計 | 677,400円 |
高校2年では修学旅行費として約120,000円、高校3年では同窓会入会金10,000円も必要です。高校の学納金について学校が示している金額には、高等学校等就学支援金は反映されていません。
6年間で考えると、中学の初年度だけを見ない
中学受験では「初年度納入金」が比較されることが多いのですが、本郷を選ぶ場合は高校募集のない6年一貫校であるため、高校内部進学時の手続金や高校3年間の学費まで含めて考えておく方が実際の学校生活に近くなります。
一方、クラス運営費には副教材費が含まれ、ICT端末についても中1時に金額が明示されています。学費以外に何が必要になるのかを比較的細かく確認できるので、受験前の段階で6年間の教育費を組み立てやすい学校です。
入試情報と合格の目安|3回入試は同じ4科でも難度の見え方が変わる
本郷中学校の中学入試は、例年2月1日・2日・5日の3回に分けて行われます。2026年度は第1回100名、第2回140名、第3回40名、合計280名の募集でした。
3回とも試験形式は共通で、国語・算数・社会・理科の4科入試です。国語と算数は各100点、社会と理科は各75点で、合計350点。面接はありません。
| 2026年度入試 | 第1回 | 第2回 | 第3回 |
|---|---|---|---|
| 試験日 | 2月1日 | 2月2日 | 2月5日 |
| 募集人数 | 100名 | 140名 | 40名 |
| 国語 | 50分・100点 | ||
| 算数 | 50分・100点 | ||
| 社会 | 40分・75点 | ||
| 理科 | 40分・75点 | ||
| 合計 | 350点 | ||
| 検定料 | 各回25,000円 | ||
朝8時集合で、国語、算数、社会、理科の順に受験し、終了は12時20分。4科を一気に解く午前入試なので、午後入試との併願を考える場合には、試験後の移動時間まで含めて日程を組む必要があります。
2026年度は第1回3.0倍、第2回2.3倍、第3回12.3倍
2026年度入試では、3回で競争率がかなり異なりました。
| 2026年度結果 | 第1回 | 第2回 | 第3回 |
|---|---|---|---|
| 募集人数 | 100名 | 140名 | 40名 |
| 志願者数 | 537名 | 1,457名 | 656名 |
| 受験者数 | 493名 | 1,284名 | 518名 |
| 合格者数 | 163名 | 556名 | 42名 |
| 実質倍率 | 3.0倍 | 2.3倍 | 12.3倍 |
| 合格最高点 | 281点 | 303点 | 265点 |
| 合格最低点 | 226点 | 237点 | 227点 |
第2回は1,457名が出願し、実際に1,284名が受験しました。本郷の3回の中では募集人数が最も多く、合格者も556名出ています。それでも合格最低点は237点で、2026年度の3回では最も高くなりました。
数字の印象が大きく変わるのが2月5日の第3回です。募集40名に対して518名が受験し、合格者は42名。実質倍率12.3倍となりました。
「第3回まであるから、最後にもう一度受ければよい」と考えるには厳しい数字です。2月5日はそれまでの入試結果を受けて受験者層も動き、募集人数そのものも40名と少なくなります。本郷を強く志望する場合には、第3回だけを頼りにするより、2月1日・2日の機会を含めて受験日程を考える方が現実的です。
合格最低点は3回とも220点台
2026年度の合格最低点は、第1回226点、第2回237点、第3回227点でした。350点満点なので、すべての科目で満点に近い得点を求められる入試ではありません。
一方、本郷の入試では国語と算数が各100点、理科・社会が各75点あります。算数だけで押し切る、あるいは社会・理科を後回しにすると、合計点ではかなり大きな差になります。
第1回の受験者平均は211.8点、合格者平均は241.8点。第2回は受験者平均228.1点、合格者平均258.0点でした。合格最低点だけを目標にするより、過去問では合格者平均との距離も見ておくと、自分の現在地を判断しやすくなります。
第3回は倍率だけでなく、算数の差にも注意
2026年度第3回では、受験者の算数平均が45.2点だったのに対し、合格者平均は70.3点でした。国語は受験者平均61.0点、合格者平均70.7点です。
1年分だけで出題傾向を決めつけることはできませんが、第3回では算数で大きく差がついたことが分かります。本郷は過去の入試問題と解答例、正答率を学校サイトで公開しているため、単に何点取れたかを見るのではなく、多くの受験生が取っている問題を落としていないかまで確認しておきたいところです。
四谷大塚の80%偏差値は61〜66
四谷大塚の合不合判定テストによるAライン80偏差値では、本郷は次の水準にあります。
| 入試回 | 80%偏差値 | 50%偏差値 |
|---|---|---|
| 第1回・2月1日 | 61 | 57 |
| 第2回・2月2日 | 65 | 62 |
| 第3回・2月5日 | 66 | 63 |
同じ学校でも後半日程ほど偏差値が上がっています。とくに第3回は募集人数が少なく、2月5日時点まで受験を続けている受験生同士の競争になるため、第1回と同じ感覚では見られません。
ただし、偏差値は模試会社によって尺度が異なります。四谷大塚で61という数字を、日能研や首都圏模試の61とそのまま比較することはできません。志望校判定では、自分が継続して受験している模試の尺度で推移を見る方が有効です。
複数回受験者には、繰上合格で意味がある
2026年度の一般合格判定について、複数回受験したことによる得点加算は募集要項に設定されていません。
ただし、繰上合格者は複数回を実際に受験した生徒から選出されます。2026年度は最終的に4名の繰上合格者が出ています。
また、複数回に出願して本郷への入学を決めた場合、その後に残っている未受験分の検定料は返金されます。本郷を第一志望として複数回出願する家庭には確認しておきたい制度です。
帰国子弟には4科合計で10点の加点
帰国子弟については別日程の帰国生入試を設けるのではなく、一定の条件を満たした受験生に4科合計得点への10点加点を行っています。
2026年度は、1年を超える期間海外に在留し、帰国後3年以内の日本国籍の受験生が対象でした。保護者の勤務先などが海外在留期間を証明する書類も必要です。
帰国生だから試験科目が少なくなるわけではなく、一般の受験生と同じ4科を受験したうえで加点する方式です。
2027年度入試は9月上旬の募集要項を確認したい
本郷は2027年度中学入試の募集要項を2026年9月上旬に公表予定としています。
したがって、2027年度受験生は、2026年度の「2月1日・2日・5日」「100名・140名・40名」という制度を参考にしつつ、出願前には必ず新しい募集要項で試験日、募集人数、出願期間、手続期限などを確認する必要があります。
本郷は2月1日から5日まで3回受験できる学校ですが、2026年度の結果を見ると、それぞれの回は同じ難しさではありません。第一志望として考えるのか、2月2日の併願先として組み込むのか、それとも後半戦の2月5日まで残すのか。本郷の入試では、学力と同じくらい「どの日に受けるか」が受験プランを左右します。
併願校パターン|男子難関進学校の受験日程を組み立てる
本郷中学校の併願を考えるときは、まず「本郷を第一志望にするのか」「2月1日に別の最難関校へ挑戦し、本郷を2月2日以降に受けるのか」で受験日程が大きく変わります。
2026年度の本郷は2月1日・2日・5日の3回入試でした。第1回の四谷大塚Aライン80偏差値は61、第2回65、第3回66。同じ学校でも後半になるほど難度が上がるため、「本郷は3回あるから、どこかで受かればよい」と単純には考えにくい入試です。
2027年度の本郷の正式な募集要項は2026年9月上旬に公表予定です。以下では2026年度の本郷の日程を軸に、2027年入試に向けた男子校の難度・日程を踏まえて併願例を考えます。
難度別に見る併願候補
四谷大塚の2027年中学受験対応データを目安にすると、本郷を中心とした男子校の位置関係はおおよそ次のようになります。
| 位置づけ | 学校 | 主な入試日 | 四谷大塚Aライン80偏差値の目安 |
|---|---|---|---|
| チャレンジ校 | 開成中学校 | 2月1日 | 72 |
| 麻布中学校 | 2月1日 | 65 | |
| 武蔵中学校 | 2月1日 | 66 | |
| 筑波大学附属駒場中学校 | 2月3日 | 74 | |
| 標準校候補 | 本郷中学校 | 2月1日・2日・5日 | 61〜66 |
| 城北中学校 | 2月1日・2日など | 65前後 | |
| 芝中学校 | 2月1日・4日 | 64前後 | |
| 高輪中学校 | 2月1日・2日・4日など | 64前後 | |
| 安全校候補 | 獨協中学校 | 2月1日午前・午後、2日、4日 | 57前後 |
| 成城中学校 | 2月1日・3日・5日 | 56前後 |
ここでいう「安全校」は、合格を保証する学校という意味ではありません。本郷を狙える学力帯の受験生を想定した相対的な分類です。模試で本郷がチャレンジ圏にある受験生なら、城北や芝もチャレンジ校になり得ますし、獨協や成城も決して「受ければ受かる」学校ではありません。
パターン1|2月1日に開成・麻布・武蔵へ挑戦する
本郷は、開成・麻布・武蔵などを第一志望とする受験生の併願先にもなります。
| 日程 | 受験例 |
|---|---|
| 1月 | 埼玉・千葉の学校で入試を経験し、可能なら合格校を確保 |
| 2月1日 | 開成・麻布・武蔵など |
| 2月2日 | 本郷 第2回 |
| 2月3日 | 筑波大附属駒場など、または合格状況に応じて別の併願校 |
| 2月4日 | 芝・高輪・獨協などを検討 |
| 2月5日 | 本郷 第3回 |
この組み方では、2月1日の最難関校を受験したあと、本郷へ切り替えます。
ただし、本郷第2回も決して易しい入試ではありません。四谷大塚のAライン80偏差値では第2回が65で、2026年度には1,284名が実際に受験しました。最難関校受験者が流れ込む日でもあり、「2月1日校より本郷の方が下だから安心」という発想は危険です。
さらに第3回は募集人数が少なく、2026年度の実質倍率は12.3倍でした。2月5日は保険というより、最後まで本郷を目指すためのもう一度の機会と考えた方が実態に近いでしょう。
パターン2|本郷を第一志望として3回の機会を使う
本郷への進学希望が強い場合には、第1回から受験する形が基本になります。
| 日程 | 受験例 |
|---|---|
| 1月 | 埼玉・千葉で合格校を一つ確保 |
| 2月1日午前 | 本郷 第1回 |
| 2月1日午後 | 獨協 第2回午後、城北 算数選抜などを検討 |
| 2月2日 | 本郷 第2回 |
| 2月3日・4日 | それまでの結果を見て併願校を受験 |
| 2月5日 | 本郷 第3回 |
2027年度の獨協は、2月1日午後に国語・算数の2科入試を実施します。城北も2027年度から2月1日午後に算数1科の「算数選抜」を新設します。本郷第1回を午前に受験したあと、午後入試で一校確保するという組み方がしやすくなっています。
ただし、午前に本郷の4科入試を受け、そのまま別の学校へ移動して午後入試を受ける一日はかなり長くなります。入試本番では、電車移動、昼食、集合時刻、本人の疲労まで含めて考える必要があります。
偏差値表だけを見れば「午前+午後」で受験機会を増やせますが、小学6年生にとっては朝から夕方まで続く試験です。午後入試を入れるかどうかは、合格可能性だけでなく本人の体力や性格も含めて決めたいところです。
パターン3|合格校を確保しながら本郷へ挑戦する
模試では本郷がややチャレンジ圏にあるものの、第一志望として受けたい場合には、先に一つ合格を持った状態を作れるかどうかが受験日程を左右します。
| 日程 | 受験例 |
|---|---|
| 1月 | 通学可能な埼玉・千葉の学校を受験 |
| 2月1日 | 本郷 第1回 |
| 2月1日午後 | 獨協 第2回午後など |
| 2月2日 | 本郷 第2回、または獨協・城北などへ切り替え |
| 2月3日・4日 | 成城・獨協など、その時点の合格状況に応じて受験 |
| 2月5日 | 本郷への進学希望が強ければ第3回 |
この場合に重要なのは、最初から2月5日まで全部の受験校を固定しすぎないことです。
2月1日夜にどの学校の合格を持っているか、2月2日の結果がどうだったかで、翌日の受験には別の意味が生まれます。すでに進学してよい学校から合格を得ているなら本郷へ挑戦し続けられますし、まだ合格校がなければ、合格可能性を優先して日程を切り替える判断も必要になります。
獨協は2027年度に4回の受験機会
本郷との併願で使いやすい男子校の一つが獨協中学校です。2027年度は、2月1日午前、2月1日午後、2月2日午前、2月4日午前の4回を設定しています。
特に2月1日午後は国語・算数の2科入試で、集合時間を14時45分と15時45分の2種類から選べます。本郷第1回は2026年度の場合12時20分終了だったため、巣鴨から護国寺方面への移動を含めても、午後入試を組み合わせる余地があります。
一方、獨協は医学部を持つ獨協医科大学との系列関係や独自の校風もあり、本郷とは学校の性格が同じではありません。「偏差値が低いから」という理由だけで安全校に置くのではなく、合格した場合に実際に6年間通いたいかを事前に見ておくことが前提です。
城北は2027年度から2月1日午後に算数選抜
城北中学校は2027年度から入試制度を変更し、従来の4科入試に加えて2月1日午後の算数選抜を新設します。募集人数は約30名で、算数60分・100点の1科入試です。
同日の午前には約100名募集の4科選抜第1回、2月2日には約130名募集の4科選抜第2回があります。
本郷と城北はともに男子の中高一貫進学校で、大学受験を見据えながら部活動にも多くの生徒が参加します。そのため併願候補として比較されやすい一方、2027年度は2月1日午後という新しい選択肢が加わります。
「安全校」は偏差値だけでは決めない
併願校を決めるとき、模試偏差値を基準にチャレンジ校・標準校・安全校を分けること自体は有効です。ただし、安全校にはもう一つ条件があります。合格したら実際に進学できる学校であることです。
本郷と同じ男子校でも、学校によって授業の進め方、校則、部活動、大学進学の考え方、通学時間は違います。2月になって初めて学校名を調べるのではなく、秋までには併願候補にも足を運び、「本郷が不合格だった場合、この学校なら進学したい」と思える学校を少なくとも一つ見つけておきたいところです。
そして本郷については、第1回・第2回・第3回を別々の学校のように考える必要があります。第1回で届かなかったから第3回なら届きやすい、という関係ではありません。後半になるほど募集人数が減り、難度も上がります。本郷をどこに置くかを先に決め、その前後にチャレンジ校と合格を確保する学校を配置する。この順番で考えると、2月1日から5日までの受験日程が組みやすくなります。
在校生・保護者の声|活気のある男子校で、自分なりの居場所を見つける
学校案内の制度だけでは分かりにくいのが、実際の教室の空気です。本郷について在校生や保護者の声を見ていくと、よく出てくるのは「活気がある」「先生との距離が比較的近い」「勉強の進度は速い」「部活動に熱心な生徒が多い」といった感想です。
一方で、男子校らしいにぎやかさを楽しいと感じる生徒もいれば、騒がしく感じる生徒もいます。学習面でも、補習を手厚いと受け取る声がある一方、「自分でも勉強を進めることが求められる」と感じる声があります。同じ学校生活でも、生徒の性格や学習スタイルによって見え方は変わります。
「自学自習」は、入学後の日常にも出てくる
学校が紹介している中学生の声では、「自学自習」という教育方針が自分に合うと考えて本郷を志望し、入学後は教師の授業そのものが自分で勉強する動機になっているという話があります。
お気に入りの場所として挙げられているのはラーニング・コモンズです。ここでは黙って一人で勉強する必要はなく、友人と相談したり教え合ったりできます。
本郷の「自学自習」は、一人で机に向かうことだけを指しているわけではなさそうです。朝7時から使える個人用の自習室がある一方で、友人と話しながら学べる場所もある。自分に合った方法を選びながら勉強する姿が、学校生活の中にあります。
授業の進度は速い。ただし、補習もある
保護者の口コミでは、授業の進み方が速いという声が複数見られます。とくに中学から本格的に始まる英語は、入学直後には負担を感じる生徒もいるようです。
その一方で、定期考査で一定の基準に届かなかった場合には補習があります。学習の指針やテストについて学校から細かく説明されるという保護者の声もあり、「進度は速いが、つまずいた生徒をそのままにする」という学校ではありません。
ただ、補習があることと、日々の勉強を学校がすべて管理してくれることは別です。本数検や本単検も含め、自分で準備する機会が多いので、入学後は小学校時代よりも自分で学習を組み立てる場面が増えていきます。
先生は「手取り足取り」より、必要なところで支える
保護者からは、先生との距離について比較的肯定的な声が見られます。
特徴的なのは、「何でも先回りして教える」というより、生徒自身に考えさせながら必要なときに声をかける先生が多い、という受け止め方です。質問しやすい、相談しやすいという声もあります。
これは本郷の教育方針ともつながります。生活習慣や基礎学力については学校側が一定の枠をつくる一方、年齢が上がるにつれて本人に任せる範囲を広げていく。中学生にはまだ助け舟を出しつつ、いつまでも船を漕いではくれない、という距離感です。
「運動が得意な子ばかり」の男子校ではない
人工芝グラウンドやラグビー部の存在から、本郷にはスポーツの得意な活発な生徒が多いという印象を持つ家庭もあるでしょう。実際、運動部への参加は盛んで、昼休みにグラウンドや体育館で体を動かす生徒も多く見られます。
ただ、保護者の声では、運動が好きな生徒から静かな生徒、特定の趣味に深く入り込む生徒まで、かなりさまざまなタイプがいるという見方もあります。
文化部を見ても、科学、地学、鉄道、囲碁将棋、クイズ、マイコン、数学など選択肢はかなり細かく分かれています。スポーツで前に出る生徒もいれば、研究や制作になると急に饒舌になる生徒もいる。男子が多数集まる学校ですが、「男子校らしい子」を一つの型で考える必要はなさそうです。
友人関係は、部活動や行事の比重が大きい
中学生の部活動加入率が高い本郷では、クラス以外の人間関係も学校生活の大きな部分になります。文化部には中高合同で活動する部も多く、中学生が高校生と日常的に接する機会があります。
体育祭、本郷祭、林間学校、修学旅行、合唱コンクールなど、クラス単位で動く行事もあります。6年間同じ学校に在籍するとはいっても、交友関係が同じクラスの中だけで固定されるわけではありません。
保護者の口コミでも、活発な生徒、静かな生徒、運動が得意な生徒などがそれぞれ過ごしているという声があります。人数の多い男子校なので、その分だけ気の合う相手を探せる範囲も広くなります。
男子校らしい「にぎやかさ」は相性を見るところ
口コミの中には、教室や生徒の振る舞いを「騒がしい」と感じる在校生の声もあります。こうした投稿を一つ取り出して学校全体の状態と断定することはできませんが、本郷を静粛な校風の学校だと想像して受験すると、入学後にギャップを感じる可能性はあります。
学校自身が紹介する一日の様子でも、昼休みには多くの生徒がグラウンドや体育館で体を動かし、部活動への参加率も高い学校です。教室でも休み時間でも男子校らしい勢いがある。その環境を「楽しそう」と思うか、「少し疲れそう」と感じるかは、本人の相性が出る部分です。
口コミより、実際の生徒を見る
学校の口コミは、書いた生徒の学年、所属するクラスや部活動、先生との相性、その時点での学校生活によってかなり変わります。本郷についても高い評価から厳しい評価まであり、どちらか一方だけを学校全体の姿として扱うのは適切ではありません。
本郷では、学校説明会とは別に生徒による学校説明、質問コーナー、校内見学ツアーを行う機会があります。本郷祭や体育祭も、受験生が生徒の様子を見られる機会です。
先生が何を語るか以上に、廊下ですれ違う生徒がどんな表情をしているか、友人同士でどう話しているか、部活動の先輩と後輩がどう接しているか。本郷のように学校生活の活気が校風に大きく関わる学校では、最後は本人が校内を歩いて確かめるのが一番早いでしょう。
この学校に向いている子の特徴|「任される」前に基礎を積み上げられる子
本郷に向いているのは、最初から何でも一人で管理できる子とは限りません。むしろ中学段階では、本数検や本単検、定期考査後の補習など、学校が用意した仕組みの中で学習習慣を整え、そこから少しずつ自分で動けるようになっていく子との相性がよい学校です。
勉強だけを考えても、部活動だけを考えても、本郷の学校生活は少し捉えにくいところがあります。授業の進度は速く、大学受験を見据えた学習が続く一方、ほとんどの中学生が部活動に入り、体育祭や本郷祭、宿泊行事にも参加します。限られた時間をどう使うかまで含めて、本郷らしい6年間です。
決められた課題を丁寧にこなし、そこから自分で動ける子
本郷は「自学自習」を掲げていますが、中学1年から完全な自己管理を要求する学校ではありません。定期考査、本数検、本単検、中学基礎学力試験など、学習の節目が細かく設定されています。
そのため、学校から与えられた課題や期限をまずきちんと守れる子は、本郷の仕組みを使いやすいでしょう。そこから「今回は数学を早めに始めよう」「英単語は毎日少しずつ進めよう」と、自分なりの方法を作っていく余地があります。
反対に、課題をすべて先生に管理してもらわないと動けない状態が長く続くと、高校へ進むにつれて苦しくなる可能性があります。6年間かけて、管理される側から自分で管理する側へ移っていく学校です。
授業の速さを「大変だから嫌だ」だけで終わらせない子
国語・数学・英語は中学2年終了までに中学課程をほぼ終えます。授業の進度は比較的速く、一度分からなくなったところを放置すると、その先で困ることがあります。
本郷には補習や独自検定があるため、つまずきを拾う仕組みはあります。ただし、補習を受ければ自動的に解決するわけではありません。分からないところを質問したり、もう一度解き直したりする姿勢は必要です。
難しい問題に出会ったとき、「できなかった」で終わるより、「どこから分からなくなったのか」を考えられる子。本郷の学習環境は、そうした生徒ほど使いこなしやすくなります。
勉強以外にも一つ、夢中になれるものがある子
本郷では中学生の部活動加入率が高く、運動部も文化部も選択肢があります。ラグビーやサッカーに打ち込む生徒もいれば、科学、地学、鉄道、クイズ、数学、プログラミングなどを掘り下げる生徒もいます。
「文武両道」の「武」をスポーツだけと考える必要はありません。本郷が重視しているのは、授業とは別に自分が本気になれる対象を持つことに近いでしょう。
小学生の時点ですでに得意な競技がなくても構いません。中学からラグビーや武道を始めることもできますし、少し変わった趣味を文化部で深めることもできます。何か一つ、「これは時間を忘れてやってしまう」というものがある子には、放課後の居場所を見つけやすい学校です。
にぎやかな男子校の空気を楽しめる子
本郷には約300人規模の男子が一学年に集まります。昼休みにはグラウンドで体を動かす生徒が多く、部活動や行事も盛んです。
静かな生徒が過ごせない学校ではありません。科学部、囲碁将棋部、鉄道研究部、数学同好会など、落ち着いて自分の興味を追える場所もあります。ただし、学校全体の空気としては活気があります。
男子ばかりの環境を「気楽そう」「面白そう」と感じる子には馴染みやすいでしょう。一方、落ち着いた少人数の環境を強く好む子は、説明会だけでなく本郷祭や体育祭などで実際の生徒の雰囲気を見ておきたいところです。
先輩から学び、後輩にも返していける子
本郷では、中2が中1に数学の勉強方法を教える合同授業があります。文化部にも中高合同で活動する部が多く、完全中高一貫校らしく学年を越えた関係が生まれます。
最初は先輩に教えてもらう側でも、1年経てば今度は後輩へ説明する側になります。人に教えることを負担に感じるより、「自分のやり方を伝えてみよう」と思える子は、こうした環境から得るものが多くなります。
本郷では、勉強も部活動も一人で完結する場面ばかりではありません。自習室で一人で集中する時間と、ラーニング・コモンズや部活動で他の生徒と関わる時間を行き来します。
大学進学を意識しながらも、中学生活そのものを楽しみたい子
東大をはじめとする難関大学への進学実績から、本郷を「大学受験のための学校」と考える家庭もあるでしょう。確かに高校では特進・進学の2コースに分かれ、大学受験へ向けた学習が本格化します。
しかし、中学3年間には林間学校、修学旅行、本郷祭、体育祭、合唱コンクール、百人一首大会などがあります。部活動への参加率も高く、中学生活を受験勉強だけで過ごす設計ではありません。
将来は難関大学を目指したい。しかし、13歳から18歳までをずっと模試と参考書だけで過ごしたいわけではない。友人と行事に参加し、部活動にも熱中しながら、その中で学力も伸ばしたい。そう考える家庭には、本郷の学校生活を具体的に見てみる価値があります。
通学時間を抑え、放課後まで学校を使いたい子
巣鴨駅から徒歩3分、駒込駅から徒歩7分という立地は、単なるアクセス情報ではありません。本郷では部活動、自習室、ラーニング・コモンズなど、放課後まで校内で過ごす選択肢があります。
通学に長い時間を取られなければ、その分を部活動や自習、睡眠に回せます。中学生は18時完全下校なので、放課後まで活動しても駅まではすぐです。
6年間の通学時間を考えたとき、自宅から無理なく通える場所に本郷がある家庭にとっては、この立地と学校生活の組み合わせはかなり現実的な検討材料になります。
まとめ|「自学自習」を6年間かけて身につける男子進学校
本郷中学校を見ていくと、大学合格実績の高い男子進学校という説明だけでは捉えきれない学校であることが分かります。
中学では、本数検・本単検や補習を通して基礎を細かく確認し、中2では後輩に数学の学び方を伝え、中3では約1年間かけて卒業論文を書く。高校へ進むと特進・進学の各コースで、自分の志望に合わせた大学受験へ向かいます。「自学自習」は入学時から完成していることを求めるものではなく、6年間の中で少しずつ身につけていく力として置かれています。
一方、学校生活は机の上だけでは終わりません。中学生の多くが部活動に参加し、体育祭、本郷祭、林間学校、修学旅行、マラソン大会、百人一首大会、合唱コンクールなどが年間予定に入ります。人工芝グラウンドでは運動部が活動し、科学や数学、クイズ、プログラミングなどを深く追える文化部もあります。
巣鴨駅から徒歩3分という立地も、本郷では学校生活の一部です。朝に自習室を使い、授業を受け、放課後は部活動やラーニング・コモンズへ行き、18時には下校する。通学時間を抑えながら、学校の中で一日を濃く使える環境があります。
向いているのは、勉強だけに集中したい子というより、授業の速さについていくための努力をしながら、部活動や行事にも自分なりの居場所を持ちたい子でしょう。最初は学校に支えてもらいながら、少しずつ自分で考え、自分で時間を使えるようになりたい子にも合っています。
本郷には、男子約300人が一学年に集まるにぎやかさがあります。その空気を楽しいと思えるかどうかは、偏差値表からは分かりません。「勉強もしっかりやりたい。でも、中高6年間を受験勉強だけにはしたくない」という家庭なら、本郷祭や説明会で実際の生徒の様子を一度見ておきたい学校です。

