【2026年版】三田国際科学学園中学校の評判は?「発想の自由人」を育てる探究・サイエンス・国際教育を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|「発想の自由人たれ」を掲げる共学の完全中高一貫校
    1. 1902年の女子教育から始まった学校
    2. 2015年の共学化で学校の性格を大きく変えた
    3. 2025年、校名に「科学」が加わった
    4. 「発想の自由人たれ」は、好き勝手に考えるという意味ではない
    5. 創立以来の「知好楽」と、現在の探究教育
  2. アクセスと立地環境|用賀駅徒歩5分、田園都市線沿線から通いやすい立地
    1. 用賀駅から徒歩5分
    2. 田園都市線で渋谷方面とつながる
    3. 成城学園前駅からバスという選択肢もある
    4. 住宅地の中に現れるキャンパス
    5. 駅近でも、通学路は一度自分で歩いてみたい
  3. 教育方針とカリキュラム|問いを立て、検証し、表現する「THINK & ACT」の6年間
    1. 「問い」から始まる科学的アプローチサイクル
    2. 中1全員が学ぶ「サイエンスリテラシー」
    3. ISC|文系・理系を決める前に「面白い」を広げる
    4. MSTC|中2から、自分の研究テーマを持つ
    5. IC|英語を「学ぶ科目」から「学ぶための言語」へ
    6. ICでも探究は英語で行う
    7. ISC・MSTCの英語も習熟度別に学ぶ
    8. 学習についていけないときは、朝学習や講習で補う
  4. 学習環境と施設設備|サイエンスラボとICTが日常につながる校内環境
    1. 3つのサイエンスラボで、理科実験が日常になる
    2. カルチャーラボでは遺伝子や微生物も扱う
    3. 2025年完成の「Zero to One」は、アイデアを形にする3階建ての拠点
    4. 中学生も教育用に設定されたiPadを使用する
    5. 「話し合う場所」と「一人になる場所」の両方がある
    6. 中1からカフェテリアを利用できる
    7. 中庭は「通路」ではなく学校生活の一部
  5. 学校生活と行事|MIFと宿泊行事に見る、生徒が動かす学校生活
    1. 中1はオリエンテーション合宿から始まる
    2. Sports Festivalは学年を越えてつくる
    3. 中2・中3では学校の外へ出る「Social Link」
    4. MIFは4月から半年かけてつくる
    5. 受験生にとってMIFは校風を見る機会にもなる
    6. 12月のPresentation Dayは、全員が発表する日
    7. 2月はクラスでつくる音楽会
    8. 中3では希望者が約3か月のオーストラリア留学へ
    9. 放課後には部活動以外のプロジェクトも動く
  6. クラブ活動|探究系から運動部まで、中高で広がる放課後の選択肢
    1. 全国大会まで進むポップダンス部
    2. 陸上やバスケットボールにも大会実績
    3. English Clubでは英語を「勉強する」より、英語で競う
    4. 吹奏楽・コーラス・箏曲――発表の場を持つ文化部
    5. サイエンス部とMSTCの研究活動は分けて考える
    6. コンピュータ、鉄道、囲碁・将棋・チェスという選択肢もある
    7. クラブに収まらなければ「有志団体」をつくる
  7. 進学実績と卒業後の進路|国内難関大と海外大学へ広がる進路
    1. 2026年春は東京大学5名、国公立大学34名
    2. 早慶上理ICUは延べ136名
    3. MSTCだけの話ではない医学部医学科28名
    4. 海外大学は「数人の特別な進路」ではなくなっている
    5. IC以外の生徒にも海外大学進学の支援がある
    6. 探究中心の学校でも、高2から受験へ重心を移す
    7. 「大学名を決めて6年間走る」より、自分の進路を途中で作っていく
  8. 学費や諸経費について|ICT・研修費まで含めて6年間を見通す
    1. 中学校の年間学費は93万円
    2. 中1の教育充実費は約25万円
    3. 宿泊研修は学年ごとに別途必要
    4. 初年度は約164万円が一つの目安
    5. 制服・鞄・体育用品は約17万円が目安
    6. 中3のターム留学は希望制で、積立方式ではない
    7. 高校でも学費に加えて教育充実費が続く
    8. 三田国際科学学園では「何を選ぶか」で6年間の費用が変わる
  9. 入試情報と合格の目安|ISC・IC・MST入試の違いを整理
    1. 4教科入試は国算200点、理社100点の300点満点
    2. ICは4科でも受験できる
    3. ISCにも「英語を使って受ける」ルートがある
    4. ISCの英語選考には英語筆記免除制度がある
    5. MST入試は算数・理科だけで200点
    6. 2027年度の四谷大塚80%偏差値は60〜64
    7. 受験料25,000円で最大3回まで同時出願できる
    8. 入学手続は2月8日17時まで
  10. 併願校パターン|2月1日午後から4日までをどう組み立てるか
    1. まずは併願候補の位置関係を整理する
    2. パターン1|広尾学園を第一志望にして、午後に三田国際を受ける
    3. パターン2|三田国際を第一志望として、1日から複数回受験する
    4. パターン3|MSTCを強く希望する理数型の受験生
    5. 東京都市大学等々力は日程を組み替えやすい
    6. 目黒日本大学は2月1日午後に「算理入試」
    7. 多摩大学目黒は2月6日まで受験機会がある
    8. 英語型で三田国際を受ける場合は、偏差値表だけでは組めない
    9. 「教育が似ている学校」と「合格を確保する学校」は分けて考える
  11. 在校生・保護者の声|発言する授業と多様な生徒がつくる校風
    1. 授業では「先生の答えを当てる」より、自分の考えを出す
    2. 「個性的な子が浮きにくい」という保護者の声
    3. 英語が得意な生徒と、ゼロから始める生徒が同居する
    4. 課題は軽くない。自分から質問する姿勢も必要
    5. 先生は正解を教える人というより、考える過程に入ってくる
    6. クラブ活動は盛んだが、週3日以内
    7. 校風の自由さは、「何もしなくてよい自由」ではない
    8. 学校説明会だけでなく、授業やMIFで生徒を見ておきたい
  12. この学校に向いている子の特徴|答えを待つより、自分で問いを持てる子
    1. 「なぜ?」を面倒がらず、調べてみたくなる子
    2. 人の意見を聞いて、自分の考えを変えられる子
    3. 英語を「点数を取る科目」以上のものとして使いたい子
    4. 理数系の「得意」より、研究を続けられる子
    5. 一つのタイプに収まりたくない子
    6. 「やりたい」と言った後、自分でも動ける子
    7. 部活動だけに6年間を集中させたい子は活動頻度を確認したい
    8. 海外進学を「特別な進路」にしたくない子
    9. 完成された自分より、6年間で考え方を変えていきたい子
  13. まとめ|「科学」を教科名ではなく、考え方として学ぶ6年間

学校の概要|「発想の自由人たれ」を掲げる共学の完全中高一貫校

三田国際科学学園中学校は、東京都世田谷区用賀にある私立共学校です。2025年4月に「三田国際学園中学校」から現在の校名へ変更し、2026年度から高校募集も停止しました。現在は、中学入学を基本として6年間を過ごす完全中高一貫校となっています。

学校名三田国際科学学園中学校・高等学校
設置者学校法人戸板学園
所在地東京都世田谷区用賀2-16-1
区分私立・男女共学
中高一貫の形態完全中高一貫校(高校募集停止)
学園創立1902年
中学校開設1947年
現在の教育の根幹「発想の自由人たれ」
創立以来受け継ぐ考え方「知好楽」

1902年の女子教育から始まった学校

三田国際科学学園の歴史は、1902年に戸板関子が東京・芝公園に開いた戸板裁縫学校から始まります。

現在は共学の中高一貫校ですが、もともとは女性が職業に必要な能力を身につけ、自立して社会へ出ていくための教育を行う学校でした。1916年には三田高等女学校を創設し、戦後の学制改革によって1947年に戸板中学校、翌1948年に戸板女子高等学校が発足します。

1993年には中学校・高校が現在の世田谷区用賀へ移転。その後、学校の姿を大きく変えたのが2015年です。

2015年の共学化で学校の性格を大きく変えた

2015年、戸板中学校・戸板女子高等学校は「三田国際学園中学校・高等学校」へ改称し、男女共学化しました。

このとき学校は、長く続いてきた女子教育の形をそのまま共学にしたわけではありません。英語による授業、ディスカッション、プレゼンテーション、ICT、探究型の学習などを教育の中心へ置き、学校そのものを再設計しました。

100年以上続く学校でありながら、現在の三田国際を形づくった教育は比較的新しいものです。「伝統校」と「新興の探究校」という、一見すると反対に見える二つの顔を持っています。

2025年、校名に「科学」が加わった

さらに2025年4月、「三田国際学園」から「三田国際科学学園」へ校名を変更しました。

ここでいう「科学」は、理系進学校になるという意味だけではありません。本校では、自然科学に限らず、社会や人間について考えるときにも、問いを立て、情報を集め、仮説をつくり、検証し、その結果を他者へ伝えるという方法を重視しています。

中学では全クラスが「サイエンスリテラシー」を学び、その後、ISC・MSTC・ICでそれぞれ異なる方向へ関心を深めます。「科学」という言葉を校名に加えた背景には、この学び方を学校全体へ広げていくという考えがあります。

2026年度からは高校募集も停止しました。共学化から約10年を経て、中学入学から高校卒業までの6年間で教育体系を組み立てる学校へ移行しています。

「発想の自由人たれ」は、好き勝手に考えるという意味ではない

現在の教育の根幹に置かれている言葉が、「発想の自由人たれ」です。

学校生活の中では、自分の意見を述べる場面が多くあります。授業中のディスカッション、研究テーマの設定、プレゼンテーション、学校行事などでも、生徒自身が考えて動くことを求められます。

ただし、「自由な発想」とは、根拠がなくても好きなことを言えばよいという意味ではありません。三田国際科学学園では、自由に問いを立てることと、その問いを科学的な方法で確かめることを一組として扱います。

自分とは異なる意見を聞き、情報を調べ、自分の考えを修正する。そのうえで再び行動する。学校が掲げる「THINK & ACT」も、この往復を表しています。

創立以来の「知好楽」と、現在の探究教育

一方、学校には創立者の戸板関子が掲げた「知好楽」という考え方も残っています。

これは孔子の言葉に由来し、まず知り、それを好きになり、最後には学ぶこと自体を楽しめるところまで進むという考え方です。

1902年の学校と、Chromebookを使いながら研究やプレゼンテーションを行う現在の学校では、授業の姿はまったく違います。それでも、「知ることから始まり、自分の関心へ変え、それをさらに深く追う」という流れには共通する部分があります。

現在は、共創、創造性、探究心、問題解決能力、異文化理解など12のコンピテンシーも設定し、教科の授業だけでなく行事や部活動まで含めて育成する力として扱っています。

三田国際科学学園は、長い歴史をそのまま守ってきた学校ではありません。女子校から共学校へ、さらに「科学」を校名に掲げる学校へと形を変えてきました。ただ、学ぶことを知識の暗記で終わらせず、自分の関心へつなげようとする姿勢は、創立期の「知好楽」から現在の「発想の自由人たれ」まで、形を変えながら続いています。

アクセスと立地環境|用賀駅徒歩5分、田園都市線沿線から通いやすい立地

三田国際科学学園中学校は、東京都世田谷区用賀2丁目にあります。最寄り駅は東急田園都市線「用賀駅」で、東口から学校までは徒歩5分です。

利用駅・停留所交通手段学校まで
用賀駅東急田園都市線東口から徒歩5分
用賀バス停成城学園前駅から東急バス徒歩3分

用賀駅から徒歩5分

用賀駅から学校までは徒歩5分。中高6年間、年間200日前後通学することを考えると、駅を出てから学校までの距離が短いことは日々の負担に関わります。

三田国際科学学園では放課後に部活動や自習を行う生徒もいます。朝の登校だけでなく、夕方に学校を出て駅へ向かう場面まで考えると、徒歩5分という距離は使いやすいものです。

なお、田園都市線の急行は用賀駅に停車しません。渋谷方面などから通学する場合は、利用する列車種別を確認しておく必要があります。中学入学直後は、朝の混雑も含めて一度実際の通学時間帯に学校まで歩いてみると、生活のイメージをつかみやすくなります。

田園都市線で渋谷方面とつながる

用賀駅は東急田園都市線の駅です。田園都市線は渋谷方面へ直結し、東京メトロ半蔵門線との相互直通運転も行われています。

そのため、世田谷区内や田園都市線沿線だけに通学圏が限られる学校ではありません。渋谷を経由して都内各方面から通うルートも考えられます。

一方、田園都市線は朝夕の利用者が多い路線でもあります。駅から学校までの近さと、電車に乗っている時間は分けて考えた方がよいでしょう。学校選びでは「用賀駅徒歩5分」だけを見るのではなく、自宅から用賀までを含めたドア・ツー・ドアの時間で考えるのが現実的です。

成城学園前駅からバスという選択肢もある

小田急線方面からは、成城学園前駅から東急バスを利用するルートがあります。

成城学園前駅の2番乗り場から「用賀駅行」または「等々力操車所行」に乗車し、「用賀」バス停で下車。バス停から学校までは徒歩3分です。

小田急線沿線から無理に鉄道だけで用賀へ向かう必要がないため、世田谷区西部や狛江方面などから検討する場合には、このバスルートも通学経路の候補になります。

電車とバスでは道路状況による時間の変動が異なるので、こちらも受験前に平日の朝を想定して確認しておきたいところです。

住宅地の中に現れるキャンパス

学校周辺は、用賀駅前の商業エリアから少し入った住宅地です。大きな繁華街を長く歩いて通学する立地ではなく、駅から住宅街を通って校舎へ向かいます。

用賀は都心への交通アクセスを持ちながら、住宅地としての性格も強い地域です。三田国際科学学園の校舎も、駅前の高層ビルの中に入っている学校ではなく、グラウンドや中庭を備えた独立したキャンパスになっています。

学校の教育にはディスカッション、研究、プレゼンテーションなど、人と関わりながら進める活動が多くあります。その一方で、毎日の生活の舞台は比較的落ち着いた住宅地です。校内の活動量と、学校の外の環境には少し違ったリズムがあります。

駅近でも、通学路は一度自分で歩いてみたい

「徒歩5分」という数字だけなら、学校案内を見れば分かります。しかし、中学生本人にとって大切なのは、駅の改札を出てからどの道を通り、どのくらいの人通りがあり、朝の時間帯にどんな雰囲気なのかという部分です。

三田国際科学学園は学校説明会やMIFなど、実際に校内へ入れる機会があります。受験校として検討するなら、その際に用賀駅から学校まで本人に歩いてもらうとよいでしょう。

中学1年の春から高校3年の冬まで何度も往復する道です。校舎を見る前の5分間も、6年間の学校生活の一部になります。

教育方針とカリキュラム|問いを立て、検証し、表現する「THINK & ACT」の6年間

三田国際科学学園の授業を理解するうえで、最初に押さえておきたいのが「THINK & ACT」です。

授業を聞いて知識を覚えることだけで完結せず、「なぜだろう」と考え、調べたり実験したりし、その結果を他者へ伝え、そこから次の問いを見つける。国語、数学、理科、社会、情報といった教科の違いを越えて、この流れを繰り返します。

そのため、三田国際科学学園でいう「サイエンス」は理系科目の別名ではありません。問いを立て、根拠を集め、仮説を検証し、自分の考えを組み立てる方法そのものを指しています。2025年に校名へ「科学」が加わった意味も、この部分を見ると分かりやすくなります。

「問い」から始まる科学的アプローチサイクル

学校が全教科で育てようとしているのが、次のような科学的アプローチサイクルです。

  1. 問いを立てる
  2. 仮説を立てる
  3. 調査・実験を行う
  4. 分析・考察する
  5. 考えを構築する
  6. 表現する
  7. そこから次の問いへ進む

例えば理科なら、教員から実験手順を渡されて結果を確認するだけではなく、「この現象を確かめるには、どんな実験をすればよいか」というところから生徒が考える授業があります。

数学ではARを使って空間図形を捉えたり、地理・保健体育・情報を組み合わせ、世田谷を題材に新しいスポーツを企画したりする教科横断型の学習も行われています。

答えを早く当てることよりも、どのように考え、どう確かめたのかを重く見る授業です。正解のある入試問題に慣れてきた中学受験生にとって、入学後に少し頭の使い方が変わる学校でもあります。

中1全員が学ぶ「サイエンスリテラシー」

6年間の探究教育の入口となるのが、中学1年で全クラスが履修する「サイエンスリテラシー」です。

ここでは研究テーマをいきなり決めるのではなく、問いの立て方、データの読み解き方、情報の扱い方、表現方法、AIとの付き合い方などを学びます。

探究学習では「好きなことを調べて発表しましょう」と言われても、何から始めればよいか分からない生徒が珍しくありません。三田国際科学学園では、その前段階となる「問いを作る技術」そのものを中1で学ぶわけです。

この1年間を共通の基礎として、中2からISC・MSTC・ICそれぞれの探究へ分かれていきます。

学年ISCMSTCIC
中1ISCで学習/サイエンスリテラシーサイエンスリテラシー/IC独自の英語環境
中2〜中3基礎ゼミナール基礎研究αAcademic Seminarなど
高校Liberal Arts基礎研究βAP/DDPなど

ISC|文系・理系を決める前に「面白い」を広げる

ISC(インターナショナルサイエンスクラス)は、三田国際科学学園の中で最も幅広い分野を扱うクラスです。一般生と国際生が同じクラスで学び、International Teacherも副担任としてホームルームや行事に関わります。

中学2年から始まる「基礎ゼミナール」では、自分の関心に応じて講座を選び、課題を設定して調査・研究を進めます。

2026年度には、例えば次のようなテーマの講座が開かれています。

  • アートに・ことばを・文学する
  • 経営実践講座
  • 政治研究会
  • 心を科学する
  • 歴史探究
  • 微生物に目を向けよう
  • 数学オリンピックに挑戦
  • 暗号と数理解析
  • Unityを味わう
  • データと遊ぼう

「サイエンス」という校名から理科実験ばかりを想像すると、ずいぶん違います。政治、歴史、心理、芸術、経営も探究の対象です。

研究結果は作品やポスターなどにまとめて発表し、中3の最後には卒業論文や作品として形にします。高校ではさらに「Liberal Arts」へ進み、学校内の研究から、社会へ働きかけるPBL型の活動へ範囲を広げていきます。

中学生の時点で文系・理系を早々に決めるより、自分が何に引っかかる人間なのかを探したい生徒に合う構成です。

MSTC|中2から、自分の研究テーマを持つ

MSTC(メディカルサイエンステクノロジークラス)は中学2年から始まります。中1ではISCに所属し、サイエンスリテラシーなどを学んだうえで、理数系・情報分野への関心が強い生徒がMSTCへ進みます。

名称に「メディカル」とありますが、医学部受験だけを目的とするクラスではありません。数学、物理、化学、プログラミングなどを含め、自分自身の研究を持つことに重点があります。

中2からの「基礎研究α」では、生徒自身が研究課題を設定して調査・実験を進め、その成果を紀要にまとめます。2026年度には「自分で創る数学」「Tech!」「焼き物を科学する」「本気で物理する」といった講座も設定されています。

研究テーマによっては、高校の「基礎研究β」へそのまま引き継ぐことができます。中2で始めたテーマを高校まで続ければ、4年間にわたって一つの対象を追うことも可能です。

仮説を立てたのに結果が違う。条件を変えてもう一度試す。それでも説明できないので別の資料を読む。MSTCでは、こうした「うまくいかない時間」も研究そのものです。

博士号を持つスタッフやサイエンスコミュニケーターによる研究支援もあり、研究成果を学外で発表する機会も設けられています。理科や数学が得意というだけでなく、一つの疑問を長く追いかけることを面白がれるかが、このクラスとの相性を考えるポイントになります。

IC|英語を「学ぶ科目」から「学ぶための言語」へ

IC(インターナショナルクラス)では、International Teacherが担任、日本人教員が副担任を務め、ホームルームも基本的に英語で進みます。

中学ICには、英語学習歴に応じてAcademyとImmersionという二つのグループがあります。

グループ主な対象学び方
Academy帰国生や英語入試で入学した国際生英語・数学・理科・社会をAll Englishで学ぶ
Immersionこれから本格的に英語を学ぶ一般生英語と日本語を使いながら段階的に英語で学ぶ割合を増やし、中3では主要教科をAll Englishへ

ここは三田国際科学学園を検討するときに誤解しやすい部分です。ICへ入るために、全員が小学生の時点ですでに高い英語力を持っている必要はありません。英語を本格的に学び始める生徒はImmersionから入り、段階的に英語で教科を学べる状態を目指します。

AcademyとImmersionの生徒は完全に別々に学校生活を送るわけでもありません。主要教科以外の授業や学校行事、宿泊研修では同じクラスの仲間として活動し、2〜3人で学習目標などを確認し合う「BUDDY SYSTEM」もあります。

ICで重要なのは、英語の授業時間が多いこと以上に、英語を使って数学や社会、探究を学ぶ時間が日常になることです。

ICでも探究は英語で行う

ICにも、中2・中3では「Academic Seminar」があります。

Academyでは選択したテーマを英語で探究し、サイエンスリテラシーで身につけた科学的アプローチを使います。Immersionでもゼミを英語で行い、データ分析などのResearch Methodsを学びます。

中3になると、Immersionでは自分で設定したテーマについて英語で卒業論文を仕上げます。

つまり、ICは「英語が得意な生徒をさらに英語漬けにするクラス」というだけではありません。問いを立て、資料を集め、論理を組み立てるという三田国際科学学園共通の学びを、英語でもできるところまで持っていくクラスです。

ISC・MSTCの英語も習熟度別に学ぶ

国際教育はICだけのものではありません。ISC・MSTCでも英語は習熟度別に学び、Standard・Intermediate・Advancedの3段階が設定されています。

英語学習歴がほとんどない生徒はStandardから始めることができます。StandardではInternational Teacherと日本人教員によるティームティーチングも行われ、語彙・文法を学びながら、プレゼンテーションやプロジェクトにも取り組みます。

中1で英語を始めたばかりの生徒も自己紹介のプレゼンテーションを行い、中3になると環境問題や社会問題などを英語で扱います。

三田国際科学学園では、「英語をたくさん勉強する」というより、英語を使って何かを調べ、考え、伝えるところへ持っていこうとします。英語と探究が別々の看板になっていないのが、この学校のカリキュラムの特徴です。

学習についていけないときは、朝学習や講習で補う

ディスカッションや探究が多い学校ですが、基礎学力を生徒任せにしているわけではありません。

朝学習では英語・数学を中心にテストを実施し、学習状況を確認します。長期休暇には各種講座があり、必要に応じてフォローアップも行われます。オンライン教材を利用した苦手分野の学習や、個別ブース型自習室も用意されています。

探究型の授業は、知識がなくても自由な発想だけで乗り切れるものではありません。資料を読むにも、データを分析するにも、英語で発表するにも、教科の基礎が必要です。

三田国際科学学園の6年間は、知識を覚える学習と探究学習を別々に置くのではなく、身につけた知識を使って問いを考え、行動し、そこで足りない知識をまた学び直すという往復でできています。「THINK & ACT」は学校のキャッチフレーズというより、授業の進め方そのものに近い言葉です。

学習環境と施設設備|サイエンスラボとICTが日常につながる校内環境

三田国際科学学園の施設を見ると、学校が掲げる「SCIENCE」が校名だけのものではないことが分かります。校内には3つのサイエンスラボと、それぞれに併設された3つのカルチャーラボがあり、さらに2025年には探究・創作活動の新しい拠点「Zero to One(ゼロワン)」が完成しました。

一方で、個別ブース型の自習室、図書室、カフェテリア、中庭など、毎日の学校生活を支える場所もあります。実験する、話し合う、一人で考える、試作品を作る。それぞれの活動に合わせて場所を移りながら学ぶ校舎です。

3つのサイエンスラボで、理科実験が日常になる

三田国際科学学園には3つのサイエンスラボがあり、理科では週2回程度の実験が行われています。学校によれば、毎日どこかのクラスが実験をしているほど使用頻度の高い施設です。

ここで行うのは、教科書に載っている実験手順をそのまま再現するものばかりではありません。§3で触れたように、生徒自身が仮説を立て、「何を測れば確かめられるか」「どの条件を変えるか」と実験方法から考える授業があります。

実験結果は端末を使って記録・分析し、その後の考察やプレゼンテーションへつなげます。実験室とICT教室が別々に存在するのではなく、一つの研究活動の中でデジタル機器を使う形です。

カルチャーラボでは遺伝子や微生物も扱う

各サイエンスラボにはカルチャーラボが併設されています。

ここでは微生物の培養に必要な無菌操作や、遺伝子に関する高度な実験にも対応できます。設備には、人工的に昼夜や温度条件を再現して植物などを育てる人工気象器、DNA量を測定できるリアルタイムPCR(qPCR)、安全キャビネットなどがあります。

こうした機器は、授業で見せてもらうためだけに置かれているわけではありません。中学の基礎ゼミナールやMSTCの研究、高校での探究活動にも使われます。

中学生の段階ではまず実験方法や安全な器具の扱いを学び、その後、自分の研究テーマに応じて設備を使う範囲が広がっていきます。「大学のような設備がある」というより、6年間の途中でその設備を使えるだけの研究方法を身につけていく構成です。

2025年完成の「Zero to One」は、アイデアを形にする3階建ての拠点

現在の三田国際科学学園を象徴する施設の一つが、2025年9月に完成した新棟「Zero to One(ゼロワン)」です。

名前の通り、「0」から「1」を生み出すことを目的とした空間で、3つのフロアがそれぞれ異なる役割を持っています。

フロア主な役割設備・使い方
1階MAKE & PROTOTYPE3Dプリンター、レーザーカッター、モデリング用PCなどを使い、アイデアを試作品にする
2階DIALOGUE & COLLABORATION可動式の机・椅子、ホワイトボード、モニターなどを使い、チームで議論やプロジェクトを進める
3階INSIGHT & INPUT一人で考える、少人数で対話する、講義を聞くなど、目的によって学び方を変える

1階では、コンピューター上で考えた形を3Dプリンターで出力したり、レーザーカッターを使って部品を作ったりできます。ロボットなどの製作にも対応します。

2階では、机やホワイトボードを動かしながらグループで議論します。3階には、一人で深く考えるためのスペースや少人数の対話に使える場所があります。

探究というと、調査してスライドを作り発表するところまでで終わりがちです。Zero to Oneでは、その先に「実際に作ってみる」という段階があります。作ってみれば、考えていた通りには動かないこともある。そこでまた問いが生まれます。三田国際科学学園のTHINK & ACTを、建物として表したような施設です。

中学生も教育用に設定されたiPadを使用する

生徒は学校指定の教育機関向け設定が施されたiPadを使用します。家庭にある端末をそのまま持ち込む方式ではなく、入学時に指定端末を購入します。

端末は資料を見るだけの電子教科書として使うのではありません。実験データの記録・分析、情報収集、レポート作成、プレゼンテーション、グループでの情報共有など、授業のさまざまな場面に入っています。

一方で、三田国際科学学園の授業は「一人一台端末があるから先進的」という話では終わりません。端末で調べた情報をもとに生徒同士で議論したり、実際の実験や制作へ移ったりします。デジタル機器は学習そのものではなく、考えたり表現したりするための道具として置かれています。

「話し合う場所」と「一人になる場所」の両方がある

三田国際科学学園には、図書室やCommunicative Space、個別ブース型の自習室があります。

ディスカッションやグループワークが多い学校だからといって、いつも誰かと話していればよいわけではありません。調べた後には、一人で文章を書いたり、試験に向けて問題を解いたりする時間も必要です。

自習室は一人ひとりが集中できる個別ブース型。オンライン学習教材も利用でき、分からない内容を質問できる環境も整えています。

朝には英語・数学などを中心とした学習時間があり、放課後には自習室を利用することもできます。探究型授業の印象が強い学校ですが、定期試験や大学受験へ向けて基礎学力を積み上げる場所も校内にあります。

中1からカフェテリアを利用できる

昼食は中学生もカフェテリアを利用できます。中学生と高校生では昼休みの時間をずらしており、6学年が一度に集まらないようにしています。

カフェテリアで昼食を購入するほか、昇降口では軽食やパンも販売されています。家庭から弁当を持参して、教室やカフェテリア、中庭で食べることもできます。

毎日弁当を用意する方法だけに限られないので、6年間の昼食を考える家庭にとっては選択肢があります。生徒側も、その日の予定や友人との過ごし方によって食べる場所を変えられます。

中庭は「通路」ではなく学校生活の一部

校舎の中央には開放的なパティオ(中庭)があります。生徒は朝、正面玄関から階段を上り、中庭を通ってホームルームへ向かいます。昼食をここで取る生徒もいます。

校内にはグラウンド、ホール、視聴覚室、多目的室、ギャラリースペースなどもあり、授業、学校行事、部活動、発表に応じて使い分けます。

2025年にZero to Oneが加わったことで、三田国際科学学園の施設はさらに「何かを見せるための校舎」から「生徒が何かを作るための校舎」へ寄っています。サイエンスラボで実験し、Zero to Oneで試作し、対話スペースで議論し、一人になりたければ自習室へ行く。施設の違いそのものが、学び方を切り替えるきっかけになっています。

学校生活と行事|MIFと宿泊行事に見る、生徒が動かす学校生活

三田国際科学学園の年間行事には、授業で繰り返している「考える・対話する・表現する」がそのまま持ち込まれています。

体育祭では実行委員が運営に入り、MIFでは半年ほどかけて企画を形にする。中1のオリエンテーション合宿では自分の目標について語り、中2・中3では社会との接点を持つプログラムへ進みます。

行事を授業から切り離された「お楽しみ」にせず、学校で身につけた力を別の場面で使う機会として組み立てているのが、三田国際科学学園の学校生活です。

時期2026年度の主な行事
4月入学式、始業式、オリエンテーション合宿(中1)
6月授業公開、生徒総会、Sports Festival
7〜8月期末試験、夏期講習など
9月Social Link Trigger(中2)、Social Link Action(中3)
10〜11月MITA International Festival(MIF)
12月期末試験、冬期講習、Presentation Day
1月中3ターム留学(希望者)
2月音楽会
3月生徒会選挙、卒業式、学年末試験、修了式

中1はオリエンテーション合宿から始まる

入学後まもない中学1年には、オリエンテーション合宿があります。

友人をつくるための宿泊行事という面もありますが、三田国際科学学園では、自分の夢や目標について仲間とコーチングを行い、最終日にはクラスメイトの前で発表します。

中学受験を終えたばかりの12歳、13歳に「自分はこれから何をしたいのか」と尋ねても、明確な答えがある生徒ばかりではないでしょう。それでも、一度言葉にしてみる。友人の話も聞く。数年後に考えが変わっても構いません。

三田国際科学学園では、進路を決める高校生になってから初めて自己分析をするのではなく、中1から自分について考える機会を置いています。

Sports Festivalは学年を越えてつくる

6月にはSports Festivalが行われます。綱引き、玉入れ、リレーなどの競技に取り組み、チームごとにフラッグを制作して応援します。

競技する生徒とは別に、実行委員が用具の準備や入場整理などを担当します。選手として速く走ることだけが参加の仕方ではなく、大勢が動く行事を裏側から成立させる役割もあります。

なお、Sports Festivalは校内グラウンドではなく、外部の体育館を利用して開催されています。

中2・中3では学校の外へ出る「Social Link」

中学生の学校生活で見逃せないのが、中2の「Social Link Trigger」と中3の「Social Link Action」です。

三田国際科学学園のキャリア教育では、学校の中だけで自分の将来を考えるのではなく、ワークショップやフィールドワーク、宿泊学習などを通して、地域で活動する人や各分野の専門家と接する機会を設けています。

中2では社会との接点をつくり、中3ではそこから一歩進んで行動へつなげる。過去には地域の歴史や街並みをどう発信するかを考えた生徒が、そこからまちづくりへの関心を持ち、大学で建築・都市分野を学ぶ進路へ進んだ例もあります。

「将来なりたい職業」を紙に書いて終わるキャリア教育ではなく、人や地域と接した結果として、自分の興味が少しずつ具体化していくことを狙っています。

MIFは4月から半年かけてつくる

学校生活の中心的な行事が「MITA International Festival(MIF)」です。2026年度は10月31日・11月1日の2日間に開催予定です。

MIFの準備は直前の数週間だけではありません。実行委員会は4月に発足し、放課後や夏休みも使いながら、およそ半年かけて準備を進めます。

企画は、Academic・Entertainment・Hospitalityという3つの考え方を軸に構成されています。

  • Academic:授業・探究・研究で考えてきたことを伝える
  • Entertainment:演劇やパフォーマンスなど、来場者が楽しめる企画をつくる
  • Hospitality:来場者を迎え、学校全体を運営する

個人プレゼンテーション、クラス企画、キャンパスツアー、クラブ体験、学年を越えた有志によるカフェなど、内容は一種類ではありません。

例えば中1では、他者への取材などを通して自分自身を掘り下げ、その内容をプレゼンテーションします。普段の授業で練習してきた「自分の考えを人に伝える」が、文化祭では保護者や受験生など、普段とは違う相手に向けた発信へ変わります。

受験生にとってMIFは校風を見る機会にもなる

MIFは受験生にも公開され、2026年度もミニ説明会や個別相談が予定されています。

三田国際科学学園を検討する家庭にとっては、校舎を見るだけでなく、生徒がどの程度自分の言葉で説明するのかを見る機会になります。

この学校はプレゼンテーション、ディスカッション、プロジェクト型学習が多いため、それを楽しんでいる生徒の様子を本人がどう感じるかは学校選びで重要です。「自分もやってみたい」と思うのか、「毎回発言するのは少し疲れそうだ」と感じるのか。説明資料より、実際の行事の方が相性を判断しやすい部分があります。

12月のPresentation Dayは、全員が発表する日

12月にはPresentation Dayがあります。中2・中3では、学年ごとに設定されたテーマについて全員がプレゼンテーションを行います。

MIFが多くの来場者を迎える学校全体のイベントだとすれば、Presentation Dayは自分が探究してきたことを言葉にし、自分自身の将来や関心を整理する時間です。

研究や探究は、頭の中で分かったつもりになっている段階と、人に説明できる段階ではかなり違います。発表して質問を受けると、論理の抜けや自分でも曖昧だった部分が見えてきます。

三田国際科学学園でプレゼンテーションの機会が繰り返されるのは、「話すのが上手な生徒」をつくることだけが目的ではありません。外へ出すことで、自分の考えをもう一度組み立て直すためでもあります。

2月はクラスでつくる音楽会

学年末には音楽会があります。クラス別の合唱コンクール形式で行われ、吹奏楽部やコーラス部の演奏、オーディションで選ばれた生徒によるソロ演奏などもあります。

研究発表や英語プレゼンテーションとは使う力が違います。クラス全員で音を合わせ、一つの演奏を仕上げる時間です。

三田国際科学学園という名前からは、サイエンスや英語の活動が先に目に入りますが、学校生活が研究発表ばかりでできているわけではありません。スポーツ、音楽、文化祭、宿泊行事と、集団で一つのものを作る経験も年間の中に配置されています。

中3では希望者が約3か月のオーストラリア留学へ

海外経験については、Notebookの「中3全員が約1週間の海外研修」という形ではなく、現在の制度では中学3年で希望者を対象とした留学が用意されています。

全クラスの希望者が参加できるのが、オーストラリアでの約3か月間のターム留学です。現地到着後に語学学校で準備を行い、その後は現地校の授業に参加します。

さらに中学ICの希望者には、中3から高1にかけてニュージーランドで約8か月を過ごす長期留学もあります。

プログラム対象留学先期間
中3ターム留学中学全クラスの希望者オーストラリア約3か月
中3長期留学中学IC希望者ニュージーランド中3〜高1・約8か月

高校へ進むと、ISC・MSTC・ICそれぞれの教育内容に対応した海外研修があります。MSTCではシンガポールで研究成果を英語発表し、ISCでは台湾・カンボジア・フィンランドなどから研修先を選び、ICではオーストラリアで社会課題や大学での学びに接します。

海外へ行くこと自体をゴールにせず、それまで学校で考えたり研究したりしてきたことを別の文化・社会の中で試す。中学から高校へ進むにつれ、「海外経験」の中身も旅行から学習・研究へと濃くなっていきます。

放課後には部活動以外のプロジェクトも動く

三田国際科学学園では、放課後の活動が部活動だけに限定されていません。有志団体やプロジェクトを立ち上げ、社会課題について活動したり、企業やNPOと協働したりする生徒もいます。

行事も同じです。完成されたイベントへ参加者として乗るだけでなく、「今年は何をするか」を生徒が考える余地があります。

決められた行事を上手にこなす学校生活より、自分たちで企画した結果、途中で予定を変えたり、うまくいかなかったものを修正したりする経験が多い学校です。授業で使う「THINK & ACT」は、文化祭や宿泊行事、放課後にもかなりそのまま持ち出されています。

クラブ活動|探究系から運動部まで、中高で広がる放課後の選択肢

三田国際科学学園のクラブ活動は、現在の学校公式一覧で運動部11、文化部12の計23。サッカーやバスケットボールといった定番の運動部から、English Club、サイエンス部、コンピュータ部、鉄道研究部、囲碁・将棋・チェス部まで幅があります。

授業ではプレゼンテーションや研究、プロジェクト型の学習が多い学校ですが、放課後まで全員が「探究活動」をしているわけではありません。スポーツに集中する生徒もいれば、楽器を演奏する生徒、英語ディベートに取り組む生徒もいます。

運動部文化部
陸上競技部 新体操部 ラグビー部 ポップダンス部 バドミントン部 バスケットボール部 硬式テニス部 バレーボール部 卓球部 軟式野球部 サッカー部English Club サイエンス部 吹奏楽部 コンピュータ部 コーラス部 茶道部 華道部 箏曲部 囲碁・将棋・チェス部 鉄道研究部 美術部 演劇部

全国大会まで進むポップダンス部

大会実績で目を引くのがポップダンス部です。第14回日本中学校ダンス部選手権大会では全国決勝大会3位。高校でも「マイナビHIGH SCHOOL DANCE COMPETITION 2026 EAST vol.3」でSMALL銀賞と審査員特別賞を受賞しています。

ダンスは個人の技術だけでは完成しません。振付をそろえ、隊形を確認し、音楽に合わせて全体を作り直す必要があります。授業で多用されるグループワークとは内容がまったく違いますが、「仲間と一つのものを作り、人前で表現する」という点では共通しています。

MIFなど学校行事で発表を見る機会もあり、三田国際科学学園の活気を外から感じやすい部の一つです。

陸上やバスケットボールにも大会実績

運動部では陸上競技部の活動も目立ちます。近年、東京都私立中学高等学校陸上競技選手権大会の中学女子総合優勝、関東中学校陸上競技大会の中学女子総合優勝などの実績があります。

バスケットボール部も、2025年度の私立中学校第八支部協会中学男子大会で準優勝。女子は2024年度大会で優勝しています。軟式野球部は玉川地域少年野球防犯大会で3位となりました。

「インターナショナル」「サイエンス」という学校名から受ける印象に比べると、運動部の選択肢はかなり普通です。サッカー、テニス、バレーボール、卓球など、小学生まで続けてきた競技をそのまま中学で続けることもできます。

English Clubでは英語を「勉強する」より、英語で競う

学校の英語教育とのつながりが分かりやすいのがEnglish Clubです。

活動には英語ディベートなどがあり、近年は第15回全国中学生英語ディベート大会で全国7位、2026年のHPDU of Japan Junior High School Competitionではチーム1位となり、個人のベストスピーカー賞も受賞しています。

英語ディベートでは、発音や語彙だけでは勝負になりません。論題について調べ、根拠を整理し、相手の主張を聞いて、その場で反論を組み立てる必要があります。

三田国際科学学園では授業でも英語を使ったディスカッションやプレゼンテーションがありますが、クラブではそこに「試合」が加わります。人前で話すことが苦手だった生徒が、English Clubでの練習を通して表現することを楽しめるようになったという在校生の声も紹介されています。

吹奏楽・コーラス・箏曲――発表の場を持つ文化部

文化部では音楽系の活動も充実しています。吹奏楽部は東京都中学生吹奏楽コンクールで金賞を受賞し、2025 TAMAアンサンブルフェスタでは中学校のクラリネット四重奏が金賞・優秀賞を受賞しました。

コーラス部はNHK全国学校音楽コンクール東京都コンクールへ参加。箏曲部はMIFや校外での演奏に加えて、海外からの留学生を迎える場でも演奏しています。

英語やサイエンスに関心が強くなくても、音楽、演劇、美術、茶道、華道といった活動から学校生活へ入っていけます。学年やクラス以外の友人関係をつくる場所としても、クラブの役割は小さくありません。

サイエンス部とMSTCの研究活動は分けて考える

三田国際科学学園にはサイエンス部があります。ただし、学校が公表している科学コンテストや学会での多数の受賞実績を、すべてサイエンス部の成果として見るのは正確ではありません。

国際化学オリンピック、JSEC、高校生国際シンポジウム、物理チャレンジなどでの研究成果には、MSTCで行われている授業・研究活動によるものも多く含まれます。

これは三田国際科学学園の課外活動を考えるうえで面白いところです。一般的な学校なら「科学好きなら科学部へ」という流れになりやすいところ、ここでは授業そのものの中でも長期研究ができる。そのうえで、クラブとしてサイエンスに取り組む道もあります。

理科好きの生徒にとって、研究の居場所が放課後の部活動一つに限定されていません。

コンピュータ、鉄道、囲碁・将棋・チェスという選択肢もある

文化部にはコンピュータ部、鉄道研究部、囲碁・将棋・チェス部もあります。

学校の探究教育では、自分が持った「問い」を深めることを繰り返しますが、放課後の興味はもう少し素朴でも構いません。鉄道が好き、プログラミングをしてみたい、チェスを覚えたい――そうした個人的な関心から部活動を選べます。

中学受験を終えた時点で「将来研究したいテーマ」が決まっている生徒はむしろ少数でしょう。授業では新しい分野へ触れ、放課後には昔から好きだったことを続ける。この二つが同時にあってもよい学校です。

クラブに収まらなければ「有志団体」をつくる

三田国際科学学園では、正式なクラブ活動とは別に生徒自身が立ち上げる「有志団体」があります。

学校から与えられた活動へ参加するのではなく、自分たちが気づいた社会課題や実現したい企画をもとに仲間を集めて活動します。これまでにも社会課題への取り組みや映画製作など、既存の部活動には収まりにくい活動が行われてきました。

「やりたいことに合う部がない」で終わらず、それなら自分で活動を立ち上げるという選択肢がある。これは、授業で繰り返されるTHINK & ACTが放課後へ出てきた形でもあります。

三田国際科学学園の放課後は、23のクラブから一つを選ぶところで終わりません。競技を続ける、英語で全国大会を目指す、音楽を演奏する、自分の研究を続ける、あるいは既存の枠にない活動を仲間と始める。自分の「面白い」がどこにあるかによって、学校での過ごし方をかなり変えられます。

進学実績と卒業後の進路|国内難関大と海外大学へ広がる進路

三田国際科学学園の進路を見ると、国内の国公立・私立大学だけでなく、北米、イギリス、オーストラリア、カナダ、ヨーロッパなど海外大学への出願が日常的な選択肢に入っています。

2026年3月の卒業生は197名。2026年7月2日時点の合格実績では、東京大学5名、東京科学大学4名、大阪大学1名などの国公立大学に加え、早稲田大学41名、慶應義塾大学37名、上智大学25名、東京理科大学28名、国際基督教大学5名などの合格者が出ています。

数字だけを並べるより、この学校では「国内大学か海外大学か」「文系か理系か」という進路の分岐が、一般的な中高一貫校より早い段階から複数方向へ開いていると見る方が学校の教育とつながります。

2026年春は東京大学5名、国公立大学34名

2026年春の国公立大学合格実績では、東京大学に5名が合格しました。内訳は理学部、理科一類、文科一類、文科二類、文科三類が各1名です。

主な国公立大学合格者数
東京大学5名
大阪大学1名
東京科学大学4名
東北大学5名
九州大学2名
北海道大学1名
筑波大学1名
横浜国立大学2名
東京外国語大学1名
国際教養大学2名
東京藝術大学2名
東京農工大学2名
国公立大学計34名

東京大学だけでなく、東京藝術大学や国際教養大学まで進路が広がっているところも三田国際科学学園らしい部分です。

探究教育やサイエンスという言葉から理系中心の学校を想像しやすいのですが、東京大学でも理系・文系双方に合格者が出ています。ISCでは政治、歴史、心理、芸術、経営なども研究対象になるため、「科学」を自然科学に限定しない学校の考え方が進路にも表れています。

早慶上理ICUは延べ136名

私立大学では、早稲田・慶應・上智・東京理科・国際基督教大学への合格者がまとまって出ています。

大学合格者数
早稲田大学41名
慶應義塾大学37名
上智大学25名
東京理科大学28名
国際基督教大学5名
合計136名

早稲田大学では国際教養学部14名、慶應義塾大学では法・経済・文・商・総合政策・環境情報・理工・薬と、合格学部も一方向には偏っていません。

GMARCHでは明治大学45名、青山学院大学19名、立教大学41名、中央大学10名、法政大学22名などの実績があります。

なお、これらは合格者数であり進学者数ではありません。一人が複数の大学・学部に合格する場合があるため、数字を合計して卒業生197名と比較することはできません。

MSTCだけの話ではない医学部医学科28名

医学部医学科は、国公立・私立を合わせて延べ28名が合格しています。このうち5名は既卒生です。

主な医学部医学科合格者数
金沢大学1名
防衛医科大学校2名
東京慈恵会医科大学1名
順天堂大学2名
日本医科大学1名
昭和医科大学5名
東京医科大学5名
東邦大学3名
国際医療福祉大学3名
帝京大学3名
聖マリアンナ医科大学2名

MSTCという名称から「医学部進学クラス」と受け取られやすいのですが、MSTCは医学部受験専門コースではありません。数学、物理、化学、情報などを含めた研究活動を軸にしており、その先の進路の一つとして医学部があります。

医師になりたい生徒にとっても、入試問題だけを解く6年間ではなく、研究という別の角度から科学に触れられる点がこの学校の特徴です。

海外大学は「数人の特別な進路」ではなくなっている

三田国際科学学園の進路で、他校との違いが見えやすいのが海外大学です。

学校が公表する海外大学合格実績の最新年度欄では、延べ170件の合格が掲載されています。アメリカだけでなく、オーストラリア、イギリス、カナダ、オランダ、ベルギー、ハンガリーなど国・地域はかなり広範囲です。

主な合格先には、次のような大学があります。

国・地域主な合格大学
アメリカHarvard University、University of Pennsylvania、University of California, Berkeley、UCLA、Minerva University、Georgia Institute of Technologyなど
イギリスUniversity College London、University of Edinburgh、King’s College London、London School of Economics and Political Science、University of Manchesterなど
カナダUniversity of Toronto、University of British Columbia、McGill University、University of Waterlooなど
オーストラリアUniversity of Melbourne、University of Sydney、University of Queensland、Australian National University、University of New South Walesなど
ヨーロッパUniversity of Amsterdam、University of Groningen、KU Leuven、Semmelweis Universityなど

2026年3月卒業生には、University of California, BerkeleyのEECSへ進む卒業生や、Minerva Universityへの合格者もいます。

海外大学は複数校へ同時に出願することが一般的なので、170という数字は170人が海外へ進学したという意味ではありません。それでも、海外大学が例外的な進路ではなく、学校内に出願経験や情報が蓄積されていることは分かります。

IC以外の生徒にも海外大学進学の支援がある

海外大学というとICの生徒だけの進路に見えますが、学校の海外大学進学サポートは全コースの生徒が対象です。

校内にはJAOS認定留学カウンセラーや海外留学アドバイザー資格を持つ教員が在籍し、海外大学進学ガイダンス、大学関係者による説明会、海外大学へ進学した卒業生によるセミナーなどを実施しています。

英語資格についても、英検に加えてTOEFLやIELTSを視野に入れ、国際生は中2から高1にPSATを受検。International TeacherによるSAT対策やエッセイ指導も用意されています。

さらに、海外大学の協定推薦制度であるUPAAや、北米の大学への進学を支援するShorelightにも参加しています。国内大学の一般選抜と海外大学出願では準備する内容がかなり違うため、その双方を学校内で相談できる体制があります。

探究中心の学校でも、高2から受験へ重心を移す

三田国際科学学園について、「探究やプレゼンテーションが多く、大学受験対策はどうするのか」と気になる家庭もあるでしょう。

高校では学年が進むにつれて時間の使い方が変わります。高1までは研究・探究も続けながら、高1で志望大学・学部や必要な入試科目を整理。高2では各コースの海外研修が終わる2学期以降、大学入試を意識した学習へ重心を移します。

高3では受験対策講座に加えて、小論文や面接の対策も実施します。夏期・冬期講習も、中1から高1では基礎の補強や発展・探究型講座が中心ですが、高2・高3になると大学受験を意識した内容が増えます。

2026年に東京大学文科二類へ進学した卒業生も、中3頃から自学習慣をつくり、高1までは探究活動に取り組んだうえで、高2・高3に受験勉強へ集中したと学校の卒業生紹介で語っています。

「大学名を決めて6年間走る」より、自分の進路を途中で作っていく

三田国際科学学園では、中学から大学受験のための一本のレールを敷くというより、ISC・MSTC・ICで異なる経験をしながら、自分が何を学びたいのかを具体化していきます。

MSTCで研究を続けた結果、研究者や医学系を志すこともある。ICで英語を使って学ぶ中で海外大学が現実的な候補になることもある。ISCのゼミで社会科学や芸術に出会い、国内大学の文系学部へ進む生徒もいます。

東京大学5名という数字も、HarvardやBerkeleyへの合格も、この学校では同じ一本のランキングの上に置かれているわけではありません。国内・海外を含め、自分の関心に合う場所を探すという進路の作り方が、三田国際科学学園の6年間の学びとつながっています。

学費や諸経費について|ICT・研修費まで含めて6年間を見通す

三田国際科学学園では、授業料などの学費に加えて、教科書やiPadを含む教育充実費、宿泊研修費、制服・体育用品などが必要です。さらに希望制の海外留学や、高校ICのDual Diploma Programなどを選択すると別途費用が発生します。

そのため、学校を比較するときには「授業料はいくらか」だけでは全体像が見えません。まず毎年かかる校納金を押さえ、その上に学年ごとの教育充実費や研修費を重ねて考えると分かりやすくなります。

中学校の年間学費は93万円

学校が現在公表している中学校の学費は、2025年度入学生実績で次の通りです。

項目金額
入学金350,000円
授業料552,000円
設備費150,000円
維持管理費・水道光熱費228,000円
年間学費930,000円
PTA・生徒会費等の預かり金46,900円

入学時には入学金350,000円が加わります。年間学費930,000円については、原則として2期に分けて納入します。

ただし、これだけで中1の年間費用がすべてそろうわけではありません。三田国際科学学園では、授業で使用する端末や教材などをまとめた「教育充実費」が別途設定されています。

中1の教育充実費は約25万円

中学1年の教育充実費は約250,000円が目安です。ここには教科書などの教材費に加えて、学校で使用するiPad関連費用も含まれています。

学年教育充実費の目安
中学1年約250,000円
中学2年約120,000円
中学3年約120,000円

中1が高くなるのは、入学時に端末を用意するためです。三田国際科学学園では、iPadを資料閲覧だけに使うのではなく、実験データの記録、情報収集、レポート、プレゼンテーションなど日常の授業で使用します。

§4で見たICT環境を利用するための費用も、入学時の教育費の中に組み込まれていると考えると分かりやすいでしょう。

宿泊研修は学年ごとに別途必要

宿泊行事にも、それぞれ費用がかかります。

学年主な行事費用の目安
中学1年オリエンテーション合宿約60,000円
中学2年国内宿泊研修約60,000円
中学3年国内宿泊旅行約110,000円

中1のオリエンテーション合宿から、中2・中3のSocial Linkにつながる校外活動まで、三田国際科学学園では学校の外へ出て学ぶ機会があります。宿泊研修は教育プログラムの一部なので、授業料とは別に6年間の教育費へ入れて考えておきたいところです。

初年度は約164万円が一つの目安

入学金、年間学費、PTA・生徒会費等、教育充実費、中1のオリエンテーション合宿費を合計すると、現在公表されている金額を基準に中学1年の初年度は約164万円となります。

中1で必要となる主な費用目安
入学金350,000円
年間学費930,000円
PTA・生徒会費等46,900円
教育充実費約250,000円
オリエンテーション合宿約60,000円
合計の目安約1,637,000円

この金額には、制服、鞄、体育用品などの指定品は含めていません。

制服・鞄・体育用品は約17万円が目安

中学校の指定品について、学校は次の金額を目安として案内しています。

  • 制服:約120,000円
  • 鞄・体育用品:約50,000円

合わせると約170,000円です。購入する品目や枚数によって実際の金額は変わりますが、中学入学時には学費とは別に準備しておく必要があります。

したがって、制服などの指定品まで含めれば、入学初年度に必要となる費用はおおむね180万円前後が一つの目安になります。ここに希望制プログラムや個人的な購入品などが加わる場合があります。

中3のターム留学は希望制で、積立方式ではない

三田国際科学学園では、中3の希望者がオーストラリアへ約3か月留学できる「ターム留学」をはじめ、複数の海外留学制度があります。

留学費用は一律ではありません。渡航先、現地校、期間、為替レートなどによって変わるため、学校は固定額を示していません。また、留学費用を全員からあらかじめ積み立てる方式でもありません。

中3ターム留学の場合、留学期間中の本校授業料は半額となりますが、設備維持費やPTA会費などは通常通り必要です。

ICの希望者には、中3から高1にかけてニュージーランドで約8か月を過ごす長期留学もあります。海外経験を積極的に利用したい家庭は、通常の6年間の学費とは別枠で資金計画を立てておく必要があります。

高校でも学費に加えて教育充実費が続く

完全中高一貫校となった三田国際科学学園では、中学校3年間だけでなく、高校卒業までの6年間を見て教育費を考えることになります。

学校が現在公表している高校の年間学費は次の通りです。

項目金額
授業料480,000円
設備費50,000円
維持管理費・水道光熱費168,000円
年間学費698,000円
PTA・生徒会費等の預かり金46,900円

高校1年では、このほか教育充実費として約250,000〜300,000円が目安となります。高校ではコースによって使用するiPadまたはMacBookが異なり、その端末関連費や教科書代も教育充実費に含まれます。

さらに高校2年には、ISC・MSTC・ICそれぞれの学びに対応した海外研修があります。ICでDual Diploma Programを選択する場合には、通常の学費とは別にプログラム費も必要です。

三田国際科学学園では「何を選ぶか」で6年間の費用が変わる

三田国際科学学園の費用を考えるとき、全家庭に共通する学費と、本人の選択によって発生する費用を分けて考えると整理しやすくなります。

授業料、設備費、教育充実費、国内宿泊研修などは学校生活の基本部分です。一方、中3のターム留学、長期留学、高校での海外プログラム、ICのDual Diploma Programなどは、進み方によって金額が変わります。

この学校では、英語や探究、海外進学の選択肢が多いぶん、6年間で利用できるプログラムにも幅があります。入学時の金額だけを比較するより、「どのクラスで、どの海外経験やプログラムまで利用したいか」を家庭で考えておくと、学校生活と教育費を一緒に見通しやすくなります。

入試情報と合格の目安|ISC・IC・MST入試の違いを整理

三田国際科学学園中学校の2027年度入試は、2月1日午前・2月1日午後・2月2日午後・2月3日午後・2月4日午後に実施されます。

ただし、5日間すべてが同じ入試ではありません。ISC(インターナショナルサイエンスクラス)、IC(インターナショナルクラス)、MSTC(メディカルサイエンステクノロジークラス)で受験できる日や選考方法が異なります。

試験日程対象選考方法募集人数
第1回2月1日午前ISC4教科 または 英・国・算・面接20名
第1回2月1日午前IC4教科 または 英・面接20名
第2回2月1日午後ISC4教科20名
第2回2月1日午後IC4教科10名
第3回2月2日午後ISC4教科 または 英・国・算・面接15名
第3回2月2日午後IC4教科 または 英・面接10名
MST入試2月3日午後MSTC算数・理科30名
第4回2月4日午後ISC4教科5名

第1回のみ8時30分集合で、それ以外は15時集合です。午後入試が多いため、2月1日・2日には他校の午前入試と組み合わせる受験プランも考えられます。

4教科入試は国算200点、理社100点の300点満点

ISC・ICの4教科入試は、国語・算数がそれぞれ50分100点、理科・社会がそれぞれ30分50点です。

教科試験時間配点
国語50分100点
算数50分100点
理科30分50点
社会30分50点
合計300点

国語・算数で全体の3分の2を占めますが、理科・社会も合わせて100点あります。4科型で三田国際科学学園を目指す場合、国算を中心にしながら理社で大きく崩れない形を作っておく必要があります。

ICは4科でも受験できる

ICという名称から、「高い英語力がないと受験できない」と思われがちですが、ICにも4教科入試があります

第1回・第2回・第3回で4科によるIC受験が可能です。英語を本格的に学び始める生徒も入学でき、入学後は英語学習歴に応じてImmersionなどで段階的に英語力を伸ばします。

一方、すでに高い英語力を持つ受験生は、第1回・第3回で英語を使った選考を選択できます。ICの英語選考は、英語60分・100点と、本人のみの英語・日本語面接です。

海外在留経験そのものを2月入試の出願条件としているわけではないため、国内で英語を学んできた受験生も英語選考を利用できます。

ISCにも「英語を使って受ける」ルートがある

英語選考はICだけではありません。ISCでも第1回・第3回に、英語・国語・算数・面接による選考を行います。

英語はリスニングを含む60分・100点。国語と算数は合わせて50分で、それぞれ50点です。さらに本人のみの英語面接があります。

つまり、「英語が得意ならIC、4科ならISC」ときれいに分かれているわけではありません。英語を強みにしながら、ISCで文理を越えた探究を続ける受験ルートもあります。

ISCの英語選考には英語筆記免除制度がある

ISCの英語選考では、一定以上の外部資格を持つ受験生を対象として英語筆記試験の免除があります。

  • 英検準1級以上
  • TOEFL iBT 旧形式72点以上、または新形式4.0点以上
  • IELTS 5.5以上

対象となる証明書には受験時期などの条件があり、2027年度は2024年11月以降に受験したものが対象です。1月25日までに証明書の写しを提出する必要があります。

この制度で注意したいのは、英語資格による筆記免除はISCのみということです。ICの英語選考には同じ免除制度は設定されていません。

MST入試は算数・理科だけで200点

2月3日のMST入試は、他の入試とかなり性格が違います。

試験科目は算数と理科のみ。各60分・100点で、合計200点です。

教科試験時間配点
算数60分100点
理科60分100点
合計120分200点

募集人数は30名で、三田国際科学学園の中でもまとまった募集枠です。理数系への強い関心と、算数・理科で考え抜く力を持つ受験生に向けた入試になっています。

なお、MST入試に合格しても、中学1年ではISCに所属します。中1でサイエンスリテラシーなど共通の基礎を学び、中2からMSTCへ進む仕組みです。

「MST入試に合格したら入学初日から医学部受験コースへ入る」という制度ではありません。この点は学校選びでも確認しておきたいところです。

2027年度の四谷大塚80%偏差値は60〜64

四谷大塚の2027年中学受験対応データによるAライン80偏差値は、次のようになっています。

入試Aライン80偏差値Cライン50偏差値
第1回 ISC6057
第1回 IC6057
第2回 ISC6258
第2回 IC6258
第3回 ISC6359
第3回 IC6359
MST入試6461
第4回 ISC6359

Notebookにあった「ISC54〜57、MSTC65〜68」という整理からはかなり変わっています。現在の四谷大塚データでは、第1回でも60、午後入試では62〜63、MST入試は64です。

後半になるほど募集人数が減り、2月1日に別の難関校を受験した層も加わるため、第1回と第3回・第4回を同じ難度として考えることはできません。とくに第4回ISCは募集5名なので、「最後にもう一度受けられる安全策」と見るより、かなり狭い枠への挑戦と考えた方がよいでしょう。

また、英語選考は4科型とは受験者の学習歴が異なるため、4科模試の偏差値だけで合格可能性を判断するのは難しくなります。IC・ISCを英語で受験する場合は、英語力に加えて面接や各方式の出題への準備が必要です。

受験料25,000円で最大3回まで同時出願できる

2027年度の受験料は25,000円です。特徴的なのは、同時出願の場合、25,000円で最大3回まで出願できることです。

三田国際科学学園は2月1日から4日まで複数の受験機会があるため、第一志望度が高い家庭は複数回をあらかじめ組み込むことができます。ただし、各回で選べるクラスや選考方法が違うため、出願時には「何日の、どのクラスを、どの方式で受けるか」を整理しておく必要があります。

第1回は1月30日9時に出願を締め切りますが、第2回以降とMST入試は試験当日の9時まで出願可能です。入試期間中の合否を見ながら、後半の日程を判断する余地があります。

入学手続は2月8日17時まで

2027年度の入学手続期限は2月8日17時です。

三田国際科学学園は2月4日まで入試が続くため、第4回まで受験した場合でも、その後に手続期間があります。一方、併願校によって合格発表や入学金の納入期限は異なります。

三田国際科学学園の入試は、「偏差値はいくつか」だけを見るより、ISC・IC・MSTCのどこで6年間を過ごしたいのかを先に考える必要があります。4科でISCを狙うのか、英語を使ってISC・ICへ入るのか、算数・理科を武器にMSTCへ進むのか。同じ学校の入試でも、入口はかなり違います。

併願校パターン|2月1日午後から4日までをどう組み立てるか

三田国際科学学園の併願を考えるとき、特徴的なのが午後入試の多さです。2027年度は2月1日午前の第1回に続き、1日午後、2日午後、3日午後のMST入試、4日午後と受験機会が続きます。

この日程を利用すると、午前に別の学校を受験して午後に三田国際科学学園へ向かうこともできます。反対に、三田国際科学学園を第一志望にして、午前に合格を確保する学校を置きながら複数回挑戦する組み方も可能です。

四谷大塚の2027年対応Aライン80偏差値では、三田国際科学学園は第1回60、第2回62、第3回63、MST入試64。後半になるほど難度が上がるため、「何回も受けられるから最後には入りやすくなる」という関係ではありません。

まずは併願候補の位置関係を整理する

三田国際科学学園を志望する家庭では、共学校であることに加え、探究、サイエンス、英語教育、海外大学への進路などを重視している場合が多いでしょう。こうした学校選びの軸と入試難度を踏まえると、代表的な候補は次のようになります。

位置づけ学校2027年度の主な入試日三田国際との比較
チャレンジ校広尾学園中学校2月1日午前・午後、2月2日、2月5日国際教育・サイエンス教育を重視する共学校。三田国際より高い難度の入試が多い
広尾学園小石川中学校2月1日午前・午後、2月3日、2月6日など国際教育や探究との親和性が高く、三田国際と併願しやすい学力帯
標準校候補東京農業大学第一高等学校中等部2月1日午前・午後、2月2日午後理数への関心が強い家庭で比較しやすい。2027年度は3回入試
東京都市大学等々力中学校2月1日午前・午後、2月2日午後、2月3日午後、2月4日午前共学・探究・国際教育という点で比較しやすく、複数回入試も組みやすい
安全校候補目黒日本大学中学校2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午後共学校。2月1日午後の算理入試など、三田国際志望者と科目相性を取りやすい
多摩大学目黒中学校2月1日午前・午後、2月2日午前・午後、2月3日午後、2月4日午前、2月6日午前受験機会が多く、入試期間中の合格状況に応じて組み込みやすい

「安全校」は、三田国際科学学園を十分に狙える模試成績の受験生を想定した相対的な呼び方です。合格を保証するものではなく、本人の偏差値、過去問との相性、得意科目によって位置づけは変わります。

パターン1|広尾学園を第一志望にして、午後に三田国際を受ける

国際教育やサイエンス教育を重視する家庭では、広尾学園と三田国際科学学園を比較するケースがあります。

日程受験例
1月埼玉・千葉で進学してもよい学校の合格を確保
2月1日午前広尾学園 第1回
2月1日午後三田国際科学学園 第2回
2月2日午後広尾学園 医進・サイエンス、または三田国際科学学園 第3回
2月3日午後三田国際科学学園 MST入試など
2月4日午後三田国際科学学園 第4回

2月1日午前に広尾学園を受け、その日の午後に三田国際科学学園という日程は組むことができます。

ただし、広尾学園は広尾駅、三田国際科学学園は用賀駅です。午前の試験終了後に昼食を取り、田園都市線方面へ移動して午後入試に臨むことになります。受験校を紙の上で二つ並べるだけでなく、実際の終了時刻と集合時刻を確認しておく必要があります。

また、2月2日午後には広尾学園の医進・サイエンス回と三田国際科学学園第3回が重なります。どちらを優先するかは、第一志望度だけでなく、本人がどの学校の教育をより希望しているかで事前に決めておきたいところです。

パターン2|三田国際を第一志望として、1日から複数回受験する

三田国際科学学園への進学希望が強い場合は、2月1日午前の第1回から受験する形が基本になります。

日程受験例
1月埼玉・千葉で合格校を確保
2月1日午前三田国際科学学園 第1回
2月1日午後三田国際科学学園 第2回
2月2日午前目黒日本大学、多摩大学目黒など
2月2日午後三田国際科学学園 第3回
2月3日午後MSTCを希望する場合はMST入試
2月4日午後必要に応じて三田国際科学学園 第4回

三田国際科学学園は25,000円で最大3回まで同時出願できるため、第一志望の場合は複数回受験をあらかじめ想定しやすい学校です。

ただし、2月1日に午前・午後の両方を受験すると、一日で4科入試を2回受けることになります。翌2日にも午前・午後を入れれば、かなり密度の高い日程です。

受験機会を増やすほど有利とは限りません。午後入試を何日続けられるか、睡眠時間を確保できるか、本人が連日の試験で集中力を維持できるかまで含めて決める必要があります。

パターン3|MSTCを強く希望する理数型の受験生

MSTCへの進級を目標にする場合は、2月3日午後のMST入試を中心に日程を考える方法があります。

MST入試は算数・理科各100点の2科入試です。2027年度の四谷大塚Aライン80偏差値は64で、三田国際科学学園の入試の中では最も高い水準となっています。

日程受験例
2月1日午前東京農業大学第一、または三田国際科学学園 第1回
2月1日午後東京農業大学第一 第2回、または三田国際科学学園 第2回
2月2日午前東京都市大学等々力、目黒日本大学、多摩大学目黒など
2月2日午後東京農業大学第一 第3回、または三田国際科学学園 第3回
2月3日午後三田国際科学学園 MST入試

東京農業大学第一高等学校中等部は、2027年度から2月4日の第4回を廃止し、2月1日午前・午後、2月2日午後の3回入試になります。理科や数学への関心が強い受験生には比較対象になりやすい学校です。

ただし、三田国際科学学園のMST入試に合格しても、中1からMSTCへ所属するわけではありません。中1ではISCでサイエンスリテラシーなどを学び、中2からMSTCへ進みます。受験する段階でも、この教育の流れまで理解して学校を選びたいところです。

東京都市大学等々力は日程を組み替えやすい

三田国際科学学園と同じ世田谷区にあり、共学校という条件で比較しやすいのが東京都市大学等々力中学校です。

2027年度は、2月1日午前・午後、2月2日午後、2月3日午後、2月4日午前に入試を設定しています。2月3日には英語選択型も導入されます。

四谷大塚のAライン80偏差値では学校内の高い入試回で61前後となっており、三田国際科学学園の第1回60と重なる部分があります。単純な安全校というより、三田国際と並行して検討する標準校として考える方が自然です。

探究、国際教育、共学という共通点はありますが、学校生活や大学進学指導の設計は同じではありません。用賀と等々力という距離の近さもあるので、両校を実際に見て比較しやすい組み合わせです。

目黒日本大学は2月1日午後に「算理入試」

目黒日本大学中学校は2027年度、2月1日午前の4科入試に加えて、同日午後に算数・理科を組み合わせた「算理入試」を実施します。

2月2日午前には4科型と適性検査型、2月4日午後には国語・算数の2科型があります。

三田国際科学学園のMST入試を考えている理数型の生徒にとっては、算数・理科を使う午後入試という点で科目の相性を取りやすい学校です。一方、目黒日本大学は日本大学との高大連携を持つ学校なので、大学附属・準附属的な環境をどう評価するかという点では三田国際科学学園と学校選びの方向が異なります。

多摩大学目黒は2月6日まで受験機会がある

合格を確保する学校として検討しやすいのが多摩大学目黒中学校です。

2027年度は、2月1日午前の進学第1回と午後の特待・特進第1回を皮切りに、2月2日午前・午後、2月3日午後、2月4日午前、さらに2月6日午前まで入試があります。

三田国際科学学園の入試が2月4日午後まで続くため、その途中で合格校を確保したい場合にも、三田国際の結果を見た後にもう一度受験機会を残したい場合にも使いやすい日程です。

ただし、「日程が使いやすい」という理由だけで併願校を決めるのは避けたいところです。三田国際科学学園とは教育内容や学校生活も異なるため、合格した場合に本当に進学するかを考えたうえで出願する必要があります。

英語型で三田国際を受ける場合は、偏差値表だけでは組めない

ISC・ICの英語選考を利用する受験生は、4科型の併願とは少し考え方が変わります。

4科模試の偏差値が同じでも、帰国生、インターナショナルスクール出身者、国内で英語資格を取得した受験生では英語力が大きく異なります。三田国際科学学園の英語選考では面接もあるため、4科偏差値だけで「安全校」「チャレンジ校」を決めることはできません。

広尾学園、広尾学園小石川など国際生・英語型の入試を持つ学校と併願する場合には、英語資格、エッセイ・面接、国算の扱いまで比較する必要があります。

「教育が似ている学校」と「合格を確保する学校」は分けて考える

三田国際科学学園の併願では、ここを分けて考えると日程を組みやすくなります。

広尾学園、東京農業大学第一、東京都市大学等々力などは、国際教育、理数教育、探究、共学といった面で比較しやすい学校です。ただし、難度も三田国際科学学園に近く、必ずしも合格を確保する役割にはなりません。

一方、目黒日本大学や多摩大学目黒などを本人の成績に応じて一段下の候補に置けば、2月1日から4日まで挑戦を続けながら、進学できる学校の合格を確保するプランを作れます。

そして「安全校」で一番大切なのは、偏差値が低いことではありません。三田国際科学学園が不合格だったとき、その学校へ本人が納得して進学できることです。

三田国際科学学園を志望する家庭は、授業の進め方や英語環境、探究活動に学校選びの理由を持っていることが多いはずです。併願校でも同じ条件をどこまで残したいのかを考え、秋までには実際に学校へ足を運んでおくと、2月の結果だけに振り回されない受験日程を作りやすくなります。

在校生・保護者の声|発言する授業と多様な生徒がつくる校風

三田国際科学学園について在校生や保護者の声を見ていくと、よく出てくるのが、「自分の意見を求められる」「個性的な生徒が多い」「英語力やバックグラウンドの違う生徒が同じ学校で過ごしている」という感想です。

一方、課題量の多さや、自分から質問して動く必要があることを負担に感じる声もあります。学校が掲げる「自由」は、何もしなくても自由に過ごせるという意味ではありません。授業でも学校生活でも、自分で考えて参加することを求められる場面が多い学校です。

授業では「先生の答えを当てる」より、自分の考えを出す

三田国際科学学園の授業では、教員から生徒へ一方向に説明する時間だけでなく、トリガークエスチョンを起点としたディスカッションやグループワーク、プレゼンテーションが日常的に行われます。

学校が教育理念の中で使っている「Contribution」という言葉も少し独特です。授業中に発言することを、単なる積極性ではなく、自分の考えを出すことでクラス全体の学びに材料を提供する行為として捉えています。

そのため、「間違っていたら恥ずかしいので、正解が分かるまで黙っていたい」という学習スタイルからは、少し転換が必要です。他の生徒の意見を聞いて自分の考えを変えることも含めて授業になります。

こうした授業を面白いと感じる生徒には刺激の多い環境ですが、人前で話すことを強く負担に感じる子は、入学当初に戸惑う可能性があります。もっとも、発表の経験を中学から繰り返すため、最初からプレゼンテーションが得意である必要はありません。

「個性的な子が浮きにくい」という保護者の声

保護者の口コミでは、個性の強い生徒もそれを否定されにくい、いろいろなタイプの生徒がいるという評価が見られます。

これは学校の構成とも無関係ではありません。ISCには英語を初めて学ぶ生徒と既習者が在籍し、ICには帰国生や高い英語力を持つ生徒もいます。男女比もおよそ男子4割・女子6割で、海外生活経験、語学力、興味のある分野などが異なる生徒が同じキャンパスで生活しています。

「みんな同じであること」を安心材料にする学校とは、少し空気が違います。

MIFを見ても、研究発表をする生徒、舞台に立つ生徒、有志企画を立ち上げる生徒、裏方として運営する生徒がいます。2025年のMIFでは、生徒の提案から始まった電子チケットの仕組みが実際の入場システムとして運用されました。学校生活の中で「これをやってみたい」と言った生徒が、その先まで動ける余地があります。

英語が得意な生徒と、ゼロから始める生徒が同居する

三田国際科学学園では、英語力の差がかなり大きい状態で中学生活が始まります。

ISCでは、2024〜2026年度入学生のうち英語既修者が28%、未修者が72%。英語をほとんど学んでいない状態から入学する生徒の方が多数です。一方、ICには帰国生や英語を高い水準で使える生徒もいます。

保護者の口コミにも、英語を中学から始めた生徒と帰国生がそれぞれ成長できる環境だという声があります。その一方で、英語初心者にとって入学直後の課題やスピーチを負担に感じるケースも語られています。

学校はISC・MSTCの英語をStandard・Intermediate・Advancedに分け、ICにもAcademyとImmersionを設定しています。それでも、「周囲に英語が非常にできる生徒がいる」という環境そのものは残ります。

それを劣等感につなげるより、「自分とは違う得意分野を持つ人がいるのが普通」と受け止められるかどうかは、この学校との相性を見る一つのポイントです。

課題は軽くない。自分から質問する姿勢も必要

学習面については、保護者口コミで課題が多いという声が複数見られます。

三田国際科学学園は、探究やプレゼンテーションが中心だから日々の教科学習は軽い、という学校ではありません。朝学習では英語・数学などのテストを行い、長期休暇には講習が設定されます。必要に応じてフォローアップも行われています。

ただし、保護者の声の中には、「分からないところを自分から明らかにして先生へ聞く主体性が必要」という指摘もあります。

個別ブース型自習室やオンライン教材、質問できる環境はありますが、それらを使うかどうかまで先生が毎回先回りして決めてくれるわけではありません。授業で発言することと同じように、学習面でも「困っているなら自分から動く」という姿勢が少しずつ必要になります。

先生は正解を教える人というより、考える過程に入ってくる

三田国際科学学園では、教員自身を授業の「ファシリテーター」と位置づけています。

例えば実験では、最初から方法と答えをすべて提示するのではなく、生徒が考えた仮説や実験方法について問い返しながら研究を進めます。探究やキャリア教育でも、生徒自身が決めたテーマや進路について教員が対話しながら整理します。

これは、何でも細かく指示してくれる先生を望む家庭には少し違って見えるかもしれません。一方、自分の考えを聞いてもらいながら方向を決めたい生徒には、話しやすい関係を作りやすい教育です。

学校生活上の悩みについても、担任だけでなく、学年教員、教科担当、スクールカウンセラーなど複数の相談先があります。年2回の学校生活アンケートやwebQUも実施し、生徒の状況を把握する仕組みを設けています。

クラブ活動は盛んだが、週3日以内

中学生のおよそ9割がクラブ活動に所属しています。ただし、活動日は原則として週3日以内です。

保護者からは、この活動日数を「勉強とのバランスを取りやすい」と見る声がある一方、もっと部活動をしたい生徒には物足りないという意見もあります。

また、クラブによる差もあります。ポップダンス部、陸上競技部、バスケットボール部など大会を目指して活動する部もあれば、比較的自分のペースで参加しやすい文化部もあります。

「部活動中心の6年間」を望むのか、「探究や学習、留学などにも時間を振り分けたい」のかによって、この週3日という設計の受け止め方は変わります。

校風の自由さは、「何もしなくてよい自由」ではない

口コミでは、校則を比較的自由だと受け止める保護者が見られます。携帯電話も所持可能で、学校内のルールに従って使用します。

ただ、三田国際科学学園で感じる自由さは、生活上の規則が少ないということ以上に、「何を考えるか」「何を研究するか」「何を始めるか」に生徒側の余地があることの方が重要です。

有志団体を立ち上げる、MIFの仕組みを提案する、自分で研究テーマを決める、海外へ留学する。選択肢が多い一方、どれを選ぶかは本人が考えなければなりません。

何も選ばず指示を待っていても自動的に学校が個性を伸ばしてくれるわけではない。この点は、三田国際科学学園を検討する際に知っておきたいところです。

学校説明会だけでなく、授業やMIFで生徒を見ておきたい

三田国際科学学園は、教育理念がはっきりした学校です。そのぶん、学校の説明を聞くだけでは「面白そう」という印象が先行することがあります。

受験前には、オープンスクールの体験授業やMIFなどで、実際の授業・生徒の様子を本人が見ることを勧めたい学校です。

先生から問いを投げかけられたとき、生徒がどのくらい発言するのか。グループワークではどんな距離感で話しているのか。英語が飛び交う環境を本人がどう感じるのか。MIFで生徒が自分の企画や研究を説明する姿を見て、「自分もあちら側に入りたい」と思えるか。

口コミでは評価が分かれる部分もありますが、それはこの学校の教育方法がかなり明確だからでもあります。三田国際科学学園は、誰にとっても同じように居心地のよい学校というより、自分で考え、人と話し、何かを始めることを面白いと思える生徒ほど学校の仕組みを使いやすいタイプの学校です。

この学校に向いている子の特徴|答えを待つより、自分で問いを持てる子

三田国際科学学園に向いているのは、入学時点ですでに英語が得意な子、理科の研究テーマが決まっている子だけではありません。むしろ重要なのは、知らないことに出会ったとき、自分なりに考えてみようとする姿勢です。

授業ではディスカッションやプレゼンテーションが多く、探究では自分で問いを設定します。ISC・MSTC・ICのどこへ進んでも、先生の説明を聞いて正解を覚えるだけでは学校生活が完結しません。

「なぜ?」を面倒がらず、調べてみたくなる子

三田国際科学学園では、中1全員がサイエンスリテラシーを学びます。ここでいうサイエンスは、理科が得意かどうかとは少し違います。

身近な現象を見て「どうしてこうなるのだろう」と考える。資料を探す。仮説を立てる。実験や調査をして、予想と違えば考え直す。この一連の過程を、自然科学だけでなく社会、歴史、心理、芸術などにも使います。

すぐに答えを知りたがるより、少し寄り道しながら自分で確かめることを楽しめる子には合いやすいでしょう。

反対に、「試験に出る答えだけを短時間で教えてほしい」という学習を強く好む場合、探究に使う時間を遠回りに感じる可能性があります。

人の意見を聞いて、自分の考えを変えられる子

授業では、自分の意見を発言することが求められます。ただし、声が大きくて議論を引っ張れる子だけが向いているわけではありません。

むしろ大切なのは、他の人の考えを聞いた結果、自分の考えを修正できることです。

三田国際科学学園では、生徒の発言をクラス全体の学びへのContributionとして捉えています。自分の考えを出し、他者から違う視点を受け取り、それによってもう一度考える。この往復が授業の中で何度も起こります。

最初から人前で話すことが得意でなくても構いません。「間違ったことを言ったら終わり」と考えるより、まず言葉にしてみようと思える子の方が、この授業には入りやすくなります。

英語を「点数を取る科目」以上のものとして使いたい子

英語教育を目的に三田国際科学学園を検討する家庭も多いでしょう。

ICでは英語で数学・理科・社会などを学び、ISC・MSTCでもプレゼンテーションやプロジェクトの中で英語を使います。海外研修や留学、海外大学への進学も選択肢に入ります。

そのため、単語や文法を覚えて英検の級を上げることだけでなく、英語を使って何かを学び、人と話し、自分の考えを伝えたい子との相性がよい学校です。

一方、入学時点の英語力は一様ではありません。ISCには中学から英語を始める生徒が多数おり、ICにも英語学習歴に応じたImmersionがあります。

「今どれだけ英語ができるか」より、「これから英語を使えるようになりたいか」の方が、学校選びでは重要です。

理数系の「得意」より、研究を続けられる子

MSTCを考える場合、算数や理科が得意であることは当然プラスになります。ただ、それだけでMSTCとの相性が決まるわけではありません。

研究では、実験が失敗することがあります。調べても答えが見つからないこともあります。数週間考えたテーマを途中で変更する場合もあります。

テストで正解した瞬間に満足するより、一つの疑問を何か月も追い続けることを面白いと思える子の方が、基礎研究αや基礎研究βを使いやすいでしょう。

また、MSTCは医学部受験だけを目的としたクラスではありません。数学、物理、化学、生命科学、情報など、関心の方向は幅広く取れます。「医師になりたいからMSTC」だけでなく、「自分で研究してみたいからMSTC」という選び方もできます。

一つのタイプに収まりたくない子

三田国際科学学園には、英語が得意な生徒、研究に没頭する生徒、ダンスやスポーツに取り組む生徒、音楽や演劇が好きな生徒がいます。

授業でも、ISCのゼミには政治、経営、心理、文学、微生物、数学、プログラミングなどが並びます。「サイエンス校だから理系の子ばかり」という学校ではありません。

小学生の時点で自分を「文系」「理系」と決めたくない子や、一つの得意分野だけで評価されたくない子には、選択肢の多さが生きてきます。

逆に、学校生活の進み方をできるだけ一つの型にそろえてほしい家庭には、選択肢の多さが少し複雑に感じられるかもしれません。

「やりたい」と言った後、自分でも動ける子

三田国際科学学園には、Zero to Oneで試作品を作る、有志団体を立ち上げる、MIFで企画を提案する、留学へ参加するなど、生徒が自分から始められる仕組みがあります。

ただし、学校が用意した選択肢を眺めているだけでは何も始まりません。

「こんなことをやってみたい」と思った後、先生に相談する、仲間を集める、必要なことを調べる、といった一歩を自分で踏み出す必要があります。

自由度の高さを「好きなことをしてよい」と受け取るだけでなく、「自分で選んだことには自分で関わる」と考えられる子ほど、この学校の環境を使いこなしやすくなります。

部活動だけに6年間を集中させたい子は活動頻度を確認したい

三田国際科学学園では中学生の多くがクラブに所属していますが、活動日は原則週3日以内です。

学習、探究、クラブ、学校行事、留学などに時間を分けて使う設計になっているため、「毎日部活動をして全国大会だけを目指したい」という生徒には、部によっては活動量が物足りなく感じられる可能性があります。

一方、スポーツや文化活動も続けながら、放課後には研究や自習、別のプロジェクトにも時間を使いたい子には、この頻度がちょうどよい場合があります。

入りたい部が決まっている場合には、活動曜日や大会前のスケジュールまで学校見学で確認しておきたいところです。

海外進学を「特別な進路」にしたくない子

海外大学を志望する可能性がある子にとっても、三田国際科学学園は検討しやすい学校です。

海外大学への進学実績があり、TOEFL・IELTS・SAT、出願エッセイなどの支援も校内にあります。IC以外の生徒も海外大学進学支援を利用できます。

中学生の時点で海外大学を志望している必要はありません。むしろ、留学や英語での授業を経験した結果、高校で「海外も候補にしてみよう」と考えられることに意味があります。

国内大学だけを当然の進路とせず、将来どこで何を学ぶかを広く考えてみたい子には、学校内に参考になる先輩や進路事例があります。

完成された自分より、6年間で考え方を変えていきたい子

三田国際科学学園は、入学時に「将来の夢」「研究分野」「得意な英語」「進学先」が決まっている子のためだけの学校ではありません。

中1でサイエンスリテラシーを学び、中2からゼミや研究へ進み、MIFやSocial Linkで学校外の人と出会い、留学を経験することもある。その途中で、自分の関心が変わることを前提にした教育です。

小学生の段階でまだ将来像が定まっていなくても、「いろいろ試しながら、自分が何に面白さを感じるのかを探したい」と思える子なら、6年間の選択肢を生かしやすいでしょう。

三田国際科学学園を選ぶときに見るべきなのは、今どれほど完成された能力を持っているかより、問いを持ったときに動いてみたいと思えるかどうかです。授業で手を挙げる、研究で失敗する、知らない人と話す、海外へ出てみる。そのどれかに少しでも「やってみたい」がある子なら、この学校の6年間を自分のものにできる可能性があります。

まとめ|「科学」を教科名ではなく、考え方として学ぶ6年間

三田国際科学学園中学校を見ていくと、この学校の中心にあるのは「英語」「探究」「理系教育」という三つの看板ではありません。共通しているのは、自分で問いを立て、調べ、試し、考えを言葉にし、次の行動へつなげるという学び方です。

中1では全員がサイエンスリテラシーを学び、中2以降はISCの基礎ゼミナール、MSTCの研究、ICのAcademic Seminarなどへ進みます。政治や心理、数学、微生物、プログラミングまで研究対象は幅広く、「SCIENCE」は理科だけを指す言葉ではありません。

英語についても、単に授業時間が多い学校ではありません。ICでは英語を使って数学や理科、社会を学び、ISC・MSTCでも英語による発表や活動があります。一方、中学から英語を始める生徒のための段階的な学習環境もあります。国内大学と海外大学の双方へ進路が広がっているのは、こうした6年間の延長にあります。

学校生活にも同じ考え方が流れています。MIFでは生徒自身が企画を動かし、Social Linkでは学校の外へ出て社会と接点を持つ。2025年に完成したZero to Oneでは、考えたものを3Dプリンターやレーザーカッターで実際の形にすることもできます。「考えました」「発表しました」で終わらず、その先へ一歩動くことを求める学校です。

その分、指示されたことを正確にこなすだけで6年間を過ごす学校でもありません。授業では発言する機会が多く、研究テーマや活動を自分で選ぶ場面もあります。自由度があるからこそ、自分から質問したり、失敗した後にやり直したりする姿勢が必要です。

「まだ将来やりたいことは決まっていない。でも、英語も科学も社会のことも、いろいろ試してみたい」という子には、かなり多くの入口があります。反対に、決められた進路や学習方法に沿って迷わず進みたい場合には、この選択肢の多さをどう感じるかを見ておきたいところです。

三田国際科学学園が掲げる「発想の自由人たれ」は、好きなことを自由に考えて終わる言葉ではありません。自由に問いを持ち、その問いに根拠を与え、他者と議論し、ときには失敗しながら形にしていく。そうした6年間に本人が少しでも面白さを感じるなら、MIFやオープンスクールで実際の授業と生徒の様子を見てみると、学校との相性がかなり見えやすくなるでしょう。

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