【2026年版】文教大学付属中学校の評判は?「人間愛」を守り「進学力」で攻める共学一貫校を徹底解説!

中学受験
  1. 1. 学校の概要|「人間愛」を受け継ぎながら、進学力を伸ばす共学一貫校
    1. 学校の原点にある「人間愛」
    2. 始まりは1927年、2027年に学園創立100周年
    3. 「付属校」だが、進路は文教大学だけではない
    4. 2026年度は中学1年生157名が入学
    5. 「PORT」と呼ばれる学校
    6. 伝統校であり、改革途上の学校でもある
  2. 2. アクセスと立地環境|旗の台・荏原町から徒歩約3分、6年間の通学を支える立地
    1. 旗の台駅と荏原町駅、2つの駅が徒歩約3分
    2. 品川・渋谷・横浜方面からも通学圏に入りやすい
    3. 駅を出てから学校までが短い
    4. 住宅街の中にある都市型キャンパス
  3. 3. 教育方針とカリキュラム|基礎学力から探究・進路別クラスへ、6年間で学びを深める
    1. 50分授業・週6日制で、土曜日も授業
    2. 中学1・2年では英語・数学を少人数で学ぶ
    3. 中学3年から「スタンダード」と「アドバンスト」へ
    4. 朝の15分を使う「アサガク」
    5. 放課後には「文教ステーション」で自学自習を支える
    6. 「人間愛」を、探究やグローバル教育へつなげる
  4. 4. 学習環境と施設設備|「PORT」をテーマにした校舎と、毎日の学びを支える設備
    1. 中学生の生活拠点は「West Port」
    2. 約4万冊を備える図書室
    3. 理科実験室は2教室を設置
    4. 冷暖房完備のアリーナと25m室内温水プール
    5. 人工芝グラウンドは体育・昼休み・部活動に
    6. 式典の舞台となる「ロータスホール」
    7. 食堂「Bon Voyage」と中学生の昼食
    8. サクラガーデンに残る2本の桜
  5. 5. 学校生活と行事|体育祭・白蓉祭・宿泊行事を通して、教室の外でも育つ6年間
    1. 1年間の主な学校行事
    2. 体育祭は中学生が自分たちでつくる
    3. 9月の文化祭「白蓉祭」
    4. 中1・中2は宿泊行事、中3では修学旅行へ
    5. 中2ではTOKYO GLOBAL GATEWAYへ
    6. 11月には合唱コンクール
    7. 1年間の探究を発表する「探究祭」
    8. 中高の先輩・後輩がつながる「学年間交流」
  6. 6. クラブ活動|約30の部活動・同好会、中高6学年で過ごす放課後
    1. 運動部は16部
    2. 文化部は「学術」「芸能」「芸術」と幅広い
    3. 中学生と高校生が一緒に活動する
    4. 活動は18時まで、その後の学習時間も確保
    5. 学校選びの段階で部活動を体験できる
  7. 7. 進学実績と卒業後の進路|文教大学への推薦を持ちながら、外部大学にも広がる進路
    1. 2026年春は国公立15名、早慶上理・ICU16名、GMARCH・関関同立72名
    2. 国公立大学を目指すカリキュラムも用意
    3. 文教大学へは例年2割程度が進学
    4. 「12歳で大学まで決めなくてよい」付属校
    5. 中学段階から始まるキャリア教育
    6. 指定校推薦という選択肢もある
    7. 合格実績の数字以上に見ておきたい「進路の幅」
  8. 8. 学費や諸経費について|初年度は約117万円、6年間を見通して考えたい教育費
    1. 2026年度の中学校校納金
    2. 入学時にはタブレットPCが別途約15万円
    3. 「Bステ」の費用も校納金に含まれる
    4. 2026年度から授業料は年46万8,000円へ
    5. 高校進学後も、さらに3年間の教育費が続く
    6. 系列大学まで進む場合は、その先の4年間も
  9. 9. 入試情報と合格の目安|5回入試をどう使うか、2027年度は募集175名へ
    1. 2027年度は5回で175名を募集
    2. 全5回で2科・4科を選択できる
    3. 4科受験生には、合否判定で二段階の機会がある
    4. 受験料2万円で、同時出願なら複数回受験できる
    5. 2026年度は志願者が大きく増加
    6. 合格最低点は7割前後が一つの参考
    7. 入試問題は小学校の学習内容が基本
    8. 午後入試まで含めて、受験日程を組み立てやすい
  10. 10. 併願校パターン|5回入試を生かし、城南エリアを中心に組み立てる受験プラン
    1. チャレンジ校|成城学園中学校
    2. 標準校|目黒日本大学中学校
    3. 標準校|日本大学第二中学校
    4. 安全校|品川翔英中学校
    5. 安全校|立正大学付属立正中学校
    6. 併願候補を難度別に整理すると
    7. 文教大付属を第一志望にする場合の組み方
    8. 上位校へ挑戦するなら、文教大付属の午後入試を生かす
    9. 最後に決め手になるのは偏差値より「通いたい順番」
  11. 11. 在校生・保護者の声|友人や先生との距離が近く、学校生活を楽しむ声が目立つ
    1. 「学校で友だちと過ごす時間が楽しい」
    2. 中高の先輩・後輩が自然につながる
    3. 先生には質問や相談をしやすいという声
    4. Bステやアサガクは「勉強する習慣」をつくる
    5. 「勉強一色」ではなく、好きなことを持つ生徒も多い
    6. 保護者からは「楽しく通っている」という声
    7. 「積極性」があると学校生活の幅が広がりやすい
    8. 学校の本当の空気は、平日の見学でも確かめたい
  12. 12. この学校に向いている子の特徴|学習習慣を整えながら、自分の進路を少しずつ見つけたい子
    1. 勉強の習慣をこれから固めたい子
    2. 中学受験の時点で大学まで決めたくない子
    3. 友人や先輩との関わりの中で成長する子
    4. 「好きなこと」をこれから見つけたい子
    5. 英語を「教科」で終わらせたくない子
    6. 学校行事にもある程度しっかり関わりたい子
    7. 城南・神奈川方面から無理なく通学したい子
    8. 文教大付属と特に相性がよさそうなのはこんな子
  13. 13. まとめ|「人間愛」を軸に、進路の幅と学校生活の充実を育てる文教大学付属中学校

1. 学校の概要|「人間愛」を受け継ぎながら、進学力を伸ばす共学一貫校

文教大学付属中学校は、東京都品川区旗の台にある私立の共学中学校です。文教大学学園の付属校で、文教大学付属高等学校と同じキャンパスにあり、中高6年間を見通した教育を行っています。

学校名文教大学付属中学校
所在地東京都品川区旗の台3丁目2番17号
学校区分私立・男女共学
中高の形態中高一貫教育・高校募集あり
系列大学文教大学
建学の精神人間愛
2026年度中学1年入学者157名

学校の原点にある「人間愛」

文教大学学園が建学の精神として掲げているのが、「人間愛」です。

言葉だけを見ると少し抽象的ですが、考え方はそれほど難しくありません。人にはそれぞれ尊厳があり、成長する可能性がある。その前提に立って相手を信じ、尊重し、思いやるというものです。

学校では、この精神を道徳的な標語として掲げるだけでなく、他者と協働すること、自分とは異なる文化や価値観を理解すること、学んだことを社会の中で生かすことへつなげています。現在のスクール・ミッションにも、「世界標準の社会貢献ができる人物」の育成が掲げられています。

受験校として見ると偏差値や大学合格実績に目が向きますが、学校側が学力だけを教育のゴールに置いていないことは知っておいてよいでしょう。

始まりは1927年、2027年に学園創立100周年

文教大学学園の歴史は、1927年に開設された立正幼稚園と立正裁縫女学校から始まります。戦災による校舎焼失を経験しながら戦後に復興し、1947年に立正学園中学校が開設されました。

その後、大学の発展とともに学校名も変わり、1976年に中学校が文教大学付属中学校、翌1977年に高等学校が文教大学付属高等学校となりました。1998年には中高とも男女共学へ移行しています。

2027年には、学園創立100周年を迎えます。

100年近い歴史というと、昔ながらの教育を守っている学校を想像するかもしれません。しかし、現在の文教大付属を見ると、その印象は少し違います。2014年から2015年にかけて新校舎が整備され、ICT教育、探究学習、グローバル教育、進路別のクラス編成なども取り入れられてきました。

古くからある「人間愛」を捨てずに、教育の方法は変えていく。このあたりに、現在の文教大付属の立ち位置がよく表れています。

「付属校」だが、進路は文教大学だけではない

学校名には「文教大学付属」とあります。ただし、卒業生の多くがそのまま文教大学へ進むタイプの大学付属校とは少し性格が異なります。

文教大学への内部推薦制度を持ちながら、国公立大学や早慶上理、GMARCHなど外部大学を目指す生徒も多く、学校自身も「人間愛」を守り、「進学力」で攻めるという言葉を掲げています。

つまり、系列大学という進路を持ちながら、外部大学受験にも力を入れる学校です。この性格は、中学3年からのクラス編成や高校での進路別教育にもつながっています。

「大学付属校に入りたいけれど、12歳の時点で大学まで決めてしまうのは少し早い」と考える家庭にとっては、検討しやすい仕組みでしょう。

2026年度は中学1年生157名が入学

2026年度には、157名が中学1年生として入学しました。入試では1学年4クラスを基本として募集しており、中学校としては大規模すぎない人数です。

一方で、文教大付属は中学校だけで完結する学校ではありません。同じキャンパスには高校生がおり、部活動や委員会活動などでは中高6学年が一緒に活動する場面もあります。

中学生の生活圏は保ちながら、数年先を歩いている高校生が身近にいる。中高一貫校では当たり前のようでいて、この距離感は案外重要です。部活動でも進路でも、「少し先の自分」を日常の中で見ることができます。

「PORT」と呼ばれる学校

文教大付属では、校舎を「PORT」と呼んでいます。

これは、学校を社会という海へ出ていく前の「港」と考えているためです。校舎にもMotherPort、WestPort、EastPortといった名称が付けられています。

港では、船がずっと停泊しているわけではありません。次の航海に必要なものを積み、人と出会い、やがて外へ出ていきます。学校も同じように、知識を身につけ、人と関わり、自分の進路を考え、いずれ社会へ出ていく場所だという考え方です。

少し珍しい校舎の呼び方ですが、「自分の成長が、楽しみになる」という現在の学校のメッセージともよくつながっています。

伝統校であり、改革途上の学校でもある

文教大学付属中学校を一言で分類するのは、なかなか難しいところがあります。

1927年から続く学園の歴史があり、「人間愛」という一貫した教育理念を持っています。その一方で、現在は進学実績の向上を明確に掲げ、中高一貫の学習指導や進路別クラス、学習支援にも力を入れています。

伝統を持つ学校が、伝統校のままでいようとしているわけではない。ここは文教大付属を見るうえで押さえておきたいところです。

旗の台という都市型のキャンパスで、「人間愛」を教育の中心に置きながら、学力と進路選択の幅も伸ばしていく。現在の文教大学付属中学校は、そうした変化の途中にある共学一貫校です。

2. アクセスと立地環境|旗の台・荏原町から徒歩約3分、6年間の通学を支える立地

文教大学付属中学校のキャンパスは、東京都品川区旗の台3丁目にあります。最寄り駅は東急大井町線・池上線「旗の台駅」東急大井町線「荏原町駅」で、いずれも学校まで徒歩約3分です。

学校選びでは教育内容や進学実績に目が向きがちですが、中高6年間、ほぼ毎日のように通うことを考えると、駅から学校までの距離は案外軽くありません。雨の日もあれば、部活動を終えて帰る日もあります。駅から3分という距離は、入学後にじわじわ効いてくる条件です。

旗の台駅と荏原町駅、2つの駅が徒歩約3分

最寄り駅利用路線学校まで
旗の台駅東急大井町線・東急池上線徒歩約3分
荏原町駅東急大井町線徒歩約3分
中延駅都営浅草線利用可能

旗の台駅は大井町線と池上線の2路線が乗り入れています。大井町方面や自由が丘・二子玉川方面から通えるほか、池上線を使えば五反田方面ともつながります。

一方の荏原町駅は大井町線の駅です。学校法人の案内では、どちらの駅からも徒歩約3分。都営浅草線の中延駅から学校へ向かうこともできます。

「最寄り駅が二つある」というのは、単に選択肢が多いというだけではありません。住んでいる地域によって大井町線と池上線を使い分けられ、電車の運行状況によって別ルートを考えられる場合もあります。

品川・渋谷・横浜方面からも通学圏に入りやすい

旗の台は、東京都心と城南・神奈川方面の中間に位置しています。学校法人が案内している主要駅からの所要時間の目安は、次のようになっています。

主要駅学校最寄り駅までの所要時間の目安
品川駅約11分
渋谷駅約16分
武蔵小杉駅約11分
溝の口駅約14分
横浜駅約30分

例えば品川方面からは、大井町駅で東急大井町線に乗り換えるルートがあります。渋谷方面からなら、五反田駅で池上線に乗り換えて旗の台へ向かう方法と、自由が丘駅から大井町線を利用する方法があります。

神奈川県側では、武蔵小杉から大岡山を経由するルートや、横浜から東横線で自由が丘へ出て大井町線へ乗り換えるルートも考えられます。東京都内だけでなく、川崎・横浜方面から通学を検討しやすい位置です。

駅を出てから学校までが短い

旗の台駅を利用する場合は東口から住宅街を進み、荏原町駅では北口から学校へ向かいます。どちらも駅から学校までの道のりは短く、毎日の通学動線は比較的シンプルです。

中学生の場合、電車に乗っている時間だけではなく、駅から学校までの移動も毎日の負担になります。夏の暑い日、冬の夕方、荷物の多い日を考えると、「駅徒歩3分」は学校説明会の日より、入学後の方がありがたさを感じるかもしれません。

住宅街の中にある都市型キャンパス

キャンパス周辺は、旗の台・荏原町の住宅街です。巨大な郊外型キャンパスとは性格が異なり、街の中に学校が溶け込む都市型の中高一貫校と考えると分かりやすいでしょう。

その一方で、校内にはグラウンドや体育館、室内温水プールなども整備されています。駅近の都市型キャンパスだからといって、学校生活が校舎の中だけで完結するわけではありません。

旗の台・荏原町からそれぞれ徒歩約3分。東京都心からも神奈川県方面からも経路を組みやすい立地は、文教大付属を志望校として考える際の現実的な強みの一つです。

3. 教育方針とカリキュラム|基礎学力から探究・進路別クラスへ、6年間で学びを深める

文教大学付属中学校の学びは、まず基礎学力をきちんと身につけることから始まります。その上で、中学3年から学力到達度に応じたクラス編成へ進み、高校では希望進路に合わせてさらに学びを分けていく構成です。

一方で、教科の成績だけを追うわけではありません。「人間愛」を出発点に、異文化理解、コミュニケーション、探究活動なども6年間の教育の中に組み込まれています。

中学1年でいきなり進路を細かく決めるのではなく、まず学習習慣を整え、自分の得意不得意を知り、少しずつ進む方向を選んでいく。文教大付属のカリキュラムは、その順序が比較的はっきりしています。

50分授業・週6日制で、土曜日も授業

中学校は1時限50分、週6日制で、カリキュラムは週34単位です。土曜日も4時間の通常授業が行われます。

平日は5日のうち4日が6時間授業、1日が7時間授業です。週5日制の学校と比べれば学校で学ぶ時間は多めですが、その分、平日だけに授業を詰め込まず、土曜日まで含めて一週間の学習を組み立てています。

また、学校では単年度のシラバスに加えて6カ年シラバスを用意しています。今学んでいる単元が次の学年、さらに高校で何につながっていくのかを見通しながら授業を進める仕組みです。

中学1・2年では英語・数学を少人数で学ぶ

入学直後から特徴が出るのが、英語の授業です。中学1年では英語で1クラスを2つに分けた少人数授業が行われています。

中学2年になると、英語6単位のうち4単位、数学6単位のうち3単位で、習熟度に応じた少人数授業を実施します。1クラスを2展開、または2クラスを3展開する形です。

英語も数学も、中学に入ると内容が急に抽象的になります。特に最初の2年間で分からない部分を積み残すと、高校に近づくほど取り戻すのが大変になります。文教大付属が少人数授業を中1・中2に置いているのは、この時期の基礎固めを重く見ているからでしょう。

中学3年から「スタンダード」と「アドバンスト」へ

中学3年になると、学力到達度に応じてスタンダードクラスアドバンストクラスに分かれます。

学年クラス編成の考え方
中学1・2年共通のカリキュラムを基本に、一部の英語・数学で少人数授業
中学3年スタンダード/アドバンストの2クラス編成
高校スタンダード/アドバンスト/アルティメットの3クラス編成
高校2年以降文系・理系にも分かれ、希望進路に対応

高校ではスタンダード、アドバンストにアルティメットクラスが加わり、さらに高校2年から文系・理系へ分かれます。アドバンスト、アルティメットでは難関国公立大学も進路として想定されています。

つまり、中学受験の時点で6年後の進路を決めておく必要はありません。中学前半で基礎を作り、中3で一度進路への意識を高め、高校で目標に応じた学習へ移っていく流れです。

「付属校だから大学受験への備えは控えめ」という学校ではありません。文教大学という系列大学を持ちながら、外部大学への進学も前提にカリキュラムが組まれていることは、文教大付属を理解する上で大切な点です。

朝の15分を使う「アサガク」

授業が始まる前の8時10分から8時25分には、朝礼と「アサガク」の時間があります。

アサガクでは、読書、小テスト、課題学習などに取り組みます。15分というと短く感じますが、毎日のこととなれば話は別です。週5日なら75分、年間ではかなりの時間になります。

短い時間を使って学習する習慣を作ることは、中学生にとって案外難しいものです。試験前だけまとめて勉強するのではなく、毎日少しずつ机に向かう。そのリズムを学校生活の中に組み込んでいます。

放課後には「文教ステーション」で自学自習を支える

学習支援の中心となっているのが、文教ステーション(B-ステ)です。学習塾と連携した放課後学習支援の仕組みで、中学1年から高校1年までは全員必修。学校では週2日以上の利用を勧めています。

中学生は19時30分まで利用でき、自分で利用日を決めて学習します。単に放課後まで授業を増やすのではなく、「自分で勉強する時間」を学校内に確保しているのが特徴です。

家庭学習を「やりなさい」と言うだけなら簡単です。しかし、中学生が自分で計画を立て、それを毎週続けるのはそう簡単ではありません。学校の中に自習の場所と時間を用意し、少しずつ自学自習へ移していく仕組みになっています。

夏休み・冬休みには特別講習もあり、中学生には指名制の補充講習希望制の発展講習が用意されています。苦手分野を埋めたい生徒と、さらに先へ進みたい生徒を同じ講習に集めないという考え方です。

「人間愛」を、探究やグローバル教育へつなげる

文教大付属では、建学の精神である「人間愛」を現代の教育につなげるため、「文教ユニバーサルコンピテンシー」という取り組みを進めています。

その一つが、中学1年から高校1年まで行われるグローバルコンピテンスプログラム(GCP)です。外国人講師と日本人教員によるティーム・ティーチングで、原則として英語を使いながら、コミュニケーションや異文化理解について学びます。

もう一つが「クリエイティブチャレンジ」です。中学1・2年では、自律心や社会性を学びながら本格的な探究活動への準備を進めます。中学3年以降は、自分が「解決したい」「挑戦したい」と思うテーマを設定し、個人またはチームで継続的に取り組みます。

探究というと、立派な研究テーマを見つけなければならないように聞こえますが、扱われるテーマは学校生活や趣味、地域交流、自然科学、環境などさまざまです。最後には「探究祭」で互いの取り組みを発表します。

基礎学力を固め、学習習慣を作り、少しずつ進路別の学習へ進む。同時に、自分でテーマを持って考える時間も用意する。文教大付属の教育は、この二つを6年間の中で並行して育てていく構成になっています。

4. 学習環境と施設設備|「PORT」をテーマにした校舎と、毎日の学びを支える設備

文教大学付属中学校のキャンパスには、ひとつのはっきりしたコンセプトがあります。それが「PORT(港)」です。

中高6年間を、社会へ出ていく前に知識や経験を積み、自分の進路を考えるための時間と捉え、校舎全体を「港」に見立てています。少し珍しいネーミングですが、単なる愛称ではなく、校舎の配置にもその考え方が反映されています。

施設・エリア主な役割
Mother Port図書室、教員室、理科実験室、音楽室、美術室などが集まる中央棟
West Port中学生の教室が置かれる西棟
East Port高校生の教室が置かれる東棟
North Port大講義室、柔道場などを備える北棟
SAKURA garden保存樹木の桜がある中庭

中学生の生活拠点は「West Port」

中学生が日々過ごす中心となるのがWest Portです。

普通教室には電子黒板が設置され、ICTを利用した授業に対応しています。教室と廊下の境には大きなガラス面が使われており、閉鎖的になりすぎない明るい造りです。

中学校と高校で生活拠点となる棟を分けつつ、図書室や実験室などの共通施設は中央のMother Portに置く。中学生としての居場所を確保しながら、高校まで含めた一つの学校として施設を使う構成になっています。

約4万冊を備える図書室

Mother Portには、約4万冊の蔵書を備えた図書室があります。書籍だけでなく、CDやDVDなどの各種メディアも利用できます。

窓の向こうにはSAKURA gardenがあり、校内の中でも少し落ち着いた空間です。

中高6年間では、授業で指定された本を読むだけでなく、探究活動や進路研究など、自分で資料を探す場面が増えていきます。検索すれば大抵の情報が出てくる時代だからこそ、まとまった蔵書に触れながら資料を比較する場所が学校内にある意味は小さくありません。

理科実験室は2教室を設置

理科実験室はMother Portの3階に2教室設けられており、同じ時間帯に2つの実験授業を行えるようになっています。

廊下側には実験器具を見える形で収納する棚が設けられています。器具を倉庫の奥へしまい込むのではなく、普段から生徒の目に入るようにしているのが面白いところです。

理科は、教科書を読むことと実際に手を動かすことでは印象がずいぶん違います。実験の設備が日常的に使える形で用意されていることは、理科への興味を育てる上でも意味があります。

冷暖房完備のアリーナと25m室内温水プール

体育施設もきちんと確保されています。アリーナはバレーボールコートを3面取れる広さがあり、冷暖房を完備しています。

さらに、校内には25mの室内温水プールがあります。プールサイドには床暖房が設けられており、年間を通して利用できる設備です。競技者に対応したスタート台も備え、体育の授業や部活動で使用されています。

旗の台駅から徒歩約3分という都市型のキャンパスに、本格的な室内プールまで収まっています。文教大付属の施設を見ると、限られた敷地の中で「学校生活に必要なものをどう配置するか」をかなり考えて設計されていることが分かります。

人工芝グラウンドは体育・昼休み・部活動に

屋外には、ロングパイル人工芝のグラウンドがあります。陸上用トラックや走り幅跳び用の砂場も設けられています。

体育の授業だけでなく、昼休みや放課後の部活動にも使われるため、学校生活の中で生徒が日常的に利用する場所です。

このほか、North Portには柔道場と大講義室があります。大講義室は講演会や学年集会などに使われ、柔道場は体育や部活動で利用されています。

式典の舞台となる「ロータスホール」

入学式や卒業式、学年集会などが行われる講堂がロータスホールです。

「ロータス」は、学校の校章にも用いられている蓮に由来します。天井を支える梁は船底をイメージしたアーチ状で、ここにもキャンパス全体の「PORT」というテーマが取り入れられています。

中学入学から高校卒業まで、節目となる式典を同じ場所で経験していくことになります。校舎に統一した物語を持たせているのは、文教大付属の施設設計の特徴でしょう。

食堂「Bon Voyage」と中学生の昼食

校内には約150人を収容できる食堂「Bon Voyage」があります。日替わりの定食、丼、カレー、麺類などが用意されています。

ただし、中学生は高校生と同じように食堂で昼食をとるのではなく、食堂の定食を弁当形式にしてもらい、教室で食べることができます。

もちろん家庭から弁当を持参することもできます。毎日弁当を用意する家庭にとって、学校で昼食を購入できる選択肢があるのは助かる場面もあるでしょう。

サクラガーデンに残る2本の桜

Mother Portの図書室から見えるSAKURA gardenには、2本の桜があります。この桜は品川区の指定保存樹木です。

電子黒板や温水プールのような新しい設備がある一方で、昔からそこにある木を残して校舎の一部にしている。この組み合わせは、文教大付属のキャンパスをよく表しています。

機能だけを追求した校舎ではなく、中学校、高校、共通施設、運動施設、庭を一つの「PORT」としてつなぐ。6年間を過ごす場所そのものにも、学校の教育観が少し見えるキャンパスです。

5. 学校生活と行事|体育祭・白蓉祭・宿泊行事を通して、教室の外でも育つ6年間

文教大学付属中学校では、体育祭や文化祭といった定番行事に加え、学年間交流、宿泊行事、TOKYO GLOBAL GATEWAYでの英語体験、合唱コンクール、探究祭などが年間を通して組まれています。

行事の数を競う学校ではありません。むしろ目につくのは、生徒自身が準備や運営に関わる場面が多いことです。授業では見えにくい役割分担や人間関係を、行事の中で経験していきます。

1年間の主な学校行事

時期中学生の主な行事
4月入学式、オリエンテーション、新入生歓迎会、白蓉総会、学年間交流など
5月体育祭、中間考査、授業参観など
6月宿泊行事(中1・中2)、修学旅行(中3)、社会科見学(中2)など
7〜8月夏期講習、三者面談、オーストラリア短期スタディツアーなど
9月白蓉祭(文化祭)、学年間交流
10月中間考査、TOKYO GLOBAL GATEWAY(中2)など
11月合唱コンクール、金融リテラシー講座(中3)など
2月探究祭
3月卒業式、進路体験交流会、セブ島グローバル研修など

定期考査や検定、講習もこの年間予定の中に入っています。行事だけが独立しているのではなく、学校行事と日々の学習が同じ一年の中で交互にやってくる学校生活です。

体育祭は中学生が自分たちでつくる

体育祭は5月に行われます。2026年度は5月14日、駒沢オリンピック公園総合運動場を会場として実施されました。

現在の文教大付属では、中学校と高校の体育祭を別々に開催しています。以前は中高合同でしたが、中学生だけで準備や運営まで担うことで、生徒の成長が見られたことから現在の形が続いています。

これは中高一貫校としては少し興味深いところです。高校生と一緒に活動できることは一貫校の良さですが、高校生が何でもやってくれると、中学生はいつまでも「下の学年」のままです。体育祭では、あえて高校生に頼れない状況をつくっています。

2026年度は緑・青・赤・黄の4色に分かれて競技を行い、体育祭実行委員や生徒会の生徒が予行練習から当日の運営まで担当しました。学園創立99周年にちなんだ競技も取り入れられています。

9月の文化祭「白蓉祭」

文教大付属の文化祭は、「白蓉祭(はくようさい)」と呼ばれます。

クラス企画、部活動の発表、委員会による企画などが校内各所で行われ、生徒会や実行委員を中心に生徒自身が準備を進めます。

2025年度は9月20日・21日の2日間に開催され、一般にも公開されました。受験生や保護者も予約なしで訪れることができ、学校側も入試個別相談の機会を設けています。

受験生にとって文化祭は、パンフレットでは分からない学校を見る機会でもあります。生徒が友人とどんな表情で話しているか、先輩と後輩の距離はどうか、先生がどのくらい前へ出ているか。こうした部分は、説明会で聞くより自分の目で見た方が早いものです。

中1・中2は宿泊行事、中3では修学旅行へ

6月には、中学1・2年の宿泊行事と中学3年の修学旅行があります。

2026年度の中学1年生は、千葉県で1泊2日の宿泊行事を実施しました。飯盒炊さんとカレー作り、運動、地曳網、マザー牧場でのバター作りなど、教室とはずいぶん違う二日間です。

中学2年生は山梨県で自然体験学習を行い、火おこしや飯盒炊さんなどを班で分担しました。

中学1年の6月といえば、入学からまだ2か月ほどです。新しい友人関係も固まり切っていない時期に、教室を離れて食事を作ったり、班で動いたりすることになります。うまくいかないことも含めて、一気に互いを知る時期になりそうです。

中2ではTOKYO GLOBAL GATEWAYへ

中学2年では、東京・青海のTOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)を利用した英語体験も年間行事に組まれています。

英語を「試験で解く科目」として学ぶ時間とは別に、実際に英語を使わなければコミュニケーションが進まない環境へ出ていく機会です。

さらに希望者には、夏のオーストラリア短期スタディツアーや、3月のセブ島グローバル研修なども用意されています。海外研修については全員参加ではないため、本人の関心や家庭の方針に応じて選ぶことになります。

11月には合唱コンクール

秋には合唱コンクールが行われます。

体育祭では身体を動かし、白蓉祭では企画をつくり、合唱では一つの音楽をクラスで仕上げる。同じ「クラスで協力する行事」でも、要求されるものはかなり違います。

得意な生徒が一人で引っ張れば完成するものでもありません。声量、音程、伴奏、指揮、練習への参加など、それぞれ違う役割が重なって一つの発表になります。

1年間の探究を発表する「探究祭」

2月には、文教大付属独自の「探究祭」があります。

§3で紹介した「クリエイティブチャレンジ」で、生徒が1年間取り組んできた探究の成果を発表する場です。2026年2月の探究祭では、大学の学部系統を意識したグループごとに、生徒が個人またはチームで設定したテーマについてポスターセッションを行い、代表者による発表も実施されました。

テーマは身近な疑問から社会課題までさまざまです。調べて終わりではなく、現地調査やアンケート、インタビューまで進める生徒もいます。

文化祭のような華やかさとは少し違いますが、自分で考えたことを人前に出し、他の生徒から質問や意見を受けるところまで含めて「探究」です。一年間の学びが最後に発表の場を持つことで、日常の授業とは違う緊張感も生まれます。

中高の先輩・後輩がつながる「学年間交流」

文教大付属では、年間予定の中に「学年間交流」という時間があります。

2026年度の春には、上級生から下級生へ学校生活や学習についてアドバイスする交流が行われました。

中学1年生にとって、学校生活について一番具体的な答えを持っているのは、案外先生より一つ上、二つ上の先輩だったりします。「定期テスト前はどう勉強したのか」「部活動と宿題をどう両立しているのか」といった話は、年齢の近い先輩だからこそ現実味があります。

体育祭では自分たちで運営し、白蓉祭では企画をつくり、宿泊行事では友人と生活をともにし、探究祭では自分の考えを人に伝える。文教大付属の学校行事を追っていくと、建学の精神である「人間愛」が、他者と実際に関わる経験として学校生活の中に置かれていることが見えてきます。

6. クラブ活動|約30の部活動・同好会、中高6学年で過ごす放課後

文教大学付属中学校・高等学校では、中高あわせて約30の運動部・文化部・同好会が活動しています。

放課後の活動時間は原則として16時頃から18時まで。中高6学年が一緒に活動する場面もあり、中学1年生にとっては、高校生まで含めた先輩と日常的に関わる機会になります。

スポーツ系から音楽・芸術、科学、天文、パソコンまで選択肢は幅広く、「中学に入ったら新しいことを始めたい」という生徒も部活動を探しやすい構成です。

運動部は16部

運動部には、球技を中心とした定番の部活動に加えて、体操、水泳、ダンス、ソングリーディング、ゴルフ、柔道、剣道などがあります。

分野主な部活動
球技バレーボール、バドミントン、バスケットボール、ソフトテニス、卓球、ソフトボール、硬式テニス、野球、サッカー
その他のスポーツ体操、水泳、ダンス、ソングリーディング、ゴルフ、柔道、剣道

§4で紹介した人工芝グラウンド、アリーナ、柔道場、25m室内温水プールなどは、体育の授業だけでなく部活動でも使われます。

特に水泳部にとって、校内に室内温水プールがあるのは活動環境に直結します。季節や天候に左右されにくく、学校の中で練習を続けられるからです。

文化部は「学術」「芸能」「芸術」と幅広い

文化系には、いわゆる文化部らしい活動だけでなく、理系分野や日本文化、舞台・音楽までさまざまな部があります。

分野部活動
学術系パソコン部、天文部、科学研究部、百人一首部
芸能系演劇部、コーラス部、吹奏楽部、軽音楽部
芸術系茶道部、書道部、美術部、アニメーション部
同好会など写真同好会、文教ランニングクラブ、SDGs同好会

天文や科学研究、パソコンといった学術系の活動が独立しているのは、興味の方向がはっきりしている生徒にはうれしいところです。一方で、吹奏楽、軽音楽、演劇、美術、アニメーションなど、作品や舞台をつくる活動も一通り揃っています。

勉強とは別の場所で「自分はこれが好きだ」と言えるものを持てることは、中高6年間では案外大切です。得意科目とはまったく違う分野に居場所ができることもあります。

中学生と高校生が一緒に活動する

文教大付属の部活動を見る上で外せないのが、中学生と高校生が同じ学校で活動していることです。

すべての活動が常に中高合同というわけではありませんが、学校生活の中では中高6学年で活動する機会が多くあります。例えば吹奏楽部は中高合同で演奏会や校外イベントに出演しています。

中学1年生と高校3年生では年齢に5歳の差があります。12歳から見た17歳は、かなり大人です。演奏の仕方や練習への向き合い方、後輩への接し方など、授業とは違うところから学ぶものもあるでしょう。

そして数年後には、自分たちが後輩を迎える側になります。中高一貫校の部活動では、この立場の変化そのものが6年間の経験になります。

活動は18時まで、その後の学習時間も確保

文教大付属では、部活動は原則18時で終了します。

これは、§3で紹介した学習支援との関係でも見ておきたいところです。部活動が終わった後に文教ステーションを利用して学習することもでき、学校では家庭学習を含めた学習時間の確保も求めています。

「部活動を頑張るか、勉強を頑張るか」の二者択一ではなく、放課後の時間に一定の区切りを設けて両方を日常の中に入れていく考え方です。

もちろん、運動部で大会前となれば練習への負担感も変わりますし、本人の通学時間によって帰宅後に使える時間も違います。入学後に部活動を選ぶ際には、活動内容とあわせて、自分の生活リズムに合うかを見る必要があります。

学校選びの段階で部活動を体験できる

受験生向けには、実際の部活動を体験できる「オープンアクティビティ」も開催されています。

参加する部活動の中から希望するものを選び、文教大付属の生徒と一緒に活動するイベントです。経験者だけでなく、初心者の参加も想定されています。

部活動については、ホームページで名前を見るより、一度参加してしまった方が分かることが多いものです。先輩が後輩にどう声をかけるのか、練習中の雰囲気はどうか、顧問との距離はどうか。こうした部分は、学校の校風を見る手がかりにもなります。

約30という選択肢の多さに加えて、中学生と高校生が学年を越えて関われること。それが文教大付属のクラブ活動の基本的な姿です。好きなことに取り組みながら、数年かけて後輩から先輩へ変わっていく時間も、中高一貫校ならではの学校生活の一部になっています。

7. 進学実績と卒業後の進路|文教大学への推薦を持ちながら、外部大学にも広がる進路

文教大学付属中学校・高等学校は、その名の通り文教大学への推薦制度を持つ大学付属校です。

ただ、卒業後の進路を見ると、一般にイメージする「そのまま系列大学へ進む付属校」とは少し違います。文教大学へ進学する生徒は例年学年の2割程度で、むしろ多くの生徒が国公立大学や私立大学を含む他大学への進学を考えています。

系列大学という選択肢がありながら、高校では大学受験に対応したクラス編成や講習、進路指導も行う。文教大付属の進路を考えるときは、この二つを一緒に見る必要があります。

2026年春は国公立15名、早慶上理・ICU16名、GMARCH・関関同立72名

2026年3月卒業生と既卒生を合わせた大学合格実績では、国公立大学から難関私立大学まで幅広い合格者が出ています。

大学群2026年春の合格実績
国公立大学延べ15名
早慶上理・ICU延べ16名
GMARCH・関関同立延べ72名
成成明学獨國武・理工系など延べ95名
日東駒専延べ92名
文教大学延べ28名

国公立大学では、筑波大学2名、東京外国語大学2名、東京都立大学3名、千葉大学1名などの合格者が出ています。

私立大学では、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、国際基督教大学に加え、明治大学20名、立教大学13名、中央大学11名、青山学院大学11名、法政大学11名など、首都圏の主要大学へ広く合格しています。

ここで注意したいのは、これらが「進学者数」ではなく「合格者の延べ人数」であることです。一人の生徒が複数大学・複数学部に合格すれば、それぞれ1名として数えられます。

国公立大学を目指すカリキュラムも用意

外部大学への進学が多い背景には、高校でのクラス編成があります。

中学3年からスタンダード・アドバンストに分かれ、高校ではスタンダード、アドバンスト、アルティメットの3クラス編成になります。アドバンストとアルティメットでは、難関国公立大学への進学も視野に入れています。

高校の授業だけで大学入試への準備が終わるわけではありません。夏期・冬期講習に加え、高校3年では大学入学共通テスト、私立大学入試、国公立大学の二次試験に対応した直前講習も行われます。

付属大学を持つ学校でありながら、ここまで外部受験を前提とした仕組みを整えているところに、現在の文教大付属の進路方針が表れています。

文教大学へは例年2割程度が進学

一方、系列の文教大学へは例年学年の2割程度が進学しています。

文教大学には、教育学部、人間科学部、文学部、情報学部、国際学部、健康栄養学部、経営学部があります。付属高校からは、これらの学部への推薦進学制度が設けられています。

2026年春の合格実績では、文教大学への合格は延べ28名。内訳は教育学部12名、情報学部9名、国際学部4名、人間科学部1名、健康栄養学部1名、文学部1名でした。

教員を目指して教育学部へ進みたい生徒、情報・国際系を学びたい生徒にとって、系列大学が進路の一つとして用意されていることには意味があります。

ただし、「文教大学付属に入れば、ほとんどの生徒が文教大学へ進む」という学校ではありません。学校側も、文教大学の学部構成だけではすべての生徒の希望をカバーできないことから、他大学を目指す生徒が多いと説明しています。

「12歳で大学まで決めなくてよい」付属校

この進路構造は、中学受験を考える家庭にとってなかなか興味深いものです。

大学付属校の安心感に魅力を感じる一方で、小学6年生の段階で将来の学部や大学まで決めてしまうことには迷いがある家庭も少なくありません。

文教大付属では、系列大学への道を持ちながら、外部大学を目指すことも学校生活の中で自然な選択肢になっています。

中学校に入ってから、自分が何を得意としているのか、どんな学問に興味があるのかを考え、その結果として文教大学を選ぶことも、別の大学を選ぶこともできる。「付属」という言葉に進路を縛られすぎないのが、この学校の特徴です。

中学段階から始まるキャリア教育

進路選択は、高校3年になって突然始まるわけではありません。

文教大付属では、中学から高校までを通じたキャリア教育を行っています。中学段階では、まず自分の興味や関心を知る「自己の探究」から始まり、学年が上がるにつれて学問や社会との関係を考えていきます。

高校では、大学体験授業、社会人講演会、卒業生による進路体験交流会なども行われます。大学の名前を先に決めるのではなく、「何を学びたいのか」から進路を考える機会を作っています。

近年増えている総合型選抜や学校推薦型選抜に対応するため、高校3年生には志望理由書の作成指導も実施されています。

指定校推薦という選択肢もある

文教大学以外にも、多くの大学から指定校推薦の枠があります。

もっとも、指定校推薦は大学・学部が決められているため、誰にとっても第一希望になるわけではありません。学校側も、指定校推薦だけに頼るのではなく、自分の実力で希望進路を目指す生徒が増えているとしています。

一般選抜、総合型選抜、学校推薦型選抜、文教大学への内部推薦。大学入試が複雑になった現在、進路の入口を一つに決めないことは一つの強みになります。

合格実績の数字以上に見ておきたい「進路の幅」

2026年春には、筑波大学や東京外国語大学などの国公立大学、早慶上理・ICU、GMARCHをはじめ、多様な大学への合格者が出ました。

もちろん、年度によって大学合格実績は変わります。1年分の数字だけを見て6年後を予測することはできません。

それ以上に文教大付属で見ておきたいのは、中学入学時点では進路を狭めず、成長に応じて選択肢を広げられる仕組みです。

文教大学へ進む道があり、国公立大学を目指すクラスもあり、私立大学受験や推薦型選抜にも対応する。中学受験の段階ではまだ将来像がはっきりしていない子にとって、この「決めるまでの時間」を6年間の中に持てることは、文教大付属を考える一つの理由になるでしょう。

8. 学費や諸経費について|初年度は約117万円、6年間を見通して考えたい教育費

私立中学校を選ぶ際、学費は入学後の学校生活を支える大切な条件です。文教大学付属中学校では、授業料のほかに維持費、学年費、PTA会費、文教ステーションの利用料などが必要になります。

2026年度の中学1年生の場合、入学金を含む学校納入金は年間117万2,000円です。これとは別に、入学時には約15万円のタブレットPCを購入します。

2026年度の中学校校納金

項目中学1年中学2年中学3年
入学金280,000円
授業料468,000円432,000円432,000円
維持費170,000円170,000円170,000円
白蓉会費15,000円12,000円12,000円
PTA会費21,000円16,000円16,000円
学年費158,000円132,000円246,600円
Bステ利用料60,000円60,000円60,000円
合計1,172,000円822,000円936,600円

ここでいう学年費には、教材費や校外学習など、その学年で必要になる費用が含まれています。中学3年では修学旅行費約14万6,000円も学年費に含まれるため、1・2年生より金額が高くなっています。

授業料とBステ利用料は一括ではなく、5月・8月・11月の3期に分けて納入します。

入学時にはタブレットPCが別途約15万円

学校納入金とは別に、入学時にはタブレットPC約15万円が必要です。

したがって、2026年度の中学1年生を基準にすると、学校納入金117万2,000円とタブレットPCを合わせ、入学初年度は約132万円が一つの目安になります。

このほか、制服や指定用品、通学定期券、部活動によって必要となる用具や遠征費、希望制の海外研修などは、それぞれ家庭によって費用が変わります。特に海外研修は全員参加ではないため、学校の基本的な学費とは分けて考えた方が分かりやすいでしょう。

「Bステ」の費用も校納金に含まれる

文教大付属の学費を見ると、他校ではあまり見かけない「Bステ利用料」年間6万円があります。

これは§3で紹介した放課後学習支援「文教ステーション」の費用です。中学1年から高校1年までは全員が利用する仕組みとなっているため、中学校では各学年の校納金に組み込まれています。

放課後に学校内で自習場所を確保し、学習を継続する仕組みまで含めて年間費用が設定されている、と考えると分かりやすいでしょう。

2026年度から授業料は年46万8,000円へ

学費を比較する際に、一つ注意しておきたい点があります。文教大付属では2026年度から授業料が改定され、2026年度以降の入学生は年46万8,000円となりました。

上の表では2026年度時点の中学2・3年生の授業料が43万2,000円となっていますが、これは改定前に入学した学年の金額です。2026年度以降に入学する生徒については、進級後も年46万8,000円の授業料が基準になります。

したがって、上の3学年分の合計をそのまま「これから入学する生徒の中学3年間の総額」と考えない方がよいでしょう。学年費なども毎年度変わるため、受験年度の最新金額を確認する必要があります。

高校進学後も、さらに3年間の教育費が続く

文教大付属を中学から受験するのであれば、家計としては中学校3年間ではなく、高校卒業までの6年間で考えておくのが現実的です。

参考までに、2026年度の高校校納金は、外部から高校1年に入学する場合で112万1,160円、高校2年が70万3,322円、高校3年が74万9,100円となっています。

学年2026年度校納金
高校1年1,121,160円
高校2年703,322円
高校3年749,100円

ただし、付属中学校から付属高校へ進学する場合は高校入学金が減額され、白蓉会とPTAの入会費も不要となります。そのため、中学から内部進学する家庭の高校1年時の負担は、上表の外部入学生向け金額とは異なります。

また、高校2年では修学旅行費として約18万円が別途必要です。高校でも学年によって必要な費用は変わります。

系列大学まで進む場合は、その先の4年間も

§7で見たように、文教大付属では文教大学へ進む生徒は例年2割程度で、多くの生徒が外部大学を受験します。そのため、「付属校だから大学までの費用を最初から一続きで考える」という学校ではありません。

それでも、文教大学への内部進学を一つの進路として考えている家庭なら、中高6年間の先に大学4年間の教育費が続くことも頭に置いておきたいところです。

12歳から22歳頃までの10年間は長い時間です。その間に本人の希望進路も、家庭を取り巻く状況も変わります。中学入学時点ですべてを決める必要はありませんが、まず高校までの6年間を一つの単位として見ておくと、入学後の学校生活を落ち着いて支えやすくなります。

9. 入試情報と合格の目安|5回入試をどう使うか、2027年度は募集175名へ

文教大学付属中学校の2027年度入試は、2月1日午前・午後、2月2日午前・午後、2月4日午前の計5回です。すべての回で2科または4科を選択でき、複数回受験もしやすい入試日程になっています。

2027年度は5回合計で男女175名を募集します。1学年35名×5クラスを想定した募集で、第1回だけに人数を集中させず、午後入試や2月2日以降にもまとまった募集枠を置いているのが特徴です。

2027年度は5回で175名を募集

入試試験日集合募集人数
第1回2月1日(月)午前8:30男女65名
第2回2月1日(月)午後15:00男女40名
第3回2月2日(火)午前8:30男女25名
第4回2月2日(火)午後15:00男女20名
第5回2月4日(木)午前8:30男女25名

男女別の募集人数は設定されておらず、合否も原則として男女を分けず、成績順に判定されます。

2月1日午前を第一志望として受けることもできますし、他校を午前に受験して文教大付属を午後に組み込むこともできます。さらに2月2日、2月4日にも受験機会が残されています。

中学受験は、第一志望校だけを見て日程を組めばよいわけではありません。数日間の中で「どこで合格を確保し、どこで挑戦するか」を考えます。その意味で、午前・午後を含む5回入試は受験プランを組みやすい制度です。

全5回で2科・4科を選択できる

試験科目は、すべての回で2科型または4科型から選択します。

受験型科目配点・時間
2科国語・算数国語100点・45分、算数100点・45分
4科国語・算数・社会・理科国語100点・45分、算数100点・45分、社会・理科140点・60分

4科型でも社会と理科はそれぞれ独立した試験時間ではなく、社会・理科を合わせて60分、140点です。

また、5回すべて同じ受験型にする必要はありません。出願する回ごとに2科・4科を選択できるため、併願校の日程や学習状況に合わせて考えられます。

4科受験生には、合否判定で二段階の機会がある

文教大付属の入試で知っておきたいのが、2科・4科受験生の合否判定方法です。

まず、その回の全受験生について国語・算数の2科合計点を見て、合格者のおよそ8割を決定します。その後、残りのおよそ2割を4科受験生の中から決定します。

したがって、4科受験生も最初は国語・算数で判定され、その段階で合格に届かなかった場合には、理科・社会を含めた4科で改めて判定される仕組みです。

理科・社会までしっかり準備している受験生なら、4科を選ぶ意味があります。一方、国語・算数に学習を絞ってきた受験生にも2科受験の道が用意されています。

受験料2万円で、同時出願なら複数回受験できる

受験料は2万円です。

そして文教大付属では、同時出願であれば1回分の受験料で複数回の入試に出願できます。

例えば第1回だけ出願しても2万円、第1回から第5回までを同時に出願しても受験料は2万円です。実際にどの回を受験するかは、他校の合否や受験状況を見ながら考えることができます。

中学入試では、2月1日の結果次第で翌日の予定を変更することがあります。最初から複数回の受験資格を持っておけるのは、日程を柔軟に組む上で使いやすい仕組みです。

2026年度は志願者が大きく増加

直近の2026年度入試では、学校発表で5回合計の志願者数が2,755名となり、前年の約1.5倍に増えました。

実際の受験者数と合格者数を見ると、後半の入試ほど競争率が高くなっています。

入試受験者数合格者数実質倍率合格最低点
第1回223名78名2.9倍139点
第2回391名104名3.8倍137点
第3回230名44名5.2倍151点
第4回263名45名5.8倍149点
第5回250名24名10.4倍151点

数字を見ると、第1回2.9倍に対して第5回は10.4倍でした。募集人数が少なくなる後半戦には、それまでに合格を得られなかった受験生や、他校との併願で残っている受験生が集まります。

「5回あるから最後まで何とかなる」と考えるより、文教大付属を強く志望するのであれば、募集人数の多い前半で合格を取りにいくという考え方の方が自然です。

合格最低点は7割前後が一つの参考

2026年度の合格最低点は、第1回139点、第2回137点、第3回151点、第4回149点、第5回151点でした。

国語・算数の2科200点を基準に見ると、おおむね7割前後から7割半ばの得点が一つの目安になります。

ただし、年度によって問題の難度も受験者層も変わります。前年の最低点をそのまま「今年もここを取れば合格」と考えるのは危険です。

過去問演習では最低点ぎりぎりを目標にするより、多少問題との相性が悪い年でも合格圏に残れるよう、最低点を少し上回る得点を安定して出せる状態を作っておきたいところです。

入試問題は小学校の学習内容が基本

出題範囲について、学校は基本的に小学校の学習内容から出題するとしています。

もちろん、「小学校で習った内容だから簡単」という意味ではありません。中学受験では、習った知識を組み合わせて考えたり、限られた時間で処理したりする力が問われます。

学校では入試模擬体験や中学入試対策授業も実施しています。特に文教大付属を第一志望に考える場合には、学校が自ら説明する問題傾向に触れておく価値があります。

午後入試まで含めて、受験日程を組み立てやすい

第2回と第4回は15時集合の午後入試です。解散予定は2科受験が17時15分、4科受験が18時30分となっています。

2月1日午前に別の学校を受験し、その後に文教大付属へ向かう組み合わせも可能です。ただし、午前校からの移動時間は必ず確認しておきたいところです。入試当日は普段より移動にも時間がかかります。

5回の受験機会、午前・午後の設定、2科・4科の選択、複数回同時出願。この自由度の高さは、文教大付属入試の分かりやすい特徴です。

一方で、2026年度は志願者が大きく増え、後半回では高い倍率になりました。受験機会が多いことと、合格しやすいことは同じではありません。過去問で合格最低点との距離を測りながら、どの回で合格を取りにいくのかまで考えて受験日程を組むことが大切です。

10. 併願校パターン|5回入試を生かし、城南エリアを中心に組み立てる受験プラン

文教大学付属中学校は、2月1日午前・午後、2月2日午前・午後、2月4日午前と、5回の受験機会があります。

この日程は併願を考える上で使いやすく、文教大付属を第一志望として複数回受験することも、午前に別の学校へ挑戦して午後に文教大付属を受けることもできます。

一方、§9で見たように、後半の入試ほど募集人数が少なく、2026年度は第5回の実質倍率が10倍を超えました。「最後にも受けられる」という安心感はありますが、文教大付属を強く希望するなら、前半の日程から合格を取りにいく受験プランを考えておきたいところです。

以下では、文教大付属を一つの基準として、併願候補をチャレンジ校・標準校・安全校に分けて紹介します。

ただし、中学入試の難度は入試回によっても変わります。「安全校」として挙げた学校でも合格が保証されるわけではありません。実際には模試の偏差値だけでなく、過去問との相性や直前期の得点状況まで見て位置づけを調整してください。

チャレンジ校|成城学園中学校

文教大付属より一段上を狙う併願先として考えやすいのが、成城学園中学校です。

2027年度は、2月1日と2月3日の2回入試を実施します。どちらも男女共学で、国語・算数・社会・理科の4科入試です。

学校2027年度入試日位置づけ
成城学園中学校2月1日午前、2月3日チャレンジ

四谷大塚の2027年入試向けAライン80偏差値では、2月1日が男子51・女子52、2月3日が男子53・女子54となっています。文教大付属より高いラインにあるため、模試で余裕が出てきた受験生が上位校として組み込む形です。

2月1日午前に成城学園へ挑戦し、午後に文教大付属第2回を受験する組み方もできます。ただし、成城学園は世田谷区成城、文教大付属は品川区旗の台です。午前・午後で組む場合は、試験終了時刻と移動時間を事前に実際の経路で確認しておきたいところです。

標準校|目黒日本大学中学校

文教大付属と併願しやすい学校として、まず挙げたいのが目黒日本大学中学校です。

同じ城南エリアにあり、目黒駅から徒歩圏。日本大学への内部進学制度を持ちながら他大学進学にも対応するという点でも、文教大付属と比較しやすい学校です。

2027年度は4回の入試があります。

入試日方式
第1回2月1日午前4科
第2回2月1日午後算数・理科の合教科型
第3回2月2日午前4科/適性検査型
第4回2月4日午後2科・特待選抜

入試回による難度差が比較的大きい学校で、特に2月1日午後や2月4日の特待選抜は、午前入試より高い学力帯の受験生も集まります。

そのため、「目黒日大だから文教大付属と同程度」と一括りにはできません。午前の4科入試を標準的な併願候補として考えつつ、午後入試についてはややチャレンジ寄りに見る方がよいでしょう。

標準校|日本大学第二中学校

もう一校、大学付属・共学校という点で比較しやすいのが日本大学第二中学校です。

2027年度は入試制度が変更され、従来の4科に加えて国語・算数の2科受験を選べるようになります。

2027年度入試日試験科目
第1回2月1日午前2科または4科
第2回2月3日午前2科または4科

四谷大塚の2027年入試向けAライン80偏差値では、第1回が43、第2回が46。文教大付属とかなり近い学力帯にあります。

さらに2027年度からは、第1回・第2回を同時出願し、第1回で不合格となった受験生が第2回を受験した場合、2科受験なら3点、4科受験なら5点が加点される制度も導入されます。

文教大学と日本大学では系列大学の規模や学部構成がかなり異なるため、「大学付属校としてどこまで内部進学を重視するか」を比較しながら学校を見ると違いが分かりやすくなります。

安全校|品川翔英中学校

文教大付属と同じ品川区で、安全校候補として組み込みやすいのが品川翔英中学校です。

2027年度は入試機会が多く、2月1日から5日まで複数の方式が用意されています。

主な入試2027年度入試日
第1回2月1日午前
第2回2月1日午後
第3回2月2日午前
第4回2月2日午後
第5回2月3日午後
第6回2月4日午後
第7回2月5日午前

2科・4科型に加えて、英語1科、得意科目を選ぶ入試、プレゼンテーションを含むラーナー型など、受験方式にも幅があります。

文教大付属とは距離も近いため、午前・午後入試を組み合わせる場合にも検討しやすい学校です。文教大付属を第一志望とする受験生なら、早い段階で一つ合格を確保する目的でも候補になります。

安全校|立正大学付属立正中学校

もう一つ、城南エリアで考えやすいのが、大田区西馬込にある立正大学付属立正中学校です。

2027年度は2月1日に午前・午後入試があり、その後も2月2日、3日、7日に受験機会があります。

入試2027年度入試日
第1回午前2月1日午前
第1回午後2月1日午後
第2回2月2日
第3回2月3日
第4回2月7日

第1回・第2回では2科・4科のほか英語入試も選択でき、2月2日には適性検査型も用意されています。

四谷大塚の2027年入試向けAライン80偏差値では30台後半が一つの目安となっており、文教大付属を目指して学習してきた受験生にとっては、安全校として検討しやすい位置にあります。

都営浅草線の西馬込駅から徒歩圏にあり、旗の台周辺からも比較的近いため、学校を実際に見比べやすいのも利点です。

併願候補を難度別に整理すると

位置づけ学校主な2027年度入試日
チャレンジ成城学園中学校2月1日、2月3日
標準目黒日本大学中学校2月1日午前・午後、2月2日午前、2月4日午後
標準日本大学第二中学校2月1日、2月3日
安全品川翔英中学校2月1日〜5日に複数回
安全立正大学付属立正中学校2月1日午前・午後、2月2日、3日、7日

文教大付属を第一志望にする場合の組み方

文教大付属を第一志望とするなら、最も素直なのは募集人数の多い第1回から受験することです。

日程受験例
2月1日午前文教大学付属 第1回
2月1日午後文教大学付属 第2回、または安全校
2月2日午前文教大学付属 第3回
2月2日午後文教大学付属 第4回、または安全校
2月3日日大第二、成城学園、品川翔英など
2月4日午前文教大学付属 第5回

文教大付属は同時出願なら1回分の受験料で複数回に出願できるため、第一志望であれば複数回の受験資格を確保しておく方法も考えられます。

ただ、2月1日午前・午後、2月2日午前・午後をすべて同じ学校で受験するかどうかは別の問題です。入試が続けば疲労もたまりますし、別の学校で一度合格を得ることで本人が落ち着くこともあります。

上位校へ挑戦するなら、文教大付属の午後入試を生かす

模試で文教大付属の合格圏に余裕があり、もう一段上の学校を目指すのであれば、2月1日午前をチャレンジ校に使い、午後に文教大付属を受験する方法があります。

日程受験例
2月1日午前成城学園などのチャレンジ校
2月1日午後文教大学付属 第2回
2月2日午前文教大学付属 第3回、または他の志望校
2月3日成城学園第2回、日大第二第2回など
2月4日午前必要に応じて文教大学付属 第5回

文教大付属には午後入試が二つあるため、「午前に挑戦し、午後に文教」という形を作れるのは受験日程上の強みです。

最後に決め手になるのは偏差値より「通いたい順番」

併願校を考えていると、いつの間にか「偏差値の高い順」「受かりやすい順」だけで学校を並べてしまうことがあります。

しかし、2月1日から数日間のどこかで合格が出れば、その学校に実際に6年間通う可能性があります。

文教大付属を気に入った家庭であれば、併願校についても、大学付属という仕組みを重視するのか、外部大学進学への強さを求めるのか、共学校の雰囲気を重視するのか、通学時間をどこまで許容するのかを考えておきたいところです。

「合格できそうだから受ける学校」ではなく、「合格したら通いたい学校」を並べる。その上でチャレンジ・標準・安全の三段階を作ると、文教大付属の5回入試を生かした受験日程も組みやすくなります。

11. 在校生・保護者の声|友人や先生との距離が近く、学校生活を楽しむ声が目立つ

学校の雰囲気は、カリキュラム表だけを見てもなかなか分かりません。文教大学付属中学校について在校生のインタビューや学校生活の様子、保護者の口コミを追っていくと、よく出てくるのが友人関係、先生との距離、部活動と学習の両立です。

もちろん、一人ひとりの感じ方は違います。それでも複数の声を重ねていくと、学校案内だけでは見えにくい文教大付属の日常が少し見えてきます。

「学校で友だちと過ごす時間が楽しい」

在校生の話でまず印象に残るのは、学校生活そのものを楽しんでいる様子です。

中学から入学した生徒と高校から入学した生徒の間にも自然に友人関係が広がり、クラスを越えて交流するという声があります。昼休みに一緒にスポーツをしたり、部活動を通して別学年の生徒と知り合ったりと、交友関係はホームルームだけに閉じていません。

文教大付属は中高一貫教育を行いながら高校募集もあります。そのため、中学からの仲間と6年間を過ごす一方、高校では新しい生徒も加わります。人間関係が中学入学時のまま固定されないところは、この学校の面白いところです。

中高の先輩・後輩が自然につながる

部活動については、学年を越えた関係の良さを挙げる生徒が複数います。

吹奏楽部では中学生と高校生が一緒に活動し、水泳部などでも中高合同で練習する機会があります。先輩から技術を教わるだけでなく、入部したばかりの頃に面倒を見てもらった経験から、「自分も後輩に同じように接したい」と考える生徒もいます。

§5で紹介した「学年間交流」でも、上級生が下級生へ勉強方法や学校生活について話す機会があります。先輩・後輩の関係を部活動だけに任せず、学校行事としても交流の場をつくっています。

中学1年生のときには教えてもらう側だった生徒が、数年後には教える側になる。6学年が同じ学校で過ごす意味は、こういうところにもあります。

先生には質問や相談をしやすいという声

在校生からは、先生に質問しやすいという声も聞かれます。

授業そのものについても、公式を覚えさせるだけではなく、先生ごとに説明を工夫していることや、生徒同士で教え合う時間があることを評価する生徒がいます。

学校の制度としても、担任はクラス全員と年間3回の面談を行います。定期考査や模試の成績だけでなく、学校生活や進路についても話す機会です。

中学生の場合、「困ったら自分から先生に相談してください」と言われても、それができる子ばかりではありません。定期的に話す機会そのものが設定されていることで、小さな変化を拾いやすくなります。

Bステやアサガクは「勉強する習慣」をつくる

学習面では、Bステやアサガクについて触れる生徒が目立ちます。

もともと勉強に自信がなかったものの、Bステを利用して授業後に予習・復習や宿題を進めるようになり、学習習慣が続くようになったという在校生の例もあります。チューターに大学生活や受験について聞けることを利用している生徒もいます。

一方、保護者の口コミでは、週ごとの課題や小テストが多く、入学当初は慣れるまで大変だったという声もあります。その後、少しずつ成績が伸びてきたと評価する声もありました。

このあたりは、家庭によって感じ方が分かれそうです。宿題や小テストをある程度学校側に管理してほしい家庭には安心材料になりやすく、自分のペースで自由に勉強したい子には、最初は窮屈に感じる可能性もあります。

「勉強一色」ではなく、好きなことを持つ生徒も多い

在校生への取材を見ると、勉強の話と同じくらい部活動や探究活動の話が出てきます。

演劇に興味を持って演劇部で脚本や演出まで経験する生徒、吹奏楽部で校外演奏に参加する生徒、医療への関心から災害医療を探究テーマに選ぶ生徒など、興味の持ち方はさまざまです。

学校側が用意した活動に参加するだけでなく、「自分はこれをやりたい」と思えるものを学校生活の中に見つけている生徒の姿が見えます。

文教大付属には、進学実績を伸ばそうという学校としての明確な方向があります。しかし、在校生の話を聞く限り、学校生活が大学受験だけで埋め尽くされているわけでもありません。

保護者からは「楽しく通っている」という声

近年の保護者口コミでは、子どもが学校へ楽しく通っていることを評価する声が見られます。

友人関係については、比較的穏やかな雰囲気を挙げる声があり、先生についても丁寧に見てもらえる、相談しやすいと感じる家庭があります。旗の台駅から近いことを、実際に通い始めてから評価している保護者もいます。

一方で、生徒同士の人間関係や先生との相性については当然ながらさまざまな意見があります。「どの先生とも合う」「どの生徒とも仲良くできる」という学校はありません。公開されている口コミにも、授業や生徒の雰囲気について厳しい意見はあります。

口コミを見るときは、一件の評価をそのまま学校全体の姿と考えるより、何度も出てくる共通点を見る方が役に立ちます。文教大付属の場合は、学校生活の楽しさ、先生との話しやすさ、中高を越えた交流、学習習慣を支える仕組みが比較的繰り返し語られています。

「積極性」があると学校生活の幅が広がりやすい

在校生や卒業生の話を読んでいると、もう一つ見えてくるものがあります。文教大付属には、用意された選択肢がかなり多いということです。

部活動、生徒会、白蓉祭、探究活動、海外研修、学年間交流。参加しているだけでも学校生活は進みますが、自分から一歩動けば、経験できることはかなり増えます。

実際、公開されている口コミにも「積極的に動くほど学校生活を楽しみやすい」という趣旨の声があります。

これは、文教大付属の「人間愛」という理念とも少し関係しているのかもしれません。他者と関わる機会は学校側が用意する。しかし、最後にその中へ入っていくのは本人です。

学校の本当の空気は、平日の見学でも確かめたい

在校生の声には、学校生活を楽しんでいる様子がよく表れています。ただ、校風にはどうしても相性があります。

文教大付属では、受験生・保護者向けに平日の学校見学も受け付けています。説明会だけでなく、実際の授業や休み時間、生徒の様子を見ることができます。

文化祭のにぎやかな一日を見るのも面白いのですが、普段の学校を見るなら平日の方が分かりやすいこともあります。廊下ですれ違う生徒がどんな様子か、授業中の教室はどうか、先生と生徒がどう話しているか。こうした何気ない場面の方が、6年間の生活を想像する材料になります。

文教大付属に関心を持ったなら、最後は「評判が良いか」だけで決めるのではなく、本人が校内に立ったときに「ここなら毎日通えそうだ」と思えるかを確かめてみたいところです。

12. この学校に向いている子の特徴|学習習慣を整えながら、自分の進路を少しずつ見つけたい子

文教大学付属中学校は、入学時点ですでに完成された学習スタイルを持っている子だけを想定した学校ではありません。

アサガク、少人数授業、文教ステーション、講習、定期的な面談などを通して、まず毎日学ぶ習慣をつくることを重視しています。その上で、中学3年から学力到達度に応じたクラス編成へ進み、高校では本人の希望進路に合わせて学びを深めていきます。

したがって、最初から何でも自分でできる子というより、学校の仕組みを上手に使いながら少しずつ自立していく子とは相性がよさそうです。

勉強の習慣をこれから固めたい子

文教大付属では、中学校段階から自学自習の習慣づくりをかなり意識しています。

朝にはアサガクがあり、放課後には文教ステーションがあります。長期休暇には補充講習と発展講習があり、中学1・2年では英語や数学の少人数授業も取り入れています。

つまり、「家に帰ったら自分で何時間も計画的に勉強できます」という子でなくても、学校生活そのものの中に学習する時間を作りやすい仕組みです。

小学生のうちは塾の宿題に合わせて勉強してきたものの、中学生になったら自分で学習する力も身につけてほしい。そんな家庭には考えやすい学校でしょう。

反対に、宿題や小テスト、放課後学習などにあまり縛られず、学習時間も内容も完全に自分で決めたいというタイプには、学校側のサポートが多く感じられるかもしれません。

中学受験の時点で大学まで決めたくない子

文教大付属という名前から、「文教大学への内部進学を前提とした学校」を想像するかもしれません。しかし、実際には文教大学への進学は例年学年の2割程度で、多くの生徒が外部大学を目指します。

高校ではスタンダード・アドバンスト・アルティメットのクラス編成があり、国公立大学や難関私立大学を目指す道も用意されています。

これは、まだ将来が決まっていない12歳にとって案外大きな意味があります。

教師になりたいと思うかもしれない。理系へ進みたくなるかもしれない。海外に関心を持つかもしれない。中学入学時に思い描いていた将来像が、高校卒業時までまったく変わらない方がむしろ珍しいでしょう。

系列大学という選択肢を持ちながら、外部大学への道も狭めたくない子には、文教大付属の進路設計はよく合っています。

友人や先輩との関わりの中で成長する子

文教大付属には、中高6学年で活動する部活動、学年間交流、体育祭、白蓉祭、宿泊行事、合唱コンクールなど、人と一緒に何かをする機会が多くあります。

建学の精神である「人間愛」も、単に人に優しくしましょうという話ではありません。他者と関わり、自分とは違う考え方に触れながら、自分自身も成長していくことにつながっています。学校の教育目標にも、慈愛の心、知性、コミュニケーションやグローバルな視点が掲げられています。

一人で黙々と取り組むことが得意な子でも問題ありませんが、友人、先輩、先生と関わることで世界が広がるタイプには、6年間で使える機会が多い学校です。

「好きなこと」をこれから見つけたい子

文教大付属では、部活動だけでも運動部・文化部・同好会を合わせて約30の選択肢があります。

さらに、クリエイティブチャレンジでは、自分でテーマを決めて探究に取り組みます。英語や異文化に関心があればグローバル教育や海外研修もあります。

入学前から「将来はこれをしたい」と明確に決まっている必要はありません。むしろ、中学に入ってから色々なものに触れ、その中から面白いものを見つけたい子に向いています。

科学研究部に入って理科が好きになるかもしれませんし、白蓉祭の運営をきっかけに人前に立つことが好きになるかもしれません。探究活動から大学で学びたい分野が見えてくることもあります。

中高6年間という時間は、何かを極めるには十分長く、興味の対象を変えるにも十分長い時間です。その余白を残している学校です。

英語を「教科」で終わらせたくない子

英語教育では、少人数授業に加えて、外国人講師との授業、オンライン英会話、グローバルコンピテンスプログラムなどが取り入れられています。

中学2年ではTOKYO GLOBAL GATEWAYで英語を使う機会があり、希望者にはオーストラリアやセブ島などでの研修も用意されています。

英単語や文法を覚えることはもちろん必要です。しかし、それだけでなく「実際に英語を使って誰かと話してみたい」という子なら、学校のプログラムを生かしやすいでしょう。

学校行事にもある程度しっかり関わりたい子

文教大付属は、授業だけ受けて帰るタイプの学校生活より、行事や部活動にも参加しながら6年間を過ごす姿が似合います。

体育祭では中学生自身が運営に関わり、白蓉祭ではクラスや部活動で企画をつくります。探究祭では自分たちの研究成果を発表します。

もちろん、全員が生徒会長や実行委員長になる必要はありません。ただ、用意された行事を「面倒だから全部避けたい」というより、せっかくなら参加してみようと思える子の方が、文教大付属で経験できるものは増えていきます。

城南・神奈川方面から無理なく通学したい子

学校生活との相性とは少し違いますが、通学条件も6年間では重要です。

旗の台駅・荏原町駅から徒歩約3分。大井町線と池上線を利用でき、品川・五反田・自由が丘方面に加えて、武蔵小杉や横浜方面からも経路を組めます。

部活動やBステを利用すれば、学校を出る時間が遅くなる日もあります。中学1年生の頃には問題なくても、高校3年まで毎日続くとなれば通学時間の重みは変わります。

教育内容だけでなく、「この距離なら6年間通える」と思える家庭にとっては、駅から近い文教大付属の立地も学校との相性を考える材料になります。

文教大付属と特に相性がよさそうなのはこんな子

  • 中学から毎日の学習習慣をきちんと身につけたい子
  • 学校のサポートを利用しながら、少しずつ自学自習へ移っていきたい子
  • 大学付属校には関心があるが、中学入学時点で進路を固定したくない子
  • 国公立・難関私立大学を含め、将来の選択肢を広く残しておきたい子
  • 友人や中高の先輩との関わりの中で成長するタイプの子
  • 部活動、行事、探究など、勉強以外にも打ち込めるものを見つけたい子
  • 英語を学ぶだけでなく、実際に使う経験もしてみたい子
  • まだ将来像は決まっていないが、6年間で自分の興味を見つけたい子

文教大付属は、入学した瞬間から完成された子を求めるというより、6年間の中で少しずつ「自分で考え、自分で選べる人」になっていくことを期待する学校と見ると分かりやすいでしょう。

学習面では学校の仕組みを使い、行事や部活動では人と関わり、探究やキャリア教育を通して自分の興味を探していく。その過程そのものを楽しめる子なら、文教大付属で過ごす6年間はかなり密度のあるものになりそうです。

13. まとめ|「人間愛」を軸に、進路の幅と学校生活の充実を育てる文教大学付属中学校

文教大学付属中学校を見ていくと、「大学付属校」という言葉だけでは、この学校の姿を十分に説明できないことが分かります。

系列の文教大学への推薦制度を持ちながら、実際には国公立大学や難関私立大学を含む外部進学にも力を入れています。中学3年から、高校ではさらに細かく進路に応じたクラスへ分かれていく仕組みも、その方向をよく表しています。

一方で、進学実績だけを追う学校でもありません。

建学の精神である「人間愛」を軸に、体育祭、白蓉祭、宿泊行事、部活動、探究活動、グローバル教育など、人と関わりながら学ぶ機会が6年間の中に置かれています。

学習面では、アサガク、少人数授業、文教ステーション、長期休暇中の講習など、毎日の勉強を支える仕組みがかなり具体的です。中学受験を終えた瞬間から本人任せにするのではなく、まず学習習慣を整え、そこから少しずつ自学自習へ移していく。そんな考え方が見えてきます。

旗の台・荏原町から徒歩約3分という立地も、6年間を考えると無視できません。校内には図書室、人工芝グラウンド、アリーナ、25m室内温水プールなどがあり、都市型のキャンパスながら学校生活に必要な設備は一通り揃っています。

そして、おそらく文教大付属を考える上で一番面白いのは、12歳の時点で将来を決めすぎなくてもよいことです。

文教大学へ進む道もあれば、外部大学へ進む道もある。中学に入ってから部活動や探究に出会い、好きなことを見つけてもよい。学力が伸びれば、より高い進路を目指すこともできます。

中高6年間というのは、子どもが大きく変わるには十分な長さです。小学6年生のときには想像していなかった分野に興味を持つこともありますし、得意科目が変わることもあります。文教大付属には、その変化を受け止められるだけの進路の幅があります。

もちろん、課題や小テスト、Bステなど、学習面ではある程度学校のペースがあります。完全に自由な学校生活を求める子より、学校の仕組みを利用しながら少しずつ自分の力で動けるようになりたい子の方が、この環境を生かしやすいでしょう。

「人間愛」を大切にしながら、進学力も伸ばしていく。一見すると方向の違う二つを、現在の文教大付属は同じ6年間の中で育てようとしています。

大学付属という安心感は欲しい。しかし、将来の進路はまだ決めたくない。勉強もしっかりしたいけれど、部活動や行事も楽しみたい。そんな学校生活を思い描いている家庭なら、文教大学付属中学校は一度実際に見ておきたい学校です。

パンフレットの数字や入試偏差値だけでは、学校の相性までは分かりません。旗の台のキャンパスを歩き、生徒の様子を見て、本人が「ここで6年間過ごしてみたい」と思えるかどうか。最後はそこを確かめてみてください。

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