【2026年版】東京農業大学第一高等学校中等部の評判は?「知耕実学」と難関大進学を支える実学教育を徹底解説!

中学受験
  1. 学校の概要|「知耕実学」を掲げる完全中高一貫の共学校
    1. 農大一中の基本情報
    2. 2025年度から完全中高一貫校へ移行
    3. 「知耕実学」とは何か
    4. 校訓は「質実剛健・自主独立」
    5. 教育目標は「夢の創造と実現」
    6. 世界で通用する学力と豊かな心を育てる
    7. 科学的探究心と実証する姿勢を重視
    8. 東京農業大学の併設校として学べる環境
    9. 「農業を専門に学ぶ中学校」ではない
    10. 難関大学進学を目指す進学校としての側面
    11. 共学環境で多様な相手と学ぶ
    12. 学校が求める生徒像
    13. 「共創」によって新しい価値を生み出す
    14. 伝統を受け継ぎながら進化する学校
    15. 実学教育と進学教育を両立する共学校
  2. アクセスと立地環境|経堂駅・上町駅から通える世田谷の落ち着いた教育環境
    1. 農大一中の所在地と主なアクセス
    2. 小田急線「経堂駅」から徒歩約15分
    3. 東急世田谷線「上町駅」から徒歩約15分
    4. 東急田園都市線「桜新町駅」から徒歩約20分
    5. 用賀駅からは「農大前」までバスを利用
    6. 渋谷駅から学校前までバスで通える
    7. 「農大前」と「農大一高前」の違いに注意
    8. 東京農業大学世田谷キャンパスが道路向かいに立地
    9. 「食と農」の博物館や馬事公苑に近い環境
    10. 東京都内と神奈川県から幅広く通学
    11. 条件を満たせば自転車通学も可能
    12. 学校説明会では会場と利用する門を確認
    13. 自動車ではなく公共交通機関を利用
    14. 6年間続けられる通学経路かを確認する
    15. 複数路線と大学環境を生かせる立地
  3. 教育方針とカリキュラム|体験から知識を深める「知耕実学」の6年間
    1. 中等部では週36時間の授業を実施
    2. 中高6年間を見通したカリキュラム
    3. 知識と体験を往復する「知耕実学」
    4. 6年間で80以上の実験に取り組む理科教育
    5. 実験レポートで分析力と表現力を伸ばす
    6. 中学1年の稲作で米づくりを体験
    7. 中学2年では「お米の科学」へ発展
    8. 中学3年では味噌づくりにも取り組む
    9. 中学3年の課題研究で興味を深く掘り下げる
    10. 教科や学年を越えて学ぶ「一中一高ゼミ」
    11. 中学3年から最難関大学レベルへ挑戦できるD模試
    12. 英語は少人数・習熟度別で4技能を育てる
    13. 英検は中等部卒業までに3級以上を目指す
    14. 予習・小テスト・分析ノートを重視する英語
    15. 数学では論理的思考力と柔軟な発想を育てる
    16. 国語では読み・書き・表現を一体的に学ぶ
    17. 社会科では現代の問題を分析して伝える
    18. 東京農業大学との高大連携
    19. 高大連携は内部進学だけのためではない
    20. ICTは調査・分析・発表のための道具
    21. 高校では文系・理系から志望進路別へ
    22. 体験だけでなく日々の予習・復習も必要
    23. 農大一中のカリキュラムが目指す力
    24. 実学と難関大学進学を結びつける6年間
  4. 学習環境と施設設備|新校舎「知耕実学棟」と実験・探究を支える充実した施設
    1. 2023年から2026年にかけて進む新校舎プロジェクト
    2. 生徒同士の学び合いを促すラーニングコモンズ
    3. 学習目的に応じて選べる2種類の自習室
    4. 2026年冬に新しい図書館が完成予定
    5. 5つの実験室を備えるサイエンスエリア
    6. 仮説・実験・検証を行うための設備
    7. 博物館のような「SCIENCE STREET」
    8. 生徒と教員の距離を近づける教科準備室
    9. 約250名を収容できる新ホール
    10. 発表やミーティングに使える大階段
    11. 実技教科を重視したアートエリア
    12. ものづくりを支えるテクノロジーエリア
    13. ノートパソコンを活用するICT環境
    14. 明るく開放的な1号館
    15. 大学との連携で校外の学習施設も活用
    16. 中等部の昼食は弁当またはデイリーショップ
    17. 屋上には大学と連携した和風庭園
    18. 人工芝グラウンドと充実した体育施設
    19. 桜並木と緑に囲まれた校内
    20. 24時間体制の警備と相談環境
    21. 目的に応じて学ぶ場所を選べるキャンパス
    22. 学校見学で確認したいポイント
    23. 知識・体験・共創をつなぐ学習環境
  5. 学校生活と行事|桜花祭や農業体験を通して仲間と成長する学校生活
    1. 農大一中の主な年間行事
    2. 最大の学校行事「桜花祭」
    3. 生徒が学校全体の運営を担う桜花祭実行委員会
    4. 中等部のスポーツ大会「Sakura Sports Festival」
    5. クラスで一つの歌をつくる合唱コンクール
    6. よさこい発表会で身体を使って表現する
    7. 中学1年は富士五湖で宿泊研修
    8. 中学1年の北海道自然体験研修
    9. 中学1年で一年を通して取り組む稲作
    10. 中学2年の「お米の科学」
    11. 中学3年は味噌づくりで発酵を学ぶ
    12. 中学2年の奈良・京都歴史探訪研修
    13. 中学3年のシンガポール・マレーシア海外修学旅行
    14. 中学1・2年のイングリッシュキャンプ
    15. 希望者はオーストラリア夏期海外研修へ参加
    16. 英語の成果を発表する「English On Stage」
    17. 芸術や伝統文化に触れる鑑賞行事
    18. 学力を競い合う校内コンテスト
    19. 課題研究発表会で学びを言葉にする
    20. 生徒会・実行委員会を通して主体性を育てる
    21. 行事と学習を両立する時間管理も必要
    22. 体験を一度きりで終わらせない学校行事
    23. 「知耕実学」を学校生活全体で実践
  6. クラブ活動|運動部から科学・文化系まで個性を伸ばす多彩な活動
    1. クラブ活動の基本情報
    2. 中高合同の活動で学年を超えた関係を築く
    3. 中等部から参加できる主な運動部
    4. 中等部軟式野球部は都大会へ進出
    5. 中等部サッカー部は自主性と判断力を重視
    6. 全国大会を目指すチアリーディング部
    7. 農大一中らしさを象徴する生物部
    8. 実験とものづくりを楽しむ物理部
    9. 自分の興味から実験を始める化学部
    10. 音楽・舞台系のクラブも充実
    11. 美術・写真・書道・文芸で表現力を伸ばす
    12. 茶道・華道で日本文化と礼儀を学ぶ
    13. 社会や国際問題を考える模擬国連部
    14. 知識を競い合うクイズ研究部
    15. 同好会で個性的な興味を深める
    16. 将棋・囲碁同好会は2年連続で全国大会へ
    17. 近年の主なクラブ実績
    18. スポーツ推薦を設けず学校生活全体を重視
    19. クラブ運営委員会を中心に生徒が活動を支える
    20. 桜花祭はクラブ活動の成果を発表する場
    21. クラブ活動と学習を両立する必要がある
    22. クラブによって追加費用が異なる
    23. 入部前に確認したいポイント
    24. 好きなことを6年間かけて深められる環境
  7. 進学実績と卒業後の進路|難関大学への合格力と東京農業大学への優先入学制度
    1. 2026年3月卒業生の進路内訳
    2. 合格者数と実際の進学者数は異なる
    3. 2026年は国公立大学に77名が合格
    4. 早慶上理にも多数の合格者
    5. GMARCHは明治大学を中心に高い実績
    6. 理工・農学・生命科学系への進学に強い
    7. 医学部医学科は延べ26名が合格
    8. 薬学部・獣医学部にも幅広い合格実績
    9. 一般選抜を中心に多様な入試方式へ対応
    10. 学校推薦型・総合型選抜でも難関大学へ合格
    11. 東京農業大学・東京情報大学への進学制度
    12. 推薦を希望すれば自動的に進学できるわけではない
    13. 専願と併願から選択できる
    14. 2026年の内部進学合格者は6名
    15. 一般選抜で東京農業大学を受験する生徒もいる
    16. 中等部から段階的に将来を考えるキャリア教育
    17. 模擬試験と面談を通して進路を具体化
    18. 2026年実績は完全中高一貫化前の卒業学年
    19. 進学実績を見る際に確認したいポイント
    20. 外部大学への挑戦と併設大学への進学を選べる学校
  8. 学費や諸経費について|初年度納入金と中高6年間を見据えた費用
    1. 2026年度入学生の学校納入金
    2. 諸会費の内訳
    3. 制服・学用品・体育着にかかる費用
    4. 入学時に必要となる費用の目安
    5. ノートパソコンの準備が必要
    6. 宿泊研修・修学旅行費は学費と別に必要
    7. 宿泊行事まで含めた初年度の資金計画
    8. 中等部3年間の学校納入金
    9. 高校進学後の学校納入金
    10. 高校段階の宿泊行事費
    11. 中高6年間の費用目安
    12. 通学費は利用経路によって差が大きい
    13. 中等部は弁当持参が基本
    14. クラブ活動による追加費用
    15. 特待生制度
    16. 東京都の私立中学校授業料助成
    17. 高校進学後の授業料支援制度
    18. 学費を考える際の確認項目
    19. 体験教育を支える費用まで含めて検討する
  9. 入試情報と合格の目安|2027年度から3回入試となる最新制度と受験対策
    1. 2027年度中等部入試の日程と募集定員
    2. 第1回は4教科の総合力を確認する入試
    3. 第2回は算数と国語または理科の2科入試
    4. 第3回は算数の比重が高い2科入試
    5. 国語と理科のどちらを選ぶか
    6. 2026年度入試の受験者数と実質倍率
    7. 2026年度入試の合格最低点
    8. 第1回は募集増でも油断できない
    9. 複数回受験を前提にした出願戦略
    10. 2月1日の午前・午後を続けて受験する場合
    11. 偏差値の目安
    12. 過去問は入試回ごとに分けて取り組む
    13. 算数は時間内に取るべき問題を選ぶ
    14. 理科は知識と実験考察の両方を鍛える
    15. 国語は根拠を本文から探す
    16. 社会は基本知識と資料読解を安定させる
    17. 面接や小学校の調査書は正式要項で確認
    18. 成績優秀者を対象とした特待生制度
    19. 2027年度入試で確認すべき最新情報
    20. 3回の入試方式から本人の強みを生かす
  10. 併願校パターン|共学・男女別学校を組み合わせたチャレンジ・標準・安全校
    1. 農大一中の2027年度入試日程
    2. チャレンジ・標準・安全校は偏差値だけで決めない
    3. 難易度別に考える代表的な併願校
    4. 農大一中を第一志望とする基本パターン
    5. 男子の難関校チャレンジ型
    6. 男子の農大一中中心型
    7. 女子の難関校チャレンジ型
    8. 女子の農大一中中心型
    9. 共学校を中心とした難関校チャレンジ型
    10. 世田谷・城南地区の共学校を組み合わせるパターン
    11. 1月入試で本番経験と合格を確保する
    12. 2月1日午後入試は移動時間が重要
    13. 2月2日の午前・午後連続受験は慎重に判断
    14. 第4回廃止後は2月3日以降の学校が重要
    15. 算数・理科型と算数・国語型で併願校を変える
    16. 合格発表と入学手続期限も確認する
    17. 併願校でも「入学したい」と思えることが重要
    18. 併願校を決めるための最終チェック
    19. 第1回から受験し、2月3日以降の進路も確保する
  11. 在校生・保護者の声|体験重視の授業と活気ある学校生活への評価
    1. 稲作を通して食への見方が変わる
    2. 食品加工の繊細さを実感する味噌づくり
    3. 体験から社会や将来への関心が広がる
    4. 自然体験で教室の知識が具体的になる
    5. 楽しいだけではなく大変さも含めて学ぶ
    6. 宿泊研修が友達づくりのきっかけになる
    7. 桜花祭は学校の活気を感じられる行事
    8. 共学らしい多様な人間関係
    9. クラブ活動でクラス以外の居場所を見つけやすい
    10. 理系だけでなく文系の生徒も学びやすい
    11. 主要教科の学習量は少なくない
    12. 実験レポートや課題研究には丁寧さが必要
    13. 夏期講習で復習と発展学習へ取り組める
    14. 教員・カウンセラーへ相談できる体制
    15. 災害時の連絡体制も保護者の安心材料
    16. 保護者が評価しやすいポイント
    17. 入学前に確認しておきたい点
    18. 学校の環境は自分から利用する姿勢が必要
    19. 口コミだけでなく生徒の実際の様子を確認する
    20. 体験を学びへ変えられることが最大の魅力
  12. この学校に向いている子の特徴|自然や科学への好奇心を行動へつなげられる子
    1. 自然や科学の「なぜ」に興味を持てる子
    2. 実際に手を動かして学びたい子
    3. 体験したことを文章や発表へまとめられる子
    4. 基礎学習を毎日積み重ねられる子
    5. 失敗しても原因を考えて再挑戦できる子
    6. 自分から挑戦して可能性を広げたい子
    7. 仲間と協力しながら一つのものをつくりたい子
    8. 多様な個性を受け入れられる子
    9. 共学校で自然体の人間関係を築きたい子
    10. 大人しい子でも知的好奇心があれば活躍できる
    11. クラブ活動と勉強の両方へ取り組みたい子
    12. 自分で予定を管理できるようになりたい子
    13. 大学名より「何を学びたいか」を考えたい子
    14. 大学併設校の環境を生かしながら外部大学へ挑戦したい子
    15. 国際交流や異文化へ関心がある子
    16. 校外学習や宿泊研修へ前向きに参加できる子
    17. 家庭が体験と失敗を見守れることも大切
    18. 入学前に慎重に相性を確認したい子
    19. 農大一中との相性チェック
    20. 好奇心を「考動」へつなげたい子に向く学校
  13. まとめ|実学教育と難関大学進学を両立する世田谷の人気共学校
    1. 農大一中の主な特徴
    2. 最大の魅力は知識と体験を往復する「知耕実学」
    3. 稲作から大学レベルの研究へ学びがつながる
    4. 実学教育と難関大学進学を両立
    5. 東京農業大学の併設校でありながら外部進学が中心
    6. 新校舎と大学施設を活用できる学習環境
    7. 行事やクラブ活動も生徒の成長を支える
    8. 海外・宿泊研修を通して視野を広げる
    9. 2027年度から入試は3回実施
    10. 学費は体験教育の費用まで含めて考える
    11. 農大一中に向いている子
    12. 入学前に確認しておきたい注意点
    13. 学校説明会や桜花祭で確認したいこと
    14. 実学教育と進学教育を両立した6年間

学校の概要|「知耕実学」を掲げる完全中高一貫の共学校

東京農業大学第一高等学校中等部は、東京都世田谷区桜にある私立の男女共学校です。一般には「農大一中」「農一」と呼ばれ、東京農業大学の実学主義を受け継ぐ学校として知られています。

2005年に中等部を開校し、2025年度から高校募集を停止しました。現在は、中学校入学から高校卒業までの6年間を一つの流れとして捉える完全中高一貫校として、教育内容の充実を進めています。

学校を象徴する教育理念が、「知耕実学」です。授業で知識を得るだけでなく、実物や本物に触れ、実際に体験し、自分の頭で考えて行動することを重視しています。

理科実験、農業体験、論文作成、校外学習、東京農業大学との連携などを通して、生徒の知的好奇心を具体的な学びへつなげていることが、農大一中の大きな特徴です。

農大一中の基本情報

項目内容
正式名称東京農業大学第一高等学校中等部
通称農大一中、農一
所在地東京都世田谷区桜3丁目33番1号
学校区分私立・男女共学
教育形態完全中高一貫教育
中等部開校2005年
校訓質実剛健・自主独立
教育目標夢の創造と実現
教育理念知耕実学
併設大学東京農業大学・東京情報大学

2025年度から完全中高一貫校へ移行

農大一中は、2025年度から高校の外部募集を停止し、完全中高一貫校へ移行しました。

高校から新しい生徒を受け入れる併設型の中高一貫校とは異なり、中学校から入学した生徒を中心に、高校卒業までの6年間を通した教育を行います。

高校受験のために中学3年の学習を中断する必要がないため、基礎学力の定着、先取り学習、探究活動、体験学習などを、6年間の発達段階に合わせて配置できます。

従来の体制完全中高一貫化後
中等部入学者と高校入学者が在籍中学校から入学した生徒を中心に6年間教育
中学課程と高校課程の接続を調整中学入学時から高校卒業まで一貫して指導
高校入試を経て入学する生徒がいた高校の外部募集を停止
中学・高校それぞれの教育課程を編成6年間を見通した教育課程を更に強化

完全中高一貫化によって、単に授業進度を速めるだけでなく、農大一中らしい実学教育や探究学習を継続的に深めやすくなりました。

中学校で興味を持ったテーマを高校で更に研究したり、学校行事やクラブ活動で身につけた力を進路選択へ結びつけたりできることが、6年間教育の利点です。

「知耕実学」とは何か

「知耕実学」には、本物に触れる体験を通して、知識を耕し、深めていくという意味が込められています。

農大一中では、実学教育を次のような三つの段階で捉えています。

  1. 実物・本物に触れる
  2. 自分で体験・経験する
  3. 得られた知識を基に考え、実行する

例えば、植物について教科書で学ぶだけでなく、実際に作物を育て、成長を観察し、収穫します。理科では実験結果を覚えるのではなく、自分で器具を扱い、得られたデータから考察します。

実際に見たり触れたりすることで疑問が生まれ、その疑問を調べることで教科書の知識が深まります。さらに、自分の考えをレポートや発表として表現することで、学んだ内容を確かな理解へ変えていきます。

一般的な知識学習知耕実学による学び
教科書の内容を覚える実物や現象を自分の目で確かめる
用意された答えを理解する自分で疑問や課題を見つける
説明を聞いて学ぶ観察、実験、調査、体験を通して学ぶ
知識を試験で再現する知識を使って考え、行動し、表現する

「農業だけを学ぶ学校」という意味ではありません。自然科学、人文科学、社会科学、国際理解など、幅広い分野で本物に触れ、自ら考える姿勢を育てることが知耕実学です。

校訓は「質実剛健・自主独立」

農大一中は、母体である東京農業大学の精神を受け継ぎ、「質実剛健・自主独立」を校訓に掲げています。

校訓学校生活における考え方
質実剛健外見や形式だけにとらわれず、誠実に物事へ取り組み、心身ともにたくましく成長する
自主独立他者の指示を待つだけでなく、自ら考え、判断し、責任を持って行動する

知耕実学の授業では、決められた手順をそのまま再現するだけではなく、観察したことから疑問を持ち、仮説を立て、検証することが求められます。

学校行事やクラブ活動でも、生徒が自分の役割を考え、仲間と協力しながら行動します。校訓は教室に掲げる言葉だけでなく、日々の学習や学校生活の中で実践する姿勢となっています。

教育目標は「夢の創造と実現」

中等部では、「夢の創造と実現」を教育目標に掲げています。

中学校入学時点で、将来の職業や大学の学部まで決まっている必要はありません。まずは授業、体験学習、クラブ活動、行事などを通して、自分が何に関心を持ち、何を得意としているのかを知ります。

中学校の3年間は、次のような時期として位置づけられています。

  • 基本的な生活習慣を身につける期間
  • 自分の夢や興味を見つけ、育てる期間
  • 他者との関わりを通して人格を形成する期間
  • 高校での学習につながる基礎学力を養う期間
  • 学校生活や運動を通して基礎体力を養う期間

高校段階では、中学校で見つけた関心を、文系・理系の選択や大学・学部選びへつなげます。

偏差値や大学名だけで進路を決めるのではなく、「大学で何を学びたいのか」「将来どのような形で社会に関わりたいのか」を考えながら、夢の実現を目指します。

世界で通用する学力と豊かな心を育てる

農大一中の教育方針は、大学入試に必要な学力だけに限られていません。

学校では、主に次の四つの力を育てる方針を示しています。

教育の柱目指す力
世界で通用する学力国内外の大学や学部で学び続けられる基礎学力・応用力
心の教育生命を大切にし、他者を思いやる心と基本的な生活習慣
真の国際化自国への理解を持ちながら、他国の文化や価値観を尊重する力
実学教育本物に触れ、体験し、考えたことを行動へつなげる力

学力、人格、国際感覚、行動力のいずれか一つに偏るのではなく、社会の中で自分の力を生かせる人材を育てることを目指しています。

科学的探究心と実証する姿勢を重視

農大一中の教育には、東京農業大学の創設者である榎本武揚や、初代学長・横井時敬の精神が受け継がれています。

特に横井時敬は、観念や理論だけに頼るのではなく、実際の現場から問題を見つけ、解決する実学主義を重視しました。

農大一中でも、物事を一つの方向だけから見るのではなく、観察、実験、データ、体験などを基に、多角的に検証する姿勢を育てています。

  • 現象を注意深く観察する
  • 結果を予想して仮説を立てる
  • 実験や調査によって確かめる
  • 得られたデータを比較・分析する
  • 自分の考えを文章や発表で表現する
  • 異なる意見を取り入れ、考えを修正する

この過程は、理科や農業に限らず、国語、社会、英語、数学、探究活動など、さまざまな教科に共通します。

東京農業大学の併設校として学べる環境

農大一中は、東京農業大学と同じ学校法人のもとにある併設校です。学校の近くには東京農業大学世田谷キャンパスがあり、大学の教員、研究施設、専門的な学びと連携しやすい環境にあります。

大学との連携では、農業だけでなく、生命科学、食品、環境、国際協力、地域創成、情報など、多様な学問分野に触れられます。

中学生の段階から大学の研究や専門分野を知ることで、学校で学ぶ教科が将来どのような学問や仕事へつながるのかを具体的に考えられます。

併設大学への進学制度も用意されていますが、農大一中は内部進学だけを目的とする学校ではありません。国公立大学や難関私立大学を含む幅広い進路を目指す、進学校としての性格も持っています。

大学併設校としての特色内容
専門的な学びへの接続大学の研究分野や専門知識に触れられる
実学教育の継承東京農業大学の実学主義を中高教育へ生かす
進路の選択肢併設大学への進学と外部大学への挑戦を検討できる
身近な大学環境大学で学ぶ姿を早い段階から具体的に想像できる

「農業を専門に学ぶ中学校」ではない

学校名に「東京農業大学」とあるため、農業分野への進学を希望する生徒だけが通う学校だと思われることがあります。

しかし、農大一中は普通教育を行う中高一貫校です。国語、数学、英語、理科、社会を中心とした基礎学力を身につけ、文系・理系を問わず幅広い大学進学を目指します。

農業体験や植物の観察は、農業技術の習得だけを目的としているわけではありません。生命の仕組み、食料、環境、社会、経済などを、実物を通して学ぶための教材として位置づけられています。

植物や生き物が好きな子だけでなく、実験、ものづくり、国際問題、食文化、環境問題などに興味を持つ子も、学びを広げやすい学校です。

難関大学進学を目指す進学校としての側面

農大一中は、東京農業大学への進学制度を持つ一方、全ての生徒が高い進路目標を持ち、難関大学への合格を目指す学習プログラムを展開しています。

授業を学習の中心に置きながら、講習、模擬試験、ゼミ、進路面談、キャリア教育などを組み合わせ、生徒一人ひとりの進路実現を支えます。

実学教育は大学入試と別の活動ではありません。実験や論文作成で培った観察力、思考力、分析力、表現力は、大学入試の記述問題や探究型の選抜でも必要となる力です。

農大一中は、体験を楽しむだけの学校ではなく、体験から得た疑問を学力へつなげ、大学進学や将来の夢へ発展させることを重視しています。

共学環境で多様な相手と学ぶ

農大一中は男女共学校です。授業、学校行事、クラブ活動、生徒会活動などを通して、性別や考え方の異なる仲間と協力します。

実学教育や探究活動では、同じ課題を見ても、生徒によって気づく点や考え方が異なります。異なる意見を聞き、自分の考えを見直す経験が、新しい発見につながります。

男女が共に学ぶ日常の中で、相手の意見を尊重しながら自分の考えを伝える力を育てることは、大学進学後や社会に出た後にも役立ちます。

学校が求める生徒像

農大一中では、入学者の受け入れ方針として、基礎・基本を大切にしながら、さまざまな物事へ興味を持ち、積極的に挑戦する生徒を求めています。

  • 身近な出来事に疑問を持てる
  • 知りたいことを自分から調べられる
  • 基礎的な学習を大切にできる
  • 初めての活動にも前向きに挑戦できる
  • 自分の可能性を広げるために努力できる
  • 異なる意見や個性を尊重できる
  • 仲間と協力しながら粘り強く行動できる
  • 周囲に任せきりにせず、自分で判断しようとする

入学時点で高い探究力や自主性を完成させている必要はありません。学校生活の中で失敗や試行錯誤を重ねながら、自ら考えて行動できるようになりたいという意欲が大切です。

「共創」によって新しい価値を生み出す

農大一中では、生徒一人だけで学びを完成させるのではなく、友達、先輩、教員、大学、地域などと協力しながら学ぶことも重視しています。

学校のスクールポリシーでは、多様な人々と協働し、新しい価値を創造するとともに、持続可能な社会の実現を目指す人材の育成を掲げています。

実験や探究活動では、異なる結果や意見を比較することで、新しい問いが生まれます。学校行事では、得意分野の異なる生徒が役割を分担し、一人では実現できない企画を完成させます。

自分の意見を持つ「自主独立」と、他者と力を合わせる「共創」を両立させることが、農大一中が目指す生徒の姿です。

伝統を受け継ぎながら進化する学校

学校の母体である東京農業大学の原点は、1891年に榎本武揚が設立した徳川育英会育英黌農業科にあります。

1950年に東京農業大学附属第一高等学校が開校し、1962年に現在の東京農業大学第一高等学校へ改称しました。1964年には男女共学となり、2005年に中等部が開校しています。

近年は、完全中高一貫化や新校舎整備を進め、伝統的な実学主義を現代の探究学習、ICT教育、国際教育へ発展させています。

主な出来事
1891年東京農業大学の原点となる徳川育英会育英黌農業科を設立
1950年東京農業大学附属第一高等学校を開校
1962年東京農業大学第一高等学校へ改称
1964年男女共学として新たに発足
2005年中等部を開校
2025年度高校募集を停止し、完全中高一貫校へ移行

実学教育と進学教育を両立する共学校

東京農業大学第一高等学校中等部は、「質実剛健・自主独立」の校訓と「知耕実学」の教育理念を土台に、体験から学ぶ力と難関大学進学に必要な学力を育てる学校です。

2025年度から完全中高一貫校となり、中学校入学から高校卒業までの6年間を通して、基礎学力、科学的探究心、国際感覚、協働する力を段階的に育てています。

東京農業大学とのつながりを持ちながらも、農業分野や内部進学だけに進路を限定せず、国公立大学や難関私立大学を含む幅広い進路を目指せます。

教科書の知識を覚えるだけでなく、実際に見て、触れて、試し、自分の考えを深めたい子にとって、知的好奇心を大きく育てられる学校といえるでしょう。

アクセスと立地環境|経堂駅・上町駅から通える世田谷の落ち着いた教育環境

東京農業大学第一高等学校中等部は、東京都世田谷区桜3丁目にあります。小田急線、東急世田谷線、東急田園都市線の複数駅から通学でき、渋谷駅や用賀駅からは路線バスも利用できます。

最寄り駅から学校までは徒歩15分前後かかりますが、利用できる路線が複数あるため、世田谷区内だけでなく、杉並区、目黒区、渋谷区、調布市、狛江市、川崎市、横浜市などからも通学経路を組みやすい立地です。

学校の道路向かいには東京農業大学世田谷キャンパスがあり、周辺には「食と農」の博物館やJRA馬事公苑もあります。都市部にありながら、大学の研究環境や自然、文化に触れやすいことが、農大一中ならではの立地上の魅力です。

農大一中の所在地と主なアクセス

項目内容
所在地東京都世田谷区桜3丁目33番1号
小田急線「経堂駅」から徒歩約15分
東急世田谷線「上町駅」から徒歩約15分
東急田園都市線「桜新町駅」から徒歩約20分
用賀駅からのバス「農大前」下車、正門まで徒歩約3分
渋谷駅からのバス「農大一高前」下車、通用門まで徒歩約3分

駅から歩く方法と路線バスを利用する方法があるため、通学時間、乗り換え回数、朝の混雑などを比較し、本人にとって負担の少ない経路を選べます。

小田急線「経堂駅」から徒歩約15分

小田急線を利用する場合は、経堂駅から徒歩約15分です。新宿・代々木上原方面から通う生徒だけでなく、成城学園前、登戸、町田方面からも利用しやすい経路です。

経堂駅から学校へ向かう途中には、飲食店や生活関連の店舗が並ぶ農大通り商店街があります。学校までの経路が比較的分かりやすく、人通りのある道を歩いて通学できます。

ただし、徒歩15分という時間は、受験生が学校説明会へ身軽な状態で訪れる場合と、入学後に教科書、ICT端末、体育着、クラブ用具などを持って歩く場合とでは感じ方が異なります。

  • 雨の日にも無理なく歩けるか
  • 夏の暑さや冬の登校を想定できるか
  • クラブ活動後も駅まで歩けるか
  • 駅から学校までの信号や交差点を確認したか
  • 朝の小田急線の混雑を本人が負担に感じないか

経堂駅を利用する予定の家庭は、学校説明会だけでなく、可能であれば平日の登校時間帯に近い時間にも一度歩いてみるとよいでしょう。

東急世田谷線「上町駅」から徒歩約15分

東急世田谷線を利用する場合は、上町駅から徒歩約15分です。

世田谷線は三軒茶屋駅と下高井戸駅を結んでおり、京王線沿線や東急田園都市線沿線からの通学経路として利用できます。

接続方面主な乗り換え例
京王線方面下高井戸駅で世田谷線へ乗り換え
田園都市線方面三軒茶屋駅で世田谷線へ乗り換え
世田谷区内若林、世田谷、松陰神社前などから利用

世田谷線は地域内を移動する路線で、都心を走る一般的な通勤電車とは車両や駅の雰囲気が異なります。乗車時間だけでなく、乗り換え時の移動や待ち時間も含めて通学時間を確認しましょう。

東急田園都市線「桜新町駅」から徒歩約20分

東急田園都市線の桜新町駅からは徒歩約20分です。徒歩時間は経堂駅や上町駅より長くなりますが、田園都市線沿線から電車を中心に通いたい場合の選択肢になります。

桜新町駅周辺には、サザエさん通りや長谷川町子美術館があります。駅周辺は商店街が形成されていますが、学校へ近づくにつれて住宅や教育施設を中心とした環境へ移っていきます。

徒歩20分は中学生にとって短い距離ではありません。田園都市線沿線から通う場合は、桜新町駅から歩く経路と、用賀駅からバスを利用する経路を比較するとよいでしょう。

用賀駅からは「農大前」までバスを利用

東急田園都市線の用賀駅からは、東急バスを利用できます。

系統行き先下車停留所
用01祖師ヶ谷大蔵駅行農大前
渋22渋谷駅行農大前

「農大前」で下車すると、学校の正門まで徒歩約3分です。駅から長い距離を歩かずに済むため、田園都市線沿線から通学する家庭にとって便利な経路です。

一方、路線バスは道路の混雑や天候によって到着時刻が変わる可能性があります。朝の登校では一本のバスへぎりぎりに乗る計画ではなく、遅れが生じても始業時刻に間に合うよう余裕を持つ必要があります。

渋谷駅から学校前までバスで通える

JR・私鉄・地下鉄各線が乗り入れる渋谷駅からも、学校方面へ向かうバスを利用できます。

系統行き先下車停留所
渋22用賀駅行農大一高前
渋23祖師ヶ谷大蔵駅行農大一高前
渋24成城学園前駅西口行農大一高前
渋26調布駅南口行農大一高前

「農大一高前」から学校の通用門までは徒歩約3分です。渋谷駅から乗り換えずに学校近くまで移動できるため、渋谷駅へ出やすい路線を利用する生徒には選択肢となります。

ただし、渋谷駅は路線やバス乗り場が多く、系統によって乗り場も異なります。入学前には、利用する鉄道路線の改札からバス乗り場まで実際に移動し、必要な時間を確認しておきましょう。

「農大前」と「農大一高前」の違いに注意

学校周辺には、名称の似た二つのバス停があります。

停留所学校への入口注意点
農大前正門まで徒歩約3分東京農業大学や百周年記念講堂へ向かう場合にも便利
農大一高前通用門まで徒歩約3分登下校時間帯以外は通用門が閉まっている場合がある

「農大一高前」は学校に近い停留所ですが、通用門は生徒の登下校時間帯以外に閉門している場合があります。

学校説明会や休日の見学などで通用門が閉まっているときは、「農大前」で下車し、正門を利用します。

また、大規模な学校説明会が東京農業大学の百周年記念講堂で行われる場合は、「農大一高前」ではなく「農大前」を利用する方が便利です。参加するイベントの会場が、中高の校舎か大学構内かを事前に確認しましょう。

東京農業大学世田谷キャンパスが道路向かいに立地

学校の道路を挟んだ向かい側には、東京農業大学世田谷キャンパスがあります。

農大一中では、東京農業大学の設備や専門性を生かした総合学習、体験学習、大学教授による講義などが行われます。行事やクラブ活動で大学の講堂やグラウンドを利用することもあります。

放課後には、大学の図書館や国際センターを利用できる機会もあります。中学校の近くに大学があることで、大学で行われている研究や専門的な学問を身近に感じられる環境です。

大学が近いことによる利点主な内容
体験学習大学の設備を使って稲作、食、生命、環境などを学ぶ
専門的な講義大学教員から研究や学問について話を聞く
施設利用講堂、グラウンド、図書館、国際センターなどを活用する
進路意識大学で何を学ぶのかを早い時期から具体的に考える

東京農業大学への内部進学を希望しない生徒にとっても、大学の研究環境に触れる経験は、外部大学の学部選択や将来の職業を考える材料になります。

「食と農」の博物館や馬事公苑に近い環境

学校周辺には、東京農業大学の「食と農」の博物館があります。食と農に関する研究成果や資料が展示され、農業、食品、生命、環境などについて学べる体験型の施設です。

近隣にはJRA馬事公苑もあり、広い緑地と馬に関する施設が整っています。高校の馬術部が練習で利用することもあります。

  • 東京農業大学世田谷キャンパス
  • 「食と農」の博物館
  • JRA馬事公苑
  • 農大通り商店街
  • サザエさん通り
  • 長谷川町子美術館

学校周辺そのものが、農大一中の「知耕実学」につながる学習資源となっています。校内だけで学びを完結させず、大学や地域の施設へ視野を広げられる立地です。

東京都内と神奈川県から幅広く通学

2026年5月1日現在、農大一中・一高には合計1,485名の生徒が在籍し、そのうち東京都内からの通学者は1,209名、神奈川県からの通学者は269名です。

東京都内では学校のある世田谷区が最も多く、杉並区、目黒区、渋谷区、品川区、大田区などからも通学しています。東京都下では調布市、狛江市、町田市、府中市など、神奈川県では川崎市や横浜市から通う生徒が多くなっています。

主な地域中高の在籍者数
世田谷区570名
杉並区93名
目黒区64名
渋谷区50名
品川区50名
調布市34名
狛江市26名
町田市26名
川崎市177名
横浜市68名

小田急線、田園都市線、世田谷線、京王線方面から通学経路を組めるため、世田谷区周辺だけの学校ではありません。

ただし、同じ所要時間でも、乗り換えが少なく座れる経路と、混雑した電車やバスを何度も乗り換える経路では、本人の疲労が異なります。学校生活や部活動を6年間継続できるかという視点で判断する必要があります。

条件を満たせば自転車通学も可能

農大一中では、自宅から学校までの距離が1キロメートル以上10キロメートル以内の場合、自転車通学を申請できます。

自転車通学には、学校への申請に加え、損害賠償責任保険への加入が必要です。また、学校が行う安全講習への参加も義務づけられています。

  • 自宅からの通学距離が1キロメートル以上10キロメートル以内である
  • 学校へ自転車通学を申請する
  • 損害賠償責任保険へ加入する
  • 学校が実施する安全講習へ参加する
  • 学校の交通安全ルールを守る

世田谷区内や近隣地域から通う場合には便利な選択肢ですが、交通量、雨天時の代替経路、クラブ活動後の夜間走行なども考えて判断しましょう。

学校説明会では会場と利用する門を確認

農大一中の学校説明会や行事は、中高の校舎だけでなく、東京農業大学の百周年記念講堂などで行われることがあります。

来校前には、案内に記載された会場を確認し、それに合わせて利用する駅やバス停を選びましょう。

目的地利用しやすいバス停
中高の正門農大前
中高の通用門農大一高前
東京農業大学の百周年記念講堂農大前

入試当日も、受験票や学校からの案内で入場門を確認してください。学校名やバス停の名称が似ているため、初めて来校する場合は時間に余裕を持つことが大切です。

自動車ではなく公共交通機関を利用

学校には来校者用の駐車場がないため、学校説明会、桜花祭、入試などへ参加する際は公共交通機関を利用します。

入試当日に自動車で送迎すると、周辺道路の混雑や近隣への負担につながる可能性があります。受験生が入学後に利用する予定の電車、バス、徒歩経路で来校すると、通学の練習にもなります。

6年間続けられる通学経路かを確認する

農大一中では、授業に加えて、放課後の自習、ゼミ、クラブ活動、学校行事などへ参加する機会があります。

中学受験時には無理なく感じた通学時間でも、入学後に荷物や活動時間が増えると、生活への負担が大きくなる場合があります。

  • 朝は何時に自宅を出る必要があるか
  • 電車やバスの乗り換えは何回あるか
  • 駅から学校までの徒歩を含めた時間はどの程度か
  • クラブ活動後は何時に帰宅するか
  • 帰宅後に食事、学習、睡眠の時間を確保できるか
  • 電車やバスが止まったときに別の経路を利用できるか

通学時間が多少長くても、乗り換えが少なく安定して通える場合は、負担を抑えられることがあります。反対に、所要時間が短くても、混雑や乗り換えが多い経路は疲れやすくなります。

複数路線と大学環境を生かせる立地

東京農業大学第一高等学校中等部は、経堂駅・上町駅から徒歩約15分、桜新町駅から徒歩約20分の場所にあり、用賀駅や渋谷駅からはバスも利用できます。

駅のすぐ前にある学校ではありませんが、複数の鉄道路線とバス路線から通学方法を選べるため、東京都内や神奈川県の幅広い地域から生徒が通っています。

また、東京農業大学世田谷キャンパス、「食と農」の博物館、馬事公苑などが近く、学校周辺そのものが体験と探究の学習環境になっています。

学校を検討する際には、地図上の所要時間だけでなく、入学後の荷物、クラブ活動、朝夕の混雑まで想定し、受験生本人が6年間無理なく通える経路かを確認しましょう。

教育方針とカリキュラム|体験から知識を深める「知耕実学」の6年間

東京農業大学第一高等学校中等部では、学校独自の教育理念である「知耕実学」を軸に、教室で得た知識と、実験・観察・農業体験・探究活動などの実体験を結びつける教育を行っています。

単に知識を覚えるのではなく、実物や本物に触れて疑問を持ち、自分で仮説を立て、実験や調査によって確かめ、結果を分析して表現するところまでを一つの学びとして捉えています。

一方、体験学習だけに重点を置いているわけではありません。中等部では英語・数学・国語の授業時間を多く確保し、高校段階では文系・理系、さらに国公立文系・私立文系・理系へと学習を発展させます。

体験を通して知的好奇心を育てる実学教育と、難関大学進学に必要な基礎学力・応用力を両立していることが、農大一中のカリキュラムの大きな特徴です。

中等部では週36時間の授業を実施

中等部では、月曜日から金曜日まで6時間、土曜日に4時間の50分授業を行っています。1週間の授業時間は、全学年とも合計36時間です。

英語・数学・国語については、基礎・基本を確実に定着させるため、標準的な教育課程よりも多くの授業時間を確保しています。理科と社会も、高校での学習へ円滑につなげられるように時間数が組まれています。

教科中学1年中学2年中学3年
国語週5時間週5時間週6時間
社会週3時間週4時間週4時間
数学週5時間週6時間週6時間
理科週4時間週4時間週4時間
英語週6時間週6時間週6時間
保健体育週3時間週3時間週3時間
音楽週2時間週1時間週1時間
美術週2時間週1時間週1時間
技術・家庭週2時間週2時間週1時間
総合的な学習の時間週2時間週2時間週2時間
週合計36時間36時間36時間

主要教科の学力を高めながら、音楽、美術、技術・家庭、保健体育などの時間も確保し、感性や表現力、生活力、心身の成長を支えています。

中高6年間を見通したカリキュラム

2025年度から完全中高一貫校となった農大一中では、中学校と高校の学習を分断せず、6年間を通して基礎から大学入試レベルまで段階的に学びます。

段階学習の中心
中学1年基本的な学習習慣を整え、幅広い教科と体験から興味を広げる
中学2年基礎学力を定着させ、実験・調査・発表を通して思考を深める
中学3年課題研究へ取り組み、高校での学習と将来の進路へ接続する
高校1年文系・理系を早く固定せず、幅広い科目から自分の可能性を探る
高校2年文系・理系に分かれ、希望進路に応じた専門性と応用力を養う
高校3年国公立文系・私立文系・理系に分かれ、大学入試演習を充実させる

高校1年では幅広い学問分野へ触れ、高校2年から文系・理系を選択します。高校3年では国公立文系、私立文系、理系に分かれ、志望大学の受験科目に応じた演習へ進みます。

中学校入学時から文系・理系を決めるのではなく、多様な教科、実験、体験、研究活動を通して、自分が深く学びたい分野を見つけていく設計です。

知識と体験を往復する「知耕実学」

農大一中の実学教育は、体験そのものを楽しんで終わるものではありません。

実際に見たり触れたりしたことから疑問を見つけ、授業で学んだ知識を使って考え、結果をレポートや発表へまとめます。

  1. 本物に触れる
  2. 疑問や課題を見つける
  3. 仮説を立てる
  4. 実験・観察・調査によって確かめる
  5. 結果を整理・分析する
  6. 自分の言葉で考察する
  7. 発表や論文として他者へ伝える

教科書で学んだ理論を実験で確かめる「理論から実践」と、体験で得た疑問から理論を学ぶ「実践から理論」の双方を繰り返すことで、知識を使える力へ変えていきます。

6年間で80以上の実験に取り組む理科教育

農大一中・一高では、中高6年間で80以上の実験へ取り組みます。

中等部では、物理・化学・生物・地学を偏りなく学び、自然科学の基本的な知識や法則を身につけます。特に中学1・2年では、週4時間ある理科授業の半分以上を実験室で行うとされています。

教科書に掲載された実験をそのまま再現するだけでなく、テーマや実験方法を生徒自身が考える活動も取り入れられています。

  • 実験前に結果を予想する
  • 班で実験方法や条件を考える
  • 器具や薬品を安全に扱う
  • 得られた数値や変化を正確に記録する
  • 表やグラフを用いて結果を整理する
  • 予想と異なった理由を考察する
  • 実験ごとにレポートを作成する

班によって実験の進め方や結果が異なることもあります。予定どおりにならなかった場合に、条件や方法を変えながら再び検証することが、科学的探究心と粘り強さを育てます。

実験レポートで分析力と表現力を伸ばす

実験後には、目的、仮説、方法、結果、考察などをレポートへまとめます。

「実験が成功した」「予想と違った」という感想だけではなく、データを根拠として、何が分かったのか、どのような誤差が考えられるのかを説明しなければなりません。

レポートの要素身につく力
目的・仮説何を確かめたいのかを明確にする力
方法条件や手順を整理して説明する力
結果観察した事実を正確に記録する力
表・グラフデータを見やすく整理する力
考察結果から論理的な結論を導く力
改善点失敗の原因を分析し、次の方法を考える力

こうしたレポート作成を日常的に繰り返すことで、大学入試の実験考察問題だけでなく、大学進学後の研究や論文作成にもつながる基礎を身につけます。

中学1年の稲作で米づくりを体験

中学1年では、東京農業大学の関連施設である厚木市内の約3,000平方メートルの専用農場を利用し、稲作へ取り組みます。

田植えだけを一度体験するのではなく、除草、稲の成長観察、稲刈りなどのために定期的に農場を訪れます。

  • 田植えを行う
  • 稲の成長を観察する
  • 雑草を取り除く
  • 気候や水、土との関係を考える
  • 秋に稲を収穫する
  • 体験した内容を記録・振り返る

普段何気なく食べている米が、どのような環境と作業を経て生産されるのかを自分の経験として学びます。

農作業の大変さを知るだけでなく、植物の成長、食料生産、農業技術、環境、流通、文化など、複数の教科へ学びを広げられる体験です。

中学2年では「お米の科学」へ発展

中学1年で育てた米は、中学2年の総合学習における「お米の科学」へつながります。

東京農業大学の本格的な実験設備を利用し、米を食材として見るだけでなく、成分や性質を科学的に分析します。

大学教授や大学院生の支援を受けながら実験を進める機会もあり、中学生の段階から大学の研究に近い環境へ触れられます。

中学1年中学2年
田植え、除草、観察、稲刈りを行う収穫した米の性質や成分を科学的に調べる
生産者の立場から米を学ぶ研究者の視点から米を分析する
身体を使った農業体験実験、測定、分析、考察

一つの題材を学年を越えて異なる視点から学ぶことで、知識が単独の教科に閉じず、相互につながっていきます。

中学3年では味噌づくりにも取り組む

中学3年では、東京農業大学の食品加工に関わる設備や専門性を活用し、味噌づくりなどの実習を行います。

味噌は身近な食品ですが、原料となる大豆や麹、微生物による発酵、温度や時間による変化など、科学的に考えられる要素が数多くあります。

食文化として味噌を理解するとともに、生物、化学、食品科学、歴史、地域文化などへ学びを広げます。

農大一中の実学教育は、稲作や味噌づくりの方法だけを覚えるものではありません。身近な食べ物を入口として、自然科学と社会のつながりを考える学びです。

中学3年の課題研究で興味を深く掘り下げる

中学3年では、全員が1年以上をかけて「課題研究発表」へ取り組みます。

テーマは農業や理科に限られません。医療、心理、経済、経営、スポーツ、文化、環境、国際問題など、生徒一人ひとりが興味を持った分野から問いを設定します。

  1. 興味のある分野からテーマを探す
  2. 研究する問いを具体化する
  3. 先行する資料や情報を調べる
  4. 必要に応じて実験、観察、アンケート、取材を行う
  5. 集めた情報を比較・分析する
  6. 研究内容を論文や発表資料へまとめる
  7. 他者の前で成果を発表する

担当教員の支援を受けながら研究を進めますが、教員から答えを与えられる活動ではありません。思うように情報が集まらなかったり、仮説を変更したりしながら、自分なりの結論へたどり着きます。

情報収集、資料作成、論理的な文章構成、プレゼンテーションなど、大学や社会でも必要になる力を、中学生の段階から身につけます。

教科や学年を越えて学ぶ「一中一高ゼミ」

通常の授業とは別に、希望者が参加できる「一中一高ゼミ」が設けられています。

放課後や長期休業中に、教科や学年の枠を越えた少人数講座を年間70~80講座程度開講しています。

講座の内容は、折り紙で立体を作りながら数学を考えるもの、言葉を音楽・英語・社会など複数の視点から考えるものなど、通常授業では扱いにくい多彩なテーマです。

  • 学年や教科を越えて学ぶ
  • 自分の興味に合う講座を自由に選ぶ
  • 少人数で教員や他学年の生徒と意見を交わす
  • 一つのテーマを複数の視点から考える
  • 外部機関や専門家と連携した本物の学びに触れる

受験科目として必要だから学ぶのではなく、「面白そう」「もっと知りたい」という気持ちから学問へ近づける機会です。

中学3年から最難関大学レベルへ挑戦できるD模試

難関大学進学を目指す生徒のために、中学3年から高校3年までの希望者を対象とした「D模試」も実施されています。

D模試は、東京大学や京都大学などの最難関大学入試を意識して、学校の教員が作成する独自の校内模試です。中学3年から高校3年までが同じ問題へ取り組みます。

中学生が全ての問題を解けることを求める模試ではありません。現在の自分がどこまで考えられるか、上級生との差は何か、今後どのような力を身につける必要があるかを知る機会です。

受験後には解説授業や結果分析も行われます。模試の点数だけで終わらせず、解き直しを通して思考力を伸ばします。

英語は少人数・習熟度別で4技能を育てる

英語は中学3年間を通して週6時間設定されています。教科によっては、少人数授業や習熟度別授業を取り入れ、生徒一人ひとりの理解度に合わせて指導します。

大学入試のために文法や単語を覚えるだけでなく、英語を使って自分の考えを伝えることを目標としています。

技能主な学び
聞く英語の音声やネイティブ教員の話を聞き、内容を理解する
話す英会話やスピーチを通して、自分の考えを伝える
読む英文を正確に理解し、長文読解へつなげる
書く文法を基に、まとまりのある英文を書く

中学1年からネイティブ教員による英会話授業があり、中等部では英語スピーチコンテストの「English On Stage」も行われます。

間違いを恐れず英語を使い、実際のコミュニケーションを通して表現力を育てます。

英検は中等部卒業までに3級以上を目指す

英語検定について、学校では中等部卒業までに全員が3級を取得し、力のある生徒は準2級を目指す方針です。高校卒業までには2級の取得を目標としています。

英検の一次試験対策に加え、ネイティブ教員による二次試験の面接対策も行われます。

当初の学校情報で見られる「中学3年までに全員が準2級以上」という説明とは異なり、現在の公式目標は、全員が3級、可能な生徒が準2級です。

予習・小テスト・分析ノートを重視する英語

英語では予習が求められ、授業や0校時に単語テスト・単元別テストを行うことがあります。

テスト後には、単に点数を確認するだけでなく、間違い直しや分析ノートを提出します。

  • どの単語や文法を間違えたか
  • 知識不足か、読み違いか
  • 同じ間違いを防ぐには何を復習するか
  • 次のテストまでにどのように学ぶか

得点の結果だけでなく、失点の原因を分析して学習方法を修正することが、自立した学習習慣へつながります。

数学では論理的思考力と柔軟な発想を育てる

数学は、中学1年で週5時間、中学2・3年で週6時間設定されています。

公式や解法を暗記して計算するだけでなく、問題文から必要な情報を読み取り、複数の方向から解決方法を考える力を重視しています。

  • 文字式を使って数量関係を一般化する
  • 数と図形の関係を考える
  • 条件を整理して論理を組み立てる
  • 一つの解法だけでなく、別の考え方を検討する
  • 解答に至る過程を相手へ説明する

授業前には次に扱う範囲へ目を通し、授業後には問題集を解いて復習します。その日の課題は、可能な限りその日のうちに取り組むよう指導されています。

数学検定や数学オリンピックへの参加も奨励され、希望者向けの対策講座も開かれています。

国語では読み・書き・表現を一体的に学ぶ

国語は、中学1・2年で週5時間、中学3年で週6時間設定されています。

文学作品や評論文を読むだけでなく、文章の構造や筆者の主張を捉え、それに対する自分の考えを言葉にする力を育てます。

中等部では、「予習→授業→復習→確認テスト→振り返り」の流れを重視します。高校1年までに現代文と古典の基礎を整え、高校2年では高度な読解と表現、高校3年では入試演習へ進みます。

課題研究、実験レポート、社会科の論述、英語の表現活動に取り組む上でも、国語で育てた読解力と文章力が土台になります。

社会科では現代の問題を分析して伝える

社会科では、中高6年間を通して歴史・地理・公民の知識を学ぶとともに、現代社会の問題を分析し、自分の考えを相手へ伝える力を育てます。

授業プリントや調べ学習、レポート、ディベートなどを通して、一つの問題を複数の立場から考えます。

  • 新聞やニュースへ関心を持つ
  • 歴史的な背景から現代の問題を考える
  • 資料や統計を読み取る
  • 自分の主張を根拠とともに説明する
  • 異なる意見を聞いて考えを深める

知識を覚えるだけでなく、社会の中で起きている問題と教科書の内容を結びつける授業です。

東京農業大学との高大連携

学校の道路向かいに東京農業大学世田谷キャンパスがあるため、大学の研究室、実験設備、講堂、グラウンドなどを教育活動に活用できます。

中等部の稲作、お米の科学、味噌づくりをはじめ、大学教員や大学院生の専門的な指導を受ける機会があります。

2024年からは、高校生を対象に、東京農業大学の単位として認定される特別講義も始まりました。

講義では、麹菌、アメリカザリガニ、ドローンなど、東京農業大学の幅広い研究分野に関わるテーマを扱います。農学だけに限定せず、生命、食品、環境、情報、地域、国際分野などへ関心を広げられます。

高大連携は内部進学だけのためではない

東京農業大学との連携は、東京農業大学へ進学する生徒だけを対象としたものではありません。

大学の研究や専門分野へ触れることにより、自分が将来学びたい内容を具体的に考え、国公立大学や他の私立大学の学部選択にも生かせます。

高大連携で得られる経験進路へのつながり
大学教授の講義を聞く大学で学ぶ内容を具体的に知る
研究設備を使う専門的な実験・研究へ関心を広げる
大学院生と実験する研究者の考え方や進め方を学ぶ
多様な研究テーマへ触れる文系・理系にとらわれず進路を考える

ICTは調査・分析・発表のための道具

授業では生徒用端末や校内ネットワークを活用し、資料の閲覧、情報収集、課題提出、データ整理、プレゼンテーションなどを行います。

ICT機器を使うこと自体を目的にするのではなく、知耕実学の学習過程を支える道具として位置づけられています。

  • 実験結果を表やグラフへ整理する
  • 課題研究に必要な情報を集める
  • 複数の資料を比較する
  • レポートや発表資料を作成する
  • 班のメンバーと情報を共有する
  • 調査結果を画像や動画とともに発表する

インターネット上の情報をそのまま使うのではなく、発信元や根拠を確かめ、書籍、論文、実験、取材などと組み合わせる姿勢が求められます。

高校では文系・理系から志望進路別へ

高校1年では、文系・理系を早く固定せず、国語、数学、英語、理科、社会などを幅広く学びます。

高校2年から文系・理系に分かれ、高校3年では国公立文系、私立文系、理系の進路に応じた学習へ進みます。

高校の段階主な学び
高校1年幅広い科目を学び、自分の興味と適性を模索する
高校2年・文系国語、英語、地歴などを中心に学び、必要に応じて数学も選択する
高校2年・理系数学、化学、物理または生物を中心に専門性を深める
高校3年・国公立文系共通テストと国公立大学二次試験に対応する
高校3年・私立文系志望大学の入試科目に重点を置いて演習する
高校3年・理系数学・理科を中心に、国公立・難関私大の入試演習を行う

高校3年では、数学、理科、英語、情報などの入試演習科目も設けられ、志望大学に必要な実践力を高めます。

体験だけでなく日々の予習・復習も必要

農大一中は、実験や農業体験が豊富な学校ですが、日常の学習負担が軽い学校ではありません。

英語や数学では予習・復習が求められ、単語テスト、単元別テスト、確認テスト、レポート、課題などへ継続的に取り組む必要があります。

  • 授業前に教科書や教材へ目を通す
  • 授業中に疑問点を確認する
  • その日のうちに問題を解き直す
  • 小テストの失点原因を分析する
  • 実験レポートを期限までに完成させる
  • 分からない部分を教員へ質問する

体験学習を楽しむだけでなく、そこから得た気づきを知識や文章へ変える粘り強さが求められます。

農大一中のカリキュラムが目指す力

育てる力主な教育活動
基礎学力英語・数学・国語を中心とした豊富な授業時間
科学的探究心6年間で80以上の実験、理科校外学習、科学コンテスト
分析力実験データの整理、レポート、課題研究
表現力スピーチ、論述、ディベート、研究発表
主体性自分でテーマや方法を考える探究活動
協働する力班での実験、農業体験、ゼミ、学校行事
国際感覚英会話、英語スピーチ、海外研修・留学
進路実現力文理選択、志望別カリキュラム、D模試、大学入試演習

実学と難関大学進学を結びつける6年間

東京農業大学第一高等学校中等部のカリキュラムは、本物に触れて学ぶ「知耕実学」と、難関大学進学を目指す教科学習を組み合わせた教育です。

中学1年の稲作、中学2年のお米の科学、中学3年の味噌づくりや課題研究など、体験を学年ごとに発展させます。

理科では数多くの実験とレポートを重ね、英語では4技能、数学では論理的思考、国語や社会では読解・論述・発表の力を育てます。

高校では、幅広い学びから文系・理系、志望大学別の演習へ進み、東京農業大学との連携や一中一高ゼミ、D模試などを通して、生徒の興味と進路目標を更に深めます。

教科書の答えを覚えるだけでなく、実際に確かめ、自分の頭で考え、失敗しても方法を変えながら答えを探したい子にとって、知的好奇心と学力を共に伸ばしやすい教育環境といえるでしょう。

学習環境と施設設備|新校舎「知耕実学棟」と実験・探究を支える充実した施設

東京農業大学第一高等学校中等部では、教育理念である「知耕実学」と、生徒同士が学び合う「共創」を形にするため、2023年から2026年にかけて新校舎「知耕実学棟」の整備を進めています。

2023年に完成した第一期部分には、ラーニングコモンズ、自習室、実技教科の教室などが設けられ、既に授業や放課後学習で活用されています。

さらに、2026年冬には第二期部分が完成する予定です。新しい図書館、5つの理科実験室、学年集会などに使えるホール、生徒が発表や話し合いに利用できる大階段などが整備されます。

完成後は、教室で知識を学ぶだけでなく、実験する、作る、調べる、議論する、発表するという学習活動を、校内のさまざまな場所で行える環境が更に充実します。

2023年から2026年にかけて進む新校舎プロジェクト

知耕実学棟の建設は、二つの段階に分けて進められています。

整備段階完成時期主な施設
第一期工事2023年完成ラーニングコモンズ、自習室、音楽室、美術室、書道室、技術室、調理室、物理実験室、コンピュータ室など
第二期工事2026年冬完成予定新図書館、理科実験室、ホール、大階段、教科準備室、議論・交流スペースなど

第二期部分の完成後に旧校舎を順次取り壊す計画となっているため、工事期間中も学習施設を可能な限り継続して利用できるよう配慮されています。

2026年8月時点では、第一期部分は使用されていますが、第二期部分は完成前です。受験生が入学する時点では利用できる施設が増える可能性があるものの、工事の進捗や供用開始時期は最新の学校案内で確認しましょう。

生徒同士の学び合いを促すラーニングコモンズ

知耕実学棟の1階には、明るく開放的なラーニングコモンズが設けられています。

可動式の机や椅子、パーテーションが用意されているため、活動内容に応じて配置を変更できます。一人で課題へ取り組むだけでなく、複数の生徒が集まって議論したり、ゼミ形式の講義を受けたりすることも可能です。

  • 放課後の自学自習
  • 友達との問題演習や教え合い
  • グループによる探究活動
  • 一中一高ゼミなどの少人数講座
  • プレゼンテーションの準備
  • 文化祭や学校行事の打ち合わせ

農大一中では、生徒一人で知識を蓄えるだけでなく、異なる意見を持つ仲間と話し合い、新しい発想を生み出す「共創」を重視しています。

ラーニングコモンズは、図書館のように静かに過ごすことだけを前提とした場所ではありません。質問、議論、発表など、声を出しながら学べることが特徴です。

学習目的に応じて選べる2種類の自習室

知耕実学棟には、共創型自習室個別ブース型自習室が設けられています。

自習環境適した学び方
共創型自習室友達と質問し合う、問題の解法を説明する、グループで資料を作る
個別ブース型自習室一人で課題、読書、暗記、定期考査・模試対策へ集中する
ラウンジ短時間の学習、相談、休憩、行事や探究活動の打ち合わせを行う
1号館ワークスペース授業の前後や休み時間に課題や話し合いを進める

学習内容や本人の性格に応じて、場所を使い分けられることが利点です。

英単語や社会の知識を一人で覚えたいときは個別ブース、数学の解法や実験結果を友達と確認したいときは共創型自習室というように、学習方法に合った環境を選べます。

なお、当初の学校情報に見られる「1,000席を超える自習スペース」という数値は、現在の学校公式情報では確認できません。座席数よりも、個別学習と協働学習の両方へ対応した複数の空間が整っていることが、農大一中の特徴です。

2026年冬に新しい図書館が完成予定

現在1号館にある図書館は、知耕実学棟の第二期部分へ移設される予定です。

学校の蔵書は5万冊を超え、文学作品、自然科学、社会科学、歴史、語学、進路資料など、幅広い分野の書籍が用意されています。

新しい図書館には、静かに読書できる場所だけでなく、生徒同士が資料を持ち寄り、話し合える場所も設けられる計画です。

  • 授業やレポートに必要な資料を探す
  • 理科実験の原理や背景を調べる
  • 中学3年の課題研究に必要な文献を読む
  • 大学や学部、職業について調べる
  • 一人で落ち着いて読書や自習をする
  • 仲間と資料を比較しながら探究活動を進める

図書館は教室間の移動通路も兼ねる設計となる予定で、生徒が日常的に本棚の間を通り、自然に本や新しい分野と出会える空間を目指しています。

5つの実験室を備えるサイエンスエリア

知耕実学棟の第二期部分には、農大一中の実学教育を支えるサイエンスエリアが整備されます。

学校には、次の5つの理科実験室が配置される計画です。

実験室主な用途
理科実験室1中等部の基礎的な観察・実験や分野横断型の実習
理科実験室2少人数・班別の観察、測定、実験活動
生物実験室植物・動物・細胞・微生物などの観察と研究
化学実験室物質の性質、化学変化、食品・発酵などに関する実験
物理実験室力、運動、光、電気、エネルギーなどの測定と検証

物理実験室は第一期部分に整備され、既に施設ガイドへ掲載されています。その他の実験室は、2026年冬完成予定の第二期部分へ集約されます。

農大一中では、中高6年間で80以上の実験へ取り組みます。特に中学1・2年では、週4時間ある理科授業の半分以上を実験室で行うため、実験施設は学校教育の中心的な役割を担います。

仮説・実験・検証を行うための設備

農大一中の理科は、教員が行う実験を生徒が見るだけの授業ではありません。

生徒自身が器具を扱い、仮説を立て、実験し、結果を検証してレポートへまとめます。

  1. 実験の目的を確認する
  2. 結果を予想し、仮説を立てる
  3. 必要な器具と方法を考える
  4. 条件をそろえて実験する
  5. 数値や変化を正確に記録する
  6. 表やグラフへ整理する
  7. 結果から分かることを考察する
  8. 誤差や改善点をレポートへまとめる

実験結果が予想と違った場合も、単なる失敗として終わらせません。器具の使い方、条件設定、測定方法、仮説そのものを見直し、次の実験へつなげます。

充実した実験室は、理科の知識だけでなく、観察力、論理的思考力、分析力、文章表現力を育てる場所となります。

博物館のような「SCIENCE STREET」

第二期部分では、理科実験室の前の廊下を「SCIENCE STREET」として整備する計画です。

標本や科学に関する資料などを展示し、教室から教室へ移動するときにも、自然や科学へ興味を持てる空間を目指しています。

理科室の中だけで科学を学ぶのではなく、廊下や日常生活の中でも新しい発見が生まれるように設計されていることが特徴です。

授業で扱った標本を別の角度から観察したり、興味を持った展示について図書館で調べたりすることで、施設同士をつないだ学びが期待できます。

生徒と教員の距離を近づける教科準備室

知耕実学棟の第二期部分には、各教科の準備室も設けられる予定です。

準備室を単なる教材や備品の保管場所にせず、生徒が教員へ質問したり、興味を持ったテーマについて相談したりできる場所として活用します。

  • 授業で分からなかった問題を質問する
  • 課題研究のテーマについて相談する
  • 実験方法や参考文献を教えてもらう
  • 科学コンテストや論文応募について相談する
  • 大学や学部選びについて教科の視点から話を聞く

生徒同士の「共創」だけでなく、生徒と教員が一緒に考え、学びを深める環境をつくることが、新校舎の目的の一つです。

約250名を収容できる新ホール

第二期部分の地下1階には、約250名を収容できるホールが設けられる予定です。農大一中・一高の1学年に相当する人数が集まれる規模となっています。

大きなスクリーンとプロジェクターを備え、次のような用途で活用される計画です。

  • 学年集会
  • 進路・学習ガイダンス
  • 外部講師による講演会
  • 探究活動や課題研究の発表
  • 国際交流や海外研修の報告会
  • ゼミ・コンテスト・行事の説明会

大人数を前に発表する経験は、資料の内容だけでなく、声量、話す速さ、視線、スライドの見せ方などを考える機会になります。

農大一中が重視する「考えたことを行動・表現へつなげる力」を育てるための施設です。

発表やミーティングに使える大階段

地下1階から1階へつながる大階段は、単に上下階を移動するための設備ではありません。

木のぬくもりを感じられる段状の空間として、生徒が腰掛け、話し合いや発表練習を行えるように設計されます。

利用場面主な活動
授業少人数の発表、グループディスカッション
ゼミ講師を囲んだ対話型の学習
探究活動研究内容の相談、プレゼンテーション練習
学校行事企画や役割分担に関するミーティング
日常生活休み時間の交流、短時間の自習や読書

教室の机へ向かうだけが学習ではなく、生徒が自由に集まり、互いの考えを聞く時間も学びとして大切にする校舎設計です。

実技教科を重視したアートエリア

2023年に完成した第一期部分には、音楽室、美術室、書道室などの芸術系教室が設けられています。

難関大学進学を目指す学校ですが、主要5教科だけに偏らず、芸術や表現活動も「知耕実学」の一部として重視しています。

施設主な学び
音楽室歌唱、器楽、鑑賞、合唱や演奏の練習
美術室絵画、造形、デザイン、陶芸などの制作
書道室文字表現、筆の扱い、書文化への理解

美術室には陶芸用の焼窯も設けられています。粘土へ実際に触れ、形を作り、焼成して作品を完成させることで、素材の特徴や制作過程を体験できます。

廊下には在校生や卒業生の作品を展示する空間があり、他者の作品から新しい発想や表現方法を学べます。

ものづくりを支えるテクノロジーエリア

技術室、調理室、コンピュータ室などは、生徒が実際に手を動かしながら学ぶテクノロジーエリアとして整備されています。

施設主な用途
技術室木材や工具を用いた製作、設計、ものづくり
調理室調理実習、食品・栄養・生活に関する学習
コンピュータ室情報教育、データ処理、文書・発表資料の作成
MMR・マルチメディアルーム映像・音声・デジタル教材を活用する学習

知識を聞いて覚えるだけでなく、道具や素材を扱い、完成までの手順を考える経験を通して、計画力、集中力、安全への意識、問題解決力を身につけます。

ノートパソコンを活用するICT環境

農大一中では、学習用のノートパソコンを授業や家庭学習で活用します。以前は学校指定端末を購入する方式でしたが、現在は一定の条件を満たせば、家庭で用意したノートパソコンも使用できる方針となっています。

端末は、紙の教科書やノートを全て置き換えるためではなく、調査、分析、共有、発表を支える学習道具として使われます。

  • 授業資料や課題を確認する
  • 実験データを表やグラフへ整理する
  • 課題研究に必要な情報を検索する
  • 文章やレポートを作成する
  • プレゼンテーション資料を作る
  • 班の中でデータや意見を共有する

コンピュータ室やマルチメディアルームもあるため、個人端末と校内の専用設備を、活動内容に応じて使い分けられます。

端末の必要性能、設定、利用ルールは入学年度によって変更される可能性があるため、入学手続書類で最新の条件を確認する必要があります。

明るく開放的な1号館

1号館には、幅約4メートル、長さ約90メートルのゆとりある廊下が設けられています。

教室の廊下側には大きなガラス窓があり、校舎内へ光を取り込みやすい構造です。各フロアの中央には、生徒が集まって多目的に利用できるワークスペースがあります。

  • 休み時間に友達と過ごす
  • 授業前後に課題を確認する
  • グループで短い話し合いを行う
  • 文化祭や委員会活動の準備をする
  • 教員へ質問するまでの待ち時間に自習する

生徒が教室の中だけに閉じこもらず、校舎内の各所で交流や学習を行えることが特徴です。

大学との連携で校外の学習施設も活用

道路向かいには、東京農業大学世田谷キャンパスがあります。農大一中の生徒は、授業や総合学習、部活動、自習などで大学施設を活用する機会があります。

大学施設の活用例主な内容
研究室・実験設備「お米の科学」や食品・生命・環境に関する実習
グラウンド体育、学校行事、一部のクラブ活動
百周年記念講堂学校説明会、講演会、大規模行事
自習室・国際センター放課後の自習や学習活動
専門職員・大学教員実験、農業体験、研究活動への指導

中高の校舎内だけで全ての設備をそろえるのではなく、隣接する大学の専門的な設備や人的資源まで学習環境として活用できることが、農大一中の大きな強みです。

中等部の昼食は弁当またはデイリーショップ

中等部には給食がなく、基本的には家庭から弁当を持参します。

弁当を用意できない日や追加の軽食が必要な場合は、校内のデイリーショップを利用できます。パン、おにぎり、軽食、複数種類の日替わり弁当などが販売されています。

昼食方法内容
弁当持参中等部の基本的な昼食方法
デイリーショップパン、おにぎり、軽食、日替わり弁当などを購入可能
給食実施していない

当初の情報にある「中学生が利用できるカフェテリア」は、現在の公式案内では確認できません。中等部では、弁当の持参またはデイリーショップの利用を前提として考えましょう。

屋上には大学と連携した和風庭園

1号館の図書館の奥には、「天空の和(なごみ)の庭」と呼ばれる屋上庭園があります。

樹齢100年を超える黒松を配した本格的な和風庭園で、東京農業大学地域環境科学部造園科学科の学生が整備しています。

大学の専門性が、実験や講義だけでなく、校内の景観づくりにも生かされています。植物の配置、庭園設計、管理などを身近に見ることは、造園、環境、都市緑化への関心にもつながります。

当初の情報にある「屋上菜園」については、現在の公式施設案内では確認できません。公式に紹介されているのは、1号館の和風屋上庭園です。

人工芝グラウンドと充実した体育施設

校内には、鮮やかな人工芝のグラウンドがあります。足への負担を軽減する人工芝が使用され、土のグラウンドと比べて水はけがよいことも特徴です。

体育館には、次の施設が整っています。

  • アリーナ:体育授業、バスケットボール、バレーボールなど
  • 体育室:授業や屋内競技、基礎練習
  • トレーニングルーム:体力づくりや競技力向上
  • 柔道場:武道の授業やクラブ活動

知耕実学棟にはテニスコートも配置されています。また、隣接する東京農業大学のグラウンドも、学校行事や一部の部活動で活用されます。

都市部の学校でありながら、校内外の施設を組み合わせて、体育やクラブ活動へ取り組める環境です。

桜並木と緑に囲まれた校内

正門から校舎へ続くアプローチの両側には、ソメイヨシノが並んでいます。春には桜のトンネルとなり、校名にも関係する「桜」の景観が新入生を迎えます。

人工芝のグラウンド、屋上庭園、周辺の馬事公苑、東京農業大学の緑地など、世田谷区内の都市型キャンパスでありながら、植物や自然を身近に感じられる環境です。

農大一中の「知耕実学」は特別な体験行事だけで行われるものではありません。毎日通う校舎や周辺環境にも、植物、造園、環境、食、科学へ関心を広げるきっかけがあります。

24時間体制の警備と相談環境

正門には警備室があり、24時間体制で校内の安全管理を行っています。来校者は正門警備室で確認を受けてから校内へ入ります。

また、学校生活や人間関係について相談できる学校カウンセラーの体制も設けられています。

教育カウンセラーの資格を持つ教員、担任、学校カウンセラーなどが連携し、生徒や保護者の話を聞きながら対応する方針です。

支援・安全体制主な内容
正門警備室24時間体制で校内の安全を管理
担任・学年教員学習、生活、人間関係に関する日常的な相談
教育カウンセラー専門的な視点を含めて生徒・保護者を支援
学校カウンセラー学校生活や心理面に関する相談の場を提供

目的に応じて学ぶ場所を選べるキャンパス

学習の目的主な施設
一人で集中する個別ブース型自習室、図書館
仲間と議論するラーニングコモンズ、共創型自習室、大階段
資料を調べる図書館、ノートパソコン、コンピュータ室
実験する理科・生物・化学・物理実験室、大学研究設備
制作・表現する美術室、音楽室、書道室、技術室、調理室
発表するホール、大階段、マルチメディアルーム
身体を動かす人工芝グラウンド、アリーナ、体育室、柔道場、テニスコート
大学レベルの学びに触れる東京農業大学の研究室、実験設備、講堂、国際センター

学校が一つの学び方を全員へ当てはめるのではなく、個人学習、協働学習、実験、制作、発表など、それぞれに適した場所を用意していることが特徴です。

学校見学で確認したいポイント

学校説明会や桜花祭で校内を訪れる際には、設備の新しさや数だけでなく、生徒がどのように利用しているかを確認しましょう。

  • ラーニングコモンズで生徒がどのように学び合っているか
  • 個別ブース型自習室を本人が利用したいと思うか
  • 理科実験室で一人ひとりが器具へ触れられるか
  • 図書館に本人の興味を引く本があるか
  • 美術・技術・家庭科などの実技施設が活用されているか
  • 人工芝グラウンドや体育館で希望するクラブが活動できるか
  • デイリーショップでどのような昼食を購入できるか
  • 工事中の施設がいつから利用できる予定か

施設が充実していても、本人が自分から利用しなければ学習や成長にはつながりません。

受験生本人が「この実験室で調べたい」「この自習室で勉強したい」「この場所で仲間と研究したい」と感じられるかが、学校との相性を判断する重要なポイントです。

知識・体験・共創をつなぐ学習環境

農大一中の施設面における最大の特徴は、新しい設備を単に増やすのではなく、「知耕実学」と「共創」を実践するための学び方から校舎を設計していることです。

2023年完成の第一期部分では、ラーニングコモンズ、自習室、芸術・技術系教室などが利用されています。2026年冬に完成予定の第二期部分では、5万冊を超える蔵書を生かす図書館、5つの理科実験室、ホール、大階段などが整備されます。

さらに、隣接する東京農業大学の研究設備、グラウンド、自習施設なども活用できるため、中高の校地を越えた幅広い学習環境が用意されています。

一人で集中して学ぶことと、仲間や教員と議論すること、本物に触れて実験・制作することを行き来できる環境は、知的好奇心を具体的な探究へ発展させたい生徒にとって大きな魅力といえるでしょう。

学校生活と行事|桜花祭や農業体験を通して仲間と成長する学校生活

東京農業大学第一高等学校中等部では、文化祭やスポーツ大会のような学校行事に加え、稲作、食品加工、歴史探訪、自然体験、海外研修など、「知耕実学」につながる体験型の行事が数多く設けられています。

行事は、日常の授業から離れて楽しむだけのイベントではありません。教室で学んだ知識を実物や社会と結びつけ、自分で行動し、仲間と協力し、体験したことを振り返る教育活動として位置づけられています。

中高合同で取り組む桜花祭、中等部独自のSakura Sports Festivalや合唱コンクール、学年ごとの宿泊研修などを通して、学年内だけでなく、先輩・後輩とのつながりも広がります。

農大一中の主な年間行事

時期中等部の主な行事
4月入学式、対面式、クラブ紹介、中1オリエンテーション、中1富士五湖宿泊研修、生徒会選挙
5月中3味噌づくり、生徒総会、中間考査、OB・OG東大生講演会
6月Sakura Sports Festival、中1稲作・田植え、公開授業、中2歌舞伎鑑賞、中3能鑑賞
7月期末考査、中2お米の科学、中1稲作・除草、English On Stage、イングリッシュキャンプ
8月夏期講習、中1イングリッシュキャンプ、オーストラリア夏期海外研修
9月桜花祭、スペリングコンテスト、計算オリンピック、防災訓練
10月中1北海道自然体験研修、中1稲刈り・鎌倉校外学習、中2奈良・京都歴史探訪研修、中3海外修学旅行
11月公開授業、生徒総会、よさこい発表会、漢字コンクール
12月合唱コンクール、中1進化生物学研究所校外学習、期末考査
1月スペリングコンテスト、計算オリンピック、中1落語鑑賞・東京散策
2月全校長距離走大会、国語科文学散歩
3月課題研究発表会、学年末考査、卒業式、修了式

行事内容や実施時期は、年度、社会状況、教育課程の変更などによって変わる場合があります。

最大の学校行事「桜花祭」

農大一中・一高を代表する学校行事が、毎年秋に行われる文化祭「桜花祭」です。

中等部と高校が合同で取り組み、クラス、クラブ、有志団体などが展示、研究発表、演奏、舞台、体験企画を行います。学校全体が一体となって企画をつくり上げる、農大一中・一高最大級の行事です。

2025年の第21回桜花祭には、2日間で約1万8,000人が来場しました。受験生や保護者だけでなく、卒業生、地域住民なども訪れる活気ある文化祭です。

  • クラスによる展示や体験企画
  • 文化部の研究成果発表
  • 吹奏楽・合唱・演劇などの舞台発表
  • 理科やものづくりに関する展示
  • 生徒による受付、案内、広報、装飾
  • 桜花祭実行委員会による全体運営

桜花祭では、企画内容を考えるだけでなく、必要な材料や予算を確認し、役割を分担し、来場者へ分かりやすく説明することが求められます。

計画どおりに進まない場面では、仲間と相談しながら内容や方法を修正します。準備から当日の運営、片付けまでを経験することで、主体性、協調性、責任感を育てます。

生徒が学校全体の運営を担う桜花祭実行委員会

桜花祭の運営では、各クラスから選ばれた実行委員が中心的な役割を担います。

実行委員は、自分のクラス企画だけを担当するのではなく、学校全体の文化祭を円滑に運営するために活動します。

担当主な活動
外装・内装校内装飾や会場づくりを行う
受付・案内来場者を迎え、校内や企画を案内する
文化祭企画学校全体で実施する企画を考える
パンフレット企画内容や校内案内を整理して制作する
環境・安全校内美化、混雑、安全面へ配慮する
放送・音響案内放送やステージ発表を支える

文化祭を楽しむ側だけでなく、多くの人を迎える運営側を経験することは、自分の行動が学校全体へ与える影響を考える機会になります。

中等部のスポーツ大会「Sakura Sports Festival」

中等部では、6月に「Sakura Sports Festival」が行われます。略してSSFとも呼ばれる、中学生によるスポーツ大会です。

各クラスが競技へ参加し、仲間と声を掛け合いながら勝利を目指します。運動が得意な生徒だけが活躍するのではなく、応援、作戦、準備、進行など、さまざまな形で行事へ関われます。

  • 競技へ向けてクラスで練習する
  • 出場者や役割を話し合って決める
  • 仲間を応援し、クラスの一体感を高める
  • 勝敗を受け止め、相手の健闘をたたえる
  • 実行委員が企画・準備・運営を担当する

SSF実行委員会は、競技内容や当日の進行など、スポーツ大会全体の企画と運営を担います。

生徒が用意された競技へ参加するだけでなく、自分たちで行事を支えることが、農大一中の学校生活の特徴です。

クラスで一つの歌をつくる合唱コンクール

12月には、中等部の合唱コンクールが行われます。

クラスごとに選んだ曲を練習し、声のバランス、表現、伴奏との調和などを工夫しながら、本番へ向けて一つの合唱をつくります。

歌うことが得意な生徒だけでなく、指揮、伴奏、パートリーダー、練習計画など、多くの役割があります。

役割求められる力
指揮者全体を見ながらテンポや表現をまとめる
伴奏者日々練習し、歌う生徒を音楽面から支える
パートリーダー音程や歌い方を確認し、仲間へ伝える
実行委員行事の企画、準備、当日の進行を担当する
クラス全員互いの声を聞き、全体の調和を考えて歌う

意見が合わないときや練習が進まないときにも、相手の考えを聞きながら、クラスとして目指す表現を話し合います。

一人で高い成果を出すのではなく、全員が力を合わせる「共創」を実感できる行事です。

よさこい発表会で身体を使って表現する

中等部では、秋によさこい発表会も行われます。

集団で動きや振りを合わせ、音楽に乗せて身体全体で表現します。合唱コンクールとは異なる方法で、仲間とタイミングをそろえ、一つの演技を完成させる行事です。

振り付けを覚えるだけでなく、隊列、声、表情、動きの大きさなどを工夫します。運動が得意かどうかにかかわらず、仲間と練習を重ねて発表する経験ができます。

中学1年は富士五湖で宿泊研修

中学1年では、入学後の早い時期に富士五湖方面で宿泊研修を行う予定です。

新しいクラスの仲間と寝食を共にし、集団生活の基本や学校生活のルールを学びます。

  • 時間を意識して行動する
  • 身の回りのことを自分で行う
  • 班の仲間と役割を分担する
  • 自分と異なる考え方を持つ相手と協力する
  • 体調や持ち物を自己管理する

小学校から環境が大きく変わる中学1年生にとって、宿泊研修は友人関係を広げるきっかけになります。

学校内の授業だけでは見えにくい友達の一面を知り、互いに助け合う経験を通して、クラスの関係を築いていきます。

中学1年の北海道自然体験研修

10月には、中学1年の北海道自然体験研修が予定されています。

都市部の日常生活では触れにくい自然環境や地域の暮らしを体験し、生態系、産業、食、文化などを幅広い視点から考えます。

農大一中の自然体験は、観光地を訪れるだけではありません。現地で見たり聞いたりした内容を、理科、社会、総合学習などで学んだ知識と結びつけます。

現地でしか分からない気候、景観、生き物、人々の工夫に触れることで、教科書に書かれた内容を具体的な経験へ変えていきます。

中学1年で一年を通して取り組む稲作

農大一中を象徴する体験学習の一つが、中学1年の稲作です。

東京農業大学の関連施設にある専用農場を利用し、専門職員の指導を受けながら、田植え、除草、観察、稲刈りへ取り組みます。

時期主な活動
6月水田へ苗を植える田植え
7月除草と稲の成長観察
10月成長した稲を収穫する稲刈り

田植えだけを短時間体験するのではなく、季節を越えて稲の変化を観察する点が特徴です。

天候、水、土、病害虫などによって生育が左右されることを知り、普段食べている米が多くの時間と作業を経て生産されていることを学びます。

中学2年の「お米の科学」

中学1年で育てた米は、中学2年の総合学習「お米の科学」へつながります。

東京農業大学の研究設備を利用し、大学教授や大学院生の支援を受けながら、米を科学的な視点から調べます。

  • 米の成分や性質を測定する
  • 品種や条件による違いを比較する
  • 実験結果を記録する
  • データから分かることを考察する
  • 農業体験と科学実験を結びつける

自分たちで育てた作物を研究対象として扱うことで、生産、食、科学が相互につながっていることを実感できます。

中学3年は味噌づくりで発酵を学ぶ

中学3年では、東京農業大学と連携した味噌づくりへ取り組みます。

大豆、麹、塩などの原料を用いて味噌を仕込み、微生物の働きや発酵による変化を学びます。

味噌は身近な食品ですが、その製造には生物、化学、食品科学、温度管理、衛生管理などの知識が関わっています。

実際に食品を加工することで、授業で学んだ微生物や化学変化の知識を、生活と結びつけて理解できます。

中学2年の奈良・京都歴史探訪研修

中学2年では、奈良・京都を訪れる歴史探訪研修が予定されています。

寺社、史跡、文化財などを実際に見学し、歴史の授業で学んだ人物、出来事、宗教、建築、文化について理解を深めます。

教科書や資料集の写真で見た建物を自分の目で確認し、周辺の地形や町並みも含めて観察することで、歴史を具体的に捉えられます。

  • 事前に訪問地の歴史や文化を調べる
  • 班で見学計画や役割を決める
  • 現地で資料や文化財を観察する
  • 学んだことを記録する
  • 帰校後にレポートや発表へまとめる

現地を訪れる前後の学習まで含め、一つの探究活動として取り組む研修です。

中学3年のシンガポール・マレーシア海外修学旅行

中学3年では、シンガポール・マレーシアを訪れる3泊5日の海外修学旅行が予定されています。

英語を使うだけでなく、異なる民族、宗教、文化が共存する地域を訪れ、日本との共通点や違いを考えます。

学びの視点主な内容
英語現地で英語を使い、相手へ自分の考えを伝える
国際理解異なる文化、宗教、価値観を知る
社会都市、産業、歴史、日本との関係を考える
自主性班行動や集団生活の中で自分の役割を果たす
協働仲間と相談しながら海外での活動へ取り組む

中学校生活の集大成として、それまでに学んだ英語、社会、総合学習、集団行動の力を海外で実践する機会です。

海外修学旅行費用は通常の学費とは別に必要となり、渡航時の為替、燃油費、旅行内容などによって変動する場合があります。

中学1・2年のイングリッシュキャンプ

中学1・2年では、イングリッシュキャンプが予定されています。

普段の授業で学んだ単語や文法を、会話、ゲーム、発表、グループ活動などで実際に使います。

正確な英文を作ることだけに集中するのではなく、相手の話を聞き、自分の知っている表現を組み合わせて意思を伝える姿勢を育てます。

英語を間違えることへの抵抗を減らし、中学3年の海外修学旅行や希望者向け海外研修へつなげる役割もあります。

希望者はオーストラリア夏期海外研修へ参加

中学3年からは、希望者を対象としたオーストラリア夏期海外研修へ参加できます。

約11日間の日程で、ケアンズでのファームステイ、自然環境を生かした活動、現地校の生徒との交流などを経験します。

  • ホストや現地の人と英語で話す
  • オーストラリアの自然や生活文化を体験する
  • 現地校の生徒と交流する
  • 日本との違いを自分の目で確かめる
  • 集団から離れた場面でも自分で判断する

年度によって異なりますが、中学3年生から30名前後が参加する選択制のプログラムです。

高校進学後には、オーストラリアでの夏期研修、3カ月または1年間の留学、シアトルでのプログラムなど、更に長期間・発展的な海外経験を選択できます。

英語の成果を発表する「English On Stage」

中等部では、英語によるスピーチ発表「English On Stage」が行われます。

日常の英語授業で身につけた語彙、文法、発音、表現を用い、自分の考えや経験を人前で伝えます。

英文を暗記するだけでなく、聞き手へ内容を届けるため、声の大きさ、間の取り方、視線、身振りなども工夫します。

英語力に加え、自分の意見を整理する力、人前で発表する力、他者の発表を聞く姿勢を育てる行事です。

芸術や伝統文化に触れる鑑賞行事

農大一中では、教室で学ぶ芸術や国語の内容を、実際の舞台へつなげる芸能鑑賞も行われます。

学年主な鑑賞内容
中学1年落語
中学2年歌舞伎
中学3年

映像や教科書だけでは捉えにくい声、動き、音楽、舞台装置、会場の雰囲気を直接体験できます。

日本の伝統芸能を学年ごとに段階的に鑑賞し、言葉、歴史、文化、表現への理解を深めます。

学力を競い合う校内コンテスト

学校行事には、文化祭やスポーツ大会だけでなく、日常の教科学習を生かす校内コンテストもあります。

  • スペリングコンテスト:英単語の知識と正確さを競う
  • 漢字コンクール:漢字の読み書きや語彙を確認する
  • 計算オリンピック:計算力、正確性、処理力を競う
  • 課題研究発表会:調査・研究した成果を発表する

試験の点数だけではなく、学年やクラスで互いに刺激を受けながら、日頃の学習成果を確かめます。

得意分野で自信をつけることに加え、結果を振り返り、次の学習目標を立てる機会にもなります。

課題研究発表会で学びを言葉にする

3月には、中学1年から高校1年までの課題研究発表会が予定されています。

実験、農業体験、校外学習、個人研究などで得た成果を整理し、文章、ポスター、スライドなどを使って発表します。

自分では理解している内容でも、他者へ分かりやすく説明するためには、情報の順序や根拠を整理しなければなりません。

  1. 研究の目的を明確にする
  2. 調査・実験の方法を説明する
  3. 得られた結果を図表で示す
  4. 結果から考えたことを伝える
  5. 質問へ答え、研究の課題を見つける

発表後に質問や意見を受けることで、自分だけでは気づかなかった視点を知り、次の学びへつなげます。

生徒会・実行委員会を通して主体性を育てる

農大一中では、学校行事の多くに生徒会や実行委員会が関わります。

組織主な役割
生徒会総務学校生活に関わる提案や生徒会活動をまとめる
桜花祭実行委員会文化祭の企画、装飾、受付、案内、広報などを担当する
SSF実行委員会中等部スポーツ大会の企画と運営を行う
合唱コンクール実行委員会合唱コンクールの準備と当日の進行を担当する
放送委員会行事の音響や校内放送を担当する
福祉委員会地域活動や募金などへ取り組む

行事を教員から与えられるものとして受け取るのではなく、生徒自身がよりよい形を考え、責任を持って実行します。

人前に立つことが得意な生徒だけでなく、資料作成、装飾、音響、記録、会計など、自分の得意分野を生かして学校行事へ参加できます。

行事と学習を両立する時間管理も必要

農大一中では、桜花祭や宿泊研修の準備と並行して、通常授業、小テスト、課題、定期考査も進みます。

行事へ熱中することと、日々の学習を続けることの両方が求められます。

  • 行事準備の予定を早めに確認する
  • 課題や提出期限を管理する
  • 活動のない時間を学習へ充てる
  • 班やクラスの役割を責任を持って果たす
  • 睡眠や体調を含めて生活を整える

多くの活動を経験する中で、何をいつ行うのかを考え、自分で時間を管理する力を身につけていきます。

体験を一度きりで終わらせない学校行事

農大一中の行事に共通するのは、実際に体験するだけでなく、事前学習と事後の振り返りを重視していることです。

段階主な学び
事前学習目的、訪問地、歴史、自然、文化などを調べる
体験自分の目で見て、手を動かし、人と交流する
記録気づいたこと、疑問、データ、発言などを残す
振り返り体験と教科の知識を結びつけて考える
表現レポート、ポスター、スピーチ、発表へまとめる

田植えをした経験はお米の科学へ、英語授業はEnglish On Stageや海外修学旅行へ、日頃の探究活動は課題研究発表会へとつながります。

学年ごとの行事が独立しているのではなく、次の学習や体験へ発展するように構成されています。

「知耕実学」を学校生活全体で実践

東京農業大学第一高等学校中等部の行事は、文化祭、スポーツ、芸術、自然、農業、歴史、科学、国際交流と幅広い分野にわたります。

桜花祭やSakura Sports Festivalでは、生徒が企画や運営へ関わり、仲間と一つの行事をつくります。稲作、お米の科学、味噌づくりでは、実物へ触れ、体験から疑問を見つけます。

奈良・京都の歴史探訪やシンガポール・マレーシアへの海外修学旅行では、教室で学んだ内容を現地で確かめ、異なる文化や価値観へ視野を広げます。

体験して終わるのではなく、調べ、考え、仲間と協力し、自分の言葉で表現することが、農大一中の学校行事における「知耕実学」です。

授業だけでなく、学校生活のさまざまな場面へ積極的に参加したい生徒にとって、多くの発見と成長の機会が用意された学校といえるでしょう。

クラブ活動|運動部から科学・文化系まで個性を伸ばす多彩な活動

東京農業大学第一高等学校中等部では、勉強とクラブ活動を別々のものとして考えるのではなく、互いに高め合う「文武不岐」をクラブ活動の目標に掲げています。

文武不岐とは、勉強の「文」とクラブ活動の「武」は切り離せず、日々の学習へ真剣に取り組む姿勢がクラブ活動にもつながり、クラブ活動で身につけた集中力や粘り強さが学習にも生かされるという考え方です。

現在は、運動部19部、文化部17部、同好会5団体があり、中等部生の9割以上が何らかのクラブへ加入しています。運動部だけでなく、物理、化学、生物、模擬国連、クイズ、鉄道、特撮技術など、農大一中らしい文化系活動が充実していることも特徴です。

クラブ活動の基本情報

項目内容
運動部19部
文化部17部
同好会5団体
中等部の加入率9割以上
活動日数週3日を基本とし、クラブによって週5日まで
中等部の最終下校時刻17時30分
活動形態中高合同または中等部・高校それぞれで活動
参加強制ではなく、本人の希望で加入

クラブへの参加は必須ではありませんが、多くの生徒が自分の興味や目標に合う活動を選び、クラスとは異なる人間関係を築いています。

活動日数はクラブによって異なります。週3日程度の文化部もあれば、大会出場を目指して週5日活動する運動部もあるため、入部前に練習日、休日活動、合宿、費用などを確認することが大切です。

中高合同の活動で学年を超えた関係を築く

農大一中のクラブ活動は、基本的には中学生と高校生が一緒に活動します。一方、軟式野球部や中等部サッカー部のように、中等部だけで活動するクラブもあります。

中高合同のクラブでは、中学1年生から高校3年生までが同じ目標へ向かって練習や研究を行います。

  • 先輩から競技の技術や研究方法を学べる
  • 学校生活や学習方法について相談できる
  • 高校での学習や大学受験を身近に感じられる
  • 学年が上がると後輩を支える役割を担う
  • 6年間を通して一つの活動を深められる

中学入学直後には先輩から教わる立場だった生徒が、学年が上がるにつれて後輩を指導し、クラブを運営する立場へ成長します。

競技や演奏の技術だけでなく、挨拶、礼儀、役割分担、責任感などを学べることも、中高合同活動の利点です。

中等部から参加できる主な運動部

クラブ主な活動
軟式野球部中等部のみで活動し、都大会や関東大会を目標に練習
中等部サッカー部自主性と判断力を重視し、東京都大会上位を目指す
ラグビー部チームプレーを通して体力、判断力、協調性を養う
陸上競技部短距離、長距離、跳躍、投てきなど自分に合う種目へ取り組む
卓球部基礎練習と試合経験を重ね、技術と集中力を高める
柔道部礼法と基本動作を学びながら心身を鍛える
剣道部稽古を通して技術、礼儀、精神力を養う
男子バスケットボール部基礎技術とチーム戦術を学び、大会へ参加
女子バスケットボール部仲間と連携しながら競技力の向上を目指す
女子バレーボール部初心者・経験者が共に練習し、大会での成果を目指す
女子ハンドボール部走力、投力、連携を磨き、チームとして大会へ挑戦
男子ハンドボール同好会中等部男子がハンドボールの技術とチームプレーを学ぶ
男子テニス部基礎練習、試合形式の練習、大会参加
女子テニス部技術の向上と大会での勝利を目指して活動
チアリーディング部演技、大会、野球応援、桜花祭での発表などへ取り組む

硬式野球部、高校サッカー部、馬術部、男子バレーボール部、男子ハンドボール部など、高校生を主な対象とするクラブもあります。

中等部から高校へ進学した際に、同じ競技を継続できるか、別の高校クラブへ移る形になるかは競技によって異なるため、クラブ体験や個別相談で確認しましょう。

中等部軟式野球部は都大会へ進出

中等部軟式野球部は、個人の成長とチームの勝利の両方を大切にする「成長至上主義」を掲げています。

校内グラウンドや東京農業大学稲花小学校のグラウンドなどを利用し、平日の練習に加えて、休日には練習試合や合同練習を行います。

中学校から野球を始めた生徒や女子部員も在籍し、競技経験の有無だけでなく、練習へ前向きに取り組む姿勢を重視しています。

  • 都大会上位進出と関東大会出場を目指す
  • 競技技術だけでなく生活・学習面の成長も重視する
  • 近隣の小学生との合同練習や普及活動を行う
  • 大学訪問などの探究活動にも取り組む
  • 2025年度には東京都夏季大会へ初出場

野球だけに集中するのではなく、英検取得や学校生活でのリーダーシップも活動目標としている点に、農大一中の文武不岐の考え方が表れています。

中等部サッカー部は自主性と判断力を重視

中等部サッカー部では、競技技術だけでなく、挨拶、感謝、自分の意見を伝えることなど、日常のコミュニケーションも大切なトレーニングとして捉えています。

試合では、攻守の切り替えやハードワークに加え、状況を見て自分で判断できる選手の育成を目指しています。

教員から指示された動きだけを行うのではなく、選手自身が試合の状況を考え、仲間と声を掛け合って行動することを重視するクラブです。

全国大会を目指すチアリーディング部

チアリーディング部は、「元気・勇気・笑顔」をモットーに、中高合同で活動しています。

野球応援、桜花祭での発表、地区大会、全国大会など、年間を通して複数の舞台があります。

演技では、ダンスの技術だけでなく、スタンツ、隊形、声、表情、仲間とのタイミングが求められます。一人の動きだけでは演技が完成しないため、互いを信頼し、安全へ配慮しながら練習する必要があります。

  • 野球応援への参加
  • 桜花祭での演技発表
  • 学生選手権大会への出場
  • 地区大会から全国大会を目指す
  • 中高合同で技術とチームワークを磨く

中等部はUSA Japanの学生選手権大会で第1位となった実績があり、全国規模の大会にも出場しています。

農大一中らしさを象徴する生物部

文化部の中でも、農大一中らしさを強く感じられるのが生物部です。

中高合わせて約100名が所属する規模の大きなクラブで、生き物の飼育や観察に加え、生徒が興味を持ったテーマについて継続的な研究を行います。

  • 魚類や水生生物の飼育・研究
  • 昆虫、植物、微生物などの観察
  • 実験データの記録と分析
  • 研究論文や発表資料の作成
  • 科学コンテストや学会への参加
  • 桜花祭での研究成果発表
  • 地域施設での生き物に関する講義

生き物を飼うだけでなく、疑問を研究テーマへ変え、観察や実験を長期間続ける点が特徴です。

日本学生科学賞をはじめとする科学分野の大会で評価され、日本水産学会の高校生研究発表でも最上位の成果を残しています。

生物や自然が好きな生徒だけでなく、将来、理学、農学、医学、獣医学、環境、食品などの分野を学びたい生徒にとって、専門的な研究へ触れられるクラブです。

実験とものづくりを楽しむ物理部

物理部には、物理や数学が好きな中学生・高校生が集まり、水ロケット、Egg Drop、プログラミング、3Dモデリングなどへ取り組んでいます。

桜花祭での展示や個人研究に加え、校内コンテストや外部大会へ向けた準備も行います。

活動例身につく力
水ロケット圧力、力、飛行距離などを試行錯誤する力
Egg Drop衝撃を吸収する構造を設計・制作する力
プログラミング論理を組み立て、動作を修正する力
3Dモデリング立体を設計し、形として表現する力
個人研究自分でテーマを設定し、検証・発表する力

活動は中高合同で週3日を基本としていますが、桜花祭やコンテスト前には活動日が増える場合があります。

自分の興味から実験を始める化学部

化学部では、部員が興味を持った実験へ積極的に取り組みます。

授業では時間や安全上の理由から扱いにくい実験についても、顧問の指導を受けながら計画し、条件を変えて検証できます。

  • 実験の目的を考える
  • 必要な薬品や器具を確認する
  • 安全に配慮して実験を行う
  • 結果を記録して比較する
  • 失敗の原因や改善方法を考える
  • 桜花祭や外部発表へ向けて成果をまとめる

中高合同で活動し、中学生の初心者も実験の基本から学べます。化学反応を見るだけでなく、なぜ変化が起きたのかを考えることが中心です。

音楽・舞台系のクラブも充実

クラブ主な活動
吹奏楽部校内行事、桜花祭、演奏会、大会などへ向けた合奏
合唱部発声、合唱、学校行事や発表会での演奏
音楽部アンサンブル班少人数の器楽演奏やアンサンブル活動
演劇部脚本、演技、演出、舞台準備などを協力して行う

音楽や演劇の経験がなくても、中学校入学後に楽器や舞台表現を始められます。

個人の技術を高めるだけでなく、周囲の音や動きを意識し、全体で一つの作品をつくる協調性が必要です。

美術・写真・書道・文芸で表現力を伸ばす

農大一中には、美術部、写真部、書道部、文芸部など、自分の感性や考えを作品として表現できるクラブがあります。

  • 美術部:絵画、デザイン、立体作品、黒板アートなど
  • 写真部:校内外での撮影、作品選定、展示
  • 書道部:書作品の制作、文化祭などでの発表
  • 文芸部:小説、詩、評論などの創作と部誌制作

美術部は黒板アート甲子園でエリア賞を受賞した実績があります。作品を作るだけでなく、展示方法や見る人への伝わり方まで考える活動です。

茶道・華道で日本文化と礼儀を学ぶ

茶道部と華道部では、技法だけでなく、日本の伝統文化、季節感、相手を思いやる姿勢を学びます。

茶道では、茶を点てる手順、道具の扱い、挨拶、客へのもてなしを身につけます。華道では、花や枝の特徴を生かし、空間全体の調和を考えて作品を作ります。

落ち着いた環境で一つの動作へ集中したい生徒や、日本文化へ関心がある生徒に向いています。

社会や国際問題を考える模擬国連部

模擬国連部では、国際連合の会議を模した活動を通して、各国の立場から国際問題を考えます。

担当国について調査し、その国の政治、経済、歴史、外交方針を踏まえて、他国の代表と交渉します。

  1. 議題となる国際問題を調べる
  2. 担当国の立場や政策を分析する
  3. 主張や提案を文書へまとめる
  4. 会議でスピーチや交渉を行う
  5. 他国と協力して決議案を作成する

英語、社会、国語などで学んだ知識を使いながら、調査力、論理的思考力、交渉力、表現力を高められます。

知識を競い合うクイズ研究部

クイズ研究部では、幅広い分野の問題へ取り組み、早押しクイズや大会への出場を目指します。

歴史、地理、科学、文学、スポーツ、芸能など、学校の教科を越えた知識が必要です。

知らなかった問題をきっかけに新しい分野を調べることが、知的好奇心の広がりにつながります。知識を覚えるだけでなく、問題の形式や出題意図を考え、自分たちで問題を作る活動もあります。

同好会で個性的な興味を深める

部活動に加え、特定の分野へ関心を持つ生徒が集まる同好会もあります。

同好会主な特色
男子ハンドボール同好会中等部男子がハンドボールへ取り組む
英語同好会英語や異文化への関心を活動へつなげる
鉄道研究同好会鉄道、路線、車両、模型、旅行などを研究する
将棋・囲碁同好会対局を重ね、団体戦や全国大会を目指す
特撮技術研究同好会映像、模型、撮影、特殊効果などを研究・制作する

小学校時代には同じ興味を持つ友達が少なかった子も、同好会を通して仲間を見つけやすいでしょう。

将棋・囲碁同好会は2年連続で全国大会へ

将棋・囲碁同好会は、中学生と高校生が合同で活動しています。

日常の対局を通して、相手の狙いを読み、先の展開を予測しながら判断する力を磨きます。

2026年度には、将棋・囲碁同好会が2年連続となる全国大会出場を決めました。

運動部だけでなく、知的競技の分野でも全国規模の舞台へ挑戦できることは、農大一中のクラブ活動の幅広さを示しています。

近年の主なクラブ実績

年度クラブ・実績
2026年度将棋・囲碁同好会が2年連続で全国大会出場決定
2025年度中等部軟式野球部が東京都夏季大会へ初出場
2025年度生物部の研究が日本水産学会春季大会で最上位の評価
2024年度チアリーディング部が全国規模の大会へ出場
2024年度高校馬術部が全国大会へ出場し、全国・関東大会で入賞
2023年度生物部が日本学生科学賞東京都大会で最優秀賞
2023年度美術部が黒板アート甲子園エリア賞を受賞

大会実績は年度によって変わります。特定の実績だけでクラブを選ぶのではなく、日常の活動方針や本人が継続して楽しめるかを確認することが大切です。

スポーツ推薦を設けず学校生活全体を重視

農大一中・一高には、スポーツ推薦制度がありません。

高い競技力を持つ生徒だけを集めるのではなく、一般の入学試験を経て入学した生徒が、学習とクラブ活動を両立しながら大会での成果を目指します。

未経験者を受け入れるクラブも多く、中学校から新しい競技、楽器、研究活動を始めることができます。

一方、全国大会や都大会を目指すクラブでは練習量も多くなります。初心者でも入部できることと、活動が楽であることは同じではありません。本人が目標や練習方針へ納得しているかを確認しましょう。

クラブ運営委員会を中心に生徒が活動を支える

各クラブから選ばれた代表者は、クラブ運営委員として活動します。

クラブ運営委員会では、活動場所や施設の利用、クラブ紹介、桜花祭での発表など、クラブ全体に関わる内容を話し合います。

  • 新入生向けクラブ紹介の準備
  • 活動場所や時間の調整
  • 学校行事への参加方法の確認
  • クラブ間の連絡や情報共有
  • 活動上のルールや安全面の確認

競技や研究へ参加するだけでなく、組織を運営する立場を経験することで、責任感や調整力を育てます。

桜花祭はクラブ活動の成果を発表する場

桜花祭では、多くの文化部が日頃の研究、制作、演奏、練習の成果を発表します。

クラブの種類桜花祭での発表例
科学系実験、標本、研究成果、体験企画
音楽系吹奏楽、合唱、アンサンブルの演奏
芸術系絵画、写真、書道、華道作品の展示
演劇系舞台発表、脚本、照明、音響
研究系同好会鉄道模型、映像、特撮技術などの展示
チアリーディング部体育館やステージでの演技

研究や作品について来場者へ説明するためには、自分たちの活動を分かりやすく整理しなければなりません。

人に見せ、質問を受け、感想を聞くことで、新しい課題や次の研究テーマを見つけられます。

クラブ活動と学習を両立する必要がある

中等部の最終下校時刻は17時30分ですが、帰宅時間は通学経路によって異なります。

活動後にも宿題、小テストの準備、実験レポート、定期考査の勉強などがあるため、クラブ活動と学習を両立する時間管理が必要です。

  • 活動日と定期考査の日程を確認する
  • クラブのない日に課題をまとめて進める
  • 移動時間を暗記や読書に活用する
  • 大会前でも提出物を遅らせない
  • 疲れている日ほど睡眠時間を確保する
  • 困ったときは顧問や担任へ相談する

中学校入学直後から完璧に両立できる必要はありません。失敗を振り返りながら、自分に合った生活リズムをつくることが大切です。

クラブによって追加費用が異なる

クラブ活動では、学校の学費とは別に、用具、ユニフォーム、楽器、材料、交通費、合宿費、大会参加費などが必要になる場合があります。

費用の例該当しやすい活動
ユニフォーム・競技用具運動部全般
シューズ・ラケットテニス、卓球、球技系クラブ
楽器・メンテナンス吹奏楽、音楽系クラブ
材料・制作費物理、化学、美術、特撮技術など
遠征・大会参加費大会へ出場する運動部・文化部
合宿費長期休暇に合宿を行うクラブ

費用はクラブや年度によって異なります。入部前には活動日数だけでなく、年間の費用や保護者の協力が必要な場面も確認しましょう。

入部前に確認したいポイント

  • 中等部から参加できるクラブか
  • 中高合同か、中等部のみの活動か
  • 週に何日活動するか
  • 土曜日・日曜日の練習や大会があるか
  • 初心者でも基礎から参加できるか
  • 必要な用具と年間費用はどの程度か
  • 合宿や遠征があるか
  • クラブ終了後の帰宅時刻は何時になるか
  • 高校進学後も同じ活動を続けられるか
  • 定期考査前の活動方針はどうなっているか

クラブ名だけで決めず、活動の様子、先輩と後輩の関係、顧問の指導方針を実際に見ることが重要です。

桜花祭、公開授業、クラブ体験、個別見学などを利用すると、日頃の活動や生徒の雰囲気を確認できます。

好きなことを6年間かけて深められる環境

東京農業大学第一高等学校中等部のクラブ活動は、「文武不岐」の考え方のもと、学習と活動を両立しながら、生徒の興味や個性を伸ばす場となっています。

サッカー、野球、バスケットボール、チアリーディングなどの運動部に加え、生物、物理、化学、模擬国連、クイズ、鉄道、特撮技術など、多彩な文化系活動から選べます。

中高合同クラブでは、先輩から学び、学年が上がると後輩を支える役割を担います。大会やコンテスト、桜花祭での発表を通して、技術だけでなく、協調性、責任感、探究心、表現力を育てられます。

勉強を続けながら、スポーツ、科学研究、音楽、芸術など、自分が夢中になれる活動を見つけたい子にとって、充実した学校生活を送りやすい環境といえるでしょう。

進学実績と卒業後の進路|難関大学への合格力と東京農業大学への優先入学制度

東京農業大学第一高等学校中等部は、東京農業大学の併設校ですが、卒業後の進路は内部進学が中心ではありません。

国公立大学、早慶上理、GMARCH、医学部・薬学部・獣医学部など、幅広い大学へ挑戦する進学校型の大学併設校です。

2026年3月卒業生310名のうち、79.0%が東京農業大学・東京情報大学以外の大学へ進学し、併設大学への内部進学は1.6%でした。

東京農業大学への推薦権を利用できる安心感を持ちながら、本人の興味や目標に応じて外部大学へ挑戦できることが、農大一中・一高の進路面における大きな特徴です。

2026年3月卒業生の進路内訳

2026年3月卒業生は310名です。卒業後の進路は、次のようになっています。

進路人数の目安割合
併設大学以外の大学へ進学245名79.0%
併設大学へ内部進学5名1.6%
海外大学・その他2名0.6%
進学準備58名18.7%
卒業生合計310名100%

約8割が併設大学以外の大学へ進学していることからも、農大一中・一高が外部大学受験を中心とした進学校であることが分かります。

一方、約18.7%は進学準備を選択しています。第一志望へ届かなかった場合に、合格した大学へ必ず進学するのではなく、翌年度に再挑戦する生徒も一定数いる学校です。

合格者数と実際の進学者数は異なる

大学合格実績を見る際には、合格者数は実際に進学した生徒数ではないことに注意が必要です。

一人の生徒が複数の大学・学部へ合格した場合、それぞれが合格者数として集計されます。例えば、一人が早稲田大学、明治大学、中央大学へ合格した場合、合格実績には合計3件として記録されます。

数値意味
合格者数一人の重複合格を含む延べ人数
現役合格者数その年度の卒業生による延べ合格件数
進学者数実際にその大学へ入学した人数

学校の進学力を判断するときは、有名大学の合格者数だけでなく、卒業生数、現役合格者数、実際の進路内訳も合わせて確認することが大切です。

2026年は国公立大学に77名が合格

2026年入試では、国公立大学へ延べ77名が合格し、このうち68名が現役合格でした。

大学合格者数うち現役
東京大学3名2名
京都大学1名0名
北海道大学4名4名
東北大学5名5名
大阪大学3名3名
九州大学1名1名
一橋大学2名2名
東京科学大学3名2名
筑波大学4名4名
東京農工大学6名4名
横浜国立大学7名7名
東京都立大学6名6名
千葉大学3名3名
電気通信大学3名3名

東京大学理科一類をはじめ、東京科学大学、東京農工大学、電気通信大学、横浜国立大学など、理工・科学系の国公立大学へ現役合格者を輩出しています。

一方、一橋大学、東京外国語大学、東京学芸大学などへの合格者もおり、進路が理系だけに限定されているわけではありません。

早慶上理にも多数の合格者

2026年入試では、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学にも多数の合格者を輩出しました。

大学合格者数うち現役
早稲田大学51名46名
慶應義塾大学38名31名
上智大学23名20名
東京理科大学66名55名

特に東京理科大学の合格者が多く、農大一中・一高の理数教育や、理系進学を目指す生徒層の厚さが表れています。

早稲田大学、慶應義塾大学では文系・理系の双方へ合格者を出しており、幅広い進路希望へ対応しています。

GMARCHは明治大学を中心に高い実績

大学合格者数うち現役
学習院大学8名6名
明治大学151名141名
青山学院大学62名55名
立教大学64名61名
中央大学70名63名
法政大学42名35名

明治大学は151名、中央大学は70名、立教大学は64名、青山学院大学は62名と、GMARCHへの合格実績も安定しています。

私立大学全体では、東京農業大学・東京情報大学を除いて延べ1,085名が合格し、そのうち948名が現役合格でした。

理工・農学・生命科学系への進学に強い

学校名から農学系へ進む生徒が多い印象を受けますが、実際には理工、医療、法・経済、文学・教育など、幅広い学部へ進学しています。

2026年3月卒業生の学部系統別進学状況は、理系48.8%、文系51.2%でした。

学部系統進学割合
医・歯・薬・医療系10.0%
理学・工学系27.6%
農学・水産・生命科学系10.0%
その他の理系1.2%
法・経済・社会系19.6%
文学・教育・国際系24.8%
芸術・体育系3.2%
その他の文系3.6%

理系の中では理学・工学系が最も多く、農学・生命科学だけでなく、情報、建築、機械、化学、環境などへ関心を広げていることが分かります。

文系進学者も全体の半数を超えており、法学、経済、社会、文学、教育、国際関係などを志望する生徒にも対応しています。

医学部医学科は延べ26名が合格

2026年入試では、6年制の医学部医学科へ延べ26名が合格し、そのうち22名が現役合格でした。

区分主な合格大学
国公立大学金沢大学、滋賀医科大学、山形大学、福島県立医科大学
私立大学東京慈恵会医科大学、昭和医科大学、東京医科大学、国際医療福祉大学、北里大学、杏林大学、帝京大学、東海大学、聖マリアンナ医科大学など

医学部進学を希望する生徒に対しては、教科学習だけでなく、志望理由、面接、小論文、学校推薦型選抜なども含めた準備が必要です。

医学部医学科の合格件数にも重複が含まれるため、26名の生徒がそれぞれ別の医学部へ進学したという意味ではありません。

薬学部・獣医学部にも幅広い合格実績

農大一中・一高の実学教育や理科実験は、薬学、獣医学、生命科学、食品、環境分野への関心にもつながっています。

分野主な合格大学
6年制薬学部東京理科大学、北里大学、星薬科大学、順天堂大学、東京薬科大学、明治薬科大学、東邦大学、昭和薬科大学
6年制獣医学部岩手大学、日本獣医生命科学大学、麻布大学、北里大学、岡山理科大学

農業体験、発酵、食品分析、生物部の研究、東京農業大学との連携などを通して、中学生のうちから生命・食・環境に関する学問を具体的に知れることが、学部選択の一つのきっかけになります。

一般選抜を中心に多様な入試方式へ対応

併設大学以外へ進学した生徒の受験方式を見ると、一般選抜が中心となっています。

受験方式割合
一般選抜63.4%
共通テスト利用方式10.6%
共通テスト併用方式7.3%
総合型選抜6.9%
学校推薦型選抜・指定校5.7%
学校推薦型選抜・公募6.1%

一般選抜と共通テストを利用した方式を合わせると、8割を超えます。日々の授業を基礎として、大学入試で必要となる教科学力を重視している学校です。

一方、総合型選抜や学校推薦型選抜にも対応しています。実験、課題研究、クラブ活動、校外活動などで培った経験を、志望理由書や面接、研究発表へつなげることができます。

学校推薦型・総合型選抜でも難関大学へ合格

2026年入試では、一般選抜だけでなく、学校推薦型選抜や総合型選抜を利用して、次のような大学・学部へ合格しています。

  • 東京科学大学 工学院
  • 東京科学大学 環境・社会理工学院
  • 筑波大学 情報学群・人間学群
  • 東北大学 工学部
  • 横浜国立大学 経済学部・都市科学部
  • 東京農工大学 農学部・工学部
  • 滋賀医科大学 医学部医学科
  • 山形大学 医学部医学科
  • 早稲田大学 文化構想学部・各理工学部
  • 慶應義塾大学 文学部・環境情報学部
  • 上智大学 法学部
  • 東京理科大学 理学部・工学部・先進工学部
  • 明治大学 農学部・理工学部・総合数理学部

推薦型や総合型で合格するためには、評定だけでなく、大学で学びたい内容、これまでの活動、課題研究、論理的な文章力、面接での表現力などが必要です。

農大一中の「知耕実学」で経験する実験、調査、研究、発表は、こうした入試方式とも相性のよい学びといえます。

東京農業大学・東京情報大学への進学制度

農大一中・一高には、併設する東京農業大学と東京情報大学への推薦権を利用した進学制度があります。

東京農業大学には、農学、生命科学、食品、環境、国際協力、地域創成、水産などを学べる全学部・学科に推薦入学枠が設けられています。

大学推薦入学枠
東京農業大学全学部・学科合計135名
東京情報大学総合情報学部4名、看護学部1名の合計5名

東京農業大学の推薦枠は、農学部だけではありません。

  • 農学部
  • 応用生物科学部
  • 生命科学部
  • 地域環境科学部
  • 国際食料情報学部
  • 生物産業学部

動物、食品、発酵、栄養、バイオ、微生物、森林、造園、環境、国際協力、経済、水産など、幅広い学科から進路を検討できます。

推薦を希望すれば自動的に進学できるわけではない

併設大学への推薦権は、希望者全員へ無条件に与えられるものではありません。

学校では、次の内容を総合して推薦者を決定します。

  1. 高校在学中の成績
  2. 高校2年次のオープンキャンパス参加
  3. 高校3年間の出席状況
  4. 高校3年次に実施する模擬試験の成績

基準を満たした希望者に対して、大学が書類審査や口頭試問などを行い、最終的な合否を決定します。

中学校へ入学した時点で東京農業大学への進学が保証される制度ではないため、日々の成績、出席、学習態度を大切にする必要があります。

専願と併願から選択できる

併設大学への進学制度では、2022年から専願と併願を選べるようになりました。

方式基本的な考え方
専願合格した併設大学への進学を前提として出願する
併願一定条件を満たした場合、併設大学への入学権利を保持しながら他大学を受験できる

併願制度を利用できれば、東京農業大学という進路を確保しながら、外部の国公立大学や私立大学へ挑戦できる可能性があります。

ただし、併願できる大学、学部、入試方式、必要な成績などの条件は、進学年度の制度によって変更される場合があります。実際に利用する際には、高校で示される最新の規定を確認する必要があります。

2026年の内部進学合格者は6名

2026年入試における併設大学内部進学の合格者は6名で、卒業生310名に対する割合は1.9%でした。

このうち、卒業後の進路として実際に併設大学へ内部進学した生徒は5名です。

年度内部進学合格者卒業生数卒業生に占める割合
2026年6名310名1.9%
2025年8名348名2.3%
2024年11名317名3.5%

推薦枠は多く用意されていますが、実際に利用する生徒は少数です。多くの生徒が国公立大学や難関私立大学など、本人の希望に合う外部大学へ挑戦しています。

東京農業大学へ進みたい生徒には専門的な学びと推薦制度があり、他大学を目指す生徒には一般受験を中心とした進路指導があるという、選択肢の広さが特徴です。

一般選抜で東京農業大学を受験する生徒もいる

東京農業大学へ進学する方法は、併設校推薦だけではありません。

推薦条件や併願条件を利用せず、一般選抜や総合型選抜などで東京農業大学を受験することもできます。

2026年入試では、東京農業大学へ一般選抜などで延べ36名が合格し、そのうち33名が現役合格でした。

推薦権を利用するか、一般選抜で挑戦するかは、本人の志望順位、学部、他大学の受験計画などを踏まえて判断します。

中等部から段階的に将来を考えるキャリア教育

農大一中では、中学校段階から大学名だけを決めるのではなく、自分の興味、適性、社会との関わりを考えるキャリア教育を行います。

段階主な目標
中学1年自分の興味、得意なこと、学習や生活の特徴を知る
中学2年他者の考えや職業観に触れ、視野を広げる
中学3年社会の課題や学問とのつながりを知り、将来を考える
高校1年大学・学部・職業について調べ、文理選択を考える
高校2年志望分野を具体化し、必要な科目と学習計画を確認する
高校3年志望大学の入試方式に合わせて受験準備を進める

東京農業大学の研究室や大学教員との連携、卒業生や保護者による講演、大学の出前授業などを通して、大学で学ぶ内容や仕事を具体的に考えます。

農業体験や理科実験も、単に楽しい経験として終わらせず、「何に興味を持ったか」「どのような学問へつながるか」を考える進路教育の一部です。

模擬試験と面談を通して進路を具体化

高校では、共通テストレベルから難関大学向けの記述式まで、複数の模擬試験を校内で実施します。

試験結果は偏差値や判定を見るだけでなく、科目・単元別の課題を分析し、次の学習計画へつなげます。

  • 定期的な校内外模擬試験
  • 難関大学を目指す独自模試「D模試」
  • 少人数の講座やゼミ
  • 志望大学・学部に応じた講習
  • 担任や進路指導部との面談
  • 医学部・推薦型選抜などの個別対策

高校3年では、担任団と進路指導部が生徒一人ひとりの進路について検討する会議を年3回行い、志望校、学力、入試方式などを踏まえて助言します。

2026年実績は完全中高一貫化前の卒業学年

2026年の大学合格実績を読む際には、学校が2025年度から高校募集を停止したことも考慮する必要があります。

2026年3月卒業生が高校へ入学した当時は、高校からの募集が行われていました。そのため、2026年の実績は、中学校から進学した生徒と高校から入学した生徒を含む学年全体の結果です。

学校公式資料では、出身区分別の大学合格者数は示されていません。

完全中高一貫化後に入学した学年が卒業する将来は、卒業生数や学年構成が現在と変わる可能性があります。最新の進学実績を確認するときは、単純な合格者数だけでなく、卒業生数との関係も見ることが大切です。

進学実績を見る際に確認したいポイント

確認項目見るべき内容
卒業生数合格者数が学年規模に対してどの程度か
現役合格者数既卒生を除いた当年度卒業生の実績
進学者数合格した大学のうち実際に進学した人数
学部系統理系だけでなく、本人の希望する分野へ進めるか
入試方式一般選抜、共通テスト、推薦、総合型のどれに強いか
内部進学制度推薦条件、併願条件、希望学科の枠を確認する
完全一貫化後の変化今後の卒業生数や実績の推移を継続して確認する

外部大学への挑戦と併設大学への進学を選べる学校

東京農業大学第一高等学校中等部は、東京農業大学の併設校としての学習環境と、外部の難関大学を目指す進学校としての指導を両立している学校です。

2026年入試では、東京大学を含む国公立大学へ77名、早稲田大学へ51名、慶應義塾大学へ38名、東京理科大学へ66名、明治大学へ151名が合格しました。

理工・農学・生命科学系だけでなく、医学、薬学、獣医学、法学、経済、文学、教育、国際系など、進路は幅広く分かれています。

東京農業大学・東京情報大学への推薦権を利用した進学制度もあり、一定条件を満たせば、併設大学への進学権利を保持しながら他大学へ挑戦できる併願制度も用意されています。

中学校段階から体験や探究を通して興味を広げ、大学名だけでなく「何を学びたいか」を考えながら、自分に合った進路へ挑戦したい生徒にとって、幅広い選択肢を持てる学校といえるでしょう。

学費や諸経費について|初年度納入金と中高6年間を見据えた費用

東京農業大学第一高等学校中等部の2026年度入学生における学校納入金は、中学1年次が合計1,037,000円、中学2・3年次がそれぞれ年間770,000円です。

初年度には、学校納入金のほか、制服、学用品、体育着、ノートパソコン、宿泊研修費、生協加入出資金などが必要です。そのため、入学初年度に準備しておきたい金額は、学校納入金だけで判断するのではなく、男子・女子ともに宿泊研修費を含めて約140万円以上を一つの目安として考える必要があります。

また、農大一中は完全中高一貫校ですが、高校進学後も授業料や施設設備費がかかり、高校1年次には入学金も設定されています。中学校3年間だけでなく、高校卒業までの6年間を見通して資金計画を立てることが大切です。

2026年度入学生の学校納入金

費目中学1年次中学2・3年次
入学金230,000円
授業料480,000円480,000円
維持費72,000円72,000円
施設設備費90,000円90,000円
実験・教材費100,000円100,000円
学費小計972,000円742,000円
諸会費65,000円28,000円
年間合計1,037,000円770,000円

授業料は年間480,000円で、月額に換算すると40,000円です。ただし、毎月納入する方式ではなく、原則として4月と10月の年2回に分けて納入します。

入学金230,000円は、合格後の入学手続時に納入します。入学手続を行う時期には、受験料や塾費用などの支出も重なりやすいため、事前に準備しておきましょう。

諸会費の内訳

費目中学1年次中学2・3年次
生徒会入会金1,000円
生徒会費10,000円10,000円
生徒会行事費2,000円2,000円
教育後援会入会金6,000円
教育後援会費16,000円16,000円
教育後援会事業援助費30,000円
合計65,000円28,000円

中学1年次には、生徒会と教育後援会の入会金、教育後援会事業援助費が加わるため、中学2・3年次より諸会費が高くなります。

中等部卒業時には、このほかに卒業記念行事費と同窓会終身会費が必要です。具体的な金額は、納入時期に学校から案内されます。

制服・学用品・体育着にかかる費用

学校納入金とは別に、入学時には制服や学用品、体育着を購入します。

購入品費用の目安
男子制服・夏服と冬服64,800円
女子制服・夏服と冬服67,800円
学用品14,000円
体育着一式36,300円~52,400円

体育着の金額に幅があるのは、購入する品目や枚数によって費用が変わるためです。洗い替えを用意する場合は、最低限の購入額より高くなる可能性があります。

制服についても、シャツ、ブラウス、靴下、スラックス、スカートなどを追加購入した場合は、表示額を上回ります。成長に伴う買い替えや破損・紛失による再購入も考えておきましょう。

入学時に必要となる費用の目安

学校納入金、制服、学用品、体育着、生協加入出資金を単純に合計すると、入学時の基本的な支出は次のようになります。

区分最低額の目安体育着を多く購入した場合
男子約1,162,100円約1,178,200円
女子約1,165,100円約1,181,200円

この金額には、次の費用を含めています。

  • 中学1年次学校納入金:1,037,000円
  • 制服:男子64,800円、女子67,800円
  • 学用品:14,000円
  • 体育着:36,300円~52,400円
  • 農大生協加入出資金:10,000円

農大生協加入出資金10,000円は、入学時に一度預け、高校卒業時に全額返還される予定です。最終的な教育費ではありませんが、入学時に用意する現金には含めて考える必要があります。

なお、上記にはノートパソコン、宿泊研修、通学定期券、昼食、クラブ活動などの費用は含まれていません。

ノートパソコンの準備が必要

農大一中では、授業、課題提出、情報収集、実験データの整理、プレゼンテーションなどにノートパソコンを使用します。

従来は学校指定の端末を購入する方式でしたが、現在は学校が示す条件を満たせば、家庭で準備したノートパソコンを利用できる方針となっています。

  • 学校指定の性能・仕様を満たしているか
  • 必要なOSやソフトウェアへ対応できるか
  • 授業中に使用できる十分なバッテリーがあるか
  • 故障時の保証や修理体制があるか
  • 学校のネットワークへ接続できるか

家庭にある端末をそのまま利用できれば費用を抑えられる可能性がありますが、新たに購入する場合は数万円から十数万円程度の支出が考えられます。

必要な性能や設定は入学年度によって変わるため、合格後に配付される入学手続書類を確認してから購入しましょう。過去の学校案内に掲載された指定端末価格だけを基に、先に購入することは避けた方が安全です。

宿泊研修・修学旅行費は学費と別に必要

農大一中では、学年ごとに複数の宿泊研修が予定されています。これらの費用は、年間の学校納入金には含まれていません。

学年宿泊行事日程費用の目安
中学1年富士宿泊研修2泊3日60,000円
中学1年北海道自然体験研修3泊4日180,000円
中学2年奈良・京都歴史探訪研修2泊3日80,000円
中学3年シンガポール・マレーシア修学旅行3泊5日400,000円
中等部3年間の予定額720,000円

中学1年では、富士宿泊研修と北海道自然体験研修を合わせて、約240,000円が予定されています。

中学3年の海外修学旅行は約400,000円で、中等部の宿泊行事の中では最も大きな支出です。為替相場、燃油価格、航空運賃、現地の物価などによって金額が変動する可能性があります。

宿泊行事まで含めた初年度の資金計画

中学1年の宿泊行事予定額240,000円を加えると、初年度に必要となる費用は次のようになります。

区分初年度費用の目安
男子約1,402,100円~1,418,200円
女子約1,405,100円~1,421,200円

この金額には、学校納入金、制服、学用品、体育着、生協加入出資金、中学1年の宿泊研修費を含めています。

ノートパソコン、通学費、昼食、クラブ活動費などを加えると、家庭が実際に負担する初年度費用は、更に高くなる可能性があります。

中等部3年間の学校納入金

学年年間学校納入金
中学1年1,037,000円
中学2年770,000円
中学3年770,000円
3年間合計2,577,000円

学校納入金と中等部3年間の宿泊行事予定額720,000円を合わせると、中等部3年間で約3,297,000円です。

さらに、制服、学用品、体育着、生協加入出資金を加えると、現在公表されている費用だけでも次の金額が目安となります。

区分中等部3年間の目安
男子約3,422,100円~3,438,200円
女子約3,425,100円~3,441,200円

この金額には、ノートパソコン、通学費、昼食、クラブ活動費、任意の海外研修などは含まれていません。

高校進学後の学校納入金

農大一中は完全中高一貫校ですが、高校段階も学費が必要です。2026年度入学生向けの現行学費表では、高校1年次にも入学金230,000円が設定されています。

費目高校1年次高校2・3年次
入学金230,000円
授業料480,000円480,000円
維持費72,000円72,000円
施設設備費90,000円90,000円
実験・教材費100,000円100,000円
諸会費59,000円28,000円
年間合計1,031,000円770,000円

高校3年間の学校納入金を現在の金額で単純に合計すると、2,571,000円です。

完全中高一貫校で高校入試を受ける必要はありませんが、高校進学時の入学金や制服・学用品などの支出がなくなるわけではありません。

実際の高校進学時の納入額や制服の購入内容については、中学3年時に案内される最新情報を確認してください。

高校段階の宿泊行事費

学年宿泊行事日程費用の目安
高校1年広島平和研修2泊3日95,000円
高校2年共創型国内修学旅行3泊4日150,000円
高校段階の合計予定額245,000円

高校では、希望者向けの海外研修や留学制度もあります。参加する場合は、上記の宿泊行事費とは別に、渡航費、滞在費、保険料、現地活動費などが必要です。

中高6年間の費用目安

現在公表されている学校納入金を、中学校から高校まで単純に合計すると、次のようになります。

区分6年間の合計
中等部3年間の学校納入金2,577,000円
高校3年間の学校納入金2,571,000円
学校納入金6年間合計5,148,000円
中等部の宿泊行事720,000円
高校の宿泊行事245,000円
学校納入金・宿泊行事の合計6,113,000円

したがって、2026年度の金額を基準にすると、中高6年間の学校納入金と必修宿泊行事だけで約611万円です。

ここへ次の費用が加わります。

  • 中学校・高校の制服、体育着、学用品
  • 学習用ノートパソコン
  • 通学定期券やバス代
  • 弁当やデイリーショップで購入する昼食
  • クラブ活動の用具、ユニフォーム、遠征、合宿
  • 希望者向け海外研修・留学
  • 大学受験料、模擬試験、外部検定
  • 参考書や問題集
  • 卒業記念行事費、同窓会費

学費や旅行費は将来改定される可能性があるため、約611万円は6年間の負担を保証する金額ではなく、現在の公表額による目安として捉えてください。

通学費は利用経路によって差が大きい

農大一中は、経堂駅・上町駅・桜新町駅から徒歩で通えるほか、用賀駅や渋谷駅からバスを利用できます。

通学費は、自宅の場所、利用する鉄道会社、バスの有無によって大きく異なります。

  • 鉄道の通学定期券
  • 路線バスの通学定期券
  • 乗り換えに利用する複数路線の運賃
  • 遅延時の代替経路にかかる費用
  • 自転車通学の場合の自転車・保険・整備費

バスを毎日利用する場合は、鉄道のみで通学する場合より年間負担が増えることがあります。学校選びでは、6年間の通学定期代も試算しましょう。

中等部は弁当持参が基本

中等部では給食を実施していないため、昼食は家庭から持参する弁当が基本です。

弁当を用意できない場合は、校内のデイリーショップで、パン、おにぎり、日替わり弁当などを購入できます。

毎日の昼食代は一回ごとの金額は大きくなくても、年間では相応の負担となります。保護者の弁当準備の負担も含め、家庭の生活に合うかを考えましょう。

クラブ活動による追加費用

クラブ活動への参加は任意ですが、中等部生の9割以上が何らかの活動へ加入しています。

費用該当しやすいクラブ
ユニフォーム・競技用具野球、サッカー、バスケットボール、テニスなど
シューズ・防具球技、陸上、剣道、柔道など
楽器・修理費吹奏楽部、音楽系クラブ
実験・制作材料物理部、化学部、生物部、美術部など
大会・遠征費校外大会や発表会へ参加するクラブ
合宿費長期休暇中に合宿を行うクラブ

大会出場が多い運動部、遠征を行うクラブ、個人用の楽器や用具が必要なクラブでは、年間費用が高くなる場合があります。

入部前には、活動日数だけでなく、初年度の用具費、年間部費、合宿費、保護者の協力が必要な場面を確認しておきましょう。

特待生制度

農大一中では、各入試回で特に成績が優秀だった受験生を対象とする特待生制度があります。

特待生として所定の手続を行った場合、1年間の授業料相当額480,000円が支給されます。

  • 全ての入試回が特待生選考の対象
  • 対象者は入試成績によって決定
  • 候補者は合格発表サイトで案内
  • 所定の手続を行うことで制度を適用
  • 支給対象は1年間の授業料相当額

特待生候補となる具体的な順位や得点基準は公表されていません。また、入学金、施設設備費、実験・教材費、諸会費、旅行費まで免除される制度ではありません。

東京都の私立中学校授業料助成

2026年度は、一定の住所要件を満たす東京都内在住の生徒・保護者を対象として、私立中学校の授業料に対する年額最大120,000円の助成制度があります。

所得制限は設けられておらず、学校へ納める授業料の実負担額を上限として助成されます。

項目2026年度の内容
助成額年額最大120,000円
所得制限なし
主な条件生徒と保護者が東京都内に住所を有すること
申請毎年度、所定期間内の手続が必要

制度を利用できた場合でも、入学金、維持費、施設設備費、実験・教材費、旅行費などは助成の対象外です。

また、学校の特待生制度によって授業料が全額免除され、実際の授業料負担がない場合には、この助成を受けられません。

助成制度は年度ごとに内容が変わる可能性があり、自動的に適用されるものではありません。入学後に学校や東京都私学財団から配付される案内を確認し、毎年度申請しましょう。

高校進学後の授業料支援制度

2026年度の東京都では、国の就学支援金などと東京都の授業料軽減助成金を合わせ、私立高校の授業料について年額最大501,000円まで支援する制度があります。

農大一高の現行授業料は年間480,000円であるため、現在の制度と住所などの適用条件が維持された場合、授業料部分は全額が支援対象となる可能性があります。

ただし、中学校から高校へ進学する時点では、制度、支給額、申請方法が変更されている可能性があります。また、支援の対象は主に授業料であり、入学金、維持費、施設設備費、実験・教材費などの負担は残ります。

学費を考える際の確認項目

確認項目主なポイント
初年度納入金学校納入金だけでなく、制服、体育着、PC、旅行費まで含める
高校進学時入学金や高校制服などの費用を見込む
宿泊行事中1で2回、中3で海外修学旅行が予定されている
クラブ活動用具、合宿、遠征、大会参加費を確認する
通学・昼食定期券、バス代、弁当・デイリーショップ代を試算する
公的助成居住地の制度と毎年度の申請時期を確認する
大学受験模試、検定、受験料、交通・宿泊費も将来必要になる

体験教育を支える費用まで含めて検討する

東京農業大学第一高等学校中等部の2026年度学校納入金は、中学1年次が1,037,000円、中学2・3年次が各770,000円です。

制服、体育着、学用品、生協出資金、中学1年の宿泊研修費まで含めると、初年度は男子・女子ともに約140万円以上が一つの目安となります。さらにノートパソコン、通学費、昼食、クラブ活動費が加わります。

現在の金額を基にした中高6年間の学校納入金は約515万円で、必修の宿泊行事予定額を加えると約611万円です。

農大一中では、稲作、お米の科学、北海道自然体験研修、海外修学旅行など、学校独自の体験教育が充実しています。その分、授業料以外の研修費も含めて資金計画を立てる必要があります。

初年度だけでなく、中学3年の海外修学旅行、高校進学時の入学金、クラブ活動、大学受験までを見通し、無理なく6年間通い続けられるかを家庭で確認しておきましょう。

入試情報と合格の目安|2027年度から3回入試となる最新制度と受験対策

東京農業大学第一高等学校中等部では、2027年度入試から入試制度が変更されます。

これまで実施していた2月4日午前の第4回入試を廃止し、2027年度は2月1日午前・2月1日午後・2月2日午後の計3回となります。

第1回は国語・算数・理科・社会の4科入試、第2回と第3回は、算数に理科または国語を組み合わせる2科入試です。

同じ学校の入試でも、日程によって科目、試験時間、配点が異なります。特に第3回は算数が150点で、総得点の60%を占めるため、算数の得意な受験生が力を発揮しやすい入試です。

なお、2027年度の詳細な募集要項は今後正式に公表されます。以下では、既に発表されている2027年度入試概要と、2026年度入試の実績を分けて整理します。

2027年度中等部入試の日程と募集定員

入試回試験日時間帯募集定員試験科目
第1回2027年2月1日(月)午前約60名・男女国語・算数・理科・社会
第2回2027年2月1日(月)午後約80名・男女算数・理科または算数・国語
第3回2027年2月2日(火)午後約60名・男女算数・理科または算数・国語
募集定員合計約200名

第4回は廃止されますが、募集定員の合計は約200名で、2026年度から変わりません。

第1回の募集定員が40名から60名へ増加し、第2回は85名から80名へ変更されます。第3回は60名のままです。

入試回2026年度2027年度変更内容
第1回約40名約60名20名増加
第2回約85名約80名5名減少
第3回約60名約60名変更なし
第4回約15名実施なし廃止

第1回の定員が増えるため、2月1日午前から農大一中を受験する第一志望層にとっては、従来より募集枠が広がります。

一方、2月4日の入試がなくなるため、第1回から第3回までに合格を確保する受験計画が必要です。

第1回は4教科の総合力を確認する入試

科目試験時間配点
国語50分100点
算数50分100点
理科40分80点
社会40分80点
合計180分360点

第1回は、国語・算数が各100点、理科・社会が各80点の4科入試です。

国語と算数だけで合計200点を占めますが、理科・社会も合わせて160点あるため、主要2科目だけで大きな失点を補うのは簡単ではありません。

  • 国語・算数で安定して得点する
  • 理科・社会の知識問題を取りこぼさない
  • 4科目を通した集中力を維持する
  • 苦手科目で大きな失点をしない
  • 合格最低点を超える総合得点を意識する

第1回の募集定員は2027年度から60名へ増えます。農大一中を第一志望とする場合は、第1回から受験することが基本となるでしょう。

第2回は算数と国語または理科の2科入試

科目試験時間配点
算数40分100点
理科または国語40分100点
合計80分200点

第2回は算数を必須とし、理科または国語のどちらか一つを選択します。

算数・理科と算数・国語のどちらを受験するかは、出願時に登録する方式が想定されています。2027年度の正式な登録方法は、募集要項で確認する必要があります。

選択方式向いている受験生
算数・理科実験・観察、計算、グラフ、科学的な考察問題が得意な子
算数・国語長文読解、記述、語彙、文章から根拠を探すことが得意な子

2科目だけで受験できるため、4科目の負担はありません。しかし、受験生が得意科目へ集中してくるため、2科入試だから合格しやすいとは限りません。

各科目の配点が100点ずつであるため、一方の科目で大きく失点すると挽回が難しくなります。得意科目で高得点を目指すことに加え、算数を安定させることが重要です。

第3回は算数の比重が高い2科入試

科目試験時間配点
算数50分150点
理科または国語40分100点
合計90分250点

第3回は、算数150点と、理科または国語100点の合計250点です。

算数だけで全体の60%を占めるため、算数の得点が合否へ大きく影響します。

  • 計算や小問集合を正確に得点する
  • 速さ、割合、場合の数、規則性などの典型問題を安定させる
  • 図形や文章題で条件を整理する
  • 途中で詰まった問題へ時間をかけ過ぎない
  • 解く問題と後回しにする問題を判断する

第3回には、第1回・第2回で合格を得られなかった受験生だけでなく、2月1日に別の難関校を受験した層も集まります。

募集定員は60名ありますが、第1回より偏差値や実質倍率が高くなりやすいため、「最後の入試だから入りやすい」と考えない方がよいでしょう。

国語と理科のどちらを選ぶか

第2回・第3回では、算数に組み合わせる科目を国語または理科から選べます。

選択する際は、普段の偏差値だけでなく、農大一中の過去問でどちらが安定して得点できるかを確認しましょう。

確認項目国語選択理科選択
得点の安定性文章によって得点が大きく変わらないか分野による得意・不得意が大き過ぎないか
時間配分長文を時間内に読み、記述まで完成できるか計算・考察問題を含めて最後まで進められるか
知識漢字・語句・文法を取りこぼさないか生物・化学・物理・地学の知識が定着しているか
算数との組み合わせ文章読解へ切り替えて集中できるか計算や数値処理が続いても集中できるか

一度だけ高い点を取った科目ではなく、複数年度の過去問で安定して得点できる科目を選ぶことが大切です。

また、第2回と第3回では算数の時間・配点が異なります。同じ選択科目でも、入試回ごとに合計得点の組み立て方を考えましょう。

2026年度入試の受験者数と実質倍率

2027年度は入試回数と募集定員が変わるため、2026年度の倍率がそのまま再現されるとは限りません。ただし、各日程の競争状況を把握する参考にはなります。

入試回受験者数合格者数実質倍率
第1回・4科303名80名約3.8倍
第2回・算理432名209名約2.1倍
第2回・算国478名210名約2.3倍
第2回合計910名419名約2.2倍
第3回・算理316名88名約3.6倍
第3回・算国401名95名約4.2倍
第3回合計717名183名約3.9倍

2026年度は、第2回の合格者数が多く、実質倍率は約2.2倍でした。一方、第3回は約3.9倍で、第2回より競争が厳しくなっています。

2027年度は第1回の募集定員が増える一方、第4回の受験生の一部が第1回から第3回へ移る可能性があります。倍率は出願者数と合格者数によって変わるため、前年の数値だけで出願回を決めないことが大切です。

2026年度入試の合格最低点

入試回満点合格最低点得点率
第1回・4科360点247点約68.6%
第2回・算理200点114点57.0%
第2回・算国200点115点57.5%
第3回・算理250点174点69.6%
第3回・算国250点176点70.4%

合格最低点は、その年度の問題難度や受験者層によって変わります。過去の最低点をそのまま目標点にすると、問題が易しかった年度に対応できません。

過去問演習では、最低点ぎりぎりではなく、複数年度で合格最低点を安定して上回ることを目指しましょう。

一つの目安としては、過去の合格最低点に対して10点程度の余裕を持てる状態を目標にすると、採点のぶれや本番の緊張にも対応しやすくなります。

第1回は募集増でも油断できない

2027年度は、第1回の募集定員が40名から60名へ増えるため、数字だけを見ると合格の機会が広がります。

ただし、第4回が廃止されることにより、農大一中を第一志望とする受験生が第1回から積極的に出願する可能性があります。

また、第1回は4科目の総合力が問われます。募集定員が増えても、理科・社会を含めた安定した得点が必要であることは変わりません。

複数回受験を前提にした出願戦略

農大一中を第一志望または強く希望する場合は、複数回受験を検討できます。

受験パターン考え方
第1回+第2回2月1日に午前・午後の両方を受験し、早い段階で合格を目指す
第1回+第3回4科入試と算数重視入試の双方へ挑戦する
第2回+第3回2月1日午前に別の学校を受験し、午後から農大一中を受験する
第1回~第3回農大一中への進学希望が強く、全ての機会を利用する

2026年度は、1回のみの出願が25,000円で、複数回出願は合計35,000円でした。追加出願は複数回でも10,000円という仕組みでした。

2027年度も同じ検定料制度になるとは限らないため、正式な募集要項で確認してください。

また、合格発表を確認してから次回へ追加出願する場合は、締切時刻に注意が必要です。第一志望の場合は、出願可能な回を早めに登録しておく方法も検討しましょう。

2月1日の午前・午後を続けて受験する場合

第1回と第2回は、同じ2月1日に実施されます。

2026年度は、第1回終了後に第2回まで校内の控室で待つことができました。2027年度の集合時刻や控室の利用方法は、正式な募集要項で確認する必要があります。

午前から午後まで続けて受験する場合は、学力だけでなく体力と集中力の管理も重要です。

  • 昼食と飲み物を準備する
  • 午前の試験について答え合わせをしない
  • 午後入試まで静かに休憩する
  • 午後の算数へ気持ちを切り替える
  • 防寒着や体温調節できる服装を用意する

午前入試の手応えが悪くても、その場で結果を判断せず、午後入試へ集中することが大切です。

偏差値の目安

四谷大塚が公表している2027年入試対応のAライン80偏差値とCライン50偏差値は、次のとおりです。

入試回Aライン80偏差値Cライン50偏差値
第1回6057
第2回・算国6359
第2回・算理6359
第3回・算国6459
第3回・算理6459

Aライン80偏差値は合格可能性80%、Cライン50偏差値は合格可能性50%の目安です。

第1回よりも第2回・第3回の偏差値が高くなっています。午後入試には、2月1日午前に他の難関校を受験した層も加わるため、募集人数だけでなく受験者層も考慮する必要があります。

偏差値は模試の種類によって尺度が異なるため、四谷大塚、日能研、首都圏模試などの数値を直接比較することはできません。継続して受けている同じ模試の中で、成績の推移を確認しましょう。

過去問は入試回ごとに分けて取り組む

農大一中の公式サイトでは過去の入試問題が公開されています。ただし、公式の解答は掲載されていません。

第1回、第2回、第3回では、科目、時間、配点が異なるため、同じ学校の問題としてまとめて扱わず、志望する入試回ごとに演習する必要があります。

入試回過去問演習のポイント
第1回4科目を本番と同じ順番・時間で解き、後半まで集中力を保つ
第2回40分で算数を処理し、選択科目へ素早く切り替える
第3回算数150点を意識し、50分間の得点戦略を確立する

公式解答がないため、塾の過去問データベース、市販の過去問題集、教員の解説などを利用し、採点基準を確認しましょう。

算数は時間内に取るべき問題を選ぶ

全ての入試回で算数が必須です。特に第3回では算数の配点が高いため、算数の完成度が重要となります。

  • 計算問題と基本小問を素早く正確に処理する
  • 条件を図や表へ整理する
  • 途中式を残し、計算ミスを発見しやすくする
  • 難問へ固執せず、解ける問題を先に得点する
  • 最後の数分を見直しに残す

農大一中の算数対策では、難問だけを練習するのではなく、基本問題と標準問題を落とさないことが出発点です。

過去問演習では、正解できなかった理由を、知識不足、方針が立たなかった、計算ミス、時間不足に分けて分析しましょう。

理科は知識と実験考察の両方を鍛える

農大一中は実験を重視する学校ですが、入試でも理科の基本知識に加え、図表、実験結果、観察記録を読み取る力が必要です。

  • 生物・化学・物理・地学の基本知識を定着させる
  • グラフや表から変化を読み取る
  • 実験条件の違いを整理する
  • 計算問題で単位を確認する
  • 結果から考えられる理由を説明する

算数・理科で受験する場合は、数値処理が続きます。問題を急いで読み違えないよう、条件へ印を付けながら進める習慣をつけましょう。

国語は根拠を本文から探す

国語では、文章全体の流れを捉え、選択肢や記述の根拠を本文から見つける力が必要です。

  • 漢字・語句を確実に得点する
  • 接続語や指示語の関係を確認する
  • 登場人物の心情変化を出来事と結びつける
  • 筆者の主張と具体例を区別する
  • 記述問題は本文の言葉を基にまとめる

算数・国語の2科入試では、国語も100点あります。算数で得点する予定でも、国語で大きく崩れない安定性が必要です。

社会は基本知識と資料読解を安定させる

社会を受験するのは第1回のみです。理科と同じ80点配点であり、4科目合計では無視できない割合を占めます。

  • 地理・歴史・公民の基本事項を整理する
  • 地図、統計、年表、写真を読み取る
  • 出来事の因果関係を理解する
  • 時事問題に関わる基本的な背景を確認する
  • 短時間で知識問題を正確に処理する

第1回を受験する場合は、算数・国語の対策へ偏り過ぎず、理科・社会で確実に得点を積み上げることが重要です。

面接や小学校の調査書は正式要項で確認

2026年度入試では、筆記試験のみで、出願時に小学校からの書類を提出する必要はありませんでした。

2027年度についても、現時点で公表された概要には面接や調査書に関する記載はありません。ただし、詳細は正式な募集要項で改めて確認してください。

成績優秀者を対象とした特待生制度

農大一中では、各入試回の成績優秀者を特待生として選考します。

2026年度は、特待生として手続を行った場合、1年間の授業料相当額480,000円が支給されました。

  • 各入試回の成績優秀者が対象
  • 特待生候補者は合格発表画面で個別に通知
  • 所定の期限までに特待生手続が必要
  • 支給対象は1年間の授業料相当額
  • 入学金や施設設備費などは別途必要

特待生の具体的な人数や得点基準は公表されていません。特待生だけを目標に難問へ時間をかけるのではなく、まずは合格に必要な問題を確実に得点することが重要です。

2027年度入試で確認すべき最新情報

2027年度の入試日程、募集定員、科目、配点は公表されていますが、詳細な募集要項は今後発表されます。

既に公表されている内容正式要項で確認する内容
試験日と午前・午後の区分開門・集合・試験開始時刻
各回の募集定員出願開始・締切日時
試験科目検定料と複数回出願の扱い
試験時間と配点合格発表・入学手続期限
第4回入試の廃止控室、遅刻、持ち物など当日の注意事項

特に、2月1日に午前・午後の両方を受験する家庭は、集合時刻、昼食場所、控室の利用方法を確認しましょう。

3回の入試方式から本人の強みを生かす

東京農業大学第一高等学校中等部の2027年度入試は、2月1日午前・午後と2月2日午後の計3回です。

第1回は4科目の総合力、第2回は算数と選択科目の安定性、第3回は配点の高い算数で得点する力が重要です。

四谷大塚のAライン80偏差値は、第1回が60、第2回が63、第3回が64となっており、後半の日程ほど高くなっています。

農大一中を強く希望する場合は、募集定員が60名へ増える第1回から受験し、必要に応じて第2回・第3回も組み合わせる出願計画が考えられます。

複数年度の過去問を本番と同じ時間で解き、4科入試と2科入試のどちらで本人の力を発揮しやすいかを確認することが、合格へ向けた重要な準備となります。

併願校パターン|共学・男女別学校を組み合わせたチャレンジ・標準・安全校

東京農業大学第一高等学校中等部の2027年度入試は、2月1日午前・2月1日午後・2月2日午後の計3回です。

2026年度まで実施されていた2月4日午前の第4回入試が廃止されるため、2027年度は2月2日までに農大一中の受験機会が終了します。

農大一中を第一志望とする場合は、第1回から受験して合格機会を増やすことが基本です。難関校との併願では、2月1日午前または2月2日午前に別の学校を受験し、午後に農大一中を組み合わせる方法があります。

ただし、午前・午後入試を2日間続けると、受験生の体力と集中力への負担が大きくなります。受験できる学校を全て組み込むのではなく、本人の体力、移動時間、合格発表時刻、入学手続期限まで含めた計画が必要です。

農大一中の2027年度入試日程

入試回試験日時間帯募集定員試験科目
第1回2月1日午前約60名国語・算数・理科・社会
第2回2月1日午後約80名算数+国語または理科
第3回2月2日午後約60名算数+国語または理科

第1回は4科目の総合力、第2回は算数と選択科目の安定性、第3回は150点配点となる算数の得点力が重要です。

同じ受験生でも、どの入試回が合格しやすいかは得意科目によって変わります。模試偏差値だけでなく、入試回ごとの過去問得点を基に受験日程を考えましょう。

チャレンジ・標準・安全校は偏差値だけで決めない

併願校は、一般にチャレンジ校、標準校、安全校の三段階へ分けて考えます。

区分判断の目安
チャレンジ校現在の成績では合格可能性が高くないものの、本人が強く希望して挑戦する学校
標準校模試や過去問で合格圏に入り、実力を発揮できれば合格を期待できる学校
安全校複数回の模試と過去問で安定して合格圏に入り、入学してもよいと思える学校

農大一中の四谷大塚Aライン80偏差値は、第1回が60、第2回が63、第3回が64です。午後入試や後半の日程ほど、難関校を受験した層が加わり、偏差値が高くなる傾向があります。

したがって、農大一中そのものがチャレンジ校になる受験生もいれば、標準校や合格確保校になる受験生もいます。

学校名だけで一律に安全校と判断せず、受験する入試回、男女別の合格最低点、得意科目、過去問との相性を確認することが重要です。

難易度別に考える代表的な併願校

難易度男子校女子校共学校
チャレンジ校候補駒場東邦、麻布、海城、早稲田桜蔭、女子学院、豊島岡女子学園、鷗友学園女子渋谷教育学園渋谷、慶應義塾中等部、筑波大学附属
標準校候補本郷、世田谷学園、東京都市大学付属吉祥女子、洗足学園、田園調布学園東京都市大学等々力、青稜、三田国際科学学園
合格確保校候補成城、獨協、日本大学豊山恵泉女学園、昭和女子大学附属昭和、実践女子学園日本大学第二、目黒日本大学、日本工業大学駒場、文教大学付属

この分類は、農大一中の受験者全員に共通するものではありません。

例えば、算数が得意な受験生にとっては、午後の算数重視入試で農大一中が標準校となる一方、4科目の得点が安定しない場合は、第1回の方が難しく感じられることがあります。

また、同じ学校でも入試日によって募集人数や受験者層が異なり、後半日程ほど合格難度が上がる場合があります。

農大一中を第一志望とする基本パターン

日程受験例目的
1月埼玉・千葉の学校を1~2校本番環境を経験し、可能であれば合格を確保する
2月1日午前農大一中 第1回募集定員が最も増えた4科入試から挑戦する
2月1日午後農大一中 第2回同じ日に2回目の合格機会を得る
2月2日午前休養または合格確保校午後入試へ向けて体力を残す
2月2日午後農大一中 第3回最後の農大一中入試へ挑戦する
2月3日以降入学意思のある併願校農大一中が不合格だった場合に備える

農大一中への進学希望が強い場合、第1回だけでなく、第2回・第3回も受験することで合格機会を増やせます。

ただし、2月1日午前・午後を続けて受験した翌日に、別の学校の午前入試と農大一中第3回を組み合わせると、2日間で4試験になります。

過去問の得点が合格最低点付近にある場合は、受験回数を増やすことが有効です。一方、疲労によって得意な算数の精度が下がる子は、2月2日午前を休養に充てた方が、第3回で力を発揮しやすいこともあります。

男子の難関校チャレンジ型

日程受験校の例
2月1日午前駒場東邦、麻布、海城①、早稲田①
2月1日午後農大一中②
2月2日午前本郷②、城北②など
2月2日午後農大一中③
2月3日海城②、早稲田②など
2月4日以降世田谷学園、本郷③など

男子では、2月1日午前に駒場東邦、麻布、海城、早稲田などへ挑戦し、午後に農大一中第2回を受験する組み合わせが考えられます。

農大一中は世田谷区にあり、駒場東邦や世田谷学園など、城南・世田谷方面の男子校とは比較的併願しやすい立地です。

一方、海城や早稲田、本郷などから移動する場合は、午前入試の解散時刻、電車の乗り換え、昼食時間を確認する必要があります。

難関校への挑戦を優先する場合でも、2月2日午後までに農大一中の合格を得られなかったときのために、2月3日以降の学校を必ず準備しておきましょう。

男子の農大一中中心型

日程受験校の例
2月1日午前農大一中①
2月1日午後農大一中②
2月2日午前世田谷学園、本郷、城北などから実力に合う学校
2月2日午後農大一中③
2月3日以降成城、獨協、日本大学豊山などから入学意思のある学校

農大一中を第一志望とする場合は、2月1日午前の第1回から受験することが基本です。

第1回は2027年度から募集定員が約60名へ増えるため、午後入試だけに絞るより、第1回から受験する方が合格機会を確保できます。

第1回と第2回を同日に受験する場合は、午前の結果や手応えを引きずらず、午後入試へ切り替えることが重要です。

女子の難関校チャレンジ型

日程受験校の例
2月1日午前桜蔭、女子学院、鷗友学園女子①など
2月1日午後農大一中②
2月2日午前豊島岡女子学園①、吉祥女子、洗足学園など
2月2日午後農大一中③
2月3日豊島岡女子学園②、鷗友学園女子②など
2月4日豊島岡女子学園③など

女子では、2月1日午前に女子御三家や鷗友学園女子などを受験し、午後に農大一中を組み合わせる方法があります。

農大一中は共学校であるため、女子校を第一志望としながら、共学の進学校も併願したい家庭にとって有力な選択肢です。

ただし、女子の難関校入試は学校ごとに出題傾向が大きく異なります。記述量の多い学校と、農大一中の算数・国語または理科の2科入試を同時に対策する場合は、秋以降の過去問計画を早めに組みましょう。

女子の農大一中中心型

日程受験校の例
2月1日午前農大一中①
2月1日午後農大一中②
2月2日午前田園調布学園、実践女子学園などから実力に合う学校
2月2日午後農大一中③
2月3日以降恵泉女学園、昭和女子大学附属昭和などから入学意思のある学校

女子の場合も、農大一中第1回から受験し、第2回・第3回を組み合わせることで合格機会を増やせます。

女子校を合格確保校として組み込む場合は、女子教育を希望するのか、農大一中のような共学環境を希望するのかを家庭で整理しておくことが大切です。

偏差値だけで選ぶと、進学先が決まった後に校風や教育環境の違いで迷う可能性があります。

共学校を中心とした難関校チャレンジ型

日程受験校の例
2月1日午前渋谷教育学園渋谷①
2月1日午後農大一中②
2月2日午前渋谷教育学園渋谷②など
2月2日午後農大一中③
2月3日慶應義塾中等部、筑波大学附属など
2月5日渋谷教育学園渋谷③など

共学校を中心に考える場合は、渋谷教育学園渋谷や慶應義塾中等部などの難関校と、農大一中を組み合わせる方法があります。

渋谷教育学園渋谷は2027年度も2月1日・2月2日・2月5日に入試を実施し、慶應義塾中等部の一次試験は2月3日に予定されています。

ただし、2月1日と2月2日の両日で午前・午後入試を組むと、非常に厳しい日程になります。模試や過去問演習の段階から、1日に2科目または4科目を二度受験する体力があるかを確認しましょう。

世田谷・城南地区の共学校を組み合わせるパターン

学校農大一中との共通点・違い
東京都市大学等々力世田谷区の共学校。大学連携と進学教育を重視するが、教育プログラムや入試方式は異なる
青稜共学の進学校。品川方面から通いやすく、午後入試を含む複数回入試がある
三田国際科学学園探究・国際教育・科学教育を重視する共学校
日本大学第二大学付属校としての進路と外部大学受験の双方を検討できる共学校
日本工業大学駒場理工系・探究・ものづくりに関心がある生徒が比較しやすい共学校

農大一中の「知耕実学」に魅力を感じる家庭は、東京都市大学等々力、三田国際科学学園、日本工業大学駒場など、探究・科学・大学連携を掲げる共学校も比較しやすいでしょう。

ただし、「探究教育」という同じ言葉を使っていても、学校ごとに授業内容や生徒の活動方法は異なります。

農大一中は、稲作、食品、理科実験、東京農業大学との連携など、実物や本物に触れる体験を重視しています。併願校を選ぶ際には、本人がどのような探究活動へ興味を持つかを確認しましょう。

1月入試で本番経験と合格を確保する

東京・神奈川の受験生は、2月入試へ向けて、1月に埼玉県や千葉県の学校を受験することがあります。

  • 実際の入試会場で緊張感を経験できる
  • 朝の移動や試験までの過ごし方を確認できる
  • 時間配分や持ち物の問題点を見つけられる
  • 合格を得ることで精神的な余裕を持てる
  • 不合格の場合も2月までに対策を修正できる

代表的な候補には、栄東、開智、大宮開成、市川、東邦大学付属東邦などがあります。

ただし、これらの学校も入試回によって難度が高く、受験すれば必ず合格できる学校ではありません。

本番練習だけを目的として通う意思のない学校を多数受験するのではなく、通学可能性や教育内容を確認した上で選びましょう。

2月1日午後入試は移動時間が重要

農大一中第2回は2月1日午後に行われます。午前に別の学校を受験する場合は、試験終了後から農大一中の集合時刻までに、次の行動を完了する必要があります。

  • 午前校から退場する
  • 保護者と合流する
  • 昼食を取る
  • 電車やバスで移動する
  • トイレや持ち物を確認する
  • 午後試験へ気持ちを切り替える

地図上の乗車時間だけで判断せず、受験番号による時差退場、駅までの徒歩、電車の遅延、乗り換え、学校の門から試験会場までの時間を含めて確認しましょう。

秋の学校説明会や模擬試験の機会に、午前校から農大一中まで実際に移動してみると安心です。

2月2日の午前・午後連続受験は慎重に判断

農大一中第3回は2月2日午後です。午前に豊島岡女子学園、本郷、城北、渋谷教育学園渋谷などを受験してから向かう日程も考えられます。

しかし、第3回は算数の配点が150点あり、集中力と正確性が特に求められます。

午前入試で疲れた状態では、普段なら正解できる計算や図形問題で失点する可能性があります。

午前入試を組みやすいケース午前を休養にしたいケース
体力があり、午前・午後入試の経験がある長時間の試験後に集中力が大きく落ちる
午前校から農大一中まで余裕を持って移動できる移動時間が長く、乗り換えも多い
農大一中の過去問で合格点を安定して超えている第3回の算数で時間不足になりやすい
午前校にも進学意思がある受験数を増やすことだけが目的になっている

第4回廃止後は2月3日以降の学校が重要

2027年度から農大一中の2月4日入試がなくなるため、2月2日午後までに合格できなかった場合、農大一中へ再挑戦する機会はありません。

そのため、2月3日以降にも、本人が実際に進学してよいと思える学校を準備する必要があります。

日程代表的な候補
2月3日海城②、早稲田②、鷗友学園女子②、豊島岡女子学園②、慶應義塾中等部など
2月4日世田谷学園、豊島岡女子学園③、複数回入試を行う共学校・女子校など
2月5日本郷③、渋谷教育学園渋谷③など

後半入試は募集人数が少なくなったり、第一志望校で合格を得られなかった受験生が集まったりするため、見かけの偏差値以上に厳しくなることがあります。

2月3日以降の学校を「最後なら簡単に受かる学校」と考えず、過去問を含めて十分に準備しましょう。

算数・理科型と算数・国語型で併願校を変える

農大一中第2回・第3回では、算数に理科または国語を組み合わせます。

選択方式併願校選びの考え方
算数・理科算数1科入試、理数型入試、科学的思考力を問う学校と対策を共有しやすい
算数・国語一般的な2科入試を実施する共学校・女子校と対策を共有しやすい

理科を選択する場合は、物理・化学・生物・地学の基本知識だけでなく、実験結果やグラフを読み取る問題へ対応する必要があります。

国語を選択する場合は、長文を時間内に読み、選択問題と記述問題で安定して得点する力が必要です。

本人の得意科目に合う入試方式を持つ学校を組み合わせると、受験直前の対策を分散させずに済みます。

合格発表と入学手続期限も確認する

併願日程を組む際には、試験日だけでなく、合格発表と入学手続の期限を確認しましょう。

  • 農大一中の合格発表前に他校の手続期限が来ないか
  • 入学金の延納制度があるか
  • 一度納入した入学金が返還されるか
  • 制服採寸や入学者説明会の日程が重ならないか
  • 第一志望校の発表まで入学資格を保持できるか

複数校へ合格した場合、進学しない学校にも入学金を納めなければならないことがあります。

受験料だけでなく、入学資格を確保するために必要な費用まで含めて、事前に確認しておきましょう。

併願校でも「入学したい」と思えることが重要

安全校は、不合格を避けるためだけに受験する学校ではありません。第一志望校が不合格だった場合に、実際に6年間通う可能性がある学校です。

次の項目を確認し、合格したら前向きに進学できる学校を選びましょう。

  • 教育方針や校風に共感できるか
  • 本人が興味を持つ授業・探究活動があるか
  • 希望するクラブ活動へ参加できるか
  • 大学進学方針が家庭の希望と合うか
  • 共学・男子校・女子校の環境が本人に合うか
  • 6年間無理なく通学できるか
  • 学費や宿泊行事費を継続して負担できるか

偏差値が農大一中より低いという理由だけで学校を選ぶのではなく、文化祭、説明会、授業見学などへ参加し、本人との相性を確認することが大切です。

併願校を決めるための最終チェック

確認項目判断する内容
第一志望順位農大一中とチャレンジ校のどちらを優先するか
過去問得点各入試回で合格最低点を安定して超えられるか
科目相性4科、算数・理科、算数・国語のどれが合うか
体力午前・午後入試や連日の受験へ対応できるか
移動午前校から農大一中まで余裕を持って移動できるか
合格確保2月2日まで、または1月中に合格を得られる計画か
後半日程農大一中不合格時の2月3日以降の学校があるか
進学意思併願校へ合格した場合に前向きに進学できるか

第1回から受験し、2月3日以降の進路も確保する

東京農業大学第一高等学校中等部の2027年度入試では、2月4日の第4回が廃止され、2月1日午前・午後と2月2日午後の3回入試となります。

農大一中を第一志望とする場合は、募集定員が増える第1回から受験し、第2回・第3回も本人の体力や得意科目に応じて組み合わせる方法が基本です。

難関校へ挑戦する場合は、2月1日または2月2日の午前に男子校・女子校・共学校を受験し、午後に農大一中を受験できます。ただし、連続受験によって算数の集中力を失わないよう、無理のない日程にする必要があります。

チャレンジ校だけでなく、1月または2月前半に合格を確保できる学校と、農大一中の受験終了後となる2月3日以降の学校を準備することが、2027年度の併願計画では特に重要です。

最終的には、偏差値表だけで決めるのではなく、模試の合格可能性、過去問得点、入試科目、移動時間、校風、進学意思を一つずつ確認し、本人が安心して実力を発揮できる受験日程を組みましょう。

在校生・保護者の声|体験重視の授業と活気ある学校生活への評価

東京農業大学第一高等学校中等部の在校生からは、稲作、食品加工、科学実験、課題研究、宿泊研修など、実際に見て、触れて、考える学習が印象に残っているという声が多く紹介されています。

農大一中では、教室で知識を学ぶだけでなく、自分で作業し、観察し、結果をまとめるところまでが学習です。そのため、体験そのものの楽しさに加え、普段は意識していなかった仕事や社会の仕組みに気づけることが、生徒の成長につながっています。

保護者にとっては、東京農業大学と連携した実学教育、完全中高一貫の学習環境、難関大学への進学実績、多彩なクラブ活動などが魅力です。

一方、週36時間の授業、実験レポート、課題研究、宿泊行事、クラブ活動などへ継続して取り組む必要があり、決して負担の軽い学校ではありません。学校の教育環境を十分に生かすには、本人の積極性と時間管理が求められます。

稲作を通して食への見方が変わる

学校案内で紹介されている在校生の声では、中学1年で行う田植え、除草、稲刈りを通して、農作業の大変さと、米を育てる人への感謝を感じたことが語られています。

普段は店頭で完成した食品を見るだけですが、自分で水田へ入り、苗を植え、雑草を取り、成長した稲を収穫することで、一杯のご飯が食卓へ届くまでに多くの作業が必要なことを実感できます。

  • 農作業には想像以上の体力が必要だと気づく
  • 作物が思いどおりに育つとは限らないことを知る
  • 天候、水、土、生き物の関係を考える
  • 生産者や食べ物への感謝が生まれる
  • 自分で最後までやり切る達成感を得る

こうした気づきは、教科書で農業の仕組みを覚えるだけでは得にくいものです。身体を使った体験が、理科、社会、家庭科、環境問題などの学びへつながっていきます。

食品加工の繊細さを実感する味噌づくり

味噌づくりを経験した生徒からは、普段何気なく購入している食品が、衛生や温度、原料、微生物の状態などを細かく管理しながら作られていることを知ったという声が紹介されています。

味噌づくりでは、大豆、麹、塩などの材料を扱い、発酵による変化を観察します。正しい手順で作業するだけでなく、雑菌が入らないよう衛生面にも注意しなければなりません。

食品加工を自分で経験することによって、完成した商品だけでは見えない生産工程や、安全な食品を作る難しさを学べます。

体験前の見方体験後に気づきやすいこと
味噌は店で購入する身近な調味料原料、発酵、時間、衛生管理によって作られている
食品は完成した状態で存在している多くの人の技術と細かな管理が必要である
微生物は教科書で学ぶもの発酵食品や生活を支える身近な存在である

体験から社会や将来への関心が広がる

農大一中の「知耕実学」は、農業や理科だけに限られた教育ではありません。

学校案内では、以前から政治経済に興味を持っていた生徒が、課題研究を通して食品価格の変化を調べ、日本経済の状況や将来について考えた事例も紹介されています。

資料を読むだけでなく、企業へのインタビューや複数の情報源の比較などを行うことで、ニュースで見聞きしていた問題を、自分自身の研究テーマとして掘り下げています。

  • 身近な疑問を研究テーマへ変える
  • 資料や統計を集める
  • 異なる情報を比較する
  • 専門家や企業へ取材する
  • 調査結果から自分の考えを組み立てる
  • 発表後の質問から新しい課題を見つける

理系・文系を問わず、興味のあることを深く調べたい生徒にとって、学びを広げやすい環境です。

自然体験で教室の知識が具体的になる

北海道自然体験研修に参加した生徒からは、熊の生息地を訪れたことや、現地の自然環境を観察したことが印象に残ったという声が紹介されています。

自然環境について本や映像で学ぶだけでなく、実際にその土地へ行き、気候、植物、生き物、人々の生活を自分の目で確かめることで、知識が具体的な経験へ変わります。

熊の生態や人間との関係を学ぶ場合も、「危険な動物」という一面的な見方にとどまりません。生息環境の変化や人間の活動が生態系へ与える影響など、複数の視点から考えるきっかけになります。

楽しいだけではなく大変さも含めて学ぶ

在校生の声から伝わるのは、農大一中の体験学習が、楽しい部分だけを用意したイベントではないことです。

農作業では暑さや疲れを感じ、食品加工では衛生管理へ注意し、実験では予想どおりの結果が出ないこともあります。課題研究では、必要な情報が見つからず、研究方法を変更する場合もあります。

簡単ではない活動を最後まで進める中で、次のような力が育ちます。

  • 失敗した理由を考える力
  • 方法を変えて再挑戦する力
  • 地道な作業を継続する力
  • 仲間と役割を分担する力
  • 期限までに成果をまとめる力

「実学」は、珍しい体験を楽しむことだけではありません。思いどおりにならない場面も含めて、自分で考え、行動する教育です。

宿泊研修が友達づくりのきっかけになる

中学1年では、入学後の早い時期に富士五湖方面で宿泊研修を行います。新しいクラスで友達ができるか不安を感じる生徒にとって、宿泊行事は関係を広げるきっかけになります。

教室の席が近い友達だけでなく、班行動、食事、体験活動などを通して、普段は話す機会の少ない生徒とも関われます。

  • 班で役割を分担する
  • 時間を守って行動する
  • 友達の意外な得意分野を知る
  • 困っている仲間を助ける
  • 自分の身の回りのことを管理する

ただし、集団での宿泊や長時間の班行動が苦手な子にとっては、最初は疲れを感じる可能性があります。家庭では、持ち物を本人と確認しながらも、できる範囲で自分で準備させることが自立への一歩になります。

桜花祭は学校の活気を感じられる行事

桜花祭では、クラス、文化部、有志団体などが展示、研究発表、演奏、舞台企画へ取り組みます。

生徒にとっては、普段の授業やクラブ活動で積み重ねた成果を、多くの来場者へ見てもらえる機会です。文化部では、研究内容や制作物について、生徒自身が来場者へ説明します。

企画の準備では、意見がまとまらないことや、予定どおり作業が進まないこともあります。その中で、得意なことの異なる仲間が役割を分担し、一つの企画を完成させます。

学校説明会だけでは分かりにくい生徒の雰囲気を知るためにも、桜花祭は重要な見学機会です。

共学らしい多様な人間関係

農大一中は男女共学校です。授業、行事、委員会、クラブ活動などで、男女が日常的に協力します。

探究活動や学校行事では、生徒によって興味、得意分野、物事の捉え方が異なります。自分とは異なる意見に触れ、話し合いながら一つの結論へ近づく経験は、大学や社会へ進んだ後にも役立ちます。

共学環境で経験しやすいこと育ちやすい力
性格や考え方の異なる仲間と活動する相手を尊重する姿勢
班や委員会で役割を決める調整力・協調性
自分の意見を相手へ伝える表現力・対話力
異なる意見を取り入れる柔軟な思考力

男子校・女子校とは異なる共学の日常が、本人の性格に合うかを学校見学で確認しましょう。

クラブ活動でクラス以外の居場所を見つけやすい

中等部生の9割以上がクラブ活動へ加入しています。運動部だけでなく、生物、物理、化学、模擬国連、クイズ、鉄道、将棋・囲碁、特撮技術など、興味に応じた多様な活動があります。

クラスで同じ趣味を持つ友達が見つからなくても、クラブ活動を通して学年を超えた仲間と出会える可能性があります。

中高合同のクラブでは、先輩から活動方法や学校生活について教えてもらえます。学年が上がると、今度は後輩を支える立場となり、責任感やリーダーシップも育ちます。

一方、活動日数や大会への参加状況はクラブによって異なります。勉強との両立、帰宅時刻、費用まで含めて入部前に確認する必要があります。

理系だけでなく文系の生徒も学びやすい

学校名に「東京農業大学」とあるため、理科が得意でなければ授業についていけないのではないかと心配する家庭もあるでしょう。

しかし、卒業後の進路は文系と理系がほぼ同程度で、国語、社会、英語、芸術、国際理解などの学びも重視されています。

農大一中の実学教育は、理科実験だけを意味するものではありません。

  • 歴史的な場所を実際に訪れる
  • 社会問題について資料や統計を調べる
  • 文学や伝統芸能に触れる
  • 英語でスピーチや交流を行う
  • 音楽、美術、技術で作品を制作する

大切なのは、入学時点で理科が得意かどうかよりも、さまざまな活動へ前向きに参加し、知らなかったことを学ぼうとする姿勢です。

主要教科の学習量は少なくない

体験行事が目立つ学校ですが、日常の学習は軽くありません。中等部は週36時間授業で、英語は週6時間、数学は週5~6時間、国語は週5~6時間設けられています。

英語では「NEW TREASURE」を使用し、単語、文法、読解、英会話などを学びます。数学も高校の学習へつながる基礎を早い段階から積み重ねます。

  • 授業前の予習
  • 授業後の復習
  • 単語・漢字・計算などの小テスト
  • 問題集やプリントの課題
  • 実験後のレポート
  • 定期考査の準備

授業へ出席するだけで理解が完成するわけではありません。小学校時代に家庭や塾が予定を全て管理していた子は、中学校入学後に自分で学習を進める練習が必要です。

実験レポートや課題研究には丁寧さが必要

実験や探究活動が好きな子でも、記録やレポート作成を負担に感じる場合があります。

実験では、器具を使って結果を見るだけでなく、目的、方法、結果、考察を文章へまとめなければなりません。課題研究では、長期間にわたって情報を集め、発表資料を作成します。

楽しさを感じやすい部分努力が必要な部分
実際に実験や観察をする結果を正確に記録する
作物や食品へ触れる期限までにレポートを仕上げる
好きなテーマを研究する根拠となる資料を探して比較する
発表で成果を伝える聞き手に伝わる構成を考える

体験だけを楽しみたい子よりも、経験したことを自分の言葉で整理し、最後まで形にしたい子が学校の教育を生かしやすいでしょう。

夏期講習で復習と発展学習へ取り組める

夏休みには複数の期間に分けて講習が行われます。中等部では、英語、数学、国語の復習や補習、検定対策などが中心です。

学習内容を理解できなかった場合に、長期休暇を使って復習できることは、保護者にとって安心材料となります。

一方、夏休みが全て自由になるわけではありません。講習、クラブ活動、宿題、希望者向け研修などが重なる場合があるため、家庭の予定を早めに確認する必要があります。

教員・カウンセラーへ相談できる体制

学校生活では、友人関係や学習面で悩みが生じることもあります。

農大一中では、担任だけでなく、教育カウンセラーの資格を持つ教員や学校カウンセラーが連携し、生徒や保護者から話を聞きながら対応する方針です。

  • 学習について担任や教科担当へ相談する
  • 友人関係の変化を早めに学校へ共有する
  • 本人が話しにくい場合は保護者から相談する
  • 必要に応じて学校カウンセラーを利用する
  • 担任だけで抱えず、複数の立場で対応を考える

どの学校でも人間関係の問題が全く起こらないとは限りません。重要なのは、問題を早く把握し、本人・家庭・学校が情報を共有しながら対応できるかです。

災害時の連絡体制も保護者の安心材料

災害などが発生した場合には、保護者が登録した携帯メールアドレスへの配信と、学校ホームページでの情報発信を行います。

農大一中には、徒歩、自転車、電車、バスなど、さまざまな方法で通学する生徒がいます。災害時にどこで待機するのか、交通機関が止まった場合にどう行動するのかを、家庭でも確認しておきましょう。

保護者が評価しやすいポイント

評価されやすい点主な内容
体験重視の教育稲作、食品加工、科学実験、宿泊研修などで本物に触れられる
東京農業大学との連携大学の研究設備や専門性を中高教育へ活用できる
完全中高一貫教育高校受験を挟まず、6年間を見通して学習と探究を深められる
進路選択の幅難関大学への外部受験と併設大学への推薦を検討できる
多彩なクラブ活動運動・科学・文化・国際分野から興味に合う活動を選べる
新しい学習施設自習、実験、話し合い、発表に対応する知耕実学棟を整備
相談体制担任、教育カウンセラー、学校カウンセラーが連携する

入学前に確認しておきたい点

確認項目家庭で考えたいこと
学習量週36時間の授業と家庭学習を継続できるか
レポート・提出物実験や体験後の記録を丁寧に仕上げられるか
宿泊行事集団生活や海外研修へ前向きに参加できるか
費用旅行、ICT端末、クラブ活動を含めて6年間負担できるか
昼食給食がなく、弁当またはデイリーショップ利用となる
通学駅からの徒歩やバスを含めて無理なく通えるか
本人の積極性体験、行事、クラブへ自分から関わろうとするか

学校の環境は自分から利用する姿勢が必要

農大一中には、東京農業大学との連携、数多くの科学実験、一中一高ゼミ、海外研修、クラブ活動、自習環境など、多くの機会があります。

しかし、全ての生徒が同じ活動へ強制的に参加するわけではありません。希望制の講座や研修もあるため、本人が興味を持ち、自分から申し込むことが必要です。

学校から与えられる課題だけをこなすのではなく、「もっと知りたい」「この活動をしてみたい」と行動できる子ほど、農大一中の環境を生かしやすいでしょう。

口コミだけでなく生徒の実際の様子を確認する

学校への評価は、生徒の性格、所属するクラスやクラブ、通学時間、学習状況によって異なります。

同じ体験学習でも、さまざまな場所へ行けることを楽しいと感じる子もいれば、移動やレポートを負担に感じる子もいます。活気ある学校行事を魅力に感じる子もいれば、落ち着いた日常を好む子もいるでしょう。

インターネット上の口コミだけで判断せず、次の機会を利用して本人との相性を確認することが大切です。

  • 学校説明会
  • 公開授業
  • 桜花祭
  • クラブ体験・クラブ見学
  • 入試対策説明会
  • 個別相談

説明会で紹介される教育内容だけでなく、在校生の表情、教員との距離感、休み時間の過ごし方、クラブの先輩と後輩の関係などにも注目しましょう。

体験を学びへ変えられることが最大の魅力

東京農業大学第一高等学校中等部の在校生の声からは、稲作や食品加工、自然体験、課題研究を通して、それまで気づかなかった社会や仕事の仕組みへ関心が広がっていることが伝わります。

実際に手を動かすことで、生産者への感謝を持ち、食品管理の繊細さを知り、自然と人間の関係を考え、自分の興味を研究へ発展させています。

保護者にとっては、体験教育、進学指導、大学連携、クラブ活動、相談体制などが安心材料です。一方、学習、レポート、行事、クラブ活動を両立するには、本人が予定を管理し、最後までやり切る姿勢が欠かせません。

教科書で学んだことを実際に確かめ、体験から生まれた疑問を更に深く調べたい子にとって、多くの発見と成長を得られる学校といえるでしょう。

この学校に向いている子の特徴|自然や科学への好奇心を行動へつなげられる子

東京農業大学第一高等学校中等部に向いているのは、教科書の知識を覚えるだけでなく、実際に見たり、触れたり、試したりしながら理解を深めたい子です。

農大一中では、稲作、食品加工、科学実験、自然体験、歴史探訪、課題研究などを通して、体験から生まれた疑問を次の学びへつなげます。

学校が求めるのは、入学時点で科学や農業に関する専門知識を持っている子ではありません。基礎・基本を大切にしながら、さまざまな物事へ関心を持ち、自分から挑戦して可能性を広げようとする姿勢が重視されています。

「なぜだろう」と考え、実際に確かめ、失敗しても方法を変えながら最後まで取り組める子は、農大一中の「知耕実学」を十分に生かしやすいでしょう。

自然や科学の「なぜ」に興味を持てる子

農大一中では、中高6年間で数多くの科学実験へ取り組みます。中学1年の稲作、中学2年のお米の科学、中学3年の味噌づくりなど、自然、食、生命、環境に関する体験も豊富です。

そのため、次のような疑問を持つ子に向いています。

  • 植物はどのような条件で成長するのか
  • 食品はなぜ発酵するのか
  • 同じ実験でも結果が異なるのはなぜか
  • 自然環境と人間の暮らしはどのようにつながっているのか
  • 普段食べているものはどのように作られているのか
  • 身近な現象を科学的に説明できないか

理科の成績が高いことだけが条件ではありません。目の前で起きた現象を面白いと感じ、自分なりに理由を考えられることが大切です。

実験や観察を通して理科への関心が高まり、中学校入学後に得意科目へ変わる可能性もあります。

実際に手を動かして学びたい子

農大一中の実学教育では、説明を聞くだけでなく、生徒自身が作業します。

  • 水田へ入って苗を植える
  • 稲の成長を観察して記録する
  • 実験器具を操作して数値を測定する
  • 食品加工を通して発酵や衛生管理を学ぶ
  • 材料や道具を使って作品を制作する
  • 現地を訪れて自然、歴史、文化を確かめる

座学だけでなく、身体や五感を使って学ぶことが好きな子にとって、授業内容を具体的に理解しやすい環境です。

一方、農作業では土や水に触れ、自然体験では天候の影響を受けます。実験や食品加工では、安全や衛生に注意しながら細かな作業を行います。

華やかな体験だけでなく、準備、片付け、記録といった地道な作業にも取り組めることが大切です。

体験したことを文章や発表へまとめられる子

農大一中の体験学習は、参加して終わるものではありません。

実験後には結果を整理してレポートを書き、課題研究では資料を集め、考察し、発表へまとめます。

学習活動求められる取り組み
科学実験目的、方法、結果、考察を記録する
農業体験作物の変化や気づいたことを振り返る
校外学習訪問前に調べ、現地で観察し、帰校後にまとめる
課題研究テーマ設定、情報収集、分析、発表まで進める
英語活動自分の考えをスピーチや会話で伝える

実験や旅行だけを楽しみたい子よりも、体験から分かったことを自分の言葉で説明したい子に向いています。

入学時点で文章を書くことが得意でなくても、記録、レポート、発表を重ねながら、考えを整理して伝える力を伸ばせます。

基礎学習を毎日積み重ねられる子

農大一中では体験教育が目立ちますが、難関大学進学を目指す教科学習も重視されています。

中等部は週36時間授業で、英語、数学、国語には多くの授業時間が設けられています。授業の進度へ対応するには、日々の予習・復習が必要です。

  • 英単語や漢字を繰り返し覚える
  • 計算や基本問題を正確に解く
  • 授業で分からなかった部分を復習する
  • 小テストの間違いを解き直す
  • 提出物を期限までに仕上げる
  • 定期考査へ早めに準備する

知的好奇心が強くても、基本的な学習を軽視すると、高校内容や大学受験へつながりません。

学校が求める「基礎・基本を大切にする姿勢」とは、簡単な内容だけを学ぶという意味ではなく、発展的な学習を支える土台を丁寧に固めることです。

失敗しても原因を考えて再挑戦できる子

実験、農作業、課題研究、クラブ活動では、最初から思いどおりの結果が得られるとは限りません。

うまくいかなかった場面次につなげる行動
実験結果が予想と異なった条件、器具、測定方法、仮説を見直す
作物が期待どおりに育たなかった天候、水、土、管理方法などの影響を考える
課題研究の資料が集まらなかったテーマや調査方法を修正する
定期考査の点数が伸びなかった学習時間と勉強方法を振り返る
行事の準備が予定どおり進まなかった役割分担や作業計画を組み直す

結果が悪かったことだけで諦めるのではなく、「なぜうまくいかなかったのか」を考えられる子は、実学教育を通して大きく成長できます。

農大一中が育てようとしているのも、逆境や失敗を避ける人ではなく、試行錯誤しながら乗り越えようとする人です。

自分から挑戦して可能性を広げたい子

農大一中には、通常授業以外にも、一中一高ゼミ、科学コンテスト、英語スピーチ、海外研修、クラブ活動、委員会活動など、多くの挑戦機会があります。

ただし、希望者が参加する活動も多く、待っていれば全ての機会を学校から与えられるわけではありません。

  • 興味のあるゼミへ自分から申し込む
  • 科学や数学のコンテストへ挑戦する
  • 文化祭の実行委員を引き受ける
  • 研究成果を校外の発表会へ応募する
  • 海外研修や留学へ参加する
  • 分からない問題を教員へ質問する

初めての活動へ不安を感じても、「やってみたい」という気持ちを行動へ移せる子に向いています。

現在は消極的な子でも、中学校生活を通して少しずつ行動できるようになりたいという意欲があれば、成長の機会を見つけられるでしょう。

仲間と協力しながら一つのものをつくりたい子

知耕実学棟の新しい学習環境や学校の教育方針では、生徒同士が学び合う「共創」が重視されています。

科学実験、学校行事、クラブ活動、課題研究などでは、自分一人の考えだけでなく、仲間の意見を聞きながら活動します。

  • 班で実験方法や役割を相談する
  • 文化祭の企画をクラスでつくる
  • 宿泊研修で時間や仕事を分担する
  • クラブ活動で先輩・後輩と協力する
  • 研究発表で互いに質問や助言を行う

自分の意見を持つことと、相手の意見を尊重することの両方が必要です。

周囲に合わせるだけでも、自分の考えを押し通すだけでもなく、目的に向けて話し合える子が学校生活を充実させやすいでしょう。

多様な個性を受け入れられる子

農大一中は男女共学校で、興味、性格、得意教科、将来の希望が異なる生徒が集まります。

理科実験が好きな子、スポーツへ熱中する子、音楽や美術が好きな子、国際問題を研究したい子など、関心の方向はさまざまです。

学校のアドミッションポリシーでも、多様性を尊重し、協調性と独立心を持って行動できる生徒が求められています。

自分と異なる考え方をすぐに否定せず、「なぜ相手はそう考えるのか」と聞ける子は、共学・共創の環境を生かしやすいでしょう。

共学校で自然体の人間関係を築きたい子

農大一中では、男女が授業、学校行事、委員会、クラブ活動などで協力します。

異なる考え方や得意分野を持つ相手と日常的に関わる中で、相手を尊重しながら自分の意見を伝える力を育てます。

男子校・女子校よりも、男女が共に過ごす環境を希望する子に向いています。

ただし、共学であることだけで学校を選ぶのではなく、実際の授業や休み時間、行事での生徒同士の距離感が本人に合うかを確認しましょう。

大人しい子でも知的好奇心があれば活躍できる

農大一中に向いているのは、誰とでもすぐに話せる活発な子だけではありません。

一人で本を読んだり、実験や観察を続けたり、特定のテーマを深く調べたりすることが好きな子にも、活躍の場があります。

生徒のタイプ興味を生かしやすい活動
一人で集中することが好き個人研究、読書、自習、作品制作
生き物が好き稲作、科学実験、生物部、自然体験
ものづくりが好き技術、美術、物理部、特撮技術研究
社会問題を調べたい課題研究、模擬国連、社会科の探究活動
人前で表現したい英語スピーチ、文化祭、演劇、研究発表

大切なのは、目立つことではなく、自分の興味を持ち、必要な場面では仲間や教員と関われることです。

クラブ活動と勉強の両方へ取り組みたい子

中等部生の9割以上がクラブ活動へ加入しています。

運動部だけでなく、生物、物理、化学、模擬国連、クイズ、鉄道、将棋・囲碁、音楽、美術など、多彩な活動があります。

クラブ活動では、競技や研究の技術に加え、時間管理、礼儀、責任感、先輩・後輩との関わりを学びます。

一方、クラブ活動を理由に宿題や小テストの準備を後回しにすることはできません。

  • クラブのない日に課題を進める
  • 大会や文化祭前の忙しさを予測する
  • 帰宅後の学習時間を確保する
  • 疲れている日も最低限の復習を行う
  • 睡眠や食事を含めて生活を整える

好きな活動へ夢中になりながら、日々の学習も継続したい子に向いています。

自分で予定を管理できるようになりたい子

農大一中では、授業、宿題、小テスト、定期考査、実験レポート、クラブ活動、宿泊研修など、複数の予定が並行して進みます。

入学時から完璧に自己管理できる必要はありませんが、忘れ物や計画の失敗を振り返り、少しずつ改善する姿勢が求められます。

必要となる力学校生活での具体例
計画力提出期限や試験日から逆算して取り組む
優先順位を決める力行事やクラブが忙しい時期の課題を整理する
相談する力分からない問題や研究方法を教員へ質問する
振り返る力試験や活動後に改善点を考える
健康管理睡眠、食事、通学、活動量を整える

保護者に指示されなければ全く動かない状態から、自分の予定を自分で管理できるようになりたい子にとって、成長の機会が多い学校です。

大学名より「何を学びたいか」を考えたい子

農大一中・一高は、東京農業大学への進学制度を持ちながら、多くの生徒が国公立大学や難関私立大学へ進学する進学校です。

内部進学だけを前提とする学校ではなく、生徒が自分の興味や将来像に合う大学・学部を選ぶことを重視しています。

  • 生命科学や農学を学びたい
  • 理工・情報・建築分野へ進みたい
  • 医学・薬学・獣医学に興味がある
  • 法学・経済・社会について学びたい
  • 文学・教育・国際分野を目指したい

体験や課題研究を通して興味を見つけ、「偏差値が高い大学」だけでなく、「大学で何を研究したいか」を考えたい子に向いています。

大学併設校の環境を生かしながら外部大学へ挑戦したい子

東京農業大学との連携では、大学教授の講義、研究設備を使った実験、大学の施設利用など、専門的な学びへ触れられます。

東京農業大学を志望する生徒にとっては、大学で学べる内容を早い段階から知れることが魅力です。

一方、外部大学を志望する生徒にとっても、大学の研究環境へ触れることは学部選びや志望理由を考える材料になります。

「大学付属校へ入り、大学受験をせずに過ごしたい」という子よりも、大学併設校の環境を活用しながら、自分に合う進路へ挑戦したい子に適しています。

国際交流や異文化へ関心がある子

農大一中では、英会話、英語スピーチ、海外修学旅行、希望者向け海外研修などを通して、英語と異文化理解を学びます。

英語の試験で高得点を取ることだけでなく、知っている表現を使って相手へ意思を伝えようとする姿勢が大切です。

  • 海外の生活や文化を体験したい
  • 英語を実際の交流で使いたい
  • 異なる宗教や価値観を知りたい
  • 日本と海外の共通点や違いを考えたい
  • 将来は海外大学や国際的な仕事も検討したい

間違いを恐れず、自分からコミュニケーションを取ろうとする子は、国際教育の機会を生かしやすいでしょう。

校外学習や宿泊研修へ前向きに参加できる子

農大一中では、中学1年の宿泊研修や自然体験、中学2年の歴史探訪、中学3年の海外修学旅行など、校外へ出て学ぶ機会が多くあります。

宿泊行事では、家庭を離れて生活し、時間、持ち物、体調を自分で管理します。

  • 決められた時間を守る
  • 班の仲間と役割を分担する
  • 自分の荷物を管理する
  • 体調が悪いときに周囲へ伝える
  • 初めての場所でも落ち着いて行動する

入学時点で宿泊行事に慣れている必要はありませんが、家庭以外の環境でも自分で行動できるようになりたい子に向いています。

家庭が体験と失敗を見守れることも大切

農大一中の教育を生かすには、家庭の関わり方も重要です。

課題、持ち物、研究内容を保護者が全て決めてしまうと、生徒自身が考え、失敗から学ぶ機会が少なくなります。

反対に、完全に任せきりにすると、学習の遅れや生活の乱れに気づくのが遅れる可能性があります。

  • 本人が考える前に答えを与え過ぎない
  • 結果だけでなく、取り組んだ過程を見る
  • 失敗したときに改善方法を一緒に考える
  • 睡眠、食事、通学など生活面を支える
  • 学校との連絡や面談を適切に活用する
  • 本人の興味や進路希望を尊重する

本人の自主性を少しずつ育てながら、必要な場面では支えられる家庭と相性がよいでしょう。

入学前に慎重に相性を確認したい子

次のような場合は、農大一中の教育や学校生活が本人に合うか、慎重に確認する必要があります。

  • 実験、農業、校外学習などへほとんど興味を持てない
  • 体験後のレポートや記録へ取り組みたくない
  • 毎日の予習・復習や小テストを避けたい
  • 班活動や学校行事へできるだけ参加したくない
  • 失敗したときに方法を変えて再挑戦することが難しい
  • 大学付属校へ入り、外部大学受験を考えずに過ごしたい
  • 宿泊研修や海外修学旅行に強い負担を感じる
  • 通学時間によって睡眠や家庭学習を確保できない
  • 研修、ICT端末、クラブ活動を含む費用が家計の負担になる

一つ当てはまるだけで、入学に向いていないと決まるわけではありません。

例えば、現在は人前で話すことが苦手でも、実験や研究が好きであれば、自分の得意分野から学校生活へ参加できます。また、自己管理が苦手でも、改善しようとする気持ちがあれば、中高6年間で成長できます。

現在できるかどうかだけでなく、本人が学校生活を通してどのようになりたいかを考えることが大切です。

農大一中との相性チェック

次の項目に多く当てはまる場合は、農大一中との相性がよい可能性があります。

  • 自然、科学、食、生命、環境に興味がある
  • 教科書だけでなく、本物や実物に触れて学びたい
  • 実験や観察、ものづくりが好き
  • 身近な疑問を自分で調べたい
  • 体験したことをレポートや発表へまとめたい
  • 基礎学習を毎日積み重ねられる
  • 失敗しても原因を考えて再挑戦したい
  • 学校行事やクラブ活動へ積極的に参加したい
  • 異なる個性を持つ仲間と協力したい
  • 共学校でのびのび学びたい
  • 大学連携の環境を活用したい
  • 外部の難関大学を含めて進路を考えたい
  • 英語や海外の文化にも関心がある
  • 自分で予定を管理できるようになりたい

好奇心を「考動」へつなげたい子に向く学校

東京農業大学第一高等学校中等部に向いているのは、理科が得意な子や農業に詳しい子だけではありません。

身近な出来事へ疑問を持ち、実際に見て、触れて、確かめたい子、自分の興味を研究や発表へ発展させたい子に適しています。

学校生活では、体験の楽しさだけでなく、日々の基礎学習、実験レポート、課題研究、行事準備などの地道な努力も必要です。

好奇心を持つだけで終わらせず、自分で考え、仲間と協力し、具体的な行動へ移せるようになりたい子にとって、農大一中は多くの挑戦と成長の機会を得られる学校といえるでしょう。

学校説明会や桜花祭では、施設や大学進学実績だけでなく、実験や体験学習の内容、生徒の発表、教員とのやり取りを確認してください。受験生本人が「この学校で実際にやってみたいことがある」と感じられるかが、学校選びの重要な判断材料となります。

まとめ|実学教育と難関大学進学を両立する世田谷の人気共学校

東京農業大学第一高等学校中等部は、学校独自の教育理念である「知耕実学」のもと、教室で学ぶ知識と、実験・観察・農業体験・課題研究などの実体験を結びつける完全中高一貫の共学校です。

東京農業大学の併設校という名称から、農学系への内部進学を中心とする学校を想像する人もいるかもしれません。しかし、実際には国公立大学、早慶上理、GMARCH、医学部、理工系学部などへの外部大学受験を重視する進学校です。

大学の研究設備や専門性を中高段階から活用できる環境を持ちながら、生徒一人ひとりが自分の興味や適性に合った大学・学部を目指せることが、農大一中の大きな魅力です。

農大一中の主な特徴

項目主な特徴
学校形態男女共学の完全中高一貫校
教育理念知識と体験を結びつける「知耕実学」
学習英語・数学・国語を中心に週36時間の授業を実施
理科教育中高6年間で80以上の実験に取り組む
探究活動稲作、お米の科学、味噌づくり、課題研究など
大学連携東京農業大学の教授・研究設備・施設を教育へ活用
進路外部大学受験が中心で、併設大学への推薦制度も利用可能
学校生活桜花祭、スポーツ大会、合唱、宿泊・海外研修が充実
クラブ活動運動部・文化部・同好会が多く、中等部生の9割以上が加入
施設知耕実学棟、ラーニングコモンズ、自習室、理科実験室などを整備
入試2027年度から2月1日午前・午後、2月2日午後の3回入試

最大の魅力は知識と体験を往復する「知耕実学」

農大一中の教育を最もよく表しているのが、「知耕実学」です。

教科書や授業で知識を得るだけでなく、実物や本物へ触れ、自分で疑問を見つけ、実験や調査によって確かめます。その結果を分析し、レポートや発表として他者へ伝えるところまでを一つの学びとして捉えています。

  1. 授業で知識を学ぶ
  2. 実験や体験を通して確かめる
  3. 疑問や課題を見つける
  4. 自分で仮説や方法を考える
  5. 結果を記録・分析する
  6. 文章や発表として表現する

知識を一方的に教わるだけでなく、自分で考え、行動し、失敗を振り返る経験を重ねることで、大学や社会でも必要となる探究力、論理的思考力、表現力を育てます。

稲作から大学レベルの研究へ学びがつながる

中学1年では、田植え、除草、観察、稲刈りを通して米づくりを経験します。

中学2年では、自分たちが育てた米を題材とする「お米の科学」に取り組み、東京農業大学の研究設備を利用しながら、米の成分や性質を科学的に分析します。

中学3年では味噌づくりや課題研究を行い、食品、微生物、発酵、社会問題などへ興味を広げます。

学年代表的な実学教育
中学1年稲作、自然体験、基礎的な実験・観察
中学2年お米の科学、歴史探訪、発展的な実験
中学3年味噌づくり、課題研究、海外修学旅行

一度限りの体験で終わらず、学年を越えて学びが発展することが特徴です。

実学教育と難関大学進学を両立

体験型の授業や学校行事が充実している一方で、主要教科の学習にも力を入れています。

中等部は全学年週36時間授業で、英語は週6時間、数学は週5~6時間、国語は週5~6時間です。高校では文系・理系へ分かれ、志望大学の入試科目に応じた演習へ進みます。

2026年入試では、東京大学を含む国公立大学をはじめ、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、GMARCHなどへ多数の合格者を輩出しました。

医学部、薬学部、獣医学部、理工学部、農学部などの理系分野だけでなく、法学、経済、文学、教育、国際系などへ進む生徒も多く、文系・理系の進学割合はほぼ半々です。

農業や科学に特化した専門校ではなく、体験を通して興味を広げながら、幅広い大学進学へつなげる学校といえます。

東京農業大学の併設校でありながら外部進学が中心

東京農業大学と東京情報大学への推薦入学制度がありますが、実際の卒業生の多くは外部大学へ進学しています。

東京農業大学への推薦制度は、外部大学受験を避けるためだけの仕組みではありません。生命科学、食品、農学、環境、国際協力、地域創成などを深く学びたい生徒にとって、具体的な進路の一つとなります。

一定の条件を満たせば、併設大学への進学権利を持ちながら、外部大学を受験できる制度もあります。

大学併設校としての安心感を持ちながら、自分の目標に合う国公立大学や私立大学へ挑戦できることが、農大一中・一高の進路面における強みです。

新校舎と大学施設を活用できる学習環境

校内では、新校舎「知耕実学棟」の整備が進められています。

既にラーニングコモンズ、共創型自習室、個別ブース型自習室、芸術・技術系教室などが利用され、今後は新図書館、理科実験室、ホール、大階段なども整備されます。

  • 一人で集中して学ぶ個別自習環境
  • 仲間と話し合える共創型スペース
  • 物理・化学・生物などの実験室
  • 研究や読書を支える図書館
  • 発表や講演に利用するホール
  • 美術・音楽・書道・技術・調理の専用教室

さらに、道路向かいにある東京農業大学世田谷キャンパスの研究設備、講堂、グラウンドなどを利用できることも、他校にはない環境です。

行事やクラブ活動も生徒の成長を支える

農大一中では、授業以外の活動も学校教育の重要な一部です。

桜花祭、Sakura Sports Festival、合唱コンクール、よさこい発表会などでは、生徒が企画や運営へ関わります。

クラブ活動は運動部だけでなく、生物、物理、化学、模擬国連、クイズ、鉄道、将棋・囲碁、特撮技術など、文化・科学系の活動も充実しています。

クラスとは異なる仲間や中高の先輩・後輩と活動することで、協調性、責任感、リーダーシップを育てます。

学校生活を授業だけでなく、行事、研究、クラブ活動まで含めて楽しみたい子にとって、挑戦できる場が多い学校です。

海外・宿泊研修を通して視野を広げる

中学1年の富士五湖宿泊研修や北海道自然体験研修、中学2年の奈良・京都歴史探訪研修、中学3年のシンガポール・マレーシア海外修学旅行など、校外で学ぶ機会も豊富です。

希望者はオーストラリア海外研修などへ参加でき、高校進学後には更に長期間の留学も検討できます。

現地を訪れるだけではなく、事前に調べ、実際に観察・交流し、帰校後にレポートや発表へまとめます。

異なる自然、文化、歴史、価値観へ触れ、自分の生活や日本社会を別の視点から見直す機会となります。

2027年度から入試は3回実施

2027年度からは、2月4日の第4回入試が廃止され、次の3回入試となります。

入試回日程科目
第1回2月1日午前国語・算数・理科・社会
第2回2月1日午後算数+国語または理科
第3回2月2日午後算数+国語または理科

第1回は4科目の総合力、第2回は算数と選択科目の安定性、第3回は配点の高い算数での得点力が重要です。

農大一中を強く希望する場合は、募集定員が増える第1回から受験し、第2回・第3回も組み合わせる方法が考えられます。

一方、難関男子校・女子校・共学校を第一志望とし、午後に農大一中を併願する受験生も多いため、午後入試は決して入りやすい入試ではありません。

学費は体験教育の費用まで含めて考える

2026年度の学校納入金は、中学1年次が1,037,000円、中学2・3年次が各770,000円です。

初年度には、制服、体育着、学用品、ノートパソコン、中学1年の宿泊研修費なども必要です。

中高6年間では、学校納入金だけでなく、海外修学旅行、クラブ活動、通学、昼食、希望者向け海外研修、大学受験などの費用もかかります。

学費だけを比較するのではなく、農大一中ならではの体験教育や研修へ必要となる費用まで含め、6年間無理なく通えるかを確認することが大切です。

農大一中に向いている子

次のような子は、農大一中の教育環境を生かしやすいでしょう。

  • 自然、科学、食、生命、環境に興味がある
  • 教科書だけでなく、実物や本物に触れて学びたい
  • 実験、観察、ものづくりが好き
  • 「なぜだろう」と疑問を持ち、自分で調べたい
  • 体験したことをレポートや発表へまとめたい
  • 日々の基礎学習を継続できる
  • 失敗しても原因を考えて再挑戦できる
  • 行事やクラブ活動へ積極的に参加したい
  • 異なる個性を持つ仲間と協力したい
  • 大学連携の環境を活用しながら外部大学へ挑戦したい

入学時点で全てができている必要はありません。

現在は人前で話すことや自己管理が苦手でも、学校生活を通して成長したいという気持ちがあれば、実験、研究、クラブ、行事など、自分に合う活動から挑戦できます。

入学前に確認しておきたい注意点

農大一中は魅力の多い学校ですが、全ての子に合うとは限りません。

確認点注意したい内容
学習量週36時間の授業に加え、予習・復習・小テスト・提出物がある
レポート実験や体験後に記録・考察・発表が求められる
学校行事宿泊研修、農業体験、文化祭などへの積極的な参加が必要
自己管理学習、クラブ、行事を並行して進める時間管理が必要
内部進学東京農業大学への進学が自動的に保証される学校ではない
費用授業料以外に研修、ICT端末、クラブ、通学費などがかかる
通学最寄り駅から徒歩またはバスとなるため、実際の通学時間を確認する

体験学習が豊富であることを魅力に感じても、その後のレポートや振り返りまで取り組めるかを考える必要があります。

大学付属校へ入り、受験勉強をせずにそのまま内部進学したい家庭よりも、大学連携の環境を活用しながら、外部大学を含めて進路を選びたい家庭に適しています。

学校説明会や桜花祭で確認したいこと

農大一中を検討する際は、学校案内や進学実績だけで判断せず、受験生本人と学校を訪れましょう。

  • 生徒が実験や探究活動へどのように取り組んでいるか
  • 在校生と教員の距離感は本人に合うか
  • 共学の学校生活を本人が心地よいと感じるか
  • ラーニングコモンズや自習室を利用したいと思うか
  • 興味を持てるクラブや研究活動があるか
  • 桜花祭で生徒が主体的に企画・説明しているか
  • 駅から学校まで無理なく通えるか
  • 本人が「この学校でやってみたいこと」を見つけられるか

特に桜花祭では、科学系クラブの研究発表、文化部の作品、生徒による企画運営などから、学校の活気と生徒の主体性を確認できます。

実学教育と進学教育を両立した6年間

東京農業大学第一高等学校中等部は、実物や本物へ触れる体験教育と、難関大学進学へ向けた教科学習を両立する学校です。

稲作、食品科学、数多くの理科実験、課題研究、海外研修などを通して、知識を覚えるだけでは身につきにくい探究心、行動力、分析力、表現力を育てます。

一方、英語・数学・国語を中心とした授業、日々の課題、模擬試験、志望別の大学受験指導も充実しています。

東京農業大学の併設校として専門的な研究環境を利用しながら、国公立大学、難関私立大学、医学部など、幅広い進路へ挑戦できます。

自然や科学への好奇心を持ち、実際に確かめ、自分の考えを形にしたい子にとって、農大一中は知的な刺激と成長の機会に恵まれた学校です。

受験を検討する際には、偏差値や大学合格者数だけでなく、本人が「知耕実学」の学びへ前向きに参加できるか、学校生活を通して挑戦したいことがあるかを確認しましょう。

受験生本人が、「この学校で実験したい」「この研究に挑戦したい」「この仲間と6年間を過ごしたい」と感じられるのであれば、農大一中は有力な志望校となるでしょう。

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