- 学校の概要|異文化交流とICT教育の先進校として注目を集める慶應系列校
- アクセスと立地環境|自然豊かで静かな藤沢の丘に広がる先進キャンパス
- 教育方針とカリキュラム|探究型学習とプログラミング教育で「個性」を育む
- 学習環境と施設設備|最新ICT環境とラーニングスペースが充実
- 学校生活と行事|早慶戦応援から合唱コンクールまで多彩なイベント
- クラブ活動|体育系・文化系あわせて約30の部が活発に活動中
- 進学実績と卒業後の進路|慶應義塾大学への内部進学率99%超の実力
- 入試情報と合格の目安|1次・2次で受験機会を確保、科目選択制の柔軟な入試
- 併願校パターン|チャレンジ・標準・安全校をバランスよく併願可能
- 在校生・保護者の声|「のびのびと自分らしく過ごせる環境」「自由と責任のバランスが絶妙」
- この学校に向いている子の特徴|自由を楽しみながらも、自ら学び成長できる子に最適
- まとめ|「自由」と「責任」が育む、未来志向のリーダー教育
学校の概要|異文化交流とICT教育の先進校として注目を集める慶應系列校
慶應義塾湘南藤沢中等部(通称:SFC中等部)は、1992年に開校した慶應義塾大学の附属校であり、「異文化交流」と「情報教育」の2本柱を掲げて未来の国際人を育成する中高一貫校です。神奈川県藤沢市に位置し、緑豊かなキャンパスに最先端のICT設備を備え、生徒一人ひとりが主体的に学びを深められる環境が整っています。
慶應義塾の「独立自尊」の精神を受け継ぎつつ、情報リテラシーやプレゼンテーション力、探究的な思考力を養う教育に力を注いでおり、国内外の大学や企業からも注目される存在となっています。また、SFC高等部・慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)との連携を活かし、中学生の段階から高等教育や社会とつながる学びを経験できるのも大きな特徴です。
男女共学で、毎年約70名の募集に対して全国から志願者が集まる人気校。中高6年間を通して多様な経験を積み、個性を尊重する教育のもとで、社会で活躍する人材を育てています。
アクセスと立地環境|自然豊かで静かな藤沢の丘に広がる先進キャンパス
慶應義塾湘南藤沢中等部は、神奈川県藤沢市遠藤に位置し、広大で緑豊かな丘の上に立地しています。最寄り駅はJR東海道線「辻堂駅」および小田急江ノ島線「湘南台駅」。両駅からは神奈川中央交通バスを利用し、「慶応大学」または「慶応中高前」バス停で下車、徒歩5分程度で校舎に到着します。
ややアクセスに時間を要する立地ではありますが、そのぶん落ち着いた学習環境が整っており、都会の喧騒から離れて集中できる理想的な教育環境といえます。キャンパス内にはSFC高等部や慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスも併設されており、知的な雰囲気に包まれた学術都市としての一面も持ちます。
通学にはスクールバスのほか、自転車通学も認められており、神奈川県内はもちろん、東京都・埼玉県・千葉県などからの通学生も在籍しています。
教育方針とカリキュラム|探究型学習とプログラミング教育で「個性」を育む
慶應義塾湘南藤沢中等部の教育は、慶應義塾の建学の精神である「独立自尊」を基盤に、一人ひとりの個性と創造力を最大限に伸ばすことを目的としています。そのため、詰め込み型の知識重視ではなく、探究・表現・対話を重視したカリキュラムが構成されています。
探究的な学びと教科横断型授業
SFC中等部では、教科を超えて「問い」を中心に学ぶプロジェクト型学習(PBL)を導入しています。生徒がテーマを設定し、自ら情報を収集・分析し、プレゼンや論文などで発表する活動が日常的に行われています。ディスカッションやグループワークも活発で、協働的な学びを通じて思考力・判断力・表現力を養います。
ICT教育と英語教育の融合
すべての生徒にiPadやノートPCが配布され、授業や課題提出に積極的にICTを活用。プログラミング、メディアリテラシー、情報デザインなど、デジタル社会で生きる力を中学生から育成しています。 また、英語教育も実践的で、ネイティブ教員との英会話授業やプレゼンテーションを通じて、実用的な英語力が自然と身に付きます。
「教え込む」より「学びを導く」教育へ
教員は「ティーチャー」ではなく「ファシリテーター」として、生徒が自らの問いに向き合う姿勢を支援します。評価も一方向ではなく、自己評価・相互評価・教師評価を組み合わせた多面的なスタイルが特徴です。
学習環境と施設設備|最新ICT環境とラーニングスペースが充実
慶應義塾湘南藤沢中等部は、大学・高等部と同じキャンパス内に位置しており、先進的な教育を支えるための学習環境と設備が整っています。特に、ICTを活用した教育空間と自由度の高い学びの場が、生徒たちの知的好奇心と自主性を伸ばす要因となっています。
ICT環境の整備
- 全教室にWi-Fi・電子黒板・プロジェクター完備
- 生徒1人1台のノートPCやタブレットの活用(BYOD制度)
- クラウドを活用した授業資料・課題提出・フィードバックの運用
校舎・教室の特徴
- ラーニングコモンズ:自学自習やグループワークに使える開放的な学習空間
- メディアセンター(図書館):蔵書数・学術資料も豊富でプレゼン準備にも活用
- 理科実験室・アートルーム・音楽スタジオなど、専門施設が充実
学内の雰囲気
キャンパスは自然に囲まれており、落ち着いた雰囲気の中でのびのびと学習できるのが特徴です。また、中等部専用エリアと他校舎(高等部・大学)エリアが分かれているため、安全性にも配慮されています。
学校生活と行事|早慶戦応援から合唱コンクールまで多彩なイベント
慶應義塾湘南藤沢中等部では、学びの場を教室にとどめず、学校行事や課外活動を通して「生きる力」や社会性を育むことを大切にしています。慶應の伝統行事とSFC独自の文化が融合した、多彩なイベントが年間を通して実施され、生徒たちは仲間とともに成長を重ねていきます。
主な年間行事(時系列)
- 4月:入学式、新入生歓迎会、オリエンテーション合宿
- 6月:体育祭(生徒主導で企画運営)、野外体験学習
- 10月:合唱コンクール(クラスごとに本格的な演奏を披露)
- 11月:
- 文化祭「SFC祭」(中高合同・例年11月上旬に2日間開催)
- 早慶戦応援(大学野球観戦と応援練習)
- 3月:卒業式、プレゼンテーション発表会
生徒主体の行事運営
SFC中等部の行事の多くは、生徒自身が企画・運営を行います。行事準備や当日の運営を通じて、リーダーシップ・協働力・創造性が自然と育まれます。SFC祭では模擬店や展示だけでなく、プレゼンや舞台発表など知的なコンテンツも充実しているのが特徴です。
国際交流・校外活動も充実
希望者を対象に、海外研修や英語スピーチコンテストなどの国際的な取り組みも行われており、探究的な学びが校外にも広がっています。
クラブ活動|体育系・文化系あわせて約30の部が活発に活動中
慶應義塾湘南藤沢中等部では、学業だけでなく課外活動を通じた人間的成長も重視されています。クラブ活動は体育系・文化系あわせて約30種類あり、生徒は自分の興味関心に応じて自由に参加できます。中等部と高等部が同一キャンパス内にあるため、一貫した活動や先輩との交流が可能なのも特徴です。
体育系クラブ(一部)
- サッカー部
- バスケットボール部
- バレーボール部
- 硬式テニス部
- 陸上競技部
- 剣道部
文化系クラブ(一部)
- 吹奏楽部
- 美術部
- 囲碁将棋部
- 科学技術部
- 英語研究会
- 文芸部
クラブによっては大会やコンクールへの出場実績もあり、自主性と創造性を伸ばす貴重な場となっています。また、複数のクラブや委員会との兼部も可能で、多様な経験が積めるのもSFC中等部の魅力です。
進学実績と卒業後の進路|慶應義塾大学への内部進学率99%超の実力
慶應義塾湘南藤沢中等部は、高等部を経て原則として全員が慶應義塾大学への内部進学資格を得られる中高一貫校です。そのため、大学受験にとらわれない柔軟で探究的な学びが可能であり、6年間を通して個性や将来の目標に応じた進路形成ができます。
慶應義塾大学への内部推薦制度
高等部の卒業時には学業成績や人物評価などを総合的に判断した内部推薦制度があり、毎年99%以上の生徒が慶應義塾大学へ進学しています。法学部・経済学部・環境情報学部・総合政策学部など、SFCキャンパスとのつながりを活かした志望選択も多く見られます。
他大学進学や海外進学も選択可能
まれに他大学や海外大学への進学を希望する生徒もおり、そうした進路にも教員が丁寧に対応。特に英語力や探究的な学びに優れた生徒は、海外大学の推薦入試にも適応しやすい土壌があります。
大学受験対策に追われることなく、「自分の興味・関心にじっくり向き合いながら6年間かけて進路を築ける」というのがSFC中等部最大の進学面での強みといえるでしょう。
入試情報と合格の目安|1次・2次で受験機会を確保、科目選択制の柔軟な入試
慶應義塾湘南藤沢中等部の入試は、例年2月2日(1次)および2月4日(2次)の2回実施され、受験生にとってチャンスが広がる仕組みとなっています。インターネットによる出願後、書類の郵送が必要です(出願期間:1月6日〜1月14日)。
試験科目と配点
- 筆記試験:国語・算数 各45分(各100点満点)、社会・理科(各25分・各50点満点)、英語(60分100点満点)
- 面接:保護者同伴による個別面接
- 実技:2次試験のみ体育実技を含む
入試のポイント
1次試験では筆記中心の学力を重視した選抜が行われ、2次試験では筆記に加えて面接・体育実技を含めた総合的な評価がされます。社会、理科・英語(※)の中から選択できる柔軟な制度が特徴で、自分の得意科目を活かして受験することが可能です。
なお、帰国生入試は別日程(例年12月上旬)に実施されます。
合格の目安
合格最低点などは非公表ですが、高い基礎学力と論理的思考力、さらに面接での表現力が求められると言われています。
併願校パターン|チャレンジ・標準・安全校をバランスよく併願可能
チャレンジ校
- 渋谷教育学園渋谷中学校(1/22)
- 栄光学園中学校(2/1)
- 浅野中学校(2/3)
- 慶應義塾中等部(2/3)
- 慶應義塾普通部(2/1)
- フェリス女学院中学校(2/1)
- 中央大学附属横浜中学校①(2/2)・②(2/2午後)
- サレジオ学院中学校A(2/1)・B(2/4)
- 頌栄女子学院中学校①(2/1)
- 渋谷教育学園渋谷①(2/1)
標準校
- 青稜中学校(2/2)
- 青山学院横浜英和中学校A(2/1)
- 横浜雙葉中学校(2/1)
- 公文国際学園中等部A(2/1)・B(2/3)
- 日本大学藤沢中学校②(2/2)
安全校
- 湘南学園中学校(2/4)
※日程は2023年度実績に基づくものです。年度によって変更される可能性がありますので、受験の際には必ず最新の公式情報をご確認ください。
在校生・保護者の声|「のびのびと自分らしく過ごせる環境」「自由と責任のバランスが絶妙」
在校生の声
- 「緑が多くてとても広いキャンパスが気に入っています。プログラミングやプレゼンテーションなど、普通の授業以外でもいろんなことが学べます」
- 「帰国生も多く、みんなフラットな雰囲気で仲良くなりやすいです。交換留学の制度もあって、世界が広がります」
- 「制服がないのも、自分のスタイルで過ごせるから嬉しいです」
保護者の声
- 「『自由』の中にもしっかりとしたルールや指導がある学校です。子どもが自分で考えて行動できるようになるのを感じます」
- 「ICT教育が非常に充実しており、情報リテラシーの教育も早い段階から行われているのが安心材料です」
- 「大学までの進路がしっかりと見えている安心感もありますが、何よりも子どもが楽しそうに通っているのが一番です」
この学校に向いている子の特徴|自由を楽しみながらも、自ら学び成長できる子に最適
- 主体性をもって行動できる子:制服のない環境や自由度の高い校風のもとで、自分の考えで行動できる子が伸びやすいです。
- 多様性に興味を持ち、国際的な視野を育みたい子:帰国生や留学生が多く、海外研修や短期留学などグローバルな機会が豊富な環境に適応できる子に向いています。
- 新しい技術や情報教育に関心がある子:情報科の授業やプレゼンテーション・プログラミングなど、ICT活用に関心のある子にとって学びがいのある学校です。
- 将来、大学進学を見据えて着実に学力を伸ばしたい子:高い内部進学率を持ちつつも、基礎から応用まで丁寧に指導する体制が整っています。
- 部活動や行事に積極的に参加したい子:スポーツ系から文化系まで30以上の部活動があり、行事も活発です。学校生活を多彩に楽しみたい子にぴったりです。
まとめ|「自由」と「責任」が育む、未来志向のリーダー教育
慶應義塾湘南藤沢中等部は、高い自由度と先進的な教育環境を特徴としながら、社会で求められる実践的な力や国際感覚を育む中高一貫校です。
慶應義塾大学SFCとの強いつながりを活かし、情報教育・探究学習・語学力・自己表現など、多角的に成長できる仕組みが整っています。
また、学業と学校行事、部活動、留学などすべてに全力で取り組む姿勢が重視されており、仲間と刺激し合いながら自らの興味や能力を高めていける環境です。
将来、グローバルに活躍したい、または自分の道を主体的に切り開いていきたいと願う生徒にとって、SFCは理想的な学びの場となるでしょう。