春期講習は「受けた量」より「残ったもの」で考える
春期講習が始まると、毎日の授業と宿題で予定が埋まりやすくなります。数日間しっかり通い、教材もたくさん進めると、それだけで「よく勉強した」と感じることもあるでしょう。
もちろん、まとまった時間を使って学習することには意味があります。ただし、中学受験の勉強では、授業を受けた時間や解いた問題数だけでは、その内容がどの程度身についたかは分かりません。
春期講習を無駄にしないために、まず意識したいのは「どれだけ受けたか」ではなく、「講習の後に何が残ったか」です。
授業を聞いて分かったことと、自分で解けることは違う
授業中に先生の説明を聞いていると、「なるほど、分かった」と感じることがあります。
ところが、帰宅して同じ問題をもう一度解こうとすると、最初の一手が出てこない。式の途中までは思い出せても、その先が分からない。こうしたことは珍しくありません。
これは、授業が理解できなかったということではありません。
人の説明を聞いて理解することと、問題を見たときに必要な知識や解法を自分で取り出すことは、別の段階だからです。
たとえば算数の速さの問題で、先生が線分図を描きながら説明すれば理解できても、自分一人ではどの長さを図に置けばよいか迷うことがあります。理科でも、解説を読めば納得できるのに、問題だけを見せられると使う法則が出てこないことがあります。
春期講習では、この「分かった」を「一人でもできる」へ移すところまで考える必要があります。
講習中は分かったつもりになりやすい
春期講習では、通常授業より短い間隔で授業が続くことがあります。
昨日習った内容を翌日また使えば、記憶も新しいため比較的スムーズに解けます。そのため、「もうできるようになった」と感じやすくなります。
しかし、それが本当に定着したかどうかは、少し時間を空けてみないと分かりません。
数日後に同じ考え方を使う問題を解けるか。問題の並びが変わっても解法を選べるか。単元名が書かれていなくても必要な知識を取り出せるか。
そこまで確認して初めて、「講習で習った内容が残っている」と考えやすくなります。
テキストを全部終えることだけを目標にしない
講習用のテキストには、多くの問題が収録されていることがあります。
ページが進み、空欄が減っていくと達成感があります。ただ、全ての問題に一度触れることと、重要な問題を自力で解けるようになることは同じではありません。
たとえば20問に一度ずつ取り組み、間違えた問題は解答を書き写して終える場合と、10問に絞って取り組み、間違えた3問を翌日もう一度解く場合では、後者の方が内容が残ることもあります。
もちろん、塾から指定された課題を勝手に減らせばよいという意味ではありません。
ただ、テキストを最後まで進めることだけが目的になると、「終わらせるために解く」という状態になりやすいことは意識しておきたいところです。
講習中にできなかった問題があること自体は問題ではない
春期講習中に間違いが続くと、「せっかく講習を受けているのにできていない」と不安になることがあります。
しかし、講習はできる問題だけを解く場所ではありません。
今まで曖昧だったところや、自分だけでは気づかなかった弱点が見つかることにも意味があります。
重要なのは、間違えたことそのものではなく、その問題をどう扱うかです。
知識を忘れていたのなら覚え直す。解法が出なかったのなら、基本問題まで戻る。計算ミスなら途中式や見直し方を変える。時間が足りなかったなら、問題の優先順位を考える。
こうして次の行動まで決められれば、一つの誤答がそのまま学習材料になります。
春期講習の復習は「全問やり直し」でなくてよい
復習というと、講習で扱った問題を最初から全部解き直すイメージを持つかもしれません。
しかし、限られた春休みの中で毎日それを続けるのは現実的ではない場合があります。
すでに自信を持って解けた基本問題まで毎回やり直す必要はありません。
優先したいのは、授業中に手が止まった問題、宿題で間違えた問題、解説を読んでようやく分かった問題、正解はしたものの自信がなかった問題です。
つまり、復習する問題を選ぶことも春期講習の使い方の一部です。
量を増やすより、「この問題はもう一度自力で解けるようにしたい」と判断できる方が、講習後の学習は整理しやすくなります。
復習まで含めて春期講習と考える
春期講習は、塾にいる時間だけで完結するものではありません。
授業を受ける。自分で問題を解く。間違いを確認する。必要な問題だけもう一度解く。そして数日後にまだ解けるか確かめる。
この一連の流れまで含めて考えると、講習で何をすべきかが見えやすくなります。
授業をたくさん受けても、その内容が翌週にはほとんど残っていなければ、学習としては十分ではありません。反対に、扱った問題数は多くなくても、基本事項を確実に使えるようになったのであれば、その春期講習には意味があります。
春期講習を「何日通ったか」「何ページ終えたか」だけで評価しないこと。まずは、講習が終わった後にも自分で使える知識や解法がどれだけ残っているかを見るところから、復習を考えていきます。
講習前に既習範囲を簡単に点検しておく
春期講習が始まる前に、これまで習った内容を一度確認しておくと、講習中の復習がしやすくなります。
ただし、この段階で全範囲を総復習する必要はありません。
春休みは短く、講習が始まれば新しい課題も増えます。講習前から大量の問題集に手をつけるより、「最近どこでよく間違えているか」を簡単に把握する程度で十分です。
目的は、弱点を全て洗い出すことではなく、春期講習中に少し意識して見ておきたいところを決めることです。
まずは直近のテストや模試を見る
新しく確認テストを作るより、まずはすでに受けたテストを使う方が簡単です。
塾の確認テスト、組み分けテスト、公開模試などを数回分見て、同じような失点が繰り返されていないか確認します。
たとえば算数で毎回割合の問題を落としている、国語で漢字の失点が続いている、理科で電気の計算になると正答率が下がる、といった傾向です。
一回だけ間違えた難問より、複数回のテストで繰り返し失点している基本・標準問題の方を優先して見ます。
ここで「算数が苦手」「理科が弱い」と科目単位でまとめる必要はありません。「割合」「計算」「植物」「漢字」のように、もう一段具体的にしておくと講習中にも確認しやすくなります。
正解した問題も、少しだけ見ておく
テストを見るときは、不正解だけに注目しない方がよい場合があります。
正解していても、かなり迷った問題や、偶然答えが合った問題が残っていることがあるからです。
試験中に自信度を○・△・×などで記録しているなら、△で正解した問題も簡単に確認しておくとよいでしょう。
たとえば、選択肢を二つまで絞って最後は勘で当たった理科の問題や、算数で途中の考え方に自信がなかったものです。
帳票上は正解でも、次に同じ内容が出たときに再現できるとは限りません。
春期講習前の点検では、「間違えたところ」だけでなく、「たまたま取れたかもしれないところ」も少し拾っておくと、実際の理解度に近い課題が見えます。
計算・漢字・基本知識は短時間で確認しやすい
春期講習前に確認しやすいのが、計算、漢字・語句、理科や社会の基本知識です。
これらは短時間でも状態を確認できます。
算数なら最近使っている計算教材を数日分解いてみる。国語なら以前間違えた漢字を20個ほど確認する。理科や社会ならテストで落とした基本事項を見直す、といった程度で構いません。
ここで点検したいのは、「全て覚えているか」ではなく、基本的なところで同じ失点が続いていないかです。
たとえば、算数の応用問題を復習しようとしても、分数や小数の計算で毎回崩れるなら、まず計算の精度を上げた方がその後の学習は進みやすくなります。
苦手単元は「名前」だけで判断しない
テスト結果を見て、「速さが苦手」「図形が苦手」と決める前に、その問題で実際に何につまずいたのかも確認します。
速さの問題を間違えていても、原因が単位換算かもしれません。比を使えなかったのかもしれませんし、問題文から状況を図に整理できなかったのかもしれません。
図形でも、角度の知識が弱い場合と、相似を見つけられない場合、面積比の扱いが曖昧な場合では、復習する内容が変わります。
理科の計算問題でも、理科の知識ではなく、割合や比例の計算で崩れていることがあります。
春期講習前の段階では細かく分析しすぎなくてもよいですが、「単元名の下に別の原因がないか」は意識しておきたいところです。
春休みに直す課題は2〜3個程度でよい
テストを見返していくと、直したいところはいくつも出てきます。
そこで、算数5個、国語3個、理科4個、社会5個と課題を並べると、それだけで春休みの予定が埋まってしまいます。
講習前の段階では、特に気になるものを2〜3個程度に絞っても構いません。
たとえば、「算数の割合」「国語の漢字」「理科の電気」だけを意識しておき、春期講習の中で同じ内容が出たときに少し丁寧に復習するという使い方です。
全てをこの春で直す必要はありません。
むしろ、課題を絞っておいた方が、「春休み前より割合の基本は安定した」といった変化を確認しやすくなります。
講習前の点検は、学習計画を増やすためではない
既習範囲を点検すると、できていないところが見つかります。
すると、新しい問題集を買ったり、追加講座を申し込んだりしたくなるかもしれません。
しかし、春期講習前の点検の目的は、課題を増やすことではありません。
今使っている塾の教材や、過去のテストの解き直しだけで補えることもあります。春期講習の中で同じ単元を扱うなら、その授業を利用して確認できる場合もあります。
「弱点が見つかったから、新しいことを足す」ではなく、「今ある学習の中でどこを少し丁寧に見るか」を決めるために使います。
春期講習前に必要なのは、大がかりな総点検ではありません。直近のテストを見て、繰り返している失点や不安定な基本事項をいくつか拾っておく。その程度の準備でも、講習中に何を意識して復習すべきかがかなり見えやすくなります。
その日の復習は何をすればよいか
春期講習では、授業の翌日にまた別の授業が続くことがあります。そのため、復習を後回しにすると、数日分がすぐに積み上がります。
一方で、その日の授業を最初から最後まで全て復習しようとすると、それだけでかなりの時間が必要です。
そこで大切なのは、「その日のうちに全部やり直す」ことではなく、「今のうちに確認しておいた方がよい問題を選ぶ」ことです。
まずは授業中に手が止まった問題を見る
最初に確認したいのは、授業中に自力では解けなかった問題です。
先生の解説を聞いた後では理解できても、問題を見た瞬間には方針が立たなかったものは、まだ自分の力で使える状態になっていない可能性があります。
たとえば算数なら、解説を見れば「この問題は比を使えばよい」と分かっても、自分ではその発想が出なかったのであれば、一度何も見ずに解き直してみます。
理科でも、説明を聞けば理解できた計算問題について、自分で式を立てられるかを確認します。
授業中にできなかった問題を全て同じように扱う必要はありませんが、基本・標準レベルで手が止まったものは優先して見直したいところです。
正解した問題でも迷ったものは確認する
復習というと、間違えた問題だけを対象にしがちです。
ただ、正解していても、かなり迷った問題や、たまたま答えが合った問題は理解が安定していないことがあります。
授業中や宿題で、問題番号の横に○・△・×などで自信度を残しておくと、この判断がしやすくなります。
○は自信を持って解けた、△は迷った、×はほとんど分からなかった、といった程度で十分です。
△で正解した問題は、帳面上では丸ですが、次回も取れるとは限りません。春期講習のように短い間隔で授業が続く時期ほど、「正解したから終わり」にしない方がよい場合があります。
基本・標準問題を先に安定させる
その日の授業で難しい問題まで扱った場合、どこまで復習するか迷うことがあります。
このときは、基本・標準問題から先に確認します。
たとえば算数で、典型問題はまだ不安定なのに、その先の発展問題に30分かける必要はありません。まずは基本的な解法を自分で再現できる状態にします。
春期講習では授業時間が多いため、教材に載っている全てを同じ重さで復習すると時間が足りなくなります。
今後何度も使う考え方や、正答率の高い問題で必要になる基礎を先に固める方が、その後の学習につながりやすくなります。
解説を閉じて、もう一度自分で解く
復習するときに注意したいのが、解説を読んで「分かった」で終わることです。
解説を見ながらなら、どの式を使うか、どこに補助線を引くか、どの知識を使うかがすでに示されています。
それでは、自分で解法を取り出せるかどうかは確認できません。
一度解説を読んだ後、少し時間を置いてから解説を閉じ、最初から自分で解いてみます。
途中でまた止まるなら、理解がまだ十分ではありません。その場合は、もう一度解説を確認するか、一段簡単な問題へ戻ります。
「解説を理解できた」と「自力で解けた」を分けて考えることが大切です。
全問をその日のうちに復習しなくてもよい
春期講習では、一日に多くの問題を扱うことがあります。
その全てを帰宅後に解き直そうとすると、復習だけで何時間もかかってしまいます。
そこで、当日は優先度の高い問題だけを扱います。
たとえば、授業中にできなかった基本問題を2問、迷って正解した問題を1問、宿題で間違えた問題を2問、といった程度でも構いません。
重要なのは、「復習した問題数」ではなく、「次に同じ考え方が出たときに解ける状態へ近づいたか」です。
難しい問題や、すぐに再確認する必要のない問題は、講習後や時間のある日に回しても構いません。
復習時間をあらかじめ区切っておく
復習は、やろうと思えばいくらでも時間を使えてしまいます。
一問の難問に40分、50分とかけているうちに、他科目の宿題が手つかずになることもあります。
そこで、「講習後の復習はまず45分」「算数は30分まで」といった形で、大まかな時間を決めておく方法があります。
時間内に終わらなかった問題には印をつけ、後で扱います。
復習の目的は、その日のうちに全てを完成させることではありません。重要な問題を拾い、学習を次へつなげることです。
特に講習期間中は、翌日の授業に疲れを残さないことも必要です。復習に時間をかけすぎて睡眠時間が削られるなら、学習全体としては効率が下がります。
その日の復習は「仕分け」までできればよい日もある
忙しい日には、十分な解き直し時間を取れないこともあります。
その場合は、授業で扱った問題を見返し、「自信を持って解けた」「もう一度やる」「後で先生に確認する」のように仕分けするだけでも構いません。
何も印をつけずに講習が進むと、数日後にはどの問題で困ったのかを忘れてしまいます。
一方で、問題番号に印が残っていれば、講習のない日や終了後に戻ることができます。
春期講習中の復習では、毎日完璧に仕上げることより、重要な問題を取りこぼさず拾っておくことが大切です。
授業中に手が止まった問題、迷って正解した問題、基本・標準問題を優先して確認する。解説を閉じて自力で解き、必要なものには印を残す。この程度の流れを作っておくだけでも、講習を受けっぱなしにしにくくなります。
春期講習の宿題には優先順位をつける
春期講習では、授業だけでなく宿題の量も増えやすくなります。
短い間隔で授業が続くため、「今日の宿題を終えること」がそのまま一日の目標になりやすいのですが、全ての問題を同じ重さで扱うと、復習に使う時間が足りなくなることがあります。
宿題は基本的には塾の指示に沿って取り組みます。ただし、量が本人の処理能力を超えている場合には、どの問題を先にやるかを整理することも必要です。
大切なのは、宿題を減らすことではなく、限られた時間をどこに使うかを考えることです。
A・B・Cの3段階で仕分けすると分かりやすい
宿題が多い場合は、問題を大きく3段階に分けてみると整理しやすくなります。
Aは、必ずやる問題。
授業で扱った基本・標準問題、先生から必修と指定された問題、以前から繰り返し間違えている問題などです。
Bは、余裕があればやる問題。
基本事項は理解できていて、その先の応用として取り組む問題や、やや難度の高い演習などが当てはまります。
Cは、現時点では後回しにしてよい問題。
本人の現在の実力に対してかなり難しく、考えてもほとんど手が出ない問題や、春休み中に優先して直す必要性が低い問題です。
もちろん、塾から全問必修と指示されている場合は勝手に省くのではなく、どこを優先すべきかを先生に確認した方がよいでしょう。
この仕分けの目的は、「やらなくてよい問題を探すこと」ではなく、まずAを確実に終わらせることです。
基本問題が不安定なら、発展問題より先に戻る
中学受験の教材では、基本問題からかなり難しい問題まで同じページに並んでいることがあります。
そのため、上から順番に全て解こうとすると、最後の数問に長い時間を使うことがあります。
しかし、基本問題で毎回間違えている状態なら、その先の発展問題を大量に解くより、まず基本を安定させた方がよい場合があります。
たとえば割合の基本的な式がまだ曖昧なのに、食塩水や売買損益の複雑な問題ばかり解いても、途中で何度も同じところにつまずきます。
図形でも、面積比の基本が不安定なら、複雑な補助線を必要とする問題へ進む前に、典型問題へ戻った方が理解しやすくなります。
難しい問題に挑戦すること自体は悪くありません。ただ、今必要な土台を飛ばしてまで優先する必要はないということです。
「終わらない宿題」は、量だけが原因とは限らない
宿題に時間がかかると、「塾の宿題が多すぎる」と感じることがあります。
実際に量が多すぎる場合もありますが、それ以外の原因が隠れていることもあります。
たとえば、一問分からないと30分以上止まってしまう。途中式をほとんど書かずに何度も計算し直している。丸つけを後回しにして、最後にまとめて直している。集中が途切れ、机には向かっているものの実際にはあまり進んでいない。
こうした場合は、問題数を減らすだけでは根本的には解決しません。
「分からない問題は10分考えたら印をつけて次へ進む」「1ページ終わったら丸つけをする」など、進め方そのものを変えた方がよいことがあります。
宿題が終わらないときは、何ページあるかだけでなく、どこに時間を使っているのかを一度見てみるとよいでしょう。
間違えた問題は、新しい問題より優先することがある
宿題を進めるとき、まだ解いていない問題をどんどん先へ進めることに意識が向きやすくなります。
ただ、昨日間違えた基本問題がそのまま残っているなら、新しい発展問題を増やすより、その問題をもう一度解く方が優先度は高いことがあります。
間違えた直後は解説を覚えているため、解き直せることもあります。できれば少し時間を空けて、何も見ずにもう一度解いてみます。
そこでまた同じところで止まるなら、まだ定着していません。
宿題を「新しいページを進める作業」だけにせず、前日の誤答を少し戻して確認する時間も入れておくと、講習内容が積み残しになりにくくなります。
保護者が整理するなら、問題そのものを解きすぎない
小学生の場合、自分だけでA・B・Cの優先順位を判断するのは難しいことがあります。
そのため、保護者が「これは今日やろう」「これは時間があれば」と整理することは問題ありません。
ただし、保護者が横について、分からないたびに解法を教え続けると、宿題は早く終わっても、本人がどこで困っているのか分かりにくくなります。
特に算数では、大人が最初の一言を与えただけで解けることがあります。しかし、その一言がなければ本番では解けません。
保護者の役割は、全問を教えることより、学習の順番を整理したり、どこで止まっているかを確認したりすることに置いた方がよいでしょう。
分からない問題が続くなら、塾の先生へ質問するものとして印をつけておく方法もあります。
宿題の優先順位は、その子の実力によって変わる
同じ教材を使っていても、優先すべき問題は子どもによって違います。
基本問題をほぼ安定して解ける子なら、Bの応用問題にもある程度時間を使えます。
一方、基本問題で失点が多い子なら、Aを丁寧に確認するだけでもかなりの学習量になります。
周囲の子が発展問題まで終えているからといって、同じところまで進むことを目標にする必要はありません。
問題集の到達ページをそろえることより、それぞれが今取るべき問題を取れるようにすることの方が重要です。
「全部やった」より「優先した問題が身についた」を目指す
春期講習中は、毎日宿題が出るため、どうしても完了したページ数が目につきます。
ただ、講習が終わった後に残るのは、チェックのついたページではなく、自分で使えるようになった知識や解法です。
まず必修の基本・標準問題を確実に進める。次に間違えた問題を直す。余裕があれば応用問題へ進む。難しすぎるものは、必要に応じて後へ回す。
この順番を意識するだけでも、宿題を「終わらせる作業」から「定着させる学習」へ変えやすくなります。
春期講習の短い期間では、全てを同じ深さで扱うことはできません。だからこそ、何を優先するかを決めること自体が、復習の重要な一部になります。
間違えた問題は「なぜ間違えたか」を分ける
春期講習の復習で大切なのは、間違えた問題をもう一度解くことです。
ただし、それだけでは十分ではありません。
同じ不正解でも、「知識を忘れていた」のか、「解法を思いつかなかった」のか、「計算で崩れた」のかでは、次にするべき学習が違うからです。
間違えた問題を見たときは、まず「なぜ間違えたのか」を分けて考えると、復習の方向が決まりやすくなります。
知識を忘れていた場合
理科や社会、国語の語句などでは、単純に知識が抜けていて答えられなかったということがあります。
この場合は、まず必要な知識を覚え直します。
ただ、答えを一度確認しただけでは、数日後にまた忘れている可能性があります。
たとえば社会で都道府県の特産物を間違えたなら、その問題だけを見るのではなく、関連する地域の知識も簡単に整理しておくとよいでしょう。
理科なら、用語だけでなく「なぜそうなるのか」まで確認できる内容は、理由とセットで覚えた方が残りやすくなります。
知識不足が原因なら、難しい類題を追加するより、まず覚えるべき内容を安定させることが先です。
解法が思いつかなかった場合
算数でよくあるのが、解説を見れば理解できるものの、自分では解き方を思いつかなかったケースです。
たとえば「比を使えば解ける」と説明されれば納得できても、問題を見たときに比を使う発想が出なかったのであれば、まだ解法を自分で取り出せる状態にはなっていません。
この場合は、解説を読み直すだけでなく、少し簡単な典型問題に戻って、「どんな条件があればこの解法を使うのか」を確認します。
解法そのものを暗記するのではなく、問題文のどこを見てその考え方を選ぶのかまで整理しておくと、別の問題でも使いやすくなります。
前提となる単元が弱い場合
表面上は今習っている単元の問題でも、実際にはその前に習った内容が原因で解けないことがあります。
たとえば速さの問題を間違えていても、原因が速さそのものではなく、比や割合、単位換算にあるかもしれません。
図形でも、相似の問題で止まっているように見えて、実際には角度の基本が曖昧だったということがあります。
この場合、同じ単元の問題を何問増やしても、同じところでつまずきやすくなります。
一度「この問題を解くために、何ができている必要があるか」を確認し、必要なら前の単元まで戻ります。
遠回りに見えますが、前提が弱いまま応用問題を繰り返すより、結果的には早く安定することがあります。
計算・処理ミスの場合
考え方は合っていたのに、途中の計算で間違えたというケースもあります。
このとき、「ただのケアレスミス」で済ませない方がよいでしょう。
途中式を省きすぎている、数字を小さく書きすぎている、繰り上がりを頭の中だけで処理している、単位を書いていないなど、ミスが起こりやすい原因があることもあります。
同じ種類の計算ミスが繰り返されているなら、問題を増やす前に計算の書き方や見直し方を変えた方がよい場合があります。
算数だけでなく、理科の計算問題でも同じです。
「考え方は分かっていたから大丈夫」ではなく、本番で点になるところまで含めて確認します。
問題文の読み違いだった場合
問題文の条件を読み落としたり、聞かれているものとは別のものを答えたりすることもあります。
たとえば「何人多いか」と聞かれているのに人数そのものを答えた、「最も適切でないもの」を選ぶ問題で反対の選択肢を選んだ、といったミスです。
この場合は、同じ単元の知識を覚え直しても解決しません。
条件に線を引く、設問の最後をもう一度読む、答えを書く前に「何を聞かれていたか」を確認するなど、解くときの手順を変える必要があります。
読み違いも何度も繰り返すなら、偶然のミスではなく、解答手順の問題として扱った方がよいでしょう。
時間が足りなかった場合
問題自体は解けるはずなのに、時間切れで手をつけられなかったという場合もあります。
このときは、単純にその問題を解き直すだけでは十分ではありません。
前の問題に時間を使いすぎていなかったか、難しい問題で止まり続けていなかったか、計算に時間がかかりすぎていなかったかを確認します。
講習中のテストなら、「何分でどこまで進んだか」を簡単に残しておくと原因が見えやすくなります。
時間不足が原因なら、問題を解く力だけでなく、問題の順番や見切り方まで含めて改善する必要があります。
一つの誤答に原因が複数あることもある
失点原因は、必ず一つに決まるわけではありません。
速さの応用問題で、比の理解も不十分で、さらに途中の計算も間違えたということもあります。
その場合は、全てを一度に直そうとせず、最も大きな原因から手をつけます。
たとえば比そのものが理解できていないなら、まず比の基本問題へ戻る。そこが安定してから速さの問題へ戻れば、計算ミスなのか解法の問題なのかも見えやすくなります。
「間違えたから同じ問題をもう一度解く」だけでは、表面だけを直して終わることがあります。
知識不足なのか、解法不足なのか、前提単元なのか、処理ミスなのか、読み違いなのか、時間配分なのか。
原因を分けてから復習することで、その後に選ぶ問題も変わります。次に必要なのは、見た目の似た問題を探すことではなく、その原因を直すための問題を選ぶことです。
類題は「見た目が似た問題」ではなく原因に合わせて選ぶ
春期講習で間違えた問題を復習するとき、「同じような問題をもう少し解かせよう」と考えることがあります。
類題演習そのものは有効です。ただし、見た目が似ている問題を並べればよいとは限りません。
大切なのは、元の問題で何を間違えたのかを確認し、その原因を直すための問題を選ぶことです。
同じ「速さ」の問題を間違えたとしても、必要な類題は子どもによって違います。
同じ単元名でも、必要な類題は変わる
たとえば速さの問題で不正解だったとします。
一人は、速さ・時間・距離の関係そのものが曖昧だった。別の子は、分速と時速の単位換算で間違えた。さらに別の子は、比を使う場面だと気づけなかった。
この三人に同じ速さの応用問題を解かせても、復習としての意味は同じではありません。
速さの基本が曖昧なら、まず基本問題。単位換算が原因なら、速さに限らず単位換算を扱う問題。比が原因なら、比の典型問題まで戻る必要があります。
類題は、「元の問題と図が似ているか」ではなく、「直したい部分が同じか」で考えると選びやすくなります。
元の問題より難度を一段下げることもある
間違えた問題と同じ難度の問題を続けて解かせると、また同じところで止まることがあります。
その場合は、難度を一段下げても構いません。
たとえば、複数の条件を整理する割合の応用問題で手が出なかったなら、まず条件が一つだけの基本問題へ戻ります。
図形の複雑な相似問題でつまずいたなら、相似比と辺の長さを求める典型問題を数問確認してから戻る方法があります。
一段簡単な問題を解くことは、後退ではありません。
どこまでなら自力で解けるのかを確認し、その位置からもう一度積み上げるための作業です。
前提単元へ戻る方がよい場合もある
同じ単元の類題を増やすより、別の単元へ戻った方がよいケースもあります。
たとえば食塩水の問題で何度も失点している場合、食塩水そのものの考え方ではなく、割合の理解が不十分なことがあります。
理科の計算問題でも、比例や割合の処理が弱ければ、理科教材を何ページ進めても計算部分で同じ失点を繰り返します。
国語の記述でも、文章内容は理解できているのに、設問条件を拾えていないことがあります。この場合、長い記述問題を増やすより、設問が何を求めているかを確認する短い問題から練習した方がよいこともあります。
表面上の単元名だけを見ていると、こうした戻り方は見えにくくなります。
類題は1〜3問程度でもよい
類題演習というと、同じ単元を10問、20問と解くイメージを持つことがあります。
もちろん、計算や漢字のように一定量の反復が必要な内容もあります。
一方、考え方を確認するための類題なら、適切な問題を1〜3問程度解くだけでも十分なことがあります。
たとえば、一段簡単な問題を1問、元の問題と同程度の問題を1問、少し形を変えた問題を1問解く。それぞれを自力で解ければ、理解が進んだかどうかをかなり確認できます。
逆に、解法を覚えた直後に似た問題を10問連続で解けば、ほとんど同じ手順を繰り返すだけになることもあります。
問題数を増やす前に、「この数問で何を確かめたいのか」を決めておく方がよいでしょう。
見た目が似すぎる問題だけでは再現性を判断しにくい
類題を選ぶとき、元の問題と数字だけが違う問題は取り組みやすいものです。
ただし、それだけでは「考え方を理解した」のか、「直前の解法をそのまま当てはめた」のかを判断しにくいことがあります。
たとえば元の問題が旅人算なら、同じ図、同じ問い方、数字だけを変えた問題は比較的簡単に解けるでしょう。
そこで、その後に少し設定の違う問題を一問入れてみます。
出会う問題を追いつく問題に変える、図の向きを変える、必要な数量を直接聞かず一段階考えさせる、といった程度でも構いません。
形が少し変わっても同じ考え方を使えれば、解法をある程度自分のものにできていると判断しやすくなります。
大量演習で「できない原因」を覆い隠さない
問題をたくさん解けば、同じ型に慣れて正答率が上がることがあります。
ただ、その結果だけを見て「克服した」と判断するのは少し注意が必要です。
似た問題が並んでいると、教材の章タイトルや直前の問題から、「今日はこの解法を使う」と分かった状態で解けるからです。
本番の模試や入試では、「これは割合の問題です」「ここでは比を使います」と教えてはくれません。
問題文を読み、自分で必要な考え方を選ぶ必要があります。
そのため、類題を数多く解くことより、少ない問題でも「なぜこの解法を選ぶのか」を確認する方が重要な場合があります。
類題で確認したいのは「もう一度、自分でできるか」
類題演習の目的は、問題数を増やすことではありません。
元の問題でできなかった部分を修正し、別の問題でも同じ考え方を自分で使えるかを確認することです。
そのためには、まず失点原因を確認する。必要なら難度を下げる。前提単元まで戻る。そこから少量の類題を解き、少し形が変わっても自力で解けるかを見る。
この流れなら、春期講習の限られた時間でも復習を必要以上に膨らませずに済みます。
「間違えた問題の類題をたくさん解く」ではなく、「間違えた原因を直せる問題を選ぶ」。この違いを意識すると、同じ演習量でも復習の中身はかなり変わります。
講習中も既習単元を少量ずつ混ぜる
春期講習が始まると、どうしてもその日に習った内容ばかりに学習が寄りやすくなります。
授業を受け、宿題をし、翌日の授業に備える。これだけで一日はかなり埋まるため、以前に習った単元まで戻る余裕がなくなることがあります。
ただ、直前に習った内容だけを続けていると、「今は解けるけれど、少し時間が空くと解けない」という状態になりやすくなります。
そこで春期講習中も、既習単元を少量ずつ混ぜておくと、学習内容を長く残しやすくなります。
直前に習ったから解ける状態と、定着している状態は違う
講習中は、同じ単元を数日続けて扱うことがあります。
たとえば算数で割合を習った翌日に、また割合の問題を解けば、前日の授業内容をまだ覚えています。
この状態では比較的よく解けるため、「割合はもう大丈夫」と感じるかもしれません。
しかし、数週間後の総合テストでは、「今日は割合の問題を解く」と事前に分かっているわけではありません。
割合、速さ、図形、場合の数などが混ざった中から、自分で必要な考え方を選ぶ必要があります。
講習中から少しだけ別の単元を混ぜておくと、「何を使うか自分で判断する」練習にもなります。
計算や漢字は毎日の学習として残しやすい
既習内容を混ぜるといっても、毎日大がかりな総復習をする必要はありません。
取り入れやすいのは、算数の計算や国語の漢字・語句です。
たとえば、春期講習の宿題を始める前に計算を5〜10問解く。朝に漢字を10個確認する。その程度でも構いません。
こうした基礎学習は、講習内容とは別に継続することで、処理の精度や知識を維持しやすくなります。
特に春休みは生活リズムが変わりやすいため、「朝は計算と漢字」といった短い習慣を一つ残しておくと、勉強を始めるきっかけにもなります。
理科・社会は数日前、数週間前の内容を少し戻す
理科や社会は、新しい知識を覚えると、その直後は比較的よく答えられます。
ところが、別の単元へ進むと以前の知識が少しずつ抜けていきます。
そこで、春期講習中でも、数日前や数週間前に習った内容を短時間で確認します。
たとえば社会なら、以前に間違えた地理の用語を10問だけ確認する。理科なら、前月に扱った生物分野の一問一答を数問解く、といった程度です。
一日で一単元を丸ごと復習する必要はありません。
少量でも時間を空けて思い出す機会を作ることで、「一度覚えたら終わり」になりにくくなります。
算数も以前の単元を一問だけ混ぜる
算数では、既習単元の復習というとまとまった問題演習を想像しがちですが、一問だけ混ぜる方法もあります。
たとえば春期講習で図形を扱っている日に、家庭学習では以前習った割合の基本問題を一問だけ解く。翌日は速さ、その次の日は場合の数、といった形です。
一問だけなら時間はそれほどかかりません。
それでも、しばらく触れていなかった単元を自力で解くことで、「まだ使えるか」を確認できます。
もしそこで手が止まれば、その単元が少し抜けていることにも気づけます。
春休み中に全て直す必要はありませんが、4月以降に戻るべき課題として印をつけておけば十分です。
4科目を少しずつ回すと、講習内容への偏りも防げる
春期講習の時間割によっては、特定の科目に学習時間が偏ることがあります。
算数の宿題に時間がかかり、気づけば数日間ほとんど社会に触れていない、といったことも起こります。
そこで、一週間単位で4科目に触れているかを確認します。
毎日4科目を均等に勉強する必要はありません。
月曜日は算数と理科、火曜日は算数と国語、水曜日は社会を少し長めにする、といった形でも構いません。
重要なのは、講習期間中に一つの科目が完全に止まらないことです。
得意科目についても、短時間で維持する学習を入れておけば、講習終了後に感覚を戻す負担が少なくなります。
既習単元の復習を増やしすぎない
一方で、「忘れないように」と既習単元を大量に追加すると、春期講習の復習時間がなくなります。
講習中の中心は、あくまでその日の授業内容と宿題です。
既習単元は、それを邪魔しない程度に混ぜます。
計算10分、漢字10分、理社の知識確認10分など、合計20〜30分程度でも十分な日があります。
時間に余裕のない日は、計算だけでも構いません。
大切なのは、一日に多く復習することより、少量でも時間を空けて何度か思い出すことです。
「何の単元か分からない状態」で解けるかを少しずつ確かめる
単元別の教材では、ページを開いた時点で何を使う問題なのか分かっています。
「割合」の章なら割合を使い、「旅人算」の章なら速さを使うと分かった状態で問題を解けます。
一方、模試や入試では複数の単元が混ざっています。
そのため、既習単元を少量ずつ混ぜることには、「解法を思い出す」だけでなく、「どの解法を使うか判断する」練習としての意味もあります。
春期講習中に大きな総合問題集へ移る必要はありません。以前のテストから一問選ぶ、塾の教材の別単元から一問出す、といった程度でも十分です。
春期講習では新しい内容を学ぶことに目が向きやすくなりますが、受験勉強では、以前に習ったことを必要なときに取り出せることも重要です。
計算や漢字を続ける。数日前、数週間前の内容を少し戻す。違う単元を一問だけ混ぜる。こうした小さな復習を入れておくことで、講習内容を追いかけながら、これまでの学習も少しずつ維持できます。
一度解けても、数日後にもう一度確認する
春期講習の復習では、間違えた問題をその日のうちに解き直すことが多いでしょう。
これは必要な学習ですが、その場で解けたからといって、すぐに「もう大丈夫」と判断するのは少し早い場合があります。
解説を読んだ直後や、先生の説明を聞いた直後は、解法の流れが頭に残っています。そのため、同じ問題なら比較的簡単に解けることがあります。
本当に身についたかを見るには、少し時間を空けてからもう一度確認することが大切です。
当日の解き直しは「理解できたか」を見る
授業後や宿題のあとに行う解き直しでは、まず「考え方を理解できたか」を確認します。
たとえば算数なら、なぜその式を立てるのか、なぜその比を使うのかを説明できるかを見る。理科なら、どの法則を使っているのかを確認する、といった具合です。
ここでまだ途中で止まるなら、理解が十分ではありません。
解説をもう一度読んだり、必要なら一段簡単な問題へ戻ったりして、まずはその日のうちに考え方を整理します。
ただし、この段階はあくまで「理解の確認」です。
時間を空けても同じ考え方を取り出せるかは、別に確かめる必要があります。
2〜3日後に、解説を見ずにもう一度解く
一度解き直した問題は、2〜3日後にもう一度解いてみると定着を確認しやすくなります。
このときは、できるだけ解説や以前の途中式を見ない状態で始めます。
問題を見た瞬間に、「これは前にやった問題だから、この式」と思い出すだけではなく、自分で条件を整理し、必要な考え方を取り出せるかを見ます。
数日後にも解ければ、その内容はかなり安定してきたと考えられます。
反対に、また同じところで止まるなら、当日の解き直しでは解答手順を一時的に覚えていただけかもしれません。
同じ問題だけでなく、少し形を変えた問題でも確認する
同じ問題を繰り返すと、答えや途中式そのものを覚えてしまうことがあります。
そこで、できれば数日後には少し形の違う類題を一問入れてみます。
たとえば元の問題が割合なら、聞かれる数量を変える。速さなら、出会う問題を追いつく問題に変える。理科なら、数字や条件を少し変えた計算問題を解く、といった程度で構いません。
見た目が少し変わっても同じ考え方を使えれば、「その問題を覚えた」のではなく、「考え方を使えるようになった」と判断しやすくなります。
正解でも迷った問題は、もう一度見る
再確認する問題は、不正解だったものだけではありません。
一度目に正解していても、かなり迷った問題や、途中で何度もやり直した問題は確認しておきたいところです。
特に算数や理科では、最終的な答えが合っていても、考え方が不安定なことがあります。
問題番号の横に○・△・×などで自信度を残しているなら、△の問題を数日後にもう一度解くとよいでしょう。
○で自信を持って正解できた問題まで何度も解く必要はありません。
復習する問題を絞ることで、時間を使うべきところに集中できます。
解けなかったら、すぐに回数を増やさない
数日後にもう一度解いてみて、また間違えると、「まだ練習量が足りない」と考えて同じ単元を大量に追加したくなることがあります。
しかし、同じ失敗が続く場合は、問題数より原因を確認した方がよいことがあります。
解法そのものを理解していないのか、前提単元が弱いのか、計算で崩れているのかによって、必要な対応は違います。
たとえば比の応用問題を何度解いてもできないなら、比の基本まで戻る必要があるかもしれません。
再確認で解けなかったことは、「もう一度10問やる」という合図ではなく、「まだどこかに引っかかりがある」という情報として使います。
時間を空けることで、短期記憶だけで解いていないか分かる
春期講習中は、習った直後に関連する問題を解くため、点数が取りやすいことがあります。
これは悪いことではありませんが、その状態だけでは定着を判断できません。
数日後、別の単元を学んだ後でも同じ問題を解けるか。さらに、単元名が示されていなくても必要な解法を選べるか。
こうした確認を入れると、短期記憶だけで講習を乗り切っていないかが見えます。
とくに、カリキュラムテストでは得点できるのに総合模試になると点が下がる子は、この「時間が空いた後に取り出せるか」を意識して確認するとよいでしょう。
何度も解くことより、適切な間隔で確認する
同じ日に同じ問題を3回解くより、当日、数日後、さらに一週間後と間隔を空けて確認した方が、定着を見やすいことがあります。
毎回すべての問題で行う必要はありません。
講習中に重要だと判断した問題や、何度も間違えている問題だけを数問選びます。
春休みの期間中に一度、4月に入ってからもう一度確認する形でもよいでしょう。
そこで自力で解ければ、その問題はかなり安定してきています。
春期講習の復習では、「その場で解けたか」だけでなく、「時間が空いても解けるか」を見ることが大切です。
理解した直後の正解ではなく、数日後にも自分で考え方を取り出せるか。ここまで確認できると、講習で学んだ内容が本当に残っているかを判断しやすくなります。
春期講習後に一度だけ棚卸しをする
春期講習が終わると、すぐに通常授業が再開します。
講習中は毎日の授業と宿題をこなすことで手いっぱいになりやすいため、終わった後に一度だけ全体を振り返っておくと、その後の学習が整理しやすくなります。
ここでいう棚卸しは、大がかりな総復習ではありません。
春期講習で扱った内容をもう一度全部解き直すのではなく、「何ができるようになったか」「まだ何が怪しいか」「4月に何を持ち越すか」を簡単に整理する作業です。
まず「できるようになったこと」を確認する
振り返りというと、できなかった問題ばかりに目が向きがちです。
ただ、講習前には不安定だった内容が安定してきたのであれば、それも確認しておきたいところです。
たとえば、割合の基本問題を一人で解けるようになった。漢字の書き間違いが減った。理科の電気回路を図に整理できるようになった。社会の地理で地域ごとの特徴を以前より説明できるようになった、といった変化です。
こうした内容は、今後の学習で毎回重点的に復習する必要がなくなった可能性があります。
「できなかったこと」だけでなく、「もう大きく時間をかけなくてよいこと」を見つけることも、学習量を整理するうえでは重要です。
まだ怪しい問題には印を残す
次に、講習中に何度か取り組んでも不安定だった問題を確認します。
何度も間違えた問題、解説を見れば分かるものの自力では方針が立たない問題、正解していても自信がなかった問題などです。
これらには、テキストやノートに印を残しておくとよいでしょう。
新しく「春期講習復習ノート」を一冊作って全てを書き写す必要はありません。
問題番号に星印をつける、付箋を貼る、一覧に数問だけ書き出すなど、4月以降に戻れる形になっていれば十分です。
講習教材を最初から全部やり直さない
春期講習が終わると、「せっかくだから教材をもう一周させよう」と考えることがあります。
理解がかなり不十分だった場合には必要なこともありますが、基本的には全問を同じように解き直す必要はありません。
すでに自信を持って解ける問題まで再度扱えば、本当に復習が必要な問題へ使う時間が減ります。
講習後は、授業中に手が止まった問題、宿題で間違えた問題、数日後の再確認でも解けなかった問題などに絞ります。
講習中に○・△・×などで自信度を残しているなら、△や×を中心に確認すると選びやすくなります。
4月へ持ち越す課題は2〜3個に絞る
春期講習を振り返ると、気になるところはいくつも出てきます。
算数は割合と速さと図形、国語は記述と漢字、理科は電気、社会は地理。このように全てを書き出して、そのまま4月の学習計画へ入れると、通常授業が始まった瞬間に課題が増えすぎます。
そこで、4月へ持ち越すものは2〜3個程度に絞ります。
優先したいのは、基本・標準問題で繰り返し失点している内容や、その後の学習でも何度も使う内容です。
たとえば「算数の割合」「理科の電気」「漢字の書き取り」の三つだけを残し、それ以外は必要になったときに戻るという形でも構いません。
春期講習で見つけた課題を全て一度に直そうとしないことが大切です。
「分からなかった問題」と「今すぐ直す問題」は分ける
講習中に解けなかった問題が、そのまま最優先課題になるとは限りません。
たとえば、現在の実力に対してかなり難しい発展問題を一問解けなかったとしても、それより基本問題の計算ミスが繰り返されているなら、先に直すべきなのは後者です。
逆に、一見難しそうな問題でも志望校で頻出する形式であり、本人があと少しで解ける状態なら、今後の重点課題になることもあります。
「解けなかったから復習する」だけではなく、「今の自分にとって、この問題を直す優先度はどれくらいか」を一度考えます。
これだけでも、復習する問題数はかなり整理できます。
講習中にうまくいった勉強法も残しておく
棚卸しでは、問題だけでなく勉強の進め方も振り返ってみるとよいでしょう。
たとえば、朝に計算を済ませると一日が安定した。宿題をA・B・Cに分けると進めやすかった。算数を長く続けるより、途中で理科に切り替えた方が集中できた。数日後に解き直すと、本当に覚えているか分かりやすかった。
こうした方法は、春期講習が終わったからやめる必要はありません。
通常授業が始まった後でも続けられる形に小さくして残せます。
春休み中には毎日30分かけていた復習を、4月からは週に2回15分にする、といった調整でも構いません。
棚卸しは一度で終える
春期講習の振り返りを毎日何度も行う必要はありません。
むしろ、細かく分析しすぎると、それ自体に時間を使ってしまいます。
講習が終わった後に一度だけ教材やテストを広げ、30分から1時間程度で確認するくらいでも十分です。
「できるようになったこと」「まだ怪しいこと」「4月に直すこと」を簡単に整理し、その後は通常の学習へ戻ります。
棚卸しは、春期講習を評価するための反省会ではありません。
講習で得たものを確認し、残った課題を次の学習へ渡すための作業です。
春期講習の教材を閉じる前に、一度だけ立ち止まり、何を残し、何を4月へ持っていくかを決めておく。この小さな整理があるだけで、講習と新学年の学習がつながりやすくなります。
春期講習の学習を4月の勉強計画につなげる
春期講習が終わると、学校も塾も通常の予定に戻ります。
春休み中はまとまった学習時間を取りやすくても、4月以降は学校の授業、宿題、習い事などが戻ってくるため、同じ学習量をそのまま続けることは難しくなります。
そこで必要になるのが、春期講習で見つけた課題を、通常期でも続けられる大きさに小さくして残すことです。
春期講習の復習は、講習が終わった時点で完結するものではありません。むしろ、その後の通常学習へどうつなげるかまで考えておくことで、春休みに学んだ内容が残りやすくなります。
春休みと同じ学習量を続けようとしない
春期講習中に一日数時間勉強できていたからといって、4月からも同じ時間を確保する必要はありません。
学校生活が始まれば、使える時間も体力も変わります。
春休み中には毎日30分かけていた苦手単元の復習を、4月からは週に2回15分にする。毎日20問解いていた計算を10問に戻す。こうした調整で構いません。
春休みの学習量を維持することより、学校が始まってからも無理なく続けられる形に変える方が重要です。
予定を減らすことは、春期講習で身につけたものを捨てることではありません。続けるために大きさを変えるということです。
4月に残す課題は、毎週できる大きさにする
春期講習後の棚卸しで、「割合を復習する」「電気を直す」といった課題を残しても、それだけでは実際の行動につながりにくいことがあります。
そこで、具体的な学習まで決めます。
たとえば「割合を復習する」なら、「火曜日と土曜日に基本問題を2問ずつ解く」とする。「電気を復習する」なら、「日曜日に春期講習で間違えた問題を2問解き直す」といった形です。
課題を単元名のまま残すのではなく、いつ、何を、どのくらいやるかまで小さくすると、通常授業の中にも入れやすくなります。
通常授業の復習を圧迫しないようにする
4月からは、塾でも新しい内容が進みます。
春期講習で見つけた弱点を直したいからといって、そこに時間を使いすぎると、今度は通常授業の復習が遅れます。
すると、過去の弱点を直している間に新しい弱点が増えるという状態になりかねません。
基本は、現在進んでいる授業の学習を優先し、その中に春の課題を少量混ぜます。
たとえば平日は通常授業の宿題と復習を中心にし、週末だけ春期講習で残った問題を数問確認する方法があります。
既習範囲の補強は必要ですが、現在のカリキュラムを止めてまで大がかりに行う必要があるかは慎重に考えた方がよいでしょう。
一度できるようになった内容も、ときどき確認する
春期講習でできるようになった内容も、そこで完全に終了とは限りません。
数週間後にもう一度使えるかを確認すると、定着の程度が分かります。
たとえば、春休みに割合の基本問題が安定したなら、4月の終わりごろに以前間違えた問題を一問だけ解いてみます。
何も見ずに解ければ、その内容はかなり定着しています。再び手が止まるなら、もう少し復習が必要です。
毎週同じ問題を繰り返す必要はありません。時間を空けてときどき確認する方が、長く使える状態になっているかを判断しやすくなります。
次のテストや模試を「確認の場」として使う
春期講習で直した内容が本当に身についたかは、その後のテストや模試でも確認できます。
たとえば春休みに計算ミスを減らすことを課題にしたなら、次のテストで同じ種類の失点が減ったかを見る。割合を復習したなら、単元名が示されていない総合問題の中でも使えたかを確認します。
ここで再び失点したとしても、「春の復習が全て無駄だった」と考える必要はありません。
もう一度同じ原因で間違えたのか、別のところでつまずいたのかを見れば、次の学習内容が決まります。
春期講習で見つけた課題を直し、次のテストで確認し、まだ不安定ならもう一度戻る。この繰り返しで学習は少しずつ安定していきます。
春期講習の復習を「終わった教材」にしない
講習が終わると、春期講習のテキストを本棚へしまい、その後ほとんど開かなくなることがあります。
もちろん、教材を何度も最初からやり直す必要はありません。
ただ、春期講習中に重要だと判断した問題や、何度も間違えた問題には、後から戻れるように印を残しておくと便利です。
4月のテストで同じ単元を間違えたときに、「そういえば春にも同じところで止まった」とすぐ確認できます。
教材を一冊丸ごと復習対象にするのではなく、必要な数ページだけを今後も参照できる状態にしておく。それだけでも十分です。
春期講習から4月までを一つの学習として考える
春期講習を無駄にしないために必要なのは、講習中に完璧な状態を作ることではありません。
授業で新しい内容を学ぶ。自分で解いてみる。間違えた原因を確認する。必要な類題を少量解く。数日後にもう一度確認する。そして、まだ残っている課題を4月の学習へ移す。
この流れができれば、春期講習は数日間だけの特別な学習ではなく、普段の勉強の一部になります。
中学受験では、春期講習だけでなく、夏期講習、模試、組み分けテスト、過去問演習など、学習の節目が何度もあります。
そのたびに新しい教材へ進むだけではなく、そこで見つけた課題を次の日常学習へ戻すことが大切です。
春期講習で何ページ進んだかより、4月になっても使える知識や解法が何か残っているか。春に見つけた弱点が、少しでも次のテストで減っているか。
そこまで確認できれば、春期講習は「受けて終わるもの」ではなく、新学年の学習を前へ進めるための材料になります。

