- 学校の概要|「九転十起」と「愛と和」を掲げる神奈川男子御三家の一角
- アクセスと立地環境|新子安駅から徒歩圏、打越山に広がる緑豊かなキャンパス
- 教育方針とカリキュラム|学業・部活動・学校行事を柱にした6年間の一貫教育
- 学習環境と施設設備|広大な校地と充実した運動・学習施設
- 学校生活と行事|体育祭・打越祭・研修旅行でつくられる男子校の6年間
- クラブ活動|高い加入率と中高一貫で続ける放課後の挑戦
- 進学実績と卒業後の進路|東大をはじめ難関国公立・私立大へ進む進学校
- 学費や諸経費について|6年間の学校生活に必要な費用を整理
- 入試情報と合格の目安|2月3日一回勝負の4科入試を読み解く
- 併願校パターン|開成・麻布・聖光学院・栄光学園などとの受験日程
- 在校生・保護者の声|打越坂の先にある浅野らしい学校生活
- この学校に向いている子の特徴|勉強・部活・行事のすべてに本気で取り組めるか
- まとめ|難関大進学の先にある「浅野で6年間過ごす」という選択
学校の概要|「九転十起」と「愛と和」を掲げる神奈川男子御三家の一角
浅野中学校は、横浜市神奈川区子安台にある私立の男子中高一貫校です。1920年に実業家・浅野總一郎によって創立され、100年以上にわたって男子教育を続けてきました。高校からの募集を行わず、中学で入学した生徒が6年間を同じ仲間と過ごします。
中学受験の世界では、聖光学院、栄光学園と並んで「神奈川男子御三家」の一角として語られることの多い学校です。ただし、浅野を大学合格実績だけで見ると学校の半分ほどしか見えません。学校自身が教育の中心に置いているのは、「学業・部活動・学校行事」の三本柱。授業で学力を伸ばすだけでなく、部活動や行事まで含めた6年間そのものを人間形成の場と考えています。
浅野中学校の基本情報
| 学校名 | 浅野中学校 |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市神奈川区子安台1丁目3番1号 |
| 設置区分 | 私立 |
| 男女区分 | 男子校 |
| 学校形態 | 中高一貫校 |
| 設置法人 | 学校法人浅野学園 |
| 創立 | 1920年 |
| 校訓 | 「九転十起」「愛と和」 |
| 教育の柱 | 学業・部活動・学校行事 |
2026年度の中学生は約800名で、1学年はおおむね260〜270名規模です。少人数校というわけではありませんが、6年間を同じ学校で過ごし、部活動や行事では学年を越えて関わります。
1920年、実業家・浅野總一郎が創立
浅野学園の創立者・浅野總一郎は、浅野セメントや東洋汽船をはじめ、多数の事業を手がけた明治・大正期の実業家です。事業を始めては失敗する時期を経験しながら再起を重ね、京浜工業地帯の形成にも大きく関わりました。
1920年、産業化が進む日本社会で役立つ人材を育てるため、私財を投じて「浅野綜合中学校」を設立します。
創立当初の学校では、アメリカの教育制度「ゲーリー・システム」を参考に、一般教養だけでなく科学技術教育や実用的な語学教育も取り入れていました。当時としてはかなり実学志向の強い学校だったことが分かります。
現在では校内工場で実習するような教育は行われていません。それでも、知識を身につけるだけでなく、身体を動かし、人と関わり、実際に経験することまで教育と考える発想は、「学業・部活動・学校行事」の三本柱へ形を変えて残っています。
何度倒れても、もう一度立つ「九転十起」
浅野を象徴する言葉が「九転十起」です。
「七転び八起き」ではなく、九回転んでも十回起き上がる。創立者・浅野總一郎が数々の事業の失敗を経験しながら挑戦を続けた生涯を表す言葉で、浅野の校歌にも歌われています。
学校ではこれを、単に「根性を持て」という意味にはしていません。大きな目標は一度の挑戦では達成できないことがある。失敗してもそこで終わらず、試行錯誤しながらもう一度取り組む。その姿勢を6年間で身につけることを重視しています。
勉強にもその考え方は現れますし、体育祭で負けること、部活動で試合に敗れること、思うような結果が出ないことも含めて学校生活です。難関大学への進学実績が目につく学校ですが、その結果だけでなく、そこへ至るまで何度もやり直す過程を教育の一部として捉えています。
もう一つの校訓「愛と和」
「九転十起」と並ぶもう一つの校訓が「愛と和」です。こちらは初代校長・水崎基一の教育思想を受け継いでいます。
水崎は、教育とは生徒を一定の型にはめることではなく、一人ひとりの中にある可能性を見つけ出す仕事だと考えていました。その思想から、他者への思いやり、気遣い、連帯、協働を大切にする「愛と和」が浅野の教育に残っています。
「九転十起」だけなら、強く競争する学校にも見えるかもしれません。しかし、浅野は同時に「愛と和」を掲げています。自分の目標へ粘り強く挑戦することと、周囲の人と協力して生きること。その二つを並べているところに、学校の教育観がよく表れています。
「学業・部活動・学校行事」の三本柱
浅野の学校生活を理解するうえで最も重要なのが、学業・部活動・学校行事の三本柱です。
難関進学校なので、もちろん授業や受験指導にはかなりの時間を使います。しかし、学校は学業だけを突出させることを教育目標にはしていません。
- 学業:6年間を見通したカリキュラムで、基礎から難関大学受験まで学力を段階的に高める
- 部活動:学年を越えた集団の中で、技術だけでなく協調性や責任感を身につける
- 学校行事:体育祭、打越祭、林間学校、研修旅行などを通して、仲間と一つのものをつくる経験を積む
学校は「6年間のすべての時間が人間形成の場」と考えています。授業で数学を解いている時間だけでなく、放課後に部活動で汗を流す時間も、体育祭の準備で意見がぶつかる時間も、同じ6年間の教育です。
浅野の大学合格実績が高いからといって、学校生活を大学受験一本に絞るわけではありません。むしろ、勉強以外にもかなり忙しい学校です。この忙しさを面白いと思えるかどうかが、浅野との相性を見る一つのポイントになります。
広いキャンパスも、浅野の教育を形づくる一部
学校は新子安駅・京急新子安駅から徒歩圏にありながら、打越山と呼ばれる高台に広い校地を持っています。校地の一部にはまとまった森林が残り、創立者・浅野總一郎の銅像が立つ一帯は「銅像山」と呼ばれています。
グラウンド、体育館、図書館、理科系の実験設備などがそろい、授業だけでなく部活動や学校行事にも十分な場所を使えることは、「三本柱」を掲げる浅野にとって重要です。
1924年には現在の部活動にあたる学友会活動が始まり、戦前には野球部が甲子園にも出場しました。戦災で校舎を失った時期を経て、戦後に中高一貫体制を整え、現在の男子進学校へ発展しています。
2020年には創立100周年を迎えました。施設や大学進学実績は時代とともに大きく変わっていますが、「知・徳・体を偏らせない」という創立時の発想は、現在の三本柱にもつながっています。
「神奈川男子御三家」の進学校であり、それだけではない
浅野は、聖光学院・栄光学園と並んで「神奈川男子御三家」と呼ばれることがあります。これは学校が定めた正式な区分ではなく、中学受験で使われる通称ですが、神奈川県を代表する男子進学校の一つであることを示す言葉として広く定着しています。
実際、東京大学をはじめとする難関国公立大学や早慶などへの合格者を毎年多数送り出しています。そのため受験生から見ると、まず「大学進学に強い学校」として認識されるのは自然です。
ただ、浅野自身が最初に掲げているのは大学合格者数ではありません。「九転十起」と「愛と和」、そして「学業・部活動・学校行事」の三本柱です。
難関大学を目指せるだけの学力を身につけながら、部活動にも行事にもかなりの時間を使う。失敗も経験し、男子だけの集団の中で6年間を過ごす。進学実績の高さと、学校生活を大学受験だけにしないことが同居しているところから、浅野という学校を見ていくと分かりやすくなります。
アクセスと立地環境|新子安駅から徒歩圏、打越山に広がる緑豊かなキャンパス
浅野中学校は、横浜市神奈川区子安台の高台にあります。最寄り駅はJR京浜東北線の新子安駅と京急本線の京急新子安駅で、いずれも学校まで徒歩約8分です。
新子安は横浜駅より東京寄りに位置するため、横浜市内だけでなく、川崎や東京方面からも通学経路を組みやすい場所です。それでいて校門を入ると、駅から徒歩8分とは思いにくいほど広い敷地と自然林が広がります。都市部への交通の便と、男子校らしく身体を動かせる広い校地。この二つが同時にあるのが浅野の立地です。
JR新子安駅・京急新子安駅から徒歩約8分
| 利用路線 | 最寄り駅 | 学校まで |
|---|---|---|
| JR京浜東北線 | 新子安駅 | 徒歩約8分 |
| 京急本線 | 京急新子安駅 | 徒歩約8分 |
JRと京急という2系統を利用できるため、居住地域によって通学ルートを選びやすくなっています。
JR京浜東北線を使えば、横浜・川崎・品川・東京方面と一本の路線でつながります。京急本線も横浜・川崎・品川方面を結んでおり、横浜市南部や京急沿線からの通学にも使えます。
中高6年間では、駅から学校までの距離だけでなく、自宅からの乗換回数も効いてきます。浅野の場合、JR京浜東北線または京急線沿線なら乗換を少なくできる地域が広く、神奈川県内だけを通学圏とする学校ではありません。
横浜にも東京方面にも出やすい「新子安」という位置
浅野の所在地は横浜市ですが、新子安駅は横浜駅より北側、川崎方面に寄った位置にあります。
この位置関係は、神奈川県の男子進学校としてはなかなか重要です。横浜方面から通いやすいのはもちろん、川崎を経由して東京都内から通う場合にも、横浜のさらに南まで下る必要がありません。
たとえば東京・品川・川崎方面からはJR京浜東北線、京急沿線からは京急本線を利用できます。一方、横浜駅を経由すれば東急線、相鉄線、横浜市営地下鉄などからも接続できます。
浅野は2月3日に入試を行うため、東京の男子難関校と併願する受験生も少なくありません。そうした受験構造が成立する背景には、学力帯だけでなく、東京・神奈川の双方から通えるこの立地もあります。
駅から8分、その先にある「打越山」への上り
一方、「駅から徒歩8分」という数字だけでは浅野への通学を完全には表せません。
学校は「打越山」と呼ばれる高台にあり、正門から校舎へ向かう道も上りになります。浅野の生徒にとっては、この坂を歩くところまでが毎朝の登校です。
「打越」という言葉は文化祭の「打越祭」にも使われ、校歌の最後にも「我等は百難 打越し行かん」と歌われています。地名と学校の精神を重ねた言葉が、長く浅野の中で使われてきました。
中学1年生の春には、教科書や部活動の荷物を持って坂を上ることになります。6年間通えばすっかり日常になるでしょうが、受験生のうちに一度、新子安駅から自分の足で歩いておくと学校生活を想像しやすくなります。
58,750㎡、駅徒歩圏とは思えない広さ
坂を上った先にある校地は、58,750㎡(17,803坪)。横浜市内の学校としてはかなりまとまった広さがあります。
キャンパスには中学棟・高校棟・本館・講堂のほか、人工芝の大グラウンド、打越アリーナ、屋内プール、テニスコート、ハンドボールコート、野球練習場、図書館「清話書林」などが配置されています。
グラウンドだけでも約10,000㎡あり、野球、ラグビー、アメリカンフットボール、サッカーなどの公式戦に対応します。
浅野が「学業・部活動・学校行事」を三本柱として掲げられる背景には、この校地の広さがあります。体育の授業や部活動を行う場所が十分にあり、体育祭や打越祭でもキャンパス全体を使える。施設については次章で詳しく紹介しますが、まず土地そのものに余裕があることが浅野の学校生活を支えています。
校地の約半分を占める「銅像山」の自然林
さらに特徴的なのが、58,750㎡の校地のほぼ半分を自然林が占めていることです。
創立者・浅野總一郎の銅像が立つ一帯は「銅像山」と呼ばれ、1971年には神奈川県の愛護林鳥獣保護区に指定されました。
浅野の立地を地図だけで見ると、京浜工業地帯に近い都市部です。ところが校内に入れば木々が多く残り、高台からは京浜工業地帯や横浜ベイブリッジ方面を見渡せます。
創立者の浅野總一郎は、まさに眼下に広がる京浜工業地帯の造成に深く関わった人物です。その銅像が山の上から現在の工業地帯を見渡しているという配置には、この学校ならではの歴史があります。
100年以上前からこの場所に学校があるため、緑は後から景観のために植えただけのものではありません。都市の中にまとまった自然林を残したまま、校舎や体育施設が共存しています。
通学時には駅から学校までの実際の道も見ておきたい
新子安駅から8分というアクセスは、6年間の通学を考えればかなり扱いやすい距離です。ただし、駅前から校門までの途中には住宅地の道路もあり、入試当日など多くの人が一斉に移動すると混雑します。
学校でも、入試時には公共交通機関の利用を求め、自家用車やタクシーによる学校周辺での送迎を控えるよう案内しています。毎日の通学でも基本になるのは、駅から徒歩で学校へ向かう生活です。
学校説明会や打越祭へ行く際には、駅から校門までだけで終わらず、可能なら敷地内を歩いてみたいところです。浅野では、受験生向け行事以外の日でも、学校が指定する日には建物の外から校地やグラウンドなどを見学できます。
新子安の駅を降り、住宅地を抜け、坂を上る。正門の先には大きなグラウンドと校舎、その向こうには自然林が残る。「駅から徒歩8分」と「58,750㎡の校地」が同時に成立していることが、浅野の立地を最も端的に表しています。
教育方針とカリキュラム|学業・部活動・学校行事を柱にした6年間の一貫教育
浅野中学校のカリキュラムは、中学3年間と高校3年間を分けて考えるのではなく、最初から6年間を一つの学習期間として組まれています。高校からの募集がない完全中高一貫校だからこそ、中学内容を早めに終える教科、高校まで時間をかけて積み上げる教科、体験や発表を重視する教科を、それぞれの性質に合わせて配置できます。
授業は月曜日から土曜日までの週6日制・週34時間。主要教科の進度は速く、とくに英語と数学では中学2年までに中学校範囲を終え、中学3年から高校内容へ入ります。ただし、浅野の教育を「大学受験のための先取り学習」だけで説明するのは十分ではありません。美術、音楽、技術・家庭、体育、総合学習まで含め、学校生活全体を人間形成の場として扱っています。
週6日・34時間、6年間を一続きに考えるカリキュラム
平日は50分授業を基本に6時間、土曜日にも授業があります。中高一貫の利点を使い、各教科が「中学ではここまで、高校ではここから」と機械的に区切られることなく、6年間で必要な内容を再構成しています。
定期考査は1学期中間・期末、2学期中間・期末、学年末の年5回。9月には夏休み整理テストも行われます。日々の小テストや課題もあり、学習内容を細かく確認しながら進む仕組みです。
| 授業日 | 月曜日〜土曜日の週6日制 |
|---|---|
| 週間授業時数 | 週34時間 |
| 通常授業 | 1コマ50分 |
| 主な定期考査 | 1学期中間・期末、2学期中間・期末、学年末 |
| その他 | 夏休み整理テスト、模擬試験、到達度試験など |
中学1年生から決して軽い学習量ではありません。家庭学習の習慣をつけるために宿題も出され、授業を軸に予習・復習を繰り返すことが求められます。
一方で、学校は部活動や行事にも時間を使います。浅野で求められるのは、勉強だけに時間を集中させることより、限られた時間の中で授業、家庭学習、部活動、行事を自分で回せるようになることです。
数学は中2で中学範囲を修了、中3から高校数学へ
数学では、中高一貫校向け教材「体系数学」に手を加えた独自教材を使用します。授業で内容を理解することと、十分な量の問題を解いて自力で使えるようにすることを分けずに進めます。
中学1・2年の2年間で中学校数学の内容を終え、中学3年から高校数学へ進みます。高校内容は中3から高2までを中心に学び、高3では既習分野の総復習と大学入試を意識した演習に時間を使えるようにします。
- 中1〜中2:中学校数学の内容を学習
- 中3〜高2:高校数学へ進み、体系的に学習
- 高3:総復習と志望大学に応じた発展演習
進度だけを見るとかなり速いのですが、単なる先取りではありません。Chromebookを使って難問の解説動画を見たり、グラフや図形を実際に動かしたりしながら、複数の考え方を比較する授業も行われます。
中学3年の数学では、一部の授業を1クラス2分割の少人数で実施します。理解が遅れている生徒には、中学1年から追試や補習を行います。速く進むからこそ、途中で理解を確認し直す仕組みも必要になります。
英語も中2までに中学範囲を終え、「使える英語」へ広げる
英語も数学と同様に、中学2年までに中学校レベルの教材を終え、中学3年から高校レベルへ移ります。
ただし、文法や大学入試問題だけに重点を置くわけではありません。中学1・2年では、英語特有の音やリズムを身につけながら、学習した文法や表現をその場で使えるようにすることを重視しています。
音読練習には「RepeaTalk」というシステムを利用し、授業で学んだ英文を家庭でも繰り返し音読します。読む・訳すだけで終わらず、自分の口から英文が出てくるところまで反復する学習です。
中学1年から3年までの総合学習では、ネイティブ教員による英会話も行われます。クラスを2つに分けた少人数授業で、実際に英語を聞き、自分の言葉で話す時間を確保します。
中学3年以降は、より高度な英文を読むだけでなく、専門的なテーマについて意見を述べる活動も増えます。英検などの資格試験や大学入試にも対応しつつ、英語を知識として覚えるところから、実際に使うところまで広げていきます。
国語・社会・理科も「大学受験だけ」に閉じない
国語では、中学1年生から文章を書く機会を設けています。現代文は比較的読みやすい文章から始め、学年が上がるにつれて抽象度の高い文章へ進みます。古文・漢文も文法を学んだうえで読解へ進み、高校1年までに漢字検定2級の取得を一つの目標としています。
社会科は、中学1年から高校1年までの4年間で地理・歴史・公民について幅広く学び、高校2・3年で進路に応じた専門的な内容へ進みます。授業には貿易ゲームや模擬国連なども取り入れられ、覚えた知識を使って社会の仕組みを考える機会があります。
理科は、中学校で物理・化学・生物・地学の4分野を偏りなく学習します。高校になると進路に応じて科目を選択し、理系志望者は大学受験まで見据えた発展内容へ進みます。
浅野では理科を「用語を暗記する教科」とは考えていません。自然災害、エネルギー、放射線、医療、遺伝子など、現代社会で実際に問題になるテーマとも結びつけながら、自分で新しい疑問を見つけることを重視しています。
総合学習では校外研修を「行って終わり」にしない
浅野の学びには、教室外での経験も組み込まれています。
中学2年では鎌倉研修、中学3年では東京研修や京都・奈良への研修旅行があります。生徒は事前に班や個人で研究テーマを決め、班別自主行動の見学先も自分たちで検討します。
研修後には、現地で得た情報を整理し、成果をまとめて発表します。
つまり、「京都へ行った」「鎌倉を見学した」で終わる旅行ではありません。課題を決め、調べ、現地で確かめ、戻ってからまとめるところまでが一続きの学習です。
技術・家庭でも、木工作品の制作、プログラミング、電子工作、調理、被服実習など、手を動かす授業があります。美術や音楽についても、正解が一つに決まらない課題に取り組みます。難関大学を目指す男子が集まる学校だからこそ、試験問題を速く正確に解く力だけに教育を寄せない姿勢が見えます。
遅れた生徒には追試・補習、学校の授業を学習の中心に置く
学習進度が速い学校では、「一度つまずいたら追いつけないのではないか」という心配があります。浅野では、英語・数学を中心に小テストなどで理解度を確認し、不十分な場合には追試や補習を行います。
必要な生徒には夏期講習への参加を指名することもあります。教科担当と担任が連携し、面談を行うこともあります。
学校は、入学後すぐに塾や予備校へ通うことを前提としていません。基本になるのは、学校の授業を中心に予習・復習を行うことです。
定期試験前には放課後に図書館などで自習する生徒もいます。中学1年生のうちは宿題や小テストを通して家庭学習の型をつくり、徐々に自分で学習計画を立てられる状態へ移していきます。
難関校だから最初から全員が自己管理できる、という前提ではありません。中学入学時にはまだ12歳です。6年間かけて、自分の勉強を自分で回せるようにするところまでが浅野の学習指導に含まれています。
高2から文理、高3では6コースに分かれて志望大学へ
高校に入ると、大学進学を意識したカリキュラムがより明確になります。
高校1年には、英語と数学の成績をもとにした「英数クラス」が1クラス設けられます。ただし、英数クラスだけ別の教材や速い進度で学ぶわけではなく、教材・進度・定期試験問題は他クラスと共通です。
高校2年からは本人の希望をもとに文系・理系に分かれます。近年の比率はおおむね文系4、理系6程度で、理系には1クラスの選抜クラスも設置されます。
高校3年ではさらに細かく、6コース・8クラス体制になります。
| 系統 | 高3のコース |
|---|---|
| 理系 | 東大コース |
| 難関国立理系コース | |
| 国立理系コース | |
| 文系 | 東大コース |
| 国立文系コース | |
| 私立系コース |
コース選択は学校側が一方的に決めるのではなく、本人の志望大学を確認し、個人面談を行ったうえで判断します。それぞれのコースで志望大学に合わせた授業や演習を行い、高3までに積み上げてきた知識を入試問題へ接続します。
中2で中学範囲を終える数学や英語の速い進度も、最終的にはこの高3の演習時間を確保するためにつながっています。中学で基礎を早めに固め、高校前半で大学受験に必要な範囲を広げ、高校後半を志望校別の演習に使う。浅野のカリキュラムは、6年間を逆算して組み立てられています。
学習環境と施設設備|広大な校地と充実した運動・学習施設
浅野中学校のキャンパスは、58,750㎡の広さがあります。そのほぼ半分を「銅像山」と呼ばれる自然林が占め、残る敷地に中学棟・高校棟、図書館、体育館、大グラウンド、テニスコート、理科実験室などが配置されています。
施設の規模が大きいのは、浅野が「学業・部活動・学校行事」を三本柱としていることとも関係しています。教室で勉強するだけなら、これほど広いグラウンドや複数の武道場は必要ありません。体育祭、日々の部活動、理科実験、自習まで、6年間のさまざまな活動を校内で行える環境が整っています。
58,750㎡の敷地に中学棟・高校棟と自然林が共存
校門から打越山を上った先には本館、中学棟、高校棟が並びます。中学棟は文字通り中学生の生活の中心となる建物で、高校棟とは本館の連絡通路などを通してつながっています。
中学棟・高校棟はいずれも冷暖房を備え、バリアフリーにも対応しています。ホームルーム教室にはスクリーン、プロジェクター、無線LANが整備されており、授業ではChromebookと組み合わせて利用します。
一方、校舎の周囲にはかなりの緑が残されています。とくに創立者・浅野總一郎の銅像が立つ「銅像山」は自然林として残され、1971年には神奈川県の愛護林鳥獣保護区に指定されました。
都市部の学校では校舎、グラウンド、体育館を敷地いっぱいに配置するケースも珍しくありません。浅野では、施設を確保しながら自然林まで残っています。新子安駅から徒歩圏という立地を考えると、この余白はかなり浅野らしい景観をつくっています。
6万冊を収蔵する独立した図書館「清話書林」
浅野の学習施設の中で目を引くのが、2014年に完成した「清話書林」です。教室棟の一室を図書室として使うのではなく、独立した2階建ての建物全体が図書館になっています。
蔵書数は約6万冊。中学生向けの小説や一般書だけでなく、高校生の学習や探究に使える専門書、さらに大学以上の研究者を対象とした書籍まで収蔵しています。
館内は階によって性格が異なります。1階には小説や雑誌など比較的手に取りやすい本が置かれ、会話もできる空間です。2階にはより専門的な書籍が並び、閲覧席では高校生が自習する姿も見られます。
「図書館は静かに本を読む場所」と一つの使い方に限定していないところが面白い点です。友人と本について話す場所、調べ物をする場所、一人で受験勉強をする場所と、学年や目的によって使い方が変わります。
理科実験室は5教室、実験を行える設備を確保
理科教育では、物理・化学・生物・地学の4分野を中学校で幅広く学びます。そのための理科実験室は5教室用意されています。
高校棟には物理教室、化学系の実験教室、地学教室、生物教室などがあり、授業だけでなく各分野の部活動でも使われています。
中学3年の理科実験では、1クラスを2つに分けた少人数授業も実施されます。40人前後が一度に実験器具を囲むのではなく、人数を減らして観察や操作に取り組める時間を設けています。
化学部では豊富な薬品や器具を用いて研究を行い、物理部では電子工作やプログラミング、生物系の活動では顕微鏡観察や生物の飼育などにも取り組みます。授業用設備と部活動の研究環境が完全に切り離されていないため、授業で興味を持った分野を放課後にさらに掘り下げることもできます。
「打越アリーナ」に体育館・武道場・屋内プールが集まる
2014年に完成した打越アリーナは、浅野の体育活動の中心となる施設です。一つの体育館の中に大きなメインアリーナだけでなく、卓球場、剣道場、柔道場、ボクシング場、トレーニングルーム、屋内プールなどが配置されています。
| 施設 | 概要 |
|---|---|
| メインアリーナ | 公式戦にも利用できる体育館 |
| 卓球場 | 卓球台を10台並べられる広さ |
| 剣道場 | 公式戦を2試合同時に実施可能 |
| 柔道場 | 公式戦を2試合同時に実施可能 |
| ボクシング場 | 公式戦に対応するリングを設置 |
| 屋内プール | 25m・8コース |
剣道場は中学2年の体育でも使用され、柔道場も高校の授業で利用します。部活動専用の施設というより、日々の体育授業と競技活動の双方で使われています。
浅野にはボクシング部やアーチェリー部など、一般的な中高では設備を確保しにくい競技もあります。複数の競技を一つの校地で成立させられるのは、広い敷地と打越アリーナの存在があってこそです。
10,000㎡の人工芝グラウンドと複数の屋外運動施設
屋外には約10,000㎡の大グラウンドがあります。2016年に人工芝化され、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、野球などの公式戦にも使用されています。
さらに、全天候型人工芝のテニスコート3面、ハンドボールコート、野球練習場などがあります。野球練習場は防球ネットで囲まれ、投球練習と打撃練習を同時に行える造りです。
一つのグラウンドを多くの運動部が毎日細かく分け合うというより、競技ごとにある程度の活動場所を確保できます。体育祭にも広い校地が使われるため、「学業・部活動・学校行事」の三本柱のうち二つを、施設面からかなり直接的に支えている部分です。
中学生にとっては、昼間に体育の授業で使った施設へ、放課後には部活動で戻ってくることもあります。設備を見学用に所有しているのではなく、生徒が日常的に使う時間が長い学校です。
1人1台のChromebookと、教室全体のICT環境
浅野では2021年度から中学生全員に個人端末としてChromebookを導入しています。現在は授業、教材配信、調べ学習、動画視聴、課題作成などさまざまな場面で使用されています。
数学では難しい問題の解説動画を見たり、グラフや図形を画面上で動かしながら考えたりします。英語では音読トレーニングシステムを使い、学校外でも反復練習を行います。
すべてのホームルーム教室には無線LAN、スクリーン、プロジェクターがあり、「端末を購入したが使う授業は限られている」という環境ではありません。一方で、理科では実験、技術では木工や電子工作、図書館では紙の書籍を使うなど、何でもデジタルに置き換えているわけでもありません。
Chromebook、6万冊の図書館、5つの理科実験室を内容によって使い分ける。浅野の学習環境を見ると、ICTはそれ自体を特色にするというより、考えるための道具の一つとして組み込まれています。
食堂はなく、昼食は弁当持参が中心
浅野には生徒食堂がありません。昼食は家庭から弁当を持参する生徒が中心です。
ただし、毎日必ず家庭で弁当を用意しなければならないわけではありません。校内では昼食用の弁当、パン、牛乳などを購入できます。弁当は550円で販売されています。
完全給食やカフェテリアを備える学校とは昼食環境が異なるため、毎日の生活を考える際には確認しておきたいところです。とくに中学1年から高校3年まで6年間となると、昼食をどう用意するかは家庭の日常にも関わります。
生活面では、専門のカウンセラーが週2回、完全予約制で生徒・保護者の相談に対応しています。学級集会、学年集会、個人面談なども行われ、学習だけでなく生活面や友人関係について家庭と学校で情報を共有する機会があります。
浅野の施設には、目を引く大きなグラウンドや打越アリーナがある一方、図書館、自習に使える閲覧席、実験室、ICT環境といった学習のための場所もしっかり確保されています。広いキャンパスは景観のためにあるのではなく、勉強し、身体を動かし、仲間と活動する浅野の6年間そのものを収めるための空間になっています。
学校生活と行事|体育祭・打越祭・研修旅行でつくられる男子校の6年間
浅野中学校では、学校行事を「授業の息抜き」とは考えていません。学業・部活動と並ぶ教育の三本柱の一つとして位置づけ、クラスや学年で協力する経験、校外で自分たちの判断で行動する経験、普段とは違う環境で生活する経験を6年間に配置しています。
中学1年生では校外研修や体育祭、林間学校、スキー教室などを通してまず同級生との関係をつくり、中学2年では行動範囲を広げ、中学3年では東京研修や京都・奈良への研修旅行へ進みます。高校になると行事を運営する側としての役割も大きくなります。浅野の学校生活では、学年が上がるほど「参加する」から「自分たちで動かす」へ比重が移っていきます。
6月の体育祭は中学・高校それぞれで開催
体育祭は毎年6月に行われ、中学生と高校生で日程を分けて開催します。2026年度は6月1日に中学体育祭、翌2日に高校体育祭が行われました。
広い人工芝グラウンドを使い、学年やクラスで競技に取り組みます。中学1年生にとっては、入学して2か月ほどで迎える大きな学校行事です。まだクラスの全員と十分に話したことがない時期に、一緒に競技や応援に取り組むことで、人間関係が一気に広がることもあります。
浅野では、こうした行事を通してクラスのまとまりをつくることも重視しています。男子だけの集団ということもあり、競技になればかなり熱が入ります。一方で、勝敗だけが目的ではなく、準備や運営を含めて協力する経験そのものが学校生活の一部です。
中学生と高校生で別々に体育祭を行うため、中学生にも自分たちが主役になる時間があります。6年間の中で同じ行事に何度も参加しながら、学年が上がるにつれて周囲を見る余裕や役割も変わっていきます。
9月の「打越祭」は浅野を代表する文化祭
浅野の文化祭は「打越祭」と呼ばれます。2026年度は9月12日・13日の2日間に開催されました。
名称は、学校が建つ「打越山」に由来します。部活動やクラス、有志団体などが展示、研究発表、実演、ステージ企画などを行い、広いキャンパス全体が文化祭の会場になります。
理科系クラブなら日頃の研究成果、鉄道研究部なら模型や資料、音楽系の部なら演奏というように、普段はそれぞれの活動場所で続けていることを一般の来場者へ見せる機会でもあります。文化部にとっては、打越祭が一年間の活動の大きな目標になることもあります。
企画や運営には生徒が大きく関わります。自分たちが楽しむだけではなく、来場者を迎え、安全に企画を進め、予定通り一日を動かす必要があります。学年が上がるほど運営側の仕事も増えていきます。
受験生にとっても、打越祭は浅野の雰囲気を知りやすい機会です。説明会では分かりにくい、生徒同士の話し方、先輩と後輩の関係、部活動への熱量などをまとめて見ることができます。
中1・中2の林間学校とスキー教室で、集団生活を経験する
中学1・2年生には、夏の林間学校と冬のスキー教室があります。
林間学校は8月に行われます。親元を離れて友人と数日間生活し、自然の中で活動しながら、時間を守ることや周囲と協力することを学びます。2026年度も中学1・2年生がそれぞれ林間学校を実施しました。
冬には中学1・2年生がスキー教室へ参加します。近年は志賀高原を訪れ、3泊4日の日程で技術別の班に分かれて練習しています。初めてスキーをする生徒も、経験のある生徒も、それぞれのレベルに応じてインストラクターの指導を受けます。
スキーが上達することだけが目的ではありません。朝から晩まで同級生と生活し、班で行動し、普段は家庭で家族が行っていることも自分たちで進める。12〜14歳の生徒にとって、こうした数日間は学校の教室とは違う形で自立を促す時間になります。
浅野では中学1年の早い段階から、校外研修、体育祭、林間学校、スキー教室と、クラスの外でも人間関係をつくる機会が続きます。入学時に知り合いがいなくても、行事を重ねるうちに同級生との距離が縮まっていく構成です。
中学3年は東京研修から京都・奈良の3泊4日へ
中学3年生になると、校外研修の内容も少し変わります。春には東京での研修を行い、秋には京都・奈良への3泊4日の研修旅行があります。
東京研修では、春休みから班ごとに準備を進め、訪問先や行動計画を自分たちで考えます。教員が一日のコースをすべて決め、それについて歩くだけの校外学習ではありません。天候や交通状況によって予定を変更しなければならない場面も含め、自分たちで判断することが求められます。
京都・奈良の研修旅行でも、班別研修や自主行動の時間が多く設定されます。奈良では法隆寺などの寺院や文化財を訪ね、京都では班ごとにテーマに沿って各地を巡ります。
事前には総合学習の時間を使って研究課題を設定し、訪問先を検討します。現地で調べたことは、帰校後にまとめて発表します。
つまり、旅行の前後まで含めて一つの授業になっています。社会科で学んだ寺院や仏像を現地で見ることもあれば、計画通りに移動できず予定を組み替えることもあります。知識と実際の経験が重なる中学3年間の集大成の一つです。
希望者はオックスフォードやシンガポールへ
国内の学校行事に加えて、希望者向けの海外研修もあります。
代表的なのが、中学3年生から高校2年生を対象としたオックスフォード研修です。夏休みに約2週間イギリスへ滞在し、オックスフォードでワークショップやディスカッション、プロジェクト活動に取り組みます。
近年の研修ではオックスフォード大学のカレッジを舞台に学び、街中での観察やインタビューを行ったうえで、最後に英語でプレゼンテーションを行っています。滞在中はホームステイも経験します。
単なる語学研修よりも、英語を使って何かを調べ、議論し、発表することに重点が置かれています。英語そのものを勉強する段階から、英語を使って別のことを学ぶ段階へ進むプログラムです。
春休みにはシンガポール研修も行われます。シンガポール国立大学や南洋理工大学などを訪れ、政治・経済・文化について学びながら、生徒自身の問題意識に基づく探究活動を進めます。現地の学生や社会人と話す機会もあり、アジアの国際都市を題材に自分の将来まで考える内容です。
また、国内ではブリティッシュヒルズでの語学研修もあります。海外研修への参加は必須ではありませんが、英語や海外に興味を持った生徒が、中学以降に一段深い経験へ進める道が用意されています。
行事が多いからこそ、浅野の「三本柱」が実感しやすい
浅野の年間予定を見ると、定期考査や模擬試験の間に、体育祭、林間学校、打越祭、スポーツ大会、研修旅行、スキー教室などが入っています。かなり忙しい一年です。
難関大学を目指す進学校なら、行事を減らして授業日数を確保する考え方もあります。浅野はそうしていません。
学校行事を学業の邪魔になる時間として扱うのではなく、授業では身につきにくいものを学ぶ時間として残しています。友人と意見が合わなかったり、予定通りにいかなかったり、競技や企画で失敗したりすることもあります。そうした場面でどう立て直すかは、「九転十起」という学校の考え方ともつながります。
中学1年で友人と一緒に行事を経験し、中学3年では自分たちで研修の行程を考え、高校ではさらに運営する側へ回る。浅野の学校行事は、一度きりの思い出をたくさん並べるというより、6年間の中で少しずつ生徒に任せる範囲を広げていくように組まれています。
クラブ活動|高い加入率と中高一貫で続ける放課後の挑戦
浅野中学校では、学業・学校行事と並んで部活動が教育の「三本柱」の一つに位置づけられています。難関大学への進学実績が目につく学校ですが、放課後まで机に向かうことだけを求めているわけではありません。多くの生徒が運動部・文化部のいずれかに所属し、授業とは別の集団の中で6年間を過ごします。
運動部にはサッカー、野球、陸上競技、テニス、バスケットボール、剣道、柔道、ボクシング、アーチェリーなどがあり、文化部にも吹奏楽、化学、物理、将棋、ディベート、ジャグリングなど幅広い活動があります。中高一貫校なので、一つの競技や研究を中学入学から高校卒業まで続けることもできます。
部活動は「三本柱」の一つ、勉強の外側にある余暇ではない
浅野が部活動を重視する理由は、大会成績を増やすためだけではありません。学校が掲げる「九転十起」や「愛と和」を、実際の人間関係の中で経験する場所でもあります。
試合に負ける、練習しても記録が伸びない、思うように作品や研究が進まない。そうした失敗から立て直す経験は「九転十起」そのものです。一方、団体競技や共同研究では、自分一人ができればよいわけではありません。先輩や後輩、同級生と役割を分担することは「愛と和」につながります。
授業の成績だけでは見えにくい部分を、部活動という別の場所で育てる。浅野が学業と部活動を同列の「柱」と呼ぶ理由はここにあります。
広いキャンパスを使える運動部
運動部の活動を支えているのが、浅野の広い校地です。約10,000㎡の人工芝グラウンド、打越アリーナ、テニスコート、野球練習場などがあり、複数の競技を校内で行えます。
サッカー部、野球部、陸上競技部、テニス部、バスケットボール部など、中高の学校でよく見られる競技に加え、浅野にはボクシング部やアーチェリー部もあります。
ボクシング場には公式戦にも対応するリングがあり、アーチェリーも競技に取り組める環境があります。中学入学まで経験したことのない競技を、浅野に入ってから始めることもできます。
「小学生のころから続けてきた競技をやりたい」という生徒にも、「中学に入ったら何か新しいことを始めたい」という生徒にも選択肢があります。
中学から高校まで、同じ活動を長く続けられる
完全中高一貫校である浅野では、高校受験によって部活動が一度途切れることがありません。
中学1年生で入部し、そのまま高校まで続ければ活動期間は6年間になります。技術面では初心者から上級者へ成長し、人間関係の面では後輩から先輩へ立場が変わっていきます。
入学直後は高校生の先輩に教えてもらう側だった生徒も、数年後には自分が新入生を指導する側になります。練習そのものだけでなく、部の雰囲気をつくること、後輩へ教えること、大会や発表会の準備を進めることも上級生の役割になります。
同じ集団に長く所属できることは、中高一貫校の部活動ならではです。競技や作品の技術以上に、6年間の中で自分の役割が変化していく経験が残ります。
化学・物理・ディベートなど、文化部にも浅野らしい幅がある
文化部にもかなり多様な選択肢があります。
化学部では校内の実験設備を利用して実験や研究を進め、物理系の活動では電子工作やプログラミングなどにも取り組みます。授業で気になった現象を、放課後に自分で確かめてみることができる環境です。
ディベート部では、一つの論題について肯定・否定の双方から資料を集め、論理を組み立て、相手の主張へ反論します。単に自分の意見を強く言うのではなく、根拠を探し、相手の論理を聞き、その場で考える必要があります。
将棋部のように思考そのものを競う活動もあれば、吹奏楽部のように集団で一つの音楽をつくる活動、ジャグリング部のように技術を磨いて人前で披露する活動もあります。
「男子進学校の文化部」という言葉から理科系クラブだけを想像すると少し狭すぎます。研究、議論、音楽、ゲーム、パフォーマンスまで、好きなものをかなり深く掘れる余地があります。
打越祭は、文化部にとって大きな発表の舞台
9月の文化祭「打越祭」では、さまざまなクラブが日頃の活動成果を公開します。
理科系クラブは研究や実験、文化系クラブは展示や実演、音楽系クラブは演奏というように、普段部室や実験室で続けていることを来場者へ向けて発表します。
これは生徒にとってかなり重要です。自分たちだけで楽しむ活動なら、多少説明が分かりにくくても問題ありません。しかし、受験生や保護者、一般の来場者へ見せるとなれば、何をどの順番で伝えるかまで考える必要があります。
作品をつくる、研究する、演奏するという活動に、「人に伝える」という最後の工程が加わります。打越祭が学校行事と部活動の接点になっているわけです。
部活と勉強をどう両立するかも、浅野で身につける力
浅野では、部活動に力を入れているからといって授業の進度が緩やかになるわけではありません。中学段階から英語・数学を中心に速いペースで学習が進み、定期考査、小テスト、宿題もあります。
つまり、生徒は「勉強か部活か」のどちらかを選ぶというより、両方を一日の中に収める必要があります。
試験前になれば勉強時間を増やし、大会前には練習へ集中する。行事の準備が重なれば、さらに時間の使い方を考えなければなりません。最初から上手にできる生徒ばかりではありませんが、6年間のうちに自分で予定を組み立てる感覚が身についていきます。
これは大学受験にもつながります。高校3年生になって突然自己管理を始めるのではなく、中学生のころから「やりたいことが複数ある中で、何にどれだけ時間を使うか」を繰り返し考えるからです。
何か一つに本気になれる場所がある
浅野には、大学進学という共通する大きな目標があります。しかし、6年間のすべてを大学受験だけで過ごすわけではありません。
サッカーの試合に勝つことを目標にする生徒もいれば、アーチェリーの記録を伸ばしたい生徒、化学実験を続けたい生徒、ディベートで議論を磨きたい生徒、吹奏楽で一つの曲を完成させたい生徒もいます。
その活動が直接大学入試の点数になるとは限りません。それでも学校は、そうした時間を「三本柱」の一つとして残しています。
勉強以外にも本気になれるものを持ちながら、難関大学を目指す。この二つを別々に考えないところが浅野の学校生活です。受験勉強一本の6年間よりも、忙しくても部活や行事までやり切りたい男子には、その環境をかなり使いこなせるでしょう。
進学実績と卒業後の進路|東大をはじめ難関国公立・私立大へ進む進学校
浅野中学校・高等学校は、大学附属校ではなく、6年間の中高一貫教育を経てそれぞれが希望する大学を目指す進学校です。特定の大学への内部進学を前提とせず、東京大学をはじめとする難関国公立大学、医学部、早稲田大学・慶應義塾大学などへ毎年多くの合格者を送り出しています。
2026年3月卒業の103期生は281名。大学入試では東京大学38名、東京科学大学20名、京都大学9名、一橋大学9名などの合格者が出ました。数字の大きさも目を引きますが、浅野の進路指導では「学校全体で何人受かったか」より、生徒一人ひとりが自分で志望を定め、その第一志望へ挑戦することを重視しています。
2026年度は東京大学38名、うち現役32名
2026年度大学入試で、東京大学には38名が合格しました。そのうち32名が現役です。
| 東京大学 | 現役 | 既卒 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 文科一類 | 6名 | 0名 | 6名 |
| 文科二類 | 5名 | 1名 | 6名 |
| 理科一類 | 10名 | 4名 | 14名 |
| 理科二類 | 6名 | 1名 | 7名 |
| 理科三類 | 2名 | 0名 | 2名 |
| 学校推薦型選抜 | 3名 | 0名 | 3名 |
| 合計 | 32名 | 6名 | 38名 |
学校推薦型選抜では、法学部・経済学部・農学部に各1名、計3名が合格しました。浅野から東京大学の学校推薦型選抜に複数名が合格したのは初めてです。
卒業生281名に対して東京大学への現役合格者が32名なので、単純計算では1学年の約11%にあたります。ただし、浅野では全員を東京大学へ向かわせるような進路指導をしているわけではありません。高3では志望に応じて東大、難関国立、国立、私立などに授業を分け、それぞれの第一志望へ向かいます。
東京科学大・一橋大・京都大などにも現役合格者が並ぶ
東京大学以外の難関国公立大学にも合格者が広がっています。
| 大学 | 現役 | 既卒 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 東京大学 | 32名 | 6名 | 38名 |
| 東京科学大学 | 19名 | 1名 | 20名 |
| 京都大学 | 7名 | 2名 | 9名 |
| 一橋大学 | 7名 | 2名 | 9名 |
| 横浜国立大学 | 9名 | 2名 | 11名 |
| 北海道大学 | 5名 | 3名 | 8名 |
| 東北大学 | 6名 | 0名 | 6名 |
| 東京外国語大学 | 2名 | 0名 | 2名 |
東京科学大学では、理工学系に18名、医学部医学科に2名が合格しています。理工学系18名のうち17名が現役です。一橋大学と京都大学も、それぞれ現役7名でした。
国公立大学全体では、前期・後期・学校推薦型選抜・総合型選抜を合わせて135名の合格があり、このうち110名が現役です。同じ生徒が前期・後期などで重複する場合もあるため、135名をそのまま進学者数として見ることはできませんが、国公立大学を目指す生徒が学年の中にかなり多いことは分かります。
国公立医学部医学科は18名、うち15名が現役
医学部医学科を志望する生徒もいます。2026年度は国公立大学医学部医学科に18名が合格し、そのうち15名が現役でした。
合格先には東京科学大学、東北大学、千葉大学、横浜市立大学、浜松医科大学、岡山大学などが含まれます。
私立大学の医学部にも、国際医療福祉大学5名、昭和医科大学5名、東京慈恵会医科大学3名、北里大学3名、順天堂大学2名、日本医科大学2名などの合格者が出ています。
医学部は大学ごとに試験科目や出題傾向も異なり、通常の理系大学以上に長期的な準備が必要です。浅野では高校2年生段階から医学部志望者向けの勉強会なども行われ、卒業生や医療関係者の話を聞きながら、医学部を目指す意味そのものを考える機会も設けています。
慶應128名・早稲田97名、私立難関大にも多数合格
私立大学では、早慶を中心に多くの合格者が出ています。2026年度の主な結果は次の通りです。
| 大学 | 現役 | 既卒 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 慶應義塾大学 | 106名 | 22名 | 128名 |
| 早稲田大学 | 80名 | 17名 | 97名 |
| 東京理科大学 | 94名 | 16名 | 110名 |
| 明治大学 | 60名 | 18名 | 78名 |
| 中央大学 | 15名 | 6名 | 21名 |
| 上智大学 | 17名 | 2名 | 19名 |
| 法政大学 | 13名 | 4名 | 17名 |
慶應義塾大学では、理工学部54名、経済学部27名、商学部21名、法学部10名など。早稲田大学では先進理工学部21名、基幹理工学部20名、社会科学部12名など、文系・理系の双方に合格者がいます。
ここで注意したいのは、これらが進学者数ではなく延べ合格者数だということです。一人の生徒が慶應義塾大学と早稲田大学の双方、あるいは同じ大学の複数学部に合格する場合があります。たとえば「慶應128名」と書かれていても、128人の卒業生が慶應へ進学したという意味ではありません。
学校選びでは大きな数字だけを見るより、現役・既卒の内訳や、国公立大学を含めてどのような進路へ広がっているかを見る方が、浅野の実態をつかみやすくなります。
東大合格者数は年によって動くが、難関大への進路は継続している
大学合格実績は、一年の数字だけで学校の力を判断しない方がよいものです。浅野の東京大学合格者数も毎年同じではありません。
| 卒業年 | 卒業生数 | 東京大学 | 東京科学大学 理工学系 | 一橋大学 | 京都大学 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年 | 281名 | 38名 | 18名 | 9名 | 9名 |
| 2025年 | 261名 | 51名 | 18名 | 7名 | 4名 |
| 2024年 | 256名 | 45名 | 13名 | 13名 | 7名 |
| 2023年 | 257名 | 43名 | 9名 | 10名 | 7名 |
| 2022年 | 261名 | 36名 | 24名 | 12名 | 4名 |
2025年には東京大学へ51名が合格し、2026年は38名でした。一方、2026年は京都大学9名、東京科学大学理工学系18名、国公立医学部医学科18名など、進路は一つの大学だけに集中しているわけではありません。
5年間を通して見ると、東京大学には毎年30〜50名台、東京科学大学や一橋大学、京都大学にも継続して合格者が出ています。難関国公立大学を第一志望として挑戦する文化そのものが、学年を越えて続いていると見る方がよいでしょう。
高3で突然受験校を決めるのではなく、中3から進路を考える
浅野の進路教育は、高校3年生になって志望大学を決めるところから始まるわけではありません。
中学3年生では進路講演会を実施し、「何のために働くのか」「何のために学ぶのか」というところから将来を考えます。社会で働く卒業生や各分野の専門家などの話を聞き、自分がどのようなことに関心を持っているのかを探っていきます。
高校ではさらに具体的になり、学部・学科、職業、大学での研究内容へ視野を広げます。医学部志望者向けの勉強会など、希望進路に応じた企画もあります。
学習面では高校2年から文系・理系に分かれ、高校3年では東大理系、難関国立理系、国立理系、東大文系、国立文系、私立系という6コースへ進みます。そこで志望大学の入試に応じた演習を増やしていきます。
その際にも学校が基本に置いているのは、塾や予備校任せではなく日々の授業です。職員室や学年控室には生徒が相談に行きやすい環境をつくり、担任だけでなく教科担当、部活動顧問なども含めて生徒を見ます。必要であれば補習、追試、夏期講習も行われます。
「東大に何人」より、第一志望へ挑戦する6年間
浅野が神奈川男子御三家の一角として語られる背景には、東京大学38名をはじめとする大学合格実績があります。中学受験でこの学校を目指す以上、大学進学への期待が大きい家庭も多いでしょう。
ただし、浅野自身の進路指導を見ると、学校全体の東大合格者数を増やすことだけを目的としているわけではありません。東京大学を目指す生徒もいれば、医学部、東京科学大学、一橋大学、海外大学、私立大学など、自分の興味や将来像に合わせた進路を選ぶ生徒もいます。2026年度には海外の4年制大学にも30名の合格者が出ています。
第一志望に届かず、もう一年挑戦する道を選ぶ卒業生もいます。浅野の「九転十起」は、中学入試で終わる言葉ではありません。
中学で基礎をつくり、高校で専門性を高め、高3で志望大学に合わせて演習する。その間には部活動も体育祭も打越祭もあります。大学受験だけの6年間にはしない一方で、最後にはかなり高い目標へ挑戦できる学力をつくる。この二つが同時に成立していることが、浅野の進路を理解するうえで重要なところです。
学費や諸経費について|6年間の学校生活に必要な費用を整理
浅野中学校では、入学金と授業料のほか、施設拡充費、旅行積立金、学年会費、PTA会費などが必要です。2026年入学者の場合、中学1年生の学校納付金等の合計は1,480,100円。2年生以降は入学金がなくなるため、年間負担は110万円台になります。
浅野は高校募集を行わない完全中高一貫校なので、中学入学時には高校卒業までの6年間を見通して費用を考えておきたい学校です。さらに、制服、体操服、個人用Chromebook、部活動費など、学校納付金の表には含まれない費用もあります。
中学1年生の学校納付金等は年間1,480,100円
2026年入学者の中学1年生では、入学金30万円を含め、年間で1,480,100円となります。
| 項目 | 中学1年 | 中学2年 | 中学3年 |
|---|---|---|---|
| 入学金 | 300,000円 | ― | ― |
| 授業料 | 588,000円 | 588,000円 | 588,000円 |
| 施設拡充費 | 324,000円 | 324,000円 | 324,000円 |
| 旅行積立金 | 168,000円 | 168,000円 | 144,000円 |
| 学年会費 | 30,000円 | 30,000円 | 40,000円 |
| 生徒会費 | 5,500円 | 5,500円 | 5,500円 |
| 非常用備蓄食糧費 | 3,000円 | ― | ― |
| PTA入会金 | 34,000円 | ― | ― |
| PTA会費 | 10,800円 | 10,800円 | 10,800円 |
| スポーツ・文化後援会費 | 9,600円 | 9,600円 | 9,600円 |
| 同窓会費 | 7,200円 | 7,200円 | 7,200円 |
| 年間合計 | 1,480,100円 | 1,143,100円 | 1,129,100円 |
中学3年間の合計は3,752,300円です。
なお、ここに掲載した金額は制服やChromebook、部活動で使用する用具などを含めた「学校生活にかかるすべての費用」ではありません。まずは学校へ納める基本的な費用と考えると分かりやすいでしょう。
授業料は年58万8,000円、施設拡充費は年32万4,000円
授業料は中学・高校を通して年間588,000円、施設拡充費は年間324,000円です。
これらのほか、旅行積立金やPTA会費、スポーツ・文化後援会費、同窓会費などの一部は月ごとの分割納付となっています。
中学1年生の場合、毎月分割する費用は次のようになります。
| 項目 | 年間 | 月額換算 |
|---|---|---|
| 授業料 | 588,000円 | 49,000円 |
| 施設拡充費 | 324,000円 | 27,000円 |
| 旅行積立金 | 168,000円 | 14,000円 |
| PTA会費 | 10,800円 | 900円 |
| スポーツ・文化後援会費 | 9,600円 | 800円 |
| 同窓会費 | 7,200円 | 600円 |
| 合計 | 1,107,600円 | 92,300円 |
実際には各学年の年間費用を12分割し、4月分と5月分、2月分と3月分をそれぞれまとめて納付する仕組みです。入学金や学年会費などは別途一時納付となります。
旅行積立金には林間学校・スキー教室・研修旅行などを含む
浅野では、中学3年間だけでも校外研修、林間学校、スキー教室、京都・奈良への研修旅行など、校外で学ぶ機会が数多くあります。
こうした活動に備えて、旅行積立金として中学1・2年生では年間168,000円、中学3年生では144,000円を納めます。
旅行積立金は、校外研修、林間学校、スキー教室、研修旅行に加え、家庭科実習などにも充てられます。
ただし、林間学校やスキー教室については、状況によって一部費用が別途徴収される場合があります。また、希望者が参加するオックスフォード研修やシンガポール研修などは、通常の学校行事とは別に参加費用を考える必要があります。
浅野は学校行事を教育の三本柱の一つにしているため、こうした費用も授業とは別の付加的なものというより、6年間の教育活動を支える費用の一部として組み込まれています。
制服・体操服・Chromebookは別途準備が必要
入学時には、学校納付金とは別に制服、体操服、バッグなどの指定品をそろえます。
2026年度の指定制服では、代表的な品目の価格は次のようになっています。
| 主な指定品 | 価格 |
|---|---|
| 冬服上着 | 23,100円 |
| 冬スラックス | 12,650円 |
| 長袖ワイシャツ | 2,860円 |
| 夏スラックス | 10,340円 |
| 半袖ワイシャツ | 2,750円 |
| 指定ポロシャツ | 4,400円 |
このほかセーター、ベスト、ベルトなどを必要に応じて購入します。洗い替えを何枚用意するかでも総額は変わります。
体操服はジャケット、ロングパンツ、半袖シャツ、ハーフパンツの基本セットで23,452円です。バッグなどの学校用品も別途購入します。
さらに、浅野では1人1台のChromebookを使用するため、入学後に個人端末を購入します。授業、課題、動画教材、英語学習などで日常的に使うもので、こちらも学校納付金とは別に考えておく必要があります。
高校まで6年間では約711万円
浅野は高校からの募集を行わない完全中高一貫校です。中学受験をするときには、中学校3年間だけでなく高校までの6年間で費用を見る方が実態に近くなります。
| 学年 | 年間費用 |
|---|---|
| 中学1年 | 1,480,100円 |
| 中学2年 | 1,143,100円 |
| 中学3年 | 1,129,100円 |
| 高校1年 | 1,390,100円 |
| 高校2年 | 1,000,100円 |
| 高校3年 | 970,100円 |
| 6年間合計 | 7,112,600円 |
2026年入学者について、学校納付金等を6年間単純に合計すると7,112,600円です。
高校1年の金額が再び大きくなるのは、内部進学時にも高校入学金300,000円が必要になるためです。一方、旅行積立金は高校になると減り、高校3年では設定されていません。
もちろん、6年間の途中で授業料や各種費用が改定される可能性があります。制服の買い替え、Chromebook、クラブ活動、交通費、希望制の海外研修なども含まれていないため、「約711万円ですべて収まる」という意味ではありません。
部活動費や交通費まで含めて家庭ごとの6年間を考える
浅野では多くの生徒が部活動に参加するため、所属する部によってはユニフォーム、用具、大会参加費、合宿費などがかかります。
たとえばテニス、アーチェリー、野球、吹奏楽などでは、活動内容によって個人で用意するものも異なります。希望制の海外研修へ参加すれば、さらにまとまった費用が必要になります。
また、生徒食堂はないため、昼食は家庭から弁当を持参するか、校内で弁当やパンなどを購入します。給食費として学校へ一括して納める学校とは、昼食費の見え方も異なります。
新子安までの定期券代も自宅の場所によってかなり差があります。学校納付金、指定品、交通費、昼食、クラブ活動まで含めて考えると、同じ浅野生でも家庭ごとの実際の教育費は変わります。
家計状況が変わった場合に利用できる奨学金制度もある
浅野学園には給付型の奨学金制度があります。
入学後、主たる家計支持者である父または母が亡くなるなどして経済的に就学が困難となり、勉学への意欲があり、成績・人物ともに一定の条件を満たす生徒が対象です。
給付額は授業料の2分の1で、事由が発生した翌月から年度末まで給付され、条件を満たせば更新することもできます。
中高一貫校の6年間では、入学時には予想できなかった家庭状況の変化が起きることもあります。一定の条件はありますが、そうした場合にも学びを続けるための制度が用意されています。
浅野では、学校納付金だけで6年間約711万円。そのほかにも制服、端末、交通費、昼食、部活動などが加わります。決して小さな金額ではありませんが、6年間のカリキュラム、広い施設、部活動や学校行事まで含めて教育環境を検討し、中学入学から高校卒業までを一つの期間として家計を組み立てておくことが大切です。
入試情報と合格の目安|2月3日一回勝負の4科入試を読み解く
浅野中学校の入試には、午後入試や第2回・第3回といった複数回の受験機会がありません。直近の2026年度入試は2月3日午前の1回のみで、国語・算数・社会・理科の4科400点満点。募集人数は男子240名でした。
この「2月3日に一度だけ」という日程は、浅野の中学入試を考えるうえでかなり重要です。2月1日に開成・麻布・駒場東邦・慶應普通部など、2月2日に聖光学院・栄光学園などを受験した生徒も集まり、第一志望の受験生と難関校との併願受験生が同じ試験を受けます。偏差値だけでなく、2月1日から3日までをどう戦うかまで含めて考えたい学校です。
直近の入試は2月3日、男子240名を募集
2026年度入試では、男子240名を募集し、2月3日に4科入試を実施しました。高校からの募集は行わないため、中学入試が浅野へ入学する唯一の入口です。
| 募集人数 | 男子240名 |
|---|---|
| 入試日 | 2026年2月3日 |
| 試験科目 | 国語・算数・社会・理科 |
| 総得点 | 400点 |
| 受験料 | 30,000円 |
| 面接 | なし |
| 合格発表 | 2月4日 |
出願はインターネットで行い、2026年度は1月8日9時から1月31日14時まで受け付けました。
入試当日は7時に開門し、8時までに試験教室へ入室します。試験終了は12時40分。2月3日午後に別の学校を組み合わせる一般的な午後入試とは違い、浅野を受験する日は午前の4科試験に集中する形になります。
2027年度以降についても、受験年度ごとに募集人数、出願期間、試験時間、入学手続期限などを募集要項で確認しておきましょう。
国語・算数120点、社会・理科80点の400点満点
浅野の4科入試では、国語と算数の配点が社会・理科より高く設定されています。
| 科目 | 試験時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 国語 | 50分 | 120点 |
| 算数 | 50分 | 120点 |
| 社会 | 40分 | 80点 |
| 理科 | 40分 | 80点 |
| 合計 | 180分 | 400点 |
国語・算数がそれぞれ全体の30%、社会・理科がそれぞれ20%です。したがって、国算2科だけで400点中240点、全体の6割を占めます。
とくに算数は合格者と受験者全体との差が開きやすい科目です。2026年度は受験者平均得点率56.6%に対して、合格者平均は67.7%。120点換算では約13点の差がついています。
とはいえ、理社を軽視できる配点でもありません。社会・理科を合わせれば160点あり、400点満点の4割です。難関校受験では国算へ学習時間が偏りやすいものの、浅野では4科で大きな穴をつくらないことも重要になります。
2026年度は1,340名が受験、523名が合格
2026年度入試には1,632名が出願し、1,340名が実際に受験しました。合格者は523名で、受験者数を合格者数で割った実質倍率は約2.6倍です。
| 年度 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2026年度 | 240名 | 1,632名 | 1,340名 | 523名 | 約2.6倍 |
| 2025年度 | 240名 | 1,711名 | 1,402名 | 540名 | 約2.6倍 |
| 2024年度 | 270名 | 1,742名 | 1,429名 | 595名 | 約2.4倍 |
| 2023年度 | 270名 | 1,734名 | 1,399名 | 608名 | 約2.3倍 |
2025年度から募集人数が270名から240名へ減りました。それでも合格者数は募集人数よりかなり多く出しています。これは浅野が2月3日入試で、開成、麻布、聖光学院、栄光学園などとの併願者を多数含むためです。
合格者全員が浅野へ入学するわけではないことを見込み、実際の入学者数に合わせて合格者を出します。そのため「募集240名なのに523名合格」という数字そのものは不自然ではありません。
2026年度の合格最低点は230点、得点率57.5%
2026年度の合格最低点は400点満点中230点、得点率にすると57.5%でした。
| 年度 | 合格最低点 | 最低得点率 |
|---|---|---|
| 2026年度 | 230点/400点 | 57.5% |
| 2025年度 | 263点/400点 | 65.8% |
| 2024年度 | 254点/400点 | 63.5% |
| 2023年度 | 246点/400点 | 61.5% |
ここを見ると、浅野の過去問で「毎年260点取ればよい」といった固定的な目標を置くのが危険だと分かります。2025年度の最低点263点から、2026年度は33点下がって230点になりました。
これは2026年度の問題で受験者全体の得点が低かったためです。受験者平均は400点換算で55.2%、合格者平均でも63.5%でした。難しい年には合格最低点も下がります。
過去問演習では、ある年度で240点だったという結果だけを見るより、その年度の合格最低点に対して何点上回ったかを見る方が有効です。年度によって問題の難しさが違う以上、絶対的な点数より合格最低点との差の方が実戦的な指標になります。
2026年度は算数で差がつき、4科すべてで6割前後が一つの目安
2026年度の科目別平均得点率を見ると、合格者と受験者全体の差が最も大きかったのは算数でした。
| 科目 | 受験者平均得点率 | 合格者平均得点率 | 差 |
|---|---|---|---|
| 国語 | 57.3% | 65.2% | 7.9ポイント |
| 算数 | 56.6% | 67.7% | 11.1ポイント |
| 社会 | 53.4% | 60.3% | 6.9ポイント |
| 理科 | 51.6% | 58.2% | 6.6ポイント |
合格者平均でも、すべての科目で8割、9割を取っているわけではありません。むしろ難しい問題をすべて解くより、取るべき問題を落とさず、4科合計を積み上げる試験です。
算数では難問に時間を使いすぎて基本・標準問題を落とすこと、国語では長い文章を読むペースを崩すこと、理社では細かな知識問題に引っ張られて時間を失うことを避ける必要があります。
浅野ほどの難関校になると、「分からない問題がある=失敗」ではありません。周囲も解けていない問題を見極め、限られた時間の中で合格点を作る力が重要です。
四谷大塚の2027年予想では80%偏差値64
2027年入試に向けた四谷大塚の合格可能性ラインでは、浅野中学校は次の水準となっています。
| 指標 | 偏差値 |
|---|---|
| Aライン(合格可能性80%) | 64 |
| Cライン(合格可能性50%) | 61 |
四谷大塚偏差値64は、神奈川県の男子校では聖光学院や栄光学園に続く上位帯です。2月3日の男子校では早稲田中学校第2回、海城中学校第2回など東京の難関校とも受験層が重なります。
ただし、偏差値64に達したから安全、61を下回ったから受験できないという意味ではありません。偏差値は模試全体の中での位置を示す指標であり、浅野の問題との相性までは表しません。
とくに2月3日は、それまでの2日間の受験結果や疲労によっても当日の状態が変わります。模試で安定して合格圏に入ることに加えて、秋以降は過去問で合格最低点を継続して超えられるかを見る必要があります。
浅野だけを見ず、2月1日から3日までを一つの入試として考える
浅野の入試戦略で特徴的なのは、試験そのものだけでなく2月3日という日程です。
たとえば神奈川県の難関男子校を志望する場合、2月1日に東京・神奈川の男子校、2月2日に聖光学院または栄光学園、2月3日に浅野という3日連続の受験になることがあります。
この場合、浅野の過去問対策だけでは足りません。2月1日から毎朝早く起き、試験会場へ移動し、数時間の入試を受け、結果を確認しながら翌日の受験へ向かうことになります。
逆に浅野を第一志望とする場合には、2月1日・2日の学校をどの位置づけにするかが重要です。両日とも難関校への挑戦に使うのか、浅野の前に一校合格を確保するのかで、2月3日の心理状態はかなり変わります。
入試は一度だけなので、「第1回で失敗したら第2回で取り返す」ということもできません。浅野を本気で目指すなら、400点満点の4科対策と同時に、2月3日に一番よい状態で打越山へ向かうための受験日程をつくることまでが入試対策になります。
併願校パターン|開成・麻布・聖光学院・栄光学園などとの受験日程
浅野中学校の入試は2月3日の1回だけです。そのため併願を考えるときは、浅野と同じ日にどこを受けるかではなく、2月1日・2日にどこを受験して、どの状態で3日の浅野へ向かうかが中心になります。
浅野の受験生には、2月1日に開成・麻布・駒場東邦・慶應義塾普通部などを受験し、2日に聖光学院や栄光学園、3日に浅野という難関校を3日連続で受けるケースもあります。一方、浅野を第一志望にするなら、1日か2日に合格可能性の高い学校を置き、心理的に落ち着いた状態で3日を迎える組み方も考えられます。
以下の「チャレンジ校」「標準校」「安全校」は固定的な分類ではありません。模試の偏差値だけでなく、過去問の得点、本人との相性、受験する回によって位置づけは変わります。「安全校」とした学校でも合格が保証されるわけではありません。
浅野の併願は「2月3日をどう迎えるか」から逆算する
2027年度も浅野は2月3日の入試を予定しており、ここが受験日程の中心になります。
| 日程 | 代表的な男子校の受験機会 | 浅野志望者から見た位置づけ |
|---|---|---|
| 2月1日 | 開成、麻布、駒場東邦、慶應義塾普通部、早稲田①など | 上位校への挑戦、または浅野と並ぶ第一志望候補 |
| 2月2日 | 聖光学院①、栄光学園、本郷②など | 神奈川最上位校への挑戦、または合格確保 |
| 2月3日 | 浅野、早稲田②など | 浅野受験日 |
| 2月4日 | 聖光学院②、芝②、城北③など | 浅野の結果を待ちながら受験を継続 |
| 2月5日 | 本郷③など | 後半戦の選択肢 |
浅野は12時40分頃まで4科の試験が続きます。2月1日・2日にも同じような4科入試を受ければ、3日間連続で朝から試験会場へ向かうことになります。
偏差値表の上ではきれいに組めても、実際の受験はかなり体力を使います。浅野をどの程度優先するかによって、1日・2日の学校を決める必要があります。
チャレンジ校|聖光学院・栄光学園、2月1日の東京最難関校
浅野より上位の難関校へ挑戦する場合、神奈川県では聖光学院中学校と栄光学園中学校が代表的です。
2027年度の聖光学院は、第1回が2月2日、第2回が2月4日。栄光学園は2月2日に入試を行います。したがって、2月1日に東京の学校、2日に聖光学院または栄光学園、3日に浅野という日程を組むことができます。
中学受験で「神奈川男子御三家」と呼ばれる聖光学院・栄光学園・浅野を考える場合も、3校すべての入試日が重なっているわけではありません。
| 学校 | 2027年度の主な入試日 | 浅野との組み合わせ |
|---|---|---|
| 聖光学院 | 2月2日・2月4日 | 2日→浅野、または浅野→4日と連続受験可能 |
| 栄光学園 | 2月2日 | 翌日に浅野を受験可能 |
| 浅野 | 2月3日 | 本校 |
さらに2月1日には、開成、麻布、駒場東邦、慶應義塾普通部などの男子難関校があります。浅野の合格圏にいる受験生の中には、これらを第一志望として3日に浅野を併願するケースもあります。
ただし、「開成→聖光→浅野」のような日程は3日間すべてが最難関クラスの4科入試です。学力的に受験できることと、3日目まで普段通りの集中力を保てることは別問題です。
2月1日は開成・麻布だけではない、浅野第一志望なら役割を変える
2月1日の学校選びは、浅野をどの位置に置くかによって変わります。
浅野を併願校とするなら、2月1日に開成や麻布、駒場東邦、慶應義塾普通部などへ挑戦する形が考えられます。早稲田中学校も2027年度第1回を2月1日に実施します。
一方、浅野が第一志望なら、2月1日まで必ず最難関校にする必要はありません。
3日の浅野に向けて、1日・2日のどちらかで「合格したら進学してもよい学校」を確保する戦略も十分に考えられます。浅野の入試は一度しかないため、第一志望の受験前に一つ合格を持っている心理的な意味は小さくありません。
何となく偏差値順に学校を並べるのではなく、各入試に「挑戦する」「合格を確保する」「第一志望を受ける」といった役割を持たせると、日程を組みやすくなります。
標準校・安全校候補は、本郷など複数回入試の学校を利用しやすい
浅野を第一志望とする受験生が、前半で合格を確保する候補として考えやすい学校の一つが本郷中学校です。
2027年度の本郷は、第1回が2月1日、第2回が2月2日、第3回が2月5日です。特に2月1日・2日に受験機会があるため、浅野の前に組み込めます。
ただし、本郷も難関男子校です。2026年度第2回は1,284名が受験しており、「浅野より偏差値が少し低いから安全」と単純には考えられません。後半日程ほど受験者層が変わるため、回ごとの難度を見る必要があります。
安全校を選ぶ際には、次の条件を満たす学校を用意しておきたいところです。
- 模試で安定して合格可能性80%以上が出ている
- 過去問でも複数年度にわたり合格最低点を上回っている
- 浅野が不合格だった場合、本当に進学してもよいと思える
- 2月3日の浅野に疲労を残しすぎない日程である
「合格を一つ持っておくためだけの学校」であっても、実際にはそこへ進学する可能性があります。学校見学をせず、偏差値だけで決めるのは避けたいところです。
パターン1|浅野を第一志望にするなら、3日のために余白を残す
浅野を第一志望とする場合には、2月3日に最も力を出せるように組むことが基本になります。
| 日程 | 受験例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 2月1日 | 本郷①など | 進学してもよい学校の合格を狙う |
| 2月2日 | 休息/本郷②など | 1日の結果によって受験するか判断 |
| 2月3日 | 浅野 | 第一志望 |
| 2月4日以降 | 必要に応じて芝②・城北③・本郷③など | 浅野の結果に応じて継続 |
この形では、2月2日を必ず受験日にしないことも一つの考え方です。1日に合格を確保できていれば、2日は学校へ行かず、浅野の過去問の確認や体調管理に使えます。
「受験できる日には全部受ける」という発想から離れ、第一志望で最も高いパフォーマンスを出すために休むことも受験戦略です。
パターン2|開成・麻布・聖光・栄光から浅野へつなぐ
浅野を上位校との併願として受ける場合には、難関校を連続して受験する日程になります。
| 日程 | 例1 | 例2 | 例3 |
|---|---|---|---|
| 2月1日 | 開成 | 麻布 | 駒場東邦 |
| 2月2日 | 聖光学院① | 栄光学園 | 聖光学院① |
| 2月3日 | 浅野 | 浅野 | 浅野 |
| 2月4日 | 聖光学院②など | 芝②など | 必要に応じて受験 |
学力的には非常に自然な併願ですが、身体的にはかなり厳しい日程です。2月1日の結果が出る前に2日の試験へ向かい、2日が終わればすぐ浅野です。
さらに4日の聖光学院第2回まで受験するなら4日連続になります。どこかで不合格が続いても翌朝には次の試験があります。保護者も含めて、「結果を見る時間」と「次の試験へ切り替える時間」を事前に決めておくとよいでしょう。
浅野不合格後の2月4日・5日まで考えて日程を完成させる
浅野の合格発表は試験翌日です。そのため、本当の意味での併願設計は2月3日で終わりません。
2027年度は、2月4日に聖光学院第2回のほか、芝中学校第2回、城北中学校第3回などの選択肢があります。本郷中学校第3回は2月5日です。
ただし、後半の日程だから簡単になるわけではありません。むしろ募集人数が少なくなり、まだ合格を持っていない難関校受験生が集まるため、倍率が高くなる学校もあります。
たとえば2026年度の本郷第3回は募集40名に対して518名が受験し、合格者42名、実質倍率は12倍を超えました。後半入試を「最後の安全校」と考えるのは危険です。
浅野の併願では、2月3日までに少なくとも一校、本人が実際に進学してよいと思える学校の合格を持てる日程を目指したいところです。
偏差値より大切なのは、それぞれの学校に役割を持たせること
浅野の受験生は学力帯が高いため、併願候補にも難関校が並びます。しかし、開成、麻布、聖光学院、栄光学園、浅野をすべて「受けられる学校」として横一列に並べるだけでは、受験計画としては不十分です。
2月1日は第一志望への挑戦なのか。2日は合格を取りにいくのか、それともさらに上位校へ挑むのか。3日の浅野は本命なのか併願なのか。4日以降まで受験が続いた場合、どの学校なら実際に進学するのか。
この役割を家庭で決めておけば、合否が出たときの判断も速くなります。
浅野は2月3日の一回勝負です。第1回で失敗して第2回へ、という修正はできません。だからこそ、併願校選びも浅野以外の学校を埋める作業ではなく、2月3日の朝、本人が「今日は浅野を受ければいい」と集中できる状態をつくるための設計として考えるのがよいでしょう。
在校生・保護者の声|打越坂の先にある浅野らしい学校生活
浅野中学校について在校生や保護者の声を見ていくと、進学実績の高さだけでは見えにくい学校生活が浮かんできます。広いキャンパス、部活動、先生との距離、追試や補習、そして男子だけの集団で過ごす6年間。受験前に抱く「難関進学校」という印象より、入学後はずっと生活感のある学校として受け止められていることが分かります。
もちろん、学校生活の感じ方は生徒によって異なります。学習量を手厚い指導と受け取る生徒もいれば、負担が大きいと感じる生徒もいます。男子校の雰囲気についても同様です。ここでは、一つの口コミを学校全体の評価とせず、複数の声から繰り返し見えてくる傾向を整理します。
「入ってみると面倒見がよい」という声
浅野は難関校なので、「勉強はできて当然で、あとは各自に任される学校」という印象を持つ家庭もあるかもしれません。しかし、保護者の声では、むしろ学習面で細かくフォローされるという評価が目立ちます。
英語や数学では小テスト、追試、補習があり、理解が不十分なまま次へ進まないように指導されます。成績が振るわない生徒に対しても、そのまま本人任せにするのではなく、必要に応じて教員が声をかけます。
これは、本人にとっては必ずしも「楽」な環境ではありません。追試を何度も受けることになれば、当然ながら放課後や家庭での勉強も必要です。一方、保護者から見ると、「分からないまま置いていかれにくい」「学校が見てくれている」と感じやすい部分でもあります。
浅野の授業進度は速いですが、速く進めて終わりではない。この組み合わせが、入学後の学習環境に対する安心感につながっているようです。
自由すぎず、管理しすぎない距離感
生活面については、比較的自由な学校という声がある一方、何でも生徒任せというわけでもありません。
遅刻や生活態度などについては必要な指導があり、制服やスマートフォンにも一定のルールがあります。ただし、細かな校則で日常の行動すべてを管理するタイプではなく、基本的には生徒を信頼したうえで、必要なところでは教員が線を引くという形です。
思春期の男子を完全に自由にするより、ある程度は大人が見ていてほしい。一方で、細かなことまで指示される学校生活も避けたい。そう考える家庭には、この距離感が合いやすいでしょう。
保護者からは、学年の教員室が生徒の教室に近く、先生に相談しやすいという見方もあります。担任だけでなく、教科担当や部活動の顧問など複数の大人と接点を持てるのも、中高6年間では意味があります。
男子だけの集団だからこその気楽さもある
浅野は中学から高校まで男子だけで過ごします。男子校という環境をどう感じるかは本人の性格にもよりますが、在校生の学校生活を見ると、服装や周囲からの見られ方を必要以上に気にせず、自分の好きなことに入り込みやすい雰囲気があります。
スポーツに熱中する生徒もいれば、化学、物理、将棋、鉄道、ディベートなどに深く入り込む生徒もいます。「好きなものを好きだと言いやすい」ことは、男子校の一つの特徴です。
一方、男子だけだから人間関係の悩みがない、というわけではありません。中学生から高校生までの6年間ですから、友人同士の衝突や距離感の難しさは当然あります。
学校側も「愛と和」を掲げ、人間関係を教育の一部として扱っています。学業成績だけではなく、部活動や行事の中で他者とどう関わるかを学ぶことも、浅野の6年間に含まれています。
部活動や行事まで含めて「浅野生活」になる
在校生の学校生活では、勉強と同じくらい部活動や行事の話がよく出てきます。
体育祭、打越祭、林間学校、スキー教室、京都・奈良研修などがあり、多くの生徒が部活動にも所属します。授業が終わればすぐに帰宅して受験勉強をする学校というより、放課後まで学校に残る生徒が多い環境です。
その分、毎日の生活は忙しくなります。定期試験前にも部活動や学校行事の予定はあり、時間の使い方を自分で考えなければなりません。
保護者から見ると、「勉強だけに偏らず学校生活を楽しんでいる」という安心感につながる一方、本人が時間管理を苦手としている場合には、最初のうちはかなり慌ただしく感じることもあるでしょう。
浅野自身が「学業・部活動・学校行事」を三本柱としている以上、この忙しさは偶然ではありません。三つのどれかを切り捨てるより、全部を経験しながら自分なりのバランスを見つける学校です。
広いキャンパスと打越坂は、入学すれば日常になる
学校見学でまず印象に残りやすいのが、58,750㎡の広い校地です。在校生からも、グラウンドや体育館、図書館などの施設の広さを学校の特徴として挙げる声があります。
人工芝の大グラウンド、打越アリーナ、6万冊規模の図書館「清話書林」、自然林の残る銅像山など、授業・部活動・行事で使う場所に余裕があります。
一方、毎朝そこへたどり着くまでには、打越山を上らなければなりません。
受験生には「新子安駅から徒歩8分」と案内されますが、在校生にとっては、その8分と坂道も含めて日常です。朝に坂を上り、授業を受け、放課後は部活をしてまた駅まで歩く。入学前には少し大変に見えるこの道も、6年間通えば浅野生活の一部になります。
第一志望でなくても、入学後に学校を好きになる生徒がいる
浅野では、開成、麻布、聖光学院、栄光学園などを第一志望として受験した生徒も入学します。そのため、全員が小学生のころから「浅野だけに行きたい」と考えて入ってくる学校ではありません。
ところが保護者の声には、入学後に本人も家庭も学校への満足度が高くなった、というものがあります。
これは浅野の学校生活を考えるうえで興味深い点です。大学進学実績や偏差値だけなら、受験時にはどうしても他の難関校との上下関係で見られます。しかし、実際に入学すれば、毎日の友人関係、部活動、行事、先生とのやり取りが学校への評価を決めるようになります。
「神奈川男子御三家の一角」という言葉は受験生にとって分かりやすい肩書きですが、在校生にとって重要なのは、他校との比較より、自分が打越山でどんな6年間を過ごしているかです。
進学実績への期待が大きい学校だからこそ、感じ方は分かれる
浅野については、大学進学指導の強さを高く評価する声が多い一方で、難関大学、とくに東京大学を意識する雰囲気が強いと感じる保護者の声もあります。
実際、高校3年では東大コースをはじめ志望大学に応じたコース編成が行われ、毎年多くの生徒が難関国公立大学へ挑戦します。周囲に高い目標を持つ生徒が多いため、それを刺激として前向きに受け止める子もいれば、競争的に感じる子もいるでしょう。
ただし、浅野が学校生活を大学受験だけに絞っていないことも事実です。部活動や打越祭、体育祭を教育の三本柱として残し、学校行事にもかなりの時間を使っています。
つまり、「進学校だから勉強だけ」という学校ではありませんが、進学校である以上、学習に対する期待水準は高い。その両方を受け入れられるかが相性の分かれ目です。
説明会だけでなく、打越祭で生徒を見ると学校像が分かりやすい
浅野を検討するなら、学校説明会だけで判断せず、できれば打越祭など生徒が実際に活動している日に足を運びたいところです。
説明会ではカリキュラムや進学実績を理解できます。一方、打越祭では、部活動の展示に夢中になって説明する生徒、来場者を案内する生徒、友人同士で企画を動かしている様子を見ることができます。
さらに、新子安駅から学校まで歩き、打越坂を上り、広いグラウンドや校舎の位置関係を見てみる。そうすると、「浅野へ通う」ということが偏差値表よりずっと具体的になります。
浅野で毎日向き合うのは、東京大学の合格者数ではありません。朝の坂道、授業、小テスト、追試、友人、部活動、体育祭、打越祭、そしてまた翌日の授業です。その忙しい日常を本人が面白そうだと思えるか。在校生や保護者の声を読むと、そこが浅野との相性を見るいちばん分かりやすいポイントです。
この学校に向いている子の特徴|勉強・部活・行事のすべてに本気で取り組めるか
浅野中学校は、難関大学への進学実績だけを見れば典型的な進学校に見えます。しかし、実際の学校生活はそれほど単純ではありません。週6日の授業があり、英語・数学は速い進度で進み、その一方で部活動や体育祭、打越祭、校外研修にもかなりの時間を使います。
つまり、浅野に向いているのは「勉強ができる子」というだけでは足りません。勉強以外にもやりたいことがあり、忙しい中でも自分なりに時間を使いながら、失敗してももう一度挑戦できる子。その意味では、校訓の「九転十起」がかなりそのまま学校との相性を表しています。
高い目標に向かって、粘り強く勉強を続けられる子
浅野では、中学2年までに英語・数学の中学校範囲を終え、中学3年から高校内容へ進みます。高2から文理に分かれ、高3では東大、難関国立、国立、私立など志望に応じたコースへ進みます。
当然ながら、授業についていくためには日々の学習が必要です。定期考査だけ勉強すればよいという学校ではなく、小テスト、課題、追試、補習もあります。
だからといって、入学時から何でも完璧にできる必要はありません。むしろ浅野が掲げる「九転十起」は、うまくいかなかったときにもう一度取り組む姿勢を重視する言葉です。
一度の失敗を必要以上に引きずらず、「では次はどうするか」と考え直せる子は、浅野の学習環境と相性がよいでしょう。
勉強だけの中高生活では物足りない子
浅野は「学業・部活動・学校行事」を三本柱として掲げています。これは学校案内上の標語ではなく、実際の年間予定にもかなりはっきり表れています。
体育祭、打越祭、林間学校、スキー教室、京都・奈良研修などがあり、多くの生徒が部活動にも参加します。難関大学を目指しながら、放課後はグラウンドや体育館、実験室、部室で活動する生活です。
そのため、大学受験に必要なことだけを効率よく学びたい子には、行事や部活動が多く感じられる可能性があります。
反対に、「せっかくの中高6年間なら、勉強も部活も行事もやりたい」という子には、浅野の三本柱はかなり分かりやすく合います。
好きなことを深く掘り下げたい子
浅野には、一般的な運動部に加えて、アーチェリー、ボクシング、化学、物理、ディベート、将棋、ジャグリングなど、多様な部活動があります。
広い校地、理科実験室、6万冊規模の図書館「清話書林」、打越アリーナなど、何かに取り組むための場所もあります。
男子校という環境もあり、「周囲からどう見えるか」より、自分が面白いと思うことへ入り込みやすい空気があります。スポーツでも理科研究でも音楽でも、ひとつのことを6年間続けることができます。
人と少し違う趣味でも気にせず、自分が面白いと思ったものを深く追いかけられる子には、浅野の環境を使える余地が大きいでしょう。
男子だけの環境を気楽だと思える子
浅野は完全な男子校です。中学1年から高校3年まで、学校生活の大部分を男子だけの集団で過ごします。
男子校には、異性の目をあまり意識せずに振る舞える気楽さがあります。体育祭や文化祭では思い切って騒ぎ、部活動では好きなことに没頭し、授業では遠慮なく発言する。そうした環境を楽しいと感じる子も多いでしょう。
一方で、「中高時代から男女が自然に関わる環境で過ごしたい」という子には、当然ながら向きません。
男子校か共学校かは、進学実績より本人の好みがかなり出る部分です。文化祭などで実際の生徒の雰囲気を見て、「この中に自分がいても自然だな」と感じられるかを確かめておくとよいでしょう。
競争を刺激として受け止められる子
浅野には、中学受験を突破してきた学力の高い男子が集まります。高校になると、東京大学や東京科学大学、一橋大学、医学部などを目指す生徒が身近にいる環境になります。
小学校では常に成績上位だった子でも、浅野に入れば必ずしも上位になるとは限りません。最初の定期試験で、自分より高い点を取る同級生が何十人もいるという経験をすることもあります。
そこで「自分はできない」と萎縮するより、「こんなにできる人がいるなら自分もやってみよう」と思える子の方が、環境を力に変えやすいでしょう。
もちろん、常に友人と競争し続ける必要はありません。ただ、周囲に高い目標を持つ生徒がいることをプレッシャーだけではなく刺激として受け止められるかは、浅野で過ごすうえで大切です。
自分の予定を少しずつ自分で管理できるようになりたい子
浅野生活はかなり忙しくなります。
週6日の授業があり、宿題や小テストがあり、放課後には部活動があります。体育祭や打越祭が近づけば準備も増えます。中学3年以降には研修旅行や海外研修の選択肢もあります。
最初から完璧にスケジュール管理できる必要はありません。中学1年生では学校側も課題や追試を通じて学習習慣を整えていきます。しかし、6年間を通して最終的には「今日は何を優先するか」を自分で判断することが求められます。
誰かにすべて予定を決めてもらうより、部活もしたい、遊びたい、でも勉強もしなければならないという状況の中で、自分なりのやり方を見つけていける子には向いています。
第一志望に届かなかった経験も、次へつなげられる子
浅野には、最初から浅野を第一志望として入学する生徒だけでなく、開成、麻布、聖光学院、栄光学園などを受験したうえで進学する生徒もいます。
中学受験では、12歳の時点で初めて大きな不合格を経験することもあります。しかし、入学後の6年間までその結果に縛られる必要はありません。
浅野の校訓「九転十起」は、この点でもよくできた言葉です。どの学校に落ちたかではなく、入った場所で次に何をするかを見る。
大学受験でも、部活動でも、学校行事でも、思い通りにならないことは何度もあります。それでも切り替えて次へ進める子なら、浅野の文化になじみやすいでしょう。
打越坂を上った先の日常を楽しめそうか
最後は、学校選びとしてもっと単純なところです。
朝、新子安駅で降り、打越山を上って学校へ向かう。授業を6時間受け、昼には友人と弁当を食べ、放課後には部活動へ行く。試験前なら清話書林で勉強し、体育祭や打越祭が近づけば準備をする。そして夕方にまた坂を下りて駅へ向かう。
東京大学38名という数字は浅野の一面を示しますが、中高6年間のほとんどは、こうした普通の日々です。
広いグラウンドを見て部活をしたいと思うか。男子だけで騒いでいる文化祭を面白そうだと思うか。授業が速くても挑戦してみたいと思えるか。
「この忙しい毎日なら6年間やってみたい」と本人が感じられるなら、浅野との相性はかなりよいはずです。偏差値や大学実績だけでなく、打越坂の先にある日常そのものを気に入れるかどうかが、最後の判断材料になります。
まとめ|難関大進学の先にある「浅野で6年間過ごす」という選択
浅野中学校は、聖光学院・栄光学園と並んで「神奈川男子御三家」の一角として知られ、東京大学をはじめとする難関国公立大学や医学部、早慶などへ毎年多くの合格者を送り出している男子進学校です。
ただし、浅野という学校を大学合格実績だけで説明すると、かなり大切な部分が抜け落ちます。学校が掲げるのは「学業・部活動・学校行事」の三本柱。難関大学を目指せる学力を育てながら、部活動にも行事にも時間を使う6年間です。
「九転十起」は、受験勉強だけの言葉ではない
浅野を象徴する校訓が「九転十起」です。九回転んでも十回立ち上がる。創立者・浅野總一郎の生き方から生まれたこの言葉は、現在の学校生活にも受け継がれています。
定期試験で思うような点が取れないこともあれば、部活動で試合に負けることもあります。体育祭や打越祭の準備が計画通りに進まないこともあるでしょう。
大切なのは、一度の失敗で終わらせないことです。原因を考え、やり直し、もう一度挑戦する。浅野の6年間には、その経験をする場面がかなり多くあります。
そして「九転十起」と並んで掲げられるのが「愛と和」です。自分だけが成功すればよいのではなく、友人や先輩後輩と関わりながら成長する。この二つの校訓を並べて見ると、浅野が学力だけの学校ではないことが分かります。
大学受験へ向けた6年間の道筋は明確
学習面では、中高一貫校の利点を生かした速いカリキュラムが組まれています。英語・数学は中学2年までに中学校範囲を終え、中学3年から高校内容へ進みます。
高校2年から文系・理系に分かれ、高校3年では東大、難関国立、国立、私立など志望大学に応じたコースへ進みます。中学段階で基礎を固め、高校前半で必要な範囲を広げ、高校3年で十分な入試演習時間を確保する構成です。
2026年度には東京大学38名、東京科学大学20名、京都大学9名、一橋大学9名などの合格者が出ました。国公立医学部医学科にも18名が合格しています。
こうした数字は6年間の学習環境を示す一つの結果ですが、全員を同じ大学へ向かわせるわけではありません。本人の志望をもとに、それぞれが目標とする大学へ挑戦することが基本です。
それでも、学校生活を大学受験だけにはしない
浅野の面白いところは、これだけ大学進学実績の高い学校でありながら、学校行事や部活動を削って受験勉強に集中する方向へ進んでいないことです。
体育祭、打越祭、林間学校、スキー教室、京都・奈良研修などが年間予定に入り、多くの生徒が部活動にも参加します。
約10,000㎡の人工芝グラウンド、打越アリーナ、理科実験室、図書館「清話書林」などの施設も、こうした学校生活を支えるために使われています。
高校3年になれば大学受験へ向けて勉強量は増えます。それでも中学から高校までの6年間全体を見れば、友人と部活をしたこと、体育祭で競ったこと、打越祭をつくったことも同じくらい学校生活に残ります。
58,750㎡の打越山が6年間の舞台になる
新子安駅・京急新子安駅から徒歩約8分。そこから坂を上った先に、58,750㎡のキャンパスがあります。
人工芝のグラウンド、体育館、図書館、校舎、そして自然林の残る銅像山。横浜・川崎・東京方面から通いやすい場所にありながら、学校の中にはかなり広い空間があります。
朝に打越坂を上り、授業を受け、昼には友人と弁当を食べ、放課後は部活動へ行く。試験前には図書館で勉強し、体育祭や打越祭の時期には準備で忙しくなる。
大学合格実績の数字より、中学1年生から高校3年生までの日常を考えると、浅野という学校の姿はむしろこちらにあります。
2月3日の一回勝負だからこそ、受験日程にも浅野への意思が表れる
浅野の中学入試は、2月3日の4科入試1回のみです。
開成、麻布、駒場東邦、聖光学院、栄光学園などと併願する受験生も多く、2月1日・2日・3日と難関校を連続して受験することもあります。
一方、浅野を第一志望とするなら、2月1日や2日に合格を確保し、3日のために体調や精神状態を整える戦略もあります。
第1回で失敗したら第2回へ、という受け方ができないからこそ、2月3日にどのような状態で打越山へ向かうかまで含めて受験準備になります。
「神奈川男子御三家」という肩書きの先を見る
浅野を知る入口として、「神奈川男子御三家」「東大合格者多数」といった言葉は分かりやすいものです。しかし、6年間通う本人にとって、毎日その肩書きを意識して生活するわけではありません。
実際に向き合うのは、速い授業、宿題、小テスト、友人、部活動、体育祭、打越祭、そして毎朝の打越坂です。
勉強だけでは物足りない。部活動や行事にも本気で取り組みたい。それでも大学受験では高い目標へ挑戦したい。失敗したときには、もう一度立ち上がってやり直したい。
そうした忙しい6年間を「大変そう」より「面白そう」と感じる男子なら、浅野は一度実際に訪れておきたい学校です。
新子安駅から打越坂を上り、広いグラウンドや校舎を歩き、できれば打越祭で在校生の姿を見る。そのとき本人が「ここで6年間過ごしてみたい」と思えるかどうか。浅野を選ぶ最後の基準は、偏差値表よりそこにあるのかもしれません。

