城北中学校とは?基本情報と沿革
城北中学校は、東京都板橋区に位置する私立の男子中高一貫校です。1941年の創立以来、着実な学力と人格の形成を目指した教育を展開しており、現在では難関国公私立大学への進学実績を誇る進学校として高く評価されています。
「中高一貫教育による人間形成と進学指導」を教育の柱とし、一人ひとりの学力・個性・将来の志望に応じたきめ細かい指導が行われています。クラブ活動や研修旅行などの課外活動も活発で、勉強と学校生活の充実を両立できる環境が整っています。
基本情報
- 所在地:〒174-8711 東京都板橋区東新町2-28-1
- アクセス:東武東上線「上板橋駅」南口より徒歩10分、地下鉄有楽町線・副都心線「小竹向原駅」より徒歩20分
- 設立:1941年
- 共学・別学:男子校(中高一貫・高校募集あり)
- 生徒数:中学:約825名(中1:286名、中2:270名、中3:269名)
沿革の概要
城北中学校は、戦時中の教育改革を契機に「堅実な学問」と「高い志」を育てることを目的に設立されました。戦後は私立進学校としての地位を築き、特に理系進学や難関国立大合格者数で安定した成果を挙げ続けています。
創立以来の教育理念である「着実・勤勉・自主」は今なお校風に根づき、知性・人間性・行動力を兼ね備えた人物育成に注力しています。
アクセスと周辺環境
城北中学校は、東京都板橋区東新町に校舎を構える男子中高一貫校です。東武東上線や副都心線、有楽町線など複数路線からのアクセスが可能で、都内各地や埼玉方面からの通学にも便利な立地です。
アクセス情報
- 東武東上線:「上板橋駅」南口より徒歩約10分
- 東京メトロ副都心線・有楽町線:「小竹向原駅」より徒歩約20分
- バス利用:「高円寺駅」より都営バスで「小茂根」下車 徒歩約10分
主要駅からの所要時間も短く、池袋・新宿・渋谷方面から30分以内で通学可能なため、城北線沿線以外の地域からも多数の生徒が通っています。
周辺環境
校舎周辺は、住宅街の中に緑も多く残る落ち着いた環境にあり、学習に集中しやすい静かな雰囲気です。板橋区立城北中央公園が近隣にあり、豊かな自然と清潔感ある街並みが保たれています。
また、校舎内には温水プールや道場・人工芝のグラウンド・複数の食堂スペースなどが整備されており、都市型ながら充実した教育設備が揃っているのも城北中学校の大きな魅力です。
教育方針と校風:一貫教育と男子教育の理念
城北中学校では、「中高一貫教育」を基軸とし、6年間を通して着実に学力と人間力を育てるカリキュラムが実施されています。教育理念は「着実・勤勉・自主」。地に足のついた学びを大切にしながら、生徒が自ら考え、行動できる人間へと成長していくことを目指しています。
中高一貫教育の3ステージ
城北では6年間の教育を以下の3つのステージに分け、それぞれの時期に応じた指導を展開しています。
- 基礎期(中1・中2):主要教科の基礎学力を徹底的に定着。補習や個別対応も充実。
- 錬成期(中3・高1):選抜クラスの編成と応用力育成。進学指導が本格化。
- 習熟期(高2・高3):文理分化と志望別クラス編成による受験対策中心の実践指導。
このような段階的な教育によって、無理なく自然に「大学受験に強い実力」が身につく構造となっています。
男子教育ならではの校風と育成観
城北は男子校ならではののびのびとした雰囲気の中に、責任感・リーダーシップ・協調性を育む伝統があります。生徒は学年を超えた交流の中で、人間関係を築く力や社会性を身につけ、自主的に動ける男性像を自然に形成していきます。
また、礼儀や生活態度への指導も徹底しており、「静座」などを通じて心を落ち着けて学ぶ姿勢が身につけられています。教師陣は温かくも厳しい指導で、生徒の潜在能力を引き出していきます。
カリキュラムの特色と進路別クラス編成
城北中学校では、中高6年間の一貫カリキュラムをもとに、生徒の学力と志望に応じた柔軟なクラス編成と指導が行われています。授業は基礎から丁寧に積み上げつつ、応用力や表現力、記述力の育成にも力を入れており、大学入試に直結する力をバランスよく養成します。
中学課程(中1〜中3)の学習体制
- 中1・中2:基礎学力の徹底定着。週35時間以上の授業に加え、補習・再試も充実。
- 中3:「選抜クラス」が編成され、難関大学志望者向けに先取り・発展内容を実施。
- 全学年:定期試験+振り返り学習ノートにより「学習習慣」を定着。
高校課程(高1〜高3)での進路別クラス編成
高校進学時からは、文理選択および志望大学に応じたクラス編成が実施され、より戦略的な受験準備が進められます。
- 選抜文系・理系:国公立大(文・理)や早慶などの難関私大志望者向け
- 一般文系・理系:中堅〜上位大学・多様な進路に対応
- 医歯薬志望者:特別講習や模試分析サポートなど個別対応も充実
特別講習・行事との連携
- 春・夏・冬の講習会:学年・目的別に実施(任意制+希望制)
- 「合宿勉強会」:集中学習・学習習慣形成・仲間意識の醸成に寄与
- 模試活用:定期的な進研模試・駿台模試等の結果を活用した進路指導
このように、城北中学校のカリキュラムは、計画的なステップアップと目標達成を強力にサポートする体系となっています。
海外研修・体験学習と国際理解教育
城北中学校では、グローバルな視野を持った人材の育成を目指し、英語教育の充実に加えて、海外研修や国際交流プログラムにも積極的に取り組んでいます。中高6年間を通じて、語学力と異文化理解を段階的に身につけられるカリキュラムが整備されています。
オーストラリア研修(高1希望制)
高校1年次には希望者を対象としたオーストラリア語学研修を実施。現地校での授業体験やホームステイを通じて、実践的な英語力とコミュニケーション能力を養います。
- 実施時期:夏休み(2週間程度)
- 滞在形式:ホームステイ
- 内容:現地学校訪問、英語研修、文化交流など
国内での国際交流プログラム
- 英語スピーチ大会・ディベート発表会を校内で実施
- ネイティブ教員との少人数会話授業やスピーキングテストの導入
- 英語検定・TOEFL Juniorの受験指導を通じて資格取得を促進
英語教育の特徴
中学段階から週5時間以上の英語授業を設定し、文法・読解・会話のバランスに配慮した指導を展開しています。特に中3以降は英語によるプレゼンや小論文の作成にも取り組み、表現型学習を重視する傾向が強まります。
こうした取り組みにより、多くの生徒が中学卒業までに英検準2級〜2級、高校在学中に準1級取得を目指して学習しています。
ICT・図書館・自学支援体制
城北中学校では、ICTを活用した授業の効率化と、自学自習の習慣形成に力を入れています。基礎から応用まで、個別最適な学びを実現するための環境整備が進められており、生徒一人ひとりの学習スタイルに寄り添った支援が特徴です。
ICTの活用例
- Classi・Google Classroomなどのプラットフォームを活用し、課題提出・解説配信・保護者との連携を効率化
- 授業内スライドや動画教材を併用し、理解を深めるマルチメディア型授業を展開
- 一部教科でBYOD端末導入(高校段階)により、探究・プレゼンにも活用
図書館の機能と利用方法
校内にある蔵書2万冊超の図書館は、学習支援・探究活動・読書習慣形成の場として積極的に活用されています。開館時間は放課後も含まれており、自習スペースとしても人気です。
- 学年別・教科別の推薦図書コーナーあり
- 中学生の読書感想文や自由研究の資料探しにも対応
- 探究学習や論文作成時の文献ガイド支援も実施
自学支援体制
- 放課後補習・学習会:中学段階から成績フォローのための補講体制を実施
- スタディサポート(ベネッセ)などの活用:自分の弱点を可視化し、自習に生かす
- 朝学習・小テストの定着:日常的な反復により「学びの習慣」を支援
このように、城北中学校ではICT×学習支援のハイブリッド型指導を推進しており、自ら学び続ける姿勢の育成が徹底されています。
部活動と学校行事:運動部・文化部・研修旅行など
城北中学校では、学習と並行して部活動や学校行事にも積極的に取り組む校風が根づいています。勉強だけでなく、仲間との協働や挑戦を通じて人間力を育むことが重要視されています。
部活動の紹介
中高合同の部活動も多く、文化部・運動部あわせて30以上のクラブが存在します。週2~3日の活動で、学業との両立を前提とした活動ペースが確保されています。
- 運動部:サッカー、野球、バスケットボール、剣道、柔道、テニス、卓球、陸上、ラグビー など
- 文化部:鉄道研究部、囲碁・将棋部、科学部、地歴研究部、英語部、コンピュータ部、演劇部 など
大会出場や発表の場も多く、生徒の自主性を重んじた部活動運営が行われています。高校段階では外部大会への出場も活発です。
主な学校行事
- 研修旅行:中3での関西方面(奈良・京都)旅行、高2での沖縄・北海道修学旅行など
- 体育祭:学年を越えた応援団活動と競技で一体感を育む
- 文化祭(城北祭):クラス・部活展示、ステージ発表、模擬店などが行われる城北の一大行事
- 合唱コンクール:全クラス参加型の音楽行事
これらの行事を通じて、生徒たちは友情・責任感・発信力を育み、「学力+人間力」のバランスを整えていきます。特に文化祭の活気と完成度の高さは、保護者や外部からの評価も高い点です。
進学実績と併設高校の大学合格状況(指定校推薦も含む)
城北中学校は、中高一貫教育の強みを活かした大学受験指導を展開しており、難関国公立大学や私立大学への現役合格実績を年々着実に伸ばしています。高校段階での文理分化・志望別クラス編成と、個別対応の丁寧な進路指導によって、多様な進路希望に対応しています。
2024年度 主な大学合格実績(高校卒業生)
- 国公立大学:東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学、筑波大学、千葉大学、横浜国立大学 など
- 私立大学:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、明治・青山・立教・中央・法政(MARCH)など多数
- 医学部・薬学部:国公立・私立ともに医学部医学科や薬学部に合格者を輩出
理系志望者が多い傾向にあり、東工大・千葉大・理科大・私立理系学部などへの合格者数も安定しています。また、東京大学・京都大学への合格実績も継続的にあり、最難関層にとっても十分に対応可能な学力層を育成しています。
指定校推薦制度
一般受験が主軸ですが、一定の成績と生活態度を維持した生徒に対しては、早慶上智・MARCHクラスの指定校推薦の活用も可能です。これは学力と人物のバランスを重視する進路選択として、一部生徒に人気の選択肢です。
進路指導の特長
- 三者面談・個別進路相談:高1から定期的に実施
- 模試フィードバックと志望校戦略:模試結果の個別分析と課題指導
- OBによる大学紹介会:現役大学生による学部紹介・進路アドバイスの機会あり
このように、城北中学校は「幅広く、かつ深い進学対応」を実現しており、特に理系・国公立志望の男子生徒にとって非常に手厚い進路指導体制が整っています。
学費と奨学金制度
城北中学校は私立中高一貫校のため、一定の学費が必要ですが、充実した進学指導や施設・教育内容を踏まえると、非常に高いコストパフォーマンスを持つ進学校と言えます。さらに、家庭の経済事情に応じた支援制度も整えられています。
2024年度 中学1年生の学費(目安)
- 入学金:280,000円
- 授業料:456,000円(年額)
- 施設費:160,000円(年額)
- その他諸費用:約140,000円(教材費、行事費、ICT費など)
- 年間合計:およそ1,036,000円(初年度は入学金含むため約130万円程度)
制服・体操服・教材購入費などは別途必要ですが、分納制度も整っており、保護者の負担軽減に配慮した運用が行われています。
奨学金・学費支援制度
- 城北中学校奨学生制度:学業・人物ともに優秀な生徒を対象に授業料減免
- 板橋区・東京都の私学助成制度:所得に応じた助成金(最大年額約45万円)
- 私学共済等による外部奨学金:在学中に申請可能な外部団体の支援制度あり
このような制度により、経済的事情によって教育の機会をあきらめることなく、優れた教育環境を享受することができます。入試説明会や資料請求などで詳細情報を確認しておくことをおすすめします。
入試情報と合格の目安+併願校パターン
城北中学校は、毎年2月1日・2日・4日に3回の一般入試を実施しており、受験生の併願計画において柔軟な日程設定が可能な人気男子校です。帰国生入試も同日程で実施され、受験機会の多さと進学実績の両立から、高い支持を得ています。
2024年度 一般入試日程と概要
回次 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 | 手続締切 | 入試科目 |
---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1/10〜1/30 | 2/1 | 2/1 | 2/4 | 国語・算数・社会・理科・面接 |
第2回 | 1/10〜2/1 | 2/2 | 2/2 | 2/4 | 国語・算数・社会・理科・面接 |
第3回 | 1/10〜2/3 | 2/4 | 2/4 | 2/5 | 国語・算数・社会・理科・面接 |
試験概要と得点配分
- 試験時間:国語・算数 各50分(各100点)、理科・社会 各40分(各70点)
- 合計点:340点満点
- 合格最低点:
- 第1回:224点
- 第2回:219点
- 第3回:222点
- 面接:参考評価(個人または保護者同伴)
- 調査書提出:不要
偏差値の目安(四谷大塚基準)
- 第1回(2/1):偏差値56〜58
- 第2回(2/2):偏差値58〜60
- 第3回(2/4):偏差値60前後(実質的な上位選抜)
併願校パターン(例)
● 挑戦校として位置づける場合
- 2/1午前:城北中(第1回)
- 2/2午前:世田谷学園中
- 2/4午後:本郷中(午後入試)
● 標準校として受験する場合
- 1/20:開智日本橋中
- 2/1午前:城北中(第1回)
- 2/2午前:芝浦工大附属中
- 2/4午前:城北中(第3回)
● 安全校としておさえる場合
- 1/10:獨協中
- 1/20:城西大城西中
- 2/1午後:佼成学園中
- 2/2午後:東京電機大中
このように、城北中学校は受験日程の柔軟性・進学力の高さ・校風のバランスを評価され、男子受験生にとって多くの戦略的併願パターンに組み込まれる中核校として位置づけられています。
城北中学校はこんな受験生におすすめ
城北中学校は、学力だけでなく人間力や礼儀、生活習慣の確立にも力を入れており、次のような受験生に特におすすめです。
1. 地に足のついた実力を着実に積み上げたい人
無理のないカリキュラム進行と、基礎学力の定着から発展・応用へと段階的に進む学習体系が特徴です。短期間での詰め込みより、長期的な視点での学習を志す生徒に向いています。
2. 雰囲気の良い男子校でのびのび学びたい人
男子校らしい活気ある雰囲気と、先輩・後輩の良好な関係、熱心な先生との距離の近さが魅力です。勉強と部活を両立しながら、自主性を大切にした学校生活を送りたい人におすすめです。
3. 理系志望で、国公立や理工系難関大を目指したい人
東工大・理科大・筑波・千葉・早慶理工などへの進学者が多数おり、理系進学に強いカリキュラムと実績があります。高2以降の理系クラスでは個別指導や演習量も充実しています。
4. まじめな校風で自らを律して努力できる人
校内には「静座」などの独自文化があり、精神的な落ち着きや集中力の向上も育まれます。周囲に流されず、自分の目標に向かって地道に努力できるタイプにとって理想的な環境です。
このように、城北中学校は「堅実な男子進学校」を志す家庭にとって非常にバランスの良い選択肢であり、未来志向の学びと確かな進学力を兼ね備えた教育を受けられる学校です。
まとめ:城北中学校の魅力とは?
城北中学校は、一貫教育による着実な学力形成と、男子教育ならではののびやかな校風が融合した、伝統ある男子進学校です。中高6年間を通じて段階的に学力と人格を育て、難関大学合格を実現する確かな実力を養成します。
理系に強く、東大・東工大・早慶・国公立大などへの合格実績を着実に積み上げる一方で、ICT教育や探究活動、海外研修などの現代的な教育手法も取り入れています。文武両道を目指す指導体制、熱心な教員陣、充実した施設環境も魅力です。
また、「着実・勤勉・自主」という理念のもと、礼儀や人間力を重んじる校風に共感するご家庭から、高い支持を集めています。地に足をつけて将来を見据えた進学を目指したい男子受験生にとって、城北中学校は非常に有力な選択肢といえるでしょう。