はじめに|香蘭女学校中等科の基本情報とこの記事の目的
香蘭女学校中等科は、東京都品川区に位置する、キリスト教精神に基づいた人格教育を重視する伝統ある女子校です。品格と確かな学力を兼ね備えた生徒を育成する教育方針のもと、長年にわたり多くの卒業生を社会に送り出してきました。
本記事では、香蘭女学校中等科の教育方針やカリキュラム、学校生活、探究活動、進学実績、入試情報など、受験を検討しているご家庭に役立つ情報をわかりやすくまとめています。
「どのような校風なのか?」「どんな学びができるのか?」「進路実績は?」といった疑問に答えつつ、香蘭女学校中等科の魅力を丁寧にご紹介していきます。ぜひ、学校選びの参考にご活用ください。
学校概要|香蘭女学校中等科とはどんな学校か
香蘭女学校中等科は、1888年に設立された、キリスト教精神に基づく人格教育を柱とした女子中学校です。創立以来、「神を仰ぎ 人に仕う」という建学の精神を大切にしながら、品位と教養を兼ね備えた女性の育成を目指してきました。
東京都品川区旗の台に位置し、交通の便にも恵まれながら、落ち着いた住宅街に校舎を構えています。都会の喧騒から一歩離れた静かな環境の中で、生徒たちは学問と信仰を両立させた教育を受けています。
現在では、英語教育やICT教育、探究型学習にも力を入れ、伝統を守りながらも現代社会に対応する柔軟な教育を実践しています。中高一貫教育を通じて、生徒一人ひとりの個性と可能性を大切に伸ばす学校です。
アクセス|通いやすさと周辺環境
香蘭女学校中等科は、東京都品川区旗の台に位置し、東急大井町線・池上線「旗の台駅」から徒歩約4分という抜群のアクセス環境を誇ります。
「旗の台駅」は東急大井町線と池上線の乗換駅であり、渋谷・自由が丘・五反田・蒲田方面からのアクセスが非常に良好です。特に、品川・目黒エリアや大田区・世田谷区方面から通学する生徒が多いのが特徴です。
駅から学校までは平坦な道のりが続き、周辺は落ち着いた住宅街となっているため、安心して通学できる環境が整っています。治安面でも安心感があり、保護者からの評価も高いエリアです。
このように、都心へのアクセスと落ち着いた環境を兼ね備えた立地は、香蘭女学校中等科の大きな魅力のひとつです。
教育方針|キリスト教精神に基づく人間教育
香蘭女学校中等科の教育の根幹には、「神を仰ぎ 人に仕う」という建学の精神があります。この精神に基づき、単なる知識の習得にとどまらず、人間としての品格と奉仕の心を育てることを大切にしています。
毎朝の礼拝や聖書の授業を通して、神を敬う心と他者への思いやりを深め、日々の生活の中で実践していく姿勢を養います。信仰に裏打ちされた価値観を土台に、倫理観・道徳心を自然に育む環境が整えられています。
また、社会の中で自立し、周囲と協力しながら貢献できる人間へと成長するために、感謝の気持ちや謙虚さを重んじる教育が行われています。香蘭女学校では、学びと信仰を一体化させた教育を通じて、「心の強さ」と「人としての美しさ」を兼ね備えた生徒の育成を目指しています。
カリキュラム|基礎力+探究力を育てる学び
香蘭女学校中等科では、「基礎学力の確実な定着」と「探究する力の育成」を両輪としたカリキュラムが組まれています。主要教科においては、徹底した基礎力養成を重視し、知識を確実に積み上げたうえで応用力・思考力を伸ばしていくスタイルが採用されています。
国語・数学・英語を中心に、反復演習と発展的内容をバランスよく組み合わせた授業が展開され、特に英語では4技能(聞く・話す・読む・書く)をバランスよく育成するための時間が充実しています。
また、ICT教育にも積極的で、全員にiPadが貸与され、探究学習やプレゼンテーション、レポート作成などに日常的に活用されています。こうした環境のもと、自ら課題を設定し、主体的に学びを深める力が養われています。
中学3年間の学びを通じて、生徒たちは「自ら学び、考え、表現する力」をしっかりと身につけ、高校課程やその先の進路に向けた確かな土台を築いていきます。
学校生活|行事・クラブ活動・日常の様子
香蘭女学校中等科では、学習活動だけでなく、学校生活全体を通じた豊かな人間形成を大切にしています。年間を通じて様々な行事が行われ、生徒一人ひとりが多彩な経験を積み重ねています。
主な行事には、創立記念礼拝、音楽祭、文化祭、体育祭、クリスマス礼拝などがあり、キリスト教行事を中心に、仲間と協力し合う機会が豊富に用意されています。特にクリスマス礼拝は、香蘭女学校ならではの厳かな雰囲気の中で行われる伝統的なイベントです。
クラブ活動も盛んで、運動部・文化部合わせて多くの部活動が活発に活動しています。バスケットボール部、バドミントン部、テニス部といった運動系に加え、英語部、演劇部、ハンドベル部、茶道部など文化系の部活動も充実しており、自分の興味関心に応じた活動に取り組むことができます。
日々の学校生活では、礼拝や授業、放課後活動を通して、学びと成長を実感できる時間が広がっています。生徒同士、また教員との距離も近く、温かみのある校風の中で一人ひとりが伸び伸びと学校生活を送っています。
探究活動|主体的に学び、未来を切り拓く
香蘭女学校中等科では、教科書に書かれた知識を覚えるだけでなく、「自ら問いを立て、考え、発表する力」を育成することを重視しています。その中心となるのが、探究活動に代表されるアクティブラーニング型の取り組みです。
生徒たちはiPadを活用しながら、日常の授業や特別プログラムの中で課題設定、調査・分析、プレゼンテーションといったプロセスを繰り返し経験します。単なる受け身の学習ではなく、主体的に取り組む姿勢が育まれています。
中等科の段階から、グループディスカッション、課題解決型学習(PBL)、発表活動が積極的に行われており、生徒自身が考え抜く力や伝える力を自然に身につけていきます。
これらの探究活動を通じて、生徒たちは「未知の課題に対して柔軟に対応できる力」を養い、将来の進路や社会で求められるスキルへと確実につなげています。
英語教育|4技能を伸ばすプログラム
香蘭女学校中等科では、英語教育に力を入れており、「聞く・話す・読む・書く」という4技能をバランスよく伸ばすカリキュラムを展開しています。基礎から丁寧に積み上げる指導と、実践的な英語運用力を育む機会の両方が豊富に用意されています。
授業は基本的に少人数制で行われ、英語で考え、英語で発信する力を重視した指導が特徴です。英文読解や文法だけでなく、リスニングやスピーキングにも力を入れており、日常的に英語で発表やディスカッションを行う場面が設定されています。
さらに、中等科のうちから英語スピーチコンテストや英語プレゼンテーション大会への参加も奨励されており、実践的な英語力を試す機会も豊富です。希望者を対象に、海外研修プログラムも用意されており、国際感覚を養う取り組みも積極的に行われています。
香蘭女学校の英語教育は、大学受験や資格取得にとどまらず、グローバル社会で活躍できる「本物の英語力」の育成を目指しています。
進学実績|早慶上智・GMARCH中心の堅実な実績
香蘭女学校中等科・高等科は、難関私立大学への高い進学実績を誇る学校として知られています。特に、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学といった早慶上智への進学者数が安定しており、毎年多数の合格者を輩出しています。
また、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学といったいわゆるGMARCHレベルの私立大学への進学実績も堅調で、多くの卒業生が第一志望の進路を実現しています。
国公立大学への進学実績もあり、東京学芸大学や横浜国立大学など、首都圏の国立大学を中心に合格者を出しています。近年では、理系・医療系進学を希望する生徒へのサポート体制も強化されており、多様な進路選択に対応できる環境が整っています。
香蘭女学校では、中高一貫6年間の中で着実に学力を高めるカリキュラムと、個別に寄り添った進路指導によって、生徒一人ひとりが自分に合った進学先を見つけ、確実にステップアップを果たしています。
入試情報|募集要項と合格の目安
香蘭女学校中等科の入試は、毎年2月1日・2月2日の2回にわたって実施されています。回によって試験科目が異なる点が特徴です。
試験科目は、第1回(2月1日)は4科目型(国語・算数・理科・社会)、第2回(2月2日)は2科目型(国語・算数)となっています。自分の得意分野に応じて受験方式を選べる柔軟なシステムが整っています。
合格の目安となる偏差値(四谷大塚80%ライン基準)は以下の通りです。
- 第1回(2月1日実施・4科型):偏差値 約53
- 第2回(2月2日実施・2科型):偏差値 約58
第2回は2科目型となるため、受験しやすい一方で競争率がやや高まる傾向にあります。特に算数・国語の得点力が問われるため、バランスの取れた対策が重要です。
受験対策としては、4科受験を想定した総合力養成に加え、2科型では国語の読解力と算数の応用力に重点を置いた学習が求められます。
学費と奨学金制度|教育費用と支援体制
香蘭女学校中等科に通うための初年度納入金は、約110万円程度となっています。この金額には入学金、授業料、施設費、教育充実費などが含まれており、東京都内の私立女子中学校としては標準的な水準です。
主な費用内訳(2024年度参考)は以下の通りです。
- 入学金:約30万円
- 授業料:約42万円
- 施設費:約16万円
- 教育充実費・その他:約22万円
このほか、制服代、教材費、学校指定iPad購入費、校外学習費、クラブ活動費などが別途必要となる場合があります。
経済的支援制度としては、「東京都私立中学校授業料軽減助成金制度」や「就学支援金制度」の対象校であり、一定の所得基準を満たす家庭には授業料の一部が補助される仕組みがあります。
また、香蘭女学校独自の奨学金制度も整備されており、学業成績や課外活動で優れた成果を挙げた生徒に対して給付型奨学金が授与されることもあります。
このように、香蘭女学校中等科では、教育機会の公平性を確保するための支援体制がしっかり整えられています。
こんな子におすすめ|香蘭女学校中等科に向いている生徒像
香蘭女学校中等科は、確かな学力と豊かな人間性を育む教育を実践する学校です。そのため、次のようなタイプの生徒に特におすすめできます。
- 礼儀や品格を大切にしながら、自律的に成長したい人
- キリスト教精神に基づいた温かな校風の中で学びたい人
- 英語力をしっかり伸ばし、将来の国際社会で活躍したい人
- ICTツール(iPadなど)を活用して主体的に探究活動を行いたい人
- 中高一貫教育のもとで着実に学力を高め、難関大学進学を目指したい人
- 落ち着いた環境で、仲間とともに学び合い、高め合いたい人
香蘭女学校中等科では、生徒一人ひとりの個性を大切にしながら、社会で自立して活躍できる女性を育てる教育が行われています。共感できるポイントがあれば、ぜひ志望校の選択肢に加えてみてください。