問題
化学の基礎について, 次の問いに答えなさい。
- (1)次の①, ②の現象は図1のどの状態変化と最も関係が深いと考えられますか。A~Fから1つずつ選び, 記号で答えなさい。
- ①濡れていた洗濯物を外に干しておくと乾いた。
- ②冬の朝, 公園のベンチに霜が降りていた。
図2のように, 異なる量の15℃の水を入れ, ガラス管の同じ高さを色水で塞いだア, イのフラスコがあります。これらを90℃のお湯が入った水槽に付けた時, 色水の位置が一旦下がった後上に上がっていきました。
- (2)2つのフラスコのどちらのガラス管からも色水が飛び出しました。より勢いよく飛び出したのはどちらのフラスコの色水ですか。図2のア, イから選び, 記号で答えなさい。
- (3)色水の位置が一旦下がった理由として最も相応しいものを次のア~エから1つ選び, 記号で答えなさい。
- ア. 最初にフラスコの水が膨張するため。
- イ. 最初に空気が膨張するため。
- ウ. 最初にガラスが膨張するため。
- エ. 最初に水槽の水が膨張するため。
- (4)池の水は水面から先に凍ります。その理由を説明した次の空欄(①), (②)に当てはまる言葉を, 後の選択肢ア~カから1つずつ選び, 記号で答えなさい。
- [説明]
同じ重さの水の体積は(①)℃の時に最も小さくなります。冷たい空気によって水面が冷やされていくと, (①)℃になった時に池の水で(②)が起こらなくなり, それ以降は最も冷たい水が水面に留まるため, 水面から先に凍っていくことになります。 - [選択肢]
ア. −2 イ. 0 ウ. 4 エ. 伝導 オ. 対流 カ. 放射
- [説明]
- (5)次のア~エの現象から最も「伝導」と関係が深いものを1つ選び, 記号で答えなさい。
- ア. 風呂のお湯が表面だけ熱く, 底の方がまだ温いことがある。
- イ. フライパンの手で持つ部分は合成樹脂でできている。
- ウ. 焚き火に当たっていると, 顔が火照って赤くなった。
- エ. 魔法瓶の内部は鏡のようになっている。
- (6)図3のG~Iは蝋燭の炎を3つの部分に分けた様子を表しています。最も明るく光る部分を記号で答えなさい。また, その部分が明るく光る理由を次のア〜エから1つ選び, 記号で答えなさい。
- ア. 酸素が十分にあるので, 最も高い温度で炭素と結びつくため。
- イ. 酸素が不十分なので, 燃え残った炭素が熱せられて光るため。
- ウ. 蝋が燃えていないので, 沢山残った酸素が熱せられて光るため。
- エ. 温度が十分に高くならないので, 酸素や水素が透明なままでいられなくなるため。
- (7)ものが燃えるためには, J. 燃えるものがあること, K. 酸素があること, L. 発火点以上の温度であること, の3つの条件が必要です。次の①, ②はどの条件を奪うことによって火が消えていますか。J~Lから当てはまるものを1つずつ選び, 記号で答えなさい。
- ①アルコールランプの火を消した。
- ②山火事の時に周囲の木を切って, 被害が広がるのを防いだ。
- (8)ガスバーナーに点火する時の正しい手順に従って次のア〜オを並べ, 記号で答えなさい。
- ア. ガス調節ねじを開く。
- イ. ガスの元栓を開く。
- ウ. ガス調節ねじと空気調節ねじが閉まっていることを確認する。
- エ. マッチを擦る。
- オ. 空気調節ねじを開く。
- (9)濾過をする時の注意点として間違っているものを次のア〜エから1つ選び, 記号で答えなさい。
- ア. 濾紙は漏斗より少し大きいものを使用する。
- イ. 漏斗の先をビーカーの側面につける。
- ウ. 溶液を漏斗に注ぐときは, ガラス棒に伝わらせるようにする。
- エ. 濾紙は4つに折って, 水で濡らして漏斗にぴったりつける。
- (10)実験器具の使い方として間違っているものを次のア〜エから1つ選び, 記号で答えなさい。
- ア. メスシリンダーは真横から液面の一番低い所の目盛を読む。
- イ. 右利きの人が20gの食塩を測りとるとき, 上皿天秤の両方の皿に薬包紙を敷き, 20gの分銅を乗せ, 指針が目盛板の中央でピタッと止まるまで右の皿に食塩を少しずつ乗せていく。
- ウ. 気体検知管の両端を折って採取器に差し込んだ後ハンドルを一気に引き, 一定の時間おいてから検知管の目盛を読み取る。
- エ. 試験管の液体にものを溶かすときは, 3本の指で支え, 試験管を小刻みに揺らす。
模範解答
- (1) ①C ②B
- Tips
- 服の繊維の間にあった液体の水が気体の水蒸気に変化するので、Cの「気化」が正しい。
- 空気中の水蒸気(気体)が液体の状態を経ずに水(固体)に状態変化するので、Bの「昇華」が正しい。
- Tips
- (2) イ
- Tips
- 水と空気を比べると空気の方が膨張する割合が大きいので、水が少なく空気が多いイのフラスコの色水の方が勢いよく水が飛び出ます。
- Tips
- (3) ウ
- Tips
- 空気や水が膨張する前に、フラスコのガラスが膨張するので色水の位置が一旦下がります。
- Tips
- (4) ①ウ ②オ
- Tips
- 水は特殊な物質で、同じ体積で比較すると4℃のときが最も重く、池の水が水面から冷えていくと、水温4℃の水が池の底に沈み、更に水面が冷やされていっても4℃から0℃まで冷えた水はそのまま水面近くに留まるので、対流は起こらずに0℃状態変化するのは池の表面になります。
- Tips
- (5) イ
- Tips
- アの風呂の湯は対流、ウの焚き火とエの魔法瓶の内部(鏡になっている)は放射に関係するので、イのフライパンの手で持つ部分を選びます。金属製の加熱部分の熱が手に伝わりにくくなるように、合成樹脂でできており、これが伝導に関係しています。
- Tips
- (6) 部分; H 理由; イ
- Tips
- 蝋燭の炎で、最も明るく光るのはHの内炎で、この部分は酸素が少なく不完全燃焼しているので、燃え残った炭素の粒(煤)が熱せられて強い光を放出します。
- Tips
- (7) ①K ②J
- Tips
- アルコールランプでは、蓋をしてKの燃焼条件「酸素があること」を奪って火を消しています。
- 山火事では中々火の勢いが衰えないので、燃えている周囲の木を切り倒したり、家を壊したりしてJの燃焼条件「燃えるものがあること」を奪って火を消します。
- Tips
- (8) ウ→イ→エ→ア→オ
- Tips
- 最初に、ガス調整ねじと空気調節ねじが開いていないかを確認します。(これを怠ると、元栓を開いた時点でガスが出てきてしまうので、マッチの火をつけた瞬間に引火して危険です。)そして、元栓を開き、先にマッチを擦ってガスバーナーの口に近づけたところでガス調節ねじを開いて点火します。点火後は赤い炎が出ているので、空気調節ねじを開いて炎の色が青くなるように調整します。
- Tips
- (9) ア
- Tips
- 漏斗と濾紙の間に隙間があると、そこから空気が入って漏斗下部のガラス管を通る「濾液」が空気の泡で途切れてしまい、下のビーカーに流れ落ちなくなってしまいます。これを防ぐために、濾紙は漏斗よりも小さいものを選んで四つ折りにした後純水で濡らして漏斗に接着させます。漏斗の先の尖った方をビーカーの側面につけるのも、濾液の流れが途切れないようにするための工夫です。
- Tips
- (10) イ
- Tips
- 上皿天秤の支点は鋭く尖っているので、左右の更に同じ重さのものを乗せても目盛り板の中央で停止することはありません。左右の重さが釣り合っていることは、目盛り板の中央を挟んで指針が左右に同じ振れ幅で触れていることで確認します。(振れを手で止めようとすると支点の先端が摩耗するので注意)
- Tips