はじめに|國學院大學久我山中学校の基本情報とこの記事の目的
國學院大學久我山中学校は、東京都杉並区に位置する、伝統と革新を融合させた中高一貫教育を実践する学校です。文武両道を掲げる教育方針のもと、学力だけでなく、人間力や体力のバランスの取れた成長を促す指導が行われています。
本記事では、國學院大學久我山中学校の教育方針、カリキュラム、学校生活、探究活動、進学実績、入試情報など、受験を検討しているご家庭に役立つ情報をわかりやすくまとめています。
「どのような校風なのか?」「どんな学びができるのか?」「どのような進路実績があるのか?」といった疑問にお答えしながら、國學院大學久我山中学校の魅力を丁寧にご紹介していきます。ぜひ、学校選びの参考にしてください。
学校概要|國學院大學久我山中学校とはどんな学校か
國學院大學久我山中学校は、1944年に國學院大學の附属校として設立された伝統ある中高一貫校です。建学の精神である「学問の道を通じて人間形成を目指す」理念のもと、知性・徳性・体力のバランスを重視した教育を行っています。
学校は東京都杉並区久我山に位置し、閑静な住宅街の中に広々としたキャンパスを構えています。落ち着いた環境の中で、男子部・女子部に分かれた「男女別学」体制をとりつつ、互いに良い刺激を与え合う教育スタイルを実践しています。
また、国語教育や伝統文化の尊重を重視しながら、時代に即した英語教育やICT教育にも力を入れており、伝統と革新のバランスを保った現代的な教育を提供している点が大きな特色です。
アクセス|通いやすさと周辺環境
國學院大學久我山中学校は、東京都杉並区久我山に位置し、京王井の頭線「久我山駅」から徒歩約12分、または京王線「千歳烏山駅」から徒歩約12分というアクセスの良さを誇ります。両駅からの通学路は落ち着いた住宅街を通るため、安全面でも安心です。
また、千歳烏山駅からはバス路線も利用可能で、バス停からは徒歩数分の距離に校舎が位置しており、雨天時なども負担が少ない通学環境が整っています。
学校周辺は閑静な住宅地が広がり、学習に集中できる落ち着いた環境が整っています。都心部からのアクセスも良好で、渋谷・新宿・吉祥寺方面から通学する生徒も多く、交通の便に恵まれた立地が魅力のひとつとなっています。
教育方針|「学問・人格・体力」のバランス重視
國學院大學久我山中学校は、「学問・人格・体力」の三位一体の育成を教育理念に掲げています。単に知識を詰め込むだけではなく、豊かな人間性と健全な身体を備えた、社会に貢献できる人材の育成を目指しています。
学問面では、基礎学力の徹底と応用力の養成を重視し、知的好奇心を刺激する教育が展開されています。人格面では、礼節を重んじる校風のもと、他者を思いやる心や自主自律の精神を育てます。体力面では、体育・部活動を通じて、心身の健全な成長を支援しています。
また、國學院大學附属校として、日本の伝統文化や歴史に対する理解を深める教育にも力を入れており、「日本人としてのアイデンティティ」を育むことを大切にしています。
カリキュラム|多様な進路に対応する3コース制
國學院大學久我山中学校では、生徒一人ひとりの目標や個性に合わせた学びを実現するため、男女別にコース制が採用されています。中学段階では、次の3つのコースが設置されています。
- STクラス(男女):最難関大学を目指す生徒が集まるコースです。東京大学をはじめとする国公立大学・医学部医学科などへの進学を目標とし、高い学習進度と演習量を誇ります。中学3年次から高校課程の学習が始まり、高校3年の1学期までに主要科目の履修を完了、2学期以降は本格的な受験対策に入ります。家庭学習の重要性も高く、文武両道を高いレベルで実現する生徒が多いのも特色です。
- CC(Cultural Communication)クラス(女子のみ):平成30年度に新設された女子限定クラスで、国際社会で貢献できる女性の育成を目指しています。英語力、探究活動、発信力を重視し、プレゼンテーションやディスカッションを多く取り入れた授業スタイルが特徴です。グローバルな視点を持った表現力豊かな生徒を育成します。
- 一般クラス(男女):國學院大學への進学を視野に、基礎学力をしっかり身につけ、個々の適性や希望に応じた進路指導を行うコースです。幅広い進路希望に対応可能で、安定した学習環境の中で着実に力を伸ばします。
いずれのコースも、知識だけでなく、思考力・判断力・表現力を育成する教育方針のもと、未来に向けた確かな学びが展開されています。
学校生活|充実した行事・クラブ活動・日常の様子
國學院大學久我山中学校では、学びだけでなく学校生活全体を通じて、生徒の人間的成長を促すことを重視しています。年間を通じて多彩な行事が企画され、仲間と協力し合う経験が豊富に用意されています。
主な学校行事には、入学式、体育祭、文化祭、合宿研修、宗教行事、修学旅行(国内外)などがあり、生徒たちは各イベントに積極的に参加し、クラスや学年の枠を越えた絆を育んでいます。
クラブ活動も非常に盛んで、運動部・文化部ともにバランスよく活動が行われています。ラグビー部、サッカー部、野球部など全国レベルで活躍する運動部に加え、吹奏楽部、演劇部、科学部といった文化系クラブも充実しており、自分の興味関心に応じてのびのびと活動することができます。
日々の学校生活では、礼儀を重んじる校風の中で、メリハリのある生活習慣が自然と身につきます。生徒同士だけでなく、教員との距離も近く、温かく厳しさのある指導のもと、安心して学校生活を送ることができる環境が整っています。
探究活動|主体的な学びを促す取り組み
國學院大學久我山中学校では、知識の習得にとどまらず、「自ら問いを立て、考え、発信する力」を育成する探究型の学びに力を入れています。各コースの特色に応じた探究活動が展開され、未来を見据えた思考力・表現力が磨かれます。
特に、女子対象のCCクラスでは、英語でのプレゼンテーションやディスカッションを積極的に取り入れ、課題解決型の学習を推進。探究テーマの設定から発表までを一貫して行うプログラムが充実しており、国際的な視野を持った学びが実現されています。
また、男子を含めた全コースでも、レポート作成やプレゼンテーション活動が日常的に行われ、思考を深める授業スタイルが浸透しています。中学段階から調査・研究・発表のプロセスを経験することで、生徒たちは主体的に学びを深める習慣を身につけています。
このような探究活動を通じて、國學院大學久我山中学校の生徒たちは「社会で求められる力」を早い段階から育み、自ら道を切り拓く力を養っています。
英語教育|グローバル人材育成への取り組み
國學院大學久我山中学校では、これからのグローバル社会に対応できる力を育成するため、英語教育に力を入れています。英語4技能(聞く・話す・読む・書く)のバランスを重視し、実践的な英語運用能力を高めるカリキュラムが展開されています。
授業では、基礎的な文法・読解力の習得だけでなく、スピーキングやリスニングにも積極的に取り組み、日常的に英語での発表やディスカッションを行う機会が設けられています。特にCCクラスでは、英語によるプレゼンテーション能力の養成に力を入れ、国際的な視野を持った表現力を育てています。
また、英検やGTECといった英語資格試験への挑戦も奨励されており、外部検定を活用した学習成果の可視化にも取り組んでいます。中学段階から高い英語力を身につけることにより、将来の大学入試や海外留学にも対応できる基礎が築かれます。
國學院大學久我山中学校の英語教育は、受験英語にとどまらず、社会で活躍するための本物のコミュニケーション力育成を目指しています。
進学実績|難関国公立・早慶上理への確かな進路実績
國學院大學久我山中学校・高等学校は、中高一貫教育の強みを活かして、難関大学への進学実績を着実に伸ばしています。特にST(スーパー特選)クラスでは、最難関国公立大学や医学部医学科を目指す生徒が多く在籍し、高い成果を上げています。
令和4年度(2022年度)には、東京大学に4名、東京工業大学に3名、一橋大学に2名の現役合格者を輩出しました。また、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学などの難関私立大学への合格者も毎年多数出ています。
その他、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学(いわゆるGMARCH)にも安定して多くの合格者を送り出しており、生徒一人ひとりの志望進路に応じたきめ細かな指導体制が整っています。
また、國學院大學附属校として、國學院大學への推薦制度も利用可能であり、幅広い進路選択肢が用意されている点も大きな特徴です。
入試情報|募集要項と合格の目安
國學院大學久我山中学校の中学入試は、一般・CC入試とST専願入試に分かれて実施されます。試験日程や受験科目が異なるため、希望するコースに応じた対策が必要です。
2025年度の試験概要は以下の通りです。
- 一般・CC入試(第1回):2月1日(午前)【4科目(国語・算数・理科・社会)】
- 一般・CC入試(第2回):2月2日(午前)【4科目(国語・算数・理科・社会)】
- ST専願入試(第1回):2月1日(午後)【2科目(国語・算数)】
- ST専願入試(第2回):2月3日(午後)【2科目(国語・算数)】
- ST専願入試(第3回):2月5日(午前)【4科目(国語・算数・理科・社会)】
一般・CC入試では、成績上位者に対してSTクラスへのスライド合格制度があり、より高いレベルでの学びに挑戦するチャンスが広がります。
偏差値目安(参考・四谷大塚80%ライン基準)は、ST専願入試で約50前後、一般・CC入試で約45~50程度となっており、特にSTクラス志望の場合は高い得点力が求められます。
受験対策としては、国語・算数の得点力を軸に、理科・社会もバランスよく得点できるように基礎・応用力を養成することが重要です。2/5受験予定者は特に4科目型対策を忘れずに行う必要があります。
学費と奨学金制度|教育費用とサポート体制
國學院大學久我山中学校に通うために必要な初年度納入金は、約100万円前後となっています。この金額には入学金、授業料、施設費、教育充実費などが含まれており、東京都内の私立中学校としては標準的な水準といえます。
主な初年度費用(2024年度参考)は以下の通りです。
- 入学金:約25万円
- 授業料:約42万円
- 施設費:約10万円
- 教育充実費・諸経費など:約20万円
これに加えて、制服代、教材費、iPad購入費、校外学習費、クラブ活動費などが別途必要となる場合があります。
経済的支援策として、國學院大學久我山中学校は「東京都私立中学校授業料軽減助成金制度」や「就学支援金制度」の対象校となっており、一定の条件を満たせば授業料の一部補助を受けることが可能です。
また、学内には、学業成績優秀者や経済的支援を必要とする生徒を対象とした独自の奨学金制度も整備されています。教育機会の公平性を確保し、生徒一人ひとりの学びをサポートする体制が充実しています。
こんな子におすすめ|國學院大學久我山中学校に向いている生徒像
國學院大學久我山中学校は、学問・人格・体力のバランスを重視し、文武両道を実践する伝統ある中高一貫校です。そのため、次のようなタイプの生徒に特におすすめできます。
- 勉強だけでなく、スポーツや行事にも積極的に取り組みたい人
- 礼儀や規律を重んじる校風の中で成長したい人
- 難関国公立大学や早慶上理などを目指し、高い目標を持って努力できる人
- 探究学習や英語プレゼンテーションに挑戦し、表現力を高めたい人(特に女子の場合CCクラス)
- 國學院大學への進学を視野に入れながら、自分に合った進路選択をしたい人
國學院大學久我山中学校では、生徒一人ひとりの個性を尊重しながら、知・徳・体の調和を大切にする教育が行われています。志を高く持ち、多方面にわたる自己成長を目指す生徒にとって、最適な学びの場となるでしょう。