問題
次の文章を読んで, 空欄(①)〜(⑳)に当てはまる語句や数字を答えなさい。但し, 同じ数字の空欄には同じ語句が当てはまります。尚, 漢字で答えるべき語句は漢字で答え, 数字で答える場合は必ず算用数字で答えなさい。また, 空欄の後ろに字数が書いてあるものは, 必ずその指定された字数の漢字で答えなさい。
日本国憲法の成立
第二次世界大戦が終結し, 1945年9月, 日本はアメリカを中心とする連合国の占領下に入った。そして, 連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の指示を受け, 日本国憲法が1946年に公布され, 翌年に施行された。
憲法は法律全般を統一する原理・原則をまとめたものである。日本国憲法も, 「この憲法は, 国の(①)であって, その条規に反する法律, 命令, 詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は, その効力を有しなさい」(憲法第98条第1項)と規定しており, 憲法を国の(①)と位置付けている。
日本国憲法は, 日本国の理想や憲法を定めた精神を述べた(②)と11章(③)条からなり, 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を三大原則として(②)及び条文に謳うと共に, この憲法が国民主権の原則に基づき国民の制定した(④)憲法であることを表明している。
国民主権
国民主権とは, 政治の在り方を最終的に決めるのは国民であるとする考え方である。天皇については, 国民主権の原則の下で, 「天皇は, 日本国の(⑤)であり日本国民統合の(⑤)であって, この地位は, 主権の存する日本国民の(⑥)に基く」(第1条)と規定された。天皇は, 大日本帝国憲法下におけるような主権者としての権限は持たず, 形式的・儀礼的な(⑦/4字)だけを行う(第4条第1項)が, 天皇の行う全ての(⑦)には, 「(⑧)の助言と承認を必要とし, (⑧)が, その責任を負う」(第3条)と憲法に明記されている。
基本的人権の尊重
基本的人権とは, 人が生まれながらにして持っている人間としての権利であるが, 日本国憲法は, 「すべて国民は, (⑨)として尊重される」(第13条)とした上で, 平等権, 自由権, 社会権, 基本的人権を守るための権利などを保障し, 「この憲法が国民に保障する基本的人権は, 侵すことのできな(⑩)の権利として, 現在及び将来の国民に与えられる」(第11条)と定めている。
平等権とは, 全ての人間が等しく扱われることを要求する権利のことであるが, 日本国憲法では, 「すべて国民は, (⑪)に平等であって, 人種, 信条, 性別, 社会的身分又は門地により, 政治的, 経済的又は社会的関係において, 差別されない」(第14条第1項)と定めている。
自由権とは, 国家権力などの不当な介入・干渉を排除し, 個人が自由に活動できることを保障する権利である。日本国憲法に規定される自由権は, 身体の自由, 精神の自由, 経済活動の自由に分けられる。
自由権が国民生活への国家の干渉を恥じ良し, 自由を保障するという消極的な権利であるのに対し, 社会権は, 国民が人間に値する生活を営むために, その生活を積極的に保障することを国家に対して求める権利であり, 20世紀になって初めて登場した。日本国憲法では, 生存権・(⑫)を受ける権利・労働基本権などを社会権としている。
国民が安心して生活していくためには, これら平等権, 自由権及び社会権などの基本的人権が現実の政治の上で保障されていなければならない。そこで, 国民が政治に参加する権利として(⑬)権, 更に人権が侵害された場合に救済を求める権利として請求権も憲法に規定されている。
近年, 科学技術の高度化, 情報化の進展に伴う社会生活の変化, 人権に対する考え方の深まりなど, 日本国憲法制定当時には無かった様々な事態が生じてきた。その中で, 憲法には明記されていない新しい人権が主張されるようになってきている。
また, 日本国憲法で規定され国民が果たさなければならないとされる義務がある。それらは, 子供に普通(⑫)を受けさせる義務(第26条第2項), 勤労の義務(第27条第1項), (⑭)の義務(第30条)の3つである。これらの義務を果たすことは, 国を成立させる基礎であり, 国民の大きな責務である。
平和主義
日本が第二次世界大戦で他国に多大な損害を与え, また自国も大きな犠牲を払ったことを反省し, 日本国憲法では, 再び戦争を起こさないという決意のもとに徹底した平和主義が採られている。憲法の(②)で恒久平和主義の原則を宣言しているが, その原則を具体化したものが第(⑮)条である。「日本国民は, 正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し, (⑯)の発動たる戦争と, (⑰)による威嚇又は(⑰)の行使は, (⑱)を解決する手段としては, 永久にこれを放棄する」(第(⑮)条第1項)として, 戦争の放棄を規定している。更に, 第(⑮)条第2項では, 「前項の目的を達するため, 陸海空軍その他の(⑲)は, これを保持しない。国の(⑳)は, これを認めない」とも規定されている。
模範解答
いずれも、模試や入試でよく問われる語句なので、大まかな意味を覚えておくとともに、漢字でも書けるようにしておきましょう。
- ①最高法規
- ②前文
- ③103
- ④民定
- ⑤象徴
- ⑥総意
- ⑦国事行為
- ⑧内閣
- ⑨個人
- ⑩永久
- ⑪法の下
- ⑫教育
- ⑬参政
- ⑭納税
- ⑮9
- ⑯国権
- ⑰武力
- ⑱国際紛争
- ⑲戦力
- ⑳交戦権