1. 巣鴨中学校とは?基本情報とアクセス
巣鴨中学校は、東京都豊島区に位置する創立100年以上の伝統男子校です。厳格な中にも温かみのある教育姿勢を貫き、「文武両道」と「自己鍛錬」を重んじる校風が多くの保護者・受験生に支持されています。
学校はJR山手線「大塚駅」・東武東上線「北池袋駅」・都営三田線「西巣鴨駅」からそれぞれ徒歩圏内と、都心からのアクセスも良好です。池袋駅からはバスも利用可能で、通学の選択肢が多い点も魅力です。
施設面では、屋上緑化やカフェテリアを備えた校舎、温水プールや多目的体育館など、最新設備と伝統的空間が融合した学習環境が整っています。
創立以来「質実剛健・自己実現」を掲げ、多くの卒業生を社会に送り出してきた巣鴨中学校は、今なお進化を続ける男子進学校の一角です。
2. 教育理念と校風の特色
巣鴨中学校は、創立以来「心身の鍛錬」と「文武両道」を教育の柱として掲げています。時代の変化に対応しながらも、揺るぎない教育理念を持ち続ける点が、多くの家庭から高い信頼を得ている理由です。
教育方針の一つとして注目されるのが、「大菩薩峠越え強歩大会」などに代表される行事教育の充実です。これらの行事は単なる体力行事にとどまらず、生徒の忍耐力・達成感・集団行動の大切さを育む貴重な機会となっています。
また、学習面では独自の先取りカリキュラムを導入し、中学段階で高校課程の一部を修了するなど、学習効率の最大化を追求。精神的にも学力的にもタフな男子を育成するスタイルが貫かれています。
このような巣鴨の校風は、「ストイックな男子校」として知られる一方で、生徒・教員間の距離も近く、温かな信頼関係が根づいた教育環境が広がっています。
3. 学習指導とカリキュラム
巣鴨中学校では、「英才早教育」の理念に基づいたカリキュラムを展開しており、中学3年生までに高校課程の基礎部分をほぼ修了します。主要5教科は、密度の濃い授業と丁寧な指導により、高い基礎学力と応用力を同時に養成する構成です。
英語教育には特に力が入れられており、英会話・英作文・文法をバランスよく育成。外国人講師との授業やオンライン英会話の導入により、実践的な英語力を早期から培います。英検取得率も高く、英語を得意科目とする生徒が多いのも特徴です。
理科では分野ごとに専門教員が授業を担当し、実験・観察を多用して理解を深めます。数学・国語でも体系的な教材を用いた徹底指導が行われており、中学段階から私立・国公立難関大学を見据えた実力養成が進められます。
高校段階では文系・理系に分かれた選抜制のクラス編成となり、志望進路に応じた選択科目も用意されています。演習や記述指導を通じて、入試本番で戦える実戦力をしっかりと鍛えていきます。
4. 進路指導と大学合格実績
巣鴨中学校・高等学校では、中学段階から一貫して進学を意識したカリキュラムと指導が行われており、難関大学合格を見据えた教育が早期から徹底されています。
高等学校では文系・理系の選抜クラスを設置し、それぞれの進路に応じた個別対応が充実。添削指導や演習授業、模試対策などが体系的に組まれており、志望校合格に向けた戦略的な学習が可能です。
その結果、2022年春の大学合格実績では以下のような成果を挙げています:
- 東京大学:現役4名、浪人4名
- 京都大学:現役0名、浪人3名
- 東京工業大学:現役1名、浪人1名
- 一橋大学:現役1名、浪人0名
- 早慶上理ICU合計:約100名以上
その他、国公立医学部や東京医科歯科大学、日本医科大学、順天堂大学医学部など、医学系の進学にも強みを持っています。
「知の鍛錬」と「志の確立」を通じて、大学進学後や社会に出てからも活躍できる力を育むのが、巣鴨の進路指導の大きな特長です。
5. 国際教育と海外研修
巣鴨中学校では、「世界で活躍する男子を育てる」ことを教育目標の一つに掲げ、グローバル教育にも力を入れています。日々の英語教育に加え、海外研修や国際交流プログラムを積極的に導入しているのが特長です。
代表的なプログラムとしては、夏季の海外英語研修(オーストラリア・ニュージーランドなど)があり、現地の学校での授業参加やホームステイ体験を通して、実践的な語学力と異文化理解を深めます。
また、短期の語学留学制度や、外国人講師による特別講座、オンライン国際交流など、日常の授業外にも豊富な機会が設けられており、国際感覚と柔軟な思考力を育てる環境が整っています。
このように、巣鴨中学校は伝統的な男子校の枠を超えたグローバルな学びを取り入れており、知識だけでなく国際社会で生きる力を育成する場としても注目されています。
6. 学校行事・体験活動・武道教育
巣鴨中学校では、「身体と精神の鍛錬」を教育の重要な柱として位置づけ、年間を通じた行事や体験活動が非常に充実しています。特に男子校ならではのスケール感と一体感を感じられる行事が魅力です。
なかでも有名なのが、全校生徒が参加する「大菩薩峠越え強歩大会」です。標高1897メートルの大菩薩峠を踏破するこの行事は、体力だけでなく精神力・忍耐力・仲間との絆を育む、巣鴨の象徴的な行事となっています。
さらに、富士登山・臨海学校・スキー学校・農村体験など、自然に触れる体験活動も多く、生徒たちは教室を離れて五感を使った学びと自己成長を経験します。
また、巣鴨ならではの特色として、中学から武道(剣道・柔道)の必修授業があり、礼儀・集中力・礼節を重んじる心が養われます。日々の稽古や試合を通じて、心身の鍛錬が着実に進められているのも、巣鴨教育の真髄といえるでしょう。
7. クラブ活動と生徒の自主性
巣鴨中学校では、文武両道の精神を体現するように、クラブ活動も活発に行われています。部活動の参加率は非常に高く、生徒たちは勉学との両立を図りながら、充実した学校生活を送っています。
運動系クラブには、剣道部・柔道部・サッカー部・野球部・バスケットボール部・水泳部などがあり、なかには全国大会に出場する実力を持つ部も存在します。特に武道系クラブは巣鴨の伝統を象徴しており、技術と礼儀を兼ね備えた活動が行われています。
一方、文化系クラブでは、鉄道研究部・囲碁将棋部・化学部・歴史研究部・英語研究部など、生徒の知的好奇心を刺激する多彩な選択肢が用意されています。中高一貫で継続的な活動が可能なため、探究心をじっくり育てる環境が整っています。
加えて、生徒主体の行事運営や委員会活動も盛んで、自主的に企画・実行する力が自然と身につくような仕組みが根づいています。こうした経験が、大学進学や将来のリーダーシップにもつながっていきます。
8. 校舎・施設・学習環境
巣鴨中学校の校舎は、伝統と機能性が融合した学習環境として整備されています。敷地内には最新のICT機器を備えた教室群のほか、自然に囲まれた中庭や屋上緑化スペースなど、心を落ち着けて学習できる空間が点在しています。
特に注目されるのは、理科実験室やコンピュータ室、図書館、語学自習スペースなどの専門施設が充実している点です。これにより、授業外の探究活動や自主学習がスムーズに行える学習環境が整っています。
体育関連施設も申し分なく、体育館・武道場・温水プール・屋外グラウンドが完備。部活動や体育の授業、課外活動においても生徒の活動をしっかりと支えています。
さらに、カフェテリアや売店も校舎内に設置されており、生徒同士の交流や心のリフレッシュの場としても活用されています。安心・安全に配慮された校舎設計で、生徒が快適に過ごせる学びの拠点が築かれています。
9. 入試情報と合格の目安
巣鴨中学校では、複数回の入試日程が設けられており、受験機会の多さも魅力のひとつです。2023年度入試では、以下の通りのスケジュールで実施されました。
入試日程・試験科目(2023年度)
- I入試:2月1日午前(国・算・社・理・面接)
- 算数特化入試:2月1日午後(算数のみ・60分100点)
- II入試:2月2日(国・算・社・理・面接)
- III入試:2月4日(国・算・社・理・面接)
試験時間と満点は以下の通りです:
- 国語・算数:各50分・100点
- 社会・理科:各30分・50点
- 算数特化型のみ:60分・100点
合格最低点(2023年度)は、I・II入試ともに182点、III入試は198点でした(300点満点換算)。
合格の目安と偏差値(四谷大塚・2024年春)
- I入試(2月1日):偏差値 55〜58
- 算数特化入試(2月1日午後):偏差値 64
- II入試(2月2日):偏差値 58
- III入試(2月4日):偏差値 60
併願校パターン(例)
巣鴨中学校を受験する際の併願校として、以下のような構成がよく見られます:
- 挑戦校:早稲田中、栄光学園、開成中
- 標準校:芝中、世田谷学園、攻玉社
- 安全校:東京都市大学付属、城北中、明大中野
いずれの回も面接を含む全教科型である点や、複数回受験による得点優遇(加点)がある可能性もふまえた戦略的な併願がポイントです。
10. 保護者・生徒の声
在校生の声
「巣鴨には他校にはない個性的な行事がたくさんありますが、なかでも『大菩薩峠越え強歩大会』は一生忘れない思い出です。長い山道を歩き続ける中で、自分と向き合い、仲間と支え合いながらゴールしたときの達成感は格別でした。
日々の授業や部活動だけでなく、こうした経験を通じて、自分の成長を実感できる学校だと感じています。」
保護者の声
「中高6年間を通じて、確かな学力だけでなく、人間的にも大きく成長する姿が見られました。特に巣鴨ならではの武道教育や行事が、粘り強さ・礼儀・自主性を育んでくれたと感じています。
先生方のご指導も丁寧で、進路指導も的確。男子校ならではの熱さと仲間意識が息子にとても合っていたようです。」
11. 巣鴨中学校を志望する皆さんへ(まとめ)
巣鴨中学校は、100年以上の伝統を守りながら、国際社会で通用する実力と豊かな人間性を育む教育を実践する、男子進学校の名門です。
学力の伸長はもちろんのこと、武道教育・行事・部活動などを通して、仲間とともに過ごす日々が人としての器を広げる6年間になります。
特に「大菩薩峠越え強歩大会」に代表されるように、「自らを鍛える」という巣鴨の教育哲学は、生徒一人ひとりの内面を力強く支えてくれます。
男子校ならではのエネルギーに満ちた環境で、自分の限界に挑戦したい人、心を育てたい人にとって、巣鴨中学校は理想的な場所といえるでしょう。
ぜひ一度、学校説明会や文化祭にも足を運び、巣鴨の「熱さ」と「誠実さ」を肌で感じてみてください。