頌栄女子学院中学校とは?基本情報と沿革
頌栄女子学院中学校は、東京都港区白金台に位置するキリスト教教育を基盤とする女子中高一貫校です。明治時代に創立された長い歴史と伝統をもち、現在でも「敬神・奉仕・勤勉」の建学の精神のもと、品位と知性を兼ね備えた女性の育成を目指しています。
都内屈指の高級住宅街にキャンパスを構え、落ち着いた学習環境と整備された校舎のもとで、思春期の6年間を安心して過ごせる点でも高く評価されています。
基本情報
- 所在地:〒108-0071 東京都港区白金台2-26-5
- アクセス:東京メトロ南北線・都営三田線「白金台駅」徒歩5分/JR「目黒駅」徒歩12分
- 創立:1884年(明治17年)
- 設立母体:カナダ・メソジスト教会(現・カナダ合同教会)
- 共学・別学:女子校(完全中高一貫制)
- 生徒数:約720名(中学・高校合計)
沿革の概要
頌栄女子学院の歴史は、1884年にカナダ・メソジスト教会の宣教師によって設立された「頌栄学校」に始まります。以来140年近くにわたり、キリスト教精神と学問の融合を教育の中心に据え、女子教育の先駆的存在として歩んできました。
戦後は現在の「頌栄女子学院中学校・高等学校」として整備され、現代においても宗教教育を軸としつつ、学力・人格・国際感覚のバランスを重視した教育を実践し続けています。
アクセスと周辺環境
頌栄女子学院中学校は、東京都港区白金台という都心の中でも特に閑静で品格あるエリアに校舎を構えています。交通の利便性と落ち着いた学習環境の両立が図られており、首都圏全域からの通学にも適した立地です。
アクセス情報
- 東京メトロ南北線・都営三田線:「白金台駅」徒歩約5分
- JR山手線・東急目黒線:「目黒駅」徒歩約12分
- バス路線:白金台駅・目黒駅方面から路線バスの利用も可能
主要ターミナル駅からのアクセスも良好で、「渋谷駅」や「新宿駅」から30分圏内。乗換1回で通える地域も多く、女子中高生の通学において安全性や利便性が高く評価されています。
周辺環境
校舎周辺は都立自然教育園や庭園美術館など緑豊かな文化施設が点在し、都心にありながらも自然や芸術に触れられる環境が整っています。
また、近隣は高級住宅街として知られる白金台エリアであり、治安の良さ・落ち着いた雰囲気も大きな魅力です。
教育方針と校風:キリスト教精神に基づく人間教育
頌栄女子学院中学校の教育の根幹には、創立以来受け継がれてきたキリスト教(プロテスタント)精神があります。生徒たちは6年間を通じて「敬神・奉仕・勤勉」という建学の精神を実践し、信仰に根ざした人格形成を行います。
教育理念と方針
- 敬神:神を畏れ、感謝と謙虚さを持って日々を生きる
- 奉仕:他者のために尽くす心を育てる(ボランティアや福祉活動)
- 勤勉:努力を惜しまない学習姿勢を大切にする
この3つの柱に基づき、知識だけでなく心の成長や道徳観、社会性を重視する教育が徹底されています。授業や行事においても祈りの時間があり、日常生活の中に信仰が自然に根付く環境が整っています。
校風の特徴
頌栄の校風は、規律と自由のバランスが取れた落ち着いた雰囲気が魅力です。生徒同士の関係は温かく、お互いを尊重しながら高め合う文化が育っています。教師陣も厳しさと優しさを併せ持ち、生徒一人ひとりの成長を見守り支える体制が整っています。
また、毎朝の礼拝や聖書の授業を通じて、静かに内省する時間が日常的に確保されており、心を落ち着けて学びに向き合える校風は、保護者からの信頼も厚い理由のひとつです。
カリキュラムの特色と英語・探究教育
頌栄女子学院中学校のカリキュラムは、基礎学力の定着と応用力の養成を両立する構成となっており、生徒の将来を見据えた知的成長を支えています。中高一貫6年間の系統的な教育により、大学進学に向けた確かな学力を着実に培っていきます。
中学課程の学習内容
- 主要5教科+宗教(聖書)教育を重視
- 定期テスト・補習・課題管理を通じた学習習慣の確立
- 放課後補習・講習の実施(希望制/習熟度別対応)
英語教育の特色
頌栄は英語教育に力を入れる学校としても定評があり、英語の授業は週5時間、中3からは英語によるディスカッション・プレゼンも導入され、「使える英語」を重視した実践型指導が展開されています。
- ネイティブ教員との少人数会話授業あり
- 英検・TOEFL Juniorなどの受験を奨励
- 発表型授業・エッセイ指導の充実
探究・表現教育
中高を通じて、調べて、考え、発表する力を育てる探究的学習が組み込まれています。特に中3以降は、社会問題・文化・環境など多様なテーマに取り組み、プレゼンテーションやディスカッションを通して自分の意見を他者に伝える訓練が行われます。
このように、頌栄のカリキュラムは教科の枠を超えた「知の統合」を意識した構成となっており、大学進学後にも通用する思考力と表現力の土台を築いていきます。
海外研修・語学研修:カナダ短期研修と国際交流
頌栄女子学院中学校では、国際感覚を養う教育にも力を入れており、英語教育と連動した海外研修プログラムが整備されています。特に中学卒業後に実施されるカナダ短期留学は、多くの生徒が成長を実感する貴重な体験として知られています。
カナダ短期研修(高1夏)
カナダの提携校と連携して行われるこのプログラムでは、現地家庭でのホームステイを行いながら、英語による授業や文化体験に参加します。滞在先では日常会話を英語で行い、授業ではプレゼンやレポート発表にも挑戦します。
- 対象:高1生徒(中学卒業後)
- 期間:約2週間
- 目的:語学力の向上と異文化理解
国際理解教育の取り組み
- 校内での英語スピーチコンテストやプレゼン大会の実施
- ネイティブ教員との交流機会(イマージョン授業)
- 外国文化に関する授業・行事を通じた異文化体験
また、将来的に海外大学進学や留学を希望する生徒に対しては、英語力だけでなくエッセイ・面接指導などの支援体制もあり、生徒の挑戦をしっかりと後押ししています。
ICT・図書館・自学自習支援体制
頌栄女子学院中学校では、現代の学びに欠かせないICT活用や、主体的な学習姿勢を育てる自学支援にも力を注いでいます。特に中高一貫校ならではの落ち着いた環境の中で、自ら学び、考える力を養う設備と体制が整えられています。
ICT活用の取り組み
- 一部授業においてタブレット端末を活用し、プレゼンや資料共有を実施
- 校内ネットワーク・オンライン学習ツールによる課題提出・フィードバック対応
- 英語教育との連動:リスニング教材やスピーキング練習をデジタルで反復
頌栄では、過度なデジタル依存ではなく、紙の教材とICTを適切に組み合わせた学習環境を重視しており、学力と情報リテラシーの両立を図っています。
図書館と学習支援施設
校内の図書館は蔵書数・閲覧環境ともに非常に充実しており、静かな空間で自習・調べ学習・探究活動に集中できる場として生徒に人気です。
- 探究活動の情報収集・文献指導に対応
- 推薦図書・課題図書を学年別に常設
- 放課後利用も可:自習室としての活用も可能
自学自習を支える体制
授業以外にも、放課後の補習・講習や、希望制の学習会・個別指導など、自主学習を支援する仕組みが整っています。生徒の「わからない」に寄り添うことで、自信をもって学びに向かう姿勢を育成しています。
部活動と学校行事:クラブ活動・修養会・文化祭(聖書劇)など
頌栄女子学院中学校では、学習面だけでなく、心と体を豊かに育てるための課外活動にも大きな価値を置いています。部活動や学校行事を通じて、生徒たちは協調性や責任感、創造力を育み、かけがえのない経験を重ねていきます。
部活動の概要
部活動は運動部・文化部合わせて20以上が設置されており、多くの生徒が何らかのクラブに所属しています。活動は週2〜3日程度で、学業との両立を重視した運営がされています。
- 運動部:テニス、バレーボール、バスケットボール、バドミントン、陸上、ダンス など
- 文化部:聖歌隊、英語クラブ、理科部、茶道、華道、演劇、写真、美術 など
主な学校行事
- 修養会:キリスト教に基づいた静かな時間を過ごす1泊2日の宿泊行事
- 文化祭:毎年秋に開催。生徒による展示・舞台発表に加え、聖書劇の上演が伝統
- クリスマス礼拝:校内で最も厳かで大切にされる宗教行事
- スポーツ大会:運動部中心の活気ある競技会
特に頌栄祭での「聖書劇」は、全校生徒が一丸となって創り上げる象徴的な行事であり、頌栄らしい敬虔さと創造性が融合した舞台として、保護者・卒業生からも高く評価されています。
このような行事を通して、生徒たちは知識では得られない「心の成長」を実感し、学校生活への帰属意識や達成感を深めています。
進学実績と併設高校の大学合格状況(指定校推薦も含む)
頌栄女子学院中学校・高等学校は、完全中高一貫制であるため高校からの募集がなく、6年間を通じて着実に学力を伸ばす教育が行われています。その成果として、国公立大学・難関私立大学への高い現役合格実績を誇っています。
2024年度 大学合格実績(抜粋)
- 国公立大学:東京大学、東京外国語大学、お茶の水女子大学、東京学芸大学、千葉大学、筑波大学 など
- 私立大学:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学 など
- 海外大学合格実績:アメリカ・イギリス・オーストラリアなどへの進学実績あり
特に東京外国語大学やお茶の水女子大学など、語学や教育に強みをもつ国公立大学への合格者が毎年安定しており、英語力・探究力を活かした進学が多い点も頌栄の特徴です。
指定校推薦・内部推薦制度
- 指定校推薦枠:上智大学、立教大学、青山学院大学、学習院大学 など
- 校内選考:日頃の学習態度や成績、人物評価を重視した丁寧な選考
- 生徒の希望と適性に応じた進路支援:推薦利用を含め多様な進路実現をサポート
また、共学志向ではない女子校だからこそ実現できる進路指導も魅力のひとつで、思考力や価値観を大切にした進学先選びができるよう、教員が伴走型で支援しています。
学費と奨学金制度
頌栄女子学院中学校は私立中高一貫校であるため、一定の学費が必要となりますが、充実した教育内容や設備・行事を考慮すれば、高い教育効果をもたらす投資といえます。また、家庭の事情に配慮した奨学金制度も用意されています。
2024年度 中学1年生の学費(目安)
- 入学金:300,000円
- 授業料:480,000円(年額)
- 教育充実費・施設費等:約300,000円
- その他費用:約150,000円(教材費、行事費、制服代など別途)
- 年間合計:およそ1,200,000円前後
学費の分納制度や、口座引き落としによる管理も整備されており、保護者が無理なく納入できる体制が整っています。
奨学金・学費支援制度
- 頌栄女子学院独自の奨学金:経済的理由による支援申請が可能(返済不要)
- 東京都授業料軽減助成金制度:所得基準に応じて授業料を補助
- 私学共済の学費補助制度:条件により利用可能
こうした制度を活用することで、経済的な理由で進学をあきらめることなく、安心して6年間の教育に取り組むことができます。入学説明会などで詳しい制度説明が行われるため、検討中のご家庭はぜひ確認してみてください。
入試情報と合格の目安+併願校パターン
頌栄女子学院中学校では、毎年2回の一般入試(2月1日午前・2月5日)と、帰国生入試が実施されています。
特に2月1日の初回入試は都内難関女子校との併願を視野に入れる受験生が多く、女子難関校受験戦略の中心に据えられることも多いです。
2024年度 一般入試日程と概要
回次 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 | 手続締切 | 入試科目 |
---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1/10〜1/26 | 2/1 | 2/2 | 2/2・2/3 | 国語・算数・社会・理科・面接 |
第2回 | 1/10〜2/4 | 2/5 | 2/6 | 2/6・2/7 | 国語・算数・社会・理科・面接 |
試験概要と得点配分
- 試験時間:各科目40分
- 満点:国・算・理・社 各100点、合計400点満点
- 合格最低点:
- 第1回:237点(約59.3%)
- 第2回:224点(約56.0%)
- 面接:本人+保護者1名同伴、約5分間(参考評価)
- 提出書類:調査書等の提出不要
偏差値の目安(実戦的な目標ライン)
四谷大塚偏差値を参考に、実戦での目安として-5程度調整した合格可能性ラインは以下の通りです。
- 第1回(2/1):偏差値60前後(実戦目安55)
- 第2回(2/5):偏差値62前後(実戦目安57)
併願校パターン(例)
● 挑戦校として位置づける場合
- 1/20:渋谷教育学園幕張(一次)
- 2/1午前:頌栄女子学院(第1回)
- 2/2:豊島岡女子学園
- 2/5午後:鷗友学園女子
● 標準校として受験する場合
- 1/20:広尾学園
- 2/1午前:頌栄女子学院(第1回)
- 2/2午後:香蘭女学校
- 2/5午前:頌栄女子学院(第2回)
● 安全校としておさえる場合
- 1/10:十文字
- 1/20:淑徳SC
- 2/2午後:白百合学園
- 2/5午後:佼成学園女子
このように、頌栄女子学院は女子校志望者にとって柔軟な併願戦略を立てやすい中堅〜上位校として非常に人気が高く、教育内容・進学実績の両面で魅力ある選択肢となっています。
頌栄女子学院中学校はこんな受験生におすすめ
頌栄女子学院中学校は、学力の定着と人格形成を重視した教育を行っており、学習意欲が高く、内面的な成長を大切にしたい受験生に特におすすめの学校です。以下のような受験生に向いています。
1. 思考力と表現力をバランスよく伸ばしたい人
探究学習・プレゼン型授業を重視する頌栄では、ただ知識を詰め込むのではなく、自分の考えを深め、他者に伝える力が養われます。将来、文系・理系問わず社会で活躍する力の土台を築ける環境です。
2. 宗教的価値観や静かな校風に共感できる人
毎朝の礼拝やキリスト教に基づいた教育方針に共感できる受験生には、穏やかで心の落ち着く学び舎として最適です。競争よりも協調を大切にし、自己と向き合う時間が確保された学校生活を送りたい人に向いています。
3. 英語や国際交流に関心がある人
英語教育に力を入れており、ネイティブ教員による指導やカナダ研修なども用意されています。将来、海外大学進学やグローバルに活躍したいと考える生徒にとって、良質なステップとなるでしょう。
4. 女子校ならではの落ち着いた学習環境を求める人
頌栄は完全中高一貫の女子校として、静かで集中しやすい教室環境を維持しています。周囲の意識も高く、自主的に学ぶ雰囲気が整った学校を求めるご家庭に高く評価されています。
このように、頌栄女子学院中学校は学びと心の成長を両立したい受験生にとって、非常に有力な進学先といえるでしょう。
まとめ:頌栄女子学院中学校の魅力とは?
頌栄女子学院中学校は、知・徳・体のバランスのとれた教育を実践する、都内屈指の伝統ある女子中高一貫校です。キリスト教に基づく人間教育、実践的な英語指導、探究型の学びなど、多面的な成長機会が整えられており、将来を見据えた確かな学力と人格形成が両立できる環境となっています。
さらに、落ち着いた校風と質の高い教師陣、整備された学習支援体制により、生徒一人ひとりが安心して学べることも魅力です。大学合格実績や指定校推薦制度も充実しており、難関国公私立大学への現役進学も実現可能です。
進学実績だけでなく、「内面的な豊かさ」や「他者を思いやる心」を育むことにも重きを置く頌栄女子学院は、人生を見据えて学校選びをしたいご家庭にとって、非常に有力な選択肢となるでしょう。