俳諧
俳諧連歌が盛んになり、その発句が独自性を強め、芭蕉の俳諧となった。
松尾芭蕉
江戸前期の俳人。自然との融合の中、身近な言葉や素材を用いて深い境地を詠み、「わび」「さび」「軽み」の世界を表現。「蕉風」と呼ばれる独自の詩風を完成し、俳諧を優れた芸術に高めた。「奥の細道」が代表作。
与謝蕪村
江戸中期の俳人。画家。芭蕉の句を手本にしたが、唯美的傾向の強い絵画的な句が多い。蕪村句集。
小林一茶
江戸後期の俳人。貧困と不幸な運命の中で、強烈な自我を貫いて生きた俳人である。「おらが春」など。
浮世草子
元禄期に活躍した井原西鶴の書作品を代表とする、町人階級の生活を描いた作品。
井原西鶴
江戸前期の代表的浮世草子作家、町人の生活をリアルに描き高い文学性を持たせた。「日本永代蔵」「世間胸算用」、町人物や好色物などがある。
浄瑠璃
人形を使った舞台演劇。
近松門左衛門
浄瑠璃・歌舞伎の脚本家。中国から題材を採った伝奇的時代物として「国性爺合戦」、町人社会から題材を採った世話物として「曽根崎心中」などがある。
読本
江戸中期から後期に流行した、空想的・伝奇的な読み物。絵本に対して読むことを主にした本の意。
上田秋成
江戸中期の読本作家。高い文学性を持たせた怪奇小説「雨月物語」「春雨物語」がある。
滝沢馬琴
代表的読本作家。106冊からなる大作、勧善懲悪・因果応報思想に貫かれた「南総里見八犬伝」がある。
滑稽本
笑いや滑稽を基調に庶民の日常や遊びを描いた読み物。
十返舎一九
弥次・喜多道中記で知られる「東海道中膝栗毛」。
式亭三馬
庶民の社交場・銭湯を題材にした「浮世風呂」。